JP2005327540A - 燃料電池システムおよびそれを用いた輸送機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水タンクが大きく傾いたり倒れたりしても水タンク内に発電に必要な水量を確保できる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システム10は、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池12、燃料電池12からの水を収容する水タンク44、および水タンク44から排気するために水タンク44に接続される排気ガスパイプ56を備える。排気ガスパイプ56は、水タンク44内における発電に必要な水量の平常時の水面高さH1より上方の位置で水タンク44に接続され、かつ水タンク44が左右各方向の倒されたときのそれぞれの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2,H3を超えるように配設される。
【選択図】 図9

Description

この発明は燃料電池システムおよびそれを用いた輸送機器に関し、より特定的には、燃料電池からの水を水タンクに収容する燃料電池システムおよびそれを用いた自動二輪車等の輸送機器に関する。
従来、燃料電池システムにおいて、反応によって発生する水を回収する技術が提案されている。たとえば特許文献1には、燃料電池等からの水をドレン配管を介してドレンタンクに回収する装置が開示されている。
特開平8−185883号
特許文献1の技術によれば確かに発生した水を回収できる。しかし、この装置をたとえば自動二輪車等の輸送機器に用いた場合、輸送機器ひいてはドレンタンクが大きく傾いたり倒れたりすると水がドレンタンク内からオーバーフロー管を通って外部に排出されてしまうという問題がある。
直接メタノール型燃料電池システムでは、通常は水タンクに接続される排気ガスパイプが下方に向かって設けられており傾斜時あるいは転倒時には当該パイプを通して外部に排水されやすくなるが、当該燃料電池システムでは、多量の水を回収して水溶液タンクに還流させる必要があるため、上述のような外部への排水は一層問題である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、水タンクが大きく傾いたり倒れたりしても水タンク内に発電に必要な水量を確保できる、燃料電池システムおよびそれを用いた輸送機器を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、燃料電池からの水を収容する水タンク、および水タンクから排気するために水タンクに接続される排気ガスパイプを備え、排気ガスパイプは、水タンク内における発電に必要な水量の平常時の水面高さより上方の位置で水タンクに接続され、かつ水タンクが左右各方向の倒されたときのそれぞれの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように配設されることを特徴とする。
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、排気ガスパイプは、水タンクが左右いずれか一方向に倒されたときの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超える位置で水タンクに接続され、かつ水タンクが他方向に倒されたときの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように配設されることを特徴とする。
請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、排気ガスパイプは下方に向かって設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、直接メタノール型燃料電池システムであることを特徴とする。
請求項5に記載の輸送機器は、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを用いたことを特徴とする。
請求項6に記載の自動二輪車は、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを用いたことを特徴とする。
「平常時」とは、水タンクの通常使用時における配置状態(姿勢)をいい、たとえば水タンクが自動二輪車に搭載されている場合には、自動二輪車が傾きも倒れもしていない通常走行時における水タンクの配置状態をいう。
請求項1に記載の燃料電池システムでは、水タンクが左右各方向に倒されたときのそれぞれの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように排気ガスパイプが配設されているので、水タンクが大きく傾いたり倒れたりしても、水タンク内の水量が発電に必要な水量を下回ってしまうほど水タンク内の水が排出されることはない。
請求項2に記載のように、排気ガスパイプが、水タンクが左右いずれか一方向に倒されたときの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超える位置で水タンクに接続され、かつ水タンクが他方向に倒されたときの水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように延びて形成されれば、排気ガスパイプをさほど曲げることなく水タンク内に必要な水量を確保できる。
請求項3に記載するように排気ガスパイプが下方に向かって設けられ水タンク内の水がより排出されやすい状態であっても、この発明では、水タンク内に必要な水量を確保できる。
この発明は、請求項4に記載するように多量の水を回収して水溶液タンクに補給する必要がある直接メタノール型燃料電池システムにおいて、有効である。
また、この発明は、請求項5に記載するように振動や転倒等によって水漏れが発生する可能性の大きい輸送機器、特に、請求項6に記載するように転倒しやすい自動二輪車に有効である。
この発明によれば、水タンクが大きく傾いたり倒れたりしても、水タンク内に発電に必要な水量を確保でき、燃料電池システムの運転を継続できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4に示すように、この発明の一実施形態の燃料電池システム10は、直接メタノール型燃料電池システムとして構成される。直接メタノール型燃料電池システムは改質器が不要であるので、携帯性を要する機器や小型化が望まれる機器に好適に用いられる。ここでは、燃料電池システム10を輸送機器の一例である自動二輪車に用いる場合について説明する。なお、図2に示すように、自動二輪車については車体フレーム200のみを示し、図2において左側が車両前方、右側が車両後方である。この明細書において、左右方向とは車両の前後方向と直交する方向をいい、別の表現では車幅方向をいう。燃料電池システム10は車体フレーム200に沿って配置される。
燃料電池システム10は燃料電池12を含む。燃料電池12は、電解質12aと電解質12aを両側から挟むアノード(燃料極)12bおよびカソード(空気極)12cとを含む複数の直接メタノール型燃料電池セルを直列に接続(積層)した燃料電池セルスタックとして構成される。
また、燃料電池システム10は、高濃度のメタノール燃料(メタノールを約50wt%程度含む水溶液)Fを収容する燃料タンク14を含み、燃料タンク14は燃料供給パイプ16を介してメタノール水溶液Sが収容される水溶液タンク18に接続される。燃料供給パイプ16には燃料ポンプ20が介挿され、燃料ポンプ20の駆動によって燃料タンク14内のメタノール燃料Fが水溶液タンク18に供給される。
燃料タンク14には水位レベルセンサ15が装着され、燃料タンク14内のメタノール燃料Fの水位が検出される。また、水溶液タンク18には水位レベルセンサ22が装着され、水溶液タンク18内のメタノール水溶液Sの水位が検出される。水溶液タンク18は、水溶液パイプ24を介して燃料電池12のアノード12bに接続される。水溶液パイプ24には、上流側から水溶液ポンプ26、冷却ファン28を有する熱交換器30および水溶液フィルタ32が順に介挿される。水溶液タンク18内のメタノール水溶液Sは、水溶液ポンプ26によってアノード12bに向けて供給され、必要に応じて熱交換器30によって冷却され、さらに水溶液フィルタ32によって浄化されてアノード12bに供給される。
一方、燃料電池12のカソード12cにはエアポンプ34がエア側パイプ36を介して接続され、エア側パイプ36にはエアフィルタ38が介挿される。したがって、エアポンプ34からの酸素を含む空気がエアフィルタ38によって浄化されたのちカソード12cに与えられる。
また、アノード12bと水溶液タンク18とはパイプ40を介して接続され、アノード12bから排出される未反応のメタノール水溶液や生成された二酸化炭素が水溶液タンク18に与えられる。
さらに、カソード12cにはパイプ42を介して水タンク44が接続される。パイプ42には冷却ファン46を有する気液分離器48が介挿される。カソード12cから排出される水分(水および水蒸気)を含む排気がパイプ42を介して水タンク44に与えられる。
また、水溶液タンク18と水タンク44とはCO2ベントパイプ50を介して接続される。CO2ベントパイプ50にはメタノール水溶液Sを分離するためのメタノールトラップ52が介挿される。これによって、水溶液タンク18から排出される二酸化炭素が水タンク44に与えられる。
水タンク44には、水位レベルセンサ54が装着され、水タンク44内の水位が検出される。また、水タンク44には排気ガスパイプ56が取り付けられ、排気ガスパイプ56から二酸化炭素が排出される。
水タンク44は水還流パイプ58を介して水溶液タンク18に接続され、水還流パイプ58には水ポンプ60が介挿される。水タンク44内の水は、水溶液タンク18の状況に応じて必要なときに水ポンプ60の駆動によって水溶液タンク18へ還流される。
また、水溶液パイプ24において、熱交換器30と水溶液フィルタ32との間には、バイパスパイプ62が形成される。
図4をも参照して、バイパスパイプ62にメタノール水溶液Sの濃度を検出するための濃度センサ64が設けられ、燃料電池12の温度を検出するための温度センサ66が燃料電池12に装着され、外気温度を検出するための外気温度センサ68がエアポンプ34近傍に設けられる。
図4に示すように、燃料電池システム10は制御回路70を含む。
制御回路70は、必要な演算を行い燃料電池システム10の動作を制御するためのCPU72、CPU72にクロックを与えるクロック回路74、燃料電池システム10の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ76、燃料電池システム10の誤動作を防ぐためのリセットIC78、外部機器と接続するためのインターフェイス回路80、自動二輪車を駆動するモータ202に燃料電池12を接続するための電気回路82における電圧を検出するための電圧検出回路84、電気回路82を流れる電流を検出するための電流検出回路86、電気回路82を開閉するためのON/OFF回路88、電気回路82の過電圧を防止するための電圧保護回路90、電気回路82に設けられるダイオード92、および電気回路82に所定の電圧を供給するための電源回路94を含む。
このような制御回路70のCPU72には、濃度センサ64、温度センサ66および外気温度センサ68からの検出信号が入力され、また転倒の有無を検知する転倒スイッチ96からの検知信号や各種設定や情報入力のための入力部98から信号が与えられる。さらに、CPU72には、水位レベルセンサ15,22および54からの検出信号も与えられる。
また、CPU72によって、燃料ポンプ20、水溶液ポンプ26、エアポンプ34、熱交換器用冷却ファン28、気液分離器用冷却ファン46および水ポンプ60等の補機類が制御される。また、CPU72によって、各種情報を表示し、自動二輪車の搭乗者に各種情報を報知するための表示部100が制御される。
また、燃料電池12には二次電池102が並列接続される。二次電池102はモータ202にも並列接続される。二次電池102は、燃料電池12からの出力を補完するものであり、燃料電池12からの電気エネルギーによって充電され、その放電によってモータ202や補機類に電気エネルギーを与える。
モータ202には、モータ202の各種データを計測するためのメータ204が接続され、メータ204によって計測されたデータやモータ202の状況は、インターフェイス回路104を介してCPU72に与えられる。
ここで、水タンク44について詳しく説明する。
図2および図3に示すように、水タンク44は、たとえばFRPからなり、車体フレーム200における配置箇所に対応するように小型に構成されかつその上部より下部の方を膨出させて構成される。
図5〜図9を参照して、水タンク44には、それぞれたとえばSUS304等からなる導入パイプ106,108および排出パイプ110,112が嵌通するように取り付けられる。
導入パイプ106は、水タンク44の前面やや上部から水タンク44内に嵌通する円筒部106aと水タンク44内において下方に屈曲する略ラッパ状の拡開部106bとからなる。拡開部106bの導入口114bの開口面積は、円筒部106aの入口114aのそれより大きく設定される。円筒部106aにはパイプ42が接続される。
排出パイプ110は、水タンク44の背面から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、水タンク44内において導入パイプ106の拡開部114bの上方に排出口115が位置するように設けられる。このように水タンク44内において導入口114bと排出口115とが対向しないように、拡開部106bと排出パイプ110とが配置される。排出パイプ110には排気ガスパイプ56が接続される。
導入パイプ108は、水タンク44の上面角部から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、水タンク44内において排出パイプ110の上方に配置される。導入パイプ118にはCO2ベントパイプ50が接続される。
排出パイプ112は、水タンク44の背面かつ底面近傍から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、排出パイプ112には水還流パイプ58が接続される。
したがって、カソード12cからの水分を含む排気はパイプ42を経由し導入パイプ106から水タンク44内に導入される。水溶液タンク18、CO2ベントパイプ50を経由した二酸化炭素は、導入パイプ108から水タンク44内に導入される。水タンク44内の水は、排出パイプ112から排出され水還流パイプ58に流入する。水タンク44内の二酸化炭素を含む排気は排出パイプ110および排気ガスパイプ56を通って外部に放出される。
また、水タンクに44には、水タンク44内の水位を検出するためのたとえばフロートセンサからなる水位レベルセンサ54が設けられる。図7に示すように、水位レベルセンサ54は、センサ本体54aとセンサ本体54aに取り付けられるフロート部54bとを含む。水位レベルセンサ54では、水タンク44内の水位の変化に伴ってフロート部54bが浮動することによって、水タンク44内の水位を検出できる。
ここで、注目すべきは、排出パイプ110を介して水タンク44に接続される排気ガスパイプ56である。
排気ガスパイプ56は、図5に示すように水タンク44内における発電に必要な水量の平常時の水面高さH1より上方の位置で水タンク44に接続され、かつ図9(a)に示すように水タンク44が左方向の倒された(自動二輪車が左方向に倒れた(略90度傾いた))ときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2を超える(当該水面高さH2より上方に至る)ように配設され、図9(b)に示すように水タンク44が右方向の倒された(自動二輪車が右方向に倒れた(略90度傾いた))ときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH3を超える(当該水面高さH3より上方に至る)ように配設される。さらに排気ガスパイプ56は、水タンク44内の水に塵や埃が混入しないように下方に向かって設けられる。
具体的には、排気ガスパイプ56の一端部は、水タンク44内における発電に必要な水量の平常時の水面高さH1より上方の位置(図5参照)かつ水タンク44が右方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH3を超える位置(図9(b)参照)で、排出パイプ110を介して水タンク44に接続される。その位置から排気ガスパイプ56は、真後ろかつ水平方向に延ばされた(図5および図6参照)のち、平面視略L字状に右曲しかつやや斜め下方向に延ばされる(図6および図7参照)。ここで、排気ガスパイプ56は、水タンク44が左方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2を超えるように延設される(図6および図9(a)参照)。さらに、排気ガスパイプ56は再び後方(平面視略L字状に曲げられ)かつ斜め下方向に延ばされる(図5および図6参照)。換言すれば、排気ガスパイプ56は左右方向(車幅方向)に曲がって設けられており、水タンク44における取付位置は上方から見たとき曲がっている方向と反対方向に偏芯している。
このような燃料電池システム10の発電時の動作について説明する。
発電開始時には、水溶液タンク18内に収容された高濃度のメタノール水溶液Sが水溶液ポンプ26の駆動によって燃料電池12に向けて送られ、必要に応じて熱交換器30で冷却され、水溶液フィルタ32によって浄化されてアノード12bに供給される。一方、酸素を含む空気がエアポンプ34の駆動によって燃料電池12に向けて送られ、エアフィルタ38によって浄化されカソード12cに供給される。
燃料電池12のアノード12bでは、メタノール水溶液Sのメタノールと水とが電気化学反応して二酸化炭素と水素イオンとが生成され、生成された水素イオンは、電解質12aを通ってカソード12cに流入する。この水素イオンは、カソード12cに供給された空気中の酸素と電気化学反応して、水蒸気と電気エネルギーとが生成される。
燃料電池12のアノード12bで生成された二酸化炭素はパイプ40、水溶液タンク18、CO2ベントパイプ50および排出パイプ108を通って水タンク44に与えられ、排出パイプ110を介して排気ガスパイプ56から排出される。
一方、燃料電池12のカソード12cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となって排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード12cから排出された水蒸気の一部は、気液分離器48で露点を下げることによって液化される。カソード12cからの水分(水および水蒸気)ならびに未反応の空気はパイプ42および導入パイプ106を経由して水タンク44に与えられる。また、水のクロスオーバーによってカソード12cに移動した水がカソード12cから排出され水タンク44に与えられる。さらに、メタノールのクロスオーバーによってカソード12cで生成された水と二酸化炭素がカソード12cから排出され水タンク44に与えられる。
このようなカソード12cからの水分(水および水蒸気)を含む排気は、エアポンプ34の駆動によって導入パイプ106の導入口114bから図5において矢印Wで示すように水タンク44内に導入される。
水タンク44に回収された水は、水ポンプ60の駆動によって水還流パイプ58を経由して水溶液タンク18に適宜還流され、メタノール水溶液Sの水として利用される。また、水タン44内に導入された排気は排出パイプ110を介して排気ガスパイプ56から外部に排出される。
なお、気液分離器48による水蒸気の液化動作は、冷却ファン46を動作させ露点を下げることによって行われるが、この動作は水タンク44に設けられた水位レベルセンサ54からの出力に基づいて制御されてもよい。このようにすれば冷却ファン46における消費電力を削減できる。
このような燃料電池システム10によれば、水タンク44が左右各方向に倒されたときのそれぞれの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2およびH3を超えるように排気ガスパイプ56が配設されているので、水タンク44が大きく傾いたり倒れたりしても、水タンク44内の水量が発電に必要な水量を下回ってしまうほど水タンク44内の水が排出されることはなく、燃料電池システム10の運転を継続できる。
特に、排気ガスパイプ56が、図9(b)に示すように、水タンク44が右方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH3を超える位置で水タンク44に接続され、かつ図9(a)に示すように、水タンク44が左方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2を超えるように延びて形成されれば、排気ガスパイプ56をさほど曲げることなく水タンク44内に必要な水量を確保できる。
また、排気ガスパイプ56が下方に向かって設けられ水タンク44内の水がより排出されやすい状態であっても、水タンク44内に必要な水量を確保できる。
さらに、この発明は、多量の水を回収して水溶液タンク18に補給する必要がある直接メタノール型燃料電池システムにおいて有効であり、振動や転倒等によって水漏れが発生する可能性の大きい輸送機器、特に、転倒しやすい自動二輪車に有効である。
また、図10〜図12に示すように、水タンク44内に防風部材116が設けられてもよい。
防風部材116は、たとえばSUS304からなり、略長方形かつ板状のセパレータ116aと、セパレータ116aに対して略直角に折り曲げられた取付部116bとからなる。セパレータ116aが略水平になるように取付部116bが水タンク44の一方側面内壁に取り付けられて、防風部材116が水タンク44内に固定される。セパレータ116aによって水タンク44の内部が上方空間118aと下方空間118bとに区画される。上方空間118a側には導入パイプ106,108および排出パイプ110が設けられ、下方空間118b側には排出パイプ112が設けられる。
防風部材116の取付位置は、下方空間118bに発電に必要な水を収容できるような高さに設定される。また、防風部材116が取付部116bを除いて水タンク44と接触しないように、すなわちセパレータ116aの外縁3辺と水タンク44の対応する内壁3面とが間隙120を有するように、防風部材116が位置決めされる(図12参照)。
また、セパレータ116aには、複数(ここでは21個)の小径貫通孔122aと複数(ここでは13個)の大径貫通孔122bとが設けられる。小径貫通孔122aは導入口114bと対向し導入口114bからの水分を含む排気の吐出箇所に集中的に設けられる。好ましくは、小径貫通孔122aの直径は4mmに、大径貫通孔122bの直径は6mmに設定される。
さらに、下方空間118b側の前面の内壁には、セパレータ116aの下方かつセパレータ116aと所定の間隙を有する位置に突起部(邪魔板)124が設けられる。突起部124は、垂直方向(上方向)からみて水タンク44の前面の内壁とセパレータ116aとの間隙120を塞ぐように設けられる。
このように防風部材116を設けることによって、上部空間118a内の排気の旋回流が下方空間118bに貯留される水に及び難くなり、旋回流によって水タンク44内の水が掻き上げられ排出口115から排出されることを防止できる。
また、下方空間118bに旋回流が入り込み貯留された水を掻き上げようとしても、図10において矢印Xで示すように突起部124によって水の上昇が阻止されるので、下方空間118b内の水が掻き上げられて排出口115から排出されるのを防ぐことができ、水タンク44内に効率よく水を回収できる。
なお、上述の実施形態では、排気ガスパイプ56は、水タンク44が右方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH3を超える位置で、排出パイプ110を介して水タンク44に接続され、かつ、水タンク44が左方向に倒されたときの水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2を超えるように延設されたが、これとは左右逆になるように配設されてもよい。すなわち、排気ガスパイプ56は、水タンク44が左方向に倒されたとき(図9(a)参照)の水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH2を超える(当該水面高さH2の上方の)位置で水タンク44に接続され、かつ、水タンク44が右方向に倒されたとき(図9(b)参照)の水タンク44内における発電に必要な水量の水面高さH3を超えるように(当該水面高さH3の上方まで)延びて形成されるようにしてもよい。
また、図9(a)に二点鎖線で示すように、排気ガスパイプ56は水タンク44に水面高さH2より上の位置で接続されてもよい。
さらに、排出パイプ110に接続される排気ガスパイプ56の一端部付近を多少上方に曲げておけば、排気ガスパイプ56から排出されようとする水を水タンク44内に戻すことができる。
燃料電池システム10は自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器にも好適に用いることができる。
この発明は、メタノール水蒸気改質器搭載タイプの燃料電池システムや水素を燃料電池に供給するタイプの燃料電池システムにも適用できる。また、この発明は、小型の据え付けタイプの燃料電池システムにも適用できる。
この発明の燃料電池システムの主要部を示す図解図である。 自動二輪車のフレームに燃料電池システムを搭載した状態を示す斜視図である。 自動二輪車のフレームに搭載される燃料電池システムの要部を示す図解図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 水タンクおよびその近傍を示す側面図である。 水タンクおよびその近傍を示す平面図である。 水タンクおよびその近傍を示す背面図である。 水タンクの内部および近傍を示す図解図である。 (a)は水タンクが左方向に倒された場合の水面高さと排気ガスパイプとの位置関係を示す図解図であり、(b)は水タンクが右方向に倒された場合の水面高さと排気ガスパイプとの位置関係を示す図解図である。 内部に防風部材が配置された水タンクおよびその近傍を示す側面図である。 内部に防風部材が配置された水タンクの内部および近傍を示す図解図である。 図10におけるA−A断面図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 燃料電池
15,22,54 水位レベルセンサ
44 水タンク
56 排気ガスパイプ
106,108 導入パイプ
110,112 排出パイプ
200 車体フレーム
202 モータ
H1,H2,H3 水面高さ

Claims (6)

  1. 電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、
    前記燃料電池からの水を収容する水タンク、および
    前記水タンクから排気するために前記水タンクに接続される排気ガスパイプを備え、
    前記排気ガスパイプは、前記水タンク内における発電に必要な水量の平常時の水面高さより上方の位置で前記水タンクに接続され、かつ前記水タンクが左右各方向の倒されたときのそれぞれの前記水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように配設されることを特徴とする、燃料電池システム。
  2. 前記排気ガスパイプは、前記水タンクが左右いずれか一方向に倒されたときの前記水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超える位置で前記水タンクに接続され、かつ前記水タンクが他方向に倒されたときの前記水タンク内における発電に必要な水量の水面高さを超えるように配設される、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記排気ガスパイプは下方に向かって設けられる、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 直接メタノール型燃料電池システムである、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを用いた、輸送機器。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを用いた、自動二輪車。
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