JP2005329685A - 金型及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型であって、金型パターンがフォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いて形成された金型、及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る金型は、金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型であって、基板上に保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状の台座が形成され、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて表面に金型パターンを形成した層が台座上に形成されて成ることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、射出成型用の金型、特に金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型、及びその金型の製造方法に関する。
従来、射出成型用の金型の形成方法には、機械加工を用いた方法と、リソグラフィ技術とエッチング技術を用いた方法が知られている。特許文献1には、ステンレス基板上にNiPを形成し、NiPを研磨した基板上にタンタルをスパッタし、その後、フォトリソグラフィおよびエッチング(物理エッチングもしくは反応性エッチング)を用いて所望の金型パターンを形成するようにした金型の形成方法が開示されている。
フォトリソグラフィ及びエッチングを用いた、例えばレンズ成型用の金型の形成方法は、機械加工の金型に比べて、高精度の金型の作成が可能な上、光学面の面粗度も機械加工の金型に比べて良くすることが可能である。この結果、射出成型によって得られたレンズの透過率も、機械加工品に比べて良いことが分かっている。
特開2003−103525号公報
射出成型品として、金型パターンが転写された成型面を保護するために成型面の周囲に成型面より高い保護壁を一体に有したものが考えられている。
例えば光ディスクの光学ピックアップにおいては精度のよい光学レンズが用いられている。レンズ面の良好な光学レンズを光ピックアップに組み立てようとすると、ハンドリング等の工程中にレンズに触れてしまい、レンズ面を傷付けてしまう虞れがある。そこで、レンズ面に傷付けないようにするために、レンズ面を保護するためにレンズ面の周囲に保護壁を一体に設ける方法がある。このような保護壁を一体に有するレンズ成型品を得るための金型は、機械加工では簡単に形成出来ていた。しかし、レンズ面を保護する保護壁は、高さが20μm以上あるため、通常のフォトリソグラフィの工程でそのような金型を作製することができなかった。
本発明は、上述の点に鑑み、金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型であって、金型パターンがフォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いて形成された金型、及びその製造方法を提供するものである。
本発明に係る金型は、金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型であって、基板上に保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状の台座が形成され、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて表面に金型パターンを形成した層が台座上に形成されて成ることを特徴とする。
上記金型においては、台座の高さが保護壁の高さに設定される。
また、基板としてはアルチック基板またはアルミナ基板で形成し、台座としてはアルミナ層で形成し、さらに金型パターンを有した層としてはタンタル層で形成することが好ましい。
本発明に係る金型の製造方法は、金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型の製造方法であって、基板上に保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状のレジスト層を形成する工程と、レジスト層以外の基板上に金属メッキ層を形成した後、レジスト層を除去して開口を形成する工程と、開口を埋めるように台座となる第1の材料層を形成する工程と、金属メッキ層と第1の材料層を同一面となるように研磨し、第1の材料層による台座を形成する工程と、台座上に第2の材料層を形成して第2の材料層の表面にフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて金型パターンを形成する工程と、金属メッキ層を除去する工程とを有することを特徴とする。
上記金型の製造方法において、基板をアルチック基板またはアルミナ基板により形成し、第1の材料層をアルミナ層により形成し、第2の材料層をタンタル層により形成することが好ましい。
本発明の金型では、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて形成された金型パターンを有するので、成型面用の高精度の金型パターンが得られる。また、金型パターンが形成された層の下には、保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状の台座が形成されるので、この台座周面によって成型面より高い保護壁用金型が形成される。従って、保護壁一体の成型物の成型を可能にした高精度な金型が構成される。
本発明に金型の製造方法では、先ず、基板上に保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状のレジスト層を形成するので、その後に形成する台座の形状、さらにはその上の金型パターンを有する第2の材料層の形状を任意に設定することができる。すなわち、上面から見て円形、非円形など任意形状にすることが可能である。
金属メッキ層を形成した後にレジスト層を除去して開口を形成し、開口内に第1の材料層を埋め込むことにより、保護壁用金型となる台座を形成することができる。
さらに、台座上に第2の材料層を形成し、第2の材料層の表面にフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて金型パターンを形成するので、微細加工が可能になり、機械加工よりも高精度の金型パターンが形成される。従って、保護壁一体の成型物の成型を可能にした高精度な金型が製造される。
本発明に係る金型によれば、保護壁用金型となる台座と、その上のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて表面に金型パターンを有した層を有する構成であるので、保護壁一体の成型物の成型を可能にした高精度な金型を提供することができる。この金型を用いることにより、パターン精度のよい成型面と、この成型面を保護する保護壁とを一体に有した高精度の成型物を成型することができる。
台座の高さを保護壁の高さに設定するので、形成面を確実に保護する保護壁を成型することができる。
基板をアルチック基板またはアルミナ基板で形成し、台座をアルミナ層で形成し、金型パターンを有した層をタンタル層で形成するときは、金型パターン精度の高い金型が得られる。基板としているアルチック(Al−TiC)基板の熱膨張係数は、7.6×10−6であるため、従来の金型基板として用いるステンレス基板の11〜17×10−6に比べて、ほぼ半分程度なので、製品成型時の熱、即ち、射出成型時の熱による金型の変形が半分程度に抑えられることにより、高精度の製品成型を実現することができる。また、金型材料としてタンタルを選べば、タンタルの熱膨張係数が6.5×10−6であるため、ステンレスの熱膨張係数よりもアルチック(Al−TiC)基板の熱膨張係数に近いため、製品形成時の熱履歴による金型表面材の耐久性も向上する。本金型の材料はほとんどがAl−TiC基板であるために、ビッカース硬度が2000の金型となる。一方、ステンレス基板を用いた金型では、硬度の高いステンレスを用いたとしても、せいぜい700程度の硬度しかない。従って、金型の耐久性はAl−TiC基板を用いた方がすぐれており、製品成型時の圧力による変形も本実施の方法で作った金型の方が優れている。アルミナ基板を用いた場合もアルチック基板と同様な効果を有する。
タンタル層の金型パターンをフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて形成するときは、一般的な半導体プロセスを用いることができ、より高精度の金型パターンを有する金型を提供することができる。
本発明に係る金型の製造方法によれば、微細加工が可能になるので、より高精度の金型パターンを有する金型の製造することができる。
本発明に係る金型の製造方法によれば、金型パターンの微細加工が可能なフォトリソグラフィ及びエッチング工程を有する製法において成型面の保護壁を一体に成型できる高精度の金型を製造することがでる。
最初に基板上にレジスト層を形成し、このレジスト層により後に形成する保護壁用金型となる台座の形状を決めるようにしているので、保護壁の形状を上面からみて円形、非円形(楕円、四角形、多角形など)等、任意形状に形成することが可能になる。また、金型パターンをフォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いて形成するので、例えばレンズ成型に適用した場合、球面レンズ、非球面レンズなどの成型可能な金型を精度よく製造することができる。
台座となる第1の材料と金属メッキ層を同一面となるように研磨する工程を有するので、この上に金型パターンを作る第2の材料層の形成、第2の材料層上のレジスト塗布及び第2の材料層のパターニングを容易に行うことができる。
基板をアルチック基板またはアルミナ基板により形成し、第1の材料層をアルミナ層により形成し、第2の材料層をタンタル層により形成するときは、より金型パターン精度が高い金型を製造することができる。すなわち、金型を相互に熱膨張係数が近いアルチック基板、アルミナ層及びタンタル層からなる基板を用いて形成するので、射出成型時の熱による変形を抑え、高精度の製品成型を可能にする金型を製造することができる。また、高硬度を有し耐久性に優れ、製品成型時の圧力による変形が生じない金型を製造できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係る金型、とその製造方法を示す一実施の形態を示す。以下、製造工程順に説明する。
図1Aに示すように、所要の基板、例えばアルチック(Al−TiC)基板2を用意し、このアルチック基板2上にメッキのための下地金属層、本例ではニッケル(Ni)層3をスパッタ法により形成する。
次に、図1Bに示すように、ニッケル層3上にフォトレジストを塗布し、所要のパターンのフォトマスク(図示せず)を用いて露光現像してレジスト層4を形成する。このレジスト層4は、射出成型物の成型面を保護するための保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状に形成される。レジスト層4は、後にレジスト層4を除去した位置に台座を形成できるように、位置及び厚さを調整して形成する。このレジスト層の厚さは、射出成型したときの成型物の成型面、本例では光学レンズのレンズ面を保護するためのレンズ保護壁の高さ、すなわち、後の第1の材料層、本例ではアルミナ層7bからなる台座の高さの1.5倍で形成する。例えば、アルミナ層の台座の高さ、すなわち射出成型したときのレンズ保護壁の高さを30μmとしたとき、レジスト層の膜厚は、45μmとする。
次に、図1Cに示すように、電気鋳造で金属層、本例ではニッケル層5をレジスト層4の膜厚に達しない程度まで形成する。例えば、後のアルミナ層の台座の高さ、すなわち射出成型したときのレンズ保護壁の1.2倍の膜厚36μmまでニッケル層5を形成する。
次に、図1Dに示すように、レジスト層4をアセトン等の溶剤で除去して、レンズ面を形成する位置に開口6を形成する。そしてさらに、開口6の底面にあるメッキ下地層をイオンエッチング等の乾式エッチングで取り除く。この部分が存在すると、最終的に不要部分の湿式エッチングを行う時に(図3M)サイドエッチングが発生し、台座下部の密着性を損なう恐れがある。
次に、図1Eに示すように、ニッケル層5上及び開口6を埋めるようにスパッタ法により第1の材料層であるアルミナ(Al2O3)層7aを形成する。例えば、アルミナ層7aの厚さは、ニッケル層5の厚さの1.5倍から2倍程度の49μm〜72μmまで形成する。
次に、図1Fに示すように、アルミナ層7b及びニッケル層5が同一面となるようにアルミナ層7a及びニッケル層5を定盤で研磨することで平坦化した後、さらにバフ研磨することによりアルミナ層7aの面粗度を小さくしたアルミナ層7bを形成する。この研磨でアルミナ層7bによる台座を形成する。表面粗度Raとしては、0.2〜0.5nm程度にすることが好ましい。アルチック基板2の表面にアルミナをスパッタすることにより、アルミナのスパッタ粒子がアルチック基板2の表面の穴を埋めるので、研磨面がきれいになる。この研磨されたアルミナ層7bの台座の厚さは、射出成型したときにレンズ保護壁の高さとなる。例えば、研磨したアルミナ層7bの膜厚は、30μmである。
次に、図2Gに示すように、アルミナ層7b及びニッケル層5を研磨した表面に、反応性イオンエッチング(RIE)が可能な第2の材料層である金属、例えばタンタルをスパッタしてタンタル層8aを形成する。この場合、タンタル層8aは、表面に形成する金型パターンの高さを考慮し、且つパターン最大高さより厚い膜厚で形成する。
次に、図2Hに示すように、タンタル層8a上にフォトレジスト層9aを塗布形成する。フォトレジスト層9aは、タンタル層8aとの反応性イオンエッチング時の選択比を考慮し、所定の膜厚で塗布する。
次に、図2Iに示すように、フォトマスク(図示せず)を用いてフォトレジスト層9aを露光し、現像処理して、金型パターンに対応した開口11を有するレジストマスク9bを形成する。
次に、図2Jに示すように、レジストマスク9bを介してタンタル層8aを反応性イオンエッチング法により選択的にエッチングする。例えば、エッチングに流すガスとして、CF4のような反応性のガスを用いてエッチングを行うことで、レジストマスク9bのパターンをタンタル層8aに転写する。
このようにして、図2Kに示すように、台座7b上に対応する表面に所要の金型パターン12を有するタンタル層8bが形成される。
次に、図3Lに示すように台座7b上に対応する部分のタンタル層8bを残して他のタンタル層8bをエッチング除去する。
次に、図3Mに示すように、レンズ面となる金型パターン12をレジストで保護した後、湿式エッチングで不要な部分であるニッケル層5と下地ニッケル層3の一部を除去することで、アルチック基板2を用い所要の高さを備えるアルミナ層の台座7bを介してタンタル層8bの表面に金型パターン12を有するタンタル製の下金型10を得る。
次に、図3Nに示すように、下金型10に合わせた上金型13を形成する。上金型13は、下金型10を構成する台座7bとその上の金型パターン12を有するタンタル層8bを被冠して、下金型10との間でキャビティ14が形成されるように凹状に形成される。すなわち、台座7bの外周に保護壁用の金型となるキャビティ14bが形成され、タンタル層8b上に光学レンズ本体用の金型となるキャビティ14aがキャビティ14bに連続して形成される。例えば、上金型13は、SUSの上にニッケルリンをメッキするものを用いる。このようにして、上金型13と下金型10からなる射出成型金型17を得る。
図4に、この上金型13及び下金型10による射出成型金型17を用いて、例えば樹脂を射出成型して得た光学レンズ1を示す。この光学レンズ1は、片面のレンズ面16が形成され、このレンズ面16の周囲に所定の高さのレンズ面保護用の保護壁15が一体に形成された構成となる。
なお、図4の光学レンズ1のレンズ面16は、金型パターン12の形成を理解する上で模式的に凹凸状に形成した。図5A,Bは、この成型品である光学レンズ1を拡大した一部断面とする斜視図、平面図である。光学レンズ1は、射出成型されたレンズ面16とレンズ保護壁15の位置合わせが、正確に行われる。例えば、光ピックアップを組み立てるときに、レンズ面16をレンズ保護壁15で保護しながら、光学系の焦点位置をずれることなく、正確に配置を行うことができる。この場合、下金型10における基板2の表面が平坦に形成されているので、保護壁15の端面15aは平坦面になっている。この平坦な保護壁端面15aは、光学レンズ1を組み込むときの基準面として用いることができる。
ここで、下金型10を構成するアルミナ層7bの表面粗度Raを向上(Raを小さくすること)する程、アルミナ層7b上に形成されるタンタル層8bの表面粗度Raが向上する。
因みに、後述するように金型をCD/DVD互換用ホログラムレンズの成型に適用した場合、このタンタル層8bの面はレンズ成型時の光学面になるので、タンタル層8bの表面粗度Raが向上することはタンタル層8bの表面での光の散乱が小さくなり、レンズの透過率が向上する。また、タンタル層8bの表面粗度Raが向上すると、段差を有するレンズ表面形状の測定時の測定精度を向上することができる。そして、アルミナ層7bの表面粗度Raとしては、0.2nmが現状での研磨加工の限界であり、これより小さくすると研磨加工が困難になる。また、表面粗度Raが0.5nm以下であれば、この金型1を用いて生産する製品、例えばCD/DVD互換用ホログラムレンズの性能を確保することができ、表面粗度Raが0.5nmを越えるとレンズ性能を確認することが困難になる。
本実施の形態に係るタンタル金型によれば、タンタル層8bからなる金型パターン12とアルミナ層からなる台座7bを一体的に形成できるため、射出成型したときに金型パターンを転写した成型面16とこの成型面16を保護する保護壁15とを一体的に効率よく形成することができる。保護壁15の高さは、金型のアルミナ層の台座7bの高さを変えることで容易に変更することができる。また、金型パターン12の形成にフォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いるので、微細加工が可能になり、精度のよい金型パターン12が得られる。アルチック基板2の一主面上にスパッタによるアルミナ層7bからなる台座が形成され、表面研磨した後、タンタル層8bが形成され、このタンタル層8bの表面に反応性イオンエッチングによる金型パターン12が形成されているので、金型パターン精度の高い金型が得られる。基板としているアルチック(Al−TiC)基板の熱膨張係数は、7.6×10−6であるため、従来のステンレス基板の11〜17×10−6に比べ、ほぼ半分程度なので製品成型時の熱、即ち、射出成型時の熱による金型の変形が半分程度に抑えられることにより、高精度の製品成型を実現することができる。また、金型材料としてタンタルを選べば、タンタルの熱膨張係数が6.5×10−6であるため、ステンレスの熱膨張係数よりもアルチック(Al−TiC)基板の熱膨張係数に近いため、製品形成時の熱履歴による金型表面材の耐久性も向上する。本金型の材料はほとんどがAl−TiC基板であるために、ビッカース硬度が2000の金型となる。一方、ステンレス基板を用いた金型では、硬度の高いステンレスを用いたとしても、せいぜい700程度の硬度しかない。従って、金型の耐久性はAl−TiC基板を用いた方がすぐれており、製品成型時の圧力による変形も本実施の方法で作った金型の方が優れている。アルミナ基板を用いた場合もアルチック基板と同様な効果を有する。
上述した本実施の形態では、基板にアルチック基板を用いたが、特に限定することではなく、アルミナ(Al)基板を用いて、同様にタンタル金型を形成してもよい。
また、スパッタ粒子に関しては、アルミナに限定する必要はなく、金型パターンとなる材質、本実施の形態ではタンタルを使用、このタンタルの熱膨張係数の近い材質であればアルチック等を用いてよい。また、基板についてもアルチック基板またはアルミナ基板を用いたが、タンタルで形成することも可能である。
上述した本実施の形態に係るタンタル金型の製造方法では、フォトリソグラフィ法を用いて一段形状の金型を形成したが、さらにフォトリソグラフィ法を複数繰り返すことで、複雑な形状の金型を形成することも可能である。
本実施の形態に係るタンタル金型の製造方法によれば、アルチック基板2の一主面上に台座となるスパッタによるアルミナ層7bを形成し、表面研磨したアルミナ層7b上にタンタル層8bを形成し、このタンタル層8bの表面に反応性イオンエッチングにより金型パターン12を形成することにより、金型パターン精度が高い金型1を製造することができる。すなわち、金型パターン12の微細加工が可能なフォトリソグラフィ及びエッチング工程を有する製法において成型面16の保護壁15を一体に成型できる高精度の射出成型金型17を製造することがでる。
最初に基板2上にレジスト層4を形成し、このレジスト層4により後に形成する保護壁用金型となる台座7bの形状を決めるようにしているので、保護壁15の形状を上面からみて円形、非円形(楕円、四角形、多角形など)等、任意形状に形成することが可能になる。また、金型パターン12をフォトリソグラフィ及びエッチング技術を用いて形成するので、例えばレンズ成型に適用した場合、球面レンズ、非球面レンズ(多重露光法を用いる)などを成型可能にする射出成型金型17を精度よく製造することができる。
図1Eの工程の後で、台座となるアルミナ層7aとニッケル層5を同一面となるように研磨するので、この後にタンタル層8aの形成(図2G)、フォトレジスト層9の塗布(図2H)、パターニング(図2I)を容易に行うことができる。保護壁15の高さは、金型のアルミナ層の台座7bの高さを変えることで容易に変更することができる。
金型1を相互に熱膨張係数が近いアルチック基板2、アルミナ層7b及びタンタル層8bからなる基板を用いて形成するので、射出成型時の熱による変形を抑え、高精度の製品成型を可能にする金型を製造することができる。また、高硬度を有し耐久性に優れ、製品成型時の圧力による変形が生じない金型を製造できる。
本実施の形態に係るタンタル金型を用いることで、高度なパターン及び精密度を要求されるレンズカバー付きCD/DVD互換用ホログラムレンズを形成することが可能になる。
次に、図6に、上述の本実施の形態の製造方法を用いて作製したCD/DVD互換用ホログラムレンズの下金型21の例を示す。なお、同図はレンズ面を転写する金型パターン12の要部を示している。
通常、CD/DVD互換用ホログラムレンズは、非常に精密な加工を必要とし、精度の良い金型を必要とする。さらに金型を射出成型で形成する時、樹脂レンズであれば140〜150℃、ガラスレンズであれば580〜620℃の温度まで上昇するため、金型自体の熱膨張による射出成型の転写の困難さを要している。
因みに、光ディスクの光学ピックアップにおいては、図7A,Bに示すように、CD記録媒体113とDVD記録媒体114を1つの光学ピックアップで再生できるように、対物レンズ111,112の光源側にCD/DVD互換用ホログラムレンズ110を配置したものが知られている。レンズ構造は、中心より外周部に向う多数の輪帯の階段形状を有している。このCD/DVD互換用ホログラムレンズ110は、再生光となるレーザ光L1、L2の波長の違いによって発生するホログラムの球面収差によって、CDとDVDとの基板厚の違いにより発生する球面収差を補正する。図7A、Bでは、基板厚t1が1.2mmのCD記録媒体113と、基板厚t2が0.6mmの記録媒体114に対して、それぞれCD/DVD互換用ホログラムレンズ110により、レーザ光L1、L2が記録層に焦点する状態を示している。NC旋盤等による機械加工で、高精度の金型を形成しようとすると、図8に示すように、例えば階段状の金型パターンでは、その金型60の段差エッジ63にあたる部分に旋盤の刃61が触れないために段差エッジ63がなまってしまう。上記のCD/DVD互換用ホログラムレンズ110を、図8のような機械加工による金型により成型した場合、段差エッジ63のなまり部分62はレンズとして機能してないため、金型としての階段の最小幅は5μmが限界であり、それ以上に階段幅を縮小することが困難である。
本実施の形態に係るCD/DVD互換用ホログラムレンズの金型21は、前述と同様に、熱伝導率が比較的高く、熱膨張率が小さい硬度なアルチック基板2あるいはアルミナ基板2上に下地のニッケル層を介して選択的にレジスト層を形成した後、電解メッキによるニッケル層3の形成、レジスト層を除去、アルミナ層の成膜、アルミナ層7bのRaが0.2〜0.5nmになるよう研磨、タンタル層8bを形成し多重露光のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術による金型パターン22形成の各工程を経て作成する。これによって、高いパターン精度かつ高剛性を備えた保護壁付き金型21を提供することができる。この金型21によれば、幅dが5μm以下、3μm程度の金型21が得られる。
本実施の形態に係るタンタル金型は、特に金型の種類を限定するこのではなく、高度なパターン、熱膨張率が小さく、熱伝導率が比較的高く、また、高剛性を有する金型に適用することができる。
A〜F 本発明に係る金型の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その1)である。 G〜K 本発明に係る金型の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その2)である。 L〜N 本発明に係る金型の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その3)である。 図3Nの射出成型金型を用いて成型された成型品の断面図である。 A 本実施の金型を用いて射出成型したレンズの断面図である。 B 図5Aの上面図である。 本発明に係る金型の一実施の形態を示す断面図である。 従来の金型により成型されたCD/DVD互換用ホログラムレンズの説明図である。 従来の金型形成を説明した模式図である。
符号の説明
1・・光学レンズ、2・・アルチック基板、3・・ニッケル層、4・・レジスト層、5・・ニッケル層、6・・開口、7a、7b・・アルミナ層、8a、8b・・タンタル層、9a・・フォトレジスト層、9b・・レジストマスク、10・・下金型、12・・金型パターン、13・・上金型14[14a、14b]・・キャビティ、15・・レンズ保護壁、16・・レンズ面、17・・射出成型金型、110・・CD/DVD互換用ホログラムレンズ、111、112・・対物レンズ、113・・CD記録媒体、114・・DVD記録媒体、21・・CD/DVD互換用ホログラムレンズの金型、60・・金型、61・・旋盤の刃、62・・なまり、63・・段差エッジ

Claims (5)

  1. 金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型であって、
    基板上に前記保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状の台座が形成され、
    フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて表面に金型パターンを形成した層が前記台座上に形成されて成る
    ことを特徴とする金型。
  2. 前記台座の高さが、前記保護壁の高さに設定されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の金型。
  3. 前記基板がアルチック基板またはアルミナ基板で形成され、
    前記台座がアルミナ層で形成され、
    前記金型パターンを有した層がタンタル層で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の金型。
  4. 金型パターンが転写された成型面の周囲に保護壁を有した成型物を得るための金型の製造方法であって、
    基板上に前記保護壁の内周輪郭に対応した外周輪郭形状のレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層以外の前記基板上に金属メッキ層を形成した後、前記レジスト層を除去して開口を形成する工程と、
    前記開口を埋めるように台座となる第1の材料層を形成する工程と、
    前記金属メッキ層と前記第1の材料層を同一面となるように研磨し、該第1の材料層による台座を形成する工程と、
    前記台座上に第2の材料層を形成して該第2の材料層の表面にフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて金型パターンを形成する工程と、
    前記金属メッキ層を除去する工程とを有する
    ことを特徴とする金型の製造方法。
  5. 前記基板をアルチック基板またはアルミナ基板により形成し、
    前記第1の材料層をアルミナ層により形成し、
    前記第2の材料層をタンタル層により形成する
    ことを特徴とする請求項4記載の金型の製造方法。
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