JP7031501B2 - ブラシレスモータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシレスモータ制御装置に関する。
ブラシレスモータを制御対象とするブラシレスモータ制御装置としては、例えば特許文献1に開示の構成のものが知られている。ブラシレスモータ制御装置は、複数個のスイッチング素子を用いるインバータ回路(ブリッジ回路)を備え、各スイッチング素子のオンオフ動作の組み合わせにて互いに120°の位相差を有する三相駆動電力を生成する。ブラシレスモータ制御装置は、生成した三相駆動電力をブラシレスモータの三相コイルにそれぞれ供給する。
特開2016-226285号公報
ところが、近年、インバータ回路を構成するスイッチング素子のスイッチング周波数の高周波化に伴って、高周波数(例えば、数百MHz程度)のノイズが発生している。このため、ブラシレスモータ制御装置では、高周波数のノイズの低減が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高周波数のノイズを低減できるブラシレスモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するブラシレスモータ制御装置は、回路基板を有するブラシレスモータ制御装置であって、前記回路基板は、回路グランドと、前記回路基板が搭載される金属ケースと電気的に接続される接続パターンと、前記接続パターンと電気的に接続されたコンデンサと、前記回路グランドと前記コンデンサとの間に介在し、上下に対向する導体パターンからなり、互いに磁気結合される一対のコイルと、を有し、前記一対のコイルの一方を第1コイルとし他方を第2コイルとしたとき、前記第1コイルの始端部と前記第2コイルの始端部とは個別に共通の前記回路グランドと接続され、前記第1コイルの終端部と前記第2コイルの終端部同士が接続された接続点に前記コンデンサが接続されており、前記第1コイル前記始端部から前記終端部に向かう巻き方向と、前記第2コイルの前記始端部から前記終端部に向かう巻き方向とは、互いに同じ方向になるように形成されている。
上記態様によれば、回路グランドと接続パターン(金属ケース)との間に、上下に対向する導体パターンからなる一対のコイルとコンデンサとが介在される。このとき、両コイルの始端部は個別に回路グランドと接続され、両コイルの終端部同士が接続された接続点にコンデンサが接続されている。また、一対のコイルは、始端部から終端部に向かう巻き方向が互いに同じ方向になるように形成されている。これにより、回路グランドから両コイルに同相の電流が流れ込み、一対のコイルに流れる電流の方向が同じ方向になる。このため、一対のコイルの間の磁気結合により、一対のコイルの間に負の相互インダクタンスが発生する。この負の相互インダクタンスによって、コンデンサ及び接続パターンの寄生インダクタンスを打ち消すことができる。この結果、回路グランドと接続パターン(金属ケース)との間にコンデンサのみを介在させる場合に比べて、コンデンサと一対のコイルとを含むノイズフィルタ回路における高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができるため、高周波数のノイズを好適に低減することができる。
上記ブラシレスモータ制御装置において、前記第1コイルと前記第2コイルとの間の磁気結合による相互インダクタンスの絶対値が、前記コンデンサの寄生インダクタンスと前記接続パターンの寄生インダクタンスとを合わせた合計値の絶対値と等しくなるように設定されていることが好ましい。
上記態様によれば、一対のコイルの間の磁気結合による相互インダクタンスによって、コンデンサ及び接続パターンの寄生インダクタンスをゼロに近づけることができる。この結果、高周波帯のノイズ低減効果をより向上させることができるため、高周波数のノイズをより低減することができる。
本発明のブラシレスモータ制御装置によれば、高周波数のノイズを低減することができる。
一実施形態におけるブラシレスモータ制御装置を示す回路図。 一実施形態におけるブラシレスモータ制御装置を示す概略斜視図。 一実施形態における回路基板を示す概略斜視図。 一実施形態におけるノイズフィルタ回路を示す等価回路図。 一実施形態におけるノイズフィルタ回路を示す等価回路図。 一実施形態におけるノイズフィルタ回路のインピーダンスの周波数特性を示すグラフ。 比較例におけるコイルを示す概略斜視図。
以下、ブラシレスモータ制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示すブラシレスモータ10は、車両用空調装置の送風用モータとして用いられる。ブラシレスモータ10は、例えば、三相ブラシレスモータである。このブラシレスモータ10は、U相、V相、W相の三相の駆動電力の供給に基づいて回転駆動されるものである。ブラシレスモータ制御装置20は、ブラシレスモータ10の三相への通電タイミングを設定して各相の駆動電力を生成することでブラシレスモータ10の回転を制御している。ブラシレスモータ制御装置20には、直流電源E1が接続されている。なお、ブラシレスモータ10としては、単相や二相のブラシレスモータを用いることもできる。
ブラシレスモータ制御装置20は、インバータ回路21と、制御回路22と、電源安定化回路23と、ノイズフィルタ回路24とを有している。
インバータ回路21は、例えば、直流電源E1からの直流電力から120°位相の異なる三相の駆動電力を生成するための三相インバータ回路である。インバータ回路21は、ブリッジ接続された6個のスイッチング素子31~36を有している。スイッチング素子31~36は、例えば、Nチャネル型MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子31~36には、還流電流を流すためのダイオードD1~D6がそれぞれ逆接続されている。インバータ回路21では、高電位側電源線VBとグランド線GND1との間に、U相用のスイッチング素子31とスイッチング素子32とが直列に、V相用のスイッチング素子33とスイッチング素子34とが直列に、W相用のスイッチング素子35とスイッチング素子36とが直列に接続されている。高電位側のスイッチング素子31,33,35と低電位側のスイッチング素子32,34,36との接続点は、それぞれブラシレスモータ10を構成する巻線の一端に接続されている。スイッチング素子31~36が制御回路22からの制御信号に基づいて所定のタイミングでスイッチング制御されることで、直流電源E1からの直流電力が各相の駆動電力に変換されてブラシレスモータ10に供給される。なお、スイッチング素子31~36のスイッチング動作に伴って生じる高周波スイッチングノイズ(つまり、高周波数のノイズ)がグランド線GND1に乗る場合がある。
電源安定化回路23は、直流電源E1からの直流電力を安定化させてインバータ回路21に供給する。電源安定化回路23は、例えば、コイル41とコンデンサ42,43とを有するフィルタ回路である。コイル41は、例えば、チョークコイルである。コイル41の第1端子は直流電源E1の正極に接続され、コイル41の第2端子はインバータ回路21に接続されている。コンデンサ42,43は、例えば、電解コンデンサである。コンデンサ42の第1端子は直流電源E1の正極及びコイル41の第1端子に接続され、コンデンサ42の第2端子はグランド線GND1に接続されている。コンデンサ43の第1端子はコイル41の第2端子に接続され、コンデンサ43の第2端子はグランド線GND1に接続されている。
ノイズフィルタ回路24は、グランド線GND1に接続されている。また、ノイズフィルタ回路24は、グランド線GND1とは別のグランド線GND2に接続されている。グランド線GND2は、例えば、グランド線GND1よりも電位が低くなっている。ノイズフィルタ回路24は、グランド線GND1に発生する高周波数のノイズ(例えば、高周波スイッチングノイズ)を低減する。
図2に示すように、ブラシレスモータ制御装置20は、回路基板50と、その回路基板50が搭載された金属ケース51とを有している。回路基板50には、例えば、図1に示したインバータ回路21、制御回路22、電源安定化回路23及びノイズフィルタ回路24が形成されている。但し、図2及び図3では、ノイズフィルタ回路24及びそのノイズフィルタ回路24に関連する構造のみを図示している。
図3に示すように、回路基板50は、例えば、多層配線構造を有している。本例の回路基板50は、1層目(ここでは、最上層)の絶縁層52と、その絶縁層52の上面に形成された配線層53と、2層目の絶縁層54と、その絶縁層54の上面に形成された配線層55とを有している。なお、絶縁層52,54の材料としては、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。配線層53,55の材料としては、例えば、銅(Cu)や銅合金を用いることができる。
図2に示すように、回路基板50には、図1に示したグランド線GND1を構成する回路グランド56が形成されている。回路グランド56は、例えば、図3に示した1層目の絶縁層52の上面にべた状に形成されている。回路グランド56は、ノイズフィルタ回路24を介して金属ケース51に電気的に接続されている。この金属ケース51は、グランド線GND2に接地される。このため、回路グランド56は、ノイズフィルタ回路24を介してグランド線GND2に電気的に接続されている。換言すると、ノイズフィルタ回路24は、回路グランド56と、その回路グランド56とは異なるグランド線GND2との間に介在するように、それら回路グランド56とグランド線GND2とを電気的に接続するように設けられている。
図3に示すように、ノイズフィルタ回路24は、回路グランド56に接続され、上下に対向して互いに磁気結合される一対のコイル60,70と、両コイル60,70と接続されたコンデンサ80と、コンデンサ80と接続された接続パターン81とを有している。接続パターン81は、固定部材85を介して、図2に示した金属ケース51と電気的に接続されている。
一対のコイル60,70は、回路基板50上に形成された導体パターン61,71によって構成されている。コイル60は、例えば、1層目の絶縁層52の上面に形成された導体パターン61によって構成されている。コイル70は、例えば、その大部分が2層目の絶縁層54の上面に形成された導体パターン71によって構成されている。
両コイル60,70は、回路グランド56とコンデンサ80との間に介在して形成されている。具体的には、両コイル60,70の始端部は個別に共通の回路グランド56に接続されており、両コイル60,70の終端部同士が接続された接続点N1にコンデンサ80が接続されている。また、コイル60とコイル70とは、始端部から終端部に向かう巻き方向が互いに同じになるように形成されている。これにより、回路グランド56から両コイル60,70に同相の電流が流れ込み、コイル60,70とに流れる電流の方向が同じ方向になる。このため、コイル60とコイル70との間の磁気結合により、コイル60とコイル70との間に負の相互インダクタンスが発生する。
次に、導体パターン61,71の構造について詳述する。
導体パターン61は、回路グランド56に接続された始端部を有する引き出しパターン62と、引き出しパターン62に接続された環状パターン63と、環状パターン63の終端部から延出された延出パターン64とを有している。導体パターン61は、延出パターン64及び導体パターン71と接続される接続部65と、コンデンサ80に接続された引き出しパターン66とを有している。これら引き出しパターン62と環状パターン63と延出パターン64と接続部65と引き出しパターン66とは、連続するように一体に形成されており、互いに電気的に接続されている。引き出しパターン62と環状パターン63と延出パターン64と引き出しパターン66とは、例えば、帯状に形成されている。
引き出しパターン62は、回路グランド56から所定方向に引き出されるように形成されている。引き出しパターン62は、例えば、環状パターン63の始端部から環状パターン63の巻き方向と交差する方向に延出され、回路グランド56に接続されている。
環状パターン63は、例えば、略矩形状に形成されている。環状パターン63は、例えば、不連続の環状構造に形成されており、始端部と終端部とが互いに離間するように形成されている。本例の環状パターン63は、回路グランド56側の始端部から反時計回り(つまり、左回り)に巻かれている。
延出パターン64は、環状パターン63の終端部から環状パターン63の巻き方向と交差する方向に延出されている。延出パターン64は、例えば、L字状に形成されている。延出パターン64の終端部には接続部65が接続されている。接続部65は、ビア76を介して2層目の絶縁層54上に形成された導体パターン71と接続されている。引き出しパターン66は、接続部65からコンデンサ80に向かって引き出されるように形成されている。
導体パターン71は、回路グランド56に接続された始端部を有する引き出しパターン72と、ビア73と、ビア73と接続された環状パターン74と、環状パターン74の終端部から延出された延出パターン75と、延出パターン75の終端部と接続されたビア76とを有している。これら引き出しパターン72とビア73と環状パターン74と延出パターン75とビア76とは、連続するように形成されており、互いに電気的に接続されている。引き出しパターン72と環状パターン74と延出パターン75とは、例えば、帯状に形成されている。なお、図3では、図面の簡略化のために、ビア73,76を直線で表わしているが、実際には、ビア73,76は例えば円柱状や角柱状に形成されている。
引き出しパターン72は、1層目の絶縁層52の上面に、回路グランド56から所定方向に引き出されるように形成されている。引き出しパターン72は、例えば、環状パターン74の巻き方向と交差する方向に沿って延出されており、ビア73と接続されている。
ビア73は、1層目の絶縁層52を厚み方向に貫通するように形成されている。ビア73は、環状パターン74の始端部に接続されている。ビア73は、引き出しパターン72と環状パターン74とを電気的に接続している。
環状パターン74は、2層目の絶縁層54の上面に形成されている。環状パターン74は、例えば、環状パターン63と同様の形状(ここでは、略矩形状)に形成されている。環状パターン74は、例えば、不連続の環状構造に形成されており、始端部と終端部とが互いに離間するように形成されている。本例の環状パターン74は、回路グランド56側の始端部から反時計回り(つまり、左回り)に巻かれている。すなわち、環状パターン74は、回路グランド56側の始端部から終端部に向かう巻き方向が環状パターン63と同じ方向になるように形成されている。また、環状パターン74は、その巻き方向の略全長に亘って環状パターン63と上下に対向するように形成されている。環状パターン74は、環状パターン63と上下に近接して設けられている。環状パターン74と環状パターン63との離間距離は、例えば、50~200μm程度とすることができる。環状パターン74の平面形状は、例えば、環状パターン63の平面形状と略同じ大きさに形成されている。
延出パターン75は、2層目の絶縁層54の上面に形成されている。延出パターン75は、環状パターン74の終端部から環状パターン74の巻き方向と交差する方向に延出されている。延出パターン75は、例えば、L字状に形成されている。延出パターン75は、例えば、その略全長に亘って延出パターン64と上下に対向するように形成されている。延出パターン75は、延出パターン64と上下に近接して設けられている。延出パターン75の平面形状は、例えば、延出パターン64の平面形状と略同じ大きさに形成されている。
延出パターン75の終端部には、ビア76が接続されている。ビア76は、1層目の絶縁層52を厚み方向に貫通するように形成されている。延出パターン75は、ビア76を介して、導体パターン61の接続部65と電気的に接続されている。これにより、導体パターン61と導体パターン71とが接続部65において電気的に接続(結合)されている。そして、導体パターン61,71が結合された接続部65から引き出された引き出しパターン66は、コンデンサ80に接続されている。すなわち、引き出しパターン66は、導体パターン61,71の終端部になるとともに、導体パターン61の終端部と導体パターン71の終端部との接続点N1となる。
以上説明した導体パターン61,71、具体的には導体パターン61,71のうち上下に対向する環状パターン63及び延出パターン64と環状パターン74及び延出パターン75とによって、磁気結合された一対のコイル60,70がそれぞれ形成されている。導体パターン61,71には、図3に矢印で示したように、回路グランド56から同相の電流が流れ込み、環状パターン63及び延出パターン64と環状パターン74及び延出パターン75とに同相の電流が同じ方向に流れる。
コンデンサ80は、例えば、チップコンデンサである。コンデンサ80は、例えば、2つの電極を有している。コンデンサ80の一方の電極は導体パターン61,71の終端部同士の接続点N1(つまり、引き出しパターン66)と接続され、コンデンサ80の他方の電極は接続パターン81と接続されている。
接続パターン81は、コンデンサ80の電極と接続される引き出しパターン82と、引き出しパターン82よりも平面形状が平面方向に広がるように形成された固定部83とを有している。引き出しパターン82は、例えば、帯状に形成されている。引き出しパターン82は、寄生インダクタンスが小さくなるように、極力短くなるように設定されている。固定部83の平面形状は、例えば、円形状や多角形状に形成されている。
固定部83の中央部には、貫通孔84が形成されている。貫通孔84は、回路基板50全体(つまり、絶縁層52及び絶縁層54)を厚み方向に貫通するように形成されている。この貫通孔84には、固定部材85が挿通される。固定部材85は、回路基板50を図2に示した金属ケース51に固定するとともに、接続パターン81と金属ケース51とを電気的に接続する。すなわち、回路グランド56は、一対のコイル60,70とコンデンサ80と接続パターン81と固定部材85とを介して、金属ケース51と電気的に接続されている。固定部材85は、例えば、ねじである。
なお、配線層53は、回路グランド56と、導体パターン61と、導体パターン71の引き出しパターン72と、接続パターン81とを含む。また、配線層55は、導体パターン71の環状パターン74と延出パターン75とを含む。
図4は、以上説明したノイズフィルタ回路24を表わす等価回路である。図4に示す等価回路では、インダクタンスL1を有するコイル60の第1端子が回路グランド56によって構成されるグランド線GND1に接続され、インダクタンスL2を有するコイル70の第1端子がグランド線GND1に接続されている。コイル60の第2端子とコイル70の第2端子とは接続点N1に接続されている。接続点N1には、コンデンサ80が接続されている。ここで、コンデンサ80は、寄生抵抗である等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)としての抵抗80Rと、寄生インダクタンスである等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)としてのインダクタ80Lとを有している。このため、コンデンサ80は、抵抗80R及びインダクタ80Lがキャパシタ80Cに直列に接続された回路構成と等価である。そして、コンデンサ80は、図3に示した接続パターン81及び固定部材85の寄生インダクタンスを有するインダクタ81Lを介してグランド線GND2に接続されている。
図4に示す等価回路において、グランド線GND1からコイル60に電流i1が流れ込み、グランド線GND1からコイル70に電流i1と同相の電流i2が流れ込む。すると、コイル60,70間に負の相互インダクタンス-Mが形成される。このとき、コイル60の第2端子とコイル70の第2端子とが接続点N1に接続されており同電位であるため、インダクタンスL1を有するコイル60と、インダクタンスL2を有するコイル70とを、図5に示すT型等価回路に置き換えることができる。
図5に示す等価回路では、インダクタンスL1+Mを有するコイル90の第1端子がグランド線GND1に接続され、インダクタンスL2+Mを有するコイル91の第1端子がグランド線GND1に接続されている。コイル90の第2端子とコイル91の第2端子とが接続点N2に接続されており、この接続点N2にインダクタンス-Mを有するコイル92が接続されている。そして、このインダクタンス-Mを有するコイル92にコンデンサ80を構成するキャパシタ80C、抵抗80R及びインダクタ80Lと、インダクタ81Lとが直列に接続されることになる。
したがって、コイル92が有する負のインダクタンス-Mによって、インダクタ80L,81Lが有するインダクタンス成分を打ち消すことができる。これにより、コンデンサ80、接続パターン81及び固定部材85の寄生インダクタンス成分を見かけ上小さくすることができる。この結果、ノイズフィルタ回路24は、高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができ、高周波数のノイズを好適に低減することができる。
ノイズフィルタ回路24では、負の相互インダクタンス-Mの絶対値が、インダクタ80Lのインダクタンスとインダクタ81Lのインダクタンスとを合わせた合計値の絶対値と等しくなるように、負の相互インダクタンス-Mの大きさが設定されている。すなわち、相互インダクタンス-Mの絶対値は、コンデンサ80の寄生インダクタンスと接続パターン81の寄生インダクタンスとを合わせた合計値の絶対値と等しくなるように設定されている。ここで、負の相互インダクタンス-Mの絶対値は、コイル60,70が有するインダクタンスL1,L2が大きいほど、結合係数が大きいほど大きくなる。このため、負の相互インダクタンス-Mの絶対値は、例えば、磁気結合するコイル60,70(導体パターン61,71)の面積が大きいほど大きくなる。また、回路グランド56の寄生インダクタンスの大きさも考慮して負の相互インダクタンス-Mの大きさを設定するようにしてもよい。
図6は、ノイズフィルタ回路24のインピーダンスの周波数特性を示している。図6では、ノイズフィルタ回路24のインピーダンスの周波数特性を実線で示し、従来のノイズフィルタ回路のインピーダンスの周波数特性を破線で示している。
まず、従来のノイズフィルタ回路について説明する。従来のノイズフィルタ回路は、図3に示したノイズフィルタ回路24から一対のコイル60,70を省略し、回路グランド56と接続パターン81との間にコンデンサ80のみを介在させるようにした回路である。このような従来のノイズフィルタ回路では、コンデンサ80の等価直列インダクタンスに起因して、自己共振周波数が下がり高周波帯のノイズ低減効果が低下する(破線波形参照)。これに対し、本実施形態のノイズフィルタ回路24では、コイル60,70の間の磁気結合による負の相互インダクタンス-Mによって、コンデンサ80及び接続パターン81等の寄生インダクタンスを打ち消すことができる。これにより、ノイズフィルタ回路24では、従来のノイズフィルタ回路に比べて、自己共振周波数が上がり高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができる(実線波形参照)。すなわち、ノイズフィルタ回路24は、回路グランド56とコンデンサ80との間に導体パターン61,71からなる一対のコイル60,70を設けることで、高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができる。
次に、本実施形態の作用効果を記載する。
(1)回路グランド56と接続パターン81との間に、上下に対向する導体パターン61,71からなる一対のコイル60,70とコンデンサ80とが介在される。このとき、両コイル60,70の始端部が個別に回路グランド56に接続され、両コイル60,70の終端部同士が接続された接続点N1にコンデンサ80が接続される。また、コイル60とコイル70とは、始端部から終端部に向かう巻き方向が互いに同じ方向になるように形成されている。これにより、回路グランド56から両コイル60,70に同相の電流が流れ込み、一対のコイル60,70に流れる電流の方向が同じ方向になる。このため、一対のコイル60,70の間の磁気結合により、一対のコイル60,70の間に負の相互インダクタンスが発生する。この負の相互インダクタンスによって、コンデンサ80及び接続パターン81の寄生インダクタンスを打ち消すことができる。この結果、回路グランド56と接続パターン81との間にコンデンサのみを介在させる場合に比べて、コンデンサ80と一対のコイル60,70とを含むノイズフィルタ回路24における高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができるため、高周波数のノイズを好適に低減することができる。具体的には、ノイズフィルタ回路24は、スイッチング素子31~36のスイッチング動作に伴って発生する高周波スイッチングノイズを低減することができる。
(2)コイル60の始端部とコイル70の始端部とを個別に共通の回路グランド56に接続し、コイル60の終端部とコイル70の終端部とを共にコンデンサ80を介して接続パターン81に接続するようにした。これにより、コイル60,70(ノイズフィルタ回路24)に、回路グランド56に流れる電流の交流成分のみを流すことができる。この結果、ノイズフィルタ回路24には、回路グランド56に流れる直流電流(つまり、ブラシレスモータ制御装置20の主電流)が流れないため、その主電流の大きさに影響されずにノイズフィルタ回路24を設けることができる。
(3)ところで、図7に示すような螺旋状に形成された導体パターン100をコイル60,70の代わりに、回路グランド56とコンデンサ80との間に設けることが考えられる。この場合には、導体パターン100が螺旋状に形成されているため、上下に対向するコイル101,102の巻き方向が同じ方向になる。但し、この場合には、コイル101の端部101Aが回路グランドに接続され、コイル102の端部102Aが回路グランドに接続されることになる。このため、コイル101の端部101Aが始端部となり、コイル101の端部101Bが終端部となる。また、コイル102の端部102Aが始端部となり、コイル102の端部102Bが終端部となる。すると、コイル101の始端部(端部101A)から終端部(端部101B)に向かう巻き方向と、コイル102の始端部(端部102A)から終端部(端部102B)に向かう巻き方向とが逆向きになる。このため、図7に矢印で示したように、回路グランドから流れ込んでコイル101,102に流れる同相の電流の向きが互いに逆向きとなる。この結果、一対のコイル101,102の間に正の相互インダクタンスが発生することになるため、導体パターン100を設けたことによってノイズ低減効果が低下するという問題が生じる。
これに対し、本実施形態のコイル60,70では、回路グランド56と接続される始端部から終端部に向かう巻き方向が同じになるようにした。これにより、回路グランド56から流れ込んでコイル60,70に流れる電流の方向が同じ方向になるため、一対のコイル60,70の間に負の相互インダクタンスを発生させることができる。この結果、ノイズフィルタ回路24における高周波帯のノイズ低減効果を向上させることができる。
(4)一対のコイル60,70の間の磁気結合による負の相互インダクタンス-Mの絶対値が、コンデンサ80の寄生インダクタンスと接続パターン81の寄生インダクタンスとを合わせた合計値の絶対値と等しくなるように設定されている。この構成によれば、負の相互インダクタンス-Mによって、コンデンサ80及び接続パターン81の寄生インダクタンスを打ち消してゼロに近づけることができる。この結果、ノイズフィルタ回路24における高周波帯のノイズ低減効果をより向上させることができるため、高周波数のノイズをより低減することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、回路基板50として複数の絶縁層52,54と複数の配線層53,55とが交互に積層されてなる多層配線構造を採用し、コイル60,70を互いに異なる絶縁層52,54上に形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、1層の絶縁層の上下両面にコイル60,70を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、固定部材85を介して接続パターン81を金属ケース51と電気的に接続するようにしたが、これに限定されない。例えば、接続パターン81を金属ケース51に直接接触することにより、接続パターン81と金属ケース51とを電気的に接続するようにしてもよい。
・上記実施形態では、導体パターン71の一部(つまり、引き出しパターン72)を1層目の絶縁層52の上面に形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、1層目の絶縁層52の上面に形成された回路グランド56と導体パターン71とをビアを介して電気的に接続するようにしてもよい。
・上記実施形態における導体パターン61,71の形状は特に限定されない。例えば、導体パターン61,71の環状パターン63,74の平面形状をC字状に形成してもよい。また、延出パターン64,75を省略してもよい。この場合には、例えば、環状パターン63,74の終端部同士を接続し、その接続点にコンデンサ80を接続するようにしてもよい。
・上記実施形態では、車両用空調装置の送風用モータとして用いられるブラシレスモータ10に適用したが、この用途以外のブラシレスモータに適用してもよい。
10…ブラシレスモータ、20…ブラシレスモータ制御装置、50…回路基板、51…金属ケース、56…回路グランド、60,70…コイル、61,71…導体パターン、80…コンデンサ、81…接続パターン。

Claims (2)

  1. 回路基板を有するブラシレスモータ制御装置であって、
    前記回路基板は、
    回路グランドと、
    前記回路基板が搭載される金属ケースと電気的に接続される接続パターンと、
    前記接続パターンと電気的に接続されたコンデンサと、
    前記回路グランドと前記コンデンサとの間に介在し、上下に対向する導体パターンからなり、互いに磁気結合される一対のコイルと、を有し、
    前記一対のコイルの一方を第1コイルとし他方を第2コイルとしたとき、
    前記第1コイルの始端部と前記第2コイルの始端部とは個別に共通の前記回路グランドと接続され、前記第1コイルの終端部と前記第2コイルの終端部同士が接続された接続点に前記コンデンサが接続されており、
    前記第1コイル前記始端部から前記終端部に向かう巻き方向と、前記第2コイルの前記始端部から前記終端部に向かう巻き方向とは、互いに同じ方向になるように形成されているブラシレスモータ制御装置。
  2. 前記第1コイルと前記第2コイルとの間の磁気結合による相互インダクタンスの絶対値が、前記コンデンサの寄生インダクタンスと前記接続パターンの寄生インダクタンスとを合わせた合計値の絶対値と等しくなるように設定されている請求項1に記載のブラシレスモータ制御装置。
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