JP2009167484A - 筒形金属部材用熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒形金属部材の内周面に対して残留歪みが少なく生産性の高い熱処理が可能な筒形金属部材用熱処理装置を提案する。
【解決手段】筒形金属部材50の内周面に対して間隙Sを設けて挿入される高周波加熱部12と、間隙Sに冷却媒体Wを供給して筒形金属部材50を内周面側から冷却する第一冷却部16と、筒形金属部材50の外周面を囲繞する保持部材14と、保持部材14の外周面14bに対して冷却媒体Wを供給して筒形金属部材50を外周面側から冷却する第二冷却部18と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒形金属部材の内周面に対して熱処理を施す熱処理装置に関する。
ボールやローラ等の転動体を介して軌道体と移動体とが係合する運動装置として、例えば、ボールスプライン装置やボールネジ装置等の直動案内装置が知られている。
直動案内装置は、長手方向に沿ってボール(転動体)の転走面が形成された軌道レール(軌道体)と、無限循環するボール列を具備すると共にボールを介して軌道レールに組み付けられる移動ナット(移動体)とから構成される。
このような直動案内装置は、ボール転走面の磨耗を抑えて、直動案内装置を精度良く且つ長期に亘って維持する観点から、軌道レールや移動ナットに対して熱処理を施して所定の硬度を有するように形成されている。特に、ボール転走面を熱処理することが重要である。
従来、直動案内装置の構成部材に対しては、浸炭焼入れ処理を施すのが一般的であり、処理時間に長時間を要し、生産性が低下してコストアップの原因になっていた。
このため、特許文献1に開示されるように、高周波焼入を行うことが提案されている。
特開平11−209844号公報
しかしながら、筒形金属部材である移動ナットに対しては、その形状の影響もあって、汎用の高周波焼入装置では、その内周面(特にボール転走面)のみを硬化させることが困難であるため、防炭処理・浸炭焼入れを行わざるをえず、生産性の低下が問題となっている。
また、ボールスプライン装置やボールネジ装置等の案内装置においては、小型化の要請もあって、筒形金属部材である移動ナットにおいては薄肉化が必要とされている。このため、特に薄肉化された移動ナットに対して焼入を行うと熱変形が発生し、歪みが残って、案内装置の高精度化が困難となってしまうという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、筒形金属部材の内周面に対して、残留歪みの少ない熱処理を施すことが可能であり、また、生産性の高い、筒形金属部材用熱処理装置を提案することを目的とする。
本発明に係る筒形金属部材用熱処理装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、筒形金属部材の内周面に対して間隙を設けて挿入される高周波加熱部と、前記間隙に冷却媒体を供給して前記筒形金属部材を内周面側から冷却する第一冷却部と、前記筒形金属部材の外周面を囲繞する保持部材と、前記保持部材の外周面に対して冷却媒体を供給して前記筒形金属部材を外周面側から冷却する第二冷却部と、を備えることを特徴とする。
これにより、保持部材により筒形金属部材の変形を抑えつつ、筒形金属部材の内周面に対して加熱処理と冷却処理を施すことができる。
また、前記筒形金属部材に前記高周波加熱部を挿入した状態で、前記筒形金属部材を前記高周波加熱部に対して相対的に回転させる回転部を備えることを特徴とする。
これにより、筒形金属部材の内周面をムラなく均一に熱処理することができる。
また、前記第二冷却部により前記筒形金属部材を冷却しつつ、前記高周波加熱部により前記筒形金属部材を加熱し、前記高周波加熱部による加熱を停止させた後に前記第一冷却部により前記筒形金属部材を冷却させる制御部を備えることを特徴とする。
これにより、温度プロファイルを任意に設定することができ、所望の熱処理を実現することができる。
また、前記筒形金属部材は、厚さ10mm以下の薄肉部材であることを特徴とする。
特に、薄肉の筒形金属部材の場合に、熱処理による変形を抑えることができる。
また、前記筒形金属部材は、軌道体に対して転動体を介して相対移動する移動体であることを特徴とする。
また、前記筒形金属部材は、ボールスプライン装置のナット部材であることを特徴とする。
また、前記筒形金属部材は、ボールネジ装置のナット部材であることを特徴とする。
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
筒形金属部材の内周面に対して、残留歪みの少ない熱処理を施すことができ、また、生産性の高い熱処理を施すことができる。
したがって、軌道体に対して転動体を介して相対移動する移動体(ボールスプライン装置やボールネジ装置のナット部材)に対して変形を与えることなく、所望の熱処理を施すことができ、高精度な運動装置を実現することができる。
以下、本発明に係る筒形金属部材用熱処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る熱処理装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、被熱処理物であるナット部材の上面図及び断面図である。
本実施形態に係る熱処理装置10は、ナット部材50の内周面54に対して熱処理を施すものであって、被熱処理物であるナット部材50の内周面に挿入される高周波加熱部12、ナット部材50の外周面55を取り囲む保持部材14、ナット部材50を内周面54側から冷却する第一冷却部16、保持部材14を介してナット部材50を外周面55側から冷却する第二冷却部18、ナット部材50を載置しつつその中心軸周りに回転させる回転テーブル22及びこれらを統括的に制御する制御部30等を備える。
なお、熱処理装置10のうち制御部30等を除く主要部は、チャンバ11内に収容されており、熱処処理時の輻射熱や後述する冷却水Wが外部に漏出しないようになっている。
被熱処理物であるナット部材50は、回転テーブル22上に、回転テーブル22の回転軸とナット部材50の中心軸とが一致するように載置される。具体的には、回転テーブル22上にはリング形の保持部材14が、回転テーブル22の回転軸と保持部材14の中心軸とが一致するように載置される。そして、ナット部材50が保持部材14に挿入される。
ナット部材50の一端側にはフランジ52が形成されており、また、保持部材14の長さ(高さ)は、ナット部材50よりも長く形成されているため、ナット部材50の他端側が回転テーブル22の上面22aに触れることなく、回転テーブル22から離間した状態で保持される。
保持部材14は、その内径がナット部材50の外径と略等しく、厚みがナット部材50に比べて十分に厚く形成されている。ナット部材50の外周面を保持部材14により略密着するように取り囲むことにより、ナット部材50に熱処理を施した際に、ナット部材50の熱変形を抑制(矯正)するためである。
また、保持部材14は、熱伝導率の高い材料(鉄、銅、アルミニウム等)により形成されている。ナット部材50を外周面55側から効率よく冷却するためである。
高周波加熱部12は、丸棒状に形成されたコイル12aとこのコイル12aに対して高周波数の交流電流を供給する電源部12bとからなる。
高周波加熱部12のコイル12aは、被熱処理物であるナット部材50の内周面54に対して、均一な距離を隔てて挿入される。コイル12aの長さ(高さ)は、ナット部材50よりも長く形成されており、また、コイル12aの根本部分にはフランジ12cが設けられている。そして、このフランジ12cをナット部材50のフランジ52に当接することで、ナット部材50に対するコイル12aの挿入位置が一定となるようになっている。
そして、ナット部材50の内周面54に対して間隙Sを設けて挿入したコイル12aに高周波数の交流電流を供給すると、コイル12aの近傍に配置された導電体、すなわちナット部材50には高密度の渦電流が発生し、そのジュール熱によりナット部材50が加熱されるようになっている。
高周波加熱は、ナット部材50の単位面積に供給される単位時間当りのエネルギーが大きいので、高速加熱・高温加熱が可能である。また、ナット部材50自体が加熱するので、熱損失が小さく、加熱効率が大きい。更に、コイル12aの配置、交流電流の周波数・出力を選定することにより、ナット部材50を局所的に加熱したり、全体を加熱したり、また、温度制御を容易に行うことができる等の利点がある。
第一冷却部16は、コイル12aとナット部材50との間に形成される間隙Sに対して、コイル12aの挿入方向とは反対方向に冷却水(冷却媒体)Wを流すことで、ナット部材50を内周面54側から冷却するものである。
第一冷却部16は、冷却水Wを通水する管形の冷却ジャケット16jを備えており、この冷却ジャケット16jは、回転テーブル22の回転中心に形成された開口に下方から挿通され、保持部材14に一部が挿入される。そして、ナット部材50の下方側(他端側)から、ナット部材50に向けて冷却水Wを流すことで、コイル12aとナット部材50との間に形成された間隙Sに冷却水Wが流れ込み、ナット部材50の上方側(フランジ側)に流出する。
これにより、冷却水Wは、ナット部材50から熱を吸収(熱交換)し、ナット部材50を内周面54側から冷却する。
第二冷却部18は、ナット部材50を保持する保持部材14の外周面14bに対して冷却水Wを流すことで、保持部材14を介してナット部材50を外周面55側から冷却するものである。
第二冷却部18は、冷却水Wを通水するリング形の冷却ジャケット18jを備えており、保持部材14の外周面14bをこの冷却ジャケット18jで覆い、冷却ジャケット18jの内面側に形成された複数の孔から保持部材14の外周面14bに向けて冷却水Wが供給される。冷却水Wは、保持部材14と冷却ジャケット18jとの間を、外周面14bに沿って上下方向に流れるようになっている。
これにより、冷却水Wは、保持部材14を介してナット部材50から熱を吸収(熱交換)し、ナット部材50を外周面55側から冷却する。
なお、第一冷却部16の冷却ジャケット16jから供給されてナット部材50の上方側に流出した冷却水W及び第二冷却部18の冷却ジャケット18jから供給されて保持部材14の上下側に流出した冷却水Wは、それぞれチャンバ11内で回収され、不図示の冷却装置により冷却された後に、再び冷却ジャケット16j,18jに通水されるようになっている。
回転テーブル(回転部)22は、その上面22aに保持部材14を介してナット部材50を載置した状態で、ナット部材50をその中心軸周りに回転させるものである。
高周波加熱部12を、第一冷却部16及び第二冷却部18を作動させている際に、ナット部材50を回転させることで、ナット部材50を均一に加熱・冷却することが可能となっている。したがって、ナット部材50に、均一な金属組織を形成することができる。
制御部30(不図示)は、高周波加熱部12の電源部12b、第一冷却部16、第二冷却部18、回転テーブル22を統括的に制御するものである。具体的には、電源部12bの出力・周波数・加熱時間、第一冷却部16及び第二冷却部18のON/OFF(冷却時間)若しくは流量、水圧、回転テーブル22のON/OFF若しくは回転数等を制御・調整することで、ナット部材50に所望の熱処理(図3(a)参照)を施すことができる。
図2に示すナット部材(筒形金属部材、移動体)50は、熱処理装置10における被熱処理物の一例であって、後述するボールスプライン装置100の一構成部品である。
ナット部材50の内周面54には、ボール(図6,図8参照)やローラが転動するための転走面56が長手方向に沿って、例えば10箇所(5組)形成される。この転走面56は、ボールやローラを介して負荷がかかるため、例えばHV500以上の硬さとなるように熱処理(焼入焼もどし)が施される。焼入れは、表面から深さ1〜2mm程度の深さまで施される。
なお、ナット部材50は、例えば、炭素Cを0.5%、マンガンMnを1%程度含む炭素鋼である。
図3は、熱処理装置10による熱処理の温度プロファイルの一例を示す図である。
図3(a)に示すように、ナット部材50に対する熱処理(焼入れ)では、まず、第二冷却部18を作動させて、これと同時若しくはやや遅れて高周波加熱部12を作動させる。この際、回転テーブル22も作動させる。
第二冷却部18による冷却よりも、高周波加熱部12による加熱の方が、ナット部材50に対して直接かつ高速に作用するので、ナット部材50は、図3(a)に示すように、所望温度まで加熱される。
次に、高周波加熱部12による加熱を停止して、しばらくその状態を維持する。これにより、ナット部材50は第二冷却部18により徐冷される。そして、第一冷却部16を作動させて、ナット部材50を内周面54側から急冷する。これにより、ナット部材50をマルテンサイト化することができる。
なお、ナット部材50に対しては、その後に、焼もどし(図3(b)参照)が施され、更に、転走面56への研削処理等が施される。
図4は、ナット部材50の焼入れ焼もどし後の金属組織を示す図である。
図4に示すように、ナット部材50の内周面54に、均一なマルテンサイト組織を形成することができた。不完全な焼入れ組織の発生はみとめられないという良好な結果となった。特に、図4(a)〜(c)に示すように、高周波加熱部12のコイル12aに最も近接する転走面56周辺を良好に熱処理できたことが分かる。
このように、熱処理装置10を用いて熱処理を行った場合には、ナット部材50の内周面54に均一な金属組織を形成することができる。
図5は、ナット部材50の焼入れ処理前後の寸法変化を示す図である。図5は、ナット部材50の内周面54の3箇所の円筒度を測定し、その最大値と最小値の差を示している。
図5に示すように、熱処理装置10を用いた場合には、従来に比べて変形が少ないことが分かる。従来例の場合には、ナット部材50の内周面54の円筒度は、最大値と最小値の差が30μm程度であった。一方、熱処理装置10を用いて熱処理した場合には、円筒度の最大値と最小値の差は12μm程度に改善されている。つまり、熱処理装置10を用いた場合には、ナット部材50の形状が、熱処理を経ても維持されていることが分かる。
このように、熱処理装置10を用いて熱処理を行った場合には、ナット部材50の変形を最小限に抑えることができる。
なお、円筒度に限らず、真円度、直線度、平坦度等の幾何公差は、いずれも改善(残留変形の抑制)が見られた。
図6は、ボールスプライン装置100を示す図である。
ボールスプライン装置(運動装置)100は、略円柱状に形成されたスプライン軸(軌道体)101と、略円筒状に形成されると共に多数のボール(転動体)103を介してスプライン軸101に組付けられた外筒(移動体)102とから構成されており、外筒102がスプライン軸101の周囲を軸方向へ自在に往復移動するように構成されている。
上述したナット部材50は、外筒102の外筒本体104に用いられる。
スプライン軸101の外周面には、軸方向に沿って6つのボール転走面110が形成されており、ボール103はこれらボール転走面110を転走しながら外筒102とスプライン軸101との間で荷重を負荷される構成となっている。
各ボール転走面110は、長手方向と垂直な断面における形状がボール103の球面の円弧よりも僅かに大きな円弧からなるサーキュラアーク形状に形成されている。これらのボール転走面110は、2つのボール転走面110が対となって、スプライン軸101の外周面に対称的に形成されている。
一方、外筒102は、金属製の外筒本体(ナット部材)104と、この外筒本体104の軸方向の両端にボルトで螺合される一対のエンドプレート105とから構成されており、これら外筒本体104及びエンドプレート105は共にスプライン軸101が挿通される貫通孔を有している。
このように外筒本体104とエンドプレート105との組み合わせからなる外筒102は、ボール103が転走する無限循環路130がスプライン軸101に面した貫通穴の内周面に形成される構成となっている。
図7は、被熱処理物である他のナット部材の断面図である。
図8は、ボールネジ装置200を示す図である。
上述した実施形態では、ナット部材50(外筒本体104)には、内周面54にその長手方向に沿って複数の転走面56が形成されたものであったが、これに限らない。
すなわち、図7に示すように、複数(複条)の転走面56(ボール転走溝210)が螺旋状に形成される場合であってもよい。つまり、図8に示すボールネジ装置200のナット部材202であってもよい。
ボールネジ装置(運動装置)200は、ネジ軸(軌道体)201とナット部材(移動体)202とが多数のボール(転動体)203を介して螺合したものであり、ネジ軸201の外周面には、ボール203のボール転走溝210が所定のリードで螺旋状に形成されている。
ナット部材202(ナット部材50)には、ボール203が転走する無限循環路230がネジ軸201に面して形成され、無限循環路230は、ボール転走溝210と対向して形成された負荷ボール転走溝231とネジ軸201に向けて開放された無負荷転走溝232と有する。
以上、本発明に係る熱処理装置10によれば、ナット部材50の内周面54に対して、歪みの少ない熱処理を施すことができ、また、生産性の高い熱処理を施すことができる。
したがって、スプライン軸101やネジ軸201等の軌道体に対して、ボール103,203等の転動体を介して相対移動する外筒102(外筒本体104)やナット部材202等に対して変形を与えることなく、所望の熱処理を施すことができ、高精度な(直線等の)運動を行うボールスプライン装置100やボールネジ装置200等の運動装置を実現することができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、フランジ型のナット部材について説明したが、フランジレス形であってもよい。
また、ナット部材のように円筒形部材に限らず、例えば角管形であってもよい。完全な管(筒)形でなく、例えば断面がC形の部材であってもよい。
また、被熱処理物である円筒形部材は、ボールスプライン装置やボールネジ装置のような(直線)運動装置に適用されるものである必要はない。他の機械装置に適用される場合や円筒形部材自体で使用されるものであってよい。
また、被熱処理物である円筒形部材は、炭素鋼(Fe)に限らず、誘導加熱可能な金属材料により形成されていればよい。例えば、Al、Cu,Ti等であってもよい。
また、熱処理としては、焼入れの他、焼もどし、焼ならし、焼なまし等のいずれであってもよい。
また、ナット部材は、冷却水により急冷する場合に限らず、冷却油或いは冷却ガス等を用いて冷却する場合であってもよい。すなわち、冷却媒体としては、水に限らず、他の液体や気体等の流体であればよい。
本発明の実施形態に係る筒形金属部材用熱処理装置の概略構成を示す模式図である。 ナット部材の上面図及び断面図である。 熱処理装置による熱処理の温度プロファイルの一例を示す図である。 ナット部材の焼入れ処理後の金属組織を示す図である。 ナット部材の焼入れ処理前後の寸法変化を示す図である。 ボールスプライン装置を示す図である。 他のナット部材の断面図である。 ボールネジ装置を示す図である。
符号の説明
10…熱処理装置
12…高周波加熱部
14…保持部材
14b…外周面
16…第一冷却部
18…第二冷却部
22…回転テーブル(回転部)
50…ナット部材(筒形金属部材、移動体)
54…内周面
55…外周面
56…転走面
100…ボールスプライン装置
101…スプライン軸(軌道体)
102…外筒(移動体)
103…ボール(転動体)
104…外筒本体(ナット部材)
200…ボールネジ装置
201…ネジ軸(軌道体)
202…ナット部材(移動体)
203…ボール(転動体)
S…間隙
W…冷却水(冷却媒体)

Claims (7)

  1. 筒形金属部材の内周面に対して間隙を設けて挿入される高周波加熱部と、
    前記間隙に冷却媒体を供給して前記筒形金属部材を内周面側から冷却する第一冷却部と、
    前記筒形金属部材の外周面を囲繞する保持部材と、
    前記保持部材の外周面に対して冷却媒体を供給して前記筒形金属部材を外周面側から冷却する第二冷却部と、
    を備えることを特徴とする筒形金属部材用熱処理装置。
  2. 前記筒形金属部材に前記高周波加熱部を挿入した状態で、前記筒形金属部材を前記高周波加熱部に対して相対的に回転させる回転部を備えることを特徴とする請求項1に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
  3. 前記第二冷却部により前記筒形金属部材を冷却しつつ、前記高周波加熱部により前記筒形金属部材を加熱し、前記高周波加熱部による加熱を停止させた後に前記第一冷却部により前記筒形金属部材を冷却させる制御部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
  4. 前記筒形金属部材は、厚さ10mm以下の薄肉部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
  5. 前記筒形金属部材は、軌道体に対して転動体を介して相対移動する移動体であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
  6. 前記筒形金属部材は、ボールスプライン装置のナット部材であることを特徴とする請求項5に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
  7. 前記筒形金属部材は、ボールネジ装置のナット部材であることを特徴とする請求項5に記載の筒形金属部材用熱処理装置。
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