JP2019073835A - 撥水紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで生産可能であり、高い撥水性に加えて、優れた印刷適用性及び製袋性を有する撥水紙及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】パルプ繊維を主成分とする基材と、基材の少なくとも一方の面に塗工された表面層とを備える撥水紙は、表面層が澱粉及びワックスを含有し、撥水紙の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/m2の範囲であり、かつ、表面層のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、撥水紙及びその製造方法に関し、より詳しくは、封筒や包装紙等に用いられるものに関する。
この種の撥水紙は例えば特許文献1で知られている。このものは、パルプ繊維を主成分とする基材(紙)と、基材の少なくとも一方の面に塗工された表面層とを備える。表面層は、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル重合体とワックスエマルションとを含有する塗工液を用いて塗工される。この撥水紙によれば、表面層のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.68:2000(旧JIS P 8137)による撥水度がR7以上になる。然し、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル重合体は高価な材料であることから、製品コストが高くなるという問題がある。
そこで、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル重合体に代えて、比較的廉価な材料を用いて上記従来例と同等の撥水度を持つ撥水紙の開発が望まれている。そして、撥水紙を封筒や包装紙等に用いる場合には、高い撥水性に加えて、撥水紙へのインクの着肉性や乾き性(セット性)といった印刷適用性と、製袋加工時に撥水紙に塗布される接着剤の濡れ性や接着性といった製袋性の性能も求められるため、同時にこのような性能を持つ撥水紙とする必要がある。
特開2004−238750号公報
本発明は、以上の点に鑑み、低コストで製造可能であり、高い撥水性に加えて、優れた印刷適用性及び製袋性を有する撥水紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、パルプ繊維を主成分とする基材と、前記基材の少なくとも一方の面に塗工された表面層とを備える本発明の撥水紙は、前記表面層が澱粉及びワックスを含有し、撥水紙の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mの範囲であり、かつ、前記表面層のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上であることを特徴とする。本発明において、塗工には、基材に塗液を塗布する場合だけでなく、基材を塗液に浸漬する場合も含まれるものとする。ここで、撥水紙の片面のワックス含有量とは、撥水紙の片面の表面層中に含まれるワックスの量と、当該表面層に接する基材中に浸透(含浸)したワックスの量との合計量をいう。基材の両面に表面層が塗工される場合は、少なくとも一方の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mの範囲であればよい。なお、基材の両面に表面層が塗工され、かつ基材の全体にワックスが浸透している場合は、基材の断面方向において、基材の一方の表面から中心までのワックスの量を基材中に浸透したワックスの量として、撥水紙の片面のワックス含有量を算出するものとする。
また、上記課題を解決するために、本発明の撥水紙の製造方法は、パルプ繊維を主成分とする基材を形成する工程と、澱粉及びワックスを含有する塗液を調整する工程と、基材の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mとなるように、前記塗液を前記基材の少なくとも一方の面に塗工する工程と、塗工した塗液を乾燥させることにより、前記基材に、澱粉及びワックスを含有する、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上である表面層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
以上によれば、従来例で用いられていた比較的高価なスチレン・(メタ)アクリル酸エステル重合体に代えて、廉価な澱粉を用いることで低コストで製造可能な撥水紙が得られる。そして、表面層のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上であるため、高い撥水性を有する。しかも、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量を0.28〜1.10g/mの範囲にすることで、撥水紙が優れた印刷適用性及び製袋性を有することが確認された。従って、封筒や包装紙に適した低コストの撥水紙を提供できる。
以下、本発明の実施形態の撥水紙について説明する。本実施形態の撥水紙は、パルプ繊維を主成分とする基材と、基材の少なくとも一方の面に塗工された表面層とを備える。
パルプ繊維としては、木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ及びその他の繊維から選択される少なくとも1種を用いることができ、木材パルプを好適に用いることができる。木材パルプとしては、広葉樹材パルプ及び針葉樹材パルプの少なくとも1種を用いることができ、地合いや外観を考慮して、広葉樹材パルプと針葉樹材パルプとを適宜配合して用いることが好ましい。針葉樹材パルプとしては、モミ、マツ等を例示でき、広葉樹材パルプとしては、ユーカリ、ポプラ等を例示できる。木材パルプの製造方法は特に限定されず、クラフトパルプ、サルファイドパルプ、アルカリパルプのような化学パルプや、砕木パルプ、リファイナーグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプのような機械パルプを用いることができる。非木材パルプとしては、ケフナ、藁、麻等を例示でき、その他の繊維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維のような有機合成繊維や、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維のような無機質繊維を含有してもよい。パルプ繊維としては、公知のものを用いることができるため、これ以上の説明は省略する。
基材は、パルプ繊維の他に、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、填料、染料、紙力増強剤、pH調整剤及びサイズ剤から選択される少なくとも1種を用いることができる。紙力増強剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール等を例示できる。pH調整剤としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、硫酸、塩酸、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ性化合物等を例示できる。添加剤としては、公知のものを用いることができるため、これ以上の説明は省略する。
表面層は、澱粉及びワックスを含有する。澱粉としては、天然澱粉及び加工澱粉の少なくとも1種を用いることができる。より具体的には、酸化澱粉、酸化アセチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉等を例示することができる。澱粉の原料としては、トウモロコシ、ポテト、タピオカ等を例示することができる。ワックスは、ワックスエマルションとして用いることが好ましく、ワックスエマルションとしては、パラフィンワックスエマルション、マイクロクリスタリンワックスエマルション、カルナバワックスエマルション及びポリオレフィンワックスエマルションから選択される少なくとも1種を用いることができる。表面層の塗工量は、固形分で1.0〜3.0g/mが好ましい。表面層の塗工量が1.0g/mよりも少ないと、ワックス含有量が減るため撥水性が不足するおそれがある。また表面層の塗工量が3.0g/mよりも多くなると、ワックス含有量が過剰になることで接着剤やインクの密着性が低下するため製袋性や印刷適用性が悪くなるおそれがある。
表面層は、澱粉100質量部に対して、ワックスを43〜500質量部含有することが好ましく、50〜150質量部含有することがより好ましい。ワックスが43質量部より少ないと、撥水度が低くなるという不具合がある一方で、500質量部より多いと、印刷適用性及び製袋性が悪くなるという不具合がある。
表面層は、澱粉及びワックスの他に、必要に応じて、防滑剤、保水剤、消泡剤等の添加剤を含有していることが好ましい。これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜選択すればよい。
撥水紙の片面のワックス含有量は、0.28〜1.10g/mの範囲に設定することが好ましく、0.33〜0.65g/mの範囲に設定することがさらに好ましい。ワックス含有量が0.28g/mより少ないと、撥水度が低くなるという不具合がある一方で、1.10g/mより多いと、印刷適用性及び製袋性が悪くなるという不具合がある。
表面層中のワックスの比率を19質量%〜75質量%の範囲にすることが好ましく、21質量%〜50質量%の範囲にすることがさらに好ましく、22質量%〜38質量%の範囲にすることが特に好ましい。
以下、本発明の実施形態の撥水紙の製造方法について説明する。先ず、パルプ繊維を主成分とする基材を作製する。基材の作製方法は、特に限定されず、公知の抄紙法を用いることができる。例えば、抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法や、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性から抄紙pHが約9の弱アルカリ性の中性抄紙法等を用いることができる。また、基材の作製に用いられる抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機等の公知の抄紙機を用いることができる。尚、基材の坪量は、特に限定されず、目的に応じて50〜180g/mのものを用いることができる。基材の坪量が50g/m未満の場合、紙の厚みが薄くなるためにコシが弱くなり、ハンドリング性が悪くなるので、うまく製袋できなくなるおそれがある。また基材の坪量が180g/mを超えると、紙の厚みが厚くなりコシが強くなるため、製袋時の折り曲げ作業において反発力によりうまく製袋できなくなるおそれがある。
次に、澱粉及びワックスを含有する塗液を調製する。ここで、澱粉100質量部に対して、ワックスを43〜500質量部配合することが好ましく、ワックスを50〜150質量部配合することがより好ましい。塗液には、必要に応じて、上述した添加剤を適宜添加することができる。
そして、図示省略の塗工装置を用い、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mとなるように、上記塗液を基材の少なくとも一方の面に塗工する。塗工装置としては、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、ダイコーター、サイズプレスコーター等の公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。尚、基材の両方の面に塗工する場合、基材の一方の面に塗工した塗液とは異なる組成の塗液を基材の他方の面に塗工してもよい。
最後に、乾燥機を用い、基材に塗工された塗液を乾燥させることにより、基材の少なくとも一方の面に、澱粉及びワックスを含有し、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上である表面層が形成される。乾燥機としては、ドライヤー、トンネルドライヤー、エアースルードライヤー等の公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。乾燥温度は、塗液に含まれる成分に応じて、例えば、60〜180℃の範囲に設定することができる。乾燥温度が60℃未満であると、塗液の乾燥が不十分となりロール状に巻いた際にブロッキング(重なった撥水紙同士がくっ付いてしまう現象)を起こしたり、十分に乾燥するために生産速度を落とすことで生産性が悪くなるおそれがある。乾燥温度が180℃を超えると、過乾燥により紙がもろくなり紙力強度が低下し、紙の生産時や製袋時に紙が破断してしまうおそれがある。尚、基材に形成する表面層は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR8以上であることがより好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、高価なスチレン・(メタ)アクリル酸エステル重合体に代えて廉価な澱粉を用いたことで、撥水紙を低コストで製造することができる。また、撥水紙の表面層はJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上であるため、撥水紙は高い撥水性を有する。しかも、撥水紙の片面あたりのワックス含有量を0.28〜1.10g/mの範囲としたことで、撥水紙は優れた印刷適用性及び製袋性を有する。このため、撥水紙に対して、通常のオフセット印刷やレーザープリント出力による印刷又は鉛筆や油性ボールペンによる筆記が可能となり、また、撥水紙を一般的な糊等の水性接着剤で接着することができる。従って、封筒や包装紙の用途に適した低コストの撥水紙を得ることができる。
以下、本発明の実施形態をより具体化した実施例1〜7について説明する。
(実施例1)
[基材の作製]
針葉樹材パルプと広葉樹材パルプとを35:65(質量比)の割合で配合したクラフトパルプ100質量部に、湿潤紙力剤(星光PMC社製の商品名「シリョクWS−4020」)3質量部、乾燥紙力剤(ジー・エス・エル・ジャパン社製の商品名「ジェルトロン245」)2質量部、硫酸バンド0.8質量部を配合した紙料を調製し、公知の酸性抄紙法を用いて、坪量97g/mの基材を作製した。
[塗液の調製]
澱粉(Sanguan Wongse Ind社製の商品名:「OXCEL−0610」)100質量部、ワックス(ハリマ化成社製の商品名「ハリコート C−300」)46質量部、防滑剤(星光PMC社製の商品名「ボウカツAT3852」)70質量部、保水剤(サンノプコ社製の商品名「SNシックナー929−S」)12質量部を配合することで、塗液(3質量%水溶液)を調製した。なお、各成分の部数は、固形分に換算した値である。このとき、塗液中の固形分におけるワックスの比率は20.2質量%である。
[表面層の形成]
上記調製した塗液を基材の両面にヒシラコピー(三菱製紙社製の商品名「ワンステッププロセッサーS−III」)により、固形分で片面当り1.5g/mの塗工量で塗工し、塗液が塗工された基材をホットプレスにより120℃で1分間乾燥させることにより、表面層を形成し、撥水紙を得た。このようにして得た撥水紙を「実施例1」とした。本実施例1において、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.30g/mである。
(実施例2)
塗液に含有するワックスを52質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は22.2質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.33g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例2」とした。
(実施例3)
塗液に含有するワックスを60質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は24.8質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.37g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例3」とした。
(実施例4)
塗液に含有するワックスを80質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は30.5質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.46g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例4」とした。
(実施例5)
塗液に含有するワックスを100質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は35.5質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.53g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例5」とした。
(実施例6)
塗液に含有するワックスを200質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は52.4質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.78g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例6」とした。
(実施例7)
塗液に含有するワックスを420質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は70.0質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は1.05g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「実施例7」とした。
次に、上記実施例1〜7に対して比較するための比較例1及び2について説明する。
(比較例1)
塗液に含有するワックスを40質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は18.0質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は0.27g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「比較例1」とした。
(比較例2)
塗液に含有するワックスを575質量部(固形分換算、塗液中の固形分におけるワックスの比率は76.0質量%、乾燥後の撥水紙の片面のワックス含有量は1.14g/m)とした点を除き、上記実施例1と同様の方法で得た撥水紙を「比較例2」とした。
次に、上記実施例1〜7及び上記比較例1及び2の撥水紙の性能評価を行った。各撥水紙の評価結果は、纏めて表1に示す。
[撥水度の評価]
各撥水紙の一方の面(表面)及び他方の面(裏面)に形成された表面層の撥水度を、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000に準じて測定した。表1によれば、実施例1〜7の如く塗液中のワックスの比率を19質量%〜75質量%の範囲にすることで、表面層の撥水度をR7以上にすることができることが判った。
[インク着肉性の評価]
RI印刷適用性試験機(明製作所製の商品名「RI−3型」)を用いて、インク(サカタインクス社製の商品名「2001−X藍RLD−A」)1.5gを金属ローラーと樹脂ローラーとで練り、樹脂ローラーを40rpmの速度で回転させて各撥水紙にインクを転写し、転写されたインクのインク色濃度に基づき、インク着肉性を目視により後述の指標にて評価した。評価に際しては、上記条件と同じ条件でカラークラフト紙(リンテック社製の商品名「ハーフトーンカラー」)に転写されたインクのインク色濃度を「基準」とし、基準より濃い場合を「◎」、基準と同程度である場合を「○」、基準より薄い場合を「×」とした。
[インク乾き性(セット性)の評価]
上記インク着肉性の評価と同様に、RI印刷適用性試験機(明製作所製の商品名「RI−3型」)を用いて、各撥水紙にインクを転写した。その後、台紙(日本製紙製「NS NPIコートカタメン82G」)を樹脂ロールに巻き、撥水紙にインクを転写した30分後に、インクが転写された撥水紙と台紙とを接触させて、台紙へのインクの転写度合を確認することで、インク乾き性(セット性)を評価した。評価に際しては、上記インク着肉性の評価と同様にカラークラフト紙(商品名:「ハーフトーンカラーホワイト」、リンテック社製)にインクを転写し、インクが転写されたカラークラフト紙と台紙とを接触させたときのインクの転写度合を「基準」とし、基準より転写度合が少ない場合を「◎」、基準と同程度である場合を「○」、基準より転写度合が多い場合を「×」とした。
[接着剤の接着性(紙破率)の評価]
幅5cm×長さ13cmに裁断した撥水紙を2枚準備し、一方の撥水紙の表面に、ワイヤーバー#8を用いて接着剤1:酢酸ビニル・アクリル共重合体エマルション接着剤(サイデン化学社製の商品名「サイビノールSY−16」)を22g/m(wet)の塗工量で塗工し、接着剤1を介して他方の撥水紙を貼り合わせ、ヒシラコピー(三菱製紙社製)を用いて圧着させることで、接着試験片を得た。この接着試験片を1分間静置した後、人の手で強制剥離を行い、剥離後の紙面の状況から紙破率(%)を評価した。紙破率(%)は、貼り合わせた面積のうち、紙が破損した部分の面積から算出した。また、接着剤1の代わりに、接着剤2:酢酸ビニルエマルション接着剤(日信化学工業社製の商品名「ビニブランA23J1」)を用いて得た接着試験片についても同様に、紙破率を評価した。尚、接着剤1は原液のままで、接着剤2は、水で調薬したもの(接着剤:水=8:2、質量比)を夫々用いた。紙破率が80%以上である場合を「◎」、紙破率が50%以上80%未満である場合を「○」、紙破率が50%である場合を「△」、紙破率が0%である場合を「×」とした。
Figure 2019073835
表1に示すように、上記実施例1〜5は、撥水性、印刷適用性(インクの着肉性及び乾き性)、製袋性(接着剤の接着性)が優れていることが判った。上記実施例6及び7は、上記製袋性は実施例1〜5より若干劣るものの、撥水性及び印刷適用性は上記実施例1〜5と同程度であることが確認された。これより、撥水紙の片面のワックス含有量を0.28〜1.10g/mの範囲にすることで、撥水紙が優れた印刷適用性及び製袋性を有することが判った。これに対して、上記比較例1は印刷適用性及び製袋性が優れるものの撥水度がR2と低く、また、上記比較例2は、撥水性に優れるものの印刷適用性及び製袋性が悪いため、封筒や包装紙の用途に適さないことが判った。
尚、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。上記実施例1〜7では、塗液に添加剤としての防滑剤及び保水剤を含有したものを例に説明しているが、これらの添加剤を含有しない場合にも本発明を適用でき、この場合も、撥水度がR7以上と高く、優れた印刷適用性及び製袋性を有する撥水紙を得ることができる。
また、塗工された塗液を乾燥した後に、マシンカレンダーやスーパーカレンダーを用いて撥水紙の平滑度を向上させるようにしてもよい。

Claims (2)

  1. パルプ繊維を主成分とする基材と、前記基材の少なくとも一方の面に塗工された表面層とを備える撥水紙において、
    前記表面層が澱粉及びワックスを含有し、撥水紙の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mの範囲であり、かつ、前記表面層のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上であることを特徴とする撥水紙。
  2. 撥水性の製造方法において、
    パルプ繊維を主成分とする基材を形成する工程と、
    澱粉及びワックスを含有する塗液を調整する工程と、
    撥水紙の片面のワックス含有量が0.28〜1.10g/mとなるように、前記塗液を前記基材の少なくとも一方の面に塗工する工程と、
    塗工した塗液を乾燥させることにより、前記基材に、澱粉及びワックスを含有する、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No.68:2000による撥水度がR7以上である表面層を形成する工程とを含むことを特徴とする撥水紙の製造方法。

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