JP2002084157A - 分布定数型コモンモードフィルタ - Google Patents
分布定数型コモンモードフィルタInfo
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、USB(Universal Serial Bus)
やIEEE 1394などのディジタル平衡信号インタ
ーフェースのコモンモードノイズフィルタとして利用さ
れる、数MHzから数10MHz、あるいは数100M
Hzから数GHz、さらには将来の数GHzから数10
GHzに渡る周波数成分を有する高速信号伝送回路に用
いられるコモンモードフィルタにおいて、広い周波数帯
域に渡ってコモンモードノイズ抑制効果が得られるとと
もに、素子の小型化や製造コストの低減が図られる分布
定数型コモンモードフィルタを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 内部誘電体13の上下に対向して配置さ
れる平行導体ライン11,12を磁性体と誘電体の複合
体14,15で挟持し、これら磁性体と誘電体の複合体
14,15の上下外側表面に接地導体18,19を形成
する。こうして、コモンモード動作時の磁性体損失と導
体ラインうず電流損の大幅な増大によって、広い周波数
範囲に渡ってコモンモードノイズを抑制することができ
る。
やIEEE 1394などのディジタル平衡信号インタ
ーフェースのコモンモードノイズフィルタとして利用さ
れる、数MHzから数10MHz、あるいは数100M
Hzから数GHz、さらには将来の数GHzから数10
GHzに渡る周波数成分を有する高速信号伝送回路に用
いられるコモンモードフィルタにおいて、広い周波数帯
域に渡ってコモンモードノイズ抑制効果が得られるとと
もに、素子の小型化や製造コストの低減が図られる分布
定数型コモンモードフィルタを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 内部誘電体13の上下に対向して配置さ
れる平行導体ライン11,12を磁性体と誘電体の複合
体14,15で挟持し、これら磁性体と誘電体の複合体
14,15の上下外側表面に接地導体18,19を形成
する。こうして、コモンモード動作時の磁性体損失と導
体ラインうず電流損の大幅な増大によって、広い周波数
範囲に渡ってコモンモードノイズを抑制することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタル平衡
信号伝送系として需要が急増しているUSB( Universa
l Serial Bus )やIEEE 1394インターフェース
用のコモンモードノイズフィルタに関する。
信号伝送系として需要が急増しているUSB( Universa
l Serial Bus )やIEEE 1394インターフェース
用のコモンモードノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パーソナルコンピュータ、携帯
電話やPHS、およびPDAなどに代表されるモバイル
情報通信機器の市場はワールドワイドに拡大している。
これらの機器の小型軽量化、高機能化は半導体集積回路
の技術進展に負うところが大きく、この傾向は近年益々
加速度を増している。多くの情報通信機器に共通して言
えるのは、信号周波数の高周波化が顕著であることであ
る。例えば、2000年現在、パーソナルコンピュータ
のCPUクロック周波数は500MHz程度が普通であ
り、近い内に1GHzを越えるであろう。それに併せ
て、周辺機器との高速データ転送も必要となり、ノイズ
輻射が少なく、かつ、長距離伝送可能な平衡信号伝送系
であるUSB(Universal Serial Bus)やIEEE 13
94インターフェースが普及しつつある。 現在、パー
ソナルコンピュータとディジタル機器とのインターフェ
ースとして提案されたUSBのデータ転送レートはロー
スピード規格で1.2Mbps、フルスピード規格で1
2Mbpsであり、近い将来、100Mbpsを越える
であろうことは容易に想像できる。また、より広い用途
でディジタル機器相互のインターフェースとして規格提
案されているIEEE1394インターフェースは、1
00Mbps以上の高速データ転送が可能であり、1G
bps以上の超高速データ転送の実用化が期待されてい
る。
電話やPHS、およびPDAなどに代表されるモバイル
情報通信機器の市場はワールドワイドに拡大している。
これらの機器の小型軽量化、高機能化は半導体集積回路
の技術進展に負うところが大きく、この傾向は近年益々
加速度を増している。多くの情報通信機器に共通して言
えるのは、信号周波数の高周波化が顕著であることであ
る。例えば、2000年現在、パーソナルコンピュータ
のCPUクロック周波数は500MHz程度が普通であ
り、近い内に1GHzを越えるであろう。それに併せ
て、周辺機器との高速データ転送も必要となり、ノイズ
輻射が少なく、かつ、長距離伝送可能な平衡信号伝送系
であるUSB(Universal Serial Bus)やIEEE 13
94インターフェースが普及しつつある。 現在、パー
ソナルコンピュータとディジタル機器とのインターフェ
ースとして提案されたUSBのデータ転送レートはロー
スピード規格で1.2Mbps、フルスピード規格で1
2Mbpsであり、近い将来、100Mbpsを越える
であろうことは容易に想像できる。また、より広い用途
でディジタル機器相互のインターフェースとして規格提
案されているIEEE1394インターフェースは、1
00Mbps以上の高速データ転送が可能であり、1G
bps以上の超高速データ転送の実用化が期待されてい
る。
【0003】平衡信号伝送系の概略構成を図18に示
す。伝送ケーブル(信号電送経路)には、ツイストペア
線からなる平衡信号線路の他に電源線も具備されるが、
図ではそれを省略している。完全平衡信号に対しては、
信号伝送線路1を流れる電流は逆位相であるため、これ
らによる漏洩磁界はキャンセルされるため原理的にノイ
ズ輻射は発生しない。しかしながら、信号の平衡度が不
完全である場合には線路に同位相のコモンモード電流が
流れるために、大きなノイズ輻射を生じる。
す。伝送ケーブル(信号電送経路)には、ツイストペア
線からなる平衡信号線路の他に電源線も具備されるが、
図ではそれを省略している。完全平衡信号に対しては、
信号伝送線路1を流れる電流は逆位相であるため、これ
らによる漏洩磁界はキャンセルされるため原理的にノイ
ズ輻射は発生しない。しかしながら、信号の平衡度が不
完全である場合には線路に同位相のコモンモード電流が
流れるために、大きなノイズ輻射を生じる。
【0004】一般に送信側の信号ドライバを完全平衡に
するのは容易でなく、通常、コモンモードチョークコイ
ルを利用してコモンモードノイズを抑制する。環状磁心
と巻線で構成されるコモンモードチョークを例にして、
その動作原理を図19に示す。コモンモードチョークコ
イルは磁性体と2本の巻線で構成される。(b)に示す
バランスモード(平衡モード)信号に対しては低インピ
ーダンスであるため信号が通過し、(a)に示すコモン
モード信号に対しては高インピーダンスであるため信号
を阻止するように動作する。
するのは容易でなく、通常、コモンモードチョークコイ
ルを利用してコモンモードノイズを抑制する。環状磁心
と巻線で構成されるコモンモードチョークを例にして、
その動作原理を図19に示す。コモンモードチョークコ
イルは磁性体と2本の巻線で構成される。(b)に示す
バランスモード(平衡モード)信号に対しては低インピ
ーダンスであるため信号が通過し、(a)に示すコモン
モード信号に対しては高インピーダンスであるため信号
を阻止するように動作する。
【0005】最近、2層平面コイルをフェライト板でサ
ンドイッチした構成から成る積層型コモンモードチョー
クコイルが開発され、USBインターフェースのコモン
モードノイズフィルタとしての適用結果が公表された
(松田勝治、川口正彦、内山一義、金子敏己;電気学会
マグネティックス研究会, MAG-98-256, 1998)。データ
転送速度12MbpsのUSBインターフェースに対
し、試作されたコモンモードチョークコイルは十分なコ
モンモード抑制が得られたと報告されている。しかしな
がら、一般にコモンモードチョークコイルは集中定数型
素子であるため、巻線間の分布容量が問題となるような
高周波信号に対してはコモンモード信号抑制が劣化す
る。従って、IEEE 1394インターフェ−スのよ
うな100Mbpsを越えるような高速データ転送に対
しては、コモンモードチョークコイルによるコモンモー
ド信号抑制は困難になると考えられる。
ンドイッチした構成から成る積層型コモンモードチョー
クコイルが開発され、USBインターフェースのコモン
モードノイズフィルタとしての適用結果が公表された
(松田勝治、川口正彦、内山一義、金子敏己;電気学会
マグネティックス研究会, MAG-98-256, 1998)。データ
転送速度12MbpsのUSBインターフェースに対
し、試作されたコモンモードチョークコイルは十分なコ
モンモード抑制が得られたと報告されている。しかしな
がら、一般にコモンモードチョークコイルは集中定数型
素子であるため、巻線間の分布容量が問題となるような
高周波信号に対してはコモンモード信号抑制が劣化す
る。従って、IEEE 1394インターフェ−スのよ
うな100Mbpsを越えるような高速データ転送に対
しては、コモンモードチョークコイルによるコモンモー
ド信号抑制は困難になると考えられる。
【0006】一方、IEEE 1394インターフェー
スのコモンモード信号抑制用として、最近、コモンモー
ド誘電体フィルタが開発された(津田文史郎、貝崎康
裕、篠原慎一、佐藤利三郎;電気学会マグネティックス
研究会,MAG- 98-257, 1998)。コモンモードフィルタの
構成例を図20に示す。このフィルタは金属導体とアル
ミナ誘電体で構成され、2本のスパイラル導体ライン5
がアルミナ6中に埋め込まれ、アルミナの上下面に金属
接地導体7が形成される構成となっている。このフィル
タの等価回路は、図21に示されるように、対称結合2
線路分布定数回路として表現される。平衡信号に対する
フィルタの特性インピーダンスZc(B)、ならびに、
コモンモード信号に対する特性インピーダンスZc
(C)は、次の(1), (2)式で与えられる。
スのコモンモード信号抑制用として、最近、コモンモー
ド誘電体フィルタが開発された(津田文史郎、貝崎康
裕、篠原慎一、佐藤利三郎;電気学会マグネティックス
研究会,MAG- 98-257, 1998)。コモンモードフィルタの
構成例を図20に示す。このフィルタは金属導体とアル
ミナ誘電体で構成され、2本のスパイラル導体ライン5
がアルミナ6中に埋め込まれ、アルミナの上下面に金属
接地導体7が形成される構成となっている。このフィル
タの等価回路は、図21に示されるように、対称結合2
線路分布定数回路として表現される。平衡信号に対する
フィルタの特性インピーダンスZc(B)、ならびに、
コモンモード信号に対する特性インピーダンスZc
(C)は、次の(1), (2)式で与えられる。
【0007】
【数1】 ここで、Rは導体ラインの単位長さ当たりの抵抗、Lは
導体ラインの単位長さ当たりの自己インダクタンス、G
11とC11は導体ラインと接地導体間の単位長さ当た
りのコンダクタンスとキャパシタンス、G12とC12
は2本の導体ライン間の単位長さ当たりのコンダクタン
スとキャパシタンスである。
導体ラインの単位長さ当たりの自己インダクタンス、G
11とC11は導体ラインと接地導体間の単位長さ当た
りのコンダクタンスとキャパシタンス、G12とC12
は2本の導体ライン間の単位長さ当たりのコンダクタン
スとキャパシタンスである。
【0008】また、2本のスパイラル導体ラインの磁気
結合係数は相互インダクタンスMを用いて次式のように
表される。
結合係数は相互インダクタンスMを用いて次式のように
表される。
【数2】 フィルタを設計する際に、下記条件を満足するように各
種パラメータを設定すれば、コモンモード特性インピー
ダンスZc(C)は平衡モードのそれに比べて十分大き
くなり、両者の差を利用して平衡モ−ド信号を通過、コ
モンモード信号を阻止する。
種パラメータを設定すれば、コモンモード特性インピー
ダンスZc(C)は平衡モードのそれに比べて十分大き
くなり、両者の差を利用して平衡モ−ド信号を通過、コ
モンモード信号を阻止する。
【数3】
【0009】しかしながら、アルミナのような非磁性誘
電体と金属導体のみの構成では、(5)式を満足するよう
な高い結合係数kを得ることは容易ではない。また、こ
のような構成では、フィルタ内の損失(RやG)が比較
的小さいため、特性インピーダンスの差を利用してコモ
ンモード信号を抑制するというフィルタ原理では、コモ
ンモード抑制周波数帯域を広くするのは困難である。
電体と金属導体のみの構成では、(5)式を満足するよう
な高い結合係数kを得ることは容易ではない。また、こ
のような構成では、フィルタ内の損失(RやG)が比較
的小さいため、特性インピーダンスの差を利用してコモ
ンモード信号を抑制するというフィルタ原理では、コモ
ンモード抑制周波数帯域を広くするのは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、高
速データ転送平衡信号伝送線路に用いるコモンモードフ
ィルタにおいて、広い周波数帯域で高いコモンモード除
去比を有することが求められているものの、この課題の
解決の決定的な方法は今だ提案されていない。本発明
は、上述した事情に鑑みて為されたもので、従来困難と
されてきた高いコモンモード除去比を広い周波数帯域に
渡って得ることができる分布定数型コモンモードフィル
タを提供することを目的とする。即ち、本発明は、US
B(Universal Serial Bus)やIEEE 1394など
のディジタル平衡信号インターフェースのコモンモード
ノイズフィルタとして利用される、数MHzから数10
MHz、あるいは数100MHzから数GHz、さらに
は将来の数GHzから数10GHzに渡る周波数成分を
有する高速信号伝送回路に用いられるコモンモードフィ
ルタにおいて、広い周波数帯域に渡ってコモンモードノ
イズ抑制効果が得られるとともに、素子の小型化や製造
コストの低減が図られる分布定数型コモンモードフィル
タを提供することを目的とする。
速データ転送平衡信号伝送線路に用いるコモンモードフ
ィルタにおいて、広い周波数帯域で高いコモンモード除
去比を有することが求められているものの、この課題の
解決の決定的な方法は今だ提案されていない。本発明
は、上述した事情に鑑みて為されたもので、従来困難と
されてきた高いコモンモード除去比を広い周波数帯域に
渡って得ることができる分布定数型コモンモードフィル
タを提供することを目的とする。即ち、本発明は、US
B(Universal Serial Bus)やIEEE 1394など
のディジタル平衡信号インターフェースのコモンモード
ノイズフィルタとして利用される、数MHzから数10
MHz、あるいは数100MHzから数GHz、さらに
は将来の数GHzから数10GHzに渡る周波数成分を
有する高速信号伝送回路に用いられるコモンモードフィ
ルタにおいて、広い周波数帯域に渡ってコモンモードノ
イズ抑制効果が得られるとともに、素子の小型化や製造
コストの低減が図られる分布定数型コモンモードフィル
タを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明のコモンモードフィルタにあっては、磁
性体と誘電体、2本の導体ラインならびに接地導体で構
成される。この素子の等価回路は図21と同様に対称結
合2線路からなる分布定数回路として表現されるので、
これを分布定数型コモンモードフィルタと呼ぶ。また、
この発明の分布定数型コモンモードフィルタにあって
は、2本の導体ラインが誘電体層の上下両面に対向する
ように配置され、これらが磁性体と誘電体の複合体で挟
持され、上下の磁性体・誘電体複合体の外側表面の接地
導体とから構成されている。また、この発明の分布定数
型コモンモードフィルタにあっては、2本の導体ライン
がお互いに接近して同一平面上に配置され、これらが磁
性体と誘電体の複合体で挟持され、上下の磁性体・誘電
体複合体の外側表面の接地導体とから構成されている。
また、この発明の分布定数型コモンモードフィルタにあ
っては、つづら折れ状の平面パターン形状を有する導体
ラインで構成するようにしてもよい。また、この発明の
分布定数型コモンモードフィルタにあっては、うず巻状
の平面パターン形状を有する導体ラインで構成するよう
にしてもよい。また、この発明の分布定数型コモンモー
ドフィルタにあっては、磁性体と誘電体の組み合わせか
らなる複合体を磁性体と誘電体の積層体で構成するよう
にしてもよい。また、この発明の分布定数型コモンモー
ドフィルタにあっては、磁性体材料が磁性酸化物で構成
されるようにしてもよい。また、この発明の分布定数型
コモンモードフィルタにあっては、 例えばNi−Zn
フェライト磁性膜、ポリイミド樹脂等の誘電体膜、なら
びにアルミ等の金属導体膜で構成されている。また、こ
の発明の分布定数型コモンモードフィルタにあっては、
磁性体と誘電体の組み合わせからなる複合体が誘電体
中に磁性体微粒子を分散させた材料で構成されている。
めに、この発明のコモンモードフィルタにあっては、磁
性体と誘電体、2本の導体ラインならびに接地導体で構
成される。この素子の等価回路は図21と同様に対称結
合2線路からなる分布定数回路として表現されるので、
これを分布定数型コモンモードフィルタと呼ぶ。また、
この発明の分布定数型コモンモードフィルタにあって
は、2本の導体ラインが誘電体層の上下両面に対向する
ように配置され、これらが磁性体と誘電体の複合体で挟
持され、上下の磁性体・誘電体複合体の外側表面の接地
導体とから構成されている。また、この発明の分布定数
型コモンモードフィルタにあっては、2本の導体ライン
がお互いに接近して同一平面上に配置され、これらが磁
性体と誘電体の複合体で挟持され、上下の磁性体・誘電
体複合体の外側表面の接地導体とから構成されている。
また、この発明の分布定数型コモンモードフィルタにあ
っては、つづら折れ状の平面パターン形状を有する導体
ラインで構成するようにしてもよい。また、この発明の
分布定数型コモンモードフィルタにあっては、うず巻状
の平面パターン形状を有する導体ラインで構成するよう
にしてもよい。また、この発明の分布定数型コモンモー
ドフィルタにあっては、磁性体と誘電体の組み合わせか
らなる複合体を磁性体と誘電体の積層体で構成するよう
にしてもよい。また、この発明の分布定数型コモンモー
ドフィルタにあっては、磁性体材料が磁性酸化物で構成
されるようにしてもよい。また、この発明の分布定数型
コモンモードフィルタにあっては、 例えばNi−Zn
フェライト磁性膜、ポリイミド樹脂等の誘電体膜、なら
びにアルミ等の金属導体膜で構成されている。また、こ
の発明の分布定数型コモンモードフィルタにあっては、
磁性体と誘電体の組み合わせからなる複合体が誘電体
中に磁性体微粒子を分散させた材料で構成されている。
【0012】さらに、本発明の分布定数型コモンモード
フィルタを用いた平衡モード信号伝送回路にあっては、
平衡モード特性インピーダンスが平衡モード信号伝送回
路の送信側ならびに受信側インピーダンスと概略一致
し、かつ、不平衡モード特性インピーダンスが送信側な
らびに受信側インピーダンスより大きくなるように分布
定数型コモンモードフィルタが構成されている。また、
本発明の分布定数型コモンモードフィルタを用いた平衡
モード信号伝送回路にあっては、分布定数型コモンモー
ドフィルタの2つの導体ラインの入力端子と接地導体の
間に容量性素子を接続して構成されることが好ましい。
また、本発明の分布定数型コモンモードフィルタの2つ
の入力端子と接地導体の間に容量性素子を接続して構成
される平衡モード信号伝送回路にあっては、容量性素子
のインピーダンスが平衡モード信号の通過周波数帯域で
は分布定数型コモンモードフィルタの平衡モード入力イ
ンピーダンスより十分に大きく、また、フィルタの不平
衡モード入力インピーダンスより十分に小さくなるよう
に構成される。また、本発明の分布定数型コモンモード
フィルタにあっては、入力端子電極と接地導体の間に生
じる容量性インピーダンスが平衡モード信号の通過周波
数帯域では分布定数型コモンモードフィルタの平衡モー
ド入力インピーダンスより十分に大きく、また、フィル
タの不平衡モード入力インピーダンスより十分に小さく
なるように構成される。
フィルタを用いた平衡モード信号伝送回路にあっては、
平衡モード特性インピーダンスが平衡モード信号伝送回
路の送信側ならびに受信側インピーダンスと概略一致
し、かつ、不平衡モード特性インピーダンスが送信側な
らびに受信側インピーダンスより大きくなるように分布
定数型コモンモードフィルタが構成されている。また、
本発明の分布定数型コモンモードフィルタを用いた平衡
モード信号伝送回路にあっては、分布定数型コモンモー
ドフィルタの2つの導体ラインの入力端子と接地導体の
間に容量性素子を接続して構成されることが好ましい。
また、本発明の分布定数型コモンモードフィルタの2つ
の入力端子と接地導体の間に容量性素子を接続して構成
される平衡モード信号伝送回路にあっては、容量性素子
のインピーダンスが平衡モード信号の通過周波数帯域で
は分布定数型コモンモードフィルタの平衡モード入力イ
ンピーダンスより十分に大きく、また、フィルタの不平
衡モード入力インピーダンスより十分に小さくなるよう
に構成される。また、本発明の分布定数型コモンモード
フィルタにあっては、入力端子電極と接地導体の間に生
じる容量性インピーダンスが平衡モード信号の通過周波
数帯域では分布定数型コモンモードフィルタの平衡モー
ド入力インピーダンスより十分に大きく、また、フィル
タの不平衡モード入力インピーダンスより十分に小さく
なるように構成される。
【0013】この発明の分布定数型コモンモードフィル
タによれば、誘電体のみならず磁性体も同時に利用され
るため、分布自己インダクタンスLが大きくなる、2本
の導体ラインの磁気結合係数kが大きくなるなどの理由
によって、前述した(4)式と(5)式の条件が同時に満足さ
れ、特にコモンモード特性インピーダンスZc(C)を
高くすることが容易に可能になる。また、コモンモード
動作時は平衡モード動作時に比べて磁性体の磁束密度が
遥かに高くなるために磁気損失が大幅に増大すること、
さらには、導体ラインを鎖交する高周波磁束も増えるた
めに導体のうず電流損失も増大する。これらのコモンモ
ード動作時の大幅な損失の増大は、コモンモード信号を
広い周波数範囲に渡って抑制することが可能となる。ま
た、本発明による分布定数型コモンモードフィルタの入
力端子と接地導体の間に容量性インピーダンス、具体的
にはコンデンサなどを接続することによって、コモンモ
ード信号の抑制をさらに向上できる。また、分布定数型
コモンモードフィルタの入力端子電極と接地導体の間に
生ずる静電容量を利用すれば、上記のコンデンサを代替
することができ、素子の小型化が図れる。以上述べた本
発明による分布定数型コモンモードフィルタを平衡モー
ド信号伝送線路に利用すれば、平衡モード信号を効率よ
く通過させ、信号の不平衡で生じるコモンモード信号を
大幅に除去できる。
タによれば、誘電体のみならず磁性体も同時に利用され
るため、分布自己インダクタンスLが大きくなる、2本
の導体ラインの磁気結合係数kが大きくなるなどの理由
によって、前述した(4)式と(5)式の条件が同時に満足さ
れ、特にコモンモード特性インピーダンスZc(C)を
高くすることが容易に可能になる。また、コモンモード
動作時は平衡モード動作時に比べて磁性体の磁束密度が
遥かに高くなるために磁気損失が大幅に増大すること、
さらには、導体ラインを鎖交する高周波磁束も増えるた
めに導体のうず電流損失も増大する。これらのコモンモ
ード動作時の大幅な損失の増大は、コモンモード信号を
広い周波数範囲に渡って抑制することが可能となる。ま
た、本発明による分布定数型コモンモードフィルタの入
力端子と接地導体の間に容量性インピーダンス、具体的
にはコンデンサなどを接続することによって、コモンモ
ード信号の抑制をさらに向上できる。また、分布定数型
コモンモードフィルタの入力端子電極と接地導体の間に
生ずる静電容量を利用すれば、上記のコンデンサを代替
することができ、素子の小型化が図れる。以上述べた本
発明による分布定数型コモンモードフィルタを平衡モー
ド信号伝送線路に利用すれば、平衡モード信号を効率よ
く通過させ、信号の不平衡で生じるコモンモード信号を
大幅に除去できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
いて図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明の第一の実施の形態にかか
る、分布定数型コモンモードフィルタの基本断面構造を
示すものである。上下の平行導体ライン11,12が内
部誘電体層13の上下面に対向するように配置され、こ
れらが磁性体層と誘電体層の複合積層体(tmd)で挟
持され、さらに、複合積層体(tmd)の上下面に接地
導体18,19が形成された構成を有する。なお、紙面
と垂直方向が導体ライン11,12の長手方向になって
いる。ここで、構成例の一つとして、磁性体14として
厚さ500μmのNi−Znフェライト基板、内部誘電
体13として25μm厚ポリイミド、幅50μm、厚さ
3μm、長さ12.5mmの一対のアルミニウム導体ラ
イン11,12、ならびに3μm厚アルミニウム接地導
体18,19を用いている。
る、分布定数型コモンモードフィルタの基本断面構造を
示すものである。上下の平行導体ライン11,12が内
部誘電体層13の上下面に対向するように配置され、こ
れらが磁性体層と誘電体層の複合積層体(tmd)で挟
持され、さらに、複合積層体(tmd)の上下面に接地
導体18,19が形成された構成を有する。なお、紙面
と垂直方向が導体ライン11,12の長手方向になって
いる。ここで、構成例の一つとして、磁性体14として
厚さ500μmのNi−Znフェライト基板、内部誘電
体13として25μm厚ポリイミド、幅50μm、厚さ
3μm、長さ12.5mmの一対のアルミニウム導体ラ
イン11,12、ならびに3μm厚アルミニウム接地導
体18,19を用いている。
【0016】図2は、図1の構成において、上下の平行
導体ライン11,12に平衡モード信号が加わった場合
(電流が相互に反対方向に流れる場合)の電界、ならび
に磁界の発生の様子を模式的に示したものである。 各
導体ラインと接地導体間には+E,−Eの電界が、ま
た、上下導体ライン間には2Eの電界が加わる。上下導
体ラインに流れる電流は逆向きであるから、これらによ
って発生する磁界はお互いに逆向きであるため、発生す
る磁束は非常に少ない。図3は、図1の構成において、
上下の平行導体ライン11,12にコモンモード信号が
加わった場合(電流が相互に同一方向に流れる場合)の
電界、ならびに磁界の発生の様子を模式的に示したもの
である。各導体ライン11,12と接地導体18,19
間には同一のEの電界が、また、上下導体ライン間は同
電位であるため電界は零である。上下導体ライン11,
12に流れる電流は同じ向きであるから、これらによっ
て発生する磁界は加算され、平衡モードの場合に比べて
発生する磁束が非常に多くなる。
導体ライン11,12に平衡モード信号が加わった場合
(電流が相互に反対方向に流れる場合)の電界、ならび
に磁界の発生の様子を模式的に示したものである。 各
導体ラインと接地導体間には+E,−Eの電界が、ま
た、上下導体ライン間には2Eの電界が加わる。上下導
体ラインに流れる電流は逆向きであるから、これらによ
って発生する磁界はお互いに逆向きであるため、発生す
る磁束は非常に少ない。図3は、図1の構成において、
上下の平行導体ライン11,12にコモンモード信号が
加わった場合(電流が相互に同一方向に流れる場合)の
電界、ならびに磁界の発生の様子を模式的に示したもの
である。各導体ライン11,12と接地導体18,19
間には同一のEの電界が、また、上下導体ライン間は同
電位であるため電界は零である。上下導体ライン11,
12に流れる電流は同じ向きであるから、これらによっ
て発生する磁界は加算され、平衡モードの場合に比べて
発生する磁束が非常に多くなる。
【0017】図1で示した本発明による分布定数型コモ
ンモードフィルタでは、磁性体の採用によって、導体ラ
インを流れる電流で発生する磁束は遥かに多くなるの
で、ラインの単位長さ当たりの自己インダクタンスLが
大きくなり、また、上下導体ライン11,12間の磁気
結合kも高くなる。図1の分布定数型コモンモードフィ
ルタの単位長さ当たりの自己インダクタンスLは次式の
ように与えられる。
ンモードフィルタでは、磁性体の採用によって、導体ラ
インを流れる電流で発生する磁束は遥かに多くなるの
で、ラインの単位長さ当たりの自己インダクタンスLが
大きくなり、また、上下導体ライン11,12間の磁気
結合kも高くなる。図1の分布定数型コモンモードフィ
ルタの単位長さ当たりの自己インダクタンスLは次式の
ように与えられる。
【数4】 ここで、tmは磁性体14,15の厚さである。また、
μは磁性体14,15の複素透磁率であり、真空の透磁
率μoを用いて次式で示される。
μは磁性体14,15の複素透磁率であり、真空の透磁
率μoを用いて次式で示される。
【数5】 また、λは次式のように表され、磁性体中を通る磁束の
横方向分布を決定するパラメータである。λの実部λ’
は導体ライン端部の磁性体磁束を基準として、そこから
横方向に離れた場合の磁束の減衰に関係するものであ
る。さらに具体的に言えば、導体ライン端部の磁性体磁
束をφoとしたとき、λ’の距離だけ横方向に離れた点
では磁束の大きさがφoe−1に減衰することを意味す
る。
横方向分布を決定するパラメータである。λの実部λ’
は導体ライン端部の磁性体磁束を基準として、そこから
横方向に離れた場合の磁束の減衰に関係するものであ
る。さらに具体的に言えば、導体ライン端部の磁性体磁
束をφoとしたとき、λ’の距離だけ横方向に離れた点
では磁束の大きさがφoe−1に減衰することを意味す
る。
【数6】 導体ラインの単位長さ当たりの自己インダクタンスL
は、(6), (7), (8)式から複素量として得られる。
は、(6), (7), (8)式から複素量として得られる。
【数7】 磁性体による単位長さ当たりの自己インピーダンスZ
は、
は、
【数8】 となる。
【0018】図1の上下導体ラインの磁気結合係数をk
とすれば、平衡モード動作時の磁性体のインピーダンス
は(1−k)Zとして、コモンモード動作時の磁性体の
インピーダンスは(1+k)Zとして表される。導体ラ
インと接地導体の間の単位長さ当たりのコンダクタンス
G11とC11は次式のように与えられ、σ11とε1
1は磁性体と誘電体の積層複合体の実効導電率と実効誘
電率である。
とすれば、平衡モード動作時の磁性体のインピーダンス
は(1−k)Zとして、コモンモード動作時の磁性体の
インピーダンスは(1+k)Zとして表される。導体ラ
インと接地導体の間の単位長さ当たりのコンダクタンス
G11とC11は次式のように与えられ、σ11とε1
1は磁性体と誘電体の積層複合体の実効導電率と実効誘
電率である。
【数9】 ここで、tmdは磁性体と誘電体の積層複合体の厚さで
ある(図1参照)。また、上下導体ライン間の単位長さ
当たりのコンダクタンスG12とC12は次式のように
与えられ、td、ならびにσ12とε12は内部誘電体
層13の厚さ、実効導電率と実効誘電率である。
ある(図1参照)。また、上下導体ライン間の単位長さ
当たりのコンダクタンスG12とC12は次式のように
与えられ、td、ならびにσ12とε12は内部誘電体
層13の厚さ、実効導電率と実効誘電率である。
【数10】
【0019】図4に示すように、導体ライン11,12
には交流の磁束φが鎖交するので、これによるうず電流
Ieによって導体抵抗が増大する。導体の交流抵抗は鎖
交する磁束の自乗に比例すると考えられる。平衡モード
動作時における鎖交磁束は(1−k)に比例し、また、
コモンモード動作時における鎖交磁束は(1+k)に比
例すると考えられるので、それぞれの信号モードでの導
体ラインの交流抵抗rb,rcは次式のように表すこと
ができる。
には交流の磁束φが鎖交するので、これによるうず電流
Ieによって導体抵抗が増大する。導体の交流抵抗は鎖
交する磁束の自乗に比例すると考えられる。平衡モード
動作時における鎖交磁束は(1−k)に比例し、また、
コモンモード動作時における鎖交磁束は(1+k)に比
例すると考えられるので、それぞれの信号モードでの導
体ラインの交流抵抗rb,rcは次式のように表すこと
ができる。
【数11】 ここで、kは比例定数である。磁性体14,15の採用
によって、kは1に近い値を持つので、コモンモードの
導体交流抵抗rcは平衡モードのrbに比べて遥かに大
きくなる。
によって、kは1に近い値を持つので、コモンモードの
導体交流抵抗rcは平衡モードのrbに比べて遥かに大
きくなる。
【0020】以上述べた分布定数型コモンモードフィル
タのパラメータを用いて、平衡モードならびにコモンモ
ード動作時の等価回路を表すと図5および図6のように
なる。Rbは平衡モード動作時における導体ライン1
1,12の単位長さ当たりの等価損失抵抗、Rcはコモ
ンモード動作時における等価損失抵抗であり、次式で表
される。
タのパラメータを用いて、平衡モードならびにコモンモ
ード動作時の等価回路を表すと図5および図6のように
なる。Rbは平衡モード動作時における導体ライン1
1,12の単位長さ当たりの等価損失抵抗、Rcはコモ
ンモード動作時における等価損失抵抗であり、次式で表
される。
【数12】 従って、平衡モードならびにコモンモード動作時の特性
インピーダンスZc(B),Zc(C)は次式のように
表され、コモンモードフィルタが従来技術で述べた誘電
体と導体のみで構成された場合に比べて、Zc(B)と
Zc(C)の差を遥かに大きくできる。
インピーダンスZc(B),Zc(C)は次式のように
表され、コモンモードフィルタが従来技術で述べた誘電
体と導体のみで構成された場合に比べて、Zc(B)と
Zc(C)の差を遥かに大きくできる。
【数13】
【0021】図7は、本発明の第二の実施の形態にかか
る、分布定数型コモンモードフィルタの基本断面構造を
示すものであり、2本の導体ライン11A,12Aが接
近して同一平面上に配置される場合を示している。2本
の導体ラインの配置が異なるのみで、基本的な動作は図
1を例にして説明した場合と同一である。ただし、2本
の導体ライン11A,12A間の磁気結合kは図1の場
合に比べて悪化するが、導体ライン間の距離sを(8)式
のλ’よりも十分に小さく設定することによって、磁気
結合kの低下を抑えることができる。G12およびC1
2の表示式は、(13), (14)式において、tdがsに、w
がtcに置き換わるのみである。
る、分布定数型コモンモードフィルタの基本断面構造を
示すものであり、2本の導体ライン11A,12Aが接
近して同一平面上に配置される場合を示している。2本
の導体ラインの配置が異なるのみで、基本的な動作は図
1を例にして説明した場合と同一である。ただし、2本
の導体ライン11A,12A間の磁気結合kは図1の場
合に比べて悪化するが、導体ライン間の距離sを(8)式
のλ’よりも十分に小さく設定することによって、磁気
結合kの低下を抑えることができる。G12およびC1
2の表示式は、(13), (14)式において、tdがsに、w
がtcに置き換わるのみである。
【0022】図8は、本発明の第三の実施の形態にかか
る、分布定数型コモンモードフィルタの導体ラインがつ
づら折れパターン形状を有する場合を示すものであり、
図面の簡単化のために2本の導体ラインのみ抽出して示
してある。図8(a)は、2本の導体ライン11,12
が上下に平行の場合を示し、図8(b)は2本の導体ラ
イン11A,12Aが、左右に平行の場合を示してい
る。これら一対の導体ラインがつづら折れ状のパターン
となるように形成されるが、つづら折れ間隔Dmの隣接
導体ラインは負の磁気結合を有するので、自己インダク
タンスを悪化させない程度にDmを大きくするのが良
い。具体的には、(8)式で示したλ’を目安に、少なく
ともλ’以上のDmを確保することが望ましい。
る、分布定数型コモンモードフィルタの導体ラインがつ
づら折れパターン形状を有する場合を示すものであり、
図面の簡単化のために2本の導体ラインのみ抽出して示
してある。図8(a)は、2本の導体ライン11,12
が上下に平行の場合を示し、図8(b)は2本の導体ラ
イン11A,12Aが、左右に平行の場合を示してい
る。これら一対の導体ラインがつづら折れ状のパターン
となるように形成されるが、つづら折れ間隔Dmの隣接
導体ラインは負の磁気結合を有するので、自己インダク
タンスを悪化させない程度にDmを大きくするのが良
い。具体的には、(8)式で示したλ’を目安に、少なく
ともλ’以上のDmを確保することが望ましい。
【0023】図9は、本発明の第四の実施の形態にかか
る、分布定数型コモンモードフィルタの導体ラインがう
ず巻パターン形状を有する場合を示すものであり、図面
の簡単化のために2本の導体ラインのみ抽出して示して
ある。図9(a)は、2本の導体ライン11,12が上
下に平行の場合を示し、図9(b)は左右に平行の場合
の2通りを示している。これら一対の導体ラインがうず
巻状のパターンとなるように形成されるが、うず巻パタ
ーンによる隣接導体ラインは正の磁気結合を有するの
で、つづら折れの場合よりも自己インダクタンスが遥か
に大きくなる。この場合の同一平面上の導体ライン間の
距離Dsは可能な限り狭い方が良い。具体的には、(8)
式で示したλ’を目安に、λ’より十分に小さい導体ラ
イン間距離Dsを設定する方が望ましい。
る、分布定数型コモンモードフィルタの導体ラインがう
ず巻パターン形状を有する場合を示すものであり、図面
の簡単化のために2本の導体ラインのみ抽出して示して
ある。図9(a)は、2本の導体ライン11,12が上
下に平行の場合を示し、図9(b)は左右に平行の場合
の2通りを示している。これら一対の導体ラインがうず
巻状のパターンとなるように形成されるが、うず巻パタ
ーンによる隣接導体ラインは正の磁気結合を有するの
で、つづら折れの場合よりも自己インダクタンスが遥か
に大きくなる。この場合の同一平面上の導体ライン間の
距離Dsは可能な限り狭い方が良い。具体的には、(8)
式で示したλ’を目安に、λ’より十分に小さい導体ラ
イン間距離Dsを設定する方が望ましい。
【0024】図10は、本発明の第五の実施の形態にか
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、磁性体14A,15Aとし
て酸化物磁性材料を用いる場合の構成例を示すものであ
る。Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライトなど
のスピネル型フェライト、YIGなどのガーネット型フ
ェライト、その他の磁性酸化物は、磁性を持つと同時に
誘電性も併せ持つので、磁性体と誘電体の複合体を一種
類の材料で代替できる利点がある。図11は、Ni−Z
nフェライトの複素透磁率ならびに複素誘電率を測定し
た結果の一例であり、(a)は複素透磁率を、(b)は
複素誘電率をそれぞれ示す。本発明による分布定数型コ
モンモードフィルタが磁気損失をも積極的に利用するこ
とを考慮すると、損失に比例する複素透磁率の虚部μ”
が大きい1GHz以上でも十分にコモンモードフィルタ
機能を発揮することができる。
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、磁性体14A,15Aとし
て酸化物磁性材料を用いる場合の構成例を示すものであ
る。Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライトなど
のスピネル型フェライト、YIGなどのガーネット型フ
ェライト、その他の磁性酸化物は、磁性を持つと同時に
誘電性も併せ持つので、磁性体と誘電体の複合体を一種
類の材料で代替できる利点がある。図11は、Ni−Z
nフェライトの複素透磁率ならびに複素誘電率を測定し
た結果の一例であり、(a)は複素透磁率を、(b)は
複素誘電率をそれぞれ示す。本発明による分布定数型コ
モンモードフィルタが磁気損失をも積極的に利用するこ
とを考慮すると、損失に比例する複素透磁率の虚部μ”
が大きい1GHz以上でも十分にコモンモードフィルタ
機能を発揮することができる。
【0025】図12は、本発明の第六の実施の形態にか
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、磁性膜/誘電体膜の積層構
造21,22を用いるものである。この方法によれば、
二元スパッタ装置などの手段によって一括して作製する
ことができるので、素子の量産性を向上することができ
る。
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、磁性膜/誘電体膜の積層構
造21,22を用いるものである。この方法によれば、
二元スパッタ装置などの手段によって一括して作製する
ことができるので、素子の量産性を向上することができ
る。
【0026】図13は、本発明の第七の実施の形態にか
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、誘電体中に磁性微粒子が分
散された複合材料23を用いる場合を示している。即
ち、2本の導体ライン11,12は複合材料23中に埋
め込まれ、その上下両側に接地導体18,19が配置さ
れている。磁性微粒子は、磁性金属微粒子でも良いし、
フェライトなどの磁性酸化物微粒子でも良い。図10で
示した磁性酸化物材料は通常バルクの磁性材料として提
供されるものであり、薄く加工するのが困難でこれをデ
バイスとして利用するには基板として用いる以外にな
い。この発明によれば、誘電体前駆体溶液中に磁性微粒
子を分散させ、それを塗布、低温焼成するだけで磁性体
と誘電体の複合材料を作製することができ、素子の小型
化と低コスト化に繋がる。
かる、分布定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電
体の複合体に関するもので、誘電体中に磁性微粒子が分
散された複合材料23を用いる場合を示している。即
ち、2本の導体ライン11,12は複合材料23中に埋
め込まれ、その上下両側に接地導体18,19が配置さ
れている。磁性微粒子は、磁性金属微粒子でも良いし、
フェライトなどの磁性酸化物微粒子でも良い。図10で
示した磁性酸化物材料は通常バルクの磁性材料として提
供されるものであり、薄く加工するのが困難でこれをデ
バイスとして利用するには基板として用いる以外にな
い。この発明によれば、誘電体前駆体溶液中に磁性微粒
子を分散させ、それを塗布、低温焼成するだけで磁性体
と誘電体の複合材料を作製することができ、素子の小型
化と低コスト化に繋がる。
【0027】図14は、本発明の第八の実施の形態にか
かる、分布定数型コモンモードフィルタを平衡モード信
号伝送線路に適用する場合に関するものである。分布定
数型コモンモードフィルタ25の平衡モード特性インピ
ーダンスZc(B)を平衡モード信号伝送回路1の送信
側ならびに受信側インピーダンスと概略一致させ、不平
衡モード特性インピーダンスZc(C)を送信側ならび
に受信側インピーダンスより大きくすることを特徴とす
る。この発明の具体例をより詳細に説明する。例えば、
IEEE 1394インターフェスの送信ドライバの信
号源インピーダンス、ならびに受信側インピーダンスを
50Ωとした場合、分布定数型コモンモードフィルタの
平衡モード特性インピーダンスZc(B)、ならびにコ
モンモード特性インピーダンスZc(C)を以下のよう
に設定する。
かる、分布定数型コモンモードフィルタを平衡モード信
号伝送線路に適用する場合に関するものである。分布定
数型コモンモードフィルタ25の平衡モード特性インピ
ーダンスZc(B)を平衡モード信号伝送回路1の送信
側ならびに受信側インピーダンスと概略一致させ、不平
衡モード特性インピーダンスZc(C)を送信側ならび
に受信側インピーダンスより大きくすることを特徴とす
る。この発明の具体例をより詳細に説明する。例えば、
IEEE 1394インターフェスの送信ドライバの信
号源インピーダンス、ならびに受信側インピーダンスを
50Ωとした場合、分布定数型コモンモードフィルタの
平衡モード特性インピーダンスZc(B)、ならびにコ
モンモード特性インピーダンスZc(C)を以下のよう
に設定する。
【数14】
【0028】平衡モード信号に対しては、分布定数型コ
モンモードフィルタの入出力端でインピーダンス整合条
件が概略満足されるので、広い周波数帯域に渡って平衡
モード信号を通過させることができる。平衡モード動作
時のフィルタ損失は少ないので、信号減衰の少ない平衡
信号伝送が可能である。また、ディジタル平衡信号伝送
では、広帯域の信号伝送が必要であり、インピーダンス
整合は重要な条件となる。
モンモードフィルタの入出力端でインピーダンス整合条
件が概略満足されるので、広い周波数帯域に渡って平衡
モード信号を通過させることができる。平衡モード動作
時のフィルタ損失は少ないので、信号減衰の少ない平衡
信号伝送が可能である。また、ディジタル平衡信号伝送
では、広帯域の信号伝送が必要であり、インピーダンス
整合は重要な条件となる。
【0029】一方、コモンモード信号に対しては、分布
定数型コモンモードフィルタの入出力端はインピーダン
ス不整合となる。この時のコモンモード信号抑制につい
て、以下により詳細に説明する。誘電体と導体のみで構
成されるコモンモードフィルタの場合、フィルタ内の電
圧・電流定在波波長の1/4の長さが導体ラインの長さ
1cに一致する周波数fcで大きなコモンモード信号除
去比Acが得られる。周波数fc、ならびに信号除去比
Acは概略以下のように表され、Acはフィルタの入出
力信号振幅の比を意味している。
定数型コモンモードフィルタの入出力端はインピーダン
ス不整合となる。この時のコモンモード信号抑制につい
て、以下により詳細に説明する。誘電体と導体のみで構
成されるコモンモードフィルタの場合、フィルタ内の電
圧・電流定在波波長の1/4の長さが導体ラインの長さ
1cに一致する周波数fcで大きなコモンモード信号除
去比Acが得られる。周波数fc、ならびに信号除去比
Acは概略以下のように表され、Acはフィルタの入出
力信号振幅の比を意味している。
【数15】
【0030】コモンモードフィルタが、従来技術で示す
誘電体と導体のみで構成される場合には、本発明による
場合に比べて遥かに損失が少ないため、コモンモードに
対する信号抑制はfcの奇数倍の周波数に対してのみ有
効となり、fcの偶数倍の周波数に対してはコモンモー
ド信号は通過する。加えて、周波数fcならびにその奇
数倍の周波数で得られるコモンモード信号抑制も極めて
狭い周波数帯域でしか得ることができない。平衡信号の
アンバランスで生じるコモンモード信号は広い周波数帯
域を有するので、線路損失の少ない誘電体と導体のみで
構成されたコモンモードフィルタでは十分にコモンモー
ドノイズを抑制することができない。これに対し、この
発明による分布定数型コモンモードフィルタでは、コモ
ンモード動作時の導体抵抗ならびに磁性体損失の大幅な
増加により、広帯域に渡ってコモンモードノイズを抑制
できる。
誘電体と導体のみで構成される場合には、本発明による
場合に比べて遥かに損失が少ないため、コモンモードに
対する信号抑制はfcの奇数倍の周波数に対してのみ有
効となり、fcの偶数倍の周波数に対してはコモンモー
ド信号は通過する。加えて、周波数fcならびにその奇
数倍の周波数で得られるコモンモード信号抑制も極めて
狭い周波数帯域でしか得ることができない。平衡信号の
アンバランスで生じるコモンモード信号は広い周波数帯
域を有するので、線路損失の少ない誘電体と導体のみで
構成されたコモンモードフィルタでは十分にコモンモー
ドノイズを抑制することができない。これに対し、この
発明による分布定数型コモンモードフィルタでは、コモ
ンモード動作時の導体抵抗ならびに磁性体損失の大幅な
増加により、広帯域に渡ってコモンモードノイズを抑制
できる。
【0031】以下に、この発明の具体的な実施例を詳細
に述べる。図15は、磁性体として厚さ500μmのN
i−Znフェライト基板、内部誘電体として25μm厚
ポリイミド、幅50μm、厚さ3μm、長さ12.5m
mの一対のアルミニウム導体ライン、ならびに3μm厚
アルミニウム接地導体を用いて分布定数型コモンモード
フィルタを構成した場合の特性の一例を示すものであ
る。使用したNi−Znフェライトは図11で示された
ものと同一のものである。比較のために、アルミナ誘電
体とタングステン導体を用いて作製した積層型コモンモ
ード誘電体フィルタの特性例も示してある。両者とも平
衡モード信号特性インピーダンスZc(B)は概略50
Ωに一致するように設計した。図15から明らかなよう
に、積層型コモンモード誘電体フィルタのコモンモード
信号除去比Acは500MHzでは大きいものの、2倍
の周波数1GHz付近で大幅に悪化しており、いわゆる
帯域阻止フィルタとしての特性を示す。これに対し、こ
の発明による分布定数型コモンモードフィルタによれ
ば、300MHzから2GHzの広い周波数帯域に渡っ
て大きなコモンモード信号除去比が得られていることが
分かる。
に述べる。図15は、磁性体として厚さ500μmのN
i−Znフェライト基板、内部誘電体として25μm厚
ポリイミド、幅50μm、厚さ3μm、長さ12.5m
mの一対のアルミニウム導体ライン、ならびに3μm厚
アルミニウム接地導体を用いて分布定数型コモンモード
フィルタを構成した場合の特性の一例を示すものであ
る。使用したNi−Znフェライトは図11で示された
ものと同一のものである。比較のために、アルミナ誘電
体とタングステン導体を用いて作製した積層型コモンモ
ード誘電体フィルタの特性例も示してある。両者とも平
衡モード信号特性インピーダンスZc(B)は概略50
Ωに一致するように設計した。図15から明らかなよう
に、積層型コモンモード誘電体フィルタのコモンモード
信号除去比Acは500MHzでは大きいものの、2倍
の周波数1GHz付近で大幅に悪化しており、いわゆる
帯域阻止フィルタとしての特性を示す。これに対し、こ
の発明による分布定数型コモンモードフィルタによれ
ば、300MHzから2GHzの広い周波数帯域に渡っ
て大きなコモンモード信号除去比が得られていることが
分かる。
【0032】図16は、本発明の第九の実施の形態にか
かる、分布定数型コモンモードフィルタを平衡モード信
号伝送線路に適用する場合に関するものである。分布定
数型コモンモードフィルタ25の2つの導体ラインZ1
0の入力端子と接地導体の間に容量性素子を接続するこ
とによって、さらに特性改善を図るものである。容量性
素子の具体的な例としてはコンデンサなどが利用でき
る。また、分布定数型コモンモードフィルタの入力端子
電極20と接地導体18,19の間に生ずる静電容量を
利用すれば、上記のコンデンサを代替することができ、
素子の小型化が図れる。以下に、この発明の効果と具体
例を詳細に述べる。
かる、分布定数型コモンモードフィルタを平衡モード信
号伝送線路に適用する場合に関するものである。分布定
数型コモンモードフィルタ25の2つの導体ラインZ1
0の入力端子と接地導体の間に容量性素子を接続するこ
とによって、さらに特性改善を図るものである。容量性
素子の具体的な例としてはコンデンサなどが利用でき
る。また、分布定数型コモンモードフィルタの入力端子
電極20と接地導体18,19の間に生ずる静電容量を
利用すれば、上記のコンデンサを代替することができ、
素子の小型化が図れる。以下に、この発明の効果と具体
例を詳細に述べる。
【0033】平衡モード信号伝送線路に分布定数型コモ
ンモードフィルタを適用する場合、送信側の等価回路は
図16に示されるように、信号源vsと信号源インピー
ダンスZsで表される。IEEE 1394インターフ
ェースでは、信号源インピーダンスZsは概略50Ωで
ある。分布定数型コモンモードフィルタの平衡モード入
力インピーダンスはZsに概略一致する50Ωとなり、
フィルタの平衡モード入力信号vin(B)は概略vs
/2となる。これに対し、分布定数型コモンモードフィ
ルタのコモンモード入力インピーダンスはZsよりも十
分に大きいためフィルタのコモンモード入力信号vin
(C)は概略vsとなる。フィルタの平衡モード入力信
号とコモンモード入力信号に2倍の差があることは、送
信側から受信側に至る過程での平衡モード信号に対する
コモンモードノイズ抑制を悪化させることに繋がるの
で、分布定数型コモンモードフィルタの性能を活かすこ
とができなくなる可能性がある。実際のコモンモード信
号は平衡信号のアンバランスで生じるものであるから、
平衡度が著しく悪化しない限り、コモンモードノイズ抑
制が致命的に悪化するとは考えにくい。しかしながら、
信号平衡度は一般的に一定でないので、この影響は必ず
しも無視できない。
ンモードフィルタを適用する場合、送信側の等価回路は
図16に示されるように、信号源vsと信号源インピー
ダンスZsで表される。IEEE 1394インターフ
ェースでは、信号源インピーダンスZsは概略50Ωで
ある。分布定数型コモンモードフィルタの平衡モード入
力インピーダンスはZsに概略一致する50Ωとなり、
フィルタの平衡モード入力信号vin(B)は概略vs
/2となる。これに対し、分布定数型コモンモードフィ
ルタのコモンモード入力インピーダンスはZsよりも十
分に大きいためフィルタのコモンモード入力信号vin
(C)は概略vsとなる。フィルタの平衡モード入力信
号とコモンモード入力信号に2倍の差があることは、送
信側から受信側に至る過程での平衡モード信号に対する
コモンモードノイズ抑制を悪化させることに繋がるの
で、分布定数型コモンモードフィルタの性能を活かすこ
とができなくなる可能性がある。実際のコモンモード信
号は平衡信号のアンバランスで生じるものであるから、
平衡度が著しく悪化しない限り、コモンモードノイズ抑
制が致命的に悪化するとは考えにくい。しかしながら、
信号平衡度は一般的に一定でないので、この影響は必ず
しも無視できない。
【0034】この発明では、送信側回路と分布定数型コ
モンモードフィルタの間に、コンデンサなどから成る容
量性素子を接地導体と信号ラインの間に挿入するもの
で、より具体的には、図16に示すように、分布定数型
コモンモードフィルタの2つの入力端子と接地導体の間
に容量性素子を接続する。分布定数型コモンモードフィ
ルタの平衡モード信号の通過周波数帯域において、次式
を満足するように容量性素子のインピ−ダンスZ10を
選択する。
モンモードフィルタの間に、コンデンサなどから成る容
量性素子を接地導体と信号ラインの間に挿入するもの
で、より具体的には、図16に示すように、分布定数型
コモンモードフィルタの2つの入力端子と接地導体の間
に容量性素子を接続する。分布定数型コモンモードフィ
ルタの平衡モード信号の通過周波数帯域において、次式
を満足するように容量性素子のインピ−ダンスZ10を
選択する。
【数16】 このとき、送信側から見た平衡モードとコモンモードの
負荷インピーダンスZL(B), ZL(C)は次のよう
になる。
負荷インピーダンスZL(B), ZL(C)は次のよう
になる。
【数17】 容量性素子としてコンデンサを用い、それの共振周波数
が平衡モード信号の通過周波数帯域よりも高ければ、そ
れのインピーダンスZ10は静電容量C10を用いて次
式のように表される。
が平衡モード信号の通過周波数帯域よりも高ければ、そ
れのインピーダンスZ10は静電容量C10を用いて次
式のように表される。
【数18】
【0035】以上のような構成によって、分布定数型コ
モンモードフィルタの平衡モード信号通過帯域におい
て、平衡モード入力インピーダンスをほぼ一定にしたま
まで、コモンモードの見かけの入力インピーダンスを下
げることができ、前述した問題を解決することが出来
る。しかしながら、この方法は平衡モード信号の通過帯
域を狭くする問題もあり、平衡信号伝送回路システムに
必要な伝送帯域幅、ならびに分布定数型コモンモードフ
ィルタのZin(B)とZin(C)の大きさなどの兼
ね合いによって、容量性素子のインピ−ダンスZ10を
適宜選択する。
モンモードフィルタの平衡モード信号通過帯域におい
て、平衡モード入力インピーダンスをほぼ一定にしたま
まで、コモンモードの見かけの入力インピーダンスを下
げることができ、前述した問題を解決することが出来
る。しかしながら、この方法は平衡モード信号の通過帯
域を狭くする問題もあり、平衡信号伝送回路システムに
必要な伝送帯域幅、ならびに分布定数型コモンモードフ
ィルタのZin(B)とZin(C)の大きさなどの兼
ね合いによって、容量性素子のインピ−ダンスZ10を
適宜選択する。
【0036】この発明による容量性インピーダンスは、
分布定数型コモンモードフィルタの外側に容量性素子を
接続しても良いが、図17に示すように、分布定数型コ
モンモードフィルタの入力端子電極20と接地導体1
8,19の間に生ずる静電容量を利用しても良い。入力
端子電極20の面積をS1、端子電極と接地導体の間の
磁性体/誘電体複合体14の厚さtmdを、導電率をσ
11、誘電率をε11とすれば、容量性インピーダンス
Z10は次式のように表される、前述した(25)式の条件
を満足するには電極面積S1を調整すれば良い。
分布定数型コモンモードフィルタの外側に容量性素子を
接続しても良いが、図17に示すように、分布定数型コ
モンモードフィルタの入力端子電極20と接地導体1
8,19の間に生ずる静電容量を利用しても良い。入力
端子電極20の面積をS1、端子電極と接地導体の間の
磁性体/誘電体複合体14の厚さtmdを、導電率をσ
11、誘電率をε11とすれば、容量性インピーダンス
Z10は次式のように表される、前述した(25)式の条件
を満足するには電極面積S1を調整すれば良い。
【数19】
【0037】以上詳述した分布定数型コモンモードフィ
ルタは、磁性体と誘電体の組み合わせからなる複合体、
ならびに導体材料で構成されるものであり、磁性体材料
と誘電体材料の組み合わせは多数あるため伝送特性を大
幅に調節できる、素子の基本構造は積層体からなるので
バルク材料を張り合わせる方法、スパッタリングやフォ
トリソグラフィを利用する薄膜プロセスなど、その作製
方法も多岐に渡る。従って、性能を優先したり、製造コ
ストを優先したり、ニーズに応じてフィルタの構成や作
製方法を適宜選択することができる。
ルタは、磁性体と誘電体の組み合わせからなる複合体、
ならびに導体材料で構成されるものであり、磁性体材料
と誘電体材料の組み合わせは多数あるため伝送特性を大
幅に調節できる、素子の基本構造は積層体からなるので
バルク材料を張り合わせる方法、スパッタリングやフォ
トリソグラフィを利用する薄膜プロセスなど、その作製
方法も多岐に渡る。従って、性能を優先したり、製造コ
ストを優先したり、ニーズに応じてフィルタの構成や作
製方法を適宜選択することができる。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したようにこの発明によれ
ば、高速ディジタル信号インターフェースとして今後の
飛躍的な普及が予想される平衡信号伝送線路システムの
コモンモードノイズの低減に有効である広帯域コモンモ
ードフィルタの飛躍的な性能向上に資するばかりでな
く、フィルタの更なる小型化および製造コストの低減を
図ることができる。
ば、高速ディジタル信号インターフェースとして今後の
飛躍的な普及が予想される平衡信号伝送線路システムの
コモンモードノイズの低減に有効である広帯域コモンモ
ードフィルタの飛躍的な性能向上に資するばかりでな
く、フィルタの更なる小型化および製造コストの低減を
図ることができる。
【図1】この発明の第一の実施の形態にかかる、分布定
数型コモンモードフィルタの基本断面構造を示す概略構
成図。
数型コモンモードフィルタの基本断面構造を示す概略構
成図。
【図2】同じく、平衡モード信号が加わった場合の内部
電界、ならびに内部磁界の様子を示す概略図。
電界、ならびに内部磁界の様子を示す概略図。
【図3】同じく、コモンモード信号が加わった場合の内
部電界、ならびに内部磁界の様子を示す概略図。
部電界、ならびに内部磁界の様子を示す概略図。
【図4】同じく、導体ラインに交流磁束が鎖交する場合
に発生する導体中のうず電流の様子を示す概略図。
に発生する導体中のうず電流の様子を示す概略図。
【図5】同じく、平衡モード動作時の分布定数型コモン
モードフィルタの等価回路図。
モードフィルタの等価回路図。
【図6】同じく、コモンモード動作時の分布定数型コモ
ンモードフィルタの等価回路図。
ンモードフィルタの等価回路図。
【図7】この発明の第ニの実施の形態にかかる、分布定
数型コモンモードフィルタの基本断面構造を示す概略構
成図。
数型コモンモードフィルタの基本断面構造を示す概略構
成図。
【図8】この発明の第三の実施の形態にかかる、分布定
数型コモンモードフィルタの導体ラインのパターン形状
がつづら折れである場合の一対の導体ラインのみを抽出
した概略図。
数型コモンモードフィルタの導体ラインのパターン形状
がつづら折れである場合の一対の導体ラインのみを抽出
した概略図。
【図9】この発明の第四の実施の形態にかかる、分布定
数型コモンモードフィルタの導体ラインのパターン形状
がうず巻である場合の一対の導体ラインのみを抽出した
概略図。
数型コモンモードフィルタの導体ラインのパターン形状
がうず巻である場合の一対の導体ラインのみを抽出した
概略図。
【図10】この発明の第五の実施の形態にかかる、分布
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
の内、磁性体が酸化物磁性材料を用いる場合の構成の概
略図。
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
の内、磁性体が酸化物磁性材料を用いる場合の構成の概
略図。
【図11】同じく、酸化物磁性材料がNi−Znフェラ
イトである場合の(a)複素透磁率と(b)複素誘電率
の周波数特性を示す概略図。
イトである場合の(a)複素透磁率と(b)複素誘電率
の周波数特性を示す概略図。
【図12】この発明の第六の実施の形態にかかる、分布
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
が磁性膜/誘電体膜の積層構造である場合の構成の概略
図。
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
が磁性膜/誘電体膜の積層構造である場合の構成の概略
図。
【図13】この発明の第七の実施の形態にかかる、分布
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
が誘電体中に磁性粒子を分散させた複合材料を用いる場
合の構成の概略図。
定数型コモンモードフィルタの磁性体と誘電体の複合体
が誘電体中に磁性粒子を分散させた複合材料を用いる場
合の構成の概略図。
【図14】この発明の第八の実施の形態にかかる、分布
定数型コモンモードフィルタを平衡モード信号伝送回路
に適用する場合の構成を示す概略図。
定数型コモンモードフィルタを平衡モード信号伝送回路
に適用する場合の構成を示す概略図。
【図15】同じく、Ni−Znフェライト、ポリイミ
ド、アルミニウムを用いて作製された本発明の分布定数
型コモンモードフィルタと従来型のコモンモードアルミ
ナ誘電体フィルタの特性を比較した概略図であり、図中
の黒丸は従来技術を示し、白丸は本発明を示す。
ド、アルミニウムを用いて作製された本発明の分布定数
型コモンモードフィルタと従来型のコモンモードアルミ
ナ誘電体フィルタの特性を比較した概略図であり、図中
の黒丸は従来技術を示し、白丸は本発明を示す。
【図16】この発明の第九の実施の形態にかかる、分布
定数型コモンモードフィルタの入力端子と接地導体の間
に容量性インピーダンスを接続して平衡モード信号伝送
回路に使用する際の概略図。
定数型コモンモードフィルタの入力端子と接地導体の間
に容量性インピーダンスを接続して平衡モード信号伝送
回路に使用する際の概略図。
【図17】同じく、分布定数型コモンモードフィルタの
入力端子電極と接地導体の間に生じる容量性インピーダ
ンスを利用する際の概略図。
入力端子電極と接地導体の間に生じる容量性インピーダ
ンスを利用する際の概略図。
【図18】ディジタル平衡信号伝送系の一例を示す概略
構成図。
構成図。
【図19】環状磁心を用いたコモンモードチョークコイ
ルの動作を説明する概略図。
ルの動作を説明する概略図。
【図20】従来技術によるコモンモード誘電体フィルタ
の概略構成図。
の概略構成図。
【図21】コモンモードフィルタの等価回路図。
1 伝送回路 11,12,11A,12A 導体ライン 13 内部誘電体層 14,15 磁性体と誘電体の複合積層体層 14A,15A 酸化物磁性体層 18,19 接地導体 20 入力パッド(電極) 21,22 磁性体と誘電体の積層膜 23 誘電体中に磁性粒子を分散させた複合材料 25 分布定数型コモンモードフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E070 AA05 AB01 AB07 BA11 CB12 CB20 DB08 5E082 AA01 AB03 BB01 BC39 DD09 EE04 EE24 FF05 FG06 FG38 5J024 CA06 CA09 DA26 EA09 KA01
Claims (13)
- 【請求項1】 誘電体層と、該誘電体層の内部に平行に
配置された2本の導体ラインと、前記誘電体層を挟むよ
うにその両側に配置された磁性体と誘電体の複合体層
と、該複合体層の更に外側に配置された接地導体とで構
成されたことを特徴とする分布定数型コモンモードフィ
ルタ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の分布定数型コモンモー
ドフィルタにおいて、前記2本の導体ラインが前記誘電
体層の内部で上下両面に対向するように配置されたこと
を特徴とする分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項3】 請求項1に記載の分布定数型コモンモー
ドフィルタにおいて、前記2本の導体ラインが前記誘電
体層の内部で同一平面上に配置されたことを特徴とする
分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の分布
定数型コモンモードフィルタにおいて、前記導体ライン
がつづら折れ状の平面パターン形状を有することを特徴
とする分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の分布
定数型コモンモードフィルタにおいて、前記導体ライン
がうず巻状の平面パターン形状を有することを特徴とす
る分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の分布定
数型コモンモードフィルタにおいて、前記磁性体が、N
i−Znフェライト基板であり、前記誘電体がポリイミ
ド樹脂により構成されていることを特徴とする分布定数
型コモンモードフィルタ。 - 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の分布
定数型コモンモードフィルタにおいて、前記複合体が磁
性体と誘電体の積層体で構成されていることを特徴とす
る分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項8】 請求項1乃至5のいすれかに記載の分布
定数型コモンモードフィルタにおいて、前記磁性体が酸
化物磁性材料で構成された層であることを特徴とする分
布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項9】 請求項1乃至5に記載の分布定数型コモ
ンモードフィルタにおいて、前記誘電体層と前記複合体
層とが誘電体中に磁性体微粒子を分散させた材料を用い
て一体的に構成されていることを特徴とする分布定数型
コモンモードフィルタ。 - 【請求項10】 請求項1乃至9に記載の分布定数型コ
モンモードフィルタにおいて、その平衡モード特性イン
ピーダンスが平衡モード信号伝送回路の送信側ならびに
受信側インピーダンスと概略一致し、不平衡モード特性
インピーダンスが送信側ならびに受信側インピーダンス
より大きいことを特徴とする分布定数型コモンモードフ
ィルタ。 - 【請求項11】 請求項10に記載の分布定数型コモン
モードフィルタにおいて、前記2本の導体ラインの入力
端子と接地導体の間に容量性素子を更に接続したことを
特徴とする分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項12】 請求項11に記載の分布定数型コモン
モードフィルタにおいて、前記2つの導体ラインの入力
端子に接続する容量性素子のインピーダンスが、平衡モ
ード信号の通過周波数帯域ではフィルタの平衡モード入
力インピーダンスより十分に大きく、フィルタの不平衡
モード入力インピーダンスより十分に小さくしたことを
特徴とする分布定数型コモンモードフィルタ。 - 【請求項13】 請求項11又は12に記載の分布定数
型コモンモードフィルタにおいて、前記容量素子は前記
導体ラインの入力端子電極と接地導体の間に生じる容量
性インピーダンスを利用して形成したことを特徴とする
分布定数型コモンモードフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273157A JP2002084157A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | 分布定数型コモンモードフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273157A JP2002084157A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | 分布定数型コモンモードフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002084157A true JP2002084157A (ja) | 2002-03-22 |
Family
ID=18759156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000273157A Pending JP2002084157A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | 分布定数型コモンモードフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002084157A (ja) |
Cited By (12)
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---|---|---|---|---|
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JP7103500B1 (ja) | 2021-11-08 | 2022-07-20 | Ubeマシナリー株式会社 | ノイズフィルタおよび電気回路 |
WO2022181179A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | 株式会社村田製作所 | インダクタ部品 |
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-
2000
- 2000-09-08 JP JP2000273157A patent/JP2002084157A/ja active Pending
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