JP4262514B2 - 光学部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射光の反射を防止する反射防止格子を有する光学部材の製造方法に関し、より詳細には光学面の略全面に反射防止格子を有する光学部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズや回折格子などの光学部材において、光学面における反射を防止する方法としては、光学部材の光学面に多層の反射防止膜を形成することが一般的である。しかし、光学部材に反射防止膜を形成するためには、低温で密着性の高い誘電体多層膜を蒸着しなければならず、有効に反射防止を行うためには反射防止膜の屈折率、膜厚を厳密にコントロールしなければならないため、光学部材の製造コストが上昇してしまう。
【0003】
このような反射防止膜に代わる反射防止処理として、光学部材の光学面に格子の周期(間隔)、溝深さが入射光の波長よりも小さい反射防止格子を設ける方法がある。このような反射防止格子によれば、入射光の回折光は生じず、光学面で屈折率が徐々に下がるのと同じ効果となり、光学素子の反射防止を図ることができる。
このような反射防止格子を形成する方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、光学部材を成形する金型の光学面に対応する部分に対して、バイトなどによって切削加工を施して、反射防止格子と凹凸が反対の同心円状の格子部を形成し、この金型を用いて光学部材を成形することにより、光学部材の光学面に反射防止格子を形成する方法がある。あるいは光学部材に直接、反射防止格子を形成する方法もある。
また他の方法としては、光学部材の表面にエッチング加工を施すことにより反射防止格子を形成する方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−24801号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、反射防止格子の周期、溝深さは通常の回折格子よりも小さいため、金型あるいは光学部材に対して同心円状の反射防止格子を形成する場合、反射防止格子の半径が小さくなる中央部領域では、同心円状の反射防止格子を切削することは困難である。
また、エッチング処理によって反射防止格子を形成する場合、必要な部分だけをエッチングするために、エッチングを行う前に光学面にエッチングマスクとなるレジストパターンを形成する必要がある。このレジストパターンは、光学面にレジストを塗布し、このレジストに対して電子ビームなどで露光して原画パターンを形成し、その後現像する。ここで、光学部材の表面が凸状、あるいは凹状である場合には、露光の際の電子ビームの焦点が光学面上のレジスト全体には合わないので、レジストパターンを表面全体にうまく形成できず、従ってエッチングによって所望の形状の反射防止格子を形成することも難しい。
【0006】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、光学部材の光学面の中央部領域及び周辺部領域に容易に反射防止格子を形成可能な光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、型材料に上記光学面に適合する光学面成形部を形成する第一の工程と、上記光学面成形部の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、上記光学面成形部の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に型材料に対し加工を行って成形型を形成し、該成形型によって光学部材を成形することにより光学部材の光学面の略全面に反射防止格子を形成することを特徴として構成されている。
【0008】
また本発明は、中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、上記光学部材の光学面と同形状の模写面を有する模型部材を形成する第一の工程と、上記模写面の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、上記模写面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に模型部材に対し加工を行って光学部材模型を形成し、該光学部材模型に対して電鋳加工を施すことにより成形型を形成し、該成形型によって光学部材を成形することにより光学部材の光学面の略全面に反射防止格子を形成することを特徴として構成されている。
【0009】
また本発明は、中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、光学材料に上記光学面を形成する第一の工程と、上記光学面の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、上記光学面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に光学材料に対し加工を行うことにより光学面の略全面に反射防止格子を有する光学部材を形成することを特徴として構成されている。
【0010】
また本発明は、上記中央格子部と周辺格子部は入射光の波長の半分以下の周期で形成することを特徴として構成されている。
【0011】
また本発明は、上記周辺格子部は略同心円状の溝状に形成することを特徴として構成されている。
【0012】
また本発明は、上記中央格子部は凸状又は凹状の略円錐形状に形成することを特徴として構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施形態におけるレンズの正面図、図2は本発明の実施形態におけるレンズの断面図である。
本実施形態においては図1、図2に示すような、一方の面が球面凸状、他方の面が平面のレンズ10の製造方法について説明する。このレンズ10は透明な光学樹脂で形成され、凸レンズ面11、平レンズ面12、及びその周縁部13からなる。凸レンズ面11は中心部を頂部として球面状に形成されている。また凸レンズ面11には、凸レンズ面11における光の反射を防ぐ反射防止格子14が形成されている。本実施形態では、レンズ10の反射防止格子14の周期(間隔)、溝深さが入射光の波長λの半分以下として形成されている。例えば入射光にDVD、CDで使用される650nm帯、780nm帯の入射光に対して、周期を0.20μm、溝深さを0.25μmとする。これにより入射光の反射率を2%以下に抑えることができる。
【0014】
ここで本実施形態においては、この反射防止格子14は中央部領域11aと周辺部領域11bで形状が異なる。中央部領域11aの反射防止格子(以下、中央格子14aとする)は略円錐状に形成された複数の凸部からなる。一方、周辺部領域の反射防止格子(以下、周辺格子14bとする)は同心円状の複数の溝部からなる。
本発明はこのような反射防止格子14の形成に特徴を有するものである。以下、このようなレンズ10の製造方法について説明する。
【0015】
まず第一の実施形態について説明する。本実施形態においては、レンズをシリコンからなる成形型によって成形する。以下、まずこの成形型の形成方法について説明する。図3は本発明の第一の実施形態における成形型の形成工程を示す断面図である。まずシリコンからなる型部材に、光学材料に凸レンズ面11、平レンズ面12及びその周縁部13を転写するためのレンズ成形部を切削加工などにより形成する。具体的には、一方の型部材20aに凸レンズ面成形部21及び周縁成形部23、もう一方の型部材(図示せず)に平レンズ面成形部をバイトによる切削加工などで形成する(図3(a))。
【0016】
この型部材20aの凸レンズ面成形部21に対して、レンズ10に中央格子14aを転写するための中央格子部24a、及び周辺格子14bを転写するための周辺格子部24bからなる格子部24を形成する。本実施形態では、まず中央格子部24aを形成する。この中央格子部24aは、中央格子14aと凹凸が反対の形状、すなわち略円錐状に形成された複数の凹部からなる。
【0017】
このような中央格子部24aは、フォトリソグラフィ法により凸レンズ面成形部21にレジストパターン30を形成し、このレジストパターン30をエッチングマスクとして、中央部領域21aに対してエッチング加工を施すことにより形成する。具体的はまず、凸レンズ面成形部21にレジスト31を塗布し、電子ビームを露光して原画パターン32を描画し、この原画パターン32を現像してレジストパターン30を形成する(図3(b))。ここでレジストパターン30は、型部材20aにおいてエッチング加工を施したときに除去したい部分、つまり本実施形態においては略円錐形状の凹部を形成する部分が露出するような形状となっている。
この凸レンズ面成形部21の中央部領域21aでは、周辺部領域21bに比べて厚さ方向の変化が少ないので、電子ビームの露光の焦点を中央部領域21a略全体に合わせることができ、したがって所望の形状のレジストパターン30を中央部領域21a略全体に形成することが可能である。
【0018】
次に、レジストパターン30によってエッチングマスクを施した型部材20aに対して、塩素系のガスなどのエッチングガスによってドライエッチングを行う(図3(c))。これにより、凸レンズ面成形部21上のレジストパターン30によって保護されていない部分は浸食されて除去され、レジストパターン30の形状に応じて、複数の略円錐状の凹部からなる中央格子部24aが形成される。
なお、中央格子部24aを形成した後、レジストパターン30は除去する。
【0019】
このようにして中央格子部24aを形成した型部材20aに対して、周辺部領域21bに周辺格子部24bを形成して成形型20が完成する(図3(d))。この周辺格子部24bは、周辺格子14bと凹凸が反対の形状である同心円状の複数の溝部からなる。このような周辺格子部24bは、通常の回折格子を形成するのと同様、型部材20aを旋盤に固定して回転させ、バイトにより切削することにより形成する。凸レンズ面成形部21の周辺部領域21bでは、切削する溝部の半径が溝部の周期、溝深さに比べて十分大きいことから、バイトの刃先が型部材20aに切込みやすく、したがって切削加工は十分可能である。
この成形型20によってレンズ10を成形することにより、凸レンズ面11の略全面に反射防止格子14を有するレンズ10を形成する。
【0020】
なお本実施形態においては、型部材20aに対して、まず中央部領域21aに中央格子部24aを形成し、その後周辺部領域21bに周辺格子部24bを形成することとした。しかし、この行程の順番は特にこれに限られるものではなく、まず周辺部領域21bに周辺格子部24bを形成し、その後中央部領域21aに中央格子部24aを形成することとしてもよい。
【0021】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。上記第一の実施形態においては、シリコンから成形型を形成したが、耐久性や切削加工の容易性などの点から、金属製の成形型が求められる場合がある。以下、部分的に金属製とした成形型によってレンズ10を成形する第二の実施形態について説明する。
【0022】
図4は本発明の第二の実施形態における成形型の形成工程を示す図である。本実施形態においては、まずNiやその他の合金などからなる金属製の型部材に、光学材料に凸レンズ面11、平レンズ面12及びその周縁部13を転写するためのレンズ成形部を切削加工などにより形成する。具体的には、一方の型部材40aに凸レンズ面成形部41及び周縁成形部43、もう一方の型部材(図示せず)に平レンズ面成形部をバイトによる切削加工などで形成する(図4(a))。
また、凸レンズ面成形部41の中央部領域41aを一定の厚さで彫り込み、膜形成部45を形成する。
【0023】
この膜形成部45に対してシリコンからなる格子形成膜46を成膜する。この格子形成膜46は凸レンズ面成形部41と同一平面を形成するように成膜する。その後、この中央部領域41aに格子形成膜46を成膜した凸レンズ面成形部41に対して、レジスト51を塗布し、電子ビームを露光して原画パターン52を描画し、この原画パターン52を現像してレジストパターン50を形成する(図4(b))。
次に、レジストパターン50によってエッチングマスクを施した型部材50aに対してドライエッチングを行い、格子形成膜46に複数の略円錐状の凹部からなる中央格子部44aが形成される(図4(c))。中央格子部44aを形成した後、レジストパターン50は除去する。
【0024】
このようにして格子形成膜46に中央格子部44aを形成した型部材40aの周辺部領域41bに、周辺格子14bと凹凸が反対の形状である同心円状の複数の溝部からなる周辺格子部44bを、バイトを用いた切削加工によって形成し、成形型40が完成する(図4(d))。
この成形型40によってレンズ10を成形することにより、凸レンズ面11の略全面に反射防止格子14を有するレンズ10を形成する。
なお、まず周辺格子部44bを形成し、その後に中央格子部44aを形成することとしてもよいのは、第一の実施形態と同様である。
【0025】
このように、中央部領域41aに格子形成膜46を成膜することにより、金属では不可能なエッチング加工が行えるようになり、中央部領域41aにエッチング加工により中央格子部44aを形成することが可能となる。また、周辺部領域41bは金属製であることから切削加工が行いやすく、耐久性も高い。
【0026】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。上記第二の実施形態においては、金属製の型部材を切削加工等することにより成形型を形成した。しかしこれ以外の方法でも金属製の成形型を形成することは可能である。以下、他の方法により金属製の成形型を形成し、この成形型でレンズ10を成形する第三の実施形態について説明する。
【0027】
本実施形態においてはまず、シリコンによってレンズ10と同形状のレンズ模型を形成する。図5は本発明の第三の実施形態におけるレンズ模型の形成工程を示す図である。具体的には、まずシリコンからなる模型部材60aを切削加工などにより、レンズ10の凸レンズ面11、平レンズ面12、及びその周縁部13と同形状の凸レンズ模写面61、平レンズ模写面62及びその周縁模写面63をバイトによる切削加工などで形成する(図5(a))。
【0028】
この模型部材60aの凸レンズ模写面61に対して、レンズ10に形成する中央格子14aと同形状の中央格子模写部64a、及び周辺格子14bと同形状の周辺格子模写部64bからなる格子模写部64を形成する。本実施形態では、まず中央格子模写部64aを形成する。形成方法は第一の実施形態とほぼ同様で、まず凸レンズ模写面61にレジスト71を塗布し、電子ビームを露光して原画パターン72を描画し、この原画パターン72を現像してレジストパターン70を形成する(図5(b))。ここで本実施形態ではレジストパターン70は、形成しようとする略円錐形状の凸部以外の部分が露出するような形状となっている。
次に、レジストパターン70によってエッチングマスクを施した模型部材60aに対してドライエッチングを行い、複数の略円錐状の凸部からなる中央格子模写部64aが形成される(図5(c))。中央格子模写部64aを形成した後、レジストパターン70は除去する。
【0029】
このようにして中央格子模写部64aを形成した模型部材60aの周辺部領域61bに、レンズ10に形成する周辺格子14bと同形状、つまり同心円状の溝部からなる周辺格子模写部64bを、バイトを用いた切削加工によって形成し、レンズ模型60が完成する(図5(d))。
なお、まず周辺格子模写部64bを形成し、その後に中央格子模写部64aを形成することとしてもよいのは、第一の実施形態と同様である。
【0030】
次に、このレンズ模型60を電鋳母型として電鋳加工を行って、金属製の成形型を形成し、この成形型でレンズ10を成形することにより、凸レンズ面11の略全面に反射防止格子14を有するレンズ10を形成する。
【0031】
このように、まずレンズ10と同形状のレンズ模型60を形成し、これを電鋳母型として電鋳加工によって金属製の成形型を形成することで、耐久性の高い金属製の成形型を形成することができる。また、電鋳加工によれば、転写精度が高いので、成形型にレンズ模型60の表面形状が忠実に転写され、したがってこの成形型を用いて精度の高いレンズ10を成形することができる。
【0032】
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。上記第一、第二、第三の実施形態においては、いずれも成形型を用いてレンズ10を成形することとした。しかし、例えばレンズ10が小ロット品などの場合には、成形型を使用しないことも考えられる。このような場合は、上記第三の実施形態においてレンズ模型60を形成したのと同じ方法で、ガラスなどの光学材料を直接加工することにより、反射防止格子14を有するレンズ10を形成することも可能である。
【0033】
また、上記実施形態においては、片面凸レンズを成形する場合を例に挙げて説明した。しかし本発明は特にこれに限られることなく、凹レンズや、凸状又は凹状の回折格子など、様々な光学部材に適用可能である。
さらに、上記実施形態においては、中央部領域に略円錐状の凸状の中央格子を有するレンズを成形する場合について説明したが、中央格子の形状は特にこれに限られることなく、略円錐状の凹状や、周辺格子と同様に略同心円状の溝状に形成するようにするなど、反射防止格子として機能する他の形状でもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上本発明によれば、光学面成形部の中央部領域にフォトリソグラフィ法とエッチング加工により中央格子部を形成し、光学面成形部の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成することにより成形型を形成し、この成形型によって光学部材を成形することから、成形する光学部材の光学面が凸状あるいは凹状であっても、成形型の光学面成形部の略全面に光学部材の反射防止格子に対応した格子部を形成することができ、したがって反射防止格子を光学部材の光学面の略全面に形成することができるので、反射防止効果を高めることができる。
【0035】
また本発明によれば、模写面の中央部領域にフォトリソグラフィ法とエッチング加工により中央格子部を形成し、模写面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成することにより光学部材模型を形成し、この光学部材模型に対して電鋳加工を施すことにより成形型を形成することから、耐久性の高い金属製の成形型を形成することができる。また電鋳加工によれば、転写精度が高いので、成形型に光学部材模型の表面形状が忠実に転写され、したがってこの成形型を用いて反射防止格子を光学面の略全面に有する精度の高い光学部材を成形することができる。
【0036】
また本発明によれば、光学面の中央部領域にフォトリソグラフィ法とエッチング加工により中央格子部を形成し、光学面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成することにより、光学面の略全面に反射防止格子を有する光学部材を形成することから、成形型を形成しない場合でも凸状又は凹状の光学面略全面に反射防止格子を有する光学部材を形成することが可能となり、反射防止効果を高めることができる。
【0037】
また本発明によれば、中央格子部と周辺格子部は入射光の波長の半分以下の周期で形成することから、光学面における入射光の反射率を低く抑えることができる。
【0038】
また本発明によれば、周辺格子部は略同心円状の溝状に形成することから、通常の回折格子と同様の方法で形成することができ、したがって周辺格子部の形成が容易となる。
【0039】
また本発明によれば、中央格子部は凸状又は凹状の略円錐形状に形成することから、エッチング加工による形成が容易であるとともに、中央部領域における入射光の反射を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるレンズの正面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるレンズの断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における成形型の形成工程を示す断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態における成形型の形成工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態におけるレンズ模型の形成工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 レンズ
11 凸レンズ面
11a 中央部領域
11b 周辺部領域
14 反射防止格子
14a 中央格子
14b 周辺格子
20 成形型
21 凸レンズ面成形部
21a 中央部領域
21b 周辺部領域
23 周縁成形部
24 格子部
24a 中央格子部
24b 周辺格子部
30 レジストパターン
40 成形型
41 凸レンズ面成形部
41a 中央部領域
41b 周辺部領域
44 格子部
44a 中央格子部
44b 周辺格子部
45 膜形成部
46 格子形成膜
50 レジストパターン
60 レンズ模型
61 凸レンズ模写面
61a 中央部領域
61b 周辺部領域
64 格子模写部
64a 中央格子模写部
64b 周辺格子模写部
70 レジストパターン
Claims (6)
- 中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、
型材料に上記光学面に適合する光学面成形部を形成する第一の工程と、
上記光学面成形部の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、
上記光学面成形部の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、
第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に型材料に対し加工を行って成形型を形成し、該成形型によって光学部材を成形することにより光学部材の光学面の略全面に反射防止格子を形成することを特徴とする光学部材の製造方法。 - 中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、
上記光学部材の光学面と同形状の模写面を有する模型部材を形成する第一の工程と、
上記模写面の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、
上記模写面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、
第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に模型部材に対し加工を行って光学部材模型を形成し、該光学部材模型に対して電鋳加工を施すことにより成形型を形成し、該成形型によって光学部材を成形することにより光学部材の光学面の略全面に反射防止格子を形成することを特徴とする光学部材の製造方法。 - 中央部領域に凸状の頂部又は凹状の底部を有する光学面に反射防止格子を形成してなる光学部材の製造方法において、
光学材料に上記光学面を形成する第一の工程と、
上記光学面の中央部領域にフォトリソグラフィ法により上記反射防止格子に対応したレジストパターンを形成してエッチング加工を施して中央格子部を形成する第二の工程と、
上記光学面の周辺部領域に切削加工により溝状の周辺格子部を形成する第三の工程を有し、
第一・第二・第三の工程の順に又は第一・第三・第二の工程の順に光学材料に対し加工を行うことにより光学面の略全面に反射防止格子を有する光学部材を形成することを特徴とする光学部材の製造方法。 - 上記中央格子部と周辺格子部は入射光の波長の半分以下の周期で形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
- 上記周辺格子部は略同心円状の溝状に形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
- 上記中央格子部は凸状又は凹状の略円錐形状に形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
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