JP2020158720A - 複合粒子、分散液、積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法 - Google Patents

複合粒子、分散液、積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法 Download PDF

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敦美 山邊
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渉 笠井
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Abstract

【課題】溶融加工性、溶媒分散性、接着性及び耐フィブリル性に優れる複合粒子及びこの複合粒子が溶媒に分散した分散液、並びにかかる分散液を使用した積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法の提供。【解決手段】本発明の複合粒子は、テトラフルオロエチレン系ポリマーのコア部と、フルオロポリマーのシェル部とを有し、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、−CF2CH2OH、−C(CF3)2OH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、所定のフルオロポリマーを含む複合粒子及びこの複合粒子が溶媒に分散した分散液、並びにかかる分散液を使用した積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子は、元来、溶媒に対する分散性が低い。特に、多量のPTFEの粒子を溶媒に分散させる際には、その傾向が顕著である。また、PTFEの粒子は、溶融加工性に劣り、分散液中で変質(フィブリル化)しやすいという欠点もある。
かかる欠点を解消すべく、PTFEをコア部とし、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)とからなるコポリマー又はTFEとヘキサフルオロプロピレン(HFP)とからなるコポリマーのシュル部とする、コア/シェル型ポリマー粒子が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開2011−213857号公報 特表2009−516066号公報 特表2010−510350号公報
しかし、各特許文献のコア/シェル型ポリマー粒子では、上記欠点が充分に解消されていない。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の官能基を有するフルオロポリマーを使用した複合粒子は、溶融加工性、溶媒分散性、接着性及び耐フィブリル性に優れることを知見した。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>テトラフルオロエチレン系ポリマーのコア部と、フルオロポリマーのシェル部とを有し、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む、複合粒子。
<2>前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)とのコポリマー、及びテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、前記フルオロポリマーとは異なるテトラフルオロエチレン系ポリマーである、上記<1>の複合粒子。
<3>前記フルオロポリマーの質量に対する前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの質量の比が1以上である、上記<1>又は<2>の複合粒子。
<4>前記複合粒子に含まれる前記ポリテトラフルオロエチレンの量が、80〜90質量%である、上記<1>〜<3>のいずれかの複合粒子。
<5>前記複合粒子に含まれる前記フルオロポリマーの量が、10〜20質量%である、上記<1>〜<4>のいずれかの複合粒子。
<6>前記フルオロポリマーが、該ポリマーを構成する全単位のうち、前記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を0.5〜10モル%含有する、上記<1>〜<5>のいずれかの複合粒子。
<7>前記フルオロポリマーが、該ポリマーを構成する全単位のうち、前記官能基を有するモノマーに基づく単位を0.01〜3モル%含有する、上記<1>〜<6>のいずれかの複合粒子。
<8>前記複合粒子の体積基準累積50%径が、0.01〜100μmである、上記<1>〜<7>のいずれかの複合粒子。
<9>溶媒と前記溶媒に分散した複合粒子とを含有し、前記複合粒子が、テトラフルオロエチレン系ポリマーのコア部と、フルオロポリマーのシェル部とを有し、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む、分散液。
<10>前記溶媒が、水又は親水性溶媒である、上記<9>の分散液。
<11>前記分散液の粘度が、10000mPa・s以下である、上記<9>又は<10>の分散液。
<12>前記分散液のチキソ比が、1〜2.5である、上記<9>〜<11>のいずれかの分散液。
<13>上記<9>〜<12>のいずれかの分散液を基材の表面に塗布し、前記基材を加熱して前記複合粒子の焼成層を形成し、前記基材と前記焼成層とがこの順に積層された積層体を得る、積層体の製造方法。
<14>上記<9>〜<12>のいずれかの分散液を基材の表面に塗布し、前記基材を加熱して前記複合粒子の焼成層を形成し、前記基材と前記焼成層とがこの順に積層された積層体を得て、前記積層体から前記基材を除去し、前記複合粒子の焼成層からなる膜を得る膜の製造方法。
<15>上記<9>〜<12>のいずれかの分散液を織布に含浸し、前記織布を加熱して前記複合粒子を焼成し、前記複合粒子の焼成物で被覆された被覆織布を得る、被覆織布の製造方法。
本発明によれば、溶融加工性、溶媒分散性、接着性及び耐フィブリル性(延伸するまでフィブリル化しにくい特性)に優れた、所定の官能基を有するフルオロポリマーを使用した複合粒子が得られる。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「ポリマーの溶融粘度」は、ASTM D1238に準拠し、フローテスター及び2Φ−8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいたポリマーの試料(2g)を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定した値である。
「ポリマーの溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「粒子のD50」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「粒子のD90」は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積90%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
粒子のD50及びD90は、粒子を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
「分散液の粘度」は、B型粘度計を用いて、室温下(25℃)で回転数が30rpmの条件下で測定される値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「分散液のチキソ比」とは、回転数が30rpmの条件で測定される粘度ηを回転数が60rpmの条件で測定される粘度ηで除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称である。
本発明の複合粒子は、テトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「TFE系ポリマー」とも記す。)のコア部と、フルオロポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)のシェル部とを有し、このFポリマーが、TFEに基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)と、PAVE又はHFPに基づく単位と、−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む。なお、上記TFE系ポリマーは、上記Fポリマーとは異なるポリマーである。
かかる複合粒子は、溶融加工性、溶媒分散性、接着性及び耐フィブリル性に優れる。
この理由は必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。
本発明の複合粒子は、コア部のTFE系ポリマーがシェル部のFポリマーで被覆されたコア−シェル構造を有する粒子であるとも言え、その最外層(特に表面)には、Fポリマーが有する酸性度の強い極性官能基が存在すると考えられる。かかる官能基により、本発明の複合粒子は、基材に対する接着性と、溶媒との相互作用による溶媒分散性とに優れると考えられる。
さらに、Fポリマーは、TFE単位とPAVE又はHFPに基づく単位とを含有するため、熱溶融性に優れた物性を有している。かかるFポリマーが粒子の最外層に存在するため、本発明の複合粒子は、溶融加工性に優れると考えられる。
加えて、Fポリマーは、上記官能基を有するため、ポリマー同士で高度に相互作用しやすいとも考えられる。そのため、コア部とシェル部との界面又は近傍において、ポリマー鎖が高度に絡みやすく、例えば、マトリックス構造を形成しやすい状態となると考えられる。その結果、本発明の複合粒子は、コア部のTFE系ポリマーのフィブリル性が抑制されて、優れた耐フィブリル性を発現したと推察される。
本発明におけるコア部は、TFE系ポリマーを主成分とするのが好ましい。コア部におけるTFE系ポリマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。なお、本明細書においては、TFE系ポリマーの製造において使用された成分(界面活性剤等)がコア部に含まれる場合、該成分はTFE系ポリマー以外の成分には含めない。
コア部のD50は0.01〜1μmが好ましく、コア部のD90は2μm以下が好ましい。この場合、TFE系ポリマーとFポリマーとの間での相互作用が良好となり、複合粒子の物性が更に向上しやすい。
TFE系ポリマーは、TFE単位を含む、Fポリマーとは異なるポリマーであり、PTFE、TFEとPAVEとのコポリマー(PFA)、及びTFEとHFPとのコポリマー(FEP)からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーが好ましい。
PTFEには、TFEのホモポリマーに加えて、極微量のコモノマー(PAVE、HFP、フルオロアルキルエチレン等)とTFEとのコポリマーである、いわゆる変性PTFEも包含される。
複合粒子は、コア部(TFE系ポリマー)の物性が損なわれにくい。例えば、複合粒子は、コア部が本来有する耐熱性が損なわれにくい。
TFE系ポリマーにおけるTFE単位の割合は、全単位のうち、99.5モル%以上が好ましく、99.9モル%以上がさらに好ましい。
TFE系ポリマーは、水中でTFEを乳化重合して得られるポリマーであるのが好ましい。かかるTFE系ポリマーは、水中で粒子として分散している。かかる状態にあるTFE系ポリマーをコア部として、シェル部のFポリマーを構成するモノマーを重合すれば、容易に本発明の複合粒子が得られる。
TFE系ポリマーは、フィブリル性を有するのが好ましい。フィブリル性を有すれば、複合粒子を使用して得られる焼成層(塗膜)の表面平滑性、機械的物性(耐摩耗性等)、耐候性が向上しやすい。なお、フィブリル性を有するTFE系ポリマーとは、未焼成のポリマー粉末がペースト押出できるTFE系ポリマーを意味する。すなわち、ペースト押出で得られる成形物に強度又は伸びがあるTFE系ポリマーを意味する。
この場合の、TFE系ポリマーの平均分子量の指標である標準比重は、2.14〜2.22が好ましく、2.15〜2.21がより好ましい。また、TFE系ポリマーの380℃における溶融粘度は、1×10Pa・s以上が好ましい。上記溶融粘度の上限は、通常、1×1010Pa・sである。
TFE系ポリマーの標準比重及び溶融粘度のうちの少なくとも一つが、上記範囲にあれば、TFE系ポリマーのフィブリル性がより良好であり、機械的物性等により優れた焼成層(焼成物)が形成できるともみなせる。
本発明におけるシェル部は、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。シェル部におけるFポリマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
本発明におけるFポリマーが有する官能基(−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基)は、官能基を有するモノマーに基づく単位に含まれていてもよく、ポリマー主鎖末端部に含まれていてもよく、前者が好ましい。
また、官能基は、官能基を形成し得る基を有するポリマーを変性して調製された基であってもよい。ポリマー主鎖末端部に含まれる官能基は、そのポリマーの重合に際して使用する成分(重合開始剤、連鎖移動剤等)を調整することにより得られる。
複合粒子の接着性を損ないにくい観点から、官能基は、環状酸無水物残基、又は1,2−ジカルボン酸基が好ましく、環状酸無水物残基がより好ましい。
Fポリマーは、TFE単位と、PAVE又はHFPに基づく単位(以下、「PAE単位」とも記す。)と、官能基を有するモノマーに基づく単位(以下、「極性単位」とも記す。)とを含むポリマーが好ましい。
TFE単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、50〜99モル%が好ましく、90〜99モル%がより好ましい。
PAE単位は、PAVE単位が好ましい。PAE単位は、2種類以上であってもよい。
PAE単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0.5〜10モル%が好ましく、0.5〜9.97モル%がより好ましい。
PAVEとしては、CF=CFOCF(PMVE)、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF(PPVE)、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFFが挙げられ、PMVE又はPPVEが好ましい。
極性単位は、酸無水物残基を有するモノマーに基づく単位又は1,2−ジカルボン酸基を有するモノマーに基づく単位が好ましく、環状酸無水物残基を有するモノマーに基づく単位がより好ましい。極性単位は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
環状酸無水物残基を有するモノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸。以下、「NAH」とも記す。)又は無水マレイン酸が好ましく、NAHがより好ましい。
極性単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0.01〜3モル%が好ましい。
また、この場合のFポリマーは、TFE単位、PAE単位及び極性単位以外の単位(以下、「他の単位」とも記す。)を、さらに含んでいてもよい。他の単位は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
他の単位を形成するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレが挙げられる。
Fポリマーにおける他の単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0〜50モル%が好ましく、0〜40モル%が特に好ましい。
Fポリマーの溶融温度は、140〜320℃が好ましく、260〜320℃がより好ましい。この場合、複合粒子の接着性をさらに向上させやすい。
本発明におけるFポリマーの質量に対するTFE系ポリマーの質量の比(TFE系ポリマーの含有量/Fポリマーの含有量)は、1以上が好ましく、1〜25がより好ましく、2〜20がさらに好ましい。この場合、TFE系ポリマーとFポリマーとの間での相互作用が良好となり、コア部がより高度にシェル部で被覆されやすい。このため、TFE系ポリマーの元の物性を損なわずに、接着性及び溶融加工性に特に優れた複合粒子が得られやすい。
具体的には、複合粒子に含まれるTFE系ポリマーの量は、80〜90質量%が好ましく、82〜87質量%がより好ましい。一方、複合粒子に含まれるFポリマーの量は、10〜20質量%が好ましく、13〜18質量%がより好ましい。
本発明の複合粒子は、その用途に応じて、さらに、種々の後処理に供してもよい。かかる後処理としては、放射線処理、コロナ処理、電子線処理、プラズマ処理が挙げられる。
本発明の複合粒子のD50は、0.01〜100μmが好ましく、0.05〜75μmがより好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましい。
本発明の複合粒子のD90は、120μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本発明の複合粒子は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、つや消し剤、レベリング剤、表面調整剤、界面活性剤、脱ガス剤、可塑剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、シランカップリング剤、防汚剤、低汚染化剤、難燃剤が挙げられる。
本発明の複合粒子は、TFE系ポリマーの粒子(コア部)が分散した溶媒中で、TFEとPAVE又はHFPと官能基を有するモノマーとの共重合により、Fポリマーのシェル部を形成して製造するのが好ましい。かかる製造方法によれば、シェル部とコア部との相互作用が高く、溶融加工性、溶媒分散性、接着性及び耐フィブリル性に優れる複合粒子が得られる。また、得られる分散液は、本発明の複合粒子と溶媒とを含み、本発明の複合粒子が溶媒に分散した分散液であるとも言える。
TFE系ポリマーのコア部が分散した溶媒には、Fポリマーの原料となる各種モノマーに加えて、重合開始剤、重合促進剤、重合緩和剤、重合停止剤等を添加してもよい。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム(NPS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、パラ−メタン過酸化塩、ペルオキシカーボネートが挙げられる。
Fポリマーの合成は、加圧下に行うのが好ましい。この加圧の圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.2〜5MPaがより好ましい。
溶媒はFポリマーの合成反応の反応場を形成するだけでなく、分散液では複合粒子の分散媒として機能する。
溶媒は、25℃で液体である化合物が好ましい。
溶媒は、水又は親水性溶媒が好ましい、親水性溶媒は、プロトン性であってもよく、非プロトン性であってもよい。親水性溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
親水性溶媒は、アミド、アルコール、スルホキシド、エステル、ケトン又はグリコールエーテルが好ましく、ケトン又はアミドがより好ましい。
溶媒は、水、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン又はN−メチル−2−ピロリドンが更に好ましい。
分散液は、複合粒子の分散性をより向上させる観点から、分散剤を含有するのが好ましい。分散剤は、親水性基と疎水性基を有する化合物であれば、特に限定されず、フッ素系分散剤、シリコーン系分散剤又はアセチレン系分散剤が好ましく、フッ素系分散剤が好ましい。分散剤は、ノニオン性であるのが好ましい。
フッ素系分散剤としては、フルオロモノオール、フルオロポリオール、フルオロシリコーン又はフルオロポリエーテルが好ましい。
フルオロポリオールは、フルオロ(メタ)アクリレートと水酸基を有する(メタ)アクリレートのコポリマーが好ましく、ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロアルケニル基を有する(メタ)アクリレートとポリオキシアルキレンモノオール基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマーがより好ましい。
フルオロシリコーンは、側鎖の一部にC−F結合を含むポリオルガノシロキサンが好ましい。
フルオロポリエーテルは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの水素原子の一部がフッ素原子に置換された化合物が好ましい。
分散液中の複合粒子の割合は、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。この場合、物性(特に、電気特性)に優れたポリマー層を形成しやすい。
分散液中の分散剤の割合は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。この場合、分散液中における複合粒子の分散性がより高まり、焼成層の物性がより向上しやすい。
分散液中の溶媒の割合は、15〜55質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましい。この場合、分散液の塗布性が優れ、かつ層(塗膜)形成性が向上しやすい。
さらに、分散液は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の材料を含んでいてもよい。他の材料は、分散液に溶解してもよく、溶解しなくてもよい。
かかる他の材料は、非硬化性樹脂であってもよく、硬化性樹脂であってもよい。
非硬化性樹脂としては、熱溶融性樹脂、非溶融性樹脂が挙げられる。熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミドが挙げられる。非溶融性樹脂としては、硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。
硬化性樹脂としては、反応性基を有するポリマー、反応性基を有するオリゴマー、低分子化合物、反応性基を有する低分子化合物が挙げられる。反応性基としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基が挙げられる。
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、多官能シアン酸エステル樹脂、多官能マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂の具体例としては、ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
ビスマレイミド樹脂としては、特開平7−70315号公報に記載される樹脂組成物(BTレジン)、国際公開第2013/008667号に記載される樹脂が挙げられる。
ポリアミック酸は、通常、Fポリマーが有する上記官能基と反応し得る反応性基を有している。
ポリアミック酸を形成するジアミン、多価カルボン酸二無水物としては、特許第5766125号公報の[0020]、特許第5766125号公報の[0019]、特開2012−145676号公報の[0055]、[0057]等に記載の化合物が挙げられる。
熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂の熱溶融性の硬化物が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、熱可塑性ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンエーテルが挙げられ、熱可塑性ポリイミド、液晶性ポリエステル又はポリフェニレンエーテルが好ましい。
また、かかる他の材料としては、チキソ性付与剤、消泡剤、無機フィラー、反応性アルコキシシラン、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、難燃剤も挙げられる。
分散液の粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、50〜10000mPa・sがより好ましく、100〜5000mPa・sがさらに好ましい。この場合、分散液の分散性に優れるだけでなく、その塗工性や異種の樹脂材料のワニスとの相溶性にも優れている。
また、分散液のチキソ比(η/η)は、1〜2.5が好ましく、1.2〜2がより好ましい。この場合、分散液の分散性に優れるだけでなく、焼成層の均質性が向上しやすい。
本発明の分散液を基材の表面に塗布し、基材を加熱して複合粒子の焼成層を形成すれば、基材と焼成層とがこの順に積層された積層体が得られる。
基材は、金属箔が好ましく、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔がより好ましい。金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜等)、耐熱層、粗化処理層、シランカップリング剤処理層が設けられていてもよい。
金属箔の表面の十点平均粗さは、0.2〜2.5μmが好ましい。この場合、金属箔とポリマー層との剥離強度(密着性)が向上しやすい。
分散液の塗布は、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等の方法によって実施できる。
加熱は、分散液に含まれる成分に応じた条件にて実施できる。例えば、分散液が熱硬化性である場合には、溶媒等の液状成分が除去され、熱硬化性成分が硬化する温度以上にて実施すればよい。
加熱は、一定温度にて1段階でしてもよく、異なる温度にて2段階以上でしてもよい。
加熱の方法としては、オーブンを用いる方法、通風乾燥炉を用いる方法、赤外線等の熱線を照射する方法が挙げられる。
加熱は、常圧下および減圧下のいずれの状態で行ってもよい。
また、加熱雰囲気は、酸化性ガス雰囲気(酸素ガス等)、還元性ガス雰囲気(水素ガス等)、不活性ガス雰囲気(ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス等)のいずれであってもよい。
なお、本発明における積層体は、基材の少なくとも一方の表面に接する焼成層を有していればよい。その層構成としては、基材/焼成層、基材/焼成層/基材、焼成層/基材/焼成層、基材/焼成層/他の基板/焼成層/基材が挙げられる。なお、「基材/焼成層」とは、基材と焼成層とがこの順に積層されていることを示し、他の層構成においても同様である。
本発明における積層体において、焼成層の厚さは、1〜100μmが好ましい。
本発明における積層体は、焼成層と基材との剥離強度も高い。この剥離強度は、7N/cm以上が好ましく、10N/cm以上がより好ましく、13N/cm以上がさらに好ましい。
本発明における積層体は、TFE系ポリマーのコア部をFポリマーのシェル部で被覆してなる複合粒子から形成された焼成層を備えるため、耐熱性、電気特性、耐薬品性(エッチング耐性)等の物性に優れ、フレキシブルプリント配線基板、リジッドプリント配線基板等のプリント配線基板材料として有用である。
例えば、本発明における積層体の基材が金属箔であれば、その金属箔をエッチング処理して所定パターンの金属導体配線(伝送回路)に加工する方法や、金属箔を電解めっき法(セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法等)で金属導体配線に加工する方法によって、プリント配線基板を製造できる。
かかるプリント配線基板は、金属導体配線とポリマー層とをこの順に有する。その構成としては、金属導体配線/焼成層、金属導体配線/焼成層/金属導体配線が挙げられる。
プリント配線基板においては、金属導体配線上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上にさらに金属導体配線を形成してもよい。層間絶縁膜は、上記分散液によっても形成してもよい。また、金属導体配線上にソルダーレジストやカバーレイフィルムを積層してもよい。ソルダーレジストやカバーレイフィルムも、上記分散液によって形成してもよい。
本発明におけるプリント配線基板の具体的な態様としては、上述した層構成を多層化した多層プリント配線基板が挙げられる。
多層プリント配線基板の好適な態様としては、多層プリント配線基板の最外層が焼成層であり、金属導体配線/焼成層の層構成を1以上有する態様が挙げられる。
かかる態様の多層プリント配線基板は、最外層の耐熱性に優れており、加工時の加熱、例えば、はんだリフロー工程における300℃の加熱によっても、不具合が発生しにくい。
なお、積層体から基材の全てを除去して、焼成層からなる膜(フィルム)を得てもよい。得られるフィルムは、TFE系ポリマーを含有するので、良好な延伸物性を示す。よって、かかるフィルムを延伸加工すれば、各種の機能膜材料(精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)、イオン交換膜(IE膜)、透析膜(MD膜)又は気体分離膜等の膜材料)として有用である。
本発明の分散液を織布に含浸し、さらに織布を加熱して複合粒子を焼成すれば、複合粒子の焼成物で被覆された被覆織布が得られる。
織布は、加熱に耐える耐熱性織布であり、ガラス繊維織布、カーボン繊維織布、アラミド繊維織布又は金属繊維織布が好ましく、ガラス繊維織布又はカーボン繊維織布がより好ましく、電気絶縁性の観点からは、JIS R 3410:2006で定められる電気絶縁用Eガラスヤーンより構成される平織のガラス繊維織布がさらに好ましい。織布は、焼成物との密着接着性を高める観点から、シランカップリング剤で処理されていてもよい。
本発明の分散液を織布に含浸させる方法は、分散液中に織布を浸漬する方法や、分散液を織布に塗布する方法が挙げられる。本発明の分散液は、他の材料との接着性に優れるFポリマーを含むため、浸漬回数又は塗布回数が少なくとも、織布とFポリマーとが強固に接着した、ポリマー含有量が高い被覆織布が得られる。
織布を加熱させる方法は、分散液に含まれる溶媒の種類によって適宜決定でき、80〜120℃の雰囲気にて乾燥させ、さらに300〜400℃の雰囲気にて複合粒子を焼成させる方法が通常は採用される。
得られる被覆織布は、焼成物がFポリマーを含むため、焼成物と織布との密着接着性が高い、表面平滑性が高い、歪が少ない等の特性に優れている。かかる織布と金属箔とを熱圧着させて得られる積層体は、剥離強度が高く、反りにくいため、プリント基板材料として好適に使用できる。
また、織布を含む本発明の分散液を、基材の表面に塗布し加熱すれば、複合粒子の焼成物と織布とを含む被覆織布層を形成でき、基材と被覆織布層とが、この順に積層された積層体も製造できる。
以上、本発明の複合粒子、分散液、積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本発明の複合粒子及び分散液は、それぞれ上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の構成と置換されていてよい。
また、本発明の積層体の製造方法、膜の製造方法及び被覆織布の製造方法は、それぞれ上記実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.分散液の製造
(例1)
反応器内に、脱塩水と20質量%のCFCFOCFCFOCFCOONHを含む水溶液とを供給し、反応器内を撹拌しつつ、60℃にて3回、反応器内を脱気した。反応器内の温度を100℃に保持して、反応器内にTFEガスを供給して反応器内の圧力を2MPaに保持した。
次に、反応器内に1質量%の過硫酸アンモニウムを含む水溶液(APS水溶液)を供給し、反応器内の圧力が低下してTFEの重合反応が開始したことを確認した。その後、APS溶液と反応器内の圧力の低下分に相当する量のTFEガスとを連続的に供給して重合反応を継続した。それぞれの供給を停止し、さらに2時間以上、撹拌のみを継続して、フィブリル性を有するポリマー(PTFE)の粒子(コア部)が分散した水分散液を得た。得られたポリマーの380℃の溶融粘度は1×10Pa・s以上であり、その粒子のD50は0.3μmであった。
次に、PPVEと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(NAH)とを反応器内に供給し、APS水溶液と反応器内の圧力が4MPaに保持されるようにTFEガスとを連続的に供給して、重合反応の再開によりシェル部を形成させた。それぞれの供給を停止し、さらに2時間以上、撹拌のみを継続して、反応器内に残存するガスを排気して、複合粒子を含む分散液1を得た。
分散液1中に含まれる複合粒子の量(固形分量)は40質量%であり、複合粒子のD50は0.4μmであった。また、排気したガス量と分散液1中の残存モノマー量とから定量される、複合粒子のシェル部を構成するポリマーのモノマー組成は、TFE、PPVE、NAHの順に、98.3モル%、1.5モル%、0.2モル%であった。
複合粒子に含まれるコア部を構成するポリマーの量は90質量%であり、シェル部を構成するポリマーの量は10質量%であり、後者のポリマーの質量に対する前者のポリマーの質量の比は9であった。
また、分散液1の粘度は、240mPa・sであった。
(例2(比較例))
反応器内へのNAHの供給を省略した以外は、例1と同様にして、分散液2を得た。
なお、分散液2中に含まれる複合粒子の量(固形分量)は40質量%であり、D50は0.4μmであった。
3.評価
3−1.接着性の評価
まず、表面の十点平均粗さが1.2μmであり、厚さが18μの銅箔を用意した。この表面に、分散液をグラビアリバース法によりロールツーロールで塗工して、液状被膜を形成した。次いで、この液状被膜が形成された銅箔を、120℃の乾燥炉にて5分間、通し、加熱により乾燥させた。その後、窒素雰囲気下の遠赤外線オーブン中で、乾燥被膜を380℃にて3分間、加熱した。これにより、銅箔の表面に焼成層が形成された積層体を製造した。なお、焼成層の厚さは5μmであった。
次に、得られた積層体から矩形状(長さ100mm、幅10mm)の試験片に切り出した。そして、試験片の長さ方向の一端から50mmの位置を固定し、引張り速度50mm/分、長さ方向の片端から試験片に対して90°で、銅箔と焼成層とを剥離させた。
そして、この際にかかる最大荷重を剥離強度(N/cm)として測定し、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
○:10N/cm以上
×:10N/cm未満
3−2.耐剪断性の評価
分散液の粘度を、回転数が30rpmの条件と、回転数が60rpmの条件とで測定した。そして、回転数が30rpmの条件で測定される分散液の粘度をηとし、回転数が60rpmの条件で測定される分散液の粘度をηとし、チキソ比(η/η)を求め、以下の基準に従って評価した。なお、各条件での粘度の測定は3回繰り返し、各条件での粘度は3回分の測定値の平均値とした。また、チキソ比が小さいほど、耐剪断性に優れると判断できる。
[評価基準]
○:2.5以下
×:2.5超
以上の結果を、まとめて表1に示す。
Figure 2020158720
本発明で得られる複合粒子は、フィルム、含浸物(プリプレグ等)、積層体(樹脂付銅箔等の金属積層板)等の焼成品の製造に使用でき、離型性、電気特性、撥水撥油性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、滑り性、耐摩耗性等が要求される用途の焼成品の製造に使用できる。また、積層体(焼成品)は、アンテナ部品、プリント基板、航空機用部品、自動車用部品、スポーツ用具、食品工業用品、塗料、化粧品等として有用であり、具体的には、電線被覆材(航空機用電線、データ伝送用ケーブル、プレナムケーブル、同軸ケーブル、高周波用ケーブル、フラットケーブル、耐熱ケーブル等の被覆材)、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、分離膜(精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、透析膜、気体分離膜等)、電極バインダー(リチウム二次電池用、燃料電池用等)、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品等のカバー、摺動部材(荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、歯車、カム、ベルトコンベア、食品搬送用ベルト等)、工具(シャベル、やすり、きり、のこぎり等)、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材として有用である。

Claims (15)

  1. テトラフルオロエチレン系ポリマーのコア部と、フルオロポリマーのシェル部とを有し、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む、複合粒子。
  2. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)とのコポリマー、及びテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、前記フルオロポリマーとは異なるテトラフルオロエチレン系ポリマーである、請求項1に記載の複合粒子。
  3. 前記フルオロポリマーの質量に対する前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの質量の比が1以上である、請求項1又は2に記載の複合粒子。
  4. 前記複合粒子に含まれる前記ポリテトラフルオロエチレンの量が、80〜90質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子。
  5. 前記複合粒子に含まれる前記フルオロポリマーの量が、10〜20質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合粒子。
  6. 前記フルオロポリマーが、該ポリマーを構成する全単位のうち、前記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位を0.5〜10モル%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合粒子。
  7. 前記フルオロポリマーが、該ポリマーを構成する全単位のうち、前記官能基を有するモノマーに基づく単位を0.01〜3モル%含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合粒子。
  8. 前記複合粒子の体積基準累積50%径が、0.01〜100μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合粒子。
  9. 溶媒と前記溶媒に分散した複合粒子とを含有し、前記複合粒子が、テトラフルオロエチレン系ポリマーのコア部と、フルオロポリマーのシェル部とを有し、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、−CFCHOH、−C(CFOH、酸無水物残基及び1,2−ジカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーに基づく単位とを含む、分散液。
  10. 前記溶媒が、水又は親水性溶媒である、請求項9に記載の分散液。
  11. 前記分散液の粘度が、10000mPa・s以下である、請求項9又は10に記載の分散液。
  12. 前記分散液のチキソ比が、1〜2.5である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の分散液。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の分散液を基材の表面に塗布し、前記基材を加熱して前記複合粒子の焼成層を形成し、前記基材と前記焼成層とがこの順に積層された積層体を得る、積層体の製造方法。
  14. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の分散液を基材の表面に塗布し、前記基材を加熱して前記複合粒子の焼成層を形成し、前記基材と前記焼成層とがこの順に積層された積層体を得て、前記積層体から前記基材を除去し、前記複合粒子の焼成層からなる膜を得る膜の製造方法。
  15. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の分散液を織布に含浸し、前記織布を加熱して前記複合粒子を焼成し、前記複合粒子の焼成物で被覆された被覆織布を得る、被覆織布の製造方法。
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