JP2007332411A - 転がり軸受軌道輪の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼入れ時に不完全焼入れ層がなく、且つ変形や焼き割れの生じにくい転がり軸受軌道輪の製造方法を提供する。
【解決手段】例えば高周波誘導加熱コイル1に、焼入れ冷却ガスの流路7、当該流路7内のガスをワークWの外周側に向けて吐出する吐出口8を形成し、且つ焼入れ冷却ガス供給装置4を接続すると共に、ワークWの内周側をガスで冷却可能な冷却ジャケット15を備えた高周波焼入れ装置を用い、加熱コイル1に対してワークWを100min-1以上の速度で回転しながら加熱し、加熱後は、ワークWを100min-1以上の速度で回転しながら加熱コイル1及び冷却ジャケット15からワークWへ0.2MPa以上の圧力でガスを吐出することで、ワークWの全周にわたって均等に急冷して焼入れする。
【選択図】図1

Description

本発明は転がり軸受軌道輪の製造方法に関するものであり、特に焼入れ時の加熱を高周波誘導加熱により行う軌道輪の高周波焼入れ工程に関するものである。
リング状のワークの焼入れに際して当該ワークを加熱する方法として、高周波焼入れ装置による高周波誘導加熱がある。しかしながら、量産の転がり軸受軌道輪は、雰囲気炉で全体焼入れされるのが一般的である。軸受における高周波焼入れは、例えば車軸用軸受の軌道面のみの焼入れのように、局部的に焼入れを施す場合に採用されているが、例えば下記特許文献1に記載される高周波誘導加熱では、ワーク全体を均一加熱している。
特開2005−325409号公報
量産の転がり軸受軌道輪の全体焼入れを行う場合の加熱は、前述のように雰囲気炉内で行うのが一般的であるが、多品種少量生産の場合には、炉の熱処理能力に対して半端な個数となって効率が悪いこともある。また、必要時の要求に対応するために在庫を抱える必要がある。また、炉による過熱は、位置によって加熱温度がばらつくことがある。
このため、転がり軸受軌道輪の焼入れを、1個ずつ高周波焼入れで行うことを試みた。高周波焼入れでは、必要個数だけを処理することができ、処理品間のばらつきの小さい均一な熱処理が可能となる。
しかしながら、一般的な高周波焼入れでは変形や焼き割れが生じることがある。特に、転がり軸受軌道輪は、性能確保のために寸法や形状の精度が厳しく求められ、熱処理に伴う歪みの発生は、できるだけ避ける必要がある。また、焼入れの際、特に軌道面の不完全焼入れ層が発生すると、著しく転がり寿命が低下するため、その発生を抑制する必要がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、焼入れ時に不完全焼入れ層がなく、且つ変形や焼き割れの生じにくい転がり軸受軌道輪の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の転がり軸受軌道輪の製造方法で使用される高周波焼入れ装置は、転がり軸受軌道輪からなるワークを誘導加熱する高周波加熱コイルに、焼入れ冷却用のガスの流路と、この流路内のガスを当該ワークに向けて吐出するための吐出口とを設け、前記流路に焼入れ冷却ガスを供給する焼入れ冷却ガス供給装置を接続する。また、転がり軸受軌道輪からなるワークの加熱コイルを挟んだ反対側、つまり加熱コイルをワークの外周側に配設した場合には内周側に、加熱コイルをワークの内周側に配設した場合には外周側に、夫々、冷却ジャケットを配設する。なお、焼入れ冷却用のガスとしては、非酸化性ガスを用いることが好ましく、そのようにすれば、焼入れ処理時の冷却媒体によるワーク表面の酸化防止効果も合わせて得ることができる。
転がり軸受軌道輪からなるワークの有効肉厚を5.0mm以下とする。有効肉厚tの計算には、下記1式を用いる。
t=t1−(t1−t2)/4 ……… (1)
t:有効肉厚
1:最大肉厚
2:最小肉厚
この高周波焼入れ装置を用いると、加熱コイルで誘導加熱された転がり軸受軌道輪からなるワークは、当該加熱コイル及び冷却ジャケットから吐出されるガスで急冷されて焼入れされる。ガス冷却では、水などの冷却液で冷却する場合に比べて、緩やかに冷却されることになり、そのため、変形や焼き割れが生じにくく、またリング状のワークの内周側と外周側とから冷却されることにより均一に焼入れを行うことができる。一般の鋼材では、冷却時間が長くなると焼入れを行うことができないが、有効肉厚5mm以下の薄肉のワークでは、冷却時間を短くすることができる。また、ワークの肉厚が薄い場合は、焼入れ冷却液で冷却すると変形や焼き割れが生じやすく、ガス冷却を行うことで、冷却速度むらによる変形や焼き割れ防止に優れた効果が得られる。
焼入れ冷却用のガスとしては、不活性ガスである窒素ガスなどの非酸化性ガスを用いることが好ましく、これにより転がり軸受軌道輪からなるワーク表面が酸化してスラッジが生じるのを防止する。このように、非酸化性ガスによるガス冷却とすることで、ワークの変形、焼き割れの防止、焼入れの均一化と共に、ワーク表面の酸化防止効果も得られる。
この発明では、前記高周波加熱コイルが単巻のものであり、前記ワークが転がり軸受軌道輪であり、このワークを支持して、高周波加熱コイルに対して回転させ、必要に応じて上下に移動するワーク支持手段を設ける。リング状の転がり軸受軌道輪からなるワークの内周又は外周に高周波加熱コイルを配設し、ワークを100min-1以上の速度で回転させることで、全周にわたり均等な加熱、及びその後の焼入れのための冷却を行うことができる。100min-1より遅い回転では、不均一な加熱・冷却となり、ワークの変形が大きくなる。また、ガス冷却の際のガス圧は0.3MPa以上とする。0.3MPaより低いガス圧では冷却速度が低くなり、臨界冷却速度に到達しないため、不完全焼入れとなる。100min-1以上の速度でワークを回転させ、0.3MPa以上のガス圧で冷却ガスを吹付けることにより、焼入れ品質が全周に均等なものとなる。
ワークである転がり軸受軌道輪は、形状、寸法、材質共に厳しい精度、品質が求められる。そのため、ガス冷却が可能な材質の軌道輪の場合は、前述のようにガス冷却とし、また回転させながら加熱・冷却を行うことにより形状・寸法、材質などの精度、品質上の利点が効果的に発揮される。
而して、本発明のうち請求項1に係る転がり軸受軌道輪の製造方法は、冷却用のガスの流路が形成され、且つこの流路内のガスを転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方に向けて吐出する吐出口が形成され、且つ前記流路に冷却用ガスを供給する冷却ガス供給装置が接続された高周波加熱コイルと、ワークの外周側又は内周側の何れか他方をガスで冷却可能な冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、前記加熱コイルの吐出口からワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項2に係る転がり軸受軌道輪の製造方法は、転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方を加熱する高周波加熱コイルと、ワークの外周側をガスで冷却可能な外周側冷却ジャケットと、ワークの内周側をガスで冷却可能な内周側冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、前記外周側冷却ジャケット及び内周側冷却ジャケットからワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることを特徴とするものである。
以上より、本発明のうち請求項1に係る転がり軸受軌道輪の製造方法によれば、冷却用のガスの流路が形成され、且つこの流路内のガスを転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方に向けて吐出する吐出口が形成され、且つ流路に冷却用ガスを供給する冷却ガス供給装置が接続された高周波加熱コイルと、ワークの外周側又は内周側の何れか他方をガスで冷却可能な冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、加熱コイルの吐出口からワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることとしたため、全周にわたり均等な加熱、及びその後の焼入れのための冷却を行うことができ、焼入れ品質が全周に均等なものとなるので、不完全焼入れ層がなく、且つ変形や焼き割れも生じにくい。
また、本発明のうち請求項2に係る転がり軸受軌道輪の製造方法によれば、転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方を加熱する高周波加熱コイルと、ワークの外周側をガスで冷却可能な外周側冷却ジャケットと、ワークの内周側をガスで冷却可能な内周側冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、外周側冷却ジャケット及び内周側冷却ジャケットからワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることとしたため、全周にわたり均等な加熱、及びその後の焼入れのための冷却を行うことができ、焼入れ品質が全周に均等なものとなるので、不完全焼入れ層がなく、且つ変形や焼き割れも生じにくい。
次に、本発明の転がり軸受軌道輪の製造方法の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の転がり軸受軌道輪の製造方法に用いられる高周波焼入れ装置の概略構成図であり、図2は、その高周波焼入れ装置の加熱コイルの斜視図である。この高周波焼入れ装置は、転がり軸受軌道輪からなるワークWの外周側に配設された加熱コイル1と、この加熱コイル1に高周波電流を供給する高周波電源2と、転がり軸受軌道輪からなるワークWを支持するワーク支持装置3と、焼入れ冷却ガス供給装置4とを備える。転がり軸受軌道輪からなるワークWは、周知のようにリング状であり、図1は断面を示している。なお、本実施形態のワークWは深溝玉軸受の外輪であり、ワークWの材質はSUJ2である。
高周波電源2は、交流商用電源などから電源盤6を介して得た電流を、所定周波数の高周波電流に変換して加熱コイル1に供給するものであり、サイリスタインバータ式やトランジスタインバータ式などのものが使用される。高周波電源2と加熱コイル1との間には図示しない電源変換器を介装する。
加熱コイル1は円筒形の単巻のものであり、内部には焼入れ冷却ガスのための、加熱コイル1に沿った円環状の流路7を有し、転がり軸受軌道輪であるワーク1の外周側に焼入れ冷却ガスを吐出するための吐出口8が流路7の内周側に多数形成されている。加熱コイル1の断面形状は、図1に示すように、長方形乃至正方形状とされる。また、円筒形の加熱コイル1の外周面には、周方向の複数箇所に、焼入れ冷却ガスを供給するためのパイプ状の接続口9が設けられており、この接続口9に焼入れ冷却ガス供給装置4が接続され、所定のタイミングで焼入れ冷却ガスが供給される。焼入れ冷却ガスには、非酸化性ガス、例えば窒素ガスなどの不活性ガスが用いられる。
なお、加熱コイル1は、図2の斜視図に示すように、円筒形の一部が分割されており、その分割部分の両端に一対の端子板10を夫々接続し、二枚の端子板10の間に絶縁板11が挟み込まれている。この二枚の端子板10に、前記電源変換器を介して高周波電源2が接続されている。
ワーク支持装置3は、転がり軸受軌道輪であるワークWを載せる突部12と、突部12の基板となる円板状の支持部材13とを備え、支持部材13をモータなどの駆動源14で回転させることにより、ワークWを加熱コイル1に対して回転させることができる。支持部材13は、円筒形の加熱コイル1と同心に配設されており、図示しない昇降装置によって昇降される。突部12は、転がり軸受軌道輪であるワークWとの接触面積をできるだけ小さくするために、球形又は半球形としてあり、円板状の支持部材13の外周部の縁周方向の複数箇所(例えば3カ所)に等配されている。この突部12の材質はセラミックスなどからなる。
ワーク支持装置3の上方、且つ転がり軸受軌道輪であるワークWの内周には、当該ワークWの内周側に焼入れ冷却ガスを吐出して冷却する円筒状の冷却ジャケット15が配設されている。この冷却ジャケット15の内部には、冷却ジャケット15の形状に沿った円環状の流路16が形成され、転がり軸受軌道輪であるワーク1の内周側に焼入れ冷却ガスを吐出するための吐出口17が流路16の外周側に多数形成されている。冷却ジャケット15の断面形状は、図1に示すように、長方形乃至正方形状とされる。また、円筒形の冷却ジャケット15の外周面には、周方向の複数箇所に、焼入れ冷却ガスを供給するためのパイプ状の接続口18が設けられており、この接続口9に焼入れ冷却ガス供給装置4が接続され、所定のタイミングで焼入れ冷却ガスが供給される。
この高周波焼入れ装置による熱処理過程を説明する。まず、ワーク支持装置3の突部12上に転がり軸受軌道輪からなるワークWを載置し、それを加熱コイル1内にセットする。その状態で、駆動源14によりワーク支持装置3を回転し、支持部材13上のワークWを回転させながら、加熱コイル1に高周波電源2から高周波電流を供給する。加熱コイル1に高周波電流が供給されると、交番磁力が発生し、転がり軸受軌道輪からなるワークWが誘導加熱される。即ち、ワークWを通る磁束の変化によって過電流損やヒステリシス損などが生じ、それらにより発熱現象が生じる。
転がり軸受軌道輪からなるワークWの温度が焼入れ前加熱最高温度、つまりオーステナイト化温度まで昇温したら、その温度を一定時間維持した後、加熱コイル1及び冷却ジャケット15内に焼入れ冷却ガスを供給して、加熱コイル1の吐出口8から当該ワークWの外周側に焼入れ冷却ガスを吐出すると共に、冷却ジャケット15の吐出口1から当該ワークWの内周側に焼入れ冷却ガスを吐出する。これにより、転がり軸受軌道輪からなるワークWが急冷されて焼入れされる。
この急冷はガス冷却であるため、液冷却に比べて冷却速度が遅く、そのため焼入れ後の変形が少なく、焼き割れも生じにくく、且つ全体に均等な焼入れが行われる。一般の鋼材では冷却時間を長くすると焼入れできないが、ワークの材質によっては、冷却時間を長くしても焼入れ可能なものがある。このように冷却時間が長くても焼入れ可能なワークは、冷却時間を長くすることで変形や焼き割れが生じにくくなり、また均等な焼入れを行うことができ、そのような緩やかな冷却は、ガスを用いて行うことが好ましい。また、ワークWの肉厚が薄い場合は、焼入れ冷却液で冷却すると変形や焼き割れが生じやすく、ガス冷却を行うことで、冷却速度が速くなりすぎることにより変形や焼き割れを防止することが可能となる。なお、前述した有効肉厚tの算出にあたり、深溝玉軸受の内外輪の最大肉厚t1、最小肉厚t2は図3の通りである。
この実施形態では、単巻の加熱コイル1を用い、その内側で、ワーク支持装置3でワークWを回転させながら誘導加熱し、加熱コイル1及び冷却ジャケット15を用いてガス冷却により急冷して焼入れを行うため、薄肉リング状のワークW全周にわたって均一に加熱、冷却でき、このため焼入れ品質が全周に均等なものとなる。従って、ワークWが、形状、寸歩奥、材質など、厳しい精度、品質が求められる転がり軸受軌道輪である場合は、この実施形態の高周波焼入れ装置による精度、品質上の利点が効果的に発揮される。また、焼入れ冷却ガスとして非酸化性ガスを用いることにより、焼入れ処理時の冷却媒体によるワーク表面の酸化防止効果も合わせて得ることができる。
なお、この実施形態では、加熱コイル1を転がり軸受軌道輪からなるワークWの外周に、冷却ジャケット15をワークWの内周に配設したが、加熱コイル1及び冷却ジャケット15のレイアウトは、その逆でもよい。図4には、転がり軸受軌道輪からなるワークWの内周に配設される加熱コイル1の一例を示す。このように、転がり軸受軌道輪からなるワークWの内周に加熱コイル1を配設する場合には、端子板を加熱コイル1の内側に配設する必要がある。
下記表1に、本実施形態の転がり軸受軌道輪の製造方法における鋼の焼入れ方法による焼入れ実施結果を示す。ワークは、実施例、比較例共に、JIS SUJ2鋼製の外径50mmの深溝玉軸受の外輪である。比較例1〜3はガス冷却焼入れ、比較例3は油焼入れのみの結果である。なお表1には、軌道面硬さ、転動疲労寿命及び熱処理変形量を示す。転動疲労試験は、潤滑油としてタービンオイル#68を用い、接触応力5.8kN/mm2、回転数3200min−1の条件で行った。また、軌道面硬さは、表面から50μmの位置をマイクロビッカースで測定した。変形量は、テーブル回転式真円度測定器タリロンドを用いて、焼入れ前後の真円度を測定し求め、サンプル数n=30の最大変形量を求めた。これらの結果から明らかなように、本発明の実施例のものは、高い硬さ、優れた疲労寿命、並びに良好な熱処理変形量を示していることが分かる。
Figure 2007332411
次に、本発明の転がり軸受軌道輪の製造方法の第2実施形態について、図5を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態における高周波焼入れ装置の加熱コイル1のワーク外周側冷却機能が、外周側冷却ジャケット20として別体化されたものであり、同等の機能の構成には第1実施形態と同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。なお、図には、高周波電源、焼入れ冷却ガス供給装置、配電盤、モータなどの駆動源を省略している。また、冷却ジャケット15は、内周側冷却ジャケット15とも記す。内周側冷却ジャケット15は外周側冷却ジャケット20の内側に配設されている。
この高周波焼入れ装置による熱処理では、まずワーク支持装置3で、転がり軸受軌道輪からなるワークWを支持し、当該ワークWを加熱コイル1の内部にセットし、当該ワークWを100min-1以上の速度で回転しながら加熱コイル1で当該ワークWの外周側から加熱することで当該ワークWの全周にわたって均等に加熱する。次いで、ワーク支持装置3を上昇して転がり軸受軌道輪からなるワークWを外周側冷却ジャケット20と内周側冷却ジャケット15の間にセットする。その状態で、ワーク支持装置3により転がり軸受軌道輪からなるワークWを100min-1以上の速度で回転しながら、外周側冷却ジャケット20から当該ワークWの外周側に向けて焼入れ冷却ガスを0.2MPa以上の圧力で吐出すると共に、内周側冷却ジャケット15から当該ワークWの内周側に向けて焼入れ冷却ガスを0.2MPa以上の圧力で吐出し、当該ワークWを急冷して焼入れする。
この場合も、前記第1実施形態と同様の効果が得られるほか、既存の加熱コイル1を使用することができ、発明を実施化しやすい。
なお、転がり軸受軌道輪からなるワークは深溝玉軸受の外輪に限らず、円錐ころ軸受などの軸受リングも同様に適用可能であり、特に薄肉の軸受リングに対して高い効果が得られる。
本発明の転がり軸受軌道輪の製造方法の第1実施形態を示す高周波焼入れ装置の概略構成図である。 図1の加熱コイルの斜視図である。 深溝玉軸受の軌道輪における最大肉厚、最小肉厚の説明図である。 加熱コイルのほかの例を示す斜視図である。 本発明の転がり軸受軌道輪の製造方法の第2実施形態を示す高周波焼入れ装置の概略構成図である。
符号の説明
1は加熱コイル)
2は高周波電源
3はワーク支持装置
4は焼入れ冷却ガス供給装置
6は配電盤
7は流路
8は吐出口
9は接続口
12は突部
13は支持部材
14は駆動源
15は冷却ジャケット(内周側冷却ジャケット)
16は流路
17は吐出口
18は接続口
20は外周側冷却ジャケット

Claims (2)

  1. 冷却用のガスの流路が形成され、且つこの流路内のガスを転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方に向けて吐出する吐出口が形成され、且つ前記流路に冷却用ガスを供給する冷却ガス供給装置が接続された高周波加熱コイルと、ワークの外周側又は内周側の何れか他方をガスで冷却可能な冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、前記加熱コイルの吐出口からワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることを特徴とする転がり軸受軌道輪の製造方法。
  2. 転がり軸受軌道輪であるワークの外周側又は内周側の何れか一方を加熱する高周波加熱コイルと、ワークの外周側をガスで冷却可能な外周側冷却ジャケットと、ワークの内周側をガスで冷却可能な内周側冷却ジャケットとを備えた高周波焼入れ装置を用いる転がり軸受軌道輪の製造方法において、有効肉厚5mm以下の前記ワークを100min-1以上の速度で回転し、前記外周側冷却ジャケット及び内周側冷却ジャケットからワークへ吐出されるガスの圧力を0.3MPa以上とすることを特徴とする転がり軸受軌道輪の製造方法。
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