JP2005319833A - 車両のロール制御装置 - Google Patents

車両のロール制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005319833A
JP2005319833A JP2004137249A JP2004137249A JP2005319833A JP 2005319833 A JP2005319833 A JP 2005319833A JP 2004137249 A JP2004137249 A JP 2004137249A JP 2004137249 A JP2004137249 A JP 2004137249A JP 2005319833 A JP2005319833 A JP 2005319833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel side
vehicle
pressure
actuator
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004137249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4368735B2 (ja
Inventor
Ryosuke Kamakura
亮介 鎌倉
Shinichi Hagihira
慎一 萩平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2004137249A priority Critical patent/JP4368735B2/ja
Publication of JP2005319833A publication Critical patent/JP2005319833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4368735B2 publication Critical patent/JP4368735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】 コストを低減できる車両のロール制御装置を提供することである。
【解決手段】 2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザ1f,1rにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータ2f,2rと、流体圧源20と各アクチュエータ2f,2rとの間にそれぞれ設けられた前輪側および後輪側の方向切換弁12,13とを備え、当該各方向切換弁12,13で流体圧源20を前後のアクチュエータ2f,2rにおける各圧力室のいずれかに連通しスタビライザ1f,1rの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、前輪側もしくは後輪側の一方の方向切換弁12が、前輪側もしくは後輪側の他方のアクチュエータ2rにおける各圧力室内の流体圧をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両等に搭載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザの捩り力を調節して車両のロールを抑制する車両のロール制御装置に関する。
従来、この種の形式における車両のロール制御装置としては、例えば、油圧可変型の車両のロール制御装置(たとえば、特許文献1参照)が知られている。
すなわち、このものは、前後輪における各左右の車輪のサスペンションアームを連結するスタビライザの一端にアクチュエータを連結して構成されている。
そして、前後輪側における両アクチュエータの各対応する圧力室は、それぞれ管路によって前輪側および後輪側の方向切換弁に連通されており、かつ、前後それぞれに設けた圧力制御弁を通して各方向切換弁に連通する一方の管路を油圧源に連通させるとともに、他方の管路は上記各圧力制御弁を通してリザーバに連通されている。
また、各方向切換弁および各圧力制御弁の切換用のソレノイドは、車体側に発生した横加速度の方向と大きさに対応して車体横加速度信号を出力する制御部へと結ばれており、上記制御部は、車両の走行中において車体に横加速度が作用したときに当該横加速度の方向と大きさを車体横加速度信号として検出し、この車体横加速度信号の方向と大きさに対応して各方向切換弁および圧力制御弁を切換え制御するようにしてある。
特開平7−228124号公報(段落番号0018,図3)
しかしながら、従来の車両のロール制御装置では、機能面で問題があるわけではないが、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
すなわち、従来の車両のロール制御装置では、前輪側および後輪側の各方向切換弁の制御はそれぞれソレノイドを使用して行われているため、ソレノイドが前輪側および後輪側の2つ必要となり車両のロール制御装置のコストが高くなってしまう。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、コストを低減できる車両のロール制御装置を提供することである。
上記した目的を達成するため、2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と各アクチュエータとの間にそれぞれ設けられた前輪側および後輪側の方向切換弁とを備え、当該各方向切換弁で流体圧源を前後のアクチュエータにおける各圧力室のいずれかに連通しスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、前輪側もしくは後輪側の一方の方向切換弁が、前輪側もしくは後輪側の他方のアクチュエータにおける各圧力室内の流体圧をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作することを特徴とする。
また、2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と各アクチュエータとの間にそれぞれ設けられた前輪側および後輪側の方向切換弁とを備え、当該各方向切換弁で流体圧源を前後のアクチュエータにおける各圧力室のいずれかに連通しスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、前輪側の方向切換弁が、2位置4ポートを備えた切換弁であって、後輪側のアクチュエータにおける一方の圧力室内の流体圧をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作することを特徴とする。
本発明によれば、前後の方向切換弁に使用されるソレノイドが1つだけで済むので、車両のロール制御装置のコストが低減されるとともに、省電力であり経済的となる。
また、方向切換弁のうち一方はソレノイドを省略することができるから、装置全体を小形化することが可能である。
さらに、方向切換弁に使用されるソレノイドが1つだけで済むので、車両のロール制御装置の製造過程や車両への搭載過程における電気配線工程時に、誤結線を生じる危険が皆無である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図2は、車両のロール制御装置のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。図3は、一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図4は、他の実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。図5は、車両のロール制御装置における他のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。
まず、図1に示した一実施の形態における車両のロール制御装置について説明する。本実施の形態の場合、前輪側及び後輪側のアクチュエータ2f,2rは、いわゆる、油圧で駆動する揺動型のアクチュエータとして構成され、たとえば、具体的には図示はしないが、内壁面に180度の間隔を保って構成した二つの隔壁をもつハウジングと、このハウジングの内部に対して外周面に同じく180度の間隔を置いて構成した二枚のベーンをもつロータを回動自在に納めて構成してある。したがって、この実施の形態の場合、流体は作動油となる。
また、ロータは、中心部分をハウジングの内壁に設けた隔壁の先端に摺接し、かつ、ベーンの先端をハウジングの内壁に摺接させることによって、ハウジング内をロータで2つの圧力室に区画し、ハウジングには、2つの圧力室に開口するポート10f,10r,11f,11rが穿設してある。
これにより、各アクチュエータ2f,2rは、ポート10f,10r,11f,11rを通して一方の圧力室または他方の圧力室に流体圧たる油圧を加えることで揺動可能なようになっている。なお、上述したところでは、各アクチュエータ2f,2rをいわゆるダブルベーン形の揺動形アクチュエータとしているが、シングルベーン形やトリプルベーン形としてもよいことは無論であり、ダブルベーン形の二枚のベーン間隔を180度以外の角度としてもよい。
そして、前輪用のスタビライザ1fは、図2に示すように、トーションバー部分を中央で二つに分割して構成し、この分割した部分の一方を前輪側における油圧ロータリ式のアクチュエータのハウジング側に、また、他方をロータ側に固定して構成してある。同様に、後輪用のスタビライザ1rもまた、それをトーションバー部分の中央で二分割し、この分割した部分の一方を後輪側におけるロータリ式のアクチュエータのハウジング側に、また、他方をロータ側に結合することによって構成してある。
このようにして、前輪側におけるアクチュエータ2fは、前輪用のスタビライザ1r,1fに対するスタビライザの捩り力可変用のアクチュエータとして作用すると共に、後輪側のアクチュエータ2rは、後輪用のスタビライザに対するスタビライザの捩り力可変用アクチュエータとしてそれぞれ作用するようにしてある。
そして、図1に示すように、前輪側アクチュエータ2fのポート10f,11fは、4ポート3位置切換弁として構成された方向切換弁12fの制御ポートA,Bへと接続されている。つまり、給排流路25f,26fは、それぞれ方向切換弁12の制御ポートA、Bに接続されており、また、方向切換弁12を介して供給流路30fと排出流路29fと選択的に連通または遮断されるようになっている。さらに、供給流路30fと排出流路29fとの間には圧力制御弁15fと逆止弁16fが設けられている。
すなわち、上記方向切換弁12における供給ポートPは、供給流路30fを通して供給流路30f側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16fの上流側へと結ばれており、さらに供給流路30fを上流に遡ると順に圧力制御弁15fの上流側と分流弁35の一方の出口ポートDに通じ、さらには、この分流弁35の入口ポートCに接続された供給流路40を介してリリーフ弁17の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁12の排出ポートTは、排出流路29fを通して上記逆止弁16fの下流側へと結ばれており、さらに排出流路29fを下流に下ると順に圧力制御弁15fの下流側と、リリーフ弁17の下流側とに通じ、さらには、排出流路41を介してリザーバRに通じている。
そして、後輪側アクチュエータ2rのポート10r,11rは、4ポート3位置切換弁として構成された方向切換弁13の制御ポートA,Bへと接続されている。つまり、給排流路25r,26rは、それぞれ方向切換弁13の制御ポートA,Bに接続されており、また、方向切換弁13を介して供給流路30rと排出流路29rと選択的に連通または遮断されるようになっている。さらに、供給流路30rと排出流路29rとの間には前輪側の供給流路30fと同様に圧力制御弁15rと逆止弁16rが設けられている。
すなわち、上記方向切換弁13における供給ポートPは、供給流路30rを通して供給流路30r側からの作動油の流れを阻止する逆止弁16rの上流側へと結ばれており、さらに供給流路30rを上流に遡ると順に圧力制御弁15rの上流側と分流弁35の他方の出口ポートEに通じ、さらには、この分流弁35入口ポートCに接続された供給流路40を介してリリーフ弁17の上流側および流体圧源たる油圧ポンプ20に通じている。
また、方向切換弁13の排出ポートTは、排出流路29rを通して圧力制御弁15rの下流側へと結ばれており、さらに排出流路29rを下流に下ると順に逆止弁16rの下流側と、リリーフ弁17の下流側とに通じ、さらには、排出流路41を介してリザーバRに通じている。
なお、分流弁35は、油圧ポンプ20から供給された作動油を一定の流量比率の下で分流し、これら分流された作動油は各方向切換弁12,13を通してそれぞれのアクチュエータ2f,2rに分配される。
このとき、分流弁35で分流される流量比率は、この車両のロール制御装置が使用される状況、本実施の形態においてはスタビライザ1f,1rが搭載される車両に適する捩り力を発揮できるように決定すればよい。そして、リザーバRと油圧ポンプ20とは吸込み管路31とで連通されており、油圧ポンプ20から供給される作動油は、最終的にはリザーバRに導かれ各流路40,41,30f,30r,29f,29r,25f,25r,26f,26rを還流することとなる。
また、前輪側の方向切換弁12は、供給流路30fに接続される供給ポートPを制御ポートAに、排出流路29fに接続される排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、制御ポートA,Bを遮断しかつ供給ポートPと排出ポートTとを連通する遮断ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションの三つのポジションを備えた3位置4ポート弁であって、両端をバネ(付示せず)で附勢されるとともに、一端側に後輪側の給排流路25rの圧力を負荷するパイロット管37が、他端側に後輪側の給排流路26rの圧力を負荷するパイロット管38がそれぞれ設けられ、後輪側の給排流路25rの圧力が給排流路26rの圧力より高い場合には、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通し、反対に後輪側の給排流路26rの圧力、すなわち後輪側のアクチュエータ2rにおける一方の圧力室内の圧力が、給排流路25rの圧力、すなわち後輪側のアクチュエータ2rにおける他方の圧力室内の圧力より高い場合には、供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通し、上記給排流路25r,26rの圧力に差がさほど無い場合にはバネ力によりその中立位置たる遮断ポジションを採るようになっている。
なお、遮断ポジションにあっては、上述のように供給ポートPおよび排出ポートTを連通し、制御ポートAおよび制御ポートBを遮断するようになっているので、油圧ポンプ20はアンロードとなり、アクチュエータ2fは、揺動不能な状態、すなわちロック状態となりスタビライザ1fは通常のスタビライザとして機能することとなる。
他方、後輪側の方向切換弁13は、供給流路30rに接続される供給ポートPを制御ポートAに、排出流路29rに排出ポートTを制御ポートBに連通する連通ポジションと、供給、排出および各制御ポートP,T,A,Bの全てを連通する連通ポジションと、供給ポートPを制御ポートBに、排出ポートTを制御ポートAに連通する連通ポジションの三つの連通ポジションを備えた電磁式の3位置4ポート弁であって、両端をバネ(付示せず)で附勢され、一端にダブルコイルを有するプッシュプル型のソレノイド7を備えている。なお、本実施の形態においては、上述のようなソレノイドを使用しているが、方向切換弁の両端側にそれぞれソレノイドを設けてもよい。
そして、ソレノイド7に電流を印加すると、供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAをそれぞれ連通し、あるいは、供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBをそれぞれ連通し、ソレノイド7に電流を印加しない状態ではバネ力により供給、排出および各制御ポートT、P、A、Bの全てを連通するようになっている。
したがって、後輪側の方向切換弁13のソレノイド7を励磁して供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと供給ポートBとを連通させた状態では、給排流路25r内の圧力は給排流路26r内の圧力より高くなり、後輪側のアクチュエータ2rを駆動することができ、このとき給排流路25r,26rの圧力はパイロット圧として前輪側の方向切換弁12に作用して前輪側の方向切換弁12も供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBとを連通することとなり、前輪側のアクチュエータ2fを後輪側のアクチュエータ2rと同じ方向に駆動することとなる。すなわち、スタビライザ1f,1rの捩り力を高める場合には、同一方向の捩り力を高められるように設定されている。
反対に、後輪側の方向切換弁13のソレノイド7を励磁して供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAとを連通させた状態では、同様に、前輪側の方向切換弁12も供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAとを連通し、また、ソレノイド7を励磁せず後輪側の方向切換弁13が中立位置を採る場合には、給排流路25r,26rの圧力は略同圧となるので、前輪側の方向切換弁12は上述の遮断ポジションを採ることとなる。
つまり、前輪側の方向切換弁12は、後輪側の方向切換弁13が採るいずれかの連通ポジションに連動して上記連通ないし遮断ポジションを採ることとなる。
さらに、圧力制御弁15f,15rは、それぞれ供給流路30f,30rと排出流路29f,29rとを連通する連通ポジションと遮断する遮断ポジションとを有し、一端にバネ(付示せず)を備え、他端にこのバネに対向するソレノイド14を備えており、このソレノイド14f,14rが励磁されると、遮断ポジションに切換えることが可能であり、ソレノイド14f,14rを印加する電流に比例して弁開口面積を比例制御可能な弁である。
したがって、ソレノイド14f,14rに電流を印加しない状態では、バネ力によって連通ポジションにあり弁開口面積は最大となり、通常はソレノイド14f,14rに印加した状態で、遮断ポジションをとるように設定され、印加電流の大きさをコントロールすることによって、供給流路30f,30r内の圧力を制御することが可能となっている。
また、リリーフ弁17は、それぞれ供給流路40と排出流路41とを接続する連通路36の途中に設けられ、連通路36を連通する連通ポジションと遮断する遮断ポジションとを有し、供給流路40の内圧が異常に上昇したときパイロット圧で開いて作動油をリザーバRに逃がすようになっている。
なお、逆止弁16f,16rとしては、従来から各種の油圧機器において広く一般に用いられているものをそのまま適用すればよく、それらの構成についてはよく知られていることであるのでここでは詳細な説明を省略する。
また、アクチュエータ2f,2rに負荷される油圧力を検出するための圧力検出器22f,22rが供給流路30f,30rの途中に設けられ、供給流路30f,30r内の油圧力を検出する。このような位置に圧力検出器22f,22rを設ければ方向切換弁12,13が供給ポートPと排出ポートTを各制御ポートA,Bに連通している状態においてアクチュエータ2f,2rの圧力室内の圧力を検出することが可能である。
一方、これらと併せて、車体に作用した横加速度、舵角、車速、ヨーレートおよび圧力検出器22f,22rで検出する油圧力信号により圧力制御弁15f,15rのソレノイド14f,14rへの電流供給量を調節するとともに、方向切換弁13を切換制御しつつアクチュエータ2f,2rを通してスタビライザ1f,1rの捩り力を制御するためのコントローラたるECU(図示せず)が設けてある。なお、車両のロール抑制を目的とする場合にあっては、横加速度のみに基づいて制御することも可能である。
上記ECUは、たとえば車体に作用する横加速度の方向および大きさを横加速度信号として検出する横加速度検出器(図示はしないが、例えば、車体の該当部位に設けた横加速度センサ)と、舵角を信号として検出する舵角検出器(図示せず)と、車速を信号として検出する車速検出器(図示せず)と車体のヨーレートを検出するヨーレート検出器と上述の圧力検出器22f,22rとに接続され、これら横加速度信号、舵角信号、車速信号、ヨーレート信号および圧力信号を処理し、各ソレノイド7,14f,14rを印加して、方向切換弁13と圧力制御弁15f,15rを制御動作させる。
すなわち、ECUは、複数の出力端子(図示せず)を備え、これらの出力端子を信号線(図示せず)で方向切換弁13のソレノイド7と圧力制御弁15f,15rのソレノイド14f,14rに結び、当該ECUで方向切換弁13と圧力制御弁15f,15rとを制御するようにしてある。
次に、以上のように構成したこの発明の実施の形態である車両のロール制御装置の作動について一制御例に即して説明する。
例えば、車両が平坦路を直進走行しているとき、すなわち、横加速度検出器および舵角検出器からの検出信号がないときには、車体はローリングしないので、スタビライザの捩り力を高めると乗り心地が悪くなる。そのような状態の場合には、ECUは、圧力制御弁15f,15rのソレノイド14f,14rへの電流の供給を抑制して弁開口面積を大きくする。その結果、油圧ポンプ20からの作動油は圧力制御弁15f,15rの連通ポジションを介し、弁開口面積に応じて排出流路29f,29rよりリザーバRへ還流する。
さらに、後輪側の方向切換弁13のソレノイド7に電流を供給あるいは供給せず、3つの連通ポジションのうちいずれかを採るようにする。
他方、前輪側の方向切換弁12は、後輪側のアクチュエータ2rにおける各圧力室内には圧力制御弁15rが開口面積を大きく保つので油圧力は殆ど供給されず、各圧力室内のそれぞれの圧力には殆ど差が生じないので、遮断ポジションを採ることとなる。
これにより、車両が平坦路を直進しているような場合には、スタビライザ1fは、前輪側のアクチュエータ2fがロック状態となるので通常のスタビライザとして機能し、後輪側のアクチュエータ2rは、フリー状態となって後輪側のスタビライザ1rはその機能が減殺されて、車両における乗り心地が向上する。
上述の場合におけるECUの具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度および舵角がゼロであることを、各検出器からの信号の入力がないことをもって、ECUは車両が平坦路を直進走行していることから、車体にはロールが生じていないことを認識して、上述のように、スタビライザ1rの機能を減殺するべく捩り力を低くする。この場合、アクチュエータ2rの各圧力室に何等油圧力が負荷されない状態にするべきであること、すなわち必要油圧値がゼロであることを算出する。そして、ECUは、各圧力室に油圧力の供給をストップするべく、上述のように圧力制御弁15f,15rへの電流供給を抑制するが、このとき圧力検出器22rで検出した油圧力の値と上述の算出した油圧力の値と比較して、検出した油圧力が算出した油圧力の値より大きい場合には、さらに圧力制御弁15rに供給している電流を小さくし、圧力制御弁15rの弁開口面積を大きくし、算出した油圧力値と検出した油圧力値とが同一になるように制御する。また、一方では方向切換弁13がいずれかの連通ポジションを採るようにソレノイド7に電流供給を行うか全く電流供給を行わないようにする。
したがって、この場合には、上述のように油圧ポンプ20から供給される作動油は圧力制御弁15rを優先的に通過して、リザーバRに流入し、アクチュエータ2rには何等油圧力が負荷されない状態に制御することができることとなる。他方、前輪側のアクチュエータ2fは、上述のようにロック状態に維持されるが、このとき、前輪側の方向切換弁12は上述のように遮断ポジションを採ることになる。
なお、上述のような車両が平坦路を直進走行中の場合には、圧力制御弁15f,15rに電流を一切供給せずに弁開高面積を無条件に最大にするようにしても良い。
以上より、本実施の形態の車両のロール制御装置では、上述のように車両直進時の乗り心地を向上することが可能であることは無論であるが、車両直進走行中に急激なハンドル操作があっても、後輪側のアクチュエータ2rはフリー状態となり、また、前輪側のアクチュエータ2fはロック状態となっているので、ステアリング特性がアンダーステア傾向に維持されて、車両のコントロールを簡易ならしめることができる。
他方、コーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体に横加速度が発生すると、ECUには横加速度検出器、舵角検出器、ヨーレート検出器および車速検出器が検出した各信号が入力される。
ECUは、これら各検出した信号に基づいて圧力制御弁15f,15rのソレノイド14f,14rに供給している電流を大きくするように通電を行い、当該圧力制御弁15の弁開口面積を小さくするか大きくするように調節する。
そして、ECUは、横加速度検出器、舵角検出器、車速検出器、ヨーレート検出器からの各信号に基づいて、そのとき車体に作用しているロールモーメントの大きさと向きに対応してスタビライザ1f,1rに発生させる捩り力とその向きを演算し、これに準じた制御信号を電流として圧力制御弁15f,15rのソレノイド14f,14rおよび方向切換弁13のソレノイド7に出力する。
これに伴い、方向切換弁13は、上記した中立位置以外の連通ポジションのいずれかに切換わり供給ポートPと制御ポートBおよび排出ポートTと制御ポートAを連通もしくは供給ポートPと制御ポートAおよび排出ポートTと制御ポートBを連通するように切換え動作して、油圧ポンプ20から供給される作動油を給排流路25r,26rから後輪側のアクチュエータ2rにおけるそれぞれのポート10r,11rのどちらかに流入させると同時に、前輪側の方向切換弁12もパイロット圧によって切換動作し、作動油を前輪側のアクチュエータ2fにおけるそれぞれのポート10f,11fのうち、後輪側のアクチュエータ2rのポートと同じ側のポートに流入させる。
かくして、アクチュエータ2f,2rには、それぞれのポート10f,10r,11f,11rのどちらかに流入させた作動油により作動油流入側の圧力室の油圧力が高まって、スタビライザ1f,1rは、車体に生じているロールモーメントの向きと大きさに対抗する捩り力を発生して、車体のロールを抑えることが可能となる。つまり、車体にロールが発生しようとすると、前後輪用のスタビライザ1f,1rが横加速度の大きさに合わせて当該車体を反対側に傾けようとする方向に捩られる。これにより、スタビライザ1f,1rは、その方向への捩り力がアップして車体に生じようとするロール運動を抑制することになる。
また、上述の車体ロール時におけるECUの具体的処理は、以下のようになる。先ず、横加速度、車速、舵角およびヨーレートに基づいて、ECUは、車体がロールしていることを認識して、上述のように、スタビライザ1f,1rの捩り力を高くする。この場合アクチュエータ2f,2rの各圧力室のどちらかに油圧力を負荷してスタビライザ1f,1rの捩り力を高めるべきであること、すなわちスタビライザ1f,1rが発生すべき捩り力に必要な油圧値を算出する。
そして、ECUは、アクチュエータ2f,2rにおけるそれぞれの各圧力室のうちどちらかに必要とされる油圧力の供給するべく、上述のように圧力制御弁15f,15rへの電流供給を大きくするか小さくするが、このとき圧力検出器22f,22rで検出した油圧力の値と上述の算出した油圧力の値と比較して、検出した油圧力が算出した油圧力の値より大きい場合には、圧力制御弁15f,15rに供給している電流を小さくして、圧力制御弁15f,15rの弁開口面積を大きくし、逆に、検出した油圧力が算出した油圧力の値より小さい場合には、圧力制御弁15f,15rに供給している電流を大きくして、圧力制御弁15f,15rの弁開口面積を小さくし、算出した油圧力値と検出した油圧力値とが同一になるように制御する。
また、一方では方向切換弁13を上述のように後輪側のアクチュエータ2rにおける各圧力室うち一方の圧力室に油圧を供給するようにソレノイド7に対して電流供給を行う。このとき、前輪側の方向切換弁12もパイロット圧によって後輪側の方向切換弁13と同様に切換動作する。
したがって、この場合には、油圧ポンプ20から供給される作動油は圧力制御弁15f,15rを通過する作動油とアクチュエータ2f,2rへ流入する作動油とに分けられ、アクチュエータ2f,2rにはECUが算出した油圧力が負荷される状態に制御することができることとなる。
なお、本実施の形態においては圧力検出器22f,22rでアクチュエータ2f,2rの圧力室内の油圧力を検出しているが、圧力検出器22f,22rを使用せずとも、あらかじめ油圧ポンプの容量が決められていれば圧力制御弁の弁開口面積によって油圧力がどの程度圧力室に負荷されているかが把握できるので、この場合には圧力制御弁にどの程度電流を供給しているかによって油圧力の値をECUに認識させても良い。
以上より、本実施の形態の車両のロール制御装置にあっては、アクチュエータ2f、2rの各圧力室に負荷される油圧力を最適なものとすることができ、また圧力制御弁は開口面積を変化可能であるので、各圧力室に負荷されている油圧力をきめ細かに制御可能である、すなわち、精度の高い制御が可能となる。つまり、従来のように各圧力室の差圧制御ではなく、直接各圧力室に負荷されている油圧力を制御しているので、路面からの突然の入力によってスタビライザに接続されているアクチュエータの各圧力室内の油圧は変動しても、リアルタイムで各圧力室内に負荷されている油圧力を把握できるので、負荷すべきモーメントを維持制御することが可能である。また、その制御も制御しずらい差圧制御ではないので、制御が簡易となり、安定的にアクチュエータに油圧力を供給することが可能である。したがって、アクチュエータに安定的な油圧力を供給することが可能であるので、ロール抑制効果が高く、車両のロール時の乗り心地が向上する。
なお、このときに、路面の凹凸によりアクチュエータ2f,2rが動かされ、供給流路30f,30r内の圧力が排出流路29f,29r内の圧力より低くなる場合には、逆止弁16f,16rが開くので、各アクチュエータ2f,2rの圧力室内が負圧となることはなく、各圧力室の油圧力が何等生じてない状態に維持される。
上述したように本車両のロール制御装置では、方向切換弁に使用されるソレノイドが1つだけで済むので、車両のロール制御装置のコストが低減されるとともに、省電力であり経済的となる。
また、方向切換弁のうち一方はソレノイドを省略することができるから、装置全体を小形化することが可能である。
さらに、方向切換弁に使用されるソレノイドが1つだけで済むので、車両のロール制御装置の製造過程や車両への搭載過程における電気配線工程時に、誤結線を生じる危険が皆無である。
またさらに、一方の方向切換弁は、パイロット圧で切換動作することから、前後の方向切換弁は必ず同じ方向に切換わるので、前後の方向切換弁が前後で逆方向に切換わってしまう誤動作もない。
また、パイロット圧で切換動作する方向切換弁については、中立位置を保持するためのバネ力を高く設定することができるので、たとえば、コンタミネーションや流体力等のスプールの摺動に障害となる外乱に対して、ソレノイド駆動の方向切換弁のものに比べ強い設計、すなわち、ロバスト性が高い設計が可能となる。
ちなみに、本実施の形態においては、後輪側の方向切換弁13にソレノイド7を設けているが、前輪側の方向切換弁12にソレノイドを設け、後輪側の方向切換弁13をパイロット圧で切換えるようにしてもよい。
なお、この車両のロール制御装置やこれを搭載している車両に何らかの異常が発生し制御不能な状態になった場合や方向切換弁13および圧力制御弁15f,15rに対するそれぞれの信号線の断線など制御システムに異常が発生したときには、これをECUが検知してフェールモードに移行し、方向切換弁13と圧力制御弁15f,15rの動作を停止する。
すると、圧力制御弁15f,15rはバネ力によって弁開口面積を最大にし、方向切換弁13はバネ力によって供給、排出および各制御ポートP,T,A,Bの全てを連通するポジションに移行する。そうすると、油圧ポンプ20から供給されている作動油は圧力制御弁15f,15rを通過してリザーバRへ流入し、油圧ポンプ20とリザーバR間を還流することとなり、後輪側のアクチュエータ2rには一切油圧力が負荷されない状態となりフリー状態となる。このとき、前輪側の方向切換弁12は、後輪側の給排流路25r,26rから導かれる各パイロット圧には差がないので遮断ポジションを採り、前輪側のアクチュエータ2fはロック状態となる。したがって、フェール時にあっても、ステアリング特性がアンダーステア傾向に維持され、車両のコントロールを簡易ならしめることができる。
なお、パイロット圧で切換動作する方向切換弁のバネ力を高く設定する場合には、万が一何らかの故障により車両のロール制御装置の制御が断たれても、パイロット圧で切換動作する方向切換弁は、強いバネ力により中立位置に戻されることになるから、フェールセーフへの移行がより堅実となり、フェールセーフ時のステアリング特性をアンダーステア傾向に維持することができ、確実に車両のコントロールを簡易ならしめることができる。
そして、フェール時にあって、圧力制御弁15f,15rが万が一コンタミネーション等により閉じた状態となっても、油圧ポンプ20から供給される作動油は、供給流路30f,30r内の油圧力が高まるので、連通路36のリリーフ弁17が開放されリザーバRへと流入することとなるので、捩り剛性力制御装置が損傷することが防止される。
上記したように、パイロット圧で切換動作する方向切換弁については、ソレノイドの駆動にかかわるフェールモードは皆無であるから、その分システムとしてのフェールモードを少なくすることができる。
以上が、車両のロール制御装置の基本的な作動であるが、本実施の形態における車両のロール制御装置の制御にあたっては、上記した制御手法は一例であって、これ以外の制御手法によってもよく、実際この車両のロール制御装置が搭載される車両等に応じて最適となる制御手法を採用すればよい。
つづいて、図3に示した本発明の一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置について説明する。なお、上述した一実施の形態と同様の部材については説明が重複するので、同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
この変形例における車両のロール制御装置が一実施の形態における車両のロール制御装置に対して異なる点は、前輪側の方向切換弁42をソレノイド駆動によるものとし、後輪側の方向切換弁43は、前輪側のアクチュエータ2fの各圧力室内の油圧力をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作するようにしてある点と、さらに、前輪側の方向切換弁42と前輪側のアクチュエータ2fとを接続する給排流路25f,26fの途中に、給排流路25f,26fをそれぞれ連通する連通ポジションとアクチュエータ2fの各圧力室をロックしかつ給排流路25fの上流側と給排流路26fの下流側とを短絡する遮断ポジションとを備えたフェールセーフ弁44が設けられている点であり、他の構成は一実施の形態における車両のロール制御装置と同様である。
そして、前輪側の方向切換弁42は、一実施の形態の後輪側の方向切換弁13と同様の3つの連通ポジションを備えており、また、その両端には、プッシュ型のソレノイド47,48が設けられた電磁式の3位置4ポート弁であり、他方の後輪側の方向切換弁43も一実施の形態における後輪側の方向切換弁13と同様の3つの連通ポジションを備えているが、両端をバネ(付示せず)で附勢されるとともに、一端側に前輪側の給排流路25fの圧力を負荷するパイロット管51が、他端側に前輪側の給排流路26fの圧力を負荷するパイロット管52が設けられている。
したがって、この変形例における車両のロール制御装置にあっては、後輪側の方向切換弁43は、前輪側の方向切換弁42が採るいずれかの連通ポジションに連動して上記3つの連通ポジションのうちいずれかを採ることとなるが、本実施の形態の場合にも、一実施の形態と同様に、後輪側のアクチュエータ2rを前輪側のアクチュエータ2fと同じ方向に駆動することとなる。すなわち、スタビライザ1f,1rの捩り力を高める場合には、同一方向の捩り力を高められるようになっている。
さらに、フェールセーフ弁44は、一端がバネ(付示せず)によって付勢され、他端側にはソレノイド(付示せず)が設けられ、このソレノイドはやはりECUに接続されている。そして制御中には、ECUは絶えず当該ソレノイドに対し電流を供給しつづけてフェールセーフ弁44を連通ポジションに保つ。他方、フェール時にはソレノイドへの通電を行わずフェールセーフ弁44はバネ力によって遮断ポジションに移行する。
上述のように構成された変形例における車両のロール制御装置にあっては、車両直進中には、前輪側の方向切換弁42はいずれかの連通ポジションを採るように制御され、他方の後輪側の方向切換弁43は、前輪側のアクチュエータ2fの各圧力室内の圧力には差が無いことから中立位置に維持され供給、排出および各制御ポートP,T,A,Bの全てを連通する連通ポジションを採ることとなり、前後のアクチュエータ2f,2rをいずれもフリー状態とすることができる。
したがって、一実施の形態における車両のロール制御装置の作用効果に加えて、車両が直進走行中に突然路面からの入力があっても、各圧力室の油圧力が何等生じてない状態になっているので、スタビライザ1f,1r機能の発現を効果的に防止することが可能であり、直進時の車両における乗り心地を向上することが可能である。
さらに加えて、前後のアクチュエータ2f,2rをフリー状態にすることができることから、たとえば、オフロード等の不整路での車両の走破性を向上、すなわち、各輪の路面追随性(ホイールアティキュレーション)を向上させることができる。
最後に図4に示した他の実施の形態における車両のロール制御装置について説明する。この他の実施の形態における車両のロール制御装置は、一実施の形態の車両のロール制御装置における前輪側の方向切換弁12の換わりに同じ配置で、後輪側のアクチュエータ2rにおける一方の圧力室内の油圧をパイロット圧として切換動作する2位置4ポート弁として構成された方向切換弁62を設け、さらに、この方向切換弁62と前輪側のアクチュエータ2fとの間に一実施の形態の変形例と同様のフェールセーフ弁44を設けたものである。
そして、上記前輪側の方向切換弁62は、一端側に設けたバネ(付示せず)で付勢され、他端側には、後輪側の給排流路25rに接続されたパイロット管63でパイロット圧を導くようにしてあり、前輪側の方向切換弁62は、後輪側の方向切換弁13が採るいずれかの連通ポジションに連動して上記2つの連通ポジションのうち、いずれかを採ることとなるが、本実施の形態の場合にも、一実施の形態と同様に、後輪側のアクチュエータ2rを前輪側のアクチュエータ2fと同じ方向に駆動することとなる。すなわち、スタビライザ1f,1rの捩り力を高める場合には、同一方向の捩り力を高められるようになっている。なお、後輪側の方向切換弁13が中立位置の連通ポジションを採る場合には、バネの付勢力によって供給ポートPを制御ポートBに排出ポートTを制御ポートAにそれぞれ連通するようになっているが、供給ポートPを制御ポートAに排出ポートTを制御ポートBにそれぞれ連通するようにしておいてもよい。
そして、この実施の形態においても、フェールセーフ弁44は、制御時には常時連通ポジションを採るように設定されている。
この他の実施の形態にあっては、一実施の形態の変形例と同様に、車両直進時には前後のアクチュエータ2f,2rをフリー状態に維持することができるとともに、ロールの抑制も行うことができるので、一実施の形態の変形例と同様の作用効果を奏することができると同時に、加えて、前輪側の方向切換弁62の構造を簡略化することができ、車両のロール制御装置をコンパクトかつ一層低コストにすることが可能となる。
なお、各実施の形態で説明したところでは、アクチュエータをロータリ式アクチュエータとしたが、図5に示すように、車両の前後輪側に設けられたスタビライザ70f,70rの一端に、たとえば二つの対向する圧力室を備えた両ロッド型のシリンダ70f,70rを接続してもよいことは勿論である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 車両のロール制御装置のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。 一実施の形態の変形例における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 他の実施の形態における車両のロール制御装置の油圧回路図である。 車両のロール制御装置における他のアクチュエータとスタビライザを示す斜視図である。
符号の説明
1f,1r,50f,50r スタビライザ
2f 前輪側のアクチュエータ
2r 後輪側のアクチュエータ
7,14f,14r ソレノイド
10f,10r,11f,11r アクチュエータのそれぞれのポート
12,42,62 前輪側の方向切換弁
13,43 後輪側の方向切換弁
15f,15r 圧力制御弁
16f,16r 逆止弁
17 リリーフ弁
20 流体圧源たる油圧ポンプ
22f,22r 圧力検出器
25f,25r,26f,26r 給排流路
29f,29r 排出流路
30f,30r 供給流路
36 連通路
37,38,51,52,63 パイロット管
70f,70r シリンダ

Claims (7)

  1. 2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と各アクチュエータとの間にそれぞれ設けられた前輪側および後輪側の方向切換弁とを備え、当該各方向切換弁で流体圧源を前後のアクチュエータにおける各圧力室のいずれかに連通しスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、前輪側もしくは後輪側の一方の方向切換弁が、前輪側もしくは後輪側の他方のアクチュエータにおける各圧力室内の流体圧をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作することを特徴とする車両のロール制御装置。
  2. 2つの圧力室を有し車両前後輪のスタビライザにそれぞれ連結される前輪側および後輪側のアクチュエータと、流体圧源と各アクチュエータとの間にそれぞれ設けられた前輪側および後輪側の方向切換弁とを備え、当該各方向切換弁で流体圧源を前後のアクチュエータにおける各圧力室のいずれか連通しスタビライザの捩り力を高めて車体のロールを抑制する車両のロール制御装置において、前輪側の方向切換弁が、後輪側のアクチュエータにおける一方の圧力室内の流体圧をパイロット圧として、当該パイロット圧で切換動作することを特徴とする車両のロール制御装置。
  3. 前輪側の方向切換弁と後輪側の方向切換弁は、前後の各スタビライザの同一方向における捩り力を高めるように切換動作することを特徴とする請求項1に記載の車両のロール制御装置。
  4. 前輪側の方向切換弁は、少なくとも流体圧源をアンロードしつつ前輪側のアクチュエータの各圧力室をロックする遮断ポジションを有し、後輪側の方向切換弁は、少なくとも流体圧源と後輪側アクチュエータの各圧力室のそれぞれを連通する連通ポジションを有してなる請求項1または3に記載の車両のロール制御装置。
  5. 前輪側および後輪側の方向切換弁のそれぞれが、少なくとも流体圧源と各アクチュエータの各圧力室のそれぞれを連通する連通ポジションを有してなり、前輪側の方向切換弁と前輪側のアクチュエータとの間に、励磁時に当該方向切換弁と当該アクチュエータとを連通し非励磁時に流体圧源をアンロードしつつ当該方向切換弁と当該アクチュエータとの連通を断つフェールセーフ弁を設けたことを特徴とする請求項1または3に記載の車両のロール制御装置。
  6. 前輪側の方向切換弁と前輪側のアクチュエータとの間に、ソレノイド励磁時に当該方向切換弁と当該アクチュエータとを連通しソレノイド非励磁時に流体圧源をアンロードしつつ当該方向切換弁と当該アクチュエータとの連通を断つフェールセーフ弁を設けたことを特徴とする請求項2に記載の車両のロール制御装置。
  7. 流体圧源と各方向切換弁との間に分流弁を設け、各方向切換弁の供給ポートと分流弁とをそれぞれ接続する前輪側および後輪側の供給流路を設け、各方向切換弁の排出ポートとリザーバとをそれぞれ接続する前輪側および後輪側の排出流路を設け、前輪側の供給流路と前輪側の排出流路との間および後輪側の供給流路と後輪側の排出流路との間にそれぞれ前輪側および後輪側の圧力制御弁を設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両のロール制御装置。
JP2004137249A 2004-05-06 2004-05-06 車両のロール制御装置 Expired - Fee Related JP4368735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004137249A JP4368735B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 車両のロール制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004137249A JP4368735B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 車両のロール制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005319833A true JP2005319833A (ja) 2005-11-17
JP4368735B2 JP4368735B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=35467430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004137249A Expired - Fee Related JP4368735B2 (ja) 2004-05-06 2004-05-06 車両のロール制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4368735B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029410A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Dr Ing Hcf Porsche Ag 自動車用運転システム及び運転動的制御方法
DE102007063543A1 (de) * 2007-12-21 2009-06-25 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Hydraulisches System zur Wankstabilisierung eines Kraftfahrzeugs
DE102008004913A1 (de) * 2008-01-18 2009-07-23 Conti Temic Microelectronic Gmbh Hydraulische Absicherung einer Wankstabilisierung

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029410A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Dr Ing Hcf Porsche Ag 自動車用運転システム及び運転動的制御方法
DE102007063543A1 (de) * 2007-12-21 2009-06-25 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Hydraulisches System zur Wankstabilisierung eines Kraftfahrzeugs
JP2009149299A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Dr Ing Hcf Porsche Ag 自動車のローリング安定化のための液圧式のシステム
DE102008004913A1 (de) * 2008-01-18 2009-07-23 Conti Temic Microelectronic Gmbh Hydraulische Absicherung einer Wankstabilisierung
US8439372B2 (en) 2008-01-18 2013-05-14 Conti Temic Microelectronic Gmbh Hydraulic protection of a rolling stabilization system

Also Published As

Publication number Publication date
JP4368735B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1475256B1 (en) Torsional rigidity control device
JP3682330B2 (ja) 車両のロール制御装置
JP4368735B2 (ja) 車両のロール制御装置
JPS63188574A (ja) パワ−ステアリングの油圧制御装置
JP3682933B2 (ja) 車両のロール制御装置
JP4275543B2 (ja) スタビライザ装置
JP3890215B2 (ja) 自動操舵システム
JP3412642B2 (ja) 自動車の操舵制御装置
JP5228962B2 (ja) 建設機械のステアリング装置
JP3682333B2 (ja) 車両のロール制御装置
JP2005225267A (ja) スタビライザ装置
JPS63188571A (ja) パワ−ステアリング用ロ−タリ制御弁
JP4939132B2 (ja) ロール制御装置
JP4630569B2 (ja) 車両のロール制御装置
JP4704285B2 (ja) ロール制御装置
JP2005212495A (ja) スタビライザ装置
JP4898326B2 (ja) ロール制御装置
JP2008013097A (ja) ロール制御装置
JP4443281B2 (ja) スタビライザ装置およびスタビライザ装置の異常検出方法
JP3243076B2 (ja) 車両のロール制御装置
JP2005206046A (ja) スタビライザ装置
KR20120029791A (ko) 능동롤 안정화장치
JPH0930234A (ja) 車両のロール制御装置
JPS63188573A (ja) パワ−ステアリングの油圧制御装置
JPH0263911A (ja) アクティブサスペンションの油圧回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090811

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090826

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4368735

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees