しかしながら、特許文献1の技術では、インデックス付き原稿の画像をインデックス付きシートに複写している。このため、多種類のシートを必要とし、シートを収納するためのトレイの増加による装置の大型化や、多種類のシートを準備するためのコストの増大、又は多種類のシートを順番に並べてセットする必要があるなど作業の繁雑さを招く。
また、特許文献2の技術では、画像形成の際にインデックス付き原稿を書類束から抜き取り、画像形成後に元の位置に戻すといった操作をユーザが行う必要があることはこれまでと同様である。また、ユーザは、インデックスを付加するための操作を書類束毎に行わなければならず、操作の複雑化に伴ってユーザの負担が増大し、また、操作時間の増大を招く。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インデックス付きシートを含む書類束の画像を読取り、読取った画像をシートに形成する際に、画像形成されたシートを容易に分類できる画像形成装置、および、該画像形成装置に備えられる画像読取装置、画像形成方法、画像形成プログラムとその記録媒体を提供することにある。
本発明による画像形成装置は、上記の課題を解決するために、原稿を搬送する原稿搬送手段と、搬送されてきた原稿の画像を読取る画像読取手段と、読取られた画像をシート上に形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、上記画像読取手段がインデックス付き原稿の画像を読取った場合、上記画像形成手段を制御し、インデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状のシートにおける端部に、インデックス画像を形成させる制御部を備えていることを特徴とする。
ここで、インデックス付き原稿とは、インデックス部(突起部、タブ部)を有する原稿である。また、インデックス画像とは、インデックス付き原稿におけるインデックス部に対応する画像であり、上記インデックス部における画像であってもよく、インデックス部から読取った画像データを加工したものであってもよく、あるいは、読取った画像によらず、予めインデックス画像として設定された画像をもちいてもよい。つまり、ユーザが、インデックスとして認識できる画像であればよい。
上記の構成によれば、制御部は、上記画像読取手段がインデックス付き原稿の画像を読取った場合、上記画像形成手段を制御し、インデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状のシートにおける端部に、インデックス画像を形成させる。
これにより、インデックス付原稿の画像形成を行う際、インデックス画像を、インデックス付でないシートに形成することができる。このため、多種類のシートを必要とせず、シートを収納するためのトレイの増加による装置の大型化を回避できる。
また、上記の構成によれば、インデックス部の画像が、シートの端部に形成される。このため、ユーザは、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別できる。このため、ユーザは、画像形成された複数枚のシートを、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能になる。
また、上記画像形成手段は、上記シートの両面に画像形成可能であり、上記制御部は、上記画像形成手段に対して、上記インデックス画像を、上記シートの両面における、シート面に垂直な方向から見て重畳する位置に形成させる機能を有するようにしてもよい。
上記の構成によれば、上記制御部により、上記画像形成手段に対して、上記インデックス画像を、上記シートの両面における、シート面に垂直な方向から見て重畳する位置に形成する。これにより、インデックス画像は、シートの両面に形成される。このため、ユーザは、画像形成されたシートからなる書類を、より簡単に分類できる。
また、上記制御部は、上記画像形成手段に対して、上記インデックス画像を、上記シートのエッジに形成させる構成としてもよい。ここで、シートのエッジとは、シート搬送方向に平行な方向から見た部分、すなわちシート上の画像が形成される面と直交する微小な幅を有する部分である。
これにより、ユーザは、書類束をシートのエッジに垂直な方向、すなわち書類束の厚さ方向に垂直な方向から見ることにより、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を、より容易に識別できる。そのため、ユーザは、画像形成された複数枚のシートを、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能である。
また、上記制御部は、上記インデックス画像を形成する原稿搬送方向に直交する方向の位置が、上記インデックス付き原稿におけるインデックス部の、原稿搬送方向に直交する方向の位置に対応する位置となるように形成するようにしてもよい。
これにより、インデックス画像は、必ずインデックス付き原稿におけるインデックス部の原稿搬送方向に垂直な方向の位置に対応する、シートの位置に形成される。このため、ユーザは、複写後のシートを、原稿の書類束と同様に分類することが容易になる。
また、上記制御部は、上記インデックス付き原稿におけるインデックス部から読取った画像を、上記インデックス画像として形成させるようにしてもよい。
この場合、インデックス画像は、インデックス付き原稿におけるインデックス部から読取った画像をシートに形成したものになる。このため、インデックス付原稿を含む書類束を、より忠実に再現した複製の書類を作成することができる。
また、上記制御部は、上記インデックス付き原稿におけるインデックス部から読取った画像データを、上記インデックス画像が形成されるシートにおける、上記インデックス画像が形成される領域以外の領域と異なる色の度合いで加工し、上記制御部は、上記加工後の画像データを、上記インデックス画像として形成するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、シート上に形成されたインデックス画像を容易に識別することができる。このため、ユーザは、画像形成された複数枚のシートを、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能である。
また、上記制御部は、上記画像加工手段に、上記インデックス部から読取った文字を、上記インデックス画像における他の領域と異なる色の度合いで加工させるようにしてもよい。
この場合、ユーザは、インデックス付き原稿におけるインデックス部に記載された情報を、複写後のシートにおけるインデックス画像から読取ることができる。このため、ユーザは、複写後のシートをインデックス付き原稿と同様に分類することが容易になる。
また、上記画像読取手段は、上記インデックス部における表裏両面の画像を読取り可能であり、上記制御部は、上記インデックス部における表裏それぞれの面から読取った画像、または、当該画像を加工した画像を、上記インデックス画像として、上記シートの両面における、シート面に垂直な方向から見て重畳する位置に形成させるようにしてもよい。
この場合、上記インデックス部における表裏それぞれの面から読取った画像、または、当該画像を加工した画像が、インデックス画像としてシートの両面に形成される。このため、ユーザは、画像形成されたシートからなる書類を、より簡単に分類可能である。
また、上記制御部は、上記インデックス画像として、予め設定された画像を形成させるようにしてもよい。
この場合、インデックス付き原稿を読取った場合には、予め設定された、シートに形成される。このため、ユーザは、シート上に形成されたインデックス画像に基づいて、書類の分類を容易に行うことができる。
また、上記原稿搬送手段は、原稿搬送方向の下流側が上流側よりも高い位置に配置され、かつ、原稿搬送方向に略垂直な原稿載置面を備えた原稿排出部を有し、上記制御部は、搬送後の原稿を、上記原稿排出部に排出させるようにしてもよい。
上記の構成によれば、読取られた原稿同士を載置する際、搬送方向の上流側同士を、上記原稿載置面で合わせることが可能になる。これにより、インデックス付原稿の画像形成を行う際、読取り前のインデックス付き原稿をインデックス部が搬送方向下流側になるように載置しておくことで、読取り後の原稿同士を搬送方向の上流側が揃うように載置することができる。すなわち、インデックス付原稿は、画像を読取られた後、インデックス部と反対側の平らな端を基準にして、自動的に向きを揃えて載置される。よって、ユーザは、画像読取り後の原稿を整える必要がなくなる。
また、上記制御部は、インデックス付き原稿を含む原稿を読取る場合に、上記画像読取手段による読取領域を、上記インデックス付き原稿におけるインデックス部が形成されている側に広く設定するようにしてもよい。
これにより、インデックス付き原稿の読取りを行う場合、インデックス部の画像を確実に読取ることができる。
本発明の画像読取装置は、上記の課題を解決するために、原稿を搬送する原稿搬送手段と、原稿の画像を読取る画像読取手段とを備えた画像読取装置であって、原稿の片面の画像を読取る片面読取りモードと、原稿の両面を読取る両面読取りモードとを備え、インデックス付き原稿を含む原稿の読取処理を行う場合に、両面読取りモードを選択する制御部を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記制御部は、インデックス付き原稿を含む原稿の読取処理を行う場合に、両面読取りモードを選択する。これにより、インデックス付き原稿の読取りを行う場合、インデックス部の画像を確実に読取ることができる。また、例えば、本発明の画像読取装置によって読取った画像データを画像形成装置に出力することにより、インデックス付き原稿の両面の画像を形成できる。この場合、ユーザは、画像形成されたシートからなる書類を、より簡単に分類できる。
また、上記制御部は、インデックス付き原稿を含む原稿を読取る場合に、上記画像読取装置による読取領域を、上記インデックス付き原稿におけるインデックス部が形成されている側に広く設定するようにしてもよい。
上記の構成によれば、インデックス付き原稿の読取りを行う場合、インデックス部の画像を確実に読取ることができる。
また、上記原稿搬送手段は、原稿搬送方向の下流側が上流側よりも高い位置に配置され、かつ、原稿搬送方向に略垂直な原稿載置面を備えた原稿排出部を有し、上記制御部は、搬送後の原稿を、上記原稿排出部に排出させるようにしてもよい。
上記の構成によれば、読取り前のインデックス付き原稿をインデックス部が搬送方向下流側になるように載置することで、読取り後の原稿同士を搬送方向の上流側が揃うように載置することができる。よって、ユーザは、画像読取り後の原稿を整える必要がなくなる。
本発明の画像形成方法は、原稿を搬送する原稿搬送工程と、原稿の画像を読取る画像読取工程と、シート上に画像を形成する画像形成工程とを含む画像形成方法にであって、上記画像読取工程でインデックス付き原稿の画像を読取った場合、上記画像形成工程では、インデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状のシートにおける端部に、インデックス画像を形成することを特徴としている。
上記の方法によれば、インデックス付原稿の画像形成を行う際、インデックス画像を、インデックス付でないシートに形成することができる。そのため、多種類のシートを必要とせず、多種類のシートを収納するための装置の大型化を回避できる。
また、上記の方法によれば、インデックス部の画像が、シートの端部に形成される。このため、ユーザは、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別し、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能になる。
本発明の画像形成プログラムは、画像形成装置に備えられたコンピューターを、上記したいずれかの画像形成装置における制御部として機能させるためのものである。
上記のようなコンピューターにこの画像形成プログラムを読取らせることで、上記したいずれかの画像形成装置における制御部の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
本発明の記録媒体は、上記の画像形成プログラムを記録した記録媒体である。これらの画像形成プログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、画像形成プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、上記したいずれかの画像形成装置における制御部の処理を実施できる。
以上のように、本発明による画像形成装置は、上記画像読取手段がインデックス付き原稿の画像を読取った場合、上記画像形成手段を制御し、インデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状のシートにおける端部に、インデックス画像を形成させる制御部を備えている。
それゆえ、インデックス付原稿の画像形成を行う際、インデックス画像を、インデックス付でないシートに形成することができる。そのため、多種類のシートを必要とせず、シートを収納するためのトレイの増加による装置の大型化を回避できる。
また、インデックス部の画像がシートの端に形成されている。このため、ユーザは、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別できる。したがって、ユーザは、画像形成された複数枚のシートを、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能になる。
本発明の画像読取装置は、原稿の片面の画像を読取る片面読取りモードと、原稿の両面を読取る両面読取りモードとを備え、インデックス付き原稿を含む原稿の読取処理を行う場合に、両面読取りモードを選択する制御部を備えていることを特徴としている。
それゆえ、インデックス付き原稿の読取りを行う場合、インデックス部の画像を確実に読取ることができる。また、例えば、画像読取装置が画像形成装置に接続されて使用される場合などは、インデックス付き原稿の両面の画像を形成できる。これにより、ユーザは、画像形成されたシートからなる書類を、より簡単に分類できる。また、例えば、本発明の画像読取装置によって読取った画像データを画像形成装置に出力することにより、インデックス付き原稿の両面の画像を形成できる。この場合、ユーザは、画像形成されたシートからなる書類を、より簡単に分類できる。
本発明の画像形成方法は、上記画像読取工程でインデックス付き原稿の画像を読取った場合、上記画像形成工程では、インデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状のシートにおける端部に、インデックス画像を形成することを特徴としている。
それゆえ、インデックス付原稿の画像形成を行う際、インデックス画像を、インデックス付でないシートに形成することができる。そのため、多種類のシートを必要とせず、シートを収納するためのトレイの増加による装置の大型化を回避できる。
また、インデックス部の画像が、シートの端部に形成される。このため、ユーザは、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別、インデックス部の画像の形成されたシートを基準にして、簡単に分類することが可能になる。
本発明の画像形成プログラムは、画像形成装置に備えられたコンピューターを、上記したいずれかの画像形成装置における制御部として機能させるためのものである。
上記のようなコンピューターにこの画像形成プログラムを読取らせることで、上記したいずれかの画像形成装置における制御部の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
本発明の記録媒体は、上記の画像形成プログラムを記録した記録媒体である。これらの画像形成プログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、画像形成プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、上記したいずれかの画像形成装置における制御部の処理を実施できる。
(複写機の全体構成)
本発明の一実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る複写機(画像形成装置)1の構成を示す断面図である。複写機1は、原稿の片面を読取る片面読取モードと、原稿の両面を読取る両面読取りモードとを有する。また、複写機1は、インデックス付き原稿またはインデックス付き原稿と通常の原稿(インデックスを含まない矩形形状の原稿)が混在する原稿の搬送処理、読取処理、読取った画像の画像形成処理を行うことができる。
この図に示すように、複写機1は、原稿搬送部2、画像読取部3、画像形成部4、制御部100、および、図示していない操作部を備えている。なお、原稿搬送部2と画像読取部3と操作部と制御部100とで画像読取装置を形成している。
原稿搬送部2は、詳しくは後述するが、原稿供給トレイに載置された原稿を1枚づつ所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿の読取が終了した後に排出トレイに排出する機能を有する装置である。また、原稿を搬送しながらその画像を読取る機能を有する。
上記操作部は、ユーザの操作により各種情報を入力され、入力された情報を制御部100へ伝達する機能を有する。
画像読取部3は、スキャナ装置として用いられるものであって、読取対象となる原稿の画像を読取る。また、この画像読取部3は、原稿台(プラテンガラス)31、光源ユニット32、ミラーユニット33、CCDユニット34、および、光源ユニット検出器35を備えている。
原稿台31は、原稿搬送部2により搬送された原稿を、CCDユニット34等で読取り可能とするために設けられた透明の部材である。
光源ユニット32は、光源32a、ミラー32b、スリット32c、および、ミラー32dを備えている。ミラー32bは、光源32aからの照射光を、原稿台31上の所定の位置に集光させる。また、スリット32cは、照射光のうち、原稿によって反射した反射光のみを通過させる。さらに、ミラー32dは、前記スリットを通過した反射光の光路を90度変更する。
ミラーユニット33は、一対のミラー(33a・33b)を備えている。そして、この一対のミラー(33a・33b)により、光源ユニットのミラー32dから出射された光の光路を180度変更する。
CCDユニット34は、結像レンズ34aおよびイメージセンサ34bを備えている。そして、ミラーユニット33から出射された光が結像レンズ34aに入射することにより、イメージセンサ34bが読取った画像を認識する。
光源ユニット検出器35は、光源ユニット32の位置を検出する。
なお、画像読取部3においては、光源ユニット32が、シート搬送方向(図1の矢印A方向)(副走査方向)に移動する構成である。この構成の場合には、ミラーユニット33も、光源ユニット32の移動に伴い、光源ユニット32と同方向に移動する。なお、ミラーユニット33は、光源ユニット32の半分の速度で移動する。
画像読取部3は、原稿の画像を読取ることができる。また、光源ユニット32、ミラーユニット33、および、CCDユニット34からなる光学系のかわりに、上述した、結像レンズ34a、イメージセンサ34b、および、光源32aを用いて光学系を構成してもよい。
画像形成部4は、画像読取部3のCCDユニット34で取得した読取データを基にして画像を形成する。また、この画像形成部4は、感光体ドラム43、帯電器42、レーザユニット41、現像器44、転写器45、除電器46、クリーニング器47、定着ユニット48、給紙部49、レジストローラ40、制御部100、排出トレイ53、スイッチバック路52、両面ユニット50、シート搬送路51a、シート搬送路51b、および、図示しない記憶装置等とを備えている。
なお、画像形成部4内においては、感光体ドラム43の周囲に、帯電器42、レーザユニット41、現像器44、転写器45、除電器46、および、クリーニング器47が、この順で配置されている。
記憶装置は、例えばメモリで構成される。そして、この記憶装置には、CCDユニット34で取得した読取データが記憶される。また、帯電器42は、感光体ドラム43の表面を所定の電位に帯電させる。
レーザユニット41は、図示しない、半導体レーザ光源、ポリゴンミラー、およびf−θレンズ等で構成される。この半導体レーザ光源は、記憶装置から読み出したデータ、または、外部の装置から転送されてきたデータに応じて、レーザ光を出射する。そして、ポリゴンミラーは、この出射されたレーザ光を等角速度で偏光する。また、f−θレンズは、偏光されたレーザ光が感光体ドラム43上において等速度で偏光されるように、レーザ光を補正する。なお、レーザユニット41による感光体ドラム43へのレーザの照射は、帯電器42による感光体ドラム43の帯電後に行われる。
そして、このようなレーザの照射により、レーザユニット41は、感光体ドラム43の表面に、読み出したデータに対応した静電潜像を形成する。
なお、レーザユニット41の代わりに、LEDやEL等の発光素子アレイを備えた、光書込み用のヘッドユニットを用いてもよい。
現像器44は、感光体ドラム43の表面に形成された静電潜像に対してトナーを供給し、これにより、静電潜像を顕像化してトナー像を形成する。また、転写器45は、現像器44により感光体ドラム43の表面に形成されたトナー像を、給紙部49から給紙されたシートに転写する。さらに、除電器46は、感光体ドラム43の表面の帯電をなくす。また、クリーニング器47は、感光体ドラム43の表面に残留した余分なトナーを回収する。定着ユニット48は、転写器45により転写が行われたシートのトナー像を定着させる。
シート搬送路51aは給紙トレイ49から感光体43へ、シート搬送路51bは感光体43から排出トレイ53またはスイッチバック路52へ、シートを搬送するためのものである
スイッチバック路52は、シートの両面に画像を形成するために、シートの表面と裏面とを反転させる機能を有するものである。両面ユニット50は、スイッチバック路52によって反転したシートを整合し、再度搬送させるものである。
レジストローラ40は、制御部100からの指示により、シートの搬送を一旦停止させ、画像形成とのタイミングを図るものである。これにより、シートを、トナー像が形成された感光体43上の所定の位置に接触するように搬送させ、所定の位置に正しく画像が形成されるようになっている。
また、給紙部49は、シートを格納すると共に、トナー像を転写するためにシートを搬送する。なお、トナー像が転写されたシートは、画像形成部用の排出トレイに排出される。
制御部100について、図10を用いて説明する。図10は、複写機1の概略構成を示したブロック図である。図10に示されるように、制御部100は、複写機1における全ての動作を制御する複写機1の中枢部である。すなわち、制御部100は、操作部からの入力信号あるいは各検出器による検出結果等に応じて、原稿搬送部2、画像読取部3、および、画像形成部4の動作を制御する。
(原稿搬送部の構成)
次に、原稿搬送部2の詳細について、図1に基づいて説明する。原稿搬送部2は、同図に示すとおり、原稿供給トレイ61、原稿検出器62、ピックアップローラ63、給紙ローラ64、分離ローラ65、湾曲搬送路66、原稿搬送タイミング検出器67、レジストローラ68、搬送ベルト69、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、第1排出トレイ72、第2排出トレイ73、第1排出トレイ動作部74、第1排出トレイ位置検出器75、および、第二読取部76(第二読取手段)を備えている。
第二読取部76は、CIS(被検知物に接触して検知するセンサ)(contact image sensor)より成り、搬送中の原稿の裏面を読取る。ここで、原稿の裏面とは、原稿供給トレイ61に載置されている際に下面となっている面のことである。
原稿供給トレイ61は読取対象となる原稿を複数枚、載置可能なトレイである。また、原稿検出器62は、原稿供給トレイ61に原稿が載置されているか否かを検出し、この検出結果を制御部100に送信する。
ピックアップローラ63は、原稿供給トレイ61に載置された原稿を、基本的に一枚づつ取得する。なお、ピックアップローラ63は、原稿供給トレイ61に載置された原稿の内、上面に載置されている原稿から順に取得する。
ただし、ピックアップローラ63は、その機構上、複数毎の原稿を同時に取得するおそれもある。このため、給紙ローラ64により、これらのローラ(64・65)の下流側にある湾曲搬送路66に対して原稿を搬送しつつ、給紙ローラ64に対向して配された分離ローラ65を用いて、一度に搬送される原稿を1枚だけとしている。
レジストローラ68は、原稿搬送タイミング検出器67で検出される結果を基に、このレジストローラ68の下流側にある搬送ベルト69に対する原稿の供給タイミングを調整する。つまり、レジストローラ68は、上述した画像読取部3の原稿台31に原稿を送るタイミングを調整するローラである。
搬送ベルト69は、レジストローラ68から供給させた原稿を、原稿台31に沿って搬送する。
反転切換フラッパ70は、搬送ベルト69により搬送された原稿を、第1排出トレイ72に排出するか、あるいは、第2排出トレイ73に排出するかを切換える装置である。
ここで、第2排出トレイ73に原稿を排出する際には、反転ローラ71を用いて原稿が搬送される。ここで、第2排出トレイ73に原稿が排出される場合には、搬送ベルト69により原稿が搬送されているときの原稿状態と異なる原稿状態、つまり、原稿の表裏が反転した状態で原稿が排出されることになる。すなわち、原稿は、表面を上にした状態で排出される。
一方、第1排出トレイ72に原稿を排出する際には、搬送ベルト69により原稿が搬送されているときの原稿状態と同じ原稿状態、つまり、原稿の表裏が反転していない状態で原稿が排出される。すなわち、原稿は、裏面を上にした状態で排出される。
第1排出トレイ動作部74は、駆動モータ74aと、駆動モータ74aの動作に従って回転駆動する従動部74bとを備えている。ここで、従動部74bは、側に固定された状態で設置されている。
また、第1排出トレイ動作部74は、駆動モータ74aが回転することにより、従動部74bを介して、第1排出トレイ72に排出される原稿の原稿面に対する、第1排出トレイ72の取付角度を変化させる。つまり、第1排出トレイ72を回動させることにより取付角度が変えられる。なお、この取付角度の変更は、所定の範囲内で行われる。
より詳しくは、第1排出トレイ動作部74は、第1排出トレイ72を、原稿の搬送方向の下流側が上流側に対して高くなる第2設定位置(図1の破線位置)と、原稿の搬送方向の下流側が上流側に対して低くなる第1設定位置(図1の実線位置)との間で移動させる。
第1排出トレイ位置検出器75は、第1排出トレイ72の設定位置を検出する機器である。
(原稿読取り動作)
次に、複写機1において、原稿の画像を読取る手順について図9を用いて説明する。図9は、図1の複写機1における複写の手順を示したフローチャートである。また、以下において、通常のシートとはインデックス付き原稿以外の原稿から読取った画像を形成するシートと同一形状の、凸部形状を有さない矩形等のシートとする。
まず、制御部100は、インデックス処理設定がなされているかどうかの判断を行う(S1)。ここで、インデックス処理とは、インデックス付き原稿を含む書類束の読取りおよび画像形成を行う処理であり、この処理が選択された場合、制御部100は、読取り後の原稿の排出先、画像を読取る領域、および、シートに画像を形成する領域等について、インデックス付原稿に適した処理を行う。なお、ユーザは、上記操作部を介してインデックス処理を行うか否かを設定できるようになっている。
制御部100は、インデックス処理設定されていると判断した場合(S1、Yes)、第1排出トレイ72を第2設定位置に設定する。すなわち、制御部100は、第1排出トレイ動作部74を動作させ、第1排出トレイ72を第2設定位置に配置させる(S2)。また、制御部100は、反転切換フラッパ70に搬送されてきた原稿が第1排出トレイ72に排出されるように、反転切換フラッパ70の位置を切換える。
さらに、制御部100は、ユーザによる複写開始指示があったかどうかを待機する(S3)。なお、ユーザは、上記操作部を介して、複写開始指示を行うことができ、入力された内容は操作部から制御部100へ伝達される。
複写開始指示があった場合(S3、Yes)、制御部100は、原稿搬送部2に原稿を搬送させ、第二読取手段76によって原稿の裏面の画像を読取らせ、読取った画像を記憶装置に記憶させる(S4)。
より詳細には、制御部100は、ピックアップローラ63、給紙ローラ64、分離ローラ65、および、レジストローラ68は、原稿供給トレイ61上に載置されていた原稿を、一枚づつ原稿搬送部2内において搬送する。そして、原稿が、湾曲搬送路66を経て第二読取手段76の読取り位置へ搬送された原稿の裏面の画像を、第二読取手段76に読取らせる。このとき、原稿は搬送されながら、同時に第二読取手段76に接触して画像を読取られる。さらに、制御部100は、第二読取手段76に、読取った画像データを記憶装置へ送信させ、記憶装置に記憶させる。
さらに、制御部100は、第二読取手段76によって裏面の画像を読取られた原稿を、搬送ベルト69によって原稿台31上に搬送させる。そして、光源ユニット32(画像読取部3)を制御し、原稿の表面における画像読取領域を読取らせるとともに、読取った画像データを記憶装置に送信させて記憶させる(S5)。ここで、原稿は、原稿台31上において表面を下にして配置されており、表面の画像が読取られる。なお、画像読取領域とは、光源ユニット32により走査され、画像を読取られる原稿上の領域である。また、画像読取領域は、後述するがインデックス処理設定されていない場合より広くなる。
なお、複写機1では、原稿の表面の読取りを、光源ユニット32が移動し原稿を走査することで行っているが、これに限らず、所定の位置に停止した光源ユニット32が搬送されている原稿の表面を走査することで原稿の表面の読取りを行ってもよい。
画像読取部3によって表面の画像を読取られた原稿は、搬送ベルト69により搬送され、第1排出トレイ72に排出される(S6)。
次に、制御部100は、原稿検出器62の検知結果に基づいて、原稿供給トレイ61上に原稿が残っているかどうかを判断する(S7)。原稿が残っていないと判断すれば(S7、Yes)、制御部100は、複写の処理を終了させる(end)。
一方、原稿が残っていると判断すれば(S7、No)、制御部100は、各部の動作を制御し、次の原稿に対してS4以降の処理を行わせる。
なお、制御部100は、インデックス処理設定がされていないと判断した場合(S1、No)、ユーザによる複写開始指示を待機する(S8)。
そして、制御部100は、複写開始指示があったと判断すれば(S8、Yes)、原稿搬送部2を制御し、原稿を原稿台31上に搬送させる。そして、画像読取部3に原稿の表面の画像を読取らせ、読取った画像データを記憶装置に記憶させる(S9)。
次に、制御部100は、原稿を第1排出トレイ72または第2排出トレイ73に排出させる(S10)。
そして、制御部100は、原稿検出器62の検知結果に基づいて、原稿供給トレイ61上に原稿が残っているかどうかを判断する(S11)。ここで、原稿が残っていると判断すれば(S14、No)、制御部100は、各部を制御し、次の原稿に対してS9以降の処理を行わせる。一方、原稿が残っていないと判断すれば(S14、Yes)、制御部100は、複写の処理を終了させる(end)。
(画像読取領域)
ここで、S4およびS5の画像読取動作における、画像読取領域について、図2を用いて説明する。図2は、複写機1により読取られる原稿とその読取領域とを示した正面図である。画像読取領域84(実線で示した矩形部分)は、インデックス処理設定されていない場合の画像読取領域であり、画像読取領域83(二点鎖線で示した矩形部分)は、インデックス処理設定されている場合の画像読取領域を示している。
インデックス処理設定されている場合、インデックス処理設定されていない場合より、画像読取領域は広くなる。すなわち、インデックス処理設定されている場合、図示されるように、画像読取領域84を原稿の搬送方向の後流側に拡大した、画像読取領域83が選択される。これにより、画像読取部3は、インデックス付原稿の画像を、インデックス部の画像を含めて読取ることができる。
(原稿搬送部の動作)
次に、S2において第1排出トレイ72を第2設定位置に設定し、S6において原稿を第1排出トレイ72に排出することの効果について説明する。
複写機1では、インデックス付き原稿を含む書類束の複写、あるいは読取りを行う場合、ユーザは、図7(a)に示すように、インデックス部が搬送方向後流側になるように載置するようになっている。なお、図7(a)〜図7(d)では、便宜上、1枚目の原稿(インデックスなし)の表面に白抜きの三角印(△)を付し、2枚目の原稿(インデックス付き原稿)の表面に黒く塗り潰した三角印(▲)を付している。
このように載置されたインデックス付き原稿を含む原稿を、読取処理後、第2排出トレイ73に排出すると、図7(c)および図5(a)に示すような状態となる。すなわち、インデックス付き原稿のインデックス部が載置基準92側となるように排出されてしまい、書類束が揃わない。すなわち、排出された原稿は、下流部(搬送方向の後流側)の、突起部(凸形状)をなすインデックス部側の端同士を載置基準92に揃えられる。このため、原稿同士の向きは不揃いであり、棚等に収納する際、ユーザが原稿の束を整え直す必要があり、非常に面倒である。
また、図7(a)に示すように載置されたインデックス付き原稿を含む原稿を、読取処理後、第2設定位置に設定された第1排出トレイ72に排出する場合、図7(d)および図5(a)に示すような状態となり、やはり、インデックス部が載置基準91側となって書類束が揃わない。
これに対して、複写機1では、インデックス処理設定されている場合、読取処理後の原稿を、第2設定位置に設定された第1排出トレイ72に排出するようになっている。この場合、排出後の原稿は、図7(b)および図5(b)に示すように、用紙の上流部(搬送方向前流側)、すなわちインデックス部が形成されていない側が載置基準90で揃う。このため、ユーザが、排出後の原稿を揃え直す必要がなくなり、ユーザの手間を軽減できる。
(画像形成の手順)
次に、インデックス処理設定時の画像形成処理の手順について説明する。すなわち、インデックス付き原稿を含む書類束から読取った画像データを、シートに形成する処理の手順について説明する。なお、以降の説明では、画像読取部3、または/および、第二読取手段76により原稿の画像が読取られており、読取られた画像データが記憶装置に記憶されているものとする(図9のS5、S9、または、S12)。また、複写機1では、原稿から読取った画像を、全て、通常のシート(インデックス部を有さない、矩形形状のシート)に形成するものとする。すなわち、インデックス付き原稿に対応する画像についても、インデックス部を有さない原稿に対応する画像を形成するシートと同一形状のシートに形成する。
図8は、図1の複写機1における複写(画像形成)の手順を示したフローチャートである。まず、制御部100は、記憶装置に記憶されている原稿の表面の画像を読み出す(S21)。
次に、制御部100は、形成する画像データがインデックス付き原稿の画像であるか否かを判断する(S22)。そして、インデックス付き原稿の画像データである場合(S22、Yes)、制御部100は、インデックス部の画像データに対応する画像(インデックス画像)を、シートの端部に形成させる(S23)。
なお、インデックス部の画像データに対応する画像は、インデックス部以外のシート上の領域と異なる色の度合いで、形成される。すなわち、複写機1は、画像データを加工する画像加工手段(図示せず)を備えており、制御部100が、この画像加工手段に、インデックス付き原稿から読取ったインデックス部の画像データの濃度(マーキングパターン)を、シートにおけるインデックス領域以外の領域と異なるように加工させた後、インデックス領域82,87に画像を形成させるようになっている。
また、この際、制御部100は、図3に示すように、感光体43上に、シートに転写される領域からはみ出すように、記憶装置から読み出したインデックス部の画像データに対応するトナー像を形成させる。すなわち、図3に示すように、感光体ドラム43上に形成されるトナー像は、転写領域81および余剰領域80からなる。転写領域81は、通常のシートに転写されるトナー像の領域である。余剰領域80は、通常のシートに転写されないトナー像の領域である。なお、転写領域81に形成されたトナー像は通常のシートに転写され、通常のシートにおいてインデックスの役割を果たすインデックス領域82となる。また、余剰領域80に形成されたトナー像は、その後、クリーニング器47によって取り除かれる。
また、この際、制御部100は、図4(a)に示すように、通常のシートの搬送方向(図中、矢印C)後流側における端部に転写領域81を転写させるように、感光体43の回転と通常のシートの搬送タイミングとを制御するようになっている。また、転写領域81のシート搬送方向に垂直な方向の位置は、インデックス付き原稿における原稿搬送方向に垂直な方向の位置に対応する位置となっている。
この場合、シートが、給紙部49からレジストローラ40の位置まで搬送されて一旦停止される。感光体ドラム43が(図3の矢印B方向に)回転すると、レジストローラ40は、制御部100からの指示により、シートを、感光体43上に形成されたトナー像の下流(余剰部分80)がシートの搬送方向の下流からはみ出る位置となるようにタイミングを合わせて搬送する。これにより、転写領域81と余剰領域80との境界線が通常のシートの端に合わさるように、感光体ドラム43上のトナー像が通常のシートに接触し、転写領域81のみが通常のシートに転写され、インデックス領域82となる。このとき、インデックス付原稿の画像は、その一部がシートの端からはみ出るように形成されている。
これにより、複写機1では、インデックス付きシートの画像を、通常のシートの表面における端部まで確実に転写できるようになっている。ここで、シートの表面とは給紙部49に載置されている際に、下に位置している面のことである。
次に、制御部100は、表面に画像形成したシートを、シート搬送路51bを経てスイッチバック路52に搬送させる。そして、スイッチバック路52において、シートをスイッチバックさせる(S24)。すなわち、シートは、搬送方向の上流と下流とを反転される。さらに、制御部100は、反転後のシートを、両面ユニット50および、シート搬送路51aを通って、再び感光体ドラム43の位置に搬送させる。このとき、シートはスイッチバック路52での反転により、裏面が感光体ドラム43に接するように配置される。すなわち、表面への画像形成時とは、表裏が逆の状態になっている。
次に、制御部100は、原稿の裏面の画像データを記憶装置から読み出す(S25)。そして、読み出した画像データに対応するトナー像を感光体ドラム43上に形成させる。
この際、制御部100は、感光体43上に、シートに転写される領域からはみ出すように、記憶装置から読み出したインデックス部の画像データに対応するトナー像を形成させる。ただし、この際、制御部100は、表面に形成されたインデックス部に対応する画像(インデックス領域82)の裏側の位置に、インデックス部の裏面の画像を形成する。すなわち、表面および裏面に形成されたインデックス部の画像が、シート面に垂直な方向から見た場合に重畳するように、インデックス付き原稿の裏面におけるインデックス部の画像を形成する。
より詳細には、制御部100は、図4(b)に示すように、感光体43上のシートへ転写される転写領域86およびシートへ転写されない余剰領域85にトナー像を形成する。さらに、制御部100は、通常のシートの搬送方向(図中、矢印C)上流側における端部(インデックス領域87)に転写領域86のトナー像を転写させるように、感光体43の回転と通常のシートの搬送タイミングとを制御する。なお、インデックス領域87は、シート面に垂直な方向からン見て、シートの表面におけるインデックス領域82に重畳する位置となっている。
これにより、複写機1では、インデックス付きシートの画像を、通常のシートの表面および裏面における端部まで確実に転写できるようになっている。また、感光体43の余剰領域80,85までトナー像を形成しているので、シートの端面(シートの厚さ方向をなす面)にまで、トナー像を転写することができる。このため、ユーザは、このインデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートを含む書類束を、この書類束の厚さ方向に垂直な方向から見ることにより、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別できる。
その後、制御部100は、表裏両面にインデックス部に対応する画像を形成されたシートを、シート搬送路51bを経て排出トレイ53に排出させる(S27)。
ここで、制御部100は、記憶装置に記憶されている画像データを全てシートに形成したかどうかを判断する(S28)。そして、記憶装置に記憶されている画像データを全てシートに形成したと判断した場合は(S28、Yes)、画像形成の処理を終了する(end)。一方、記憶装置に記憶されている画像データが残っていると判断した場合は(S28、No)、S1以降の処理を繰り返す。
なお、制御部100は、S22において、インデックス付き原稿の画像データではないと判断した場合(S22、No)、通常のシートに原稿から読取ったが画像データを形成する(S29)。そして、画像形成後のシートを排出トレイ53に排出させる(S27)。その後、制御部100は、記憶装置に記憶されている画像データを全てシートに形成したかどうかを判断する(S28)。そして、記憶装置に記憶されている画像データが残っていると判断した場合は(S28、No)、S1以降の処理を繰り返す。一方、記憶装置に記憶されている画像データを全てシートに形成したと判断した場合は(S28、Yes)、画像形成の処理を終了する(end)。
以上のように、本実施の形態にかかる複写機1は、インデックス付き原稿を含む書類束を、インデックス付き原稿を抜き取ることなく搬送し、インデックス部を含む画像を読取る。このため、ユーザが、読取り処理前にインデックス付き原稿を抜き取り、読取り処理後に元の位置に戻すといった作業が不要となる。
また、インデックス部から読取った画像データに対応する画像を、通常のシートにおける端部に形成する。これにより、通常のシートに加えてインデックス付シートを用意する必要が無く、多種類のシートを収納するためのトレイの増加による装置の大型化や、多種類のシートを準備するための時間の増加を回避できる。
また、複写機1は、インデックス付原稿の両面の画像を読取り、読取った画像データに対応する画像を通常のシートの両面における端部および端面に形成できる。そのため、インデックス付原稿の画像を忠実に再現できる。また、ユーザがインデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートを含む書類束を、この書類束の厚さ方向に垂直な方向から見ることにより、インデックス付き原稿に対応する画像が形成されたシートの挿入位置を容易に識別できる。
また、複写機1では、インデックス処理設定が選択された場合に、画像読取領域を原稿搬送方向の後流側に広くするようになっている。このため、インデックス付原稿におけるインデックス部の画像についても、確実に読取を行うことができる。
また、複写機1では、インデックス処理設定が選択された場合、読取り処理後の原稿を、第2設定位置に設定された第1排出トレイ72に排出する。すなわち、原稿排出方向下流側が、上流側よりも高い位置に設定された排出トレイに排出する。これにより、インデックス付き原稿を含む書類束を、インデックス部が形成されていない側である上流部(原稿搬送方向側)で揃えることができる。したがって、読取り後の原稿同士を、インデックス部と反対側の平らな端で揃えて載置することができるので、ユーザが、画像読取後の原稿を整える等の処理をする必要が無い。
なお、複写機1では、インデックス処理設定を、ユーザによる操作部への入力に応じて行うものとしたが、これに限るものではない。例えば、複写機1は原稿長を検知する原稿長検知手段をさらに備え、原稿長検知手段の検知結果より、制御部100がインデックス原稿の有無を判断し、判断結果に応じてインデックス処理設定を行うか否かを決定するようにしてもよい。なお、原稿長とは、原稿の搬送方向の長さである。ただし、この場合、インデックス部は、通常、搬送方向に垂直な方向の一部にしか形成されていないため、上記原稿長検知手段は、搬送方向の位置によらず原稿長を検出できることが好ましい。
また、複写機1では、インデックス付き原稿の場合にのみ、両面の画像を読取り、読取った画像データに対応する画像を通常のシートの両面に形成するものとしたが、これに限るものではない。例えば、全ての原稿について両面の画像を読取り、それに対応する画像をシートに形成する構成としてもよい。あるいは、ユーザが両面印刷を選択した場合に、インデックス付きシート以外の原稿についても両面の画像の読取り、および、それに対応する画像形成を行うようにしてもよい。
また、複写機1では、原稿裏面の画像を第二読取手段76によって読取るものとしたが、これに限るものではない。例えば、画像読取部3によって読取った後の原稿を、表裏反転させて再び画像読取部3に戻す原稿スイッチバック手段を設け、画像読取部3によって原稿の表裏の画像を読取るようにしてもよい。
また、複写機1では、図6(a)に示すように、インデックス付き原稿におけるインデックス部から読取った画像データに対応する画像を、通常のシートの表裏両面における端部(インデックス領域82,87)に、シート上におけるインデックス領域以外の部分と異なる色の度合いで形成する。しかしながら、インデックス領域82,87に形成する画像はこれに限るものではない。
ただし、インデックス領域82,87形成する画像のうち、少なくともシートの端部における画像が、インデックス領域82,87以外の領域と異なる濃度であることが好ましい。シートの端(シートのエッジ)方向(あるいはこのシートを含む書類束の厚さ方向に垂直な方向)から見た場合に、インデックス領域82,87が形成されたシートを容易に区別できるからである。
また、インデックス付き原稿におけるインデックス部に文字が印字されている場合、この文字を識別しやすいように、シートに形成されるインデックス部の画像の背景(マーキングパターン)とシートに形成される文字とを加工してもよい。すなわち、原稿のインデックス部から読取った文字を、シートに形成するインデックス画像における他の領域と異なる色の度合いで加工してもよい。
例えば、図6(b)に示すように、インデックス付き原稿におけるインデックス部に文字Aが印字されている場合であって、インデックス領域82,87の背景を濃い濃度で形成する場合、文字を白抜きで形成するようにしてもよい。
また、例えば、図6(c)に示すように、インデックス領域82,87の背景を薄い濃度で形成する場合、文字を濃い濃度で形成するようにしてもよい。
あるいは、複写機1を、複数色の画像形成が可能な構成としてもよく、また、この場合、インデックス部の画像データに対応する画像は、インデックス部を識別できるように、インデックス領域82,87の背景の色と、文字の色とを異なる色で形成するようにしてもよい。なお、この場合には、CCDユニット34および第二読取手段76を、カラー画像の読取が可能な構成とすることが好ましい。
また、例えば、インデックス付き原稿が読取られた場合に、原稿におけるインデックス部の形状、濃度、文字などによらず、予め設定されたインデックス部を示す印字を行うようにしてもよい。この場合、例えば、文字が形成されていないただのベタパターンのみであってもよい。
また、本実施の形態では、複写機1において、ユーザが操作部を操作することにより、インデックス処理設定が行われるとしている。しかしながら、ユーザによる操作を無くし、複写機1は、常時、インデックス処理設定されている状態で、使用されるようにしてもよい。
また、複写機1では、インデックス処理設定の場合に、原稿搬送部2によって搬送した原稿を第1排出トレイ72に排出するものとしたが、これに限るものではない。例えば、搬送ベルト69によって搬送したシートを再度搬送ベルト69方向にスイッチバックさせるスイッチバック手段を設けるとともに、スイッチバックさせたシートを、第2排出トレイ73に排出するようにしてもよい。この場合にも、図5(c)に示すように、排出後のインデックス(タブ)付きシートの上流部と、通常のシートの上流部とを揃えて載置することができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置を複写機1としている。しかしながら、これに限らず、例えばプリンター等の装置としてもよい。
また、本発明は、インデックス(タブ)付きシートを用いるモードが設定された場合に、書類束からインデックス(タブ)付きのシート束を抜き去ることなく読取を可能とし、また作成された複製物にも通常形状のシートを用いてインデックスを施した仕分けシートを挿入できる画像読取装置およびその装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする、と表現することもできる。
また、上記の説明では、複写機1における全ての処理を、制御部100の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部100に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。