JP2005330441A - フッ素系接着性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な方法で調製でき、且つ、金属等の極性基材上に優れた接着性能を有するフッ素樹脂接着性組成物を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂と、該フッ素樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部のパーオキシジカーボネートとを含む、接着性組成物。
【解決手段】フッ素樹脂と、該フッ素樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部のパーオキシジカーボネートとを含む、接着性組成物。
Description
本発明はフッ素系接着性組成物に関し、詳細には、フッ素樹脂と所定量のパーオキシジカーボネートとを含み、特に金属、セラミックス等の高極性の基材に良好な接着性を示す組成物に関する。
フッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性、防汚性、電気特性などに優れているが、高価であるため、通常、他の基材の表面に薄くコーティングして使用される。しかし、フッ素樹脂は、基材への接着性に乏しく、特に、極性が高い基材への接着性の改良が望まれていた。
フッ素素樹脂の接着性を向上する方法はこれまで種々検討されており、基材の表面を粗化する方法、フッ素樹脂を化学薬品やコロナ放電などで表面処理する方法、フッ素樹脂に官能基を導入する方法(例えば特許文献1、2)などが提案されている。しかし、基材もしくはフッ素樹脂を表面処理する方法は、複雑な表面処理工程が必要な分、生産性が悪い;表面処理可能な基材の形状等が制限される;処理にコストがかかる割に十分な接着強度は得られない;さらに、樹脂の変色や耐熱性が劣化する場合がある等の問題がある。
また、樹脂に官能基を導入する方法は、官能基を含むモノマー量によってはフッ素樹脂の耐熱特性等が損なわれる場合があり、また、異なる基材毎に導入する官能基の種類及び量を調整しなければならず、その操作も容易ではない。
そこで、本発明は手間や費用がかからず調製でき、且つ、優れた接着性能を有するフッ素樹脂接着性組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、フッ素樹脂と、該フッ素樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部のパーオキシジカーボネートとを含む、接着性組成物である。
上記本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
前記フッ素樹脂が、テトラフロロエチレン−-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)から選ばれた少なくとも1種である上記接着性組成物。
前記パーオキシジカーボネートが、下記式
(Rは、アルコキシ基で置換されていてよい、C2〜12の脂肪族基もしくは脂環式基である)
で表されるパーオキシジカーボネートの少なくとも1種である上記接着性組成物。
有機溶媒中の溶液の形態又は水系エマルジョンの形態である、上記接着性組成物。
また、本発明は上記接着性組成物からなるコーティング剤及び該コーティング剤からなる層が施与された金属板にも関する。
上記本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
前記フッ素樹脂が、テトラフロロエチレン−-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)から選ばれた少なくとも1種である上記接着性組成物。
前記パーオキシジカーボネートが、下記式
(Rは、アルコキシ基で置換されていてよい、C2〜12の脂肪族基もしくは脂環式基である)
で表されるパーオキシジカーボネートの少なくとも1種である上記接着性組成物。
有機溶媒中の溶液の形態又は水系エマルジョンの形態である、上記接着性組成物。
また、本発明は上記接着性組成物からなるコーティング剤及び該コーティング剤からなる層が施与された金属板にも関する。
上記本発明の接着性組成物は、基材に応じて濃度調節等の調整が容易であり、高極性の基材への接着性に優れ、且つ、フッ素樹脂の耐熱特性等が損なわれることが無い。
本発明で使用されるフッ素樹脂は、加熱溶融、溶液、又はエマルジョンの形でコーティング可能であり、後述するパーオキシカーボネートの分解反応温度以下、約100℃以下、において溶融可能である、又は約100℃以下で蒸発する溶媒に可溶であるものであれば、任意のものであってよい。例えばポリビニリデンフルオライド、テトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ビニリデンフルオライド−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体、フロロエチレン−ビニルエーテル共重合体などが挙げられる。なかでも、テトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体、フロロエチレン−ビニルエーテル共重合体が、パーオキシカーボネートとの反応性、ひいては接着性が高く、低温溶融加工性、溶液もしくはエマルジョンに調製し易い点で特に好ましい。
本発明において使用されるパーオキシジカーボネートは、未反応状態でのフッ素樹脂への溶解性もしくは分散性を有し、分解温度、一般に約100℃程度、よりも低沸点の有機溶媒もしくは水への溶解性もしくは分散性を有していれば、任意のものを利用できる。好ましくは、下記式で表されるパーオキシジカーボネート、
(Rは、アルコキシ基で置換されていてよい、C2〜12の脂肪族基もしくは脂環式基)
が使用される。例えばジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-i‐プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4-tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-(3‐メチル‐3‐メトキシブチル)パーオキシジカーボネートなどが挙げられ、なかでもジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートが好ましい。これらは単独で、もしくは2種類以上組合わせて使用可能である。
(Rは、アルコキシ基で置換されていてよい、C2〜12の脂肪族基もしくは脂環式基)
が使用される。例えばジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-i‐プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4-tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-(3‐メチル‐3‐メトキシブチル)パーオキシジカーボネートなどが挙げられ、なかでもジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートが好ましい。これらは単独で、もしくは2種類以上組合わせて使用可能である。
パーオキシジカーボネートの量はフッ素樹脂への相溶性等に依存して適宜調整することが好ましいが、典型的には、100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部添加される。前記下限値未満では接着性が十分ではなく、前記上限値を超えるとフッ素樹脂への溶解性が不足するためにフッ素樹脂表面や基材との界面にブリードアウトして、フッ素樹脂の基材への濡れを阻害し、接着性を低下する場合がある。
フッ素樹脂とパーオキシジカーボネートは、フッ素樹脂を溶融した状態、溶液状態、もしくは、エマルジョンにした状態中に、固体もしくは溶液にして、溶解もしくは分散させて組成物にする。例えばポリビニリデンフルオライドは極性溶剤に可溶であり、また乳化することも可能なので、溶液もしくはエマルジョンでパーオキシジカーボネートと混合することができ、テトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体は共重合組成に依存して、100℃以下で熱溶融し、溶剤に可溶であり、また乳化することも可能なので、加熱溶融、溶液、エマルジョンのいずれの状態においても組成物に調製することが可能である。
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を添加してよい。例えば、アシルパーオキシド系、アルキルパーオキシド系、パーオキシケタール系等他のパーオキシド、多官能ビニル化合物、及び多官能アリル化合物などの架橋剤;シランカップリング剤及びチタンカップリング剤等のカップリング剤;アミン系、フェノール系等の接着促進剤をはじめ、耐候性安定剤、耐熱安定剤、充填剤、帯電防止剤、導電剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、加水分解防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、染料、顔料等の添加剤が挙げられる。
本発明の接着性組成物の基材への施与は、公知の方法により行うことができる。例えば、フッ素樹脂を溶融した状態で、基材に直接ダイコーティングする方法、フィルム状・ひも状等に溶融成形した後に基材へラミネートし、もしくはプレスする方法;溶液又はエマルジョンコーティングの状態で、ダイコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングする方法がある。基材としては、金属、ガラス、セラミックス等の無機基材、各種ポリマー、木、紙等が挙げられ、好ましくは、金属、例えばステンレス鋼板、冷延鋼板、アルミ板、上に施与される。
接着加工する場合には、上記のように施与された層を、予熱もしくは施与工程直後の高温の状態を利用して、他の基材を加圧・加熱ラミネートすればよい。
組成物の調製工程での加熱は、パーオキシジカーボネートの分解温度未満の温度で行い、その後の工程で分解温度以上に上げて反応させ、フッ素樹脂を硬化させ及び基材に接着させる。例えば、コーティング層を得る場合には、熱風や赤外線により、分解温度以上の温度で乾燥を兼ねて反応させる。他の基材を接着する場合には、溶媒もしくは分散媒をパーオキシジカーボネートの分解温度未満の温度で除去し、他の基材を組成物層の上に配置した後に、分解温度以上で反応させる。
以下、実施例によって、本発明をより詳細に説明する。
ポリビニリデンフルオライド100重量部にジ-2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネートを2重量部添加して、水を加えて30重量%濃度のエマルジョンを用意し、該エマルジョンを厚さ0.3mmのSUS304上にバーコーターでコーティングした。次いで、熱風オーブン中で、180℃で10分加熱し、SUS板上の約2μmのフッ素樹脂コーティング層を得た。該コーティング層の密着力、および耐熱密着力を次に示す方法で評価した。
コーティング層密着力の評価方法
JIS K5400に準拠して碁盤目テープ法により密着状態を評価し、以下の判定を行った。
評価点数10:A
同8以上10未満:B
同8未満:C
JIS K5400に準拠して碁盤目テープ法により密着状態を評価し、以下の判定を行った。
評価点数10:A
同8以上10未満:B
同8未満:C
コーティング層密着力の耐熱性評価方法
JIS K5400に準拠して碁盤目テープ法によりノッチを入れた後、熱風オーブン中で150℃で60分加熱し、冷却し、常温に戻ってからテープによる剥離を行い、以下の判定を行った。
評価点数10:A
同8以上10未満:B
同8未満:C
JIS K5400に準拠して碁盤目テープ法によりノッチを入れた後、熱風オーブン中で150℃で60分加熱し、冷却し、常温に戻ってからテープによる剥離を行い、以下の判定を行った。
評価点数10:A
同8以上10未満:B
同8未満:C
実施例1で得たコーティング層は、密着力および耐熱密着力共にAであった。
プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体100重量部をテトラヒドロフランに溶解し、ジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネートを2重量部添加して10重量%濃度のコーティング剤を用意し、厚さ0.3mmのSUS304上にバーコーターでコーティングした後、熱風オーブン中100℃で10分加熱し、SUS板上の約2μmのフッ素樹脂コーティング層を得た。該コーティング層を実施例1と同様に評価したところ、密着力および耐熱密着力共にAであった。
テトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体で各構成モノマー重量比が順に0.3−0.5−0.2であるものの100重量部を、予め2本カレンダーロールにて80℃で溶融させ、そこへビス(4-tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを2重量部添加して分散した。均一に分散されたことを確認した直後、その一部を取って厚さ0.3mmのSUS304と厚さ0.1mmのテトラフロロエチレン製離用シートにはさみ、金属とゴムのニップロールで常温下で線圧100 N/10mm、速度0.5m/minで圧延した。次いで、前記離型用シートを剥がし、約80μmのコーティング層が施与されたSUS板を得た。該SUS板を熱風オーブン中、120℃で10分加熱した。該コーティング層を実施例1と同様に評価したところ、密着力および耐熱密着力共にAであった。
各構成モノマー重量比が順に0.4−0.4−0.2のテトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体100重量部を2-ブタノンに溶解し、ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを0.2重量部添加し、10重量%濃度のコーティング剤2-ブタノン溶液を用意して、厚さ0.3mmのSUS304上にバーコーターでコーティングし、熱風オーブン中で、120℃で10分加熱して、SUS板上の約2μmのフッ素樹脂コーティング層を得た。該コーティング層を実施例1と同様に評価したところ、密着力および耐熱密着力共にAであった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを8重量部添加したことを除き、実施例4の手順を繰り返し、約2μmのフッ素樹脂コーティング層を得た。該コーティング層を実施例1と同様に評価したところ、密着力および耐熱密着力共にAであった。
実施例4と同様のコーティング剤を、厚さ0.3mmのSUS304にバーコーターでコーティングした後、熱風オーブン中で、60℃で1分加熱して、約2μm厚さのフッ素樹脂接着層とSUS板の積層体を得た。続いて、別に用意した厚さ0.1mmのポリアミド-6フィルムをフッ素樹脂接着層上に重ね、熱プレス機で230℃、10kPaで5分加熱圧着した。得られたポリアミド-6/SUS304積層体の接着部の接着力、および耐熱接着力を次に示す方法で評価した。
接着力評価
厚みの薄い被着体側のみに10mm幅の同被着体厚さのノッチを入れ、剥離口を作製した後、20℃の雰囲気で速度200(mm/min)にて180°剥離試験を行い、最大剥離力を測定し、以下の基準で評価した。
10 N/10mm以上:A
7 N/10mm以上10 N/10mm未満:B
7 N/10mm未満:C
厚みの薄い被着体側のみに10mm幅の同被着体厚さのノッチを入れ、剥離口を作製した後、20℃の雰囲気で速度200(mm/min)にて180°剥離試験を行い、最大剥離力を測定し、以下の基準で評価した。
10 N/10mm以上:A
7 N/10mm以上10 N/10mm未満:B
7 N/10mm未満:C
耐熱接着力
薄い被着体側のみに10mm幅の同被着体厚さのノッチを入れ剥離口を作製した後、熱風オーブン中、150℃で60分加熱し、冷却後20℃の雰囲気で速度200 mm/minにて180°剥離試験を行い最大剥離力を測定し、以下の判定を行った。
10 N/10mm 以上:A
7 N/10mm 以上10 N/10mm 未満:B
7 N/10mm 未満:C
薄い被着体側のみに10mm幅の同被着体厚さのノッチを入れ剥離口を作製した後、熱風オーブン中、150℃で60分加熱し、冷却後20℃の雰囲気で速度200 mm/minにて180°剥離試験を行い最大剥離力を測定し、以下の判定を行った。
10 N/10mm 以上:A
7 N/10mm 以上10 N/10mm 未満:B
7 N/10mm 未満:C
実施例6の積層体の評価結果は、接着力がA、耐熱接着力がBであった。
実施例4と同様のコーティング剤を、厚さ2mmのポリエチレン板上に積層された厚さ0.1mmのエチレン32mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体表面にバーコーターでコーティングし、熱風オーブン中で、60℃で1分加熱して約2μmのフッ素樹脂接着層が施与されたエチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリエチレンの積層体を得た。続いて、別に用意した厚さ0.1mmのエチレン32mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を、接着層上に重ねて、熱プレス機で230℃、10kPaで5分加熱圧着し、エチレン−ビニルアルコール共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリエチレン積層体を得た。該積層体の接着部の接着力、および耐熱接着力を実施例6同様に評価したところ、夫々、AおよびBだった。
コーティング剤2-ブタノン溶液に、トリアリルシアヌレートを2重量部加えた以外は実施例7と同様に積層体を作製し、接着剤部の接着力、および耐熱接着力を実施例6同様に評価したところ、共にAだった。
各構成モノマー重量比が順に0.4−0.4−0.2のテトラフロロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフロロプロピレン共重合体100重量部にジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネート0.2重量部、ケッチェンブラック40重量部添加したコーティング剤2-ブタノン溶液を用意した。該溶液を、施与直前にブラスト研磨した厚さ0.3mmのSUS304上に、バーコーターでコーティングし、熱風オーブン中で120℃で10分加熱し、SUS板上の約80μmのフッ素樹脂コーティング層を得た。このサンプルの電気抵抗、および耐薬品電気抵抗を次に示す方法で評価した。
電気抵抗
JIS K7194に準拠してコーティング層側から電圧・電流を印可して4探針法で体積抵抗値を測定した。
JIS K7194に準拠してコーティング層側から電圧・電流を印可して4探針法で体積抵抗値を測定した。
耐薬品電気抵抗
本試験は、コーティング層の耐薬品性を、電気抵抗の変化の度合いにより評価するものである。
積層体から同サイズのサンプルを切り出し、まず一方のコーティング層側に2 N硫酸の液滴を置き、次にそれを囲みかつ液滴より肉厚のフッ素ゴムO-リングを置き、該O-リングの上に、前記コーティング層に他のサンプルのコーティング層が対向するようにして置き、圧力が100kPaとなるよう該他のサンプルの基材上に錘を載せて、硫酸を両コーティング層面に接触させて、評価用アセンブリを得た。この状態のまま熱風オーブン中で80℃で1000時間加熱し、冷却後、アセンブリを解体して硫酸を水洗除去し、真空乾燥機で40℃で2時間、減圧乾燥した後、JIS K7194に準拠してコーティング層から電圧・電流を印可して4探針法で体積抵抗を測定し、以下の判定を行った。
電気抵抗の95%以上保持:A
電気抵抗の80%以上95%未満保持:B
電気抵抗の80%未満保持未満:C
本試験は、コーティング層の耐薬品性を、電気抵抗の変化の度合いにより評価するものである。
積層体から同サイズのサンプルを切り出し、まず一方のコーティング層側に2 N硫酸の液滴を置き、次にそれを囲みかつ液滴より肉厚のフッ素ゴムO-リングを置き、該O-リングの上に、前記コーティング層に他のサンプルのコーティング層が対向するようにして置き、圧力が100kPaとなるよう該他のサンプルの基材上に錘を載せて、硫酸を両コーティング層面に接触させて、評価用アセンブリを得た。この状態のまま熱風オーブン中で80℃で1000時間加熱し、冷却後、アセンブリを解体して硫酸を水洗除去し、真空乾燥機で40℃で2時間、減圧乾燥した後、JIS K7194に準拠してコーティング層から電圧・電流を印可して4探針法で体積抵抗を測定し、以下の判定を行った。
電気抵抗の95%以上保持:A
電気抵抗の80%以上95%未満保持:B
電気抵抗の80%未満保持未満:C
実施例9のコーティング層は、電気抵抗が30Ωであり、耐薬品電気抵抗がAであった。
参考例1
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを0.05重量部とした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを0.05重量部とした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
参考例2
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを20重量部とした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はBであり、耐熱密着力はCであった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを20重量部とした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はBであり、耐熱密着力はCであった。
比較例1
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを、m‐トルオイルベンゾイルパーオキシドとした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを、m‐トルオイルベンゾイルパーオキシドとした以外は実施例4同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
比較例2
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを、2,2-ビス(tert‐ブチルパーオキシ)ブタンに替え、加熱条件を160℃で10分とした以外は実施例4と同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを、2,2-ビス(tert‐ブチルパーオキシ)ブタンに替え、加熱条件を160℃で10分とした以外は実施例4と同様にコーティング層を作製して評価したところ、コーティング層密着力はCであり、耐熱密着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
参考例3
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを0.05重量部とした以外は実施例6よ同様に積層体を作製して評価したところ、接着力はCであり、および耐熱接着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを0.05重量部とした以外は実施例6よ同様に積層体を作製して評価したところ、接着力はCであり、および耐熱接着力は、コーティング層が評価前に総て剥離してしまい、評価できなかった。
参考例4
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを20重量部とした以外は実施例6同様に積層体を作製して評価したところ、接着力はBであり、耐熱接着力はCであった。
ジ-3‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートを20重量部とした以外は実施例6同様に積層体を作製して評価したところ、接着力はBであり、耐熱接着力はCであった。
参考例5
2-ブタノン溶液コーティング後の乾燥を120℃、1分としてポリアミド-6の融着前に予め反応させた以外は実施例6と同様にフッ素樹脂接着剤系積層板サンプルを作製し、実施例6と同様に評価したところ、夫々、接着力はBであり、耐熱接着力はCであった。
2-ブタノン溶液コーティング後の乾燥を120℃、1分としてポリアミド-6の融着前に予め反応させた以外は実施例6と同様にフッ素樹脂接着剤系積層板サンプルを作製し、実施例6と同様に評価したところ、夫々、接着力はBであり、耐熱接着力はCであった。
本発明の接着性組成物は、耐薬品性及び密着性の優れた金属用コーティング剤として、接着力の優れた接着剤として有用である。
Claims (6)
- フッ素樹脂と、該フッ素樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部のパーオキシジカーボネートとを含む、接着性組成物。
- 前記フッ素樹脂が、テトラフロロエチレン−-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフロロエチレン-ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、プロピレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の接着性組成物。
- 有機溶媒中の溶液の形態又は水系エマルジョンの形態である、請求項1〜3のいずれか1項記載の接着性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の接着性組成物を含むコーティング剤。
- 請求項5記載のコーティング剤からなる層が施与された金属板。
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2004
- 2004-05-21 JP JP2004152278A patent/JP2005330441A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106715619A (zh) * | 2014-09-19 | 2017-05-24 | 日产化学工业株式会社 | 抗蚀剂图案被覆用涂布液 |
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