JP2005322840A - 窒化物半導体、窒化物半導体ウェハ及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体、窒化物半導体ウェハ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素子劣化を引き起こすMgを用いずに、LED、LDおよびバイポーラトランジスタなどのp型伝導層を得ること。
【解決手段】最表面にウルツ鉱型又は閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に、少なくともp型伝導層とn型伝導層を含む窒化物半導体積層構造を積層した窒化物半導体ウェハの構造とする。そのアクセプタとしての不純物としては、C、Si、Ge、Snのいずれかを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、p型伝導層を有する窒化物半導体、窒化物半導体ウェハ及びその製造方法に係り、特にLED、LDおよびバイポーラトランジスタなどの高信頼性の素子(デバイス)用の窒化物半導体を得る技術に関するものである。
発光ダイオード(LED)用、レーザーダイオード(LD)用、あるいは、バイポーラトランジスタ用などのエピタキシャルウェハであれば、その構成要素としてp型伝導層とn型伝導層、場合によってはアンドープ層をも含む。これらのp型伝導層及びn型伝導層を形成するためには、窒化物半導体中に代表的にはMg(p型ドーパント)およびSi(n型ドーパント)等の不純物原子を添加する必要がある。
しかしながら、上述のp型ドーパントのMgには、窒化物半導体中で比較的容易に拡散してしまうという欠点があり、これが上述の素子の信頼性を著しく損ねる原因となっている。より具体的に述べると、上述の素子を動作させる場合には、比較的大きな密度の電流を素子に流すことになり、この大電流によりMg原子の位置がエピタキシャル成長により実現されていたMgの配置からずれてしまい、このため設計通りの素子特性が出なくなってしまうのである。
Mgは現在知られているほとんど唯一の、窒化物半導体に対する実用的なp型ドーパントであるため、Mgの拡散による素子劣化は、素子がp型伝導層を含む構造である限り避けがたい問題となっている。一方、n型ドーパントであるSiについてはMgのような拡散は比較的少ないことが知られている。
Mgをドープして電子線を照射することによりp型化したp型層を有する青色発光ダイオードの例としては、特開平7−312445号公報(特許文献1参照)に開示された青色発光ダイオードがある。
また、特開平11−298043号公報(特許文献2参照)には、III族窒化物の閃亜鉛鉱型層とウルツ鉱型層とからなる超格子構造に、アクセプタ不純物としてMgを添加したp型伝導性薄膜層をその構造に含む半導体素子が開示されている。
特開平7−312445号公報 特開平11−298043号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に開示されるように、従来の技術はMgをp型ドーパントとしてp型伝導層を形成するものであるため、Mgの拡散による素子劣化が無視できない問題となる。そこで、Mgよりも拡散の少ないp型ドーパントを用いてp型伝導層を実現することが望まれる。
本発明の目的は、上記課題を解決し、素子劣化を引き起こすMgを用いずにp型伝導層を成長することができ、LED、LDおよびバイポーラトランジスタなどのp型伝導層を含む素子(デバイス)を得ることができる窒化物半導体、窒化物半導体ウェハ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明は、少なくとも最表面にウルツ鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に形成されたp型の窒化物半導体である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の窒化物半導体において、上記表面がウルツ鉱型の窒化物半導体の窒素極性のC面であることを特徴とする。
請求項3の発明は、少なくとも最表面に閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に形成されたp型の窒化物半導体である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の窒化物半導体において、上記表面が閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体において、上記基板がV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板であることを特徴とする。
請求項6の発明に係る窒化物半導体ウェハは、上記請求項5の窒化物半導体を形成するのに使用される、V族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体ウェハである。
請求項7の発明に係る窒化物半導体ウェハは、最表面にウルツ鉱型又は閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に、少なくともp型伝導層とn型伝導層を含む窒化物半導体積層構造を積層したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記p型伝導層を形成する基板表面がウルツ鉱型の窒化物半導体の窒素極性のC面であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7に記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記p型伝導層を形成する基板表面が閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項7〜9のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記基板がV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項7から10のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記p型伝導層がIV族の不純物をアクセプタとして含むことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項10に記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記アクセプタ不純物が、C、Si、Ge、Snのいずれかであることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項7から12のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハにおいて、上記p型伝導層のアクセプタ不純物とn型伝導層中のドナー不純物がともに同じであることを特徴とする。これには、上記p型伝導層のアクセプタ不純物と上記n型伝導層中のドナー不純物がともにSiである形態が含まれる。
請求項14の発明に係る窒化物半導体の製造方法は、請求項7〜13のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハを製造する方法であって、上記p型伝導層を気相成長するに際し、そのp型伝導層成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する比率を、n型伝導層成長時よりも低くすることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14記載の窒化物半導体の製造方法において、上記p型伝導層成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する比率を、1000以下とすることを特徴とする。例えば上記V族原料としてアンモニア(NH3)を、III族原料としてトリメチルガリウム(TMG)を用いる場合、このアンモニアの供給量のトリメチルガリウムの供給量に対する比率を1000以下とする。
<発明の要点>
本発明者は、通常はIII族サイトに混入しn型ドーパントとして働くIV族のSi等が、V族サイトに混入した場合には、理論的には、p型アクセプタとして働くことに着目し、通常はIII族サイトにしか混入し得ないIV族原子をV族サイトに混入させるための方法を発見すべく検討を行った。
その結果、従来、窒化物半導体の結晶成長においては、そのほとんどがウルツ鉱型の窒化物半導体のIII族極性のC面上に行われており、この場合にはSiなどのIV族原子はドナーとしてしか機能していなかったのが、ウルツ鉱型の窒化物半導体のV族(窒素)極性のC面上、あるいは閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の窒素極性の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)上に、窒化物半導体を成長した場合に、IV族原子をV族サイトに配置させアクセプタとして機能させ得ることを見出した。
本発明者らが別途に提案している発明においては、III族極性面上への成長においても、成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する割合を100以下とすることで、IV族原子ドープ窒化物半導体にp型導電性を付与できることを示したが、この場合の欠点としてはV族の供給量を低く押さえなければならないために、成長後の表面荒さのrms(root mean square:二乗平均平方根)の値がおよそ10nm以上になってしまうことが挙げられる。
これに対して、本発明の窒素極性面上の成長においては、IV族原子ドープ窒化物半導体にp型導電性を付与するためには、成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する割合を1000以下とすれば良く、より高いV族分圧のもとでの成長が可能となる。このため、得られるp型窒化物半導体層の表面荒さのrms値を1nm以下に抑えることができる。
以上の結果に基づき、本発明は以下のように構成される。
本明細書における主たる発明の一つは、少なくとも最表面にウルツ鉱型あるいは閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に、少なくともp型伝導層とn型伝導層を含む、窒化物半導体積層構造を積層することを特徴とする窒化物半導体ウェハであり、上記表面は閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)であるのが好ましく、またウルツ鉱型の窒化物半導体の窒素極性のC面であっても良い。
更に上記基板はV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板であるのがより好ましい。
上記の目的に供されるV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板も本発明の一つに含まれる。
上記p型伝導層は、IV族の不純物をアクセプタとして含むことが本発明の最大の特徴であり、上記アクセプタ不純物は、C、Si、Ge、Snのいずれかであるのが好ましい。
また、上記アクセプタ不純物及び上記n型窒化物半導体層中のドナー不純物がともに同じであるのが好ましく、上記アクセプタ不純物及び、上記n型窒化物半導体層中のドナー不純物がともにSiであるのがより好ましい。
上記p層成長時のV族原料供給量のIII族原料の供給量に対する比率は、n層成長時よりも低い必要がある。
発光ダイオード、レーザーダイオード、および、ホモあるいはヘテロ接合を有するバイポーラトランジスタが本発明を適用するデバイスとして好適である。
窒化物半導体の結晶成長は気相成長装置内で行うのが好ましく、例えば有機金属気相成長(MOVPE)装置又はハイドライド気相成長(HVPE)装置内で行うのが好ましい。
上記基板は窒化物半導体、サファイア、炭化珪素、珪素、ZrB2、ZnO、LiGaO2、LiAlO2からなる単結晶基板であるのが好ましい。
上記窒化物半導体は、InxAlyGazN(x≧0、y≧0、z≧0、x+y+z=1)であるのが好ましい。
本発明は、少なくとも最表面にウルツ鉱型又は閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上にp型の窒化物半導体を形成するか、又は、少なくともp型伝導層とn型伝導層を含む窒化物半導体積層構造を積層した窒化物半導体ウェハとするものであり、IV族原子をV族サイトに配置させアクセプタとして機能させることができる。すなわち、アクセプタとしての不純物として、例えばC、Si、Ge、Snのいずれかを用いることができ、従来のMgをp型ドーパントとして用いた場合に較べ拡散が少なく、従って従来の拡散による素子の劣化を抑え、信頼性を向上させることができる。
よって、本発明の窒化物半導体結晶及びその製造方法によれば、発光デバイスおよびバイポーラトランジスタの素子劣化を大幅に低減することができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、HVPE法によりサファイア基板上にウルツ鉱型のGaN単結晶層を2cmの厚さで成長した後、サファイア基板を剥離しGaN単結晶インゴットを準備した。上記のGaN単結晶インゴットから窒素極性のC面を表面にもつGaN単結晶ウェハを切り出し、表面を表面荒さのrms値が5nm以下となるように研磨した。
続いて、上記のGaN単結晶ウェハをMOVPE装置内に導入し、760Torr(約1013hPa)でキャリアガス流量を80slm、キャリアガス中の窒素/水素の体積比を1として、アンモニアガス流量を20slmとして、基板温度を1075℃に設定した。基板温度が1075℃に達した段階で、Ga原料であるトリメチルガリウム(TMG)を850μmol/minのレートで供給し、アンドープGaNを4μm/時の成長速度で2μm成長した。
続いて、総流量を100slm、アンモニアガス以外のキャリアガス中の窒素/水素の比率を4/3とし、更に水素希釈で濃度5ppmのシラン(SiH4)をMOVPE装置に導入し、SiドープGaN層を1時間成長した。SiドープGaN層成長時のSiH4/TMG(トリメチルガリウム、ガリウム原料)のモル比、およびTMGの供給量は、それぞれ1×10-4、及び、850μmol/minで固定とした。
本実施例では、上記の条件を固定したまま、SiドープGaN層成長時のアンモニア流量を40から0.05slmの間で変えた6種類の試料を成長し、それぞれの試料の導電型及びキャリア密度をHall測定により、測定した。ここで、本実施例の条件においては、アンモニア流量を40から0.05slmの間で変えるということは、アンモニアとTMGの供給量の比率(モル比)を、2110から2.6の間で変えることに対応している。
Hall測定の結果を図1に示す。横軸にアンモニアとTMGの供給量の比率を、縦軸にキャリア濃度を示しており、さらに図中の黒丸は当該条件でn型の試料が得られたことを示しており、また白四角は当該条件でp型の試料が得られたことを示している。
図1に示したように、アンモニアとTMGの供給量の比率が1000以下の場合において、SiドープGaN層においてp型の導電性が得られることが明らかとなった。得られた、正孔濃度は1〜2×1018/cm3であった。特にアンモニアとTMGの供給量の比率が500から1000の間においては、表面荒さのrms値が1nm以下の非常に平坦なエピタキシャル膜が得られた。アンモニアとTMGの供給量の比率が100以下の場合には、表面荒さのrms値が10nm以上となり、若干荒れた表面のエピタキシャル膜となった。
<実施例2>
次に実施例1と同様な条件で、且つSiドープGaN層成長時のアンモニアとTMGの供給量の比率を100として、SiH4/TMGのモル比を8×10-6から3×10-4の間で変えて、成長行った。その結果、図2に示すように、SiドープGaN中の正孔濃度は、SiH4/TMGのモル比により1×1017から5×1018cm-3の間で制御できることが明らかとなった。
<実施例3>
次に、HVPE法によりサファイア基板上に閃亜鉛鉱型のGaN単結晶層を2cmの厚さで成長した後、サファイア基板を剥離しGaN単結晶のインゴットを準備した。上記のGaN単結晶インゴットから(n11)B面(n=1、2、3、4、5)を表面に持つGaN単結晶ウェハを切り出し、表面を表面荒さのrms値が5nm以下となるように研磨した。
続いて、上記のGaN単結晶ウェハをMOVPE装置内に導入し、実施例1と同じ条件で、2μmのアンドープGaN層を成長し、更に実施例1と同じ条件でアンモニアとTMGの供給量の比率を1000として、SiドープGaN層を1時間成長した。これらの試料に対してHall測定を行ったところ、全ての試料がp型の導電性を示し、それらの正孔濃度は0.8〜2.2×1018/cm3であった。
<実施例4>
次に、実施例1と同様な条件でウルツ構造型の窒素極性のC面を表面とするGaN単結晶ウェハ(GaNからなる基板1)上に、図3の如く1μmのアンドープGaN層2を成長し、その上にアンモニアとTMGの供給量の比率を3000として電子濃度が5×1018cm-3のn型GaN層3を4μm成長した。その後基板温度を1075℃から750℃に下げ、6周期のInGaN/GaN量子井戸構造4を形成した。次に再び基板温度を1075℃として、実施例1に記載した条件で、且つアンモニアとTMGの供給量の比率を1000として、正孔濃度が5×1018cm-3のSiドープp型GaN層5を200nm成長した。
比較のために、同様な構造で、且つ最上層にMgドープのp型GaN(正孔濃度=1×1018cm-3)をアンモニアとTMGの供給量の比率を3000として成長したウェハも製作した。
それぞれのウェハに、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)装置によるエッチング、n型電極7形成、p型電極6形成を行い、図3に示すLED構造を製作した。
いずれのLEDも、通電時には波長460nmの青色発光を示し、20mA通電時の出力は、本発明によるLEDは8.2mWであり、比較試料によるLEDは8.1mWでほぼ同じであった。しかしながら、20mA通電で1000時間のエージングを行った後の出力(20mA通電時)は、本発明によるLEDは8.2mWと劣化が見られなかったのに対して、従来のMgドープを用いた比較試料によるLEDは4.2mWにまで低下していた。
本発明によるLEDは、p型ドーパントとして拡散の少ないSiを用いたために、従来型の比較試料よりも大幅にLEDの信頼性が向上したものと考えられる。
<実施例5>
実施例4と同様なLED構造を、活性層のInGaN量子井戸のIn組成のみを発光波長が405nmとなるように変えて成長した。
成長直後には、本発明によるLED及び比較試料によるLEDの出力は、それぞれ9.2mWと、8.8mWであったが、20mA通電で1000時間のエージング後の20mA通電時の出力は、それぞれ8.7mW及び、4.7mWとなり、この場合にもSiドープp型GaN層を有する本発明によるLEDの信頼性が、従来型の比較試料よりも高いことが示された。
<実施例6>
次に、実施例5と同様なLED構造を、n型ドーパント及びp型ドーパントを共に、(1)C、(2)Ge、(3)Snとした3種類のLEDを製作し、それぞれのLEDの成長直後、及び、20mA、1000時間通電後の出力を調べた。その結果、(1)の場合は8.8→8.6mW、(2)の場合は、7.8→7.5mW、(3)の場合は6.5→6.3mWとなり、いずれの場合においても、実施例3で述べた従来型の比較試料によるLEDと比較すると、出力低下の割合が低く、信頼性が向上していることが明らかとなった。
<実施例7>
実施例5と同様なLED構造において、InGaN/GaN量子井戸と、Siドープp型GaNの間に、(1)Siドープp型Al0.1Ga0.9N及び、(2)Siドープp型In0.05Al0.15Ga0.8Nを成長した2種類のLED構造を成長した。
また、比較のために(3)Mgドープp型Al0.1Ga0.9N及び、(4)Mgドープp型In0.05Al0.15Ga0.8Nを、InGaN/GaN量子井戸と、Mgドープp型GaNの間に挿入した2種類のLED構造をも成長した。
それぞれのLEDの成長直後、及び20mA、1000時間通電後の出力はそれぞれ、(1)10.1→9.9mW、(2)9.8→9.8mW、(3)10.0→4.5mW、(4)9.3→3.3mWとなった。本発明のSiドープによるp型層を持つ(1)及び(2)のLEDにおいては、従来型の(3)と(4)のLEDよりも出力低下の割合が小さく、信頼性が向上していることが明らかである。
<実施例8>
本実施例では、ヘテロ・バイポーラ・トランジスタ(HBT)用のエピタキシャルウェハを製作した。
本実施例では、実施例4と同様に、ウルツ鉱型の窒素極性のC面を表面とするGaN単結晶ウェハ上に1μmのアンドープGaNを成長し、その上にアンモニアとTMGの供給量の比率を3000として電子濃度が5×1018cm-3のn型GaNからなる4μmのコレクタ層を成長した。その後実施例1に記載した条件で、且つアンモニアとTMGの供給量の比率を1000として、正孔濃度が5×1018cm-3のp型GaNのベース層を200nm成長し、その上に再びアンモニアとTMGの供給量の比率を3000として、Siドープn型Al0.1Ga0.9Nエミッタ層を200nm成長し、ヘテロ・バイポーラ・トランジスタ(HBT)用エピタキシャルウェハを製作した。
比較のために、ベースのGaN層にMgをドーピングした従来型のHBTも製作した。
それぞれのウェハから、HBT素子を作製し、それぞれの電流増幅率の最大値を測定したところ、本発明によるHBTは25であり、従来型のHBTは23.8でほぼ同じであった。ところが、それぞれの素子を1000時間の間100mA通電した後に、電流増幅率の最大値を測定すると、本発明によるHBT素子の電流増幅率は24.3とほぼ変化が無かったのに対して、従来型のHBTの電流増幅率は10.5に大幅に低下していた。
本発明におけるSiドープGaN成長中のアンモニアとTMGの供給量の比率と、導電型・キャリア濃度の関係を示す図である。 本発明のSiドープp型GaN層成長時のSiH4/TMGのモル比と、正孔濃度の関係を示す図である。 本発明の実施例に係るLEDの構造を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 アンドープGaN層
3 n型GaN層
4 量子井戸構造
5 p型GaN層
6 p型電極
7 n型電極

Claims (15)

  1. 少なくとも最表面にウルツ鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に形成されたp型の窒化物半導体。
  2. 上記表面がウルツ鉱型の窒化物半導体の窒素極性のC面であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体。
  3. 少なくとも最表面に閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に形成されたp型の窒化物半導体。
  4. 上記表面が閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体。
  5. 上記基板がV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体。
  6. 上記請求項5の窒化物半導体を形成するのに使用される、V族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体ウェハ。
  7. 最表面にウルツ鉱型又は閃亜鉛鉱型の窒化物半導体のV族極性面を有する基板上に、少なくともp型伝導層とn型伝導層を含む窒化物半導体積層構造を積層したことを特徴とする窒化物半導体ウェハ。
  8. 上記p型伝導層を形成する基板表面がウルツ鉱型の窒化物半導体の窒素極性のC面であることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体ウェハ。
  9. 上記p型伝導層を形成する基板表面が閃亜鉛鉱型の窒化物半導体の(n11)B面(n=1、2、3、4、5)であることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体ウェハ。
  10. 上記基板がV族極性面をエピタキシャル成長する側の表面として持つ窒化物半導体単結晶基板であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハ。
  11. 上記p型伝導層がIV族の不純物をアクセプタとして含むことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハ。
  12. 上記アクセプタ不純物が、C、Si、Ge、Snのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体ウェハ。
  13. 上記p型伝導層のアクセプタ不純物とn型伝導層中のドナー不純物がともに同じであることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハ。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の窒化物半導体ウェハを製造する方法であって、上記p型伝導層を気相成長するに際し、そのp型伝導層成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する比率を、n型伝導層成長時よりも低くすることを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
  15. 上記p型伝導層成長時のV族原料の供給量のIII族原料の供給量に対する比率を、1000以下とすることを特徴とする請求項14記載の窒化物半導体の製造方法。
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