JP2005314861A - 壁紙用裏打ち紙 - Google Patents

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明夫 星野
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Tomio Kuriyama
富夫 栗山
Fumitaka Kato
文隆 加藤
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Abstract

【課題】 壁紙施工時に要求されるオープンタイムが長く、壁紙の張り替え時に剥がしやすく、張り替えた後、壁に残る裏打ち紙層が均一である壁紙用裏打ち紙を提供する。
【解決手段】 紙中に高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物の4級アンモニウム塩、高級脂肪酸とポリアミノポリアミドとエピクロルヒドリン縮合物の4級アンモニウム塩等の脂肪酸系誘導体を含有させ、好ましくはステキヒトサイズ度が10秒以上で、紙層間強度が20N/m以上40N/m以下で、水溶性樹脂バインダー及び/または水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を少なくとも片面に塗工し、壁紙用裏打ち紙とする。

Description

本発明は壁紙用裏打ち紙に関する。
壁紙は下層部の裏打ち紙の上層部にビニル層、オレフィン層、織物層、紙層、無機質層を設け夫々ビニル壁紙、オレフィン壁紙、織物壁紙、紙壁紙、無機質壁紙として主に一般住居やホテル、病院等において室内の美麗化のために壁に長期貼付され使用される。
壁紙を壁に施工する際、壁紙裏面に澱粉や酢酸ビニルエマルジョン等の水溶性の糊をロールコーターで塗布し、糊付けした壁紙の糊面を内側にして折り畳み、壁に貼るまで暫く放置された後、壁面への貼り付け作業を行う。この糊付けから施工までの放置時間をオープンタイムと言い、オープンタイムを超えて放置した場合には相剥ぎと呼ばれる現象が起こる。相剥ぎとは、糊が乾くことにより、折り畳んだ壁紙の裏打ち紙同士がくっつき、裏打ち紙が剥がれてしまい、施工性が悪くなる。従って、施工時の作業性を向上する為にはオープンタイムをなるべく長く取れるようにする必要がある。
一方、長期使用後、張り替えられる作業において壁紙の剥がしやすさと剥がした跡に壁面に残る裏打ち紙の紙層の均一性が要求される。壁紙の張り替え作業の多くは人手により行われるため、剥がす時の剥離抵抗が重いと、剥がし難くなり剥がした跡も不均一になり易く下地の修正にかなりの時間が必要となり非効率である。この様なことから剥がす時の剥離抵抗が低く、裏打ち紙層で均一に剥がれる裏打ち紙が望まれていた。
填料を配合して抄紙した紙匹に、バインダーとして澱粉、あるいはポリビニルアルコールを併用した難燃剤水溶液を塗布して難燃処理を施した軽剥離性ビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法が開示されているが(特許文献1)、本発明は難燃紙のみに制限され特定の填料及び特定のバインダー塗布が必須となり製造上に大きな制約を受けること、及び難燃紙のみに限定されるため製品化の分野が限定される。また、オープンタイムについても特に良化の傾向が見られない。
また、無機填料とセルロース繊維を主体とした基紙に難燃剤を含浸して原紙とし、その片面に無機顔料とバインダーを主剤としてなる塗工層を設け、原紙の内部結合強度が100〜200g/15mmであり、かつ塗工層の内部結合強度よりも強い壁紙用裏打紙が開示されているが(特許文献2)、本発明品も難燃紙が必須となり、さらに難燃紙片面に顔料塗工層を設けるなど製造上に大きな制約を受けること、及び難燃紙のみに限定されるため製品化の分野が限定される。また、オープンタイムについても特に良化の傾向が見られない。
また、ラノリンのような保水剤を添加することによってオープンタイムに優れた壁紙用裏打ち紙が開示されているが(特許文献3)、ラノリンのような材料はマシン汚れを起こし易く問題である。また、保水剤が添加されているため、壁紙施工後も原紙中の水分が高く保たれるため、カビが発生し易い等の問題点があった。
特開平6−73700号公報 特開平7−197399号公報 特開平10−159000号公報
本発明は、壁紙施工時に要求されるオープンタイムが長く、壁紙の張り替え時に剥がしやすく、張り替えた後、壁に残る裏打ち紙層が均一である壁紙用裏打ち紙を提供することを課題とした。
本発明者らはオープンタイムが長く、張り替えやすい壁紙用裏打ち紙を鋭意検討した結果、抄紙機で製造される壁紙用裏打ち紙において、特定の脂肪酸系誘導体を含有することによって達成された。また、本発明の壁紙用裏打ち紙は、ステキヒトサイズ度は10秒以上で、紙層間強度は20N/m以上40N/m以下の範囲であることが好ましい。また、裏打ち紙表面には水溶性樹脂バインダー及び/または水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を少なくとも片面に塗工し、さらに天然パルプを主成分とし坪量が40g/m以上120g/m以下であることが好ましい。
また、本発明の上記の目的は本発明品を用いたビニル壁紙、オレフィン壁紙、織物壁紙、紙壁紙、無機質壁紙等により達成された。
本発明品を壁紙の裏打ち紙に用いることにより、施工時はオープンタイムが長く取れ、張り替え時には軽く均一に裏打ち紙の紙層間で剥がれることにより、作業者の労力を低減し、効率よく作業することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の壁紙用裏打ち紙は脂肪酸系誘導体を含有することを特徴とする。本発明に使用する脂肪酸形誘導体としては、脂肪酸アミン系樹脂、脂肪酸アミド系樹脂が挙げられる。また、脂肪酸系誘導体は、通常は裏打ち紙全体にほぼ均一に存在すると考えられるが、これに限定されるものではない。
脂肪酸アミン系樹脂としては、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物の4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。上記縮合物の4級アンモニウム塩としては、例えば、高級脂肪酸(炭素数8〜24の脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘン酸)、ポリアルキレンアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、1,1−ジエチルエチレントミアミン、1,1−ジメチルエチレントリアミン、1,1−ジエチルエチレンテトラアミン、1,1−ジメチルプロピレントリアミン)、エピクロルピドリンから重合された樹脂が例示される。高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、エピクロルヒドリンのモル比は、それぞれ1〜3:1:0.2〜3の範囲であることが好ましい。ここで、高級脂肪酸とポリアルキレンアミンから重合された化合物(高級脂肪酸・ポリアルキレンアミン)や、高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、及びジカルボン酸の3種から合成された化合物(高級脂肪酸・ポリアミノポリアミド)に存在するアミノ基(−NH、−NH−)を「活性アミノ基」と称する。従って、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとエピクロルヒドリンとの縮合反応においては、高級脂肪酸とポリアルキレンアミンの重合で生じた活性アミノ基と、エピクロルヒドリンが反応する。この場合、エピクロルヒドリンは活性アミノ基に対して0.2〜3モル当量を反応させる量だけ添加することが好ましい。
また、脂肪酸アミド系樹脂としては、高級脂肪酸とポリアミノポリアミドとエピクロルヒドリン縮合物の4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。上記縮合物の4級アンモニウム塩としては、例えば、高級脂肪酸(炭素数8〜24の脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸)、ポリアルキレンアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、イミノビスプロピルアミン)、ジカルボン酸(例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸)、エピクロルヒドリンから重合された樹脂が例示される。ここで、ポリアルキレンアミンとジカルボン酸が反応することによってポリアミノポリアミドが生成する。高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、ジカルボン酸のモル比は、それぞれ1:0.2〜0.3:0.01〜0.5の範囲が好ましい。また、エピクロルヒドリンは、上記と同様、活性アミノ基に対して0.2〜3モル当量を反応させる量だけ添加するのが好ましい。
脂肪酸系誘導体の含有率は、壁紙用裏打ち紙に用いるパルプの絶乾重量当り0.005重量%以上2重量%以下程度であることが好ましい。脂肪酸系誘導体の含有率が0.005重量%未満であると、充分な軽剥離性が得られない。含有率が2重量%を超えると、裏打ち紙の強度が低下するので好ましくない。
本発明の壁紙用裏打ち紙はステキヒトサイズ度が10秒以上であることが必要である。ステキヒトサイズ度が10秒未満であると接着剤として用いる澱粉糊や酢酸ビニール等の合成樹脂エマルジョン糊が裏打ち紙の紙層中に浸み込んでしまい、糊中の水分が急速に減少し、相剥ぎが起こり易くなるためオープンタイムを長く取ることができないだけでなく、剥がす際に剥離が重くなり好ましくない。10秒以上であれば、糊が紙層に浸み込むこともなく、糊中の水分の急激な減少が抑えられ、オープンタイムを長く取ることができるとともに、良好な軽剥離性を保つことが出来る。
サイズ効果を発現するためサイズ剤を添加する必要がある。内添においては、サイズ剤は酸性抄きの場合、ロジン、ロジンエマルジョン、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等が挙げられる。中性抄きの場合、中性抄紙用ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー等が挙げられる。サイズ剤の添加量は目標サイズ度10秒以上が得られればよく、特に限定するものではない。また、サイズプレス等の外添においてもロジン系、合成樹脂系等の表面サイズ剤の使用も可能である。サイズ剤の好ましい添加量としては,例えば、坪量60g/mの場合、酸性ロジンサイズの添加量は対パルプ0.35重量%以上が好ましい。
紙層間強度は20N/m以上40N/m以下の範囲であることが好ましい。20N/m未満であると、紙層間強度が低すぎるため壁に貼付後裏打ち紙層から捲れが生じ易くなり好ましくない。40N/mを超えると紙層間強度が強くなりすぎ、壁に添付後剥がす際に剥離が重く剥がし難いこと、及び上層の塩化ビニル層がきれ易くなる等、作業効率が低下し好ましくない。壁に貼付期間中に捲れが発生せず、剥がす際に容易に剥がすことを可能にするためには、20N/m以上40N/m以下の紙層間強度が必要である。
本発明品は裏打ち紙表面の表面強度を高めるため水溶性バインダー及び/または水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を少なくとも片面に塗工することが好ましい。バインダーを紙表面に塗工しないと表面強度が低下するため、例えば、壁紙の主流を占めるビニル壁紙の場合、塩化ビニルペーストを塗工時、紙表面の繊維が毛羽立ち易くなり、毛羽部分が塩化ビニルペーストゲル化後、突起状になりその後の印刷工程での印刷不良の原因になり好ましくない。
水溶性バインダーとしては、酸化変成澱粉、酵素変成澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等が使用可能である。水分散性バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系ラテックス、メチルメタアクリレート−ブタジエン系ラテックス、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン等が使用可能である。
この場合、バインダー単独でも問題ないが、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、ニ酸化チタン等の各種顔料と混合しての使用も可能である。バインダー塗工量としては、片面当たり0.2g/m以上10g/m以下の塗工量が好ましい。塗工量が0.2g/m未満であると毛羽立ちが多くなり好ましくない。10g/mを超えると繊維がバインダー層で覆われてしまい、塩化ビニルペーストの紙層への食込みがなくなり、壁から剥がす際に、裏打ち紙の紙層間で剥がれ難くなるので好ましくない。
本発明で使用する裏打ち紙の坪量は40g/m以上120g/m以下であることが好ましい。裏打ち紙の坪量が40g/m未満であると、強度が低く加工時、断紙が発生しやすくなる。また、坪量が120g/mを超えると壁紙に加工した時に硬くなりすぎ、施工が困難となり問題がある。
本発明は原料パルプとして天然パルプとしての木材系の針葉樹、広葉樹の化学パルプ、機械パルプ、及び古紙から得られる再生パルプ、さらに靭皮パルプ、リンターパルプ、麻パルプ等の非木材系天然パルプが主原料パルプとして使用される。また、紙層間強度、サイズ度等の性能に影響を与えない範囲で、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維パルプ、ガラス繊維、ロックウール繊維等の無機質繊維、ステンレス繊維等の金属繊維の使用が可能である。
天然パルプは50重量%以上の配合率が好ましい。天然パルプ以外の繊維は自己接着性がないため、配合率が50重量%を超えると紙層間強度が20N/m未満に低下し過ぎてしまい好ましくない。
同様に内添薬品として定着剤、乾紙紙力剤、湿潤紙力剤、填料、歩留り向上剤、染料、顔料等の使用が可能である。さらに外添薬品として表面紙力剤、染料、顔料等の使用が可能である。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、上層にビニル層を設けたビニル壁紙、オレフィン層を設けたオレフィン壁紙、織物層を設けた織物壁紙、紙層を設けた紙壁紙、無機質層を設けた無機質壁紙等の壁紙製品として使用される。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが本発明はこれによって限定されるものではない。実施例及び比較例で製造した壁紙用裏打ち紙について以下の項目について試験し、評価を行い、結果を表1に示した。
・紙層間強度:裏打ち紙両面に粘着テープを貼り、抄紙方向に15mm幅に切断し試験片とする。測定時紙層間で剥離するようにカッターで紙層間に切れ目を入れ、JIS P 8113に準じて90度の角度で引張り強さを測定した。
・ステキヒトサイズ度:JIS P 8122に従って測定した。
・剥離性:裏打ち紙の表面に塩化ビニル、可塑剤(フタル酸エステル)、炭酸カルシウム、二酸化チタン、ミネラルスピリット等から成る塩化ビニルペーストを塗工厚250μmで塗布し、180℃で2分間加熱ゲル化させた。得られたビニル壁紙の裏打ち紙面に澱粉系のヤヨイ化学製A糊を塗布し、ベニア板に2昼夜接着させて乾燥した。壁紙をベニア板から剥がした時の剥がし易さ、及びベニア板に残った裏打ち紙の外観を観察した。裏打ち紙の紙層間で均一に剥離したものを○、剥離後にベニア板に残った部分が不均一であるものを×とした。
・オープンタイム:壁紙用裏打ち紙を23℃、50%RH環境下にて24時間調湿した後、MD方向30cm×CD方向20cmとなるように裁断した。ガラス版上に坪量150g/mの上質紙2枚を敷き、クリップにて固定した。壁紙用裏打ち紙に、塗工厚250μmのアプリケーターを用い、塩化ビニルペーストを塗工し、145℃の乾燥機中に1分間入れ、塩化ビニルペースト層をゲル化させ塩化ビニル壁紙とし、それぞれ2枚ずつ用意した。次に糊(アサヒペン社製、かべ紙のりA)を、用意した2枚の塩化ビニル壁紙の塩化ビニル塗工面と逆の面にマイヤーバー#40を用い塗工した。糊塗布後、直ちに2枚の塩ビ壁紙の糊面同士を貼り合わせ、中央部から外側に向けて良く擦り、十分に空気を抜いた。次に、貼り合わせた壁紙の中央部でMD方向20cn×CD方向3cmとなるように短冊状にくり抜いた。1時間放置した後、くり抜いた短冊を糊面から剥がし、その時の剥離面の状態を目視により観察した。相剥ぎが起こらず糊面からきれいに剥がれた場合を○、多少でも相剥ぎが見られたものは×とした。
[実施例1]
針葉樹晒クラフトパルプ(カナダ標準ろ水度(CSF):500ml)を65重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(CSF:500ml)を35重量部配合したパルプスラリー中に抄紙pHが4.5になるように硫酸バンドを添加し、次にサイズ剤としてアルファーカルボキシメチル飽和脂肪酸塩(商品名:NSP−S、星光PMC(株)製)を対パルプ絶乾重量当たり0.15重量%添加し、さらに湿潤紙力剤としてポリアミド−エピクロルヒドリン系樹脂(商品名:WS−547、星光PMC(株)製)を0.2重量%添加し、次に脂肪酸アミン系樹脂(商品名:N−815、近代化学工業(株)製)を対パルプ絶乾重量当たり0.1重量%添加した。これを長網抄紙機により抄紙した。なお、工程途中のサイズプレスでは1.5重量%のポリビニルアルコール(商品名:ポバール110、(株)クラレ製)を塗工量が0.5g/mとなるように塗工処理した。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m、密度は0.65g/cm、紙層間強度は35N/m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[実施例2]
脂肪酸アミン系樹脂の添加量を対パルプ絶乾重量当たり0.3重量%とした以外は、実施例1と同様に裏打ち紙を作成した。この時の層間強度は28N/m、ステキヒトサイズ度は25秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[実施例3]
脂肪酸アミン系樹脂の添加量を1.0重量%とした以外は、実施例1と同様に裏打ち紙を作成した。この時の層間強度は22N/m、ステキヒトサイズ度は30秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[実施例4]
脂肪酸アミン系樹脂に代えて脂肪酸アミド系樹脂(商品名:PT−205、星光PMC(株)製)を対パルプ絶乾重量当たり0.3重量%添加した以外は、実施例1と同様に裏打ち紙を作成した。この時の紙層間強度は25N/m、ステキヒトサイズ度は30秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[実施例5]
針葉樹晒クラフトパルプ(CSF:500ml)20重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(CSF:500ml)60重量部、サーモメカニカルパルプ(CSF:250ml)20重量部のパルプ配合とした以外は、実施例4と同様に裏打ち紙を作製した。この時の紙層間強度は28N/m、ステキヒトサイズ度は35秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[実施例6]
パルプ配合を針葉樹晒クラフトパルプ(CSF:500ml)50重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(CSF:500ml)20重量部、新聞及びコピー用紙の混合古紙から再生された脱墨パルプ30重量部とした以外は、実施例4と同様に裏打ち紙を作製した。この時の紙層間強度は31N/m、ステキヒトサイズ度は30秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらず、剥離性は裏打ち紙の紙層間で均一に容易に剥離できた。
[比較例1]
上記脂肪酸アミン系樹脂を使用しなかった以外は、実施例1と同様に裏打ち紙を作成した。この時の紙層間強度は45N/m、ステキヒトサイズ度は15秒であった。この裏打ち紙について剥離強さを測定した。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムはエッジ部分で相剥ぎが生じ、剥離性は裏打ち紙の紙層間での剥離が重く、剥離後のベニア板に残った跡も不均一であった。
[比較例2]
脂肪酸アミン系樹脂に代えてペンタエリスリトール脂肪酸エステル(商品名:KB115、花王(株)製)を対パルプ絶乾重量当たり0.3重量%添加した以外は、実施例1と同様に裏打ち紙を作成した。この時の紙層間強度は30N/m、ステキヒトサイズ度は5秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、裏打ち紙の紙層中に糊の浸透が多く、その結果オープンタイムはエッジ部分だけではなく顕著な相剥ぎが生じ、剥離性は紙層間での剥離が重くなり剥離後のベニア板に残った跡も不均一であった。
[比較例3]
脂肪酸アミド系樹脂を添加しなかった以外は、実施例5と同様に裏打ち紙を作成した。この時の紙層間強度は50N/m、ステキヒトサイズ度は25秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイム、剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらなかったが、剥離性は裏打ち紙の紙層間での剥離が重く、剥離後のベニア板に残った跡も不均一であった。
[比較例4]
脂肪酸アミド系樹脂を添加しなかった以外は、実施例6と同様に裏打ち紙を作成した。この時の紙層間強度は48N/m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。この裏打ち紙について塩化ビニルペースト塗工後のオープンタイムおよび剥離性を評価した結果、オープンタイムは相剥ぎが起こらなかったが、剥離性は裏打ち紙の紙層間での剥離が重く、剥離後のベニア板に残った跡も不均一であった。
Figure 2005314861
表1に示されるように、脂肪酸アミン系樹脂あるいは脂肪酸アミド系樹脂を含有する実施例1〜6の裏打ち紙は、オープンタイムが長く取れた上に、紙層間で均一に容易に剥離することができた。これに対して、脂肪酸アミン系樹脂あるいは脂肪酸アミド系樹脂を含有しない比較例1、3、4の裏打ち紙は、比較例1ではオープンタイムが短く、裏打ち紙の紙層間での剥離も重く、剥離後のベニア板に残った跡が不均一であった。また、比較例3、4ではオープンタイムは長くとれたものの裏打ち紙の紙層間での剥離が重く、剥離後のベニア板に残った跡が不均一であった。ペンタエリスリトール脂肪酸エステルを含有する比較例2の裏打ち紙は、オープンタイムが長く取れた上に、紙層間強度は低かったが、ステキヒトサイズ度が低いので、糊が浸透して剥離が重くなり、剥離後のベニア板に残った跡が不均一であった。

Claims (5)

  1. 脂肪酸系誘導体を含有することを特徴とする壁紙用裏打ち紙。
  2. ステキヒトサイズ度が10秒以上で、紙層間強度が20N/m以上40N/m以下であることを特徴とする請求項1記載の壁紙用裏打ち紙。
  3. 水溶性樹脂バインダー及び/または水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を少なくとも片面に塗工することを特徴とする請求項1ないし2記載の壁紙用裏打ち紙。
  4. 天然パルプを主成分とし、坪量が40g/m以上120g/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の壁紙用裏打ち紙。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の壁紙用裏打ち紙を用いた壁紙。
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