JP2005325408A - 高周波熱処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セット誤差による焼戻効果のばらつきや、焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂いの恐れがなく、安定した熱処理品質が得られ、また焼入から焼入までを高周波誘導加熱で行えて、生産性にも優れる高周波熱処理方法および装置を提供する。
【解決手段】 ワークWの焼入と焼戻とを、加熱コイル1に対するワークWの持ち替えを行うことなく、同じ加熱コイルWを用いて行う。ワークWは、軸受軌道輪等のリング状品であり、加熱コイル1として単巻きのリング状のものを用いる。ワークWは、ワーク支持手段3により支持して回転させながら、焼入,焼戻の際の加熱コイル1による高周波誘導加熱を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、転がり軸受の軌道輪等のように、高硬度と靱性が要求され、焼入・焼戻を必須とする機械部品において、焼入および焼戻の熱処理を高周波誘導加熱によって行う高周波熱処理方法および装置に関する。
従来、転がり軸受の内外輪等の軌道輪は、雰囲気炉で全体焼入したり、高周波誘導加熱により必要部分を加熱・焼入した後、一定量を纏めてバッチ処理で全体焼戻を行う方法が一般的である。一部には、焼入と焼戻に高周波誘導加熱を用いる技術もある。その場合、焼入専用の加熱コイルと焼戻専用の加熱コイルを用い、ワークを移動させて熱処理する。高周波焼入や高周波焼戻に係わる技術として、仮払い機用回転刃における切断刃部の焼入・焼戻を行うものには、例えば特許文献1がある。なお同文献には、焼入,焼戻処理条件について記載されているが、焼入を行う場所と焼戻を行う場所との関係の開示はない。
軸受軌道輪等の機械部品の全体焼入を行う場合の加熱は、上記のように炉内で行うことが一般的であるが、多品種少量生産の場合、炉による熱処理では、炉の処理可能個数に対して半端な個数となることがあり、効率が悪い。また、要求に応じて必要時に必要個数だけ焼入品をラインに供給したり、外部に納品するような場合は、炉による焼入れでは在庫や仕掛かり品を多く抱えることが必要となる。炉による加熱は、炉内に入れた機械部品の位置によっても、加熱温度がばらつくことがある。さらに、加熱炉では、高周波誘導加熱のように、ワークを内部の発熱で直接に加熱させるものに比べて、熱効率が悪く、エネルギコストが高くつく。
このため、軸受軌道輪の焼入を、1個ずつ高周波焼入で行うことを試みた。高周波焼入によると、必要個数だけを処理することができ、また処理品間でのばらつきの少ない均一な熱処理が可能となる。この後の焼戻は、一定量を纏めバッチ処理で行うか、焼戻用の設備で高周波焼戻を行う。
リング状のワークの焼入に際する加熱方法としては、ワークについての明記はないが、単巻の加熱コイルを用い、その内周に同心にワークを配置し、高周波誘導加熱を行う方法がある(例えば非特許文献1)。また、鋼帯の高周波焼入においては、温度制御方法として、放射温度計でワーク温度を計測し、ワーク温度に応じて加熱コイルの電力をフィードバック制御することが提案されている(特許文献2)。
特開2003−266237号公報 特開2002−372382号公報 (社)日本熱処理技術協会/日本金属熱処理工業会編集、「熱処理技術入門」大河出版、平成13年4月25日発行、第285頁
機械部品等のワークに高周波誘導加熱で焼入,焼戻を行う場合、上記のように焼入専用の加熱コイルと焼戻専用の加熱コイルを用い、ワークを移動させて熱処理する。そのため工程中のワークの流れがスムーズでなく、またワークに、セット誤差や、焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂い、焼戻効果のばらつきがあり、品質のばらつきの要因となる。セット誤差、特にリング状品の場合にリング中心に対するセット誤差が生じると、部分による焼戻深さ等の焼戻効果のばらつきを伴うことになる。軸受軌道輪では、表面の硬度や残留オーステナイト量等の熱処理品質が、転動寿命に大きく影響し、熱処理品質のばらつきは、早期寿命につながる恐れがある。そのため、特に、転がり軸受の軌道輪では、高周波誘導加熱による焼入,焼戻の実現が難しい。
この発明の目的は、セット誤差による焼戻効果のばらつきや、焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂いの恐れがなく、安定した熱処理品質が得られ、また焼入から焼入までを高周波誘導加熱で行えて、生産性にも優れる高周波熱処理方法および装置を提供することである。
この発明の高周波熱処理方法は、機械部品となるワークの焼入と焼戻とを、加熱コイルに対するワークの持ち替えを行うことなく、同じ加熱コイルを用いて行う方法である。焼入と焼戻に同じ加熱コイルを用いることは、例えば焼入時と焼戻時とで出力を異ならせることにより行える。
この方法によると、焼入と焼戻とに同じ加熱コイルを用い、ワークを持ち替えずに各処理を行うため、加熱コイルに対するワークの位置関係が安定し、セット誤差による焼戻効果のばらつきが回避される。焼入後の焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂いの恐れもなく、これによっても安定した熱処理品質が得られる。また、ワークのセットも一度で済み、そのまま焼入から焼戻までを高周波誘導加熱で行えるため、ワークの流れもスムーズになり、生産性にも優れる。
前記ワークはリング状品であっても良い。その場合、加熱コイルとして単巻きのリング状の加熱コイルを用い、前記ワークを加熱コイルに対して内周または外周に配置する。また、前記焼入および焼戻時の加熱コイルによる加熱を、ワークを回転させながら行うことが好ましい。
リング状品のワークの場合、加熱コイルに対してワークを回転させることで、全周に均一な加熱が行え、部分による品質のむらが少なくなる。
この発明方法において、加熱コイルによる加熱時にワークの温度を測定し、所定のヒートパターンとなるようにフィードバック制御を行うようにしても良い。
ワークのセットが焼入と焼戻とで変わらないため、ワークの温度状況を監視して、ヒートパターンが一定になるように高周波出力にフィードバックし、ワークの温度管理、焼入パターン管理、焼戻サイクル管理等を行うことも容易である。そのため、焼入・焼戻製品の品質,生産性を共に向上させることができる。
前記ワークは、軸受の軌道輪であっても良い。この軌道輪は、転がり軸受における内輪や外輪等の軌道輪であっても、また滑り軸受における軌道輪であっても良い。軸受軌道輪は熱処理品質が転動寿命に大きく影響し、熱処理品質の安定性,均一性が厳しく求められる。また、量産性が必要となる。そのため、この発明方法による品質安定の効果、および生産性向上の利点が効果的に発揮される。
この発明の高周波熱処理装置は、加熱コイルと、機械部品となるワークを前記加熱コイルに対して支持するワーク支持手段と、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、前記ワーク支持手段に支持されたワークに焼入冷却液を浴びせる冷却液吐出手段と、前記高周波電源の出力を、加熱コイルにより焼入前最高温度に加熱する焼入用出力、および、この焼入用出力よりも低い焼戻用出力に切り換え可能な電源制御手段とを備える。
この構成によると、同じ加熱コイルで出力制御により焼入と焼戻とが行え、また焼入のための加熱から焼入までの処理が、同じワーク支持手段にワークを支持させた状態で行える。そのため、この発明方法を実施して、この発明方法による上記各効果を得ることができる。
この発明装置において、前記加熱コイルが、リング状品からなるワークを内周または外周に対向させる単巻きのリング状のものであって、内部に焼入冷却液の流路を有し、かつワークに対向する面に上記冷却液吐出手段となる吐出孔を有し、前記ワーク支持手段が、ワークをリング中心回りに回転させるものであっても良い。
この構成の場合、リング状品からなるワークを回転させながら焼入,焼戻が行え、全周に均一な熱処理品質が得られる。
この発明装置において、加熱中の温度を測定する温度測定手段を設け、この温度測定手段の測定結果に応じて、所定のヒートパターンとなるように前記高周波電源の出力を制御するフィードバック制御手段を設けても良い。
この構成の場合、焼入,焼戻を同じワーク支持手段で支持したまま同じ加熱コイルで行えるようにしたこと、およびフィードバック制御の組み合わせによって、より一層の製品の品質の向上、生産性の向上が可能となる。
この発明の高周波熱処理方法および装置は、機械部品となるワークの焼入と焼戻とを、加熱コイルに対するワークの持ち替えを行うことなく、同じ加熱コイル用いて行うため、セット誤差による焼戻効果のばらつきや、焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂いの恐れがなく、安定した熱処理品質が得られ、また焼入から焼戻までを高周波誘導加熱で行えて、生産性にも優れたものとなる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1は高周波熱処理装置のブロック図を示す。この高周波焼入装置は、加熱コイル1と、この加熱コイル1に高周波電流を供給する高周波電源2と、被熱処理品であるワークWを支持するワーク支持手段3と、焼入冷却液供給装置4と、焼入制御装置5とを備える。ワークWは、機械部品となるリング状品、例えば転がり軸受の軌道輪である。図示の例では、ワークWは玉軸受の内輪であり、外周に軌道溝Waを有している。高周波電源2は、交流商用電源等から受電盤6を介して得た電流を、所定周波数の高周波に変換して加熱コイル1に供給する手段であり、サイリスタインバータ式やトランジスタインバータ式等のものが使用される。高周波電源2と加熱コイル1との間には電流変成器(図示せず)を介在させる。
加熱コイル1は、円筒形の単巻きのものであって、内部に焼入冷却液の流路7を有し、かつ冷却液吐出手段として、内径側へ焼入冷却液を吐出させる吐出孔8が、内径側壁面に設けられている。加熱コイル1の断面形状は、同図に示すように長方形ないし正方形状とされる。加熱コイル1の外周面における周方向の複数箇所に、焼入冷却液入口となるパイプ状の接続口9が設けられている。この接続口9に、焼入冷却液供給装置4から加熱コイル1の冷却およびワークWの冷却たのための焼入冷却液が、所定のタイミングで供給される。
図1において、ワーク支持手段3は、ワークWを載せる下側支持部材13と、ワークの形状によってはワークWの上面を押える上側支持部材12とを有し、支持部材13又は支持部材12をモータ等の駆動源14で回転させることにより、ワークWを回転させる構成としてある。下側支持部材13および上側支持部材12は、加熱コイル1と同心位置で軸受(図示せず)等により回転自在に支持されている。上下の支持部材12,13は、ワークWとの接触面積ができるだけ少なくできるように、円周方向の複数箇所(例えば3箇所)に等配された突部12a,13aを介してワークWを支持するものとしてある。ワーク支持手段12,13の材質は、セラミックス等である。
上下の支持部材12,13は、いずれか一方または双方が昇降可能とされ、互いに上下に離れることにより、ワークWの出し入れが可能とされている。
なお、ワーク支持手段3に対してワークWを自動で出し入れするローディク装置(図示せず)を設けても良い。
焼入制御装置5は、高周波熱処理装置の全体を制御する装置であり、コンピュータ,電子回路等により構成される。焼入制御装置5は、高周波電源2を制御する電源制御手段21と、焼入冷却液供給装置4を制御する冷却液制御手段22と、ワーク支持手段3を制御するワーク支持系制御手段23とを備える。
電源制御手段21は、ヒートパターン設定手段24に設定された所定のヒートパターンに従って、焼入から焼戻までの高周波電源2の出力を制御するものとされている。電源制御手段21は、フィードバック制御部25を有し、ワークWの温度を実測する温度測定手段28の測定温度に応じ、前記ヒートパターン設定手段24のヒートパターンに従って高周波電源2の出力をフィードバック制御するものとされている。温度測定手段28には、放射温度計等が用いられる。フィードバック制御手段25によるフィードバック制御は、例えば比例制御(P制御),比例微分制御(PD制御),およびPID制御のいずれかとしても良く、またこれらを昇温に従って切り換えるようにしても良い。温度測定手段28による温度検出は、連続的に行うようにしても、また所定のサンプリング周期で離散的に行うようにしても良い。サンプリング値は平均化してフィードバック制御部25に入力される。
ヒートパターン設定手段24に設定されるヒートパターンPは、図3に示すように、焼入前加熱パターン部Paと、焼戻時加熱パターン部Pbとを含む。焼入前加熱パターン部Paは、常温のワークWを焼入前最高温度(オーステナイト化温度)T1まで昇温して一定時間保つパターンとされる。焼入前最高温度T1は、例えば820〜860℃程度である。焼戻時加熱パターン部Pbは、焼入時の急冷により温度低下したワークWを、焼戻温度T2まで昇温させて所定時間保つパターンとされる。焼戻温度T2は、可能な範囲で短時間で焼戻が行えるように、炉による焼戻時に比べて高温にすることが好ましく、例えば230〜250℃程度とされる。高温にする分、保持時間は短くし、同じ焼戻効果を得る。
上記構成の高周波熱処理装置による熱処理過程を説明する。加熱コイル1内に、ワーク支持手段3の上下の支持部材12,13で挟み込むようにワークWを設置し、支持部材12,13と共に駆動源14でワークWを回転させながら、加熱コイル1に高周波電源2から高周波電力を供給する。加熱コイル1に高周波電流が流れることにより、交番磁束が発生し、ワークWが誘導加熱される。すなわち、ワークWを通る磁束の変化によるヒステリシス損や渦電流損等により発熱現象が生じる。この加熱は、フィードバック制御手段25により、上記ヒートパターンに従って制御する。
ワークWの温度が目標の焼入前最高温度T1まで昇温すると、その温度T1を一定時間維持した後、加熱コイル1の電流を遮断し、加熱コイル1内に焼入冷却液を供給して吐出孔8から吐出させ、ワークWを急冷する。これによりワークWが焼入される。この焼入は、例えばワークWの表面部の所定深さまで行うようにしても、またワークの芯まで全体に渡るように行っても良い。
焼入後、加熱コイル1に再度電力を供給する。このときは、前記ヒートパターンに従って、焼入時よりも低い電力とし、焼戻温度に加熱する。焼入から焼入の完了まで、ワークWのワーク支持手段3による回転を維持させる。所定時間の焼戻を行うことで処理が完了し、ワーク支持手段3からワークWを取り出す。
このように、出力制御で焼入時と焼戻時の温度を変えることで、焼入と焼戻とに同じ加熱コイル1を用い、ワークWを持ち替えずに各処理を行うため、加熱コイル1に対するワークWの位置関係が安定し、セット誤差による焼戻効果のばらつきが回避される。焼入後の焼戻までの放置による焼き割れ、置き狂いの恐れもなく、これによっても安定した熱処理品質が得られる。また、ワークWのセットも一度で済み、そのまま焼入から焼入までを高周波誘導加熱で行えるため、ワークWの流れもスムーズになり、生産性にも優れる。
ワークWのセットが焼入と焼戻とで変わらないため、上記のようにワークWの温度状況を監視して、ヒートパターンが一定になるように高周波出力にフィードバックし、ワークWの温度管理、焼入パターン管理、焼戻サイクル管理等を行うことも容易である。そのため、製品の品質,生産性を共に向上させることができる。
ワークWはリング状品であるが、単巻きのリング状の加熱コイル1を用い、ワークWを回転させながら加熱するため、全周に均一な加熱が行え、部分による品質のばらつきが少なくなる。特に、ワークWは、軸受の軌道輪である場合、熱処理品質が転動寿命に大きく影響し、熱処理品質の安定性,均一性が厳しく求められるため、この高周波熱処理装置を用いることによる品質安定の利点が効果的に発揮される。また、軸受軌道輪は量産性が必要となるため、この高周波熱処理装置の生産性向上の利点が効果的に発揮される。
なお、上記実施形態は、ワークWを外周から加熱する場合につき説明したが、この発明の高周波熱処理装置は、例えば図4に示すように、ワークWAに内周から加熱する装置としても良い。ワークWAは、例えば転がり軸受の外輪である。加熱コイル1Aには、図5に示すように内側に端子部10Aが設けられた単巻きコイルを使用する。
この場合に、図6に示すフランジWBbを有するワークWBの焼入,焼戻を前記と同様に行うようにしても良い。このワークWBは、軸受外輪となるものであり、円弧状断面形状の転走面WBaを有している。ワークWBの焼入,焼戻を行う範囲aは、転走面WBaにおける所定深さまでの範囲である。
また、この発明は、ワークがリング状品の場合に限らず、鋼製の機械部品一般や、その他の鋼材の焼入に適用することができる。
つぎに試験例を説明する。
〔実施例〕
JISの炭素鋼S53CおよびSUJ2鋼を用いて玉軸受6206の内輪を製作し、表1の2種類の条件での高周波焼入、焼戻を行なった。
熱処理は
(1) 表層1.5mmまでを硬化するパターン焼入と、全体を焼入硬化する全体焼入、
(2) 上記(1) のそれぞれについて、焼入後直ちに同じコイルで出力を低下し、全体を誘
導加熱で低温焼戻したもの、
を組み合わせ、2鋼種×2条件の熱処理の計4種類の誘導加熱焼戻サンプルを製作した。
〔比較例〕
(1) 実施例と同じ素材を用い、同一のパターン焼入と全体焼入、
(3) 上記(1) のそれぞれについて、雰囲気炉に全体を装入して焼戻したもの、
を組み合わせ、2鋼種×2条件の焼入の合計4種類の全体雰囲気炉焼戻サンプルを製作した。
上記実施例および比較例の試験片サンプルについて、玉軸受6206での寿命試験(清浄油潤滑、異物混入潤滑)およびリングでの静的割れ強度と寸法、硬度のばらつきを比較した。
各試験の概要と結果は以下の通りである。
(1)転勤疲労試験
転勤寿命試験条件を下記に示す。サンプル数Nを10とし、疲労強度をL10
寿命(サンプルの90%が破損しないで使える負荷回数)で評価した。
・試験軸受 :玉軸受6206(外径62mm、内径30mm、幅16mm)
・荷重 :6.86kN(700kgf)
・回転速度 :3000回/分
・軸受の計算寿命(L10h):127h
・試験打切時間 :2000h (15×L10h)
・潤滑条件 :(1) 清浄油潤滑条件 タービン油VG56循環給油
(2) 異物混入油潤滑条件 タービン油VG56油浴50cc
・異物の種類、量 :ガスアトマイズ紛(硬度HV800、粒径100〜180μm)
油1000ccに対し、0.4g混入
試験結果を表1に示す。同じ条件で焼入れし、焼戻を誘導加熱にしたものと雰
囲気炉で焼戻したものを比較すると、両者の間には寿命差は見られない。
Figure 2005325408
(2)静的割れ強度
条件3と4の全体焼入品での45×の60×tl5リングを製作し、静的な
割れ強度を比較した。結果を表2に示す。静的な割れ強度にも誘導加熱焼戻と
雰囲気炉焼戻で差は見られない。
Figure 2005325408
(3)熱処理後の寸法、硬度ばらつき
(2)と同じ形状の試験片にて、内外径の硬化深さ1.5mmねらいと全体焼入のサンプルを各30個製作した。15個は同じコイルで連続して焼戻、15個は一旦装置から外し、別の装置で高周波焼戻をして、外径の寸法と硬度を測定した。結果を表3に示す。同じコイルでセットを外さずに焼入- 焼戻を行った方が寸法と硬度が安定している。高周波加熱条件が安定するためと考えることができる。
Figure 2005325408
この発明の第1の実施形態にかかる高周波熱処理装置の概念構成を示すブロック図である。 その加熱コイルの斜視図である。 同高周波熱処理装置のヒートパターン例の説明図である。 この発明の他の実施形態における加熱コイルとワークの関係を示す断面図である。 その加熱コイルの斜視図である。 ワークの一例の部分断面図である。
符号の説明
1,1A,1B…加熱コイル
2…高周波電源
3…ワーク支持手段
4…焼入冷却液供給装置
5…焼入制御装置
8…吐出孔(冷却液吐出手段)
21…電源制御手段
24…ヒートパターン設定手段
25…フィードバック制御手段
28…温度測定手段
P…ヒートパターン
W,WA,WB……ワーク

Claims (7)

  1. 機械部品となるワークの焼入と焼戻とを、加熱コイルに対するワークの持ち替えを行うことなく、同じ加熱コイルを用いて行う高周波熱処理方法。
  2. 請求項1において、前記ワークがリング状品であり、前記加熱コイルとして単巻きのリング状の加熱コイルを用い、前記ワークを加熱コイルに対して内周または外周に配置し、前記焼入および焼戻時の加熱コイルによる加熱を、ワークを回転させながら行う高周波熱処理方法。
  3. 請求項1または請求項2において、加熱コイルによる加熱時にワークの温度を測定し、所定のヒートパターンとなるようにフィードバック制御を行う高周波熱処理方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ワークが軸受の軌道輪である高周波熱処理方法。
  5. 加熱コイルと、機械部品となるワークを前記加熱コイルに対して支持するワーク支持手段と、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、前記ワーク支持手段に支持されたワークに焼入冷却液を浴びせる冷却液吐出手段と、前記高周波電源の出力を、加熱コイルにより焼入前最高温度に加熱する焼入用出力、およびこの焼入用出力よりも低い焼戻用出力に切り換え可能な電源制御手段とを備える高周波熱処理装置。
  6. 請求項1において、前記加熱コイルが、リング状品からなるワークを内周または外周に対向させる単巻きのリング状のものであって、内部に焼入冷却液の流路を有し、かつワークに対向する面に上記冷却液吐出手段となる吐出孔を有し、前記ワーク支持手段が、ワークをリング中心回りに回転させるものである高周波熱処理装置。
  7. 請求項5または請求項6において、加熱中の温度を測定する温度測定手段を設け、この温度測定手段の測定結果に応じて、所定のヒートパターンとなるように前記高周波電源の出力を制御するフィードバック制御手段を設けた高周波熱処理装置。
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