JP2005318263A - フィルタ素子 - Google Patents

フィルタ素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005318263A
JP2005318263A JP2004133609A JP2004133609A JP2005318263A JP 2005318263 A JP2005318263 A JP 2005318263A JP 2004133609 A JP2004133609 A JP 2004133609A JP 2004133609 A JP2004133609 A JP 2004133609A JP 2005318263 A JP2005318263 A JP 2005318263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strip
filter element
conductor
coil portion
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004133609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4520214B2 (ja
Inventor
Fukuharu Cho
福春 張
Koichi Yanagisawa
浩一 柳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hioki EE Corp
Original Assignee
Hioki EE Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hioki EE Corp filed Critical Hioki EE Corp
Priority to JP2004133609A priority Critical patent/JP4520214B2/ja
Publication of JP2005318263A publication Critical patent/JP2005318263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4520214B2 publication Critical patent/JP4520214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filters And Equalizers (AREA)

Abstract

【課題】小形で、かつカットオフ周波数を超える周波数帯域においてノイズを良好に減衰させ得るフィルタ素子を提供する。
【解決手段】電気的絶縁性を有する帯状誘電体シート2aに帯状導電体2aを重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に帯状導電体2aの各端部に入力端子4aおよび出力端子5aがそれぞれ接続可能に構成されたコイル部2と、切り込み3bを介して外縁側と連通する中心孔3aが形成されると共にコイル部2における少なくとも一方の端面側に帯状導電体2aと電気的に絶縁された状態で配設された平板状の接地用電極3と、コイル部2の中心孔2dおよび接地用電極3の中央孔3aに装着された磁性コア7とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回されて構成されたフィルタ素子に関するものである。
この種のフィルタ素子として、特開平2−26114号公報および特開平7−122460号公報に開示されたフィルタ素子が知られている。これらのフィルタ素子(以下、「フィルタ素子」ともいう)は、いずれも、所定距離だけ隔たった位置に入出力リード線が接続された線路用の帯状導電体と、接地用リード線が接続されると共に第1の帯状導電体に対向させて設けられた接地用の帯状導電体と、これらの帯状導電体を巻回したときにこれらの電気的絶縁を行う誘電体シートとを備え、各帯状導電体および誘電体シートを巻回することにより、3端子型ノイズフィルタ(低域通過型フィルタ)としてそれぞれ構成されている。これらの各フィルタ素子では、誘電体シートを介して2枚の帯状導電体を巻回することにより、インダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に存在するフィルタ素子として機能するため、広帯域に亘って良好な減衰特性が得られている。
特開平2−26114号公報(第4頁、第1図) 特開平7−122460号公報(第4−5頁、第1図)
ところが、従来の各フィルタ素子には、以下のような解決すべき共通の問題点がある。すなわち、これらのフィルタ素子では、接地用の帯状導電体を線路用の帯状導電体と一緒に巻回する構成のため、接地用の帯状導電体自体も比較的大きなインダクタンスを有している。したがって、線路用の帯状導電体と接地用の帯状導電体との間のキャパシタ成分よりも線路用の帯状導電体における各部位相互間のキャパシタ成分の方が、線路用の帯状導電体を通過する信号に対して大きく影響を及ぼすことになる結果、カットオフ周波数を超える周波数帯域において減衰特性が悪化すると考えられる。さらに、線路用の帯状導電体と接地用の帯状導電体とが磁気的に結合することにより、線路用の帯状導電体を通過する信号に対応した影像電流(誘導電流)が接地用の帯状導電体に流れる結果、磁気的特性が低下して線路用の帯状導電体におけるインダクタ成分が低下する。このため、これによってもカットオフ周波数を超える周波数帯域において減衰特性が悪化すると考えられる。したがって、カットオフ周波数を超える周波数帯域におけるノイズを良好に減衰させることが困難であるという問題点が存在する。また、接地用の帯状導電体を線路用の帯状導電体と一緒に巻回する構成のため、外径が大きくなって大形化するという問題点も存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、小形で、かつカットオフ周波数を超える周波数帯域においてノイズを良好に減衰させ得るフィルタ素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフィルタ素子は、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に前記帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、切り込みを介して外縁側と連通する中心孔が形成されると共に前記コイル部における少なくとも一方の端面側に前記帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の接地用電極と、前記コイル部の中心孔および前記接地用電極の前記中央孔に装着された磁性コアとを備えている。なお、本発明における「端子」には、金具状の端子を含むのは勿論のこと、いわゆるリード線も含まれる。
また、請求項2記載のフィルタ素子は、請求項1記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、相互間に隙間を空けた状態で前記帯状導電体が一対並設されて構成されると共に、当該各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ当該各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能に構成され、前記接地用電極は、前記コイル部の両端側にそれぞれ配設されている。
また、上記目的を達成すべく請求項3記載のフィルタ素子は、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に前記帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、当該コイル部における少なくとも一方の端面側に前記帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の磁性コアと、当該磁性コアにおける前記コイル部との非対向面側に配設された平板状の接地用電極とを備えている。
また、請求項4記載のフィルタ素子は、請求項3記載のフィルタ素子において、前記コイル部は、相互間に隙間を空けた状態で前記帯状導電体が一対並設されて構成されると共に、当該各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ当該各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能に構成され、前記磁性コアは、前記コイル部の両端側に一対配設され、前記接地用電極は、前記各磁性コアにおける前記コイル部との非対向面側にそれぞれ配設されている。
以上のように、請求項1記載のフィルタ素子によれば、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、切り込みを介して外縁側と連通する中心孔が形成されると共にコイル部における少なくとも一方の端面側に帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の接地用電極と、コイル部の中心孔および接地用電極の中央孔に装着された磁性コアとを備えて構成されたことにより、帯状導電体が接地用電極と容量結合する結果、インダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に存在するフィルタ素子として機能させることができる。また、このフィルタ素子では、接地用電極が帯状導電体と一緒に巻回されない構成のため、接地用電極自体のインダクタンスを従来のフィルタ素子と比較して十分に小さくすることができる。この結果、カットオフ周波数よりも高い周波数帯域において、帯状導電体を通過する信号に対する帯状導電体における各部位相互間のキャパシタ成分の影響よりもその信号に対する帯状導電体と接地用電極との間のキャパシタ成分の影響が大きい状態を維持することができると考えられる。つまり、ノイズ成分が、このキャパシタ成分を介して、よりスムーズに接地に流れ込むようになると考えられる。また、帯状導電体と接地用電極との磁気的結合の度合いを従来のフィルタ素子よりも小さくすることもできる結果、帯状導電体を通過する信号に対応した影像電流(誘導電流)が各接地用電極に流れにくくなると考えられる。このため、影像電流に起因する磁気的特性の悪化も軽減することができる結果、磁性コアを装着したことと相俟って、帯状導電体におけるインダクタ成分の低下を十分に抑制することもできると考えられる。したがって、このフィルタ素子によれば、カットオフ周波数を超える周波数帯域において十分な減衰量を確保することができる結果、この周波数帯域におけるノイズ等を良好に減衰させることができる。また、接地用電極と各帯状導電体とが一緒に巻回されない構成のため、その分だけコイル部の外径を小さくすることができる結果、フィルタ素子を十分に小形化することができる。
また、請求項2記載のフィルタ素子によれば、相互間に隙間を空けた状態で帯状導電体が一対並設されると共に、各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能にコイル部を構成し、コイル部の両端側に接地用電極をそれぞれ配設したことにより、一対の帯状導電体を平衡線路としつつ、各帯状導電体に関して上記した特性を備えたコモンモードノイズ用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項3記載のフィルタ素子によれば、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、コイル部における少なくとも一方の端面側に帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の磁性コアと、磁性コアにおけるコイル部との非対向面側に配設された平板状の接地用電極とを備えて構成されたことにより、帯状導電体が導電性を有する磁性コアを介して接地用電極と容量結合する結果、インダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に存在するフィルタ素子として機能させることができる。また、このフィルタ素子でも、接地用電極が帯状導電体と一緒に巻回されない構成のため、接地用電極自体のインダクタンスを従来のフィルタ素子と比較して十分に小さくすることができる。この結果、カットオフ周波数よりも高い周波数帯域において、帯状導電体を通過する信号に対する帯状導電体における各部位相互間のキャパシタ成分の影響よりもその信号に対する帯状導電体と接地用電極との間のキャパシタ成分の影響が大きい状態を維持することができると考えられる。つまり、ノイズ成分が、このキャパシタ成分を介して、よりスムーズに接地に流れ込むようになると考えられる。また、帯状導電体と接地用電極との磁気的結合の度合いを従来のフィルタ素子よりも小さくすることもできる結果、帯状導電体を通過する信号に対応した影像電流(誘導電流)が各接地用電極に流れにくくなると考えられる。このため、影像電流に起因する磁気的特性の悪化も軽減することができる結果、磁性コアを装着したことと相俟って、帯状導電体におけるインダクタ成分の低下を十分に抑制することもできると考えられる。したがって、このフィルタ素子によれば、カットオフ周波数を超える周波数帯域において十分な減衰量を確保することができる結果、この周波数帯域におけるノイズ等を良好に減衰させることができる。また、接地用電極と各帯状導電体とが一緒に巻回されない構成のため、その分だけコイル部の外径を小さくすることができる結果、フィルタ素子を十分に小形化することができる。
また、請求項4記載のフィルタ素子によれば、相互間に隙間を空けた状態で帯状導電体が一対並設されると共に、各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能にコイル部を構成し、コイル部の両端側に磁性コアを一対配設し、各磁性コアにおけるコイル部との非対向面側に接地用電極をそれぞれ配設したことにより、一対の帯状導電体を平衡線路としつつ、各帯状導電体に関して上記した特性を備えたコモンモードノイズ用のフィルタ素子を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフィルタ素子の好適な形態について説明する。
最初に、本発明の第1の形態に係る分布定数型フィルタ素子(以下、「フィルタ素子」ともいう)1について、図面を参照して説明する。
フィルタ素子1は、図1に示すように、コイル部2、一対の接地用電極3,3、一対の入力端子4a,4b、一対の出力端子5a,5b、接地用端子6、および磁性コア7を備えて、コモンモードノイズフィルタ(低域通過型フィルタ)として構成されている。
コイル部2は、図1に示すように、電気的絶縁性を有する帯状誘電体シート2a、および一対の帯状導電体2b,2cを備えている。帯状誘電体シート2aは、例えば、均一な幅に形成されている。各帯状導電体2b,2cも同様にして、例えば、それぞれ均一な幅に形成されている。この場合、各帯状導電体2b,2cは、一例として、その幅が帯状誘電体シート2aの幅の二分の一未満にそれぞれ設定されると共に、お互いの長さが同一に設定されている。また、各帯状導電体2b,2cは、相互間に隙間を空けた(設けた)状態で、かつ帯状誘電体シート2aの長手方向に沿って互いに平行な状態で、帯状誘電体シート2aの表面に並設されている。また、各帯状導電体2b,2cは、各々の幅方向の端縁が帯状誘電体シート2aの幅方向の各端縁からはみ出さないように(突出しないように)、帯状誘電体シート2aの幅方向の各端縁までの間に隙間(幅Lの隙間)を空けて帯状誘電体シート2a上に配設されている。この場合、隙間の幅Lを変更することにより、コイル部2と接地用電極3,3との間に存在するキャパシタ成分の大小を調整することができる。
また、各帯状導電体2b,2cは、各々の一端側に入力端子4a,4bの一端側がそれぞれ電気的に接続されると共に、各々の他端側に出力端子5a,5bの一端側がそれぞれ電気的に接続されている。なお、入力端子4a,4bを出力端子として用い、出力端子5a,5bを入力端子として用いることも勿論可能である。コイル部2は、このように帯状誘電体シート2a、およびこの帯状誘電体シート2a上に配設された一対の帯状導電体2b,2cを、出力端子5a,5bが接続された他端側を巻始めとして巻回することにより、図1,2に示すように、全体として筒状(一例として中心孔2dが形成された円筒状)に形成されている。この場合、各入力端子4a,4bおよび各出力端子5a,5bは、各帯状導電体2b,2cと共に帯状誘電体シート2a内に巻き込まれて、各々の各他端側がコイル部2の端面から突出している。また、各帯状導電体2b,2cは、平衡線路を構成する。
一対の接地用電極3,3は、図1に示すように、外形が環状(中心孔3aが形成された円形平板状)に形成されている。また、各接地用電極3,3は、図1,2に示すように、コイル部2の両端面(同図中の上下端面)にそれぞれ配設されている。また、各接地用電極3,3には、中心孔3aから接地用電極3の外縁に達する切り込み3bがそれぞれ形成されている。すなわち、この中心孔3aは、この切り込み3bを介して接地用電極3の外縁に連通する。つまり、接地用電極3は、帯状導電体2b,2cを流れる電流によってコイル部2に形成される閉磁路に対してショートリングとして機能しないように構成されている。また、切り込み3bは、各接地用電極3,3に一つずつ、一例として接地用電極3の径方向に沿って直線状に形成されている。ただし、切り込み3bは、この構成に限定されるものではなく、その形状を非直線状(例えばジグザグ状、曲線状等)に形成することもできるし、複数形成してもよい。また、各接地用電極3,3は、平板状の金属体を打ち抜き加工する方法を含め、種々の加工方法で作製することができる。また、各接地用電極3,3は、一例として接地用端子6に配線ケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている。なお、配線ケーブルを使用せずに各接地用電極3,3をそれぞれ独立して接地するようにしてもよい。この場合、上記したように、各帯状導電体2b,2cは、帯状誘電体シート2aにおける幅方向の各端縁までの間に隙間を空けて帯状誘電体シート2a上に配設されているため、図2に示すように、各接地用電極3,3と非接触な状態に維持される。この結果、各接地用電極3,3と各帯状導電体2b,2cとの間の電気的絶縁性が、絶縁シートなどを用いることなく簡易な構成で維持される。
磁性コア7は、図1に示すように、導電性磁性材料で形成された一対のコア体8,8を備えている。各コア体8,8は、円形平板(本発明における平板状の磁性コア)8aと、円形平板8aの一方の面の周縁に立設された周壁8bと、円形平板8aの一方の面の中央に立設された柱状体8cとを備えて、いわゆるポットコアに構成されている。この場合、本発明における平板状の磁性コアを円形平板8aのみで構成することもできる。また、各コア体8,8の周壁8bには、切り込み8dが一例として2つずつそれぞれ形成されている。磁性コア7は、各コア体8,8における開口端側を密着させようにして組み合わせることにより、両端が閉塞された円筒体となるように構成されている。また、円筒体に構成された磁性コア7の内部には、図2に示すように、中心孔2dに各柱状体8c,8cがそれぞれ挿入された状態でコイル部2が収納されている。この場合、コイル部2の各端面から突出する各入力端子4a,4b、各出力端子5a,5b、および接地用端子6は、各切り込み8dを介して各々の他端側が磁性コア7の外部に引き出されている。
このフィルタ素子1では、帯状導電体2bが、コイル部2における帯状導電体2b側の端面に配設された接地用電極3と主として容量結合し、また帯状導電体2cが、コイル部2における帯状導電体2c側の端面に配設された接地用電極3と主として容量結合することにより、フィルタ素子1は、インダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に存在するコモンモードフィルタ素子として機能する。また、このフィルタ素子1では、従来のフィルタ素子とは異なり、接地用電極3,3が帯状導電体2b,2cと一緒に巻回されない構成のため、接地用電極3,3自体のインダクタンスが従来のフィルタ素子と比較して十分に小さくなる。この結果、カットオフ周波数よりも高い周波数帯域において、各帯状導電体2b,2cを通過する信号に対する各帯状導電体2b,2cにおける各部位相互間のキャパシタ成分の影響よりもその信号に対する各帯状導電体2b,2cと各接地用電極3,3との間のキャパシタ成分の影響が大きい状態を維持することができると考えられる。つまり、ノイズ成分が、このキャパシタ成分を介して、よりスムーズに接地に流れ込むようになると考えられる。また、接地用電極3,3と各帯状導電体2b,2cとが一緒に巻回されない構成のため、各帯状導電体2b,2cと各接地用電極3,3との磁気的結合の度合いを従来のフィルタ素子よりも小さくすることができる結果、各帯状導電体2b,2cを通過する信号に対応した影像電流(誘導電流)が各接地用電極3,3を流れにくくなると考えられる。このため、影像電流に起因する磁気的特性の悪化を軽減することができる結果、磁性コア7を装着したことと相俟って、各帯状導電体2b,2cにおけるインダクタ成分の低下を十分に抑制することができると考えられる。したがって、このフィルタ素子1によれば、カットオフ周波数を超える周波数帯域において十分な減衰量を確保することができる結果、この周波数帯域におけるノイズ等を良好に減衰させることができる。さらに、また、接地用電極3,3と各帯状導電体2b,2cとが一緒に巻回されない構成のため、その分だけコイル部2の外径を小さくすることができる結果、フィルタ素子1を十分に小形化することができる。
次いで、本発明の第2の形態に係るフィルタ素子11について、図面を参照して説明する。なお、フィルタ素子1と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
フィルタ素子11は、図3に示すように、コイル部2、一対の接地用電極13,13、一対の入力端子4a,4b、一対の出力端子5a,5b、接地用端子6、および磁性コア7を備えて、コモンモードノイズフィルタ(低域通過型フィルタ)として構成されている。この場合、一対の接地用電極13,13は、例えば、同図に示すように、円形平板状に形成されている。また、各接地用電極13,13は、図3,4に示すように、各コア体8,8におけるコイル部2との非対向面側、具体的には磁性コア7の両端面(図4中の上下端面)にそれぞれ配設されている。また、各接地用電極13,13は、一例として接地用端子6に配線ケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている。なお、配線ケーブルを使用せずに各接地用電極13,13をそれぞれ独立して接地するようにしてもよい。
このフィルタ素子11では、帯状導電体2bが、磁性コア7における帯状導電体2b側の端面(外表面)に配設された接地用電極13とコア体8を介して主として容量結合し、帯状導電体2cが、磁性コア7における帯状導電体2c側の端面(外表面)に配設された接地用電極13と主として容量結合する。この場合、各帯状導電体2b,2cと各コア体8,8との間の静電容量(空隙部分の静電容量)をC1、コア体8,8部分の静電容量をC2とすると、各コア体8,8の誘電率が空気の誘電率と比較して非常に大きいため、各帯状導電体2b,2cと各接地用電極13,13との間の静電容量は、各帯状導電体2b,2cと各コア体8,8との間の静電容量C1とほぼ等しくなる。このため、フィルタ素子11は、フィルタ素子1と同様にして、インダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に存在するコモンモードフィルタ素子として機能する。したがって、このフィルタ素子11によれば、上記したフィルタ素子1と同様の効果を奏することができる。さらに、このフィルタ素子11によれば、各接地用電極13,13の形状を製造の容易な円形平板状としたことにより、各接地用電極13,13の製造に要するコストを十分に低減することができる結果、製品を一層安価に製造することができる。また、各コア体8が導電性を有しているため、磁性コア7の一方の端面にのみ接地用電極13を配設する構成を採用したとしても、各帯状導電体2b,2cを接地(グランド)に対して十分に容量結合させることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、フィルタ素子1,11では、各帯状導電体2b,2cの幅方向の各端縁と帯状誘電体シート2aの幅方向の各端縁との間に隙間(幅Lの隙間)を空けて、各帯状導電体2b,2cおよび各接地用電極3,3の電気的接触、または各帯状導電体2b,2cおよび各コア体8,8の電気的接触を避ける構成が採用されているが、フィルタ素子1では、コイル部2の各端面と各接地用電極3,3との間に絶縁性を有するシート状の誘電体を配設することにより、またフィルタ素子11では、コイル部2の各端面と各コア体8,8との間に絶縁性を有するシート状の誘電体を配設することにより、各帯状導電体2b,2cおよび各接地用電極3,3の電気的接触、または各帯状導電体2b,2cおよび各コア体8,8の電気的接触を回避することができる。また、この構成によれば、誘電体の材質や厚みを変更することにより、分布定数的に存在するキャパシタ成分の大小を調整することができる。
また、一対の帯状導電体2b,2cを備えてコモンモードフィルタに構成したフィルタ素子1,11について上記したが、図5に示すように、一対の帯状導電体2b,2cの一方のみ(同図では一例として帯状導電体2b)を帯状誘電体シート2aに重ねて巻回して構成したコイル部22を用いることにより、分布定数型ノーマルモードフィルタとして機能するフィルタ素子を実現することもできる。この場合、このフィルタ素子は、1つの入力端子4aと1つの出力端子5aとを備えて構成される。
次に、フィルタ素子11についての実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
厚み50μmで幅10mmに規定されたポリイミド絶縁シートで形成された帯状誘電体シート2a、幅を3mmに設定した一対の帯状導電体2b,2cを使用して、各信号用導電体2b,2cに対して帯状誘電体シート2aが外側となる巻数12のコイル部2を作製すると共に、作製したコイル部2をポットコア(H5C(TDK社製))に装着してフィルタ素子を作製した。
次いで、作製したフィルタ素子の各周波数毎の減衰特性を、ADVANTEST社製のNETWORK ANALYZER R3767CGを使用して測定した。この際に、一対の入力端子4a,4bを短絡させると共に、一対の出力端子5a,5bを短絡させて、帯状導電体2b,2cに対して試験用信号を同時に供給する方法を採用した。このフィルタ素子の減衰特性を図6に示す。同図によれば、作製したフィルタ素子は、約1MHz〜300MHzの広い周波数帯域で十分な減衰量(30dB以上の減衰量)を確保できることが確認された。
フィルタ素子1の構成を示す分解斜視図である。 フィルタ素子1の完成状態におけるコイル部2の径方向に沿って切断した断面図である。 フィルタ素子11の構成を示す分解斜視図である。 フィルタ素子11の完成状態におけるコイル部2の径方向に沿って切断した断面図である。 コイル部22の構成を示す斜視図である。 実施例に係るフィルタ素子の周波数と減衰量との関係を示す減衰特性図である。
符号の説明
1,11 フィルタ素子
2,22 コイル部
2a 帯状誘電体シート
2b,2c 帯状導電体
2d 中心孔
3,13 接地用電極
3a 中心孔
3b 切り込み
4a,4b 入力端子
5a,5b 出力端子
6 接地用端子
7 磁性コア

Claims (4)

  1. 電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に前記帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、切り込みを介して外縁側と連通する中心孔が形成されると共に前記コイル部における少なくとも一方の端面側に前記帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の接地用電極と、前記コイル部の中心孔および前記接地用電極の前記中央孔に装着された磁性コアとを備えているフィルタ素子。
  2. 前記コイル部は、相互間に隙間を空けた状態で前記帯状導電体が一対並設されると共に、当該各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ当該各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能に構成され、
    前記接地用電極は、前記コイル部の両端側にそれぞれ配設されている請求項1記載のフィルタ素子。
  3. 電気的絶縁性を有する帯状誘電体シートに帯状導電体を重ねた状態で巻回することによって全体として筒状に形成されると共に前記帯状導電体の各端部に入力端子および出力端子がそれぞれ接続可能に構成されたコイル部と、当該コイル部における少なくとも一方の端面側に前記帯状導電体と電気的に絶縁された状態で配設された平板状の磁性コアと、当該磁性コアにおける前記コイル部との非対向面側に配設された平板状の接地用電極とを備えているフィルタ素子。
  4. 前記コイル部は、相互間に隙間を空けた状態で前記帯状導電体が一対並設されると共に、当該各帯状導電体の一端側に入力端子がそれぞれ接続可能でかつ当該各帯状導電体の他端側に出力端子がそれぞれ接続可能に構成され、
    前記磁性コアは、前記コイル部の両端側に一対配設され、
    前記接地用電極は、前記各磁性コアにおける前記コイル部との非対向面側にそれぞれ配設されている請求項3記載のフィルタ素子。
JP2004133609A 2004-04-28 2004-04-28 フィルタ素子 Expired - Fee Related JP4520214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004133609A JP4520214B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 フィルタ素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004133609A JP4520214B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 フィルタ素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005318263A true JP2005318263A (ja) 2005-11-10
JP4520214B2 JP4520214B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=35445239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004133609A Expired - Fee Related JP4520214B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 フィルタ素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4520214B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114728227A (zh) * 2019-11-18 2022-07-08 Lg电子株式会社 空气净化用过滤器
JP2022545674A (ja) * 2020-05-29 2022-10-28 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト コイル素子

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6249714A (ja) * 1985-08-27 1987-03-04 テレフオンアクチ−ボラゲツト エル エム エリツクソン 2線式線路の無線周波数混信を阻止する損失低減フイルタ装置
JP2000058343A (ja) * 1998-08-12 2000-02-25 Murata Mfg Co Ltd 差動伝送線路用コモンモードチョークコイル
JP2000114048A (ja) * 1998-10-05 2000-04-21 Kankyo Denji Gijutsu Kenkyusho:Kk コモンモードフィルタ
JP2000252124A (ja) * 1999-02-24 2000-09-14 Kankyo Denji Gijutsu Kenkyusho:Kk コモンモードフィルタ
JP2002084157A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Koa Corp 分布定数型コモンモードフィルタ
JP2004047731A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Canon Inc コイル部品およびその製造方法、並びに、電源装置
JP2004173157A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Hioki Ee Corp 分布定数型フィルタ素子

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6249714A (ja) * 1985-08-27 1987-03-04 テレフオンアクチ−ボラゲツト エル エム エリツクソン 2線式線路の無線周波数混信を阻止する損失低減フイルタ装置
JP2000058343A (ja) * 1998-08-12 2000-02-25 Murata Mfg Co Ltd 差動伝送線路用コモンモードチョークコイル
JP2000114048A (ja) * 1998-10-05 2000-04-21 Kankyo Denji Gijutsu Kenkyusho:Kk コモンモードフィルタ
JP2000252124A (ja) * 1999-02-24 2000-09-14 Kankyo Denji Gijutsu Kenkyusho:Kk コモンモードフィルタ
JP2002084157A (ja) * 2000-09-08 2002-03-22 Koa Corp 分布定数型コモンモードフィルタ
JP2004047731A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Canon Inc コイル部品およびその製造方法、並びに、電源装置
JP2004173157A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Hioki Ee Corp 分布定数型フィルタ素子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114728227A (zh) * 2019-11-18 2022-07-08 Lg电子株式会社 空气净化用过滤器
CN114728227B (zh) * 2019-11-18 2024-03-01 Lg电子株式会社 空气净化用过滤器
JP2022545674A (ja) * 2020-05-29 2022-10-28 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト コイル素子
JP7244708B2 (ja) 2020-05-29 2023-03-22 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト コイル素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4520214B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7355493B2 (en) Filter element
US10340070B2 (en) Multilayer common mode filter
US7397336B2 (en) Coil component
JP2006100465A (ja) コイル及びこれを用いたフィルタ回路
JP4520214B2 (ja) フィルタ素子
JP2003031416A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2004235709A (ja) 分布定数型フィルタ素子
JP4365083B2 (ja) 分布定数型フィルタ素子
JPH07321489A (ja) 妨害波遮蔽体
JP2005012072A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP4033852B2 (ja) コモンモードフィルタ
JP4851126B2 (ja) フィルタ素子
JP2007088559A (ja) フィルタ素子
JP2005160058A (ja) フィルタ素子
JP2005184724A (ja) フィルタ素子
JP4245930B2 (ja) 分布定数型フィルタ素子
JP2007104477A (ja) フィルタ素子
JP2020529177A5 (ja)
JP4440533B2 (ja) 分布定数型フィルタ素子
JP2005102167A (ja) フィルタ素子
CN110945784A (zh) 电感-电容滤波器及相关联的系统和方法
JP2007067982A (ja) フィルタ素子
JP4523387B2 (ja) フィルタ素子
JP2006340030A (ja) フィルタ素子
JPH06251945A (ja) 積層型素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100520

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150528

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees