JP5019373B2 - 紙および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化物イオン含量を削減した紙および製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂湿潤紙力剤として用いても、従来と比較し、紙中の塩化物イオン含量が削減された紙および製造方法に関するものである。
紙の強度、特に湿潤強度を向上させる薬剤として、ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂が有用であることは、例えば特開昭56−34729号公報に記載されており、公知である。しかしながら、エピハロヒドリンとして特に工業的に良く使用されているエピクロロヒドリンを用いたポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂(PAE樹脂)を湿潤紙力増強剤として用いると、紙中に塩化物イオンが多く残存してしまう問題があった。この様な紙は、プリント配線板に使用される積層板原紙としては不適切である。
近年、電子機器は、軽薄短小化してきているため、IC、コンデンサー、抵抗等の電気製品部品の装着密度が高くなり、プリント配線板の導電パターンの細密化及び両面化が進み、プリント配線板の原料である積層板原紙に対する要求がより高度になっている。このため、積層板原紙は、寸法安定性、強度、及び電気絶縁性により優れたものが望まれている。中でも電気絶縁性に対する要求が高度になっており、積層板原紙中に含まれる残留イオン、特に塩化物イオンは、配線などの導電性ペーストのマイグレーション化を起こし、プリント配線板の電気絶縁性を劣化させる原因であることが指摘されている。従って、積層板原紙中に含まれる塩化物イオンの量は極力少ないことが望まれている。
これまでの塩化物イオンの少ない紙の製造方法としては、パルプの洗浄強化等を行うことで残留イオンを削減する方法(特許文献1)、パルプの蒸解条件および漂白条件を改善することで残留イオンを減少する方法(特許文献2)、及びパルプシートをロールプレスで圧縮脱水処理によって塩化物イオンを除去する方法(特許文献3)などパルプの調整方法に特徴を持たせる方法が公知である。一方、湿潤紙力増強剤に関しては、(i)ホルマリンを原料とする湿潤紙力増強剤(例えばメラミン−ホルマリン樹脂)の使用、(ii)N−ビニルホルムアミド系重合体もしくは他の湿潤紙力剤と混合しての使用(特許文献4)等が提案されている。しかし、(i)の方法では、近年、環境機運の高まりから発がん性の疑いのあるホルマリンを原料しており、また湿潤紙力増強効果が十分ではない。また、(ii)の方法では、その湿潤紙力増強効果は十分とは言えない。
特開昭62−191597号 特開平7−300792号 特開平9−88000号 特開2005−171410号
本発明は、優れた湿潤紙力を有することはもちろん、紙中の塩化物イオン量が少ない紙を得る方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物、(B)ポリアルキレンポリアミン、(C)エピハロヒドリン類と反応せしめてなるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂であって、(B)ポリアルキレンポリアミン中の第2級アミノ基に対して、(C)エピハロヒドリン類が1.3〜1.5倍モルであるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を使用することで、紙中の塩化物イオン量が少なく、優れた湿潤紙力を有する紙を得られるということを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明により、優れた湿潤紙力を有することはもちろん、紙中の塩化物イオン量が少ない紙を得ることができる。
すなわち本発明は、(i)(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物、(B)ポリアルキレンポリアミン、(C)エピハロヒドリン類と反応せしめてなるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂であって、(B)ポリアルキレンポリアミン中の第2級アミノ基に対して、(C)エピハロヒドリン類が1.3〜1.5倍モルであるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を使用することを特徴とする紙およびその製造方法。
(ii)前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を含有する紙において、紙中に存在する塩化物イオンの量が、乾燥重量当り160〜300ppmであることを特徴とする紙およびその製造方法。
(iii)前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を含有する紙において、紙中に存在する塩化物イオンの量が、当該樹脂未添加の紙と比較して乾燥重量当り多くとも150ppmであることを特徴とする紙およびその製造方法である。
本発明の方法に従って得られた紙は、優れた湿潤紙力を有することから、接着紙用原紙、積層板原紙、化粧板原紙、壁紙原紙、食品容器原紙及び印画紙用紙等の加工原紙、ティッシュペーパー、タオルペーパー及びナプキン原紙等の衛生用紙、重袋用両更クラフト紙・片艶クラフト紙などの包装用紙、電気絶縁紙、耐水ライナー、耐水中芯、新聞用紙、紙器用板紙の抄造に適している。また、本発明の方法に従って得られた紙は、紙中に含まれる塩化物イオン量が少ない特徴を併せ持ち、特に積層板原紙の抄造に適している。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明においては、まず(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとの縮合反応により、ポリアミドポリアミンを生成させる。
本発明における(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物は、分子内に2個のカルボキシル基を有する脂肪族化合物およびその誘導体であり、遊離酸のほか、そのエステル類や酸無水物なども包含される。かかる脂肪族ジカルボン酸系化合物の代表的なものとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、セバシン酸等の遊離のジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル類、これらの酸無水物などが挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸系化合物は、一種類のみ用いても、また二種類以上併用してもよい。さらには、これらの脂肪族ジカルボン酸系化合物とともに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、芳香族ジカルボン酸系化合物や脂環芳香族ジカルボン酸系化合物などの他のジカルボン酸系化合物を併用してもよい。
本発明における(B)ポリアルキレンポリアミンは、分子内に2個の第1級アミノ基および少なくとも1個の第2級アミノ基を有する脂肪族化合物であり、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミンなどが挙げられる。これらのポリアルキレンポリアミンは、一種類のみ用いても、また二種類以上併用してもよい。さらには、これらのポリアルキレンポリアミンとともに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、エチレンジアミンやプロピレンジアミンのような脂肪族ジアミンを併用してもよい。
本発明における(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとのポリアミド化反応において、通常、(A)1モルに対し、(B)を1.0〜1.4モル、好ましくは、1.0〜1.2モルの範囲で反応させる。
またこの際、本発明により得られる水溶性樹脂の性能を阻害しない範囲で、必要に応じて、アミノカルボン酸類を併用することもできる。アミノカルボン酸類の例としては、グリシン、アラニン、アミノカプロン酸のようなアミノカルボン酸およびそのエステル誘導体、カプロラクタムのようなラクタム類などが挙げられる。
ポリアミド化反応は加熱下で行われ、その際の温度は、通常、100〜250℃であり、好ましくは130〜200℃である。そして、生成ポリアミドポリアミンを50重量%水溶液としたときの25℃における粘度が400〜1000mPa・sとなるまで反応を続けることが好ましい。
(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンとのポリアミド化反応に際しては、触媒として、硫酸やスルホン酸類を用いることができる。スルホン酸類としては、ベンゼンスルホン酸やパラトルエンスルホン酸などが挙げられる。酸触媒は、通常、ポリアルキレンポリアミン1モルに対して0.001〜0.5の範囲で用いられ、
0.005〜0.1モルの範囲が好ましく、0.01〜0.05モルの範囲がより好ましい。
こうして得られるポリアミドポリアミンは次に、水溶液中で(C)エピハロヒドリンとの反応に供される。ここで用いる(C)エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン(ECD)やエピブロモヒドリンなどが挙げられ、工業的にはエピクロロヒドリンが好ましい。
ポリアミドポリアミンと(C)エピハロヒドリンとの反応は、1次反応と2次反応の2段階に分けて行われることが好ましい。1次反応は、反応物濃度30〜70重量%、好ましくは30〜60重量%の水溶液で行われる。この1次反応は、10〜55℃の範囲の温度で1〜10時間反応を行うのが好ましい。また、ポリアミドポリアミン中の第2級アミノ基に対する(C)エピハロヒドリンのモル比(以下「エピハロ比」という)は、1.3〜1.5であり、1.4〜1.5がより好ましい範囲である。 エピハロヒドリンは、通常、1次反応の際に添加されるが、1次反応と2次反応に分けて添加することもできる。
エピハロ比が1.3より小さい場合、紙中の塩化物イオンが高くなり、一方エピハロ比を1.5より大きくすると、副生成物である1,3−ジクロロ−2−プロパノール(DCP)の含量が1%以上(対2次反応後のPAE樹脂水溶液)となるため好ましくない。
1次反応終了後は、反応系に水を加えて希釈し、1次反応時より反応物の重量%濃度表示で5ポイント以上低く、ただしその濃度が20重量%以上になるようにする。こうして反応液を希釈したあとは、さらに保温を続け、1次反応で得られたエピハロヒドリンが付加したポリアミドポリアミン間の架橋反応(2次反応)を行う。2次反応における温度は、25〜70℃の範囲が好ましい。この2次反応は、生成物の樹脂分濃度を15重量%としたときの25℃における粘度が10〜400mPa・sに達するまで反応を行うのが好ましい。
反応液が前記所望の粘度に達したならば、必要により水で希釈した後、反応を停止させるために、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸のような酸、好ましくはハロゲンを含まない酸を加えて、pHを3〜5に調整し、目的物である樹脂水溶液を得る。
このような方法によって得られるポリアミドアミンエピハロヒドリン樹脂は、エピハロ比が1.0のものに比べて、樹脂中のアミノ基の四級化が進行している。この事は樹脂中の架橋に関与している塩素原子が多いことが考えられる。また、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂は紙の製造において、紙が乾燥する際、樹脂が架橋し、湿潤紙力が得られる。その乾燥時に、架橋により塩化物イオンが放出され、紙中に残存するものと考えられる。従って、本発明における樹脂を用いて紙を製造すると、予め樹脂中で架橋に関与している塩素原子が多い分、紙の乾燥時に放出される塩化物イオンが少なく、紙中に残存する塩化物イオンが少なくなるものと考えられる。
本発明により得られるポリアミドアミンエピハロヒドリン樹脂を紙の製造に使用することにより、優れた湿潤紙力を有することはもちろん、紙中の塩化物イオン量が少ない紙を得ることができる。その紙中に存在する塩化物イオンの量が当該樹脂未添加の紙と比較して、乾燥重量当り多くとも150ppmとする。特に前記特許文献1〜3のような公知のパルプ調整方法と組み合わせて本発明の紙を得ることで、紙中の塩化物イオンをさらに少なくすることができる。さらに本発明の方法は、ポリアミドアミンエピハロヒドリン樹脂の濃度が高い場合においても有効であり、例えば、最終製品の樹脂水溶液を15〜25重量%の濃度とした場合でも、安定した状態で保存することができる。最終的に樹脂水溶液の樹脂分濃度が高い場合は、pHを比較的低い値、例えばpH2〜4に調整することが好ましい。
本発明の紙の製造方法としては、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプなどのパルプに前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を含有せしめたのち、抄紙する方法、増強剤を用いることなく抄紙して得られた紙に前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を塗工する方法などが挙げられる。とりわけ、パルプに前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂パルプに含有せしめたのち、抄紙する方法が好適である。 ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂の添加量は、通常、パルプの水性分散液又はファンポンプ部の白水中にパルプの乾燥重量当り0.05〜5固形分質量%、好ましくは0.1〜3固形分質量%が好ましい。0.05%固形分質量%よりも少ないと、抄造された紙の湿潤紙力が十分に得られない場合があり、5固形分%よりも多いと、紙中の塩化物イオン量が樹脂添加前と比較して、乾燥重量当り多くとも150ppmとすることができなくなる場合がある。
本発明に使用される原料パルプは特に限定されるものではなく、木材チップより得られるパルプ原料としては、クラフトパルプ、サルファイトパルプの晒し並びに未晒し化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなどの晒し又は未晒し高収率パルプなどを挙げることができる。また、用途、品質に応じて合成繊維、内添填料、ガラス繊維など適宜選択/配合できる。
紙料に本発明のポリアミドアミンエピハロヒドリン樹脂を添加する場合、種々の薬剤を
同時に、又はその前後に添加することできるが、本発明においては薬剤として、N−ビニルホルムアミド系重合体またはその誘導体は使用しない。 そして、N−ビニルホルムアミド系重合体またはその誘導体以外の薬剤の添加については、本発明の目的を阻害しない限り特に制限がなく、例えば凝結剤、乾燥紙力剤、サイズ剤、填料、歩留まり向上剤及び濾水性向上剤などを挙げることができる。これらの各種の薬剤は、紙の種類に応じて要求される物性を発現するために、又は操業性を向上させるために、必要に応じて添加される。これら各種の薬剤は、その一種を単独で配合されても、またそれらの二種以上を併用して配合されても良い。
前記凝結剤としては、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アミンとエピハロヒドリンとの反応物などが挙げられる。乾燥紙力剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化デンプン、及び両性デンプン等を挙げることできる。
また、サイズ剤としては、脂肪酸石鹸、溶液ロジン、酸性抄紙用ロジンエマルジョン、中性抄紙用ロジンエマルジョン、アルケニルコハク酸無水物のエマルジョン又はその加水分解の塩、2−オキセタノンのエマルジョン、パラフィンワックスのエマルジョン、カルボン酸と多価アミンとの反応により得られるカチオン性アミド、脂肪族オキシ酸と脂肪族アミン又は脂肪族アルコールとの反応物のエマルジョン、及びカチオン性スチレン系エマルジョンのサイズ剤等を挙げることができる。
さらに填料としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、及びホワイトカーボン等を挙げることができ、歩留まり向上剤としては、アニオン性高分子ポリアクリルアミド、カチオン性高分子ポリアクリルアミド及び両性高分子ポリアクリルアミド等を挙げることができ、他の薬剤としては、硫酸バンド、及びポリアルミニウムクロライドなどのアルミニウム化合物、染料及びpH調整剤等を挙げることができる。
本発明に係る紙は、板紙も含む。この紙の種類としては、食品用包装紙、食品用容器、金属用包装紙などの耐油紙をはじめ、PPC用紙、インクジェット印刷用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧記録原紙、更紙などの情報用紙、印刷紙及びその原紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙などのコート紙及びその原紙、重袋両更クラフト紙、片艶クラフト紙等のクラフト紙、純白ロール紙などの包装用紙、その他筆記用紙、書籍用紙、各種印刷用紙、新聞巻取紙、ティッシュペーパー、タオルペーパー及びナプキン原紙等の衛生用紙、積層板原紙、化粧版原紙、接着紙原紙、壁紙原紙、食品容器原紙及び印画紙用等の加工原紙、コンデンサーペーパー、プレスボード等の電気絶縁紙などの各種紙、マニラボール、白ボール、チップボールなどの紙器用板紙、並びにライナー、耐水ライナー、中芯、耐水中芯、及び石膏ボード原紙などの板紙を挙げることができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中にある%および量比は、特にことわらないかぎり重量基準である。
(粘度の測定)
ポリアミドポリアミン水溶液およびPAE樹脂水溶液A〜Dの粘度は、ブルックフィールド粘度計(25℃、ローターNo.1)により測定した。
[製造例1(ポリアミドポリアミンの製造例)]
温度計、リービッヒ冷却器および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、ジエチレントリアミン300.0g(2.91モル)、水21.5g、アジピン酸403.6g(2.76モル)および71%硫酸8.8g(0.06モル)を仕込み、145℃まで昇温し、1時間還流した後、水を抜きながら、140〜160℃で12時間反応させた。その後、水588.7gを徐々に加えて、ポリアミドポリアミンの水溶液を得た。このポリアミドポリアミン水溶液は、固形分濃度50. 7%、粘度550mPa・sであった。
[合成例1]
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、製造例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液200.0g(2級アミノ基として0.48モル)に反応物濃度が45%になるように水96.6gを仕込み、20〜30℃でエピクロロヒドリン62.4g(0.67モル(エピハロ比1.4))を1時間かけて滴下した後、同温で10時間保温した。その後、水102.6gを加え、50〜70℃で保温して増粘させたあと、冷却した。その後、71%硫酸4.3g、水531.5gを加え、固形分濃度16%、粘度50mPa・s、pH3.5のPAE樹脂水溶液Aを得た。
[合成例2]
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、製造例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液200.0g(2級アミノ基として0.48モル)に反応物濃度が45%になるように水102.0gを仕込み、20〜30℃でエピクロロヒドリン66.8g(0.72モル(エピハロ比1.5))を1時間かけて滴下した後、同温で10時間保温した。その後、水105.4gを加え、70℃で保温して増粘させたあと、冷却した。その後、71%硫酸4.0g、水520.3gを加え、固形分濃度16%、粘度55mPa・s、pH3.4のPAE樹脂水溶液Bを得た。
[合成例3]
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、実施例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液650.0g(2級アミノ基として1.56モル)に反応物濃度が45%になるように水290.0を仕込み、30℃でエピクロロヒドリン173.7g(1.88モル(エピハロ比1.2))を3時間かけて滴下した後、同温で4時間保温した。その後、水891.0gを加え、45〜60℃で保温して増粘させたあと、冷却した。その後、71%硫酸16.8g、水1180.0gを加え、固形分濃度16%、粘度70mPa・s、pH3.5のPAE樹脂水溶液Cを得た。
[合成例4]
温度計、還流管および撹拌棒を備えた四つ口フラスコに、製造例1で得られたポリアミドポリアミン水溶液180.0g(2級アミノ基として0.43モル)に反応物濃度が45%になるように水97.1を仕込み、30℃でエピクロロヒドリン64.2g(0.69モル(エピハロ比1.6))を1時間かけて滴下した後、同温で6時間保温した。その後、水97.5gを加え、60〜80℃で保温して増粘させたあと、冷却した。その後、71%硫酸3.3g、水448.6gを加え、固形分濃度16%、粘度50mPa・s、pH3.5のPAE樹脂水溶液Dを得た。
(抄紙条件)
TAPPI式標準抄紙法により、以下の条件にて抄紙を行い、手抄き紙を得た。
使用パルプ:N−BKP/L−BKP=1/1
叩解度:420cc
PAE樹脂添加量:0.6%(樹脂固形分の対パルプ乾燥重量)
熱処理条件:110℃、4分間
抄紙平均米坪量:60g/m
合成例1において得られたPAE樹脂水溶液Aを用い、上記の抄紙条件にて、手抄き紙を作成した。得られた紙の湿潤列断長の測定結果及び紙中に存在する塩化物イオン量の測定結果を表1に記載した。
合成例2において得られたPAE樹脂水溶液Bを用い、上記の抄紙条件にて、手抄き紙を作成した。得られた紙の湿潤列断長の測定結果及び紙中に存在する塩化物イオン量の測定結果を表1に記載した。
[比較例1]
PAE樹脂水溶液を添加していない事以外は上記の抄紙条件に沿って抄紙を行い、手抄き紙を作成した。得られた紙の湿潤列断長の評価結果及び紙中に存在する塩化物イオン量の測定結果を表1に記載した。
[比較例2]
合成例3において得られたPAE樹脂水溶液Cを用い、上記の抄紙条件にて、手抄き紙を作成した。得られた紙の湿潤列断長の測定結果及び紙中に存在する塩化物イオン量の測定結果を表1に記載した。
[比較例3]
合成例4において得られたPAE樹脂水溶液Dを用い、上記の抄紙条件にて、手抄き紙を作成した。得られた紙の湿潤列断長の測定結果及び紙中に存在する塩化物イオン量の測定結果を表1に記載した。
(DCP含有量)
合成例1〜4で得られたPAE樹脂水溶液A〜D中のDCP含有量はガスクロマトグラフィーにより定量した。表1中の%は、対水溶液での含有量である。
(湿潤紙力強度)
実施例1〜2、比較例1〜3で得られた紙の湿潤引っ張り強さ(湿潤列断長)をISO 1924/1−1992に準じて測定した。
(紙中に存在する塩化物イオン量)
実施例1〜2、比較例1〜3で得られた紙を熱水抽出し、この抽出液中の塩化物イオンの濃度をイオンクロマトグラフィーにて測定を行い、紙中の塩化物イオン濃度に換算した。
Figure 0005019373

Claims (3)

  1. (A)脂肪族ジカルボン酸系化合物、(B)ポリアルキレンポリアミン、(C)エピハロヒドリン類と反応せしめてなるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂であって、(A)脂肪族ジカルボン酸系化合物と(B)ポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリアミドポリアミンに対し、ポリアミドポリアミン中の第2級アミノ基に対して、(C)エピハロヒドリン類を1.3倍モル以上、1.5倍未満反応させ、その後、脱ハロゲン化処理を行わないことを特徴とするポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂の製造方法。
  2. 請求項1記載のポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を含有する紙。
  3. 前記ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂を含有する紙において、紙中に存在する塩化物イオンの量が、当該樹脂未添加の紙と比較して乾燥重量当り多くとも150ppmであることを特徴とする請求項2記載の紙。
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