JP2000114048A - コモンモードフィルタ - Google Patents
コモンモードフィルタInfo
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Abstract
タとして動作して数百MHz以上の周波数において信号
阻止帯域を形成するのに対し、ディファレンシャルモー
ド電流に対しては低損失な伝送特性を得る。 【解決手段】 積層した誘電体基板の表面と裏面に上下
一対の接地用導体層6,11を形成し、誘電体基板内に
おける一対の接地用導体層6,11間に、並行して一対
のライン状導体21,22を設けた構造を備えている。
一対のライン状導体21,22は、一方の接地用導体層
6に近接かつ平行にパターンが形成された導体部7a,
8aと、他方の接地用導体層11に近接かつ平行にパタ
ーンが形成された導体部9a,10aとを互いに電気的
に接続した構成である。
Description
に用いられるフィルタに係り、さらに詳しくは、平衡伝
送路で発生する電磁雑音の原因となるコモンモード電流
を抑圧するフィルタに関する。
いて、機器間を伝送する信号は2本の伝送線に逆方向の
電流が流れ、このような電流成分をディファレンシャル
モード(平衡成分)と称する。これとは別に、2本の伝
送線に同一方向の電流成分が流れ、基準の接地板を帰路
として電流が流れることがあり、これをコモンモード
(不平衝成分)電流と称する。高周波においては、この
コモンモード電流が大きな電流ループを形成し、電磁雑
音の発生源となる。また、このコモンモード電流が駆動
源となり、外部ケーブル等が接続された場合にアンテナ
として電磁雑音を発生させることがある。
低減する方法として、図7で示すようなコモンモードチ
ョークコイルが用いられてきた。コモンモードチョーク
コイルは、図7(A)の構造図、同図(B)の等価回路
図に示すようにフェライト等で作られたトロイダルコア
80に2本の伝送線81,82を同一方向に巻き付けた
もので、信号を伝達するディファレンシァルモード電流
は2本の伝送線路の電流が逆向きのため、インダクタン
ス成分は発生せずディファレンシャルモード電流に対す
るインピーダンスは小さいが、コモンモード電流では2
本の伝送線路の電流が同じ向きであるため磁束が強めら
れ、大きなインダクタンスが発生し、コモンモード電流
に対して高インピーダンスになる。
ドチョークコイルのコアには、透磁率が高く、高周波特
性の良いものが適しており、一般にフェライト磁性体が
用いられる。しかし、フェライト磁性体の透磁率は周波
数に対して一旦極大値に達した後は周波数に反比例して
その透磁率は低下するため、数百MHz以上の高い周波
数でコモンモード電流に対して高インピーダンスを得ら
れるコモンモードチョークコイルを作製するのは困難で
あった。また、ディファレンシァルモード電流において
もフェライトに伝送線路を巻き付ける構造のため磁性損
が発生する問題があった。フェライトを用いたコモンモ
ードチョークコイルの一特性を図8に示す。
のであり、コモンモード電流に対しては低域通過フィル
タ(ローパスフィルタ)として動作し、数百MHz以上
の周波数において信号阻止帯域を形成するのに対し、デ
ィファレンシャルモード電流に対しては低損失な伝送特
性が得られるコモンモードフィルタを提供することを目
的とする。
の実施の形態において明らかにする。
に、本願の請求項1の発明は、誘電体基板の表面と裏
面、又は前記誘電体基板内に、上下一対の接地用導体層
を形成し、前記誘電体基板内における前記一対の接地用
導体層間に、並行して一対のライン状導体を設けた構造
を備え、前記一対のライン状導体は、前記一対の接地用
導体層の一方に近接かつ平行にパターンが形成された導
体部と、前記一対の接地用導体層の他方に近接かつ平行
にパターンが形成された導体部とを互いに電気的に接続
した構成であることを特徴としている。
て、前記一対のライン状導体を構成する各導体部のパタ
ーンが同一方向に周回するスパイラル状のパターンであ
ることを特徴としている。
て、前記一対のライン状導体を構成する各導体部のパタ
ーンがミアンダ状パターンであることを特徴としてい
る。
3において、前記一対のライン状導体のうちの一方のラ
イン状導体と、他方のライン状導体とは前記接地用導体
層の垂直方向からみて相重なる配置であり、かつ前記一
対のライン状導体を構成する各導体部のパターン幅が同
じであることを特徴としている。
又は4において、前記一対のライン状導体の端部が、前
記接地用導体層から電気的に絶縁されて前記誘電体基板
に設けられた電極にそれぞれ電気的に接続されているこ
とを特徴としている。
3,4又は5において、前記一対のライン状導体を構成
する各導体部が前記誘電体基板側面もしくは貫通孔に設
けられた接続用導体部により電気的に接続されているこ
とを特徴としている。
フィルタの実施の形態を図面に従って説明する。
モンモードフィルタ部分の斜視図(透視図)であり、積
層回路基板内部に組み込まれた状態でのコモンモードフ
ィルタ機能部分を表したものである。同図において、
1,2,3,4,5は誘電体基板であり、積層されて積
層回路基板を構成するものである。6,11は積層され
た誘電体基板の上下面を全面的に導体で覆った接地用導
体層(接地されるべきグランド層)である。7,8,
9,10は一対の伝送線路としてのライン状導体を構成
するスパイラル状パターンの導体部をそれぞれ配置する
層である。ここでは、誘電体基板1,5同士を同一厚
さ、誘電体基板2,4同士を同一厚さとした。
接地用導体層6,11間に並行して(相互に平行に対向
させて)一対のライン状導体21,22を設けた構造を
備えている。一方のライン状導体21は、誘電体基板
1,2間の層7に形成された導体部7aと、誘電体基板
3,4間の層9に形成された導体部9aとを同一方向に
周回するスパイラル状パターンとなる如く層間接続用導
体部12で電気的に接続したものである。他方のライン
状導体22は、誘電体基板2,3間の層8に形成された
導体部8aと、誘電体基板4,5間の層10に形成され
た導体部10aとを同一方向に周回するスパイラル状パ
ターンとなる如く層間接続用導体部13で電気的に接続
したものである。導体部7a,8aは接地用導体層6に
近接かつ平行にパターンが形成されており、導体部9
a,10aは接地用導体層11に近接かつ平行にパター
ンが形成されている。ここでは、接地用導体層6,11
が積層誘電体基板の表裏面(上下面)に形成されて平行
であるから、接地用導体層6,11と各導体部7a,8
a,9a,10aとは相互に平行な関係を保っている。
そして、接地用導体層6,11の垂直方向からみた各導
体部は相重なる配置で、そのパターン幅が同じである。
換言すれば、接地用導体層6,11に垂直な軸方向に相
重なる様に2本の伝送線路としてのライン状導体21,
22を同幅で形成している。
体基板2,3,4に貫通孔、もしくは切り欠きを設ける
ことにより形成する。
つまり一対のライン状導体21,22に同一方向の電流
が流れるコモンモードの場合、ライン状導体21,22
間に磁気壁が形成されるため、ライン状導体21,22
間のキャパシタ成分(容量成分)は発生せず、1本の伝
送線路として見なせる。このとき、下部スパイラル状パ
ターンの導体部7a,8aと下側接地用導体層6間、上
部スパイラル状パターンの導体部9a,10aと上側接
地用導体層11間、及び、上下導体部間に分布定数的な
キャパシタ成分が発生し、これらと各導体部のスパイラ
ル状パターンにより発生するインダクタンス成分を組み
合わせると図2の等価回路に示すπ型の低域通過フィル
タが形成され、あらかじめ設定された高周波側のコモン
モード電流成分を減衰させることが可能である。
ド電流が流れた場合、一対のライン状導体21,22間
に電気壁が形成され、ライン状導体21,22間にキャ
パシタ成分が発生し、先の接地用導体層6,11間との
キャパシタ成分の影響は小さくなり、ディファレンシャ
ルモード電流の減衰には影響しない。
(A)は横軸の周波数をリニア表示とした減衰量の周波
数特性、同図(B)は横軸の周波数を対数表示とした減
衰量の周波数特性である。
の効果を得ることができる。
接地用導体層6,11間に、並行して一対のライン状導
体21,22を設け、さらに、一対のライン状導体2
1,22は接地用導体層6に近接かつ平行にパターンが
形成された導体部7a,8aと、接地用導体層11に近
接かつ平行にパターンが形成された導体部9a,10a
とを互いに電気的に接続した構成であり、コモンモード
電流に対して図2のπ型低域通過フィルタを構成でき、
数百MHz以上の高い周波数領域でコモンモード電流に
対して高インピーダンスを呈する。
成する各導体部7a,8a,9a,10aのパターンが
同一方向に周回するスパイラル状のパターンであり、製
品形状の小型化に適する。
成する各導体部7a,8a,9a,10aのパターンが
接地用導体層6,11に平行で当該接地用導体層の垂直
方向からみた各導体部が相重なりそのパターン幅が同じ
であるため、図2のπ型低域通過フィルタとしてみたと
きの入出力インピーダンスを揃えることができ、各導体
部7a,8a,9a,10aと接地用導体層6,11と
の間のキャパシタを大きくすることができる。
によるコモンモードフィルタの内部構造を透視して示す
斜視図(透視図)及び外観の斜視図であり、回路基板上
の任意の位置へ設置する対策部品、平衡伝送ケーブルへ
の対策部品として使用するのに適するものである。
回路基板に組み込まれる第1の実施の形態の上下の接地
用導体層6,11に挟まれた部分を独立させた構造を有
し、図5に示した上下の接地用導体層6,11間の積層
誘電体24内に図4のライン状導体21,22が配設さ
れ、一方のライン状導体21は、導体部7aと導体部9
aとを同一方向に周回するスパイラル状パターンとなる
如く層間接続用導体部としての導電性貫通孔12aで電
気的に接続したものであり、他方のライン状導体22
は、導体部8aと導体部10aとを同一方向に周回する
スパイラル状パターンとなる如く層間接続用導体部とし
ての導電性貫通孔13aで電気的に接続したものであ
る。
れぞれ導電性貫通孔25,26,27,28及び延長導
体29,30,31,32を経て電極33,34,3
5,36と電気的に接続している。電極33,34,3
5,36は貫通孔の側壁に導体層を形成したもの2分割
した構造である。但し、コモンモードフィルタの上下面
を形成する接地用導体層6,11と電気的に絶縁してい
ればその構造に制約はない。ここで、各電極の特性イン
ピーダンスを同じにするため、延長導体29,30,3
1,32はグランドに接地される接地用導体層6,11
を形成する面から同じ距離を成すように位置を決めるの
が望ましい。図5に示す如く、上下面を形成する接地用
導体層6,11は積層誘電体24の側壁に設けられた接
続導電体39,40によって電気的に接続してもよい。
の形態と同様であり、この第2の実施の形態では、第1
の実施の形態と同一又は相当部分に同一符号を付してあ
る。
上の任意の位置へ設置する対策部品あるいは平衡伝送ケ
ーブルへの対策部品としてのチップ形状のコモンモード
フィルタを実現できる。その他の作用効果は前述の第1
の実施の形態と同様である。
モンモードフィルタの内部構造を透視して示す斜視図
(透視図)であり、積層回路基板内部に組み込まれた状
態でのコモンモードフィルタ機能部分を表したものであ
る。同図において、1,2,3,4,5は誘電体基板で
あり、積層されて積層回路基板を構成するものである。
6,11は積層された誘電体基板の上下面を全面的に導
体で覆った接地用導体層(接地されるべきグランド層)
である。7,8,9,10は一対の伝送線路としてのラ
イン状導体を構成するミアンダ状パターンの導体部をそ
れぞれ配置する層である。ここでは、誘電体基板1,5
同士を同一厚さ、誘電体基板2,4同士を同一厚さとし
た。
接地用導体層6,11間に並行して(相互に平行に対向
させて)一対のライン状導体51,52を設けた構造を
備えている。一方のライン状導体51は、誘電体基板
1,2間の層7に形成されたミアンダ状パターンの導体
部7bと、誘電体基板3,4間の層9に形成されたミア
ンダ状パターンの導体部9bとを層間接続用導体部(導
電性貫通孔)62で電気的に接続したものである。他方
のライン状導体52は、誘電体基板2,3間の層8に形
成されたミアンダ状パターンの導体部8bと、誘電体基
板4,5間の層10に形成されたミアンダ状パターンの
導体部10bとを層間接続用導体部(導電性貫通孔)6
3で電気的に接続したものである。導体部7b,8bは
接地用導体層6に近接かつ平行にパターンが形成されて
おり、導体部9b,10bは接地用導体層11に近接か
つ平行にパターンが形成されている。ここでは、接地用
導体層6,11が積層誘電体基板の上下面に形成されて
平行であるから、接地用導体層6,11と各導体部7
b,8b,9b,10bとは相互に平行な関係を保って
いる。そして、接地用導体層6,11の垂直方向からみ
た各導体部のパターン幅が同じで、導体部7b,8bは
相重なった配置、導体部9b,10bも同様である。換
言すれば、接地用導体層6,11に垂直な軸方向に相重
なる様に2本の伝送線路としてのライン状導体51,5
2を同幅で形成している。
誘電体基板2,3,4に貫通孔を設ける代わりに、切り
欠きを設けることにより導体部を形成するようにしても
よい。
た第1の実施の形態と実質的に同じである。すなわち、
一対のライン状導体51,52に同一方向の電流が流れ
るコモンモードの場合、ライン状導体51,52間に磁
気壁が形成されるため、ライン状導体51,52間のキ
ャパシタ成分(容量成分)は発生せず、1本の伝送線路
として見なせる。このとき、下部ミアンダ状パターンの
導体部7b,8bと下側接地用導体層6間、上部ミアン
ダ状パターンの導体部9b,10bと上側接地用導体層
11間、及び、上下導体部間に分布定数的なキャパシタ
成分が発生し、これらと各導体部のミアンダ状パターン
により発生するインダクタンス成分を組み合わせると図
2に示すπ型の低域通過フィルタが形成され、あらかじ
め設定された高周波側のコモンモード電流成分を減衰さ
せることが可能である。
ド電流が流れた場合、一対のライン状導体51,52間
に電気壁が形成され、ライン状導体51,52間にキャ
パシタ成分が発生し、先の接地用導体層6,11間との
キャパシタ成分の影響は小さくなり、ディファレンシャ
ルモード電流の減衰には影響しない。
電極を設け、ライン状導体51,52の端部を電気的に
接続してチップ状のコモンモードフィルタを構成するよ
うにもできる。
としてセラミック、樹脂系誘電体の他に、Si等の単結
晶半導体、GaAs等の化合物半導体等、電気的に絶縁
される誘電体を用いて差し支えない。
膜を形成する代わりに、誘電体基板内に上下一対の接地
用導体層を形成し、該上下一対の接地用導体層間に、並
行して一対のライン状導体を設ける構造としてもよい。
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
ンモードフィルタによれば、電磁雑音源となるコモンモ
ード電流を任意の周波数帯域で減衰させることができ、
なおかつディファレンシャルモード電流の損失を最小に
抑えることができる。
性が周波数に大きく依存する材料を用いる必要がないた
め、従来のコモンモード電流対策部品に比べ、より高周
波の帯域で効果的に利用できる。
施の形態であって、内部構造を透視して示す斜視図であ
る。
である。
図である。
を透視して示す斜視図である。
を透視して示す斜視図である。
す説明図である。
例であってインピーダンスの周波数特性図である。
導体部 12,13 層間接続用導体部 21,22,51,52 ライン状導体 24 積層誘電体 12a,13a,25,26,27,28 導電性貫通
孔 29,30,31,32 延長導体 33,34,35,36 電極 39,40 接続導電体
Claims (6)
- 【請求項1】 誘電体基板の表面と裏面、又は前記誘電
体基板内に、上下一対の接地用導体層を形成し、前記誘
電体基板内における前記一対の接地用導体層間に、並行
して一対のライン状導体を設けた構造を備え、 前記一対のライン状導体は、前記一対の接地用導体層の
一方に近接かつ平行にパターンが形成された導体部と、
前記一対の接地用導体層の他方に近接かつ平行にパター
ンが形成された導体部とを互いに電気的に接続した構成
であることを特徴とするコモンモードフィルタ。 - 【請求項2】 前記一対のライン状導体を構成する各導
体部のパターンが同一方向に周回するスパイラル状のパ
ターンである請求項1記載のコモンモードフィルタ。 - 【請求項3】 前記一対のライン状導体を構成する各導
体部のパターンがミアンダ状パターンである請求項1記
載のコモンモードフィルタ。 - 【請求項4】 前記一対のライン状導体のうちの一方の
ライン状導体と、他方のライン状導体とは前記接地用導
体層の垂直方向からみて相重なる配置であり、かつ前記
一対のライン状導体を構成する各導体部のパターン幅が
同じである請求項1,2又は3記載のコモンモードフィ
ルタ。 - 【請求項5】 前記一対のライン状導体の端部は、前記
接地用導体層から電気的に絶縁されて前記誘電体基板に
設けられた電極にそれぞれ電気的に接続されている請求
項1,2,3又は4記載のコモンモードフィルタ。 - 【請求項6】 前記一対のライン状導体を構成する各導
体部が前記誘電体基板側面もしくは貫通孔に設けられた
接続用導体部により電気的に接続されている請求項1,
2,3,4又は5記載のコモンモードフィルタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29623798A JP3863674B2 (ja) | 1998-10-05 | 1998-10-05 | コモンモードフィルタ |
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-
1998
- 1998-10-05 JP JP29623798A patent/JP3863674B2/ja not_active Expired - Fee Related
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