JP2000273792A - 紙用不透明化剤、不透明度向上紙の製造方法及び不透明度向上紙 - Google Patents

紙用不透明化剤、不透明度向上紙の製造方法及び不透明度向上紙

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JP2000273792A
JP2000273792A JP11082357A JP8235799A JP2000273792A JP 2000273792 A JP2000273792 A JP 2000273792A JP 11082357 A JP11082357 A JP 11082357A JP 8235799 A JP8235799 A JP 8235799A JP 2000273792 A JP2000273792 A JP 2000273792A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、壁
紙襖用原紙、裏打ち紙などあらゆる紙製品の不透明度を
向上させ、紙の強度とサイズ度を低下させることなく、
不透明度の高い紙製品を製造することができる紙用不透
明化剤、不透明度向上紙の製造方法及び該方法により製
造された不透明度向上紙を提供する。 【解決手段】炭素数8〜22のアシル基、アルキル基、
アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸基を
有するアルケニル基を有する一般式[7]で表される化
合物と、エピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル
及び/又はそれらから誘導された化合物とを反応して得
られる化合物を含有する紙用不透明化剤、該不透明化剤
で処理する不透明度向上紙の製造方法、並びに、該不透
明化剤が付着した不透明度向上紙。式中、Yは活性水素
を有するアミンの残基、Aはアシル基、Xは水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基又は−
(BO)kRで表される基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙用不透明化剤、
不透明度向上紙の製造方法及び不透明度向上紙に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、新聞用紙、印刷用紙、
記録用紙、包装用紙、壁紙襖用原紙、裏打ち紙などあら
ゆる紙製品の不透明度を向上させ、不透明度の高い紙製
品を製造することができる紙用不透明化剤、不透明度向
上紙の製造方法及び該方法により製造された不透明度向
上紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パルプ資源の不足、パルプ価格の
高騰、地球環境保護の必要性などによって、パルプの使
用量をできるだけ抑えるために、紙製品の坪量を下げる
努力がなされている。例えば、新聞用紙は、坪量を50
g/m2台から40g/m2台、さらに30g/m2台に
下げることにより、地球環境問題に対処するとともに、
コストの低減や抄紙スピードの向上を図ってきた。ま
た、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、壁紙襖用原紙、裏
打ち紙などについても、さらに紙製品の坪量を低減する
ことにより、コスト低減はもちろん、森林資源の確保な
ど地球環境問題に大きな効果をもたらすと考えられる。
しかし、紙の坪量を低減することによって、さまざまな
問題が発生する。その一つに、不透明度の低下の問題が
ある。例えば、新聞用紙の場合、不透明度が低下する
と、表面に裏面の印刷が写ってしまう。また、新聞用紙
の白色度を高めてハイグレードにした場合、光の吸収が
低下して、不透明性を維持するためには、坪量を高くす
る必要が生ずる。この欠点を補うために、ゲートロール
コートなどによって、サイズ剤や澱粉などと併用し、無
機填料や有機ピグメントなどを表面に塗工したり、内添
したり、あるいは、染料、顔料によって色付けしたり、
色のある古紙を原料として使用したりして不透明性を維
持してきた。しかしながら、無機填料などを使用した場
合、生産する際にドライヤー表面に紙粉が残留したり、
耳切りなど紙をカットする場合にも紙粉の発生などか起
こるのみならず、カッターの刃を痛めやすいという問題
も生ずる。さらに、ワイヤー、ドライヤー、ロールなど
のマシンを痛め、ウエット毛布やトップ毛布、キャンバ
スなどの目詰まりや損傷により、寿命が短くなる。ま
た、紙及び紙表面の強度が低下するので、強度の低下を
防止するためには、紙力剤や澱粉などを多量に使用しな
ければならない。無機填料としては、白土(クレー)、
カオリン、滑石(タルク)、水酸化アルミニウム、珪藻
土、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが使用され、さ
らに、ポリスチレンなどの有機ピグメントなども使用さ
れる。これらの填料は比較的屈折率が低いので、多量に
使用しなければ不透明性が得られないが、多量に使用す
ると、上述したような諸問題が発生する。屈折率が高
く、比較的少ない添加量で不透明性が得られる無機填料
として酸化チタンがあるが、酸化チタンは価格が高く、
コスト高になる。最近になって、新聞用紙を中性紙にし
て、酸化チタンほど屈折率が高くないものの、比較的安
価で不透明性が得られる炭酸カルシウムが使用されてい
る。しかし、炭酸カルシウムを含有する紙を古紙として
再生した場合、炭酸カルシウムが残留すると、酸性抄紙
をする際に炭酸ガスを発生し、泡が生ずるなどのトラブ
ルの原因となる。また、紙に色付けした場合は、用紙の
色が限定されてしまい、白色度の高いハイグレードの用
紙を得ることができない。印刷用紙や記録用紙、包装用
紙の場合も、新聞用紙と同様に、坪量を下げると、不透
明性が低下する。そのために、紙を重ねた場合、印刷や
記録が裏面から表面に写ったり、逆に表面の印刷や記録
が裏面に写ったりする。このために、不透明性を維持す
るには、やはり無機填料などを表面に塗工したり、内添
したり、あるいは、染料や顔料によって色付けしたりし
て不透明性を維持してきた。しかし、無機填料などを使
用することによって、上述したような紙粉の問題や、マ
シンの損傷、毛布の寿命、強度低下などの問題が発生す
ることは免れない。無機填料などを内添するにしても、
歩留まり向上剤を使用しても、その歩留まり率に限界が
ある。また、塗工する場合も、過剰に使用すれば不透明
性が得られるものの、坪量を下げるという本来の目的に
反する。使用するパルプの量が減少しても、一方で無機
填料などの使用量が増加してしまうのも問題である。ま
た、色付けすることによって紙が限定されることも免れ
ない。壁紙や襖紙の原紙や、裏打ち紙や板紙、段ボール
原紙の場合も、坪量を下げれば不透明性が低くなり、施
工したり、貼ったりする場合に、下地の色が写ってしま
う。このような問題をなくすために、同様に無機填料な
どを表面に塗工したり、内添したり、あるいは色付けし
たり、色のある古紙原紙を使用したりして不透明性を維
持してきた。しかし、この方法では上述した問題が同様
に発生する。さらに、多層に抄紙することによって不透
明性を向上させる方法もある。また、表面の白色度の維
持のために、表層の紙は白くし、裏層を色付けすること
によって、紙全体の不透明性を維持する方法がある。ま
た、裏から徐々に色を白くする方法もある。しかし、裏
面の色が表面に写らなくするためには、表層の紙の不透
明度を向上しなければならず、結局、無機填料などを使
用することによって、表層の不透明度を高くする必要が
ある。このようにして、紙製品の不透明度を高くするた
めには、無機填料などを使用し、粒子による光の反射や
散乱を利用して不透明度を向上する方法や、色付けする
など光の吸収を利用して不透明度を向上する方法があ
る。しかし、無機填料などを使用する方法にも限界があ
り、歩留まり率にも限界がある。たとえ高歩留まりに填
料を定着できたとしても、紙としての機能が失われてし
まう。また、極端に填料を多く塗工した場合、不透明性
は向上するが、坪量は高くなり本来の目的に反してしま
う。パルプの使用量を減少することができても、填料の
使用量が増加するのでは問題である。また、色付けする
方法などでは白色度の高い紙は得られず、生産する紙製
品が限定されてしまう。このように、上述した方法はす
でにかなり限界まで達しており、これに加えて、さらに
不透明度を向上させるには、パルプそのものの内容や紙
層構造を変えることによって不透明性を得る方法があ
る。例えば、使用するパルプの叩解度を調整して不透明
度を制御する方法がある。一般に叩解度を低くすること
によって、不透明性が向上する。しかしながら、この方
法にも問題がある。例えば、パルプどうしの絡みが少な
く、水素結合が弱いために紙及び紙表面の強度が弱くな
る。多層抄紙になると、層間強度が弱くなるなどの問題
が発生する。また、紙表面の平滑度が低く、印刷適性が
低下する。さらに、紙力剤やサイズ剤、染顔料、填料な
どの薬品の定着性が低下する。最近になって、有機化合
物を使用することによって紙層構造を変え、不透明性を
向上する薬品(有機系不透明化剤)が出され、不透明性
の向上効果が認められる事例もあるが、これらの有機化
合物では、紙の強度及び表面強度が低下するという欠点
が現れる。さらに、サイズ度が低下するという欠点もあ
る。新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、板紙、
壁紙、襖紙原紙やその裏打ち紙など、多くの紙製品にお
いて紙の強度及び表面強度やサイズ度は重要な品質であ
り、この品質に影響を与えるのでは、大きい欠点である
と言わざるを得ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新聞用紙、
印刷用紙、記録用紙、包装用紙、壁紙襖用原紙、裏打ち
紙などあらゆる紙製品の不透明度を向上させ、紙の強度
とサイズ度を低下させることなく、不透明度の高い紙製
品を製造することができる紙用不透明化剤、不透明度向
上紙の製造方法及び該方法により製造された不透明度向
上紙を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭素数8以上の
アルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するアミン
化合物と、エピクロルヒドリンを反応して得られる化合
物を用いて処理することにより、紙の強度と表面強度及
びサイズ度を低下させることなく、不透明度を向上し得
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)一般式[1]
で表される化合物と、エピハロヒドリン若しくはグリシ
ジルエーテル及び/又はそれらから誘導された化合物と
を反応して得られる化合物を含有することを特徴とする
紙用不透明化剤、
【化7】 (ただし、式中、Y1は(n1+m1)個の活性水素を有
するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又
はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、A1
アシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基を有す
るアシル基であって、これらのアシル基の少なくとも一
つは炭素数8〜22であり、X1は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は
−(B1O)k 11(ここでB1は炭素数2〜4のアルキレ
ン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチルエチレ
ン基であり、R1は水素原子又は炭素数2〜22のアシ
ル基であり、k1は1〜20である。)であり、n1は1
以上であり、m1は0以上であり、n1+m1=1〜10
0であり、n1が2以上の場合複数のA1は同一でも異な
っていてもよく、m1が2以上の場合複数のX1は同一で
も異なっていてもよい。)、(2)一般式[2]で表さ
れる化合物と、エピハロヒドリン若しくはグリシジルエ
ーテル及び/又はそれらから誘導された化合物とを反応
して得られる化合物を含有することを特徴とする紙用不
透明化剤、
【化8】 (ただし、式中、Y2は炭素数8〜22のアルキル基、
アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸基を
有するアルケニル基の少なくとも一つと(n2+m2)個
の活性水素とを有するモノアミン、ポリアミン、ポリア
ルキレンイミン又はその誘導体から活性水素を除いた残
基であり、A2はアシル基、水酸基を有するアシル基又
はアミノ基を有するアシル基であり、X2は水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシ
ル基又は−(B2O)k22(ここでB2は炭素数2〜4の
アルキレン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチ
ルエチレン基であり、R2は水素原子又は炭素数2〜2
2のアシル基であり、k2は1〜20である。)であ
り、n2は0以上であり、m2は0以上であり、n2+m2
=0〜100であり、n2が2以上の場合複数のA2は同
一でも異なっていてもよく、m2が2以上の場合複数の
2は同一でも異なっていてもよい。)、(3)一般式
[3]で表される化合物と、エピハロヒドリン若しくは
グリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導された化
合物とを反応して得られる化合物を含有することを特徴
とする紙用不透明化剤、
【化9】 (ただし、式中、Y3は(n3+m3)個の活性水素を有
するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又
はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、A3
アシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基を有す
るアシル基であり、X3は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は−(B
3O)k33(ここでB3は炭素数2〜4のアルキレン基、
フェニルエチレン基又はフェノキシメチルエチレン基で
あり、R3は水素原子又は炭素数2〜22のアシル基で
あり、k3は1〜20である。)であって、X3の少なく
とも一つは炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基
又はアシル基を有する基であり、n3は0以上であり、
3は1以上であり、n3+m3=1〜100であり、n3
が2以上の場合複数のA3は同一でも異なっていてもよ
く、m3が2以上の場合複数のX3は同一でも異なってい
てもよい。)、(4)A1の少なくとも一つが、一般式
[4]で表される基である第(1)項記載の紙用不透明化
剤、
【化10】 (ただし、式中、R4は、炭素数7〜21のアルキル
基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
基を有するアルケニル基である。)、(5)A2の少な
くとも一つが、一般式[5]で表される基である第(2)
項記載の紙用不透明化剤、
【化11】 (ただし、式中、R5は、炭素数7〜21のアルキル
基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
基を有するアルケニル基である。)、(6)A3の少な
くとも一つが、一般式[6]で表される基である第(3)
項記載の紙用不透明化剤、
【化12】 (ただし、式中、R6は、炭素数7〜21のアルキル
基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
基を有するアルケニル基である。)、(7)1〜100
個の活性水素を有するモノアミン、ポリアミン、ポリア
ルキレンイミン又はその誘導体と、エピハロヒドリン若
しくはグリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導さ
れた化合物とを反応して得られる化合物の残余する活性
水素に、アルキル化剤、アルケニル化剤又はアシル化剤
を反応させて、置換基を有していてもよい炭素数8〜2
2のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を導入した
化合物を含有することを特徴とする紙用不透明化剤、
(8)第(1)項〜第(7)項記載のいずれかの紙用不透明
化剤で処理することを特徴とする不透明度向上紙の製造
方法、及び、(9)第(1)項〜第(7)項記載のいずれか
の紙用不透明化剤が付着したことを特徴とする不透明度
向上紙、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の紙用不透明化剤の第1の
態様は、一般式[1]で表される化合物と、エピハロヒ
ドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそれらか
ら誘導された化合物とを反応して得られる化合物を含有
するものである。
【化13】 一般式[1]において、Y1は(n1+m1)個の活性水
素を有するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイ
ミン又はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、
1はアシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基
を有するアシル基であって、これらのアシル基の少なく
とも一つは炭素数8〜22であり、X1は水素原子、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシル
基又は−(B1O)k11(ここでB1は炭素数2〜4のア
ルキレン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチル
エチレン基であり、R1は水素原子又は炭素数2〜22
のアシル基であり、k1は1〜20である。)であり、
1は1以上であり、m1は0以上であり、n1+m1=1
〜100であり、n1が2以上の場合複数のA1は同一で
も異なっていてもよく、m1が2以上の場合複数のX1
同一でも異なっていてもよい。本発明の紙用不透明化剤
の第2の態様は、一般式[2]で表される化合物と、エ
ピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又は
それらから誘導された化合物とを反応して得られる化合
物を含有するものである。
【化14】 一般式[2]において、Y2は炭素数8〜22のアルキ
ル基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水
酸基を有するアルケニル基の少なくとも一つと(n2
2)個の活性水素とを有するモノアミン、ポリアミ
ン、ポリアルキレンイミン又はその誘導体から活性水素
を除いた残基であり、A2はアシル基、水酸基を有する
アシル基又はアミノ基を有するアシル基であり、X2
水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルエーテ
ル基、アシル基又は−(B2O)k22(ここでB2は炭素
数2〜4のアルキレン基、フェニルエチレン基又はフェ
ノキシメチルエチレン基であり、R2は水素原子又は炭
素数2〜22のアシル基であり、k2は1〜20であ
る。)であり、n2は0以上であり、m2は0以上であ
り、n2+m2=0〜100であり、n2が2以上の場合
複数のA2は同一でも異なっていてもよく、m2が2以上
の場合複数のX2は同一でも異なっていてもよい。
【0006】本発明の紙用不透明化剤の第3の態様は、
一般式[3]で表される化合物と、エピハロヒドリン若
しくはグリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導さ
れた化合物とを反応して得られる化合物を含有するもの
である。
【化15】 一般式[3]において、Y3は(n3+m3)個の活性水
素を有するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイ
ミン又はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、
3はアシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基
を有するアシル基であり、X3は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は
−(B3O)k33(ここでB3は炭素数2〜4のアルキレ
ン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチルエチレ
ン基であり、R3は水素原子又は炭素数2〜22のアシ
ル基であり、k3は1〜20である。)であって、X3
少なくとも一つは炭素数8〜22のアルキル基、アルケ
ニル基又はアシル基を有する基であり、n3は0以上で
あり、m3は1以上であり、n3+m3=1〜100であ
り、n3が2以上の場合複数のA3は同一でも異なってい
てもよく、m3が2以上の場合複数のX3は同一でも異な
っていてもよい。本発明の紙用不透明化剤の第4の態様
は、1〜100個の活性水素を有するモノアミン、ポリ
アミン、ポリアルキレンイミン又はその誘導体と、エピ
ハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそ
れらから誘導された化合物とを反応して得られる化合物
の残余する活性水素に、アルキル化剤、アルケニル化剤
又はアシル化剤を反応させて、置換基を有していてもよ
い炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基又はアシ
ル基を導入した化合物を含有するものである。
【0007】本発明において、一般式[1]〜[3]に
おける残基Y1〜Y3を与える化合物は、1個以上の活性
水素を有し、その1個以上がアミド化することができる
アミノ基又はエステル化することができる水酸基の活性
水素である化合物である。このような化合物としては、
例えば、メチルアミン、エチルアミン、ラウリルアミ
ン、ステアリルアミン、オレイルアミン、12−ヒドロ
キシ−9−オクタデセニルアミン、3−ヒドロキシプロ
ペニルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジラ
ウリルアミン、ジステアリルアミン、ジ(12−ヒドロ
キシ)−9−オクタデセニルアミン、ジ(3−ヒドロキ
シ)プロペニルアミン、モノラウリルジメチルアミン、
モノステアリルジメチルアミン、ジステアリルモノメチ
ルアミン、トリメチルアミン、ジラウリルモノメチルア
ミン、ジ(3−ヒドロキシ)プロペニルモノメチルアミン
などのアルキルアミン類、アルケニルアミン類、ヒドロ
キシアルキルアミン類、ヒドロキシアルケニルアミン類
及びこれらのアミン類のアルキレンオキシド付加物、ア
ミノエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミンなどのアルカノールアミン類及びこ
れらのアミン類のアルキレンオキシド付加物、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプ
タミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテト
ラミン、ヘキサメチレンジアミンなどのポリアルキレン
ポリアミン類及びこれらのアミン類のアルキレンオキシ
ド付加物、グルタミン酸、アスコルビン酸などのアミノ
酸類及びこれらのアミノ酸類のアルキレンオキシド付加
物、さらに、これらのアミノ酸類が縮合されたポリペプ
チド結合を有する蛋白類など及びそれらのアルキレンオ
キシド付加物、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイ
ミンなどの線状構造又は分岐構造を有するポリアルキレ
ンイミン類、アリルアミン、ジアリルアミン、ポリアリ
ルアミン、ジアリルメチルアミン、ポリジアリルメチル
アミンやそれらを用いて得られた共重合物やメラミン又
はその樹脂などの誘導体、アクリルアミドやそれらを用
いて得られた重合物や共重合物などポリアクリルアミド
とその共重合物やポリビニルアミンやその共重合物など
を挙げることができる。ただし、一般式[2]における
2は、炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基、
水酸基を有するアルキル基又は水酸基を有するアルケニ
ル基の少なくとも一つと0〜100個の活性水素を有す
るモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又は
その誘導体から活性水素を除いた残基に限られる。これ
らの残基Y1〜Y3を与える化合物は、1種を単独で用い
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。
【0008】本発明において、一般式[1]〜[3]に
おけるA1〜A3は、アシル基、水酸基を有するアシル基
又はアミノ基を有するアシル基である。このようなアシ
ル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロ
イル基、イソステアロイル基、オレオイル基などのアシ
ル基、ラクトイル基、リシノレオイル基などの水酸基を
有するアシル基、グリシル基、アラニル基などのアミノ
基を有するアシル基、アビエチル基などの複脂環族のア
シル基や、そのマレイン酸やフマル酸などの付加物など
を挙げることができる。一般式[1]におけるA1は、
その少なくとも一つが炭素数8〜22のアシル基、水酸
基を有するアシル基又はアミノ基を有するアシル基であ
る。一般式[1]〜[3]において、n1〜n3が2以上
であるとき、複数個のA1〜A3は、同一であっても異な
っていてもよい。本発明において、一般式[1]〜
[3]におけるX1〜X3は、水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は−(B1
O)k11〜−(B3O)k33であり、B1〜B3は、炭素数
2〜4のアルキレン基、フェニルエチレン基又はフェノ
キシメチルエチレン基であり、R1〜R3は、水素原子又
は炭素数2〜22のアシル基であり、k1〜k3は、1〜
20である。アルキル基は、炭素数2〜22のアルキル
基又は水酸基を有するアルキル基であることが好まし
く、アルケニル基は、ビニル基又は炭素数3〜22のア
ルケニル基若しくは水酸基を有するアルケニル基である
ことが好ましい。これらのアルキル基、アルケニル基及
びアルキルエーテル基は、直鎖状であっても分岐を有し
ていてもよい。アルキル基としては、例えば、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、イコシル基、ドコシル基などを挙げることができ
る。水酸基を有するアルキル基としては、例えば、2−
ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−
ヒドロキシブチル基、10−ヒドロキシオクタデシル基
などを挙げることができる。アルケニル基としては、例
えば、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキ
セニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、
デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサ
デセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、ドコセ
ニル基などを挙げることができる。ヒドロキシアルケニ
ル基としては、例えば、3−ヒドロキシプロペニル基、
12−ヒドロキシ−9−オクタデセニル基、複脂環族の
コレステロイル基、ラノステロイル基、ジヒドロラノス
テロイル基、アビエチル基などを挙げることができる。
一般式[3]におけるX3は、その少なくとも一つが炭
素数8〜22のアルキル基、アルケニル基又はアシル基
を有する基である。一般式[1]〜[3]において、m
1〜m3が2以上であるとき、複数個のX1〜X3は、同一
であっても異なっていてもよい。
【0009】本発明の紙用不透明化剤においては、一般
式[1]、[2]又は[3]におけるA1、A2又はA3
は、その少なくとも一つが、次式で表されるアシル基で
あることが好ましい。
【化16】 ただし、式中、R4〜R6は、炭素数7〜21のアルキル
基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
基を有するアルケニル基である。R4〜R6の炭素数が7
〜21であると、紙用不透明化剤が良好な作業性を維持
したまま、紙に優れた不透明度を与えることができる。
本発明の紙用不透明化剤は、一般式[1]〜[3]で表
される化合物と、エピハロヒドリン若しくはグリシジル
エーテル及び/又はそれらから誘導された化合物を反応
して得られる化合物を含有する。一般式[1]〜[3]
で表される化合物は、それ自体で紙を不透明化すること
ができるが、一般式[1]〜[3]で表される化合物で
紙を処理すると、紙の強度と表面強度及びサイズ度が低
下する。一般式[1]〜[3]で表される化合物と、エ
ピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又は
それらから誘導された化合物を反応して得られる化合物
は、紙の強度と表面強度及びサイズ度を低下させること
なく、紙を不透明化することができる。一般式[1]〜
[3]で表される化合物と、エピハロヒドリン若しくは
グリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導された化
合物を反応して得られる化合物は未反応のグリシジル基
を有し、パルプに定着したのち、紙を生産する際に、ド
ライヤーなどから熱を与えられて高分子量化するため
に、紙の強度と表面強度や、サイズ度に悪影響を与える
ことがないものと推定される。エピハロヒドリン若しく
はグリシジルエーテル又はそれらから誘導された化合物
の中で、エピハロヒドリンがより好ましく、エピクロル
ヒドリンが特に好ましい。
【0010】本発明に用いるエピハロヒドリンに特に制
限はなく、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロムヒ
ドリン、エピヨードヒドリンなどを挙げることができ
る。本発明に用いるグリシジルエーテルに特に制限はな
く、例えば、アリルグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリ
シジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテルなどを挙げることが
できる。本発明に用いるエピハロヒドリン又はグリシジ
ルエーテル化合物から誘導される化合物に特に制限はな
く、例えば、エピハロヒドリン又はグリシジルエーテル
のオリゴマーや、エピハロヒドリン又はグリシジルエー
テルと他の化合物との反応生成物などを挙げることがで
きる。エピハロヒドリン又はグリシジルエーテルと反応
させる他の化合物としては、例えば、カルボキシル基を
有する化合物、アミノ基を有する化合物、水酸基を有す
る化合物、二重結合又は三重結合を有する化合物などを
挙げることができる。エピハロヒドリンから誘導された
化合物としては、例えば、グリシドール、エピヒドリン
カルボン酸、エピシアンヒドリン、エピクロルヒドリン
変性フェノール樹脂などを挙げることができる。グリシ
ジルエーテルから誘導される化合物としは、例えば、ア
クリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジル
エステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸
ジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
【0011】一般式[1]〜[3]で表される化合物と
エピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又
はそれらから誘導された化合物との反応比に特に制限は
ないが、1/10〜10/1(モル比)であることが好
ましく、1/5〜2/1(モル比)であることがより好
ましい。一般式[1]〜[3]で表される化合物とエピ
ハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそ
れらから誘導された化合物との反応比が1/10(モル
比)未満であると、紙の不透明化の効果が低下するおそ
れがある。一般式[1]〜[3]で表される化合物とエ
ピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又は
それらから誘導された化合物との反応比が10/1(モ
ル比)を超えると、紙の強度と表面強度やサイズ度が低
下するおそれがある。本発明において、一般式[1]〜
[3]で表される化合物と、エピハロヒドリン若しくは
グリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導された化
合物を反応する方法に特に制限はなく、例えば、無触媒
において、あるいは、ルイス酸、硫酸、三フッ化ホウ素
などの酸触媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウムなどのアルカリ触媒の存在下などにおい
て反応することができる。本発明に用いる一般式[1]
〜[3]で表される化合物の製造方法に特に制限はな
く、例えば、モノアミン、ポリアミン、ポリアルキレン
イミンなどを出発物質とし、これらの化合物の1個以上
のアミノ基又は水酸基に、高級脂肪酸などを反応させ
て、アミド化又はエステル化して得ることができる。ア
ミド化又はエステル化工程においては、出発物質である
ポリアミンなど化合物の中の1個以上のアミノ基又は水
酸基を、無触媒又は酸やアルカリなどの触媒を用いて、
脂肪酸などによる高温脱水アミド化又はエステル化反応
することができ、あるいは、脂肪酸クロリドなどによる
脱塩酸反応や、低級アルコール脂肪酸エステルなどを使
用してアミド交換又はエステル交換反応を行うことがで
きる。このとき使用する脂肪酸、脂肪酸クロライド、脂
肪酸低級アルコールエステルとしては、炭素数8〜22
の脂肪酸若しくは水酸基を有する脂肪酸又はそのクロラ
イド若しくは低級アルコールエステルであることが好ま
しく、炭素数12〜18の脂肪酸若しくは水酸基を有す
る脂肪酸又はそのクロライド若しくは低級アルコールエ
ステルであることがより好ましい。
【0012】本発明に用いる一般式[1]〜[3]で表
される化合物は、天然油脂や、天然油脂を水素添加して
得られる硬化油脂などのすでにエステル化されている化
合物と、アミノ基を有する化合物又は水酸基を有する化
合物とのアミド交換又はエステル交換により製造するこ
ともできる。使用する油脂としては、例えば、豚脂、牛
脂、骨脂、鯨油などの動物油、オリーブ油、パーム油、
大豆油、菜種油、アマニ油、ヤシ油などの植物油、魚油
及びこれらの硬化油、半硬化油やラノリン、ロジンなど
の複脂環族を含む油脂などを挙げることができる。本発
明において、Y1〜Y3を残基とする化合物には、アミノ
基又は水酸基を有する化合物も含まれるが、脂肪酸など
と反応した場合、アミド化又はエステル化されたものが
含まれていれば、このような化合物を用いることもでき
る。また、アミド化又はエステル化の反応モル数や反応
位置に特に制限はなく、それぞれ、いずれの反応モル
数、反応位置で反応した化合物も用いることができる。
さらに、本発明においては、ポリアミン、ポリアルキレ
ンイミンなど又はその誘導体を一般式[1]〜[3]で
表される化合物の出発物質として使用することができ
る。例えば、モノアミン、ポリアミン、ポリアルキレン
イミンなどに尿素、ジシアンジアミドなどのグアニジン
類、ホルマリン、エピハロヒドリン、イソシアネート化
合物、グリシジルエーテル、アルキレンイミン、アルキ
ルハライド、アルキレンオキシド、ジカルボン酸などの
多価カルボン酸類、アミノ酸、シリル化剤などの活性水
素に反応する化合物を用いて、重合、縮合、付加反応、
架橋反応などを行って得られる化合物、ジメチル硫酸、
エピハロヒドリンなどを用いて窒素に付加反応して4級
化などした化合物など、分子内に、1個以上のアミド化
又はエステル化可能な活性水素を1個以上有する化合物
を出発物質として使用することができる。この場合反応
順序を変えて、出発物質である、モノアミン、ポリアミ
ン、ポリアルキレンイミンなどの1個以上のアミノ基、
水酸基に脂肪酸などを反応させ、アミド化又はエステル
化したのち、重合、縮合、付加反応、架橋反応などを行
って得られる化合物、ジメチル硫酸、エピハロヒドリン
などによって窒素に付加反応して4級化などした化合物
などを用いることもできる。
【0013】ポリアミン化合物の中には、脂肪酸などで
アミド化した場合、脱水が進んでイミダゾリン環を形成
するものがあるが、すべてイミダゾリン環化した化合物
や、一部イミダゾリン環化した化合物も用いることがで
き、また、これらとイミダゾリン環を有しない化合物と
の混合物も用いることができる。さらに2個以上のイミ
ダゾリン環を形成する場合、イミダゾリン環の位置や数
については特に制限はなく、いずれも使用することがで
きる。また、反応順序を変え、モノアミン、ポリアミ
ン、ポリアルキレンイミンなどの出発物質にエピハロヒ
ドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそれらか
ら誘導される化合物を先に反応したのち、分子内に1個
以上のアミド化又はエステル化可能な活性水素を1個以
上有していれば、この化合物のアミノ基又は水酸基に高
級脂肪酸などを反応させ、アミド化又はエステル化して
得ることもできる。基本的に反応順序が変わっても、一
般式[1]〜[3]で表される化合物の中に、1個以上
の窒素を有し、一般式[1]の少なくとも一つのA
1が、炭素数8〜22のアシル基、水酸基を有するアシ
ル基又はアミノ基を有するアシル基であり、一般式
[2]のY2である(n2+m2)個の活性水素を有する
モノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又はそ
れらの誘導体から、活性水素を除いた残基を与える化合
物が、炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基又、
水酸基を有するアルキル基又は水酸基を有するアルケニ
ル基を有する化合物であり、あるいは、一般式[3]の
少なくとも一つのX3が、炭素数8〜22のアルキル
基、アルケニル基又はアシル基を有する基である化合物
を用いることができる。すなわち、一般式[1]〜
[3]のY1〜Y3である(n1+m1)〜(n3+m3)個
の活性水素を有するモノアミン、ポリアミン、ポリアル
キレンイミン又はそれらの誘導体から活性水素を除いた
残基を与える化合物に、エピハロヒドリン若しくはグリ
シジルエーテル及び/又それらから誘導される化合物を
反応させることができる。本発明において、出発物質の
ポリアミン、ポリアルキレンイミン又はそれらの誘導体
は、1種を単独で使用することができ、あるいは、2種
以上を組み合わせて使用することもできる。また、また
エピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又
はそれらから誘導された化合物を反応する一般式[1]
〜[3]で表される化合物も、1種を単独で使用するこ
とができ、あるいは、2種以上を組み合わせて使用する
こともできる。また、反応させるエピハロヒドリン若し
くはグリシジルエーテル及び/又はそれらから誘導され
た化合物も、1種を単独で使用することができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。さ
らに、本発明の紙用不透明化剤も、1種を単独で使用す
ることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて使用
することもできる。
【0014】本発明の紙用不透明化剤は、製紙工程にお
いて、原料であるパルプのいずれの工程においても添加
することができる。例えば、離解工程直後、叩解前後、
薬品などを添加する調整前後、抄紙前、古紙の場合など
は再生処理前後などいずれの工程においても適用するこ
とができる。本発明方法により製造される不透明度向上
紙は、広義で考えられる紙で、植物繊維及び/又はその
他の繊維をからみ合わせ膠着してできた薄層からなるも
のであり、使用するパルプなどの原料や薬品によって限
定されるものではない。従来の木材パルプから得られる
紙のみならず、例えば、バガス、ケナフ、竹パルプなど
の植物繊維を含有する薄層体からも、本発明方法により
不透明度向上紙を製造することができる。本発明の紙用
不透明化剤の使用方法に特に制限はなく、例えば、その
まま使用することができ、あるいは、水や溶剤に、溶
解、分散又は乳化して使用することもできる。また、分
散、乳化させるために、界面活性剤や溶剤を用い、蟻
酸、酢酸などの酸で中和し、あるいはその他の化学薬品
と混合することもできる。本発明の紙用不透明化剤の形
態に制限はなく、また、必要に応じて他の機能を付与す
るため、他の化学薬品を併用することもできる。このよ
うな化学薬品としては、例えば、湿潤紙力剤や乾燥紙力
剤、澱粉、ポリビニルアルコールなどの紙力剤やドライ
ヤー剥離剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロ
ール剤、脱墨剤、サイズ剤、紙質改善剤、填料、顔料、
染料、消泡剤などを挙げることができる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、不透明度向上紙の評価は下記の方法により行った。 (1)不透明度 SMカラーコンピューター[スガ試験機(株)]を用いて
測定した。 (2)白色度 SMカラーコンピューター[スガ試験機(株)]を用いて
測定した。 (3)密度 JIS P 8118に準じて測定した。 (4)乾燥比破裂強度 JIS P 8112に準じて測定した。 (5)湿潤比破裂強度 試験紙を20℃の水に10分間浸漬したのち、JIS
P 8112に準じて測定した。 (6)表面強度 JIS P 8129 2.1のワックスを用いる方法に準
じて測定した。 (7)サイズ度 JIS P 8122に準じて測定した。
【0016】製造例1 テトラエチレンペンタミン63.1gとステアリン酸1
89.7g(モル比1/2)を、脱水管、温度計及び窒
素ガス吹き込み管を取り付けた4つ口フラスコに取り、
マントルヒーターで徐々に加熱し、窒素ガスを吹き込み
ながら、180℃〜200℃にて5時間脱水反応を行
い、中間体化合物aを得た。この化合物169.8g
を、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコに取り、マントルヒーターで90℃に加
熱し、エピクロルヒドリン46.3g(モル比1/2)
を、発熱に気をつけ、温度を90〜100℃に保ちなが
ら、滴下した。滴下終了後、温度を90〜100℃に保
ちながら、4時間反応して、紙用不透明化剤成分を得
た。この紙用不透明化剤成分を、紙用不透明化剤成分1
とする。 製造例2 エピクロルヒドリンの量を69.5g(モル比1/3)
とした以外は、製造例1と同様にして、紙用不透明化剤
成分を得た。この紙用不透明化剤成分を、紙用不透明化
剤成分2とする。 製造例3 アミノエチルエタノールアミン34.7gとステアリン
酸189.7g(モル比1/2)と、触媒としてのパラ
トルエンスルホン酸0.5gを、脱水管、温度計及び窒
素ガス吹き込み管を取り付けた4つ口フラスコに取り、
マントルヒーターで徐々に加熱し、窒素ガスを吹き込み
ながら、200〜220℃にて5時間脱水反応を行い、
中間体化合物bを得た。この化合物159.3gを、コ
ンデンサー、温度計及び滴下ロートを取り付けた4つ口
フラスコに取り、マントルヒーターで90℃に加熱した
のち、エピクロルヒドリン23.1g(モル比1/1)
を、発熱に気をつけ、温度を90〜100℃に保ちなが
ら、滴下した。滴下終了後、温度を90〜100℃に保
ちながら、4時間反応して、紙用不透明化剤成分を得
た。この紙用不透明化剤成分を、紙用不透明化剤成分3
とする。
【0017】製造例4 ジエチレントリアミン34.4gに、ステアリン酸とラ
ウリン酸のモル比1/1の混合物161.6g(モル比
1/2)と、触媒としてのパラトルエンスルホン酸0.
5gを、脱水管、温度計及び窒素ガス吹き込み管を取り
付けた4つ口フラスコに取り、マントルヒーターで徐々
に加熱し、窒素ガスを吹き込みながら、200〜220
℃にて5時間脱水反応を行い、中間体化合物cを得た。
この化合物138.0gを、コンデンサー、温度計及び
滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに取り、マント
ルヒーターで90℃に加熱したのち、エピクロルヒドリ
ン23.1g(モル比1/1)を、発熱に気をつけ、温
度を90〜100℃に保ちながら、滴下した。滴下終了
後、温度を90〜100℃に保ちながら、4時間反応し
て、紙用不透明化剤成分を得た。この紙用不透明化剤成
分を、紙用不透明化剤成分4とする。 製造例5 ジステアリルモノメチルアミン133.8gを、コンデ
ンサー、温度計及び滴下ロートを取り付けた4つ口フラ
スコに取り、マントルヒーターで90℃に加熱したの
ち、エピクロルヒドリン23.1g(モル比1/1)
を、発熱に気をつけ、温度を90〜100℃に保ちなが
ら、滴下した。滴下終了後、温度を90〜100℃に保
ちながら、4時間反応して、紙用不透明化成分剤を得
た。この紙用不透明化剤成分を、紙用不透明化剤成分5
とする。 製造例6〜20 活性水素を有するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキ
レンイミン又はそれらの誘導体から活性水素を除いた残
基Y1〜Y3を与える化合物である出発物質と、アシル
基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基を有するアシ
ル基A1〜A3を与える化合物を製造例1〜5と同様に反
応して、中間体化合物e〜nを得た。さらに、得られた
中間体化合物に、エピクロルヒドリン、エピブロムヒド
リン又はアリルグリシジルエーテルを製造例1〜5と同
様に反応して、紙用不透明化剤成分6〜20を得た。製
造例1〜20で得られた中間体を第1表に、紙用不透明
化剤成分を第2表に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例1(紙用不透明化剤の調製) 紙用不透明化剤成分1〜20は水に溶解しないので、こ
れらの紙用不透明化剤成分を加熱融解したのち、酢酸で
中和し、徐々に水又は熱水を加えながらスパーテルで撹
拌して乳化し、10重量%の乳化物を調製した。これら
の乳化物を、それぞれ試験用ホモジナイザーに1回通し
て、本発明の紙用不透明化剤1〜20を得た。 比較例1(比較紙用不透明化剤の調製) 紙用不透明化剤成分として、第3表に示す化合物を用い
て、比較紙用不透明化剤1〜20を調製した。比較紙用
不透明化剤1〜12と比較紙用不透明化剤19は、実施
例1と同様にして調製し、比較紙用不透明化剤13〜1
6と比較紙用不透明化剤18は、界面活性剤としてソル
ビトールのエチレンオキシド付加物の脂肪酸エステル化
物(ツイン由来)を紙用不透明化剤成分に2重量%配合
して乳化し、比較紙用不透明化剤17と20は、10重
量%水溶液とした。
【0021】
【表3】
【0022】実施例2(不透明度向上紙の作製と評価) 上質古紙の再生パルプ(フリーネス420ml)とNBK
P(フリーネス420ml)を重量比70/30に配合し
たパルプを、ケミスターラーを用いて撹拌しながら、1
0分間の間隔をおいて、紙用不透明化剤1をパルプに対
して0.3重量%添加、乾燥紙力剤(アニオン系)をパ
ルプに対して0.4重量%添加、硫酸バンドでpHを4.5
に調整、エマルジョンサイズ剤をパルプに対して1重量
%添加、湿潤紙力剤(カチオン系)をパルプに対して1
重量%添加した。その後、60分撹拌を継続して、パル
プの調製を終了した。次いで、試験用角型シートマシン
を用いて坪量80g/m2に抄紙し、プレス機を用いて
7kgで5分間プレス処理を行い、試験用のヤンキードラ
イヤーを用いて105℃で3分乾燥して不透明度向上紙
を得た。得られた不透明度向上紙の不透明度87.1
%、白色度86.3、密度0.529g/cm3、乾燥比破
裂強度2.23、湿潤比破裂強度0.93、表面強度7
A、サイズ度39秒であった。 実施例3(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、紙用不透明化剤2〜20
を用い、実施例2と同様にして、19種の不透明度向上
紙を作製し、評価を行った。 比較例2(紙の作製と評価) 紙用不透明化剤を添加しない以外は、実施例2と同様に
して紙を作製し、評価を行った。得られた紙の不透明度
84.6%、白色度84.9、密度0.572g/cm3、乾
燥比破裂強度2.32、湿潤比破裂強度0.98、表面強
度7A、サイズ度40秒であった。 比較例3(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤1を
用い、実施例2と同様にして不透明度向上紙を作製し、
評価を行った。得られた不透明度向上紙の不透明度8
7.0%、白色度86.0、密度0.534g/cm3、乾燥
比破裂強度1.63、湿潤比破裂強度0.57、表面強度
6A、サイズ度27秒であった。 比較例4(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤2〜
20を用い、実施例2と同様にして、19種の不透明度
向上紙を作製し、評価を行った。実施例2〜3の結果を
第4表に、比較例2〜4の結果を第5表に示す。
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】第4表に見られるように、本発明の紙用不
透明化剤1〜20を用いて作製した実施例の不透明度向
上紙は、不透明度と白色度が高く、密度が低く、比破裂
強度、表面強度、サイズ度ともに大きく、優れた品質を
有している。これに対して、第5表に見られるように、
中間体a〜kを用いて調製した比較紙用不透明化剤1〜
11及び19を用いて作製した比較例の不透明度向上紙
は、不透明度と白色度は比較的良好であり、密度も低い
が、比破裂強度、表面強度及びサイズ度がいずれも小さ
い。また、従来の紙用不透明化剤12〜18及び20を
用いて作製した比較例の不透明度向上紙は、比破裂強
度、表面強度、サイズ度は比較的良好であるが、不透明
度と白色度が劣り、密度が高い。 実施例4(不透明度向上紙の作製と評価) 新聞古紙の再生パルプ(フリーネス450ml)とTMP
(フリーネス450ml)を重量比55/45に配合した
パルプを、ケミスターラーを用いて撹拌しながら、10
分間の間隔をおいて、紙用不透明化剤1をパルプに対し
て0.3重量%添加、乾燥紙力剤(アニオン系)をパル
プに対して0.2重量%添加、硫酸バンドでpHを4.5に
調整、エマルジョンサイズ剤をパルプに対して0.4重
量%添加、湿潤紙力剤(カチオン系)をパルプに対して
0.4重量%添加した。その後、60分撹拌を継続し
て、パルプの調製を終了した。次いで、試験用角型シー
トマシンを用いて坪量45g/m2に抄紙し、プレス機
を用いて7kgで5分プレス処理を行い、試験用のヤンキ
ードライヤーを用いて105℃で3分乾燥して不透明度
向上紙を得た。得られた不透明度向上紙の不透明度9
2.0%、白色度58.0、密度0.472g/cm3、乾燥
比破裂強度0.98、湿潤比破裂強度0.22、表面強度
5A、サイズ度7秒であった。 実施例5(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、紙用不透明化剤2〜20
を用い、実施例4と同様にして、19種の不透明度向上
紙を作製し、評価を行った。 比較例5(紙の作製と評価) 紙用不透明化剤を添加しない以外は、実施例4と同様に
して紙を作製し、評価を行った。得られた紙の不透明度
89.8%、白色度56.2、密度0.506g/cm3、乾
燥比破裂強度1.00、湿潤比破裂強度0.21、表面強
度5A、サイズ度8秒であった。 比較例6(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤1を
用い、実施例4と同様にして不透明度向上紙を作製し、
評価を行った。得られた不透明度向上紙の不透明度9
1.7%、白色度57.8、密度0.485g/cm3、乾燥
比破裂強度0.68、湿潤比破裂強度0.11、表面強度
4A、サイズ度4秒であった。 比較例7(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤2〜
20を用い、実施例4と同様にして、19種の不透明度
向上紙を作製し、評価を行った。実施例4〜5の結果を
第6表に、比較例5〜7の結果を第7表に示す。
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】第6表に見られるように、本発明の紙用不
透明化剤1〜20を用いて作製した実施例の不透明度向
上紙は、不透明度と白色度が高く、密度が低く、比破裂
強度、表面強度、サイズ度ともに大きく、優れた品質を
有している。これに対して、第7表に見られるように、
中間体a〜kを用いて調製した比較紙用不透明化剤1〜
11及び19を用いて作製した比較例の不透明度向上紙
は、不透明度と白色度は比較的良好であり、密度も低い
が、比破裂強度、表面強度及びサイズ度がいずれも小さ
い。また、従来の紙用不透明化剤12〜18及び20を
用いて作製した比較例の不透明度向上紙は、比破裂強
度、表面強度、サイズ度は比較的良好であるが、不透明
度と白色度が劣り、密度が高い。 実施例6(不透明度向上紙の作製と評価) NBKP(フリーネス400ml)とLBKP(フリーネ
ス400ml)を重量比50/50に配合したパルプを、
ケミスターラーを用いて撹拌しながら、10分間の間隔
をおいて、炭酸カルシウムをパルプに対して5重量%添
加、紙用不透明化剤1をパルプに対して0.3重量%添
加、アルキルケテンダイマータイプのサイズ剤をパルプ
に対して1.0重量%添加、乾燥紙力剤(両性系)をパ
ルプに対して0.5重量%添加した。その後、60分撹
拌を継続して、パルプの調製を終了した。次いで、試験
用角型シートマシンを用いて坪量65g/m2に抄紙
し、プレス機を用いて7kgで5分プレス処理を行い、試
験用のヤンキードライヤーを用いて105℃で3分乾燥
して不透明度向上紙を得た。得られた不透明度向上紙の
不透明度81.3%、白色度88.0、密度0.498g
/cm3、乾燥比破裂強度1.93、表面強度7A、サイズ
度23秒であった。 実施例7(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、紙用不透明化剤2〜20
を用い、実施例6と同様にして、19種の不透明度向上
紙を作製し、評価を行った。 比較例8(紙の作製と評価) 紙用不透明化剤を添加しない以外は、実施例6と同様に
して紙を作製し、評価を行った。得られた紙の不透明度
78.7%、白色度86.0、密度0.520g/cm3、乾
燥比破裂強度1.96、表面強度6A、サイズ度24秒
であった。 比較例9(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤2を
用い、実施例6と同様にして不透明度向上紙を作製し、
評価を行った。得られた不透明度向上紙の不透明度8
1.2%、白色度87.7、密度0.499g/cm3、乾燥
比破裂強度1.34、表面強度6A、サイズ度12秒で
あった。 比較例10(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1の代わりに、比較紙用不透明化剤1〜
20を用い、実施例6と同様にして、20種の不透明度
向上紙を作製し、評価を行った。実施例6〜7の結果を
第8表に、比較例8〜10の結果を第9表に示す。
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】第8表に見られるように、本発明の紙用不
透明化剤1〜20を用いて作製した実施例の不透明度向
上紙は、不透明度と白色度が高く、密度が低く、比破裂
強度、表面強度、サイズ度ともに大きく、優れた品質を
有している。これに対して、第9表に見られるように、
中間体a〜kを用いて調製した比較紙用不透明化剤1〜
11及び19を用いて作製した比較例の不透明度向上紙
は、不透明度と白色度は比較的良好であり、密度も低い
が、比破裂強度、表面強度及びサイズ度がいずれも小さ
い。また、従来の紙用不透明化剤12〜18及び20を
用いて作製した比較例の不透明度向上紙は、比破裂強
度、サイズ度は比較的良好であるが、不透明度、白色度
と表面硬度が劣り、密度も高い。 実施例8(不透明度向上紙の作製と評価) 上質古紙の再生パルプ(フリーネス420ml)とNBK
P(フリーネス420ml)を重量比70/30に配合し
たパルプを、ケミスターラーを用いて撹拌しながら、1
0分間の間隔をおいて、紙用不透明化剤1をパルプに対
して0.15重量%添加、乾燥紙力剤(アニオン系)を
パルプに対して0.4重量%添加、硫酸バンドでpHを4.
5に調整、エマルジョンサイズ剤をパルプに対して1重
量%添加、湿潤紙力剤(カチオン系)をパルプに対して
1重量%添加した。その後、60分撹拌を継続して、パ
ルプの調製を終了した。次いで、試験用角型シートマシ
ンを用いて坪量80g/m2に抄紙し、プレス機を用い
て7kgで5分プレス処理を行い、試験用のヤンキードラ
イヤーを用いて105℃で3分乾燥して不透明度向上紙
を得た。得られた不透明度向上紙の不透明度87.8
%、白色度87.2、密度0.543g/cm3、乾燥比破
裂強度2.34、湿潤比破裂強度1.03、表面強度7
A、サイズ度45秒であった。 実施例9(不透明度向上紙の作製と評価) 紙用不透明化剤1を添加する10分前に、酸化チタンを
パルプに対して1重量%添加した以外は、実施例8と同
様にして不透明度向上紙を作製した。得られた不透明度
向上紙の不透明度88.9%、白色度88.0、密度0.
543g/cm3、乾燥比破裂強度2.23、湿潤比破裂強
度1.00、表面強度7A、サイズ度44秒であった。 実施例10(不透明度向上紙の作製と評価) 酸化チタンのパルプに対する添加量を、0重量%、1重
量%、2.5重量%及び5重量%の4水準とし、紙用不
透明化剤1又は3を用い、そのパルプに対する添加量を
0.15重量%及び0.3重量%の2水準として、実施例
8又は実施例9と同様にして、不透明度向上紙を作製
し、評価を行った。 比較例11(不透明度向上紙の作製と評価) 比較紙用不透明化剤1又は20を用い、あるいは紙用不
透明化剤を添加することなく、実施例8又は実施例9と
同様にして、紙を作製し、評価を行った。実施例8〜1
0の結果を第10表に、比較例11の結果を第11表に
示す。
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】第10表に見られるように、本発明の紙用
不透明化剤1又は3を用い、酸化チタンを添加すること
なく、又は、添加して作製した実施例の不透明度向上紙
は、不透明度と白色度が高く、密度が低く、比破裂強
度、表面強度、サイズ度ともに大きく、優れた品質を有
している。また、紙用不透明化剤の添加量が多いほど、
また、酸化チタンの添加量が多いほど、不透明度と白色
度が向上している。これに対して、第11表に見られる
ように、中間体aを用いて調製した比較紙用不透明化剤
1を用いて作製した比較例の不透明度向上紙は、不透明
度と白色度は比較的良好であり、密度も低いが、比破裂
強度、表面強度及びサイズ度がいずれも小さい。また、
従来の紙用不透明化剤20を用いて作製した比較例の不
透明度向上紙は、比破裂強度、表面硬度、サイズ度は比
較的良好であるが、不透明度と白色度が劣り、密度も高
い。
【0035】
【発明の効果】本発明の不透明化剤を用いることによ
り、比破裂強度、表面強度、サイズ度を高い水準に維持
したまま、不透明度と白色度を向上することができるの
で、紙製品のパルプ原料の使用量を低減し、製品の製造
スピードを向上するとともに、原料コストを低減するこ
とができる。さらに、従来の填料を使用する方法を一部
置き換えるか、又は、すべてを置き換えることにより、
従来の填料を使用する方法が有する問題点を解消又は軽
減することができ、さらには、従来の填料を使用する方
法に追加することにより、さらに紙の不透明度を向上さ
せるなど、紙製品の品質の向上やコストの低減が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AB011 AH001 CD002 CD012 CD162 CD202 4L055 AG77 AG87 FA12 GA05 GA08 GA15 GA16 GA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で表される化合物と、エピハ
    ロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそれ
    らから誘導された化合物とを反応して得られる化合物を
    含有することを特徴とする紙用不透明化剤。 【化1】 (ただし、式中、Y1は(n1+m1)個の活性水素を有
    するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又
    はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、A1
    アシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基を有す
    るアシル基であって、これらのアシル基の少なくとも一
    つは炭素数8〜22であり、X1は水素原子、アルキル
    基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は
    −(B1O)k 11(ここでB1は炭素数2〜4のアルキレ
    ン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチルエチレ
    ン基であり、R1は水素原子又は炭素数2〜22のアシ
    ル基であり、k1は1〜20である。)であり、n1は1
    以上であり、m1は0以上であり、n1+m1=1〜10
    0であり、n1が2以上の場合複数のA1は同一でも異な
    っていてもよく、m1が2以上の場合複数のX1は同一で
    も異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】一般式[2]で表される化合物と、エピハ
    ロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそれ
    らから誘導された化合物とを反応して得られる化合物を
    含有することを特徴とする紙用不透明化剤。 【化2】 (ただし、式中、Y2は炭素数8〜22のアルキル基、
    アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸基を
    有するアルケニル基の少なくとも一つと(n2+m2)個
    の活性水素とを有するモノアミン、ポリアミン、ポリア
    ルキレンイミン又はその誘導体から活性水素を除いた残
    基であり、A2はアシル基、水酸基を有するアシル基又
    はアミノ基を有するアシル基であり、X2は水素原子、
    アルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基、アシ
    ル基又は−(B2O)k22(ここでB2は炭素数2〜4の
    アルキレン基、フェニルエチレン基又はフェノキシメチ
    ルエチレン基であり、R2は水素原子又は炭素数2〜2
    2のアシル基であり、k2は1〜20である。)であ
    り、n2は0以上であり、m2は0以上であり、n2+m2
    =0〜100であり、n2が2以上の場合複数のA2は同
    一でも異なっていてもよく、m2が2以上の場合複数の
    2は同一でも異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】一般式[3]で表される化合物と、エピハ
    ロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び/又はそれ
    らから誘導された化合物とを反応して得られる化合物を
    含有することを特徴とする紙用不透明化剤。 【化3】 (ただし、式中、Y3は(n3+m3)個の活性水素を有
    するモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又
    はその誘導体から活性水素を除いた残基であり、A3
    アシル基、水酸基を有するアシル基又はアミノ基を有す
    るアシル基であり、X3は水素原子、アルキル基、アル
    ケニル基、アルキルエーテル基、アシル基又は−(B
    3O)k33(ここでB3は炭素数2〜4のアルキレン基、
    フェニルエチレン基又はフェノキシメチルエチレン基で
    あり、R3は水素原子又は炭素数2〜22のアシル基で
    あり、k3は1〜20である。)であって、X3の少なく
    とも一つは炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基
    又はアシル基を有する基であり、n3は0以上であり、
    3は1以上であり、n3+m3=1〜100であり、n3
    が2以上の場合複数のA3は同一でも異なっていてもよ
    く、m3が2以上の場合複数のX3は同一でも異なってい
    てもよい。)
  4. 【請求項4】A1の少なくとも一つが、一般式[4]で
    表される基である請求項1記載の紙用不透明化剤。 【化4】 (ただし、式中、R4は、炭素数7〜21のアルキル
    基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
    基を有するアルケニル基である。)
  5. 【請求項5】A2の少なくとも一つが、一般式[5]で
    表される基である請求項2記載の紙用不透明化剤。 【化5】 (ただし、式中、R5は、炭素数7〜21のアルキル
    基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
    基を有するアルケニル基である。)
  6. 【請求項6】A3の少なくとも一つが、一般式[6]で
    表される基である請求項3記載の紙用不透明化剤。 【化6】 (ただし、式中、R6は、炭素数7〜21のアルキル
    基、アルケニル基、水酸基を有するアルキル基又は水酸
    基を有するアルケニル基である。)
  7. 【請求項7】1〜100個の活性水素を有するモノアミ
    ン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン又はその誘導体
    と、エピハロヒドリン若しくはグリシジルエーテル及び
    /又はそれらから誘導された化合物とを反応して得られ
    る化合物の残余する活性水素に、アルキル化剤、アルケ
    ニル化剤又はアシル化剤を反応させて、置換基を有して
    いてもよい炭素数8〜22のアルキル基、アルケニル基
    又はアシル基を導入した化合物を含有することを特徴と
    する紙用不透明化剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜7記載のいずれかの紙用不透明
    化剤で処理することを特徴とする不透明度向上紙の製造
    方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜7記載のいずれかの紙用不透明
    化剤が付着したことを特徴とする不透明度向上紙。
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