JP2005326661A - 液晶ディスプレイの保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属蒸着層の腐食を防止し、良好な外観を維持することができるハーフミラー機能を備えた液晶ディスプレイの保護シートを得る。
【解決手段】 基材シート2と、被着面側からの入射光を正反射し、かつ表面側からの入射光を透過するハーフミラーを形成する金属蒸着層3と、この金属蒸着層3に対して強い密着力を有する強粘着層4と、層を区分けするセパレート層5と、再剥離性を有しかつ前記強粘着層より粘着力の弱い弱粘着層6と、がこの順に順次積層されている保護シート1とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイの表示窓の保護シートに関する。
近年、携帯電話機や、PDA、携帯ゲーム機器等の液晶ディスプレイを映し出す表示窓の損傷を防止するために、そこに貼り付けて使用する保護フィルムが市販されるようになっている。液晶ディスプレイの表示窓は、背景が写り込まないように低反射性となっているため、そのような保護フィルムにハーフミラー機能を付与したものがある。ハーフミラー機能とは、携帯電話の液晶ディスプレイの表示を消したときだけ、その表示窓が鏡となるものである。このような保護フィルムとして、基材フィルムにアルミニウム等を蒸着して金属蒸着層を形成することで、液晶のバックライトが点灯した状態では、液晶画面の表示を見ることができ、バックライトが消灯した状態では、内部から出る光量よりもその表示窓で反射する光量の方が多いようにして鏡として使用することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−58067号公報(請求項1、段落番号0008)
上記特許文献1に開示されている保護シートは、例えば、携帯電話機の表示窓への貼り付けを失敗したときに、その表示窓へ貼り直すことができるように弱粘着性を有する粘着剤を塗布することが一般的に行われている。しかしながら、この粘着剤は弱粘着性であるがゆえに、金属蒸着が施された基材シートへも弱粘着性を示す。従って、基材シートと粘着剤との間から、汗等の体からの汚れがしみ込んでしまうことがある。このような汚れのしみ込みは、図6に示すように、特に保護シート20の角部20aあたりから発生し、金属蒸着層の金属を腐食させてしまう。この腐食による変色21が除々に進行していき、表示窓22の外観が悪くなるという問題がある。
したがって、金属蒸着層を保護するために、この層にホットメルト型の軟質樹脂シートを貼り付けることも考えられる。しかし、このような軟質樹脂シートを金属蒸着層に貼り付けるためには、軟質樹脂シートを軟化点付近(例えば180℃)まで加熱しなければならず、金属蒸着層を傷めるおそれがある。
そこで、本発明はこのような従来の問題点に鑑み、金属蒸着層の腐食を防止し、良好な外観を維持することができるハーフミラー機能を備えた液晶ディスプレイの保護シートを得ることを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、基材シートと、一方の面側からの入射光を正反射し、かつ他方の面側からの入射光を透過するハーフミラーを形成する金属蒸着層と、金属蒸着層に永久接着された強粘着層と、層を区分けするセパレート層と、再剥離性を有する弱粘着層と、がこの順に順次積層されていることを特徴とする。
この場合、基材シート、金属蒸着層、強粘着層、セパレート層、弱粘着層の順に積層された保護シートが構成されているので、従来のように金属蒸着が施された基材シートに弱粘着層が直接設けられているのではなく、強粘着層、セパレート層を介して弱粘着層が設けられている。従って、金属蒸着層に対して永久接着された強粘着層が、金属蒸着層へ密着してこれを覆うことにより、汗等の汚れが金属蒸着層と強粘着層との間にしみ込むのが防止され、この汚れによる金属蒸着層の腐食が防止される。また、汚れが被着面(表示窓)と保護シート(弱粘着層)との間に浸入しても、セパレート層があるのでこの汚れが金属蒸着層に達することがない。さらに、強粘着剤は、非加熱の常温下で金属蒸着層に塗布することができるので、金属蒸着層を傷めることがない。
上記の本発明において、前記セパレート層が、特定方向からの入射光を正反射させるような厚みで形成されていることが好ましい。
この場合、セパレート層を例えば斜めからの入射光を正反射するような厚みで形成することにより、液晶ディスプレイの表示窓を横から覗いても、そこに映し出されている液晶表示を見ることができない。これにより、本発明にかかる保護シートを表示窓に貼り付けることで、その表示窓への覗き見が防止される。
また、本発明は、基材シートと、一方の面側からの入射光を正反射し、かつ他方の面側からの入射光を透過するハーフミラーを形成する金属蒸着層と、この金属蒸着層に塗布されたオーバーコートインキからなるオーバーコート層と、再剥離性を有する弱粘着層と、がこの順に順次積層されていることを特徴とする。
この場合、基材シート、金属蒸着層、オーバーコート層、弱粘着層が、この順に積層された保護シートが構成されるので、オーバーコート層を介して弱粘着層が設けられている。従って、金属蒸着層に対して強い密着力を有するオーバーコート層が、金属蒸着層へ密着してこれを覆うことにより、汗等の汚れが金属蒸着層とオーバーコート層との間にしみ込むのが防止され、当該汚れによる金属蒸着層の腐食が防止される。また、基材シートに金属を蒸着した後、インキ性状のオーバーコート剤を塗布し、その上に弱粘着層をのせればよいので、本発明に係る保護シートを簡易に製作することができコストを抑えることができる。
さらに、上記の本発明において、前記弱粘着層が再貼着性を有することが好ましい。この場合、上記液晶ディスプレイの保護シートを、表示窓からはがした後、もう一度貼り付けることができるので、貼り直しをする場合等に便利である。
本発明によれば、金属蒸着層にこれに強い密着力を有する層を密着させて覆うことで、当該金属蒸着層への汚れのしみ込みを防止したので、金属蒸着層の腐食を防止し良好な外観を維持することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の拡大断面図である。液晶ディスプレイの保護シート1(以下、保護シートという)は、基材シート2と、金属蒸着層3と、強粘着層4と、セパレート層5と、弱粘着層6と、がこの順に順次積層されることにより構成されたものである。
基材シート2には、ディスプレイの保護シート用に用いられる公知の高分子フィルムが採用され、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)が採用されている。またこれ以外にも、その他のポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などが主に挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、ディスプレイの表示窓に貼ることができる可撓性、当該表示窓を保護できる程度の硬度等を有するものであれば使用できる。また、その厚みは、材質により変更されるが、本実施形態で採用されているPETフィルムの場合であれば、0.05〜0.10mmくらいである。この基材シートにより、液晶ディスプレイの表示窓が損傷しないように外部からの衝撃等から保護されている。
基材シート2の図1下側(以下、被着面側といい、この反対側を表面側という。)には、金属蒸着層3が設けられている。この金属蒸着層3は、表面側からの入射光を正反射し、かつ被着面側からの入射光を透過するハーフミラー機能を保護シートに付与するために設けられているものである。金属蒸着層3に用いる金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、スズ等の金属、金属合金、金属化合物が挙げられる。特にアルミニウムは蒸着の容易さ、鏡面反射性、経済性から好適である。金属蒸着法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が好ましく用いられる。また、金属蒸着層3は、蒸着工程における膜厚管理や、金属光沢色の濃さ、他の層と当該金属蒸着層3との密着性等の関係から適当な膜厚に調整されている。
金属蒸着層3の被着面側には、図に示すように強粘着層4が設けられている。この強粘着層4は、金属蒸着層3に強粘着剤を塗布することにより形成されているものであり、金属蒸着面3aに永久接着されてこれを覆っている。
強粘着剤としては、金属蒸着面3a及びセパレートフィルム5(後述)に永久接着できるものが採用されており、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが挙げられる。例えば、一液型のアクリル系粘着剤として、東洋インキ社製の品番BPS8170を使用することができる。なお、この強粘着剤は、後述の弱粘着剤よりも強い粘着力を有するものであり、この強粘着層4により、後述のセパレートフィルム5が金属蒸着面3aに永久接着されている。また、強粘着剤は、常温下で金属蒸着層3へ塗布されるので、従来のようにホットメルト型のプラスチックフィルムを貼り付ける場合のように、金属蒸着層3が高温下に晒されることがなく、金属蒸着層3を傷めることがない。
強粘着層4の被着面側には、図に示すようにセパレート層5が設けられており、このセパレート層5が、当該強粘着層4と弱粘着層6とを区分けしている。このセパレート層5は、高分子フィルムからなるセパレートフィルム5により形成されているものであり、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートが採用されている。なお、セパレートフィルム5は、これに限られるものではなく、例えば、その他のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリアミド類などの各種プラスチックからなるフィルムが挙げられる。なお、必ずしもこれらに限定されるものではなく、可撓性や接着剤に含まれる溶剤への耐性等を備えたものであれば使用できる。
また、このセパレートフィルム5は、強粘着層4及び次に説明する弱粘着層6に対する剥離が起こらないように、これら両粘着層4,6に密着している。セパレートフィルム5の厚みは、0.05〜0.25mmとなっており、保護シート1の厚みが増すことで、斜めからの入射光が正反射するようになっている。これにより、液晶ディスプレイの表示窓を横から覗いても、そこに映し出されている液晶表示を見ることができない。したがって、保護シート1を例えば携帯電話機に使用した場合には、覗き見を防止することができるいわゆるメールブロックとしての機能を付与している。
図1に示すように、セパレート層5の被着面側には、保護フィルム1の貼着面1aを形成する弱粘着層6が設けられている。この弱粘着層6は、強粘着層4より弱い粘着力を有する弱粘着剤からなり、液晶ディスプレイの表示窓(被着面)への再剥離性及び再貼着性を有している。弱粘着剤としては、透明性、耐光性の点からアクリル系粘着剤が採用されているが、これに限られるものではなく、前記特性を有するものであれば、例えばゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することもできる。例えば、二液型のアクリル系粘着剤として、東洋インキ社製の品番BP3841を使用することができる。なお、弱粘着剤及び前記強粘着剤は、ナイフコーター、バーコーター、エアーナイフコーター等の塗布装置により塗布される。
弱粘着層6は、強粘着層4よりも弱い粘着力を有するので、保護シート1が被着面から剥がされたときは、当該弱粘着層6と被着面との間で剥離が起こるようになっている。また、再剥離性及び再貼着性を有することから、被着面に保護シート1を貼り付けた後、当該保護シート1を損傷せずにこれを剥がすことができ、さらに、一旦剥がされた保護シート1を、再度、貼着して使用することができる。このため、保護シート1の貼り付けに失敗した場合などに便利である。
なお、上述した基材シート2,強粘着層4、セパレート層5、弱粘着層6はいずれも透明であり、保護シート1が被着体に貼り付けられた場合に、液晶ディスプレイの表示窓に映し出される液晶表示を表面側から見ることができるようになっている。
また、図示しないが、弱粘着層6のさらに被着面側には、使用する際に保護シート1から剥離除去される剥離シートが設けられる。弱粘着層6を覆う剥離シートとしては、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、グラシン紙のような高密度原紙、クラフト紙または上質紙にポリエチレンフィルム等をラミネートした紙が適宜使用される。
以上のように構成された保護シート1は、適当な寸法に切断されて、例えば図2に示すように携帯電話機10に使用される。この場合、保護シート1は、液晶ディスプレイの表示窓11に合わせるようにして貼り付けられる。図3に示すように、保護シート1が表示窓11に貼られた状態で、携帯電話機10の電源が切られてディスプレイが消灯すると、金属蒸着層3のハーフミラー機能により、表面側(見る側)からの入射光が正反射されて、当該表示窓11が鏡となる。従って、携帯電話機10の電源を切るだけでその表示窓11を鏡として使用することができ、別途鏡を持ち歩く必要がなくなるので利便性が高い。一方、携帯電話10の電源をつけて、表示窓11に液晶ディスプレイの表示が現れた場合には、保護シート1は液晶ディスプレイ側(被着面側)からの入射光を透過することができ、液晶ディスプレイの表示を見ることができる。
また、本実施形態の保護シート1は、基材シート2、金属蒸着層3、強粘着層4、セパレート層5、弱粘着層6の順に積層されているので、従来のように金属蒸着が施された基材シートに弱粘着層が直接設けられているのではなく、強粘着層4、セパレート層5を介して弱粘着層6が設けられている。従って、金属蒸着面3aが、これに永久接着している強粘着層4で覆われているので、例えば携帯電話機10の使用者の汗等の汚れが、金属蒸着層3と強粘着層4との界面7に入り込む余地がない。また、使用者の汗等の汚れが、表示窓11(被着面)と保護シート1(弱粘着層6)との間に浸入し弱粘着層を透過してもセパレート層5でとめられるので、当該汚れが金属蒸着面3aに達することがない。これにより、金属蒸着層3が使用者の汗等の汚れに侵されることがなく、金属蒸着層3の腐食が防止され、表示窓11の良好な外観が維持される。
図4は、本発明に係る第2実施形態の保護シート12を示す拡大断面図である。本実施形態の保護シート12が、前記実施形態と異なる点は、基材シート2に施された金属蒸着層3と弱粘着層6との間にオーバーコート層13を設けている点である。図に示すように、本実施形態に保護シート12は、基材シート2と、金属蒸着層3と、オーバーコート層13と、弱粘着層6と、がこの順に順次積層されることにより構成されたものである。基材シート2及びこの基材シート2に施された金属蒸着層3、及び弱粘着層6は、前記実施形態と同じ素材で形成されたものでありその説明を省略する。図に示すように、金属蒸着層3の被着面側には、所要の膜厚を有するオーバーコート層13が設けられている。このオーバーコート層13は、金属蒸着層3に対して強い密着力を有するオーバーコートインキからなるものであり、例えば十条ケミカル社製のレイキュアーOP4300を使用することができる。このオーバーコートインキは、硬化性、接着性、柔軟性、透明性等に優れたものであり印刷物のオーバーコート用に好適に使用されているものである。
オーバーコートインキは、基材シート2に施された金属蒸着面3aに塗布された後、乾燥されてオーバーコートクリアー(オーバーコート層13)となり、これが当該金属蒸着面3aへ強い密着力で密着している。オーバーコート層13を形成した後、その表面に弱粘着剤を塗布して弱粘着層6を形成する。これにより、オーバーコート層13が金属蒸着面3aに強い密着力で密着してこれを覆い、金属蒸着層3とオーバーコート層13との界面8に使用者の汗等の汚れが浸入する余地がなくなる。従って、当該汚れが金属蒸着面3aに達することがなくなり、金属蒸着層3の腐食が防止されるので、表示窓11の良好な外観を維持することができる。また、基材シート2に金属を蒸着した後、オーバーコートインキを塗布し、その上に弱粘着層6をのせればよいので、本発明に係る保護シート1を簡易に製作することができコストを抑えることができる。
なお、上記実施形態は例示であって制限的なものではない。例えば、金属蒸着層3と、強粘着層4あるいはオーバーコート層13との間の密着力をさらに向上させるために、熱可塑性樹脂を主成分とするアンカー層を設けてもよい。これにより、金属蒸着層3が汗等の汚れからより保護され、長期にわたり表示窓11の良好な外観を維持することができる。なお、本発明の保護シート1は、携帯電話機10だけでなく、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯ゲーム機等その他の液晶ディスプレイの表示窓に貼り付けて使用することもできる。
第1実施形態の保護シートの拡大断面図である。 同保護シートが携帯電話機に貼り付けられる状態を示す正面図である。 同保護シートが携帯電話機に貼り付けられた状態を示す斜視図である。 第2実施形態の保護シートの拡大断面図である。 携帯電話機に従来の保護シートが貼り付けられている状態を示す部分拡大図である。
符号の説明
1 液晶ディスプレイの保護シート
2 基材シート
3 金属蒸着層
4 強粘着層
5 セパレート層
6 弱粘着層
13 オーバーコート層

Claims (4)

  1. 基材シートと、一方の面側からの入射光を正反射し、かつ他方の面側からの入射光を透過するハーフミラーを形成する金属蒸着層と、この金属蒸着層に対して永久接着された強粘着層と、層を区分けするセパレート層と、再剥離性を有する弱粘着層と、がこの順に順次積層されていることを特徴とする液晶ディスプレイの保護シート。
  2. 前記セパレート層が、特定方向からの入射光を正反射させるような厚みで形成されている請求項1に記載の液晶ディスプレイの保護シート。
  3. 基材シートと、一方の面側からの入射光を正反射し、かつ他方の面側からの入射光を透過するハーフミラーを形成する金属蒸着層と、この金属蒸着層に塗布されたオーバーコートインキからなるオーバーコート層と、再剥離性を有する弱粘着層と、がこの順に順次積層されていることを特徴とする液晶ディスプレイの保護シート。
  4. 前記弱粘着層が再貼着性を有する請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ディスプレイの保護シート。
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