JP2005331757A - 偏光選択性ホログラム素子・光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 青色等の短波長光においても大きな回折角度が得られ、大きな回折効率と優れた偏光選択性を有し、入射角度依存性が小さく発散光に対しても高効率の偏光選択性ホログラム素子を実現する。
【解決手段】 偏光選択性ホログラム素子1は、非重合性液晶2と、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3と、図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物4を2枚の透明基板5間に挟む構造を有している。各透明基板5の組成物4に対向する表面には透明電極6が設けられ、組成物4の厚み方向に電界を印加可能となっている。相分離時に電界あるいは磁界を印加することで液晶分子に静電的な配向力を与え、相分離後の液晶層部の複屈折を大きくすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 偏光選択性ホログラム素子1は、非重合性液晶2と、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3と、図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物4を2枚の透明基板5間に挟む構造を有している。各透明基板5の組成物4に対向する表面には透明電極6が設けられ、組成物4の厚み方向に電界を印加可能となっている。相分離時に電界あるいは磁界を印加することで液晶分子に静電的な配向力を与え、相分離後の液晶層部の複屈折を大きくすることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ピックアップ等に用いられ、入射光の偏光方向によって素子を透過又は回折させる機能を有する偏光選択性ホログラム素子、該偏光選択性ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置に関する。
本発明のホログラム素子は、光ディスクや光磁気ディスクなどの光ピックアップを小型化するための偏光依存性ホログラム素子や、投射型表示装置などの照明光の光利用効率を向上させるための偏光分離素子や、偏光面に応じて光路を切り換える光スイッチなどに応用できる。
本発明のホログラム素子は、光ディスクや光磁気ディスクなどの光ピックアップを小型化するための偏光依存性ホログラム素子や、投射型表示装置などの照明光の光利用効率を向上させるための偏光分離素子や、偏光面に応じて光路を切り換える光スイッチなどに応用できる。
このような偏光依存性ホログラム素子としては以下の従来技術がある。
(1)特開平7−287117号公報には、光学異方性基板上に回折格子形状を形成し、この回折格子形状の溝部に屈折率を規定した材料を充填した偏光ビームスプリッターが開示されている。
(2)特開平10−92004号公報には、等方性基板上に回折格子形状を形成し、この回折格子形状の溝部に光学異方性の材料を充填した光学異方性回折素子が開示されている。
(3)特開平10−74333号公報には、光重合性液晶を、周期的な透明電極パターンを有する透光性基板で狭持した液晶セルを用い、透明電極パターンに電圧を印加することで液晶を周期的に垂直配向させて光重合させるとともに、非電圧印加部は水平配向の状態で光重合させることで、水平配向領域と垂直配向領域の周期構造を形成した光学異方性回折素子が開示されている。
(4)特開平11−271536号公報には、上述のような光重合性液晶を用い、水平配向させた状態で干渉露光等の方法で露光を行い、露光部の液晶を周期的に重合固化させた後に未露光部に電場又は磁場を印加させ垂直配向させた状態で反応固化するホログラム素子が開示されている。
(5)特開2000−221465号広報には、液晶と高分子を含む光学媒体を液晶のN−I点に対応した特定の温度範囲に制御して二光束干渉露光を行うことで、液晶が微細な周期構造に対し一様な方向に配向する構造を有する回折光学素子が開示されている。
(6)特開2002−221621号公報には、光学的な等方性領域と異方性領域とが交互に積層され、異方性領域の光学軸を、再生光の入射面に対し略々平行で、且つ、等方性領域と異方性領域との境界面に対し略々平行に配向させた偏光選択性ホログラム素子が開示されている。異方性領域は液晶材料を含み、配向膜又は電界もしくは磁界あるいは照射される光線などによって配向規制されている。
(1)特開平7−287117号公報には、光学異方性基板上に回折格子形状を形成し、この回折格子形状の溝部に屈折率を規定した材料を充填した偏光ビームスプリッターが開示されている。
(2)特開平10−92004号公報には、等方性基板上に回折格子形状を形成し、この回折格子形状の溝部に光学異方性の材料を充填した光学異方性回折素子が開示されている。
(3)特開平10−74333号公報には、光重合性液晶を、周期的な透明電極パターンを有する透光性基板で狭持した液晶セルを用い、透明電極パターンに電圧を印加することで液晶を周期的に垂直配向させて光重合させるとともに、非電圧印加部は水平配向の状態で光重合させることで、水平配向領域と垂直配向領域の周期構造を形成した光学異方性回折素子が開示されている。
(4)特開平11−271536号公報には、上述のような光重合性液晶を用い、水平配向させた状態で干渉露光等の方法で露光を行い、露光部の液晶を周期的に重合固化させた後に未露光部に電場又は磁場を印加させ垂直配向させた状態で反応固化するホログラム素子が開示されている。
(5)特開2000−221465号広報には、液晶と高分子を含む光学媒体を液晶のN−I点に対応した特定の温度範囲に制御して二光束干渉露光を行うことで、液晶が微細な周期構造に対し一様な方向に配向する構造を有する回折光学素子が開示されている。
(6)特開2002−221621号公報には、光学的な等方性領域と異方性領域とが交互に積層され、異方性領域の光学軸を、再生光の入射面に対し略々平行で、且つ、等方性領域と異方性領域との境界面に対し略々平行に配向させた偏光選択性ホログラム素子が開示されている。異方性領域は液晶材料を含み、配向膜又は電界もしくは磁界あるいは照射される光線などによって配向規制されている。
近年、光ピックアップ装置の小型化のためにレーザーダイオードとフォトディテクターを近接して配置し、偏光依存性ホログラム素子を用いて光源からの出射光は回折せずに効率良くディスク面に集光し、ディスク面で反射された後に偏光面が90度回転して戻ってきた光のみを回折させて効率良く受光素子内に導く方式が提案されている。
また、光ディスク装置は高密度化のために光源の短波長化が進展している。上記のホログラム素子を用いた場合回折角は波長に依存するため、小型のレイアウトを実現するために必要な回折角を得るためには、より短いピッチの回折格子が必要とされている。
一方、光源の短波長化に伴い、フォトディテクターの感度が低下するため、光学系の高効率化が必要とされている。さらに、書き込みや読み込み速度を向上させるためにも光学系の効率向上が求められており、偏光依存性ホログラム素子としては短いピッチで高い回折効率が得られるものが求められている。
また、光ディスク装置は高密度化のために光源の短波長化が進展している。上記のホログラム素子を用いた場合回折角は波長に依存するため、小型のレイアウトを実現するために必要な回折角を得るためには、より短いピッチの回折格子が必要とされている。
一方、光源の短波長化に伴い、フォトディテクターの感度が低下するため、光学系の高効率化が必要とされている。さらに、書き込みや読み込み速度を向上させるためにも光学系の効率向上が求められており、偏光依存性ホログラム素子としては短いピッチで高い回折効率が得られるものが求められている。
それに対して、上記(1)や(2)の従来例のものはドライエッチング等の方法で回折格子形状を形成する必要がある。このような構造において、高い回折効率を得るためには溝形状の深さをより深くする必要があり、加工上の困難を伴う。また、深い溝形状に均一に材料を充填することが困難であるという問題もある。
上記(3)の従来例では格子のピッチは透明電極のピッチで決まるが、電極の微細化の制約とともに、回折効率を高くするために厚膜化すると電極のピッチよりも膜厚が厚くなり、隣接電極の影響によって液晶層に所望の電界がかけられなくなるという問題がある。また、短いピッチでは、垂直配向領域の配向が隣接する水平配向領域に影響を及ぼし、所望の配向分布が得られないと言う問題がある。
上記(4)の従来例では露光のピッチを微細化することは可能であるが、反応活性種の熱拡散のために露光通りの短いピッチを形成することが困難であるという問題がある。
上記(3)の従来例では格子のピッチは透明電極のピッチで決まるが、電極の微細化の制約とともに、回折効率を高くするために厚膜化すると電極のピッチよりも膜厚が厚くなり、隣接電極の影響によって液晶層に所望の電界がかけられなくなるという問題がある。また、短いピッチでは、垂直配向領域の配向が隣接する水平配向領域に影響を及ぼし、所望の配向分布が得られないと言う問題がある。
上記(4)の従来例では露光のピッチを微細化することは可能であるが、反応活性種の熱拡散のために露光通りの短いピッチを形成することが困難であるという問題がある。
さらに、上記(5)の従来例では、ポリマーと液晶の相分離を利用して短いピッチの周期構造を比較的容易に形成できるが、液晶相部分の複屈折性を十分に発現させることが難しいという問題がある。
上記(6)の従来例では、液晶相部分の配向規制方法として配向膜による方法を例示しているが、光誘起相分離過程において基板界面付近では配向規制力が働くが、ホログラム層内部では配向規制力の影響が小さくなってしまうという問題がある。
電界あるいは磁界による配向規制の記述もあるが、具体的構成は例示されていない。
また、上記のような方法によって得られるバイナリー構造のホログラムでは±1次ないしそれ以上の高次の回折現象を示すため、たとえ+2次以上ないし−2次以下の高次光を抑制したとしても回折光の光利用効率は半分以下となってしまう。また、±1次光それぞれに対応させて受光素子を配置する方法も知られているが(例えば特開平9−50642号公報)、構造が複雑となり、コスト増加を招く。
上記(6)の従来例では、液晶相部分の配向規制方法として配向膜による方法を例示しているが、光誘起相分離過程において基板界面付近では配向規制力が働くが、ホログラム層内部では配向規制力の影響が小さくなってしまうという問題がある。
電界あるいは磁界による配向規制の記述もあるが、具体的構成は例示されていない。
また、上記のような方法によって得られるバイナリー構造のホログラムでは±1次ないしそれ以上の高次の回折現象を示すため、たとえ+2次以上ないし−2次以下の高次光を抑制したとしても回折光の光利用効率は半分以下となってしまう。また、±1次光それぞれに対応させて受光素子を配置する方法も知られているが(例えば特開平9−50642号公報)、構造が複雑となり、コスト増加を招く。
理想的には+1次又は−1次光のみが高効率で得られるブレーズ化ホログラムのような性能を有する偏光分離素子が好ましいが、上記(1)から(3)の従来技術では青色等の短波長でこのような特性を示すものは得られていない。
上記(4)の従来方法では干渉縞を斜めに形成することで回折角の小さい場合には+1次又は−1次光の片方の回折効率を高めた素子が得られるが、前述の反応活性種の拡散のため回折角が大きな素子は得られていない。
上記(5)の方法でも干渉縞を斜めに形成することで回折角の小さい場合には+1次又は−1次光の片方の回折効率を高めた素子が得られるが、液晶相部分の複屈折性を十分に発現させることが難しく、体積ホログラムの厚みを厚くする必要があり、回折効率の入射角度依存性が大きくなるという問題がある。
上記(4)の従来方法では干渉縞を斜めに形成することで回折角の小さい場合には+1次又は−1次光の片方の回折効率を高めた素子が得られるが、前述の反応活性種の拡散のため回折角が大きな素子は得られていない。
上記(5)の方法でも干渉縞を斜めに形成することで回折角の小さい場合には+1次又は−1次光の片方の回折効率を高めた素子が得られるが、液晶相部分の複屈折性を十分に発現させることが難しく、体積ホログラムの厚みを厚くする必要があり、回折効率の入射角度依存性が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、青色等の短波長光においても大きな回折角度が得られ、大きな回折効率と優れた偏光選択性を有し、入射角度依存性が小さく発散光に対しても高効率の偏光選択性ホログラム素子の提供を、その目的とする。
また、本発明は、かかる偏光選択性ホログラム素子を用いた光ディスク用の小型の光ピックアップ装置の提供を、その目的とする。
また、本発明は、かかる偏光選択性ホログラム素子を用いた光ディスク用の小型の光ピックアップ装置の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物内の有効領域に電界あるいは磁界を印加した状態で、前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したことを特徴とする。
ここでは、特に、入射する偏光面の方向(p偏光又はs偏光)による回折効率の差(偏光選択性)が大きい偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的イとする。
ここでは、特に、入射する偏光面の方向(p偏光又はs偏光)による回折効率の差(偏光選択性)が大きい偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的イとする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉露光による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することを特徴とする。
ここでは、特に、高い透過率を有し、p偏光に対して回折し、s偏光に対して回折しない偏光選択性ホログラムを提供することを目的とする。
ここでは、特に、高い透過率を有し、p偏光に対して回折し、s偏光に対して回折しない偏光選択性ホログラムを提供することを目的とする。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することを特徴とする。
ここでは、特に、高い透過率を有し、s偏光に対して回折し、p偏光に対して回折しない偏光選択性ホログラムを提供することを目的とする。
ここでは、特に、高い透過率を有し、s偏光に対して回折し、p偏光に対して回折しない偏光選択性ホログラムを提供することを目的とする。
請求項4記載の発明では、少なくとも、非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物の層を透明な支持基板上あるいは一対の透明基板間に保持し、前記基板を通して二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の性ホログラム素子において、前記組成物中に重合性液晶モノマーを含み、露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有することを特徴とする。
ここでは、特に、入射する偏光面の方向(p偏光又はs偏光)による回折効率の差(偏光選択性)が大きく、使用温度範囲が広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
ここでは、特に、入射する偏光面の方向(p偏光又はs偏光)による回折効率の差(偏光選択性)が大きく、使用温度範囲が広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶及び前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、前記基板を通して二光束干渉露光することを特徴とする。
ここでは、特に、偏光選択性が更に大きく、使用温度範囲が更に広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
ここでは、特に、偏光選択性が更に大きく、使用温度範囲が更に広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
請求項6記載の発明では、請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶又は前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、基板を通して二光束干渉露光することを特徴とする。
ここでは、特に、偏光選択性が更に大きく、使用温度範囲が更に広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
ここでは、特に、偏光選択性が更に大きく、使用温度範囲が更に広い偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記ポリマー層と前記液晶層の界面が前記基板面の法線方向に対して傾斜していることを特徴とする。
ここでは、特に、プラス又はマイナスの片側方向のみに回折光が出射する偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
ここでは、特に、プラス又はマイナスの片側方向のみに回折光が出射する偏光選択性ホログラム素子を提供することを目的とする。
請求項8記載の発明では、光ピックアップ装置において、請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子を用いたことを特徴とする。
ここでは、特に、小型で光利用効率の高い光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
ここでは、特に、小型で光利用効率の高い光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物内の有効領域に電界あるいは磁界を印加した状態で、前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したこととしたので、主に非重合性液晶から成る層の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。
一般に、二光束干渉露光により形成したポリマー分散液晶は、干渉縞の明暗ピッチに対応したポリマーリッチ部と液晶リッチ部の周期的な相分離構造が形成される。また、干渉縞は素子の深さ方向に均一に形成されるため回折効率が高い体積ホログラムが得られる。本発明では、電界あるいは磁界の印加により非重合性液晶分子に静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が比較的良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、主に非重合性液晶から成る層の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。
一般に、二光束干渉露光により形成したポリマー分散液晶は、干渉縞の明暗ピッチに対応したポリマーリッチ部と液晶リッチ部の周期的な相分離構造が形成される。また、干渉縞は素子の深さ方向に均一に形成されるため回折効率が高い体積ホログラムが得られる。本発明では、電界あるいは磁界の印加により非重合性液晶分子に静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が比較的良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、主に非重合性液晶から成る層の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉露光による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することとしたので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
二光束干渉による干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と基板面に平行な方向に電界を印加した状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマー部と非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の長軸方向が干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に平行な方向に静電的配向力を受けた状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体が電界方向に配向した状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。この場合、s偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を小さく感じて回折効率が小さく、p偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を大きく感じて回折効率が大きくなるような偏光選択性ホログラム素子が得られる。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極を設ける必要が無く、電極は有効領域外に設けられているので、高い透過率が得られる。
二光束干渉による干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と基板面に平行な方向に電界を印加した状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマー部と非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の長軸方向が干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に平行な方向に静電的配向力を受けた状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体が電界方向に配向した状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。この場合、s偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を小さく感じて回折効率が小さく、p偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を大きく感じて回折効率が大きくなるような偏光選択性ホログラム素子が得られる。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極を設ける必要が無く、電極は有効領域外に設けられているので、高い透過率が得られる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することとしたので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
二光束干渉による干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に電界を印加した状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマー部と非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の長軸方向が干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に静電的配向力を受けた状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体が電界方向に配向した状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。この場合、p偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を小さく感じて回折効率が小さく、s偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を大きく感じて回折効率が大きくなるような偏光選択性ホログラム素子が得られる。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極を設ける必要が無く、電極は有効領域外に設けられているので、高い透過率が得られる。
二光束干渉による干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に電界を印加した状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマー部と非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の長軸方向が干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に静電的配向力を受けた状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体が電界方向に配向した状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。この場合、p偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を小さく感じて回折効率が小さく、s偏光ではポリマー部と液晶部の屈折率差を大きく感じて回折効率が大きくなるような偏光選択性ホログラム素子が得られる。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極を設ける必要が無く、電極は有効領域外に設けられているので、高い透過率が得られる。
請求項4記載の発明によれば、少なくとも、非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物の層を透明な支持基板上あるいは一対の透明基板間に保持し、前記基板を通して二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の性ホログラム素子において、前記組成物中に重合性液晶モノマーを含み、露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有することとしたので、非重合性液晶部全体の配向性が向上し、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折現象の偏光選択性が大きくなる。
組成物中に重合性液晶モノマーを含んでいるので、ポリマー分散液晶構造のポリマー中に相分離過程において配向して固定化された液晶性骨格を含有する。特にポリマー部と非重合性液晶の界面においてポリマー表面に存在する液晶骨格の配向性は比較的良く、非重合性液晶分子との相互作用が強いために、非重合性液晶部全体の配向性が向上し、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折現象の偏光選択性が大きくなる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。また、電界印加手段を必要としないため比較的簡単に製造することができる。
組成物中に重合性液晶モノマーを含んでいるので、ポリマー分散液晶構造のポリマー中に相分離過程において配向して固定化された液晶性骨格を含有する。特にポリマー部と非重合性液晶の界面においてポリマー表面に存在する液晶骨格の配向性は比較的良く、非重合性液晶分子との相互作用が強いために、非重合性液晶部全体の配向性が向上し、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折現象の偏光選択性が大きくなる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。また、電界印加手段を必要としないため比較的簡単に製造することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶及び前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、前記基板を通して二光束干渉露光することとしたので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。
電界印加により非重合性液晶分子及び重合性液晶モノマーに静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が比較的強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
電界印加により非重合性液晶分子及び重合性液晶モノマーに静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が比較的強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記非重合性液晶又は前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、基板を通して二光束干渉露光することとしたので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。
電界印加により非重合性液晶分子又は重合性液晶モノマーに静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が比較的強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
電界印加により非重合性液晶分子又は重合性液晶モノマーに静電的配向力が働いている状態で、ポリマーと非重合性液晶の相分離を行うため、ポリマーと非重合性液晶の界面において非重合性液晶分子の配向性が良い状態で固定化される。露光終了後の無電界状態においても非重合性液晶部全体の配向性は比較的良い状態で維持されるので、非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくできる。また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が比較的強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子において、前記ポリマー層と前記液晶層の界面が前記基板面の法線方向に対して傾斜していることとしたので、ポリマー層と液晶層の界面が基板面の法線方向に対して傾斜しているので、s偏光とp偏光を直進光と片側回折光の二つの方向に分離することができる。
基板面に垂直に入射した光は、周期構造の傾斜方向に応じてプラス方向又はマイナス方向の片側のみにブラック回折による回折光が出射する。したがって、円偏光を入射した場合、s偏光とp偏光を直進光と片側回折光の二つの方向に分離することができる。
基板面に垂直に入射した光は、周期構造の傾斜方向に応じてプラス方向又はマイナス方向の片側のみにブラック回折による回折光が出射する。したがって、円偏光を入射した場合、s偏光とp偏光を直進光と片側回折光の二つの方向に分離することができる。
請求項8記載の発明によれば、光ピックアップ装置において、請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子を用いたこととしたので、小型で光利用効率の高い光ピックアップ装置を実現できる。
偏光選択性が大きなホログラム素子を用いるので、レーザーダイオードから出射した光の往路ではほとんど回折せずに効率的に光ディスク面状に集光し、偏光面が90°回転している復路に対しては大きな回折効率で効率的にフォトディテクターの位置へと回折させることができる。したがって、小型で光利用効率の高い光ピックアップ装置を実現できる。
偏光選択性が大きなホログラム素子を用いるので、レーザーダイオードから出射した光の往路ではほとんど回折せずに効率的に光ディスク面状に集光し、偏光面が90°回転している復路に対しては大きな回折効率で効率的にフォトディテクターの位置へと回折させることができる。したがって、小型で光利用効率の高い光ピックアップ装置を実現できる。
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
図1に本実施形態における偏光選択性ホログラム素子の断面を示す。偏光選択性ホログラム素子(以下、単に「ホログラム素子」ともいう)1は、非重合性液晶2と、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3と、図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物4を2枚の透明基板(以下、単に「基板」ともいう)5間に挟む構造を有している。
組成物4の厚みは、透明基板5間に配置される図示しないスペーサ部材(図4におけるスペーサ9)によって制御できる。また、各透明基板5の組成物4に対向する表面には透明電極6が設けられ、組成物4の厚み方向に電界を印加可能となっている。
組成物4は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱うことが好ましい。
図1に本実施形態における偏光選択性ホログラム素子の断面を示す。偏光選択性ホログラム素子(以下、単に「ホログラム素子」ともいう)1は、非重合性液晶2と、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3と、図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物4を2枚の透明基板(以下、単に「基板」ともいう)5間に挟む構造を有している。
組成物4の厚みは、透明基板5間に配置される図示しないスペーサ部材(図4におけるスペーサ9)によって制御できる。また、各透明基板5の組成物4に対向する表面には透明電極6が設けられ、組成物4の厚み方向に電界を印加可能となっている。
組成物4は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱うことが好ましい。
非重合性液晶2としては、屈折率異方性を有する液晶ならば一般的なものを使用できる。液晶材料を選択する時は、あるオーダーパラメータの配向状態において、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の硬化層の屈折率と等しい屈折率となる液晶材料を選択してもよく、また、液晶材料を選択してから、その液晶のあるオーダーパラメータの配向状態での屈折率と同じ屈折率になるように重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3を選択してもよい。
また、非重合性液晶2としては、ネマチック、コレステリック、スメクチックのいずれのタイプでもよく、従来公知のビフェニル、ターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、安息香酸フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン、1−フェニル−2−ビフェニルエタン、1−シクロヘキシル−2−ビフェニルエタン、ビフェニルカルボン酸フェニルエステル、4−シクロヘキシル安息香酸フェニルエステルなどを骨格とし、アルキル基、アルコキシ基や誘電異方性を付与するための極性付与基としてのシアノ基、ハロゲン基などを置換基として有する液晶などを用いることができる。非重合性液晶材料は、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の合計量100重量部に対して20重量部〜500重量部の割合で使用されることが好ましい。
また、非重合性液晶2としては、ネマチック、コレステリック、スメクチックのいずれのタイプでもよく、従来公知のビフェニル、ターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、安息香酸フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン、1−フェニル−2−ビフェニルエタン、1−シクロヘキシル−2−ビフェニルエタン、ビフェニルカルボン酸フェニルエステル、4−シクロヘキシル安息香酸フェニルエステルなどを骨格とし、アルキル基、アルコキシ基や誘電異方性を付与するための極性付与基としてのシアノ基、ハロゲン基などを置換基として有する液晶などを用いることができる。非重合性液晶材料は、重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の合計量100重量部に対して20重量部〜500重量部の割合で使用されることが好ましい。
重合性モノマー(またはそのプレポリマー)3としては、重合による硬化収縮が大きいものを用いることが好ましい。このような重合性モノマー3としては、エチレン性不飽和結合を有する光重合可能な化合物であって、1分子中に少なくともエチレン性不飽和二重結合を1個有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー及びそれらの混合物であり、モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられるが、特に2官能以上の多官能性モノマーは硬化収縮が大きく、好適に使用できる。
不飽和カルボン酸のモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、弗素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。また、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、上記の他に熱重合禁止剤、可塑剤等が添加されてもよい。
不飽和カルボン酸のモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、弗素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。また、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、上記の他に熱重合禁止剤、可塑剤等が添加されてもよい。
光重合開始剤としては、公知の材料を用いることができ、例えばビアセチル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、α−アミノアルキルフェノン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、メタロセンなどを例示することができる。
光重合開始剤の添加量は照射する光の波長に対する各材料の吸光度によっても異なるが、モノマー又はプレポリマー全量に対して0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上3重量%以下であることがより好ましい。光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が起こり難くなり、必要な露光時間が長くなってしまう。逆に、光重合開始剤が多すぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が不十分な状態で硬化してしまうため、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が小さくなるという問題がある。
光重合開始剤の添加量は照射する光の波長に対する各材料の吸光度によっても異なるが、モノマー又はプレポリマー全量に対して0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上3重量%以下であることがより好ましい。光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が起こり難くなり、必要な露光時間が長くなってしまう。逆に、光重合開始剤が多すぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が不十分な状態で硬化してしまうため、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が小さくなるという問題がある。
スペーサ部材としては、液晶表示装置に用いられるような球形スペーサ、ファイバースペーサ、フィルムなどを用いることができる。また、フォトリソグラフィーとエッチングあるいは成型技術などによって基板表面に突起形状を加工してもよい。
スペーサ部材はホログラムの有効領域外に形成することが好ましい。スペーサ部材の高さは数μmから数十μm範囲が好ましく、回折光の波長とポリマー部と液晶部の屈折率差に応じて所望のホログラム層厚みとなるように適宜設定される。
透明基板5としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチックなどを用いることができる。
透明基板5上の透明電極6としては、ITO薄膜などを用いることができる。
スペーサ部材はホログラムの有効領域外に形成することが好ましい。スペーサ部材の高さは数μmから数十μm範囲が好ましく、回折光の波長とポリマー部と液晶部の屈折率差に応じて所望のホログラム層厚みとなるように適宜設定される。
透明基板5としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチックなどを用いることができる。
透明基板5上の透明電極6としては、ITO薄膜などを用いることができる。
次に、図2に基づいて、従来の一般的な相分離によるホログラム形成過程を説明する。図示しない所望の波長のレーザー光源による二光束干渉露光系を用いて、組成物4中に露光を行うと、干渉縞の明部において重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の光重合反応が始まる。この時、硬化収縮が起こって密度差が生じ、隣接する重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3が明部に移動し更に重合が進行する。
それと同時に明部に存在していた非重合性液晶2が暗部に向かって追い出されることで相分離が起こる。
この時、図3に示すように、液晶分子が移動して行く際にモノマーやポリマー鎖との相互作用で液晶分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。すなわち、相分離過程において干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと考えられる。
それと同時に明部に存在していた非重合性液晶2が暗部に向かって追い出されることで相分離が起こる。
この時、図3に示すように、液晶分子が移動して行く際にモノマーやポリマー鎖との相互作用で液晶分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。すなわち、相分離過程において干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと考えられる。
最終的には、図2に示すように、干渉縞の明暗のピッチに対応してポリマー層7と、非重合性液晶層(以下、単に「液晶層」ともいう)8の周期構造が形成され、液晶層部の配向ベクトルが干渉縞の間隔方向を向いた状態が得られると考えられる。この干渉露光及び相分離過程において、試料を適当な温度に加熱保持しておくことが好ましい。温度によって相分離の速度が変化し、液晶分子の配向性に影響を及ぼすと考えられる。最適な加熱温度は使用する材料によって異なるが、40°Cから100°C程度が好ましい。
相分離によるポリマー層7と非重合性液晶層8の周期構造では、厳密にはポリマー3と非重合性液晶2が周期的に完全に分離することは困難であり、ここで言うポリマー層7とはポリマー成分が多い領域であり、液晶分子を含んでいてもよい。
また、非重合性液晶層8とは非重合性液晶成分が多い領域であり、ポリマー成分を含んでいてもよい。実際にはポリマー層7と液晶層8の界面は理想的な平面では無く凹凸状であると推測されるため、図2(b)、(c)及び図3に示したように、界面での液晶分子長軸方向のバラツキは大きく、液晶層8のオーダーパラメータは比較的小さい状態となる。したがって、液晶層8部の複屈折は比較的小さくなる。
相分離によるポリマー層7と非重合性液晶層8の周期構造では、厳密にはポリマー3と非重合性液晶2が周期的に完全に分離することは困難であり、ここで言うポリマー層7とはポリマー成分が多い領域であり、液晶分子を含んでいてもよい。
また、非重合性液晶層8とは非重合性液晶成分が多い領域であり、ポリマー成分を含んでいてもよい。実際にはポリマー層7と液晶層8の界面は理想的な平面では無く凹凸状であると推測されるため、図2(b)、(c)及び図3に示したように、界面での液晶分子長軸方向のバラツキは大きく、液晶層8のオーダーパラメータは比較的小さい状態となる。したがって、液晶層8部の複屈折は比較的小さくなる。
作製する周期構造のピッチは所望の回折角や波長によって異なるが、概ね0.2μmから10μmの範囲である。
例えば、405nmの入射光に対して20°の回折角を得るためには、1.1μm程度のピッチ、650nmの入射光に対しては2.3μm程度のピッチが必要となる。ポリマー層7と液晶層8の界面の傾斜角としては0°から20°程度が好ましい。露光量としては光重合開始剤の添加濃度や露光時の温度によっても異なるが、0.5J/cm2から30J/cm2が好ましく、1J/cm2から15J/cm2がより好ましい。
例えば、405nmの入射光に対して20°の回折角を得るためには、1.1μm程度のピッチ、650nmの入射光に対しては2.3μm程度のピッチが必要となる。ポリマー層7と液晶層8の界面の傾斜角としては0°から20°程度が好ましい。露光量としては光重合開始剤の添加濃度や露光時の温度によっても異なるが、0.5J/cm2から30J/cm2が好ましく、1J/cm2から15J/cm2がより好ましい。
本実施形態では、相分離時に電界あるいは磁界を印加することで液晶分子に静電的な配向力を与え、相分離後の液晶層部の複屈折を大きくすることができる。
例えば、図4及び図5に示すように、2枚の透明基板5の面に透明電極6を形成し、組成物4の厚み方向に電界を印加可能とする。この時、非重合性液晶2としては負の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる。
透明電極6間に交流電界を印加すると、図4に示すように、液晶分子短軸方向を基板面(基板表面)に垂直な方向に向ける静電力Fが働く。図4では透明電極6は省略している。符号9はスペーサを示す。
しかし、基板面に配向膜形成や配向処理を行っていない場合、液晶分子長軸方向は基板面に対して指向性が無い状態となる。
この状態で二光束干渉露光を行うと、前述と同様に相分離過程で干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと同時に、図5(a)に示すように、液晶分子短軸方向を基板面に垂直な方向に向ける静電力Fも併せて働くことになる。
例えば、図4及び図5に示すように、2枚の透明基板5の面に透明電極6を形成し、組成物4の厚み方向に電界を印加可能とする。この時、非重合性液晶2としては負の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる。
透明電極6間に交流電界を印加すると、図4に示すように、液晶分子短軸方向を基板面(基板表面)に垂直な方向に向ける静電力Fが働く。図4では透明電極6は省略している。符号9はスペーサを示す。
しかし、基板面に配向膜形成や配向処理を行っていない場合、液晶分子長軸方向は基板面に対して指向性が無い状態となる。
この状態で二光束干渉露光を行うと、前述と同様に相分離過程で干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと同時に、図5(a)に示すように、液晶分子短軸方向を基板面に垂直な方向に向ける静電力Fも併せて働くことになる。
したがって、図5(b)に示すように、液晶層8の厚み方向のオーダーパラメータが比較的大きい状態で保持され、液晶部の複屈折を比較的大きくすることができる。但し、図5(c)に示すように、基板面内方向のオーダーパラメータは比較的小さい状態となる。
そこで、2枚の透明基板5の組成物4と接する面に配向膜を形成し、ラビングや偏光紫外線照射などの配向処理を行ってもよい。この場合、配向処理方向は干渉縞の配列方向と平行にすることが好ましい。
透明電極6は2枚の透明基板5の組成物4と接する側に形成してもよいし、別な透明基板に形成した透明電極を露光時のみ素子の両面に密着させてもよい。この時、密着部に空気が入って別な干渉縞を発生させることを防止するためにマッチングオイルなどを挟んで密着させることが好ましい。
非重合性液晶2として二周波液晶を用いた場合には、誘電異方性が負を示す周波数領域での交流電界を印加する。
そこで、2枚の透明基板5の組成物4と接する面に配向膜を形成し、ラビングや偏光紫外線照射などの配向処理を行ってもよい。この場合、配向処理方向は干渉縞の配列方向と平行にすることが好ましい。
透明電極6は2枚の透明基板5の組成物4と接する側に形成してもよいし、別な透明基板に形成した透明電極を露光時のみ素子の両面に密着させてもよい。この時、密着部に空気が入って別な干渉縞を発生させることを防止するためにマッチングオイルなどを挟んで密着させることが好ましい。
非重合性液晶2として二周波液晶を用いた場合には、誘電異方性が負を示す周波数領域での交流電界を印加する。
本実施形態では、液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npがほぼ一致するように液晶の種類とポリマーの種類の組合せを適宜設定することで、s偏光の入射光に対しては液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率んpの差を感じないため回折せず、p偏光の入射光に対しては液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を感じて回折するような偏光選択性ホログラムが得られる。
特に、電界印加によって液晶部8の複屈折が大きくできるため、液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を大きく設定することができる。
ここで、体積ホログラムの回折効率は屈折率変調量Δnと厚みdの積Δn・dに依存するので、屈折率差Δnを大きくできるとホログラムの厚みdを薄くできる。
特に、電界印加によって液晶部8の複屈折が大きくできるため、液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を大きく設定することができる。
ここで、体積ホログラムの回折効率は屈折率変調量Δnと厚みdの積Δn・dに依存するので、屈折率差Δnを大きくできるとホログラムの厚みdを薄くできる。
体積ホログラムの厚みを薄くすると回折効率の角度依存性が小さくなり、実用的な非平行光に対する光利用効率が向上する。したがって、偏光選択性が大きく入射角度依存性が比較的少ない高効率な偏光選択性ホログラムが得られる。
但し、本実施形態では、透明基板5の面に水平に透明電極6や配向膜を設ける必要があるため、露光時あるいは回折素子としての使用時に透過率が減少してしまうという問題がある。また、露光時のみ外部基板を密着させる場合には、透明電極6を取り外せる分だけ透過率が向上するが、外部基板を密着させるためのマッチングオイルを注入・除去するために製造プロセスが複雑になるという問題がある。
但し、本実施形態では、透明基板5の面に水平に透明電極6や配向膜を設ける必要があるため、露光時あるいは回折素子としての使用時に透過率が減少してしまうという問題がある。また、露光時のみ外部基板を密着させる場合には、透明電極6を取り外せる分だけ透過率が向上するが、外部基板を密着させるためのマッチングオイルを注入・除去するために製造プロセスが複雑になるという問題がある。
図6及び図7に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態では、非重合性液晶2として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用い、図6に示すように、厚みが数μm〜数十μm程度の導電体から成る電極対10を2枚の透明基板5間に配置している。
各電極10の端部を基板5の外側まで伸ばして電源に接続可能とすることが好ましい。電極形状は細長く、露光する有効領域の外側に互いに平行に配置することが好ましい。この電極10が基板5間の厚みを規制する前述スペーサ部材(スペーサ9)を兼ねてもよい。
本実施形態では、非重合性液晶2として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用い、図6に示すように、厚みが数μm〜数十μm程度の導電体から成る電極対10を2枚の透明基板5間に配置している。
各電極10の端部を基板5の外側まで伸ばして電源に接続可能とすることが好ましい。電極形状は細長く、露光する有効領域の外側に互いに平行に配置することが好ましい。この電極10が基板5間の厚みを規制する前述スペーサ部材(スペーサ9)を兼ねてもよい。
ここで、干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と基板面に平行な方向に電界を印加するように電極対10を配置する。電極対10の間に交流電界を印加した状態で二光束干渉露光を行うと、図7(a)に示すように、液晶分子の長軸方向が電界方向に静電的な配向規制力を受けた状態で相分離が進行し、最終的に図7(b)、(c)に示すように、液晶層8が配向した状態でポリマー層7との界面が固定化される。
本実施形態の場合、ポリマー層7との界面に対して液晶分子は略垂直配向した状態がメモリーされており、露光終了後の無電界状態においても図7(b)、(c)に示すような良好な配向性を維持していると考えられる。
この界面配向の影響を受けて、液晶層8全体が比較的大きなオーダーパラメータで配向した状態を維持できる。したがって、液晶層8の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
本実施形態の場合、ポリマー層7との界面に対して液晶分子は略垂直配向した状態がメモリーされており、露光終了後の無電界状態においても図7(b)、(c)に示すような良好な配向性を維持していると考えられる。
この界面配向の影響を受けて、液晶層8全体が比較的大きなオーダーパラメータで配向した状態を維持できる。したがって、液晶層8の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
ここで、液晶層8全体の常光屈折率noとポリマー層7の屈折率npがほぼ一致するように液晶の種類とポリマーの種類の組合せを適宜設定することで、s偏光の入射光に対しては液晶層8全体の常光屈折率noとポリマー層7の屈折率npの差を感じないため回折せず、p偏光の入射光に対しては液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を感じて回折するようなp偏光回折型の偏光選択性ホログラムが得られる。
液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を更に大きくすることができるため、ホログラムの厚みdを更に薄くできる。したがって、回折効率の角度依存性が更に小さくなり、実用的な非平行光に対する光利用効率が更に向上する。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極6を設ける必要が無く、電極10は有効領域外に設けられているので、高い透過率のp偏光回折型の偏光選択性ホログラム素子が得られる。
液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を更に大きくすることができるため、ホログラムの厚みdを更に薄くできる。したがって、回折効率の角度依存性が更に小さくなり、実用的な非平行光に対する光利用効率が更に向上する。また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極6を設ける必要が無く、電極10は有効領域外に設けられているので、高い透過率のp偏光回折型の偏光選択性ホログラム素子が得られる。
図8及び図9に基づいて第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、非重合性液晶2として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用い、図8に示すように、干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に電界を形成するように上記と同様な電極対11を配置している。
電極対11の間に交流電界を印加した状態で二光束干渉露光を行うと、図9に示すように、液晶分子の長軸方向が電界方向(紙面に垂直方向)に静電的な配向規制力を受けた状態で相分離が進行し、最終的に液晶層8が配向した状態でポリマー層7との界面が固定化される。
本実施形態の場合、図9(c)に示すように、ポリマー層7との界面に対して液晶分子は略水平配向した状態がメモリーされており、露光終了後の無電界状態においても良好な配向性を維持していると考えられる。
この界面配向の影響を受けて、液晶層8全体が比較的大きなオーダーパラメータで配向した状態を維持できる。したがって、液晶層8の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
本実施形態では、非重合性液晶2として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用い、図8に示すように、干渉縞を基板面上に投影した時の干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ基板面に平行な方向に電界を形成するように上記と同様な電極対11を配置している。
電極対11の間に交流電界を印加した状態で二光束干渉露光を行うと、図9に示すように、液晶分子の長軸方向が電界方向(紙面に垂直方向)に静電的な配向規制力を受けた状態で相分離が進行し、最終的に液晶層8が配向した状態でポリマー層7との界面が固定化される。
本実施形態の場合、図9(c)に示すように、ポリマー層7との界面に対して液晶分子は略水平配向した状態がメモリーされており、露光終了後の無電界状態においても良好な配向性を維持していると考えられる。
この界面配向の影響を受けて、液晶層8全体が比較的大きなオーダーパラメータで配向した状態を維持できる。したがって、液晶層8の複屈折性が更に増加し、回折の偏光選択性を更に大きくできる。
ここでは、第2の実施形態とは電界の印加方向が異なるため、液晶層8の配向方向も異なり、偏光選択性も変化する。液晶層8全体の常光屈折率noとポリマー層7の屈折率npがほぼ一致するように液晶の種類とポリマーの種類の組合せを適宜設定することで、p偏光の入射光に対しては液晶層8全体の常光屈折率noとポリマー層7の屈折率npの差を感じないため回折せず、s偏光の入射光に対しては液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を感じて回折するようなs偏光回折型の偏光選択性ホログラムが得られる。
液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を更に大きくすることができるため、ホログラムの厚みdを更に薄くできる。したがって、回折効率の角度依存性が更に小さくなり、実用的な非平行光に対する光利用効率が更に向上する。
また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極6を設ける必要が無く、電極11は有効領域外に設けられているので、高い透過率のs偏光回折型の偏光選択性ホログラム素子が得られる。
液晶層8全体の異常光屈折率neとポリマー層7の屈折差を更に大きくすることができるため、ホログラムの厚みdを更に薄くできる。したがって、回折効率の角度依存性が更に小さくなり、実用的な非平行光に対する光利用効率が更に向上する。
また、ホログラム層の水平方向に電界を印加する構成であるため、基板表面に透過率低下の原因となる透明電極6を設ける必要が無く、電極11は有効領域外に設けられているので、高い透過率のs偏光回折型の偏光選択性ホログラム素子が得られる。
図10及び図11に基づいて第4の実施形態を説明する。
本実施形態では、干渉露光時に電界を印加しない。上記実施形態と同様な組成物12中に重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の一部として重合性液晶モノマー13を混合し、図10(a)に示すように、2枚の透明基板5間に封入している。
重合性液晶モノマー13としては、単官能の液晶アクリレートモノマー、液晶メタアクリレートモノマー、二官能の液晶ジアクリレートモノマー、液晶ジメタアクリレートモノマーなどが用いられる。これらの材料は、官能基であるアクリロイルオキシ基と液晶骨格の間にメチレン鎖を有していてもよい。
このような組成物12に二光束干渉露光を行うと、ポリマー中にはある程度の液晶性モノマー骨格も取り込まれながら重合されていく。
本実施形態では、干渉露光時に電界を印加しない。上記実施形態と同様な組成物12中に重合性モノマー(あるいはプレポリマー)3の一部として重合性液晶モノマー13を混合し、図10(a)に示すように、2枚の透明基板5間に封入している。
重合性液晶モノマー13としては、単官能の液晶アクリレートモノマー、液晶メタアクリレートモノマー、二官能の液晶ジアクリレートモノマー、液晶ジメタアクリレートモノマーなどが用いられる。これらの材料は、官能基であるアクリロイルオキシ基と液晶骨格の間にメチレン鎖を有していてもよい。
このような組成物12に二光束干渉露光を行うと、ポリマー中にはある程度の液晶性モノマー骨格も取り込まれながら重合されていく。
この時、図3で示したのと同様に、干渉縞の明部から暗部に非重合性液晶分子が追い出されて行く過程で、重合性液晶モノマー13にも相互作用して重合性液晶モノマー13の分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。
このようにして、図10(b)、(c)に示すように、重合性液晶モノマー13の分子長軸が比較的配向した状態でポリマー中に固定化される。特に、ポリマー層7と非重合性液晶2の界面ではポリマー層7表面に略垂直方向に液晶骨格長軸が配向した状態で固定化されていると考えられる。したがって、非重合性液晶層8全体としても液晶分子の配向性が向上する。この場合、上記実施形態のように外部電界を印加しなくても液晶層8内の複屈折性が更に向上するため、回折現象の偏光選択性が大きくなる。
このようにして、図10(b)、(c)に示すように、重合性液晶モノマー13の分子長軸が比較的配向した状態でポリマー中に固定化される。特に、ポリマー層7と非重合性液晶2の界面ではポリマー層7表面に略垂直方向に液晶骨格長軸が配向した状態で固定化されていると考えられる。したがって、非重合性液晶層8全体としても液晶分子の配向性が向上する。この場合、上記実施形態のように外部電界を印加しなくても液晶層8内の複屈折性が更に向上するため、回折現象の偏光選択性が大きくなる。
また、ポリマー層7表面に液晶骨格部が固定化されていて非重合性液晶分子との相互作用が強いので、比較的高温まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
また、本実施形態では、図11に示すように、片面基板5上にスピンコート法やディッピング法、ナイフエッジ法、各種印刷方法などによって上記組成物12の膜を塗布し、同様な二光束干渉露光を行うことによって、同様な偏光選択性ホログラムを得ることもできる。この場合、基板5が一枚なのでホログラム素子の薄型化や低コスト化を図れる利点がある。
また、本実施形態では、図11に示すように、片面基板5上にスピンコート法やディッピング法、ナイフエッジ法、各種印刷方法などによって上記組成物12の膜を塗布し、同様な二光束干渉露光を行うことによって、同様な偏光選択性ホログラムを得ることもできる。この場合、基板5が一枚なのでホログラム素子の薄型化や低コスト化を図れる利点がある。
図12に基づいて第5の実施形態を説明する。
本実施形態では、非重合性液晶2あるいは重合性液晶モノマー13のどちらか一方あるいは両方が誘電異方性を有し、前述のように組成物12内の有効領域内に電界を印加した状態で、基板5を通して二光束干渉露光する。
図12は、非重合性液晶2と重合性液晶モノマー13の両方が正の誘電異方性を有し、図6で示したのと同様に電界を印加する場合の概略図である。正の誘電異方性を有する液晶分子は静電的配向力を受けながら、ポリマーと相分離していく。この時、少なくとも非重合性液晶2あるいは重合性液晶モノマー13のどちらか一方が静電的配向力を受ければ、他方の液晶分子も相互作用を受けて配向する。
ポリマー中には配向した液晶性モノマー骨格も取り込まれながら重合されていく。特に、ポリマー層7と非重合性液晶2の界面ではポリマー層7表面に略垂直方向に液晶骨格長軸が配向した状態で固定化されていると考えられる。
本実施形態では、非重合性液晶2あるいは重合性液晶モノマー13のどちらか一方あるいは両方が誘電異方性を有し、前述のように組成物12内の有効領域内に電界を印加した状態で、基板5を通して二光束干渉露光する。
図12は、非重合性液晶2と重合性液晶モノマー13の両方が正の誘電異方性を有し、図6で示したのと同様に電界を印加する場合の概略図である。正の誘電異方性を有する液晶分子は静電的配向力を受けながら、ポリマーと相分離していく。この時、少なくとも非重合性液晶2あるいは重合性液晶モノマー13のどちらか一方が静電的配向力を受ければ、他方の液晶分子も相互作用を受けて配向する。
ポリマー中には配向した液晶性モノマー骨格も取り込まれながら重合されていく。特に、ポリマー層7と非重合性液晶2の界面ではポリマー層7表面に略垂直方向に液晶骨格長軸が配向した状態で固定化されていると考えられる。
したがって、無電界時において、非重合性液晶層8全体としても液晶分子の配向性が向上する。この場合、相分離時の外部電界の印加によって液晶層8内の複屈折性が更に向上しているため、回折現象の偏光選択性が大きくなる。また、ポリマー層7表面に液晶骨格部が配向して固定化されているため、非重合性液晶分子との相互作用が更に強くなる。したがって、比較的高温まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
図13及び図14に基づいて第6の実施形態を説明する。
上記実施形態ではポリマー層7と液晶層8の界面が基板面に対して略垂直の場合を例示したが、そのような体積ホログラム素子では素子表面に対して斜め方向から光を入射させる必要がある。
すなわち、屈折率の周期構造に対して斜めから光を入射させることでブラック反射あるいはブラック回折が起こる。このような場合、光学系の光軸に対してホログラム素子を斜めに配置する必要があり、光学系中のスペースを有効に利用できない場合がある。
そこで、本実施形態では、図13に示すように、ポリマー層と液晶層の界面が基板面の法線方向に対して傾斜するように干渉縞と基板の方向を設定して干渉露光を行う。干渉縞が傾斜していても上記の相分離過程は同様に起こり、s偏光とp偏光に対する偏光選択性が発現する。
上記実施形態ではポリマー層7と液晶層8の界面が基板面に対して略垂直の場合を例示したが、そのような体積ホログラム素子では素子表面に対して斜め方向から光を入射させる必要がある。
すなわち、屈折率の周期構造に対して斜めから光を入射させることでブラック反射あるいはブラック回折が起こる。このような場合、光学系の光軸に対してホログラム素子を斜めに配置する必要があり、光学系中のスペースを有効に利用できない場合がある。
そこで、本実施形態では、図13に示すように、ポリマー層と液晶層の界面が基板面の法線方向に対して傾斜するように干渉縞と基板の方向を設定して干渉露光を行う。干渉縞が傾斜していても上記の相分離過程は同様に起こり、s偏光とp偏光に対する偏光選択性が発現する。
ポリマー層と液晶層の界面が基板面の法線方向に対して傾斜しているので、光を素子表面に対して垂直に入射させても、図14に示すように、周期構造の傾斜方向に応じてプラス方向又はマイナス方向の片側のみにブラック回折による回折光が出射する。
ここで、回折させたい偏光方向に対するポリマー層と液晶層の屈折率差と厚みを最適化することで、プラス又はマイナス一次回折光のみが高効率で出射し、二次以上の高次の回折光はほとんどゼロとなるように設定することができる。
図14では上記のような方法により、二光束干渉露光による干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と基板面に平行な方向に液晶層が配向した状態を示している。
ここで、回折させたい偏光方向に対するポリマー層と液晶層の屈折率差と厚みを最適化することで、プラス又はマイナス一次回折光のみが高効率で出射し、二次以上の高次の回折光はほとんどゼロとなるように設定することができる。
図14では上記のような方法により、二光束干渉露光による干渉縞を基板面上に投影した時の基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と基板面に平行な方向に液晶層が配向した状態を示している。
ここで、s偏光に対する液晶層の屈折率noがポリマー層の屈折率npとほぼ等しくなるように設定することで、s偏光は回折せずに直進する。また、p偏光に対する液晶層の屈折率neとポリマー層の屈折率npとの差によって、ほとんどの透過光がプラス一次回折光となる。
したがって、素子表面に対して垂直に円偏光を入射した場合、入射するs偏光とp偏光を直進光と一次回折光の二つの方向に効率良く分離することができる。
また、素子表面に対して垂直に入射する直線偏光の偏光面を90度切り換えることで、透過光の角度を切り換えることができる光スイッチにも応用できる。
したがって、素子表面に対して垂直に円偏光を入射した場合、入射するs偏光とp偏光を直進光と一次回折光の二つの方向に効率良く分離することができる。
また、素子表面に対して垂直に入射する直線偏光の偏光面を90度切り換えることで、透過光の角度を切り換えることができる光スイッチにも応用できる。
図15に基づいて第7の実施形態を説明する。
上記各実施形態における偏光選択性ホログラム素子は、前述のような干渉露光により、1μm程度の短いピッチが容易に形成できることから、小型化のために大きい回折角を必要とする光ピックアップ用の偏光分離素子に用いたときに特に効果的である。
図15は、偏光分離素子を用いたピックアップの基本的な構成例である。半導体レーザー15から出た読み出し光である直線偏光は、コリメーターレンズ16によって略平行光となって対物レンズ17に導かれる。
光ディスク18で反射された光は入出射の共通光路におかれた1/4λ板19によって偏光面が90°回転される。
上記各実施形態における偏光選択性ホログラム素子は、前述のような干渉露光により、1μm程度の短いピッチが容易に形成できることから、小型化のために大きい回折角を必要とする光ピックアップ用の偏光分離素子に用いたときに特に効果的である。
図15は、偏光分離素子を用いたピックアップの基本的な構成例である。半導体レーザー15から出た読み出し光である直線偏光は、コリメーターレンズ16によって略平行光となって対物レンズ17に導かれる。
光ディスク18で反射された光は入出射の共通光路におかれた1/4λ板19によって偏光面が90°回転される。
偏光選択性ホログラム素子1はフォトダイオード20近傍の入出射の共通光路中におかれる。半導体レーザー15からの出射偏光が図14でいうS偏光であれば、この光はほとんど損失なく透過し、光ディスク18の記録層に集光される。
光ディスク18からの戻り光は偏光面が90°回転しているためp偏光となって偏光選択性ホログラム素子1に入射し、回折を受ける。この際、偏光選択性ホログラム素子1の分離角が15°以上であれば、偏光選択性ホログラム素子1と半導体レーザー15及びフォトダイオード20を近接させることができ、光路長を短く構成することができる。
分離角を20°、波長を405nmとしたとき、所望の回折格子のピッチはおおよそ1ミクロン前後である。本発明の偏光選択性ホログラム素子1は、前述のように格子間隔を極めて短く構成することができるため、このような短い格子間隔であっても高い回折効率を得ることができる。
光ディスク18からの戻り光は偏光面が90°回転しているためp偏光となって偏光選択性ホログラム素子1に入射し、回折を受ける。この際、偏光選択性ホログラム素子1の分離角が15°以上であれば、偏光選択性ホログラム素子1と半導体レーザー15及びフォトダイオード20を近接させることができ、光路長を短く構成することができる。
分離角を20°、波長を405nmとしたとき、所望の回折格子のピッチはおおよそ1ミクロン前後である。本発明の偏光選択性ホログラム素子1は、前述のように格子間隔を極めて短く構成することができるため、このような短い格子間隔であっても高い回折効率を得ることができる。
厚み0.7mmのガラス基板の片面にITO透明電極、もう片面に青色光に対する反射防止膜を形成した。厚み10μmのマイラーフィルムを短冊状に切った2枚のシートを図4のように並べて2枚のガラス基板を貼り合せ、周辺部の一部を接着剤で固定した。マイラーフィルムの間隔は5mm程度とした。この5mm幅の領域がホログラム素子の有効領域になる。
このとき、ITO透明電極の面を内側にして僅かにずらして重ね、電極面に外部電源からの電圧を印加可能なセル構成とした。次に以下の5種類の材料の混合物からなる組成物を約60°Cに加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約10μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
このとき、ITO透明電極の面を内側にして僅かにずらして重ね、電極面に外部電源からの電圧を印加可能なセル構成とした。次に以下の5種類の材料の混合物からなる組成物を約60°Cに加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約10μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
(1)ネマチック液晶(メルク製ZLI−4850、Δε<0) 30重量部
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)メタロセン系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア784) 0.5重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
次に波長442nm、出力80mWのHe−Cdレーザーによる二光束干渉露光系を作成した。
レーザー光を分割、拡大して、1つの光束が約11mW/cm2程度の平行光として、2光束の交差角度を26度に設定した。この波長と交差角度では二光束の交差領域に約1μm周期の干渉縞が生成される。
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)メタロセン系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア784) 0.5重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
次に波長442nm、出力80mWのHe−Cdレーザーによる二光束干渉露光系を作成した。
レーザー光を分割、拡大して、1つの光束が約11mW/cm2程度の平行光として、2光束の交差角度を26度に設定した。この波長と交差角度では二光束の交差領域に約1μm周期の干渉縞が生成される。
セル基板を加熱装置に取り付け、約60°Cに加熱した状態で、ITO電極間に電圧±10V(電界強度1V/μm)、周波数1kHzの交流電圧を印加した。組成物に電圧を印加しながら、約5分間の2光束干渉露光を行い、ホログラム素子を作製した。この時、基板面の垂直方向に対して+13度と−13度の方向から2光束が入射するように設定した。
作製したホログラム素子の基板面に対して角度が13度の方向から波長442nmの直線偏光のレーザー光を照射して、入射光強度に対する+1次回折光強度を測定した。入射光強度は5mW程度になるようにNDフィルターを用いて調整した。入射光路中に直線偏光板と半波長板を配置し、半波長板の光軸を45度回転させることで、ホログラム素子に入射する偏光方向(p偏光、s偏光)を切り換え可能に構成し、+1次回折効率の偏光選択性を比較した。
作製したホログラム素子の基板面に対して角度が13度の方向から波長442nmの直線偏光のレーザー光を照射して、入射光強度に対する+1次回折光強度を測定した。入射光強度は5mW程度になるようにNDフィルターを用いて調整した。入射光路中に直線偏光板と半波長板を配置し、半波長板の光軸を45度回転させることで、ホログラム素子に入射する偏光方向(p偏光、s偏光)を切り換え可能に構成し、+1次回折効率の偏光選択性を比較した。
その結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、
P偏光の+1次回折効率=20%
S偏光の+1次回折効率=0.5%
と大きな偏光選択性を示した。ここで、S偏光回折効率/P偏光回折効率の比をS/P値として偏光選択性の良し悪しを評価する基準として定義すると、偏光選択性が無い場合はS/P=1となり、理想的な偏光選択性を示す場合はS/P=0となる。本実施例では、S/P=0.025であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は20%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が良く、回折効率が大きなホログラム素子を作製することができる。
「比較例」
P偏光の+1次回折効率=20%
S偏光の+1次回折効率=0.5%
と大きな偏光選択性を示した。ここで、S偏光回折効率/P偏光回折効率の比をS/P値として偏光選択性の良し悪しを評価する基準として定義すると、偏光選択性が無い場合はS/P=1となり、理想的な偏光選択性を示す場合はS/P=0となる。本実施例では、S/P=0.025であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は20%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が良く、回折効率が大きなホログラム素子を作製することができる。
「比較例」
2光束干渉露光時に電圧を印加しないこと以外は、実施例1と同様にしてホログラム素子を作製した。その結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=40%
S偏光の+1次回折効率=8%
S/P=0.2と僅かに偏光選択性を示すホログラム素子が得られた。
なお、P偏光の回折効率の絶対値が40%程度と増加したが、これはホログラム層内の屈折率変調量が変化したために、同一厚みのホログラム層では回折効率が変化したためと考えられる。
P偏光の+1次回折効率=40%
S偏光の+1次回折効率=8%
S/P=0.2と僅かに偏光選択性を示すホログラム素子が得られた。
なお、P偏光の回折効率の絶対値が40%程度と増加したが、これはホログラム層内の屈折率変調量が変化したために、同一厚みのホログラム層では回折効率が変化したためと考えられる。
厚み0.7mmのガラス基板の片面に青色光に対する反射防止膜を形成した。厚み10μmのアルミ泊を短冊状に切った2枚のシートを図6のように並べて2枚のガラス基板を貼り合せ、周辺部の一部を接着剤で固定した。
アルミシートの間隔は2mm程度とし、各アルミシート端部に電圧が印加できるように配置した。この2mm幅の領域がホログラム素子の有効領域になる。この時、反射防止膜の面を外側にして重ねた。次に液晶材料を正の誘電異方性を示す以下の材料を変更した以外は実施例1と同様にセルを準備した。
(1)ネマチック液晶(メルク製ZLI−4892、Δε>0) 30重量部
セル中に注入後、この組成物も室温下において等方性を示した。
次に実施例1と同様の二光束干渉露光系を用いた。この時、干渉縞の方向とアルミシート電極の配置は図6のようにした。したがって、電界は干渉縞の配列方向に平行方向に印加される。セル基板を加熱装置に取り付け、約60°Cに加熱した状態で、二つのアルミシート間に電圧±2000V(電界強度1V/μm)、周波数1kHzの交流電圧を印加した。組成物に電圧を印加しながら、約5分間の2光束干渉露光を行い、ホログラム素子を作製した。基板面の配置は実施例1と同様にした。
アルミシートの間隔は2mm程度とし、各アルミシート端部に電圧が印加できるように配置した。この2mm幅の領域がホログラム素子の有効領域になる。この時、反射防止膜の面を外側にして重ねた。次に液晶材料を正の誘電異方性を示す以下の材料を変更した以外は実施例1と同様にセルを準備した。
(1)ネマチック液晶(メルク製ZLI−4892、Δε>0) 30重量部
セル中に注入後、この組成物も室温下において等方性を示した。
次に実施例1と同様の二光束干渉露光系を用いた。この時、干渉縞の方向とアルミシート電極の配置は図6のようにした。したがって、電界は干渉縞の配列方向に平行方向に印加される。セル基板を加熱装置に取り付け、約60°Cに加熱した状態で、二つのアルミシート間に電圧±2000V(電界強度1V/μm)、周波数1kHzの交流電圧を印加した。組成物に電圧を印加しながら、約5分間の2光束干渉露光を行い、ホログラム素子を作製した。基板面の配置は実施例1と同様にした。
実施例1と同様に回折効率の偏光選択性を測定した結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.004であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。また、光の透過光路にITOのような透過率を低下させる層を設ける必要がないため、ホログラム素子の透過率及び回折効率が向上する。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は25%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が良く、回折効率が大きなホログラム素子を作製することができる。
また、P偏光の+1次回折効率の温度変化を観測したところ、80°Cにおいて約20%まで低下した。
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.004であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。また、光の透過光路にITOのような透過率を低下させる層を設ける必要がないため、ホログラム素子の透過率及び回折効率が向上する。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は25%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が良く、回折効率が大きなホログラム素子を作製することができる。
また、P偏光の+1次回折効率の温度変化を観測したところ、80°Cにおいて約20%まで低下した。
アルミ電極の配置を図8のように90度回転させた以外は実施例2と同様にしてホログラム素子を作製・評価した。その結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=0.2%
S偏光の+1次回折効率=25%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.008であり、良好な偏光選択性を示し、S偏光に対してのみ比較的大きな回折効率を示すホログラム素子を作製することができた。なお、実施例2とは回折する光の偏光方向が異なるので、使用する光学システムの光源のレイアウトやその偏光特性に応じて、適宜最適なホログラム素子を作製することができる。
P偏光の+1次回折効率=0.2%
S偏光の+1次回折効率=25%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.008であり、良好な偏光選択性を示し、S偏光に対してのみ比較的大きな回折効率を示すホログラム素子を作製することができた。なお、実施例2とは回折する光の偏光方向が異なるので、使用する光学システムの光源のレイアウトやその偏光特性に応じて、適宜最適なホログラム素子を作製することができる。
厚み0.7mmのガラス基板の片面に青色光に対する反射防止膜を形成した。厚み10μmのマイラーフィルムを短冊状に切った2枚のシートを並べて2枚のガラス基板を貼り合せ、周辺部の一部を接着剤で固定した。
マイラーフィルムの間隔は5mm程度とした。この5mm幅の領域がホログラム素子の有効領域になる。この時、反射防止膜の面を外側にして重ねた。
次に以下の6種類の材料の混合物からなる組成物を約60°Cに加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約10μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
(1)ネマチック液晶(TL216) 30重量部
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)メタロセン系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア784) 0.5重量部
(6)液晶性アクリレートモノマー(大日本インキ製UCL001) 10重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
マイラーフィルムの間隔は5mm程度とした。この5mm幅の領域がホログラム素子の有効領域になる。この時、反射防止膜の面を外側にして重ねた。
次に以下の6種類の材料の混合物からなる組成物を約60°Cに加熱しながら毛管法によりセル中に注入し、厚み約10μmの組成物層を形成した。なお、この組成物は緑色より短波長の光に反応性を示すため赤色光を用いた暗室下で取り扱った。
(1)ネマチック液晶(TL216) 30重量部
(2)フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学製AH600) 75重量部
(3)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学製DCP−A) 10重量部
(4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学製HO) 5重量部
(5)メタロセン系光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア784) 0.5重量部
(6)液晶性アクリレートモノマー(大日本インキ製UCL001) 10重量部
セル中に注入後、この組成物は室温下において等方性を示した。
次に実施例1と同様の二光束干渉露光系を用いた。セル基板を加熱装置に取り付け、約60°Cに加熱した状態で、約5分間の2光束干渉露光を行い、ホログラム素子を作製した。入射光に対する基板面の配置は実施例1と同様にした。
実施例1と同様に回折効率の偏光選択性を測定した結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=18%
S偏光の+1次回折効率=0.7%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.04であり、比較的良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。また、ITOやアルミシートのような電極や交流電源などを設ける必要がないため、非常に簡単な構成で実現できる。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は18%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が比較的良く、回折効率が大きなホログラム素子を比較的簡単な構成で作製することができる。
実施例1と同様に回折効率の偏光選択性を測定した結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=18%
S偏光の+1次回折効率=0.7%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.04であり、比較的良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。また、ITOやアルミシートのような電極や交流電源などを設ける必要がないため、非常に簡単な構成で実現できる。
なお、P偏光の回折効率の絶対値は18%程度と比較的低いが、これはホログラム層内の屈折率変調量に対してホログラム層の厚みが最適化されていないためである。したがって、スペーサ部材であるフィルムの厚みや、別途設けることができるスペーサビーズの粒子径などを変化させてホログラム層の厚みを最適化することで、偏光選択性が比較的良く、回折効率が大きなホログラム素子を比較的簡単な構成で作製することができる。
実施例2において、組成物中に液晶性アクリレートモノマー(大日本インキ製UCL001)10重量部を添加した。それ以外は同様にしてホログラム素子の作製と評価を行った結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、室温下での回折効率は、
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.004であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。
また、P偏光の+1次回折効率の温度変化を観測したところ、80°Cにおいて24%であり、高温環境下での回折効率の低下現象を低減できた。これは、相分離後のポリマー層中に取り込まれて固定化されている液晶分子は比較的高温でも固定化状態を維持しているため、この液晶部分に接する非重合性の液晶層も比較的高温まで液晶相を維持できるようなる、すなわち、固定化された液晶分子の影響を受けて液晶層全体の相転移温度が上昇したためと考えられる。
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
と大きな偏光選択性を示した。S/P=0.004であり、良好な偏光選択性を示すホログラム素子を作製することができた。
また、P偏光の+1次回折効率の温度変化を観測したところ、80°Cにおいて24%であり、高温環境下での回折効率の低下現象を低減できた。これは、相分離後のポリマー層中に取り込まれて固定化されている液晶分子は比較的高温でも固定化状態を維持しているため、この液晶部分に接する非重合性の液晶層も比較的高温まで液晶相を維持できるようなる、すなわち、固定化された液晶分子の影響を受けて液晶層全体の相転移温度が上昇したためと考えられる。
基板面の垂直方向に対して+26度と0度の方向から2光束が入射するように設定した以外は実施例5と同様にしてホログラム素子を作製した。
作製したホログラム素子の基板面に対して垂直方向から波長442nmの直線偏光のレーザー光を照射して、入射光強度に対する+1次回折光強度を測定した。その結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
で実施例5と同様な特性を示した。この素子を図15のような光ピックアップ装置に使用する場合、ホログラム素子の基板面を光源から光ディスク面までの光軸に対して垂直に配置することができる。また、図15の半導体レーザー15とフォトダイオード20間の距離が一定である場合、回折角度が26度と非常大きいために、半導体レーザー15とフォトダイオード20の形成面とホログラム素子の間隔を短縮することができた。したがって光ピックアップ装置全体の薄型化が実現できた。
作製したホログラム素子の基板面に対して垂直方向から波長442nmの直線偏光のレーザー光を照射して、入射光強度に対する+1次回折光強度を測定した。その結果、入射光に対する+1次回折光の出射角度は26度であり、
P偏光の+1次回折効率=25%
S偏光の+1次回折効率=0.1%
で実施例5と同様な特性を示した。この素子を図15のような光ピックアップ装置に使用する場合、ホログラム素子の基板面を光源から光ディスク面までの光軸に対して垂直に配置することができる。また、図15の半導体レーザー15とフォトダイオード20間の距離が一定である場合、回折角度が26度と非常大きいために、半導体レーザー15とフォトダイオード20の形成面とホログラム素子の間隔を短縮することができた。したがって光ピックアップ装置全体の薄型化が実現できた。
2 非重合性液晶
3 重合性モノマーあるいはプレポリマー
4 組成物
5 透明基板間
7 ポリマー層
8 液晶層
10、11 電極
13 重合性液晶モノマー
3 重合性モノマーあるいはプレポリマー
4 組成物
5 透明基板間
7 ポリマー層
8 液晶層
10、11 電極
13 重合性液晶モノマー
Claims (8)
- 少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物内の有効領域に電界あるいは磁界を印加した状態で、前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子。
- 請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、
前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉露光による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)と前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 請求項1記載の偏光選択性ホログラム素子において、
前記非重合性液晶が正の誘電異方性を示すネマチック液晶であり、二光束干渉による干渉縞を前記基板面上に投影した時の該基板面上での干渉縞の配列方向(ピッチ方向)に垂直で且つ前記基板面に平行な方向に前記電界を形成する電極を有することを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 少なくとも、非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物の層を透明な支持基板上あるいは一対の透明基板間に保持し、前記基板を通して二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の性ホログラム素子において、
前記組成物中に重合性液晶モノマーを含み、露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有することを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、
前記非重合性液晶及び前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、前記基板を通して二光束干渉露光することを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 請求項4記載の偏光選択性ホログラム素子において、
前記非重合性液晶又は前記重合性液晶モノマーが誘電異方性を有し、前記組成物内の有効領域内に電界を印加した状態で、基板を通して二光束干渉露光することを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 請求項1乃至6のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子において、
前記ポリマー層と前記液晶層の界面が前記基板面の法線方向に対して傾斜していることを特徴とする偏光選択性ホログラム素子。 - 請求項1乃至7のうちの何れか1つに記載の偏光選択性ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004150680A JP2005331757A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 偏光選択性ホログラム素子・光ピックアップ装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004150680A JP2005331757A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 偏光選択性ホログラム素子・光ピックアップ装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-05-20 JP JP2004150680A patent/JP2005331757A/ja active Pending
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