JP2016188440A - 溶液ロジンサイズ剤及び紙 - Google Patents

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雅彦 須田
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Abstract

【課題】酸価の高い強化ロジンを用いた場合であっても、アルミニウムと形成された錯体粒子がドライヤーパートでパルプ繊維上へ均一に溶融し、サイズ効果を良好ならしめる溶液ロジンサイズ剤の提供。
【解決手段】ロジン(a1)とα、β−不飽和ジカルボン酸(a2)との付加反応物であって、式(1)で表される二塩基性ジテルペンカルボン酸(a3)を少なくとも0.5重量%含有する強化ロジン(A)を塩基で中和してなる溶液ロジンサイズ剤、並びに当該溶液ロジンサイズ剤を用いて得られる紙。

【選択図】なし

Description

本発明は、溶液ロジンサイズ剤及びこれを用いて得られる紙に関する。
溶液ロジンサイズ剤とは、一般的には、アビエチン酸を主成分とするロジンに、無水マレイン酸やフマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸をディールスアルダー反応により部分付加させた後、アルカリ水溶液を加えてケン化したサイズ剤をいう。当該サイズ剤は、酸性条件下での紙抄造時に用いると、硫酸バンドを介してパルプ繊維に定着し、少量添加でも良好なサイズ効果を発揮する。
古くは石膏ボードの抄造などにも溶液ロジンサイズ剤が適用されてきた(特許文献1、2)が、近年の抄紙水温の上昇や硫酸バンドの使用量の減少に伴い、当該サイズ剤は充分なサイズ効果を発揮できなくなっている。
このような課題を解決するために、実に様々なロジンサイズ剤が開発されてきており、例えば、強化ロジンをスルホン酸系分散安定剤で分散させたサイズ剤(特許文献3)、アルケニルコハク酸無水物とロジンとをポリアルキレンポリアミンで脱水縮合させて得られる生成物をケン化してなる製紙用サイズ剤(特許文献4)、ロジン系物質をアクリルアミド系乳化剤で分散させたロジン型エマルジョンサイズ剤(特許文献5)などが提案されている。しかしながら、長年にわたるロジンサイズ剤の検討において、溶液型サイズ剤の形態で、原料ロジン中の樹脂酸構造や特性などに着目した例は開示されていない。
特開昭55−84499号公報 特開昭56−91099号公報 特開平01−221598号公報 特開平04−343791号公報 特開2009−287148号公報
実際の抄造工程においては、パルプスラリー中に溶液ロジンサイズ剤をまず添加した後、硫酸バンドを添加することにより、スラリー中でアルミニウム原子と樹脂酸との錯形成が進行し、水も配位した粒子が生じる。当該粒子は、更なる錯形成が進行することは少ないほど安定であり、乾燥により配位水を失い、安定な4配位構造をとることで、良好なサイズ効果を示すと考えられている(「紙のサイズ」、中村長一、昭和37年発行、第122〜124頁)。また、溶液ロジンサイズ剤に含まれる多量のカルボキシル基を有する強化ロジンは高極性であるため、詳細なメカニズムは不明であるが、アルミニウムとマレオピマル酸やフマロピマル酸などとの錯形成で生じる粒子は、湿紙中の水分とアニオン性のパルプ繊維の双方に親和し、繊維上に均一分布した後、ドライヤーパートにおいて、当該粒子が溶け広がることで良好なサイズ効果を示すと推測される。
従って、溶液ロジンサイズ剤で更にサイズ効果を高めるには、当該粒子を湿紙中の水分とパルプ繊維の双方に一層親和させることが重要と考えられ、その手段として、強化ロジン中に更にカルボキシル基を導入し、その酸価を高めることが考えられる。
しかしながら、強化ロジンは酸価が高くなるにつれて軟化点も高くなる。そして、軟化点の高い強化ロジンを用いた場合に生ずる錯体粒子は、ドライヤーパートを経てもなおその多くが未溶融のままパルプ繊維上に残存してしまい、サイズ性に優れた成紙を得にくくなると考えられる。
本発明の主たる課題は、酸価の高い強化ロジンを用いた場合であっても、アルミニウムと形成された錯体粒子がドライヤーパートでパルプ繊維上へ均一に溶融し、サイズ効果を良好ならしめる溶液ロジンサイズ剤を提供することにある。
本発明者は、従来の強化ロジンと同等の軟化点でありながら、その酸価のみを高めたような強化ロジンを用いれば、サイズ性に優れた成紙を得ることが可能になると考えた。そして、二塩基性ジテルペンカルボン酸を所定量含む強化ロジンが、従来の強化ロジンと同等の軟化点でありながら高酸価を示すことを見出し、前記課題を解決し得る溶液ロジンサイズ剤が得られることを見出した。
すなわち本発明は、ロジン(a1)とα、β−不飽和ジカルボン酸(a2)との付加反応物であって、下記一般式(1)で示される二塩基性ジテルペンカルボン酸を少なくとも0.5重量%含有する強化ロジン(A)を特定量の塩基で中和してなる溶液ロジンサイズ剤、並びに当該溶液ロジンサイズ剤を用いて得られる紙、に関する。

本発明の溶液ロジンサイズ剤は、二塩基性ジテルペンカルボン酸を所定量含む強化ロジンを使用したものであり、より高極性となり、親和性も高まる。また、本発明のサイズ剤を用いて得られる紙は優れたサイズ性を示す。
本発明は、ロジン(a1)(以下、成分(a1)という)とα、β−不飽和ジカルボン酸(a2)(以下、成分(a2)という)との付加反応物であって、前述の一般式(1)で示される二塩基性ジテルペンカルボン酸(a3)(以下、成分(a3)という)を特定量含有する強化ロジン(A)(以下、成分(A)という)を塩基(B)(以下、成分(B)という)で中和してなる溶液ロジンサイズ剤に関する。当該サイズ剤は、一般的に、酸性条件下での抄紙系に適用可能である。
(A)成分は、成分(a1)と成分(a2)との付加反応物であって、かつ、前記一般式(1)で示される成分(a3)を少なくとも0.5重量%含有する強化ロジンであり、紙にした際にサイズ効果を発揮する成分である。
成分(a1)は、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等を包括する概念であるが、後述する成分(a3)を少なくとも含むロジン及び/又はその誘導体も挙げられる。成分(a1)中の成分(a3)の含有量は0.5重量%、好ましくは5〜17重量%程度、より好ましくは8〜13重量%の範囲である。該ロジンとしては、例えば、メルクシ松(Pinus merkusii)に由来するロジンが挙げられ、また、該誘導体としては、該ロジンを用いて得られる精製ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、強化ロジン及び(メタ)アクリル化ロジン等が挙げられる。なお、メルクシ松は、例えばインドネシアやベトナムに生育しており、例えば、インドネシア産のメルクシ松に由来するロジンには、ジヒドロアガト酸を含む二塩基性ジテルペンカルボン酸が通常8〜11重量%程度含まれている。また、ベトナム酸のメルクシ松に由来するロジンには、ジヒドロアガト酸を含む二塩基性ジテルペンカルボン酸が通常7〜10重量%程度含まれている。
また、成分(a1)としては、他にも、二塩基性ジテルペンカルボン酸を含まないロジン及び/若しくはその誘導体と、別途調製した二塩基性ジテルペンカルボン酸とを組み合わせたものであって、二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量を本願所定の範囲に調整したロジン並びに/又はその誘導体が挙げられる。二塩基性ジテルペンカルボン酸を含まないロジンとしては、例えば、中国産の湿地松(コムン酸含有)や馬尾松に由来するロジンが挙げられる。また、該ロジンの誘導体としては、例えば、精製ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、強化ロジン及び(メタ)アクリル化ロジン等が挙げられる。また、該ロジン及び/若しくはその誘導体に組み合わせる二塩基性ジテルペンカルボン酸は、例えば特開昭51−131899号公報に記載の方法に従い用意することができる。
また、成分(a1)としては、他にも、二塩基性ジテルペンカルボン酸を0.5重量%未満の範囲で含有するロジン及び/若しくはその誘導体と、別途調製した二塩基性ジテルペンカルボン酸とを組み合わせたものであって、二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量を本願所定の範囲に調整したロジン並びに/又はその誘導体も挙げられる。
成分(a2)としては、公知のα,β−不飽和ジカルボン酸を格別限定なく使用することができるが、特に、アルミニウムとの錯体形成を良好にする点から、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。また、その使用量は、成分(A)における二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量が前記範囲なる値であれば特に限定されないが、通常、成分(a1)100重量部に対して1〜15重量部程度の範囲内で調整でき、5〜10重量部が好ましい範囲である。
成分(a3)は、二塩基性ジテルペンカルボン酸であって、例えば下記一般式(I)〜(IV)で示される樹脂酸を包括する概念である。ここで、一般式(I)はジヒドロアガト酸を、一般式(II)はオリベリ酸を、一般式(III)はエペルエンジカルボン酸を、そして一般式(IV)はピニフォリン酸をそれぞれ示す。
成分(A)は、成分(a3)を所定量含んでいるため、二塩基性ジテルペンカルボン酸を含まない従来の強化ロジンと同等の軟化点を有しつつ、高い酸価を示す。それゆえ、成分(A)を強化ロジンとする本発明の溶液ロジンサイズ剤を用いて抄紙を行うと、硫酸バンドとの錯形成がより促進され、得られた粒子は繊維上でより均一に分布し、ドライヤーパートで熱を加えることにより、錯体粒子が繊維上へ均一に溶け広がるため、サイズ性に優れた成紙が得られると考えられる。かかる観点より、成分(A)における成分(a3)の含有量は、好ましくは0.5〜15重量%程度、より好ましくは6〜11重量%程度である。
成分(A)は、各種公知の方法で製造することができる。具体的には、例えば、反応容器内で加熱溶融させた成分(a1)中に、成分(a2)を添加して、通常190〜230℃程度で1〜3時間程度、付加反応させることにより得られる。なお、成分(a3)に関しては、元々の成分(a1)に含まれているあるいはブレンドしたものを使用しても良いし、成分(a1)と成分(a2)の反応系内に成分(a3)を添加しても良い。
成分(A)の物性は特に限定されないが、紙を乾燥させることでサイズ剤中のロジン樹脂を溶融させて、優れたサイズ効果を発揮させるため、軟化点が90〜120℃程度、好ましくは95〜110℃程度であり、かつ酸価が225〜270mgKOH/g程度、好ましくは235〜245mgKOH/g程度である。なお、従来公知の強化ロジンであって、二塩基性ジテルペンカルボン酸を含まないものは、そのことに起因し、酸価が175〜300mgKOH/g程度と若干低く、軟化点は通常80〜135℃程度である。
前記成分(B)としては、ロジン中の樹脂酸類のカルボキシル基の塩を水溶性とするものであればよく、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。これらの中でも、抄紙系内でのサイズ剤の分散性を高める点で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強塩基性のアルカリ金属水酸化物を用いることが好ましい。
前記成分(B)の使用量は、通常、成分(A)中のカルボキシル基に対して、90〜120モル%、好ましくは100〜110モル%である。使用量が90モル%を下回ると、未中和の強化ロジンの影響で本発明の溶液ロジンサイズ剤は増粘する傾向にあり、パルプスラリー中での分散性が悪くなりやすい。一方、120モル%を上回ると、サイズ効果が低下しやすくなる。
本発明の溶液ロジンサイズ剤は、成分(A)に対して、成分(B)を前記量で添加して、通常90〜95℃程度で2〜4時間程度鹸化させることにより得られる。なお、成分(B)の添加方法としては一括添加しても良いし、分割添加、滴下であっても良い。
かくして得られる溶液ロジンサイズ剤は、その物性は特に限定されないが、当該サイズ剤のサイズ効果と保存安定性を高める目的に、pH(濃度5%、25℃)は10〜11程度であるのがよい。また、抄紙系内でのサイズ剤の分散性を高める点から粘度(濃度30%、25℃、B型粘度計(ローターNo.1)の測定値をいう。以下同様)が5〜100mPa・s程度である。
本発明の紙は、本発明のサイズ剤を用いて得られる。サイジングの方法としては、内添サイジング及び表面サイジング、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
内添サイジングにおいては、本発明のサイズ剤を添加し、酸性領域で抄紙する。また、本発明のサイズ剤の使用量は特に限定されないが、通常、パルプの乾燥重量に対して0.05〜3.0重量%程度となる範囲である。また、パルプの種類も特に限定されず、例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプや、GP、TMP等の機械パルプ、その他古紙パルプ等が挙げられる。また、内添サイジングの際には、定着剤として、例えば、硫酸バンドや水酸化アルミニウムを使用できる。また、パルプスラリーのpHは、硫酸や水酸化ナトリウム等によって調節できる。また、他にも紙力剤として、例えば、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物、ジシアンジアミド樹脂のエピクロルヒドリン変性物、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体のエピクロルヒドリン変性物、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、アクリルアミド−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、ジアルキルジアリルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの共重合体等を併用できる。また、パルプスラリーには、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン及び炭酸カルシウム等の填料を添加できる。
表面サイジングにおいては、本発明のサイズ剤を不揮発分0.01〜2重量%程度に希釈したサイズ液とし、これを各種公知の手段により原紙に塗工する。塗工手段は特に限定されず、例えば、サイズプレス法、ゲートロール法、バーコーター法、カレンダー法、スプレー法等の各種手段が挙げられる。また、サイズプレス法としては、例えば、2ロールサイズプレス塗工方式やロッドメタリングサイズプレス塗工方式が挙げられる。また、サイズ液の塗布量(固形分)は特に限定されないが、通常、0.001〜2.0g/m程度、好ましくは0.005〜0.5g/m程度である。また、原紙も特に限定されず、例えば、木材セルロース繊維を原料とする未塗工の紙を用いることができる。また、原紙を構成するパルプとしては前記したものが挙げられる。また、該原紙は、前記定着剤、紙力剤及び填料からなる群より選ばれる1種を用いて抄紙されたものであってよく、また、紙力剤が表面に塗工されたものであってもよい。
本発明の紙は、坪量に応じて様々な製品に供される。例えば20〜150g/m程度の低〜中坪量の成紙は、例えばフォーム用紙、PPC用紙、感熱記録原紙及び感圧記録原紙等の記録用紙や、アート紙、キャストコート紙及び上質コート紙等のコート紙、クラフト紙及び純白ロール紙等の包装用紙、ノート用紙、書籍用紙、印刷用紙及び新聞用紙等の洋紙等として利用できる。また、150g/m以上の高坪量の成紙は、例えばマニラボール、白ボール、チップボール及びライナー等の板紙等として利用できる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されないことはもとよりである。また、各例中、部及び%は特記しない限りすべて重量基準である。
また、各例中、粘度はブルックフィールド回転粘度計VISCOMETER TVK−10((株)東機産業)による25℃における測定値である。
また、pHは市販の測定機(製品名「pH METER F−14」、(株)堀場製作所製)による25℃、不揮発分5%における測定値である。
また、強化ロジンにおける二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー測定機(製品名「HP6890/5973」、アジレント社製)を用いて得られた値である。
<強化ロジンの製造>
合成例1
撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応容器に、インドネシア産メルクシ松に由来するガムロジン(二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量:9.8重量%。以下、NGRという。)の約160℃の溶融物600.0gとフマル酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−1)を得た。得られた成分(A−1)の諸物性を表1に示す(以下同様)。
合成例2
合成例1と同様の反応容器に、NGRの約160℃の溶融物600.0gと無水マレイン酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−2)を得た。
合成例3
合成例1と同様の反応容器に、NGRの約160℃の溶融物480.0gと中国産馬尾松に由来するガムロジン(二塩基性ジテルペンカルボン酸の含有量:0重量%。以下、CGRという。)の約160℃の溶融物120.0gと無水マレイン酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−3)を得た。
合成例4
合成例1と同様の反応容器に、NGRの約160℃の溶融物180.0gとCGRの約160℃の溶融物420.0gと無水マレイン酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−4)を得た。
合成例5
合成例1と同様の反応容器に、NGRの約160℃の溶融物60.0gとCGRの約160℃の溶融物540.0gと無水マレイン酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−5)を得た。
比較合成例1
合成例1と同様の反応容器に、CGRの約160℃の溶融物600.0gとフマル酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−6)を得た。
比較合成例2
合成例1と同様の反応容器に、CGRの約160℃の溶融物600.0gと無水マレイン酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−7)を得た。
比較合成例3
合成例1と同様の反応容器に、湿地松ロジン(ジテルペンカルボン酸の含有量:0重量%、コムン酸含有)の約160℃の溶融物600.0gとフマル酸36.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−8)を得た。
比較合成例4
合成例1と同様の反応容器に、CGRの約160℃の溶融物600.0gとフマル酸48.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−9)を得た。
比較合成例5
合成例1と同様の反応容器に、CGRの約160℃溶融物600.0gと無水マレイン酸48.0gとを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら200℃で2時間反応させることにより、強化ロジン(A−10)を得た。
<溶液ロジンサイズ剤の製造>
実施例1
撹拌機、温度計、窒素導入管、分水器及び冷却器を備えた反応容器に、成分(A−1)300g、水83.8gおよび48%水酸化カリウム127.5gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。得られた溶液ロジンサイズ剤の諸物性を表1に示す(以下同様)。
実施例2
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−2)300g、水83.8gおよび48%水酸化カリウム130.4gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
実施例3
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−3)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム129.7gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
実施例4
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−4)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム128.5gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
実施例5
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−5)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム130.1gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例1
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−1)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム103.1gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例2
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−1)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム151.3gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例3
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−6)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム130.1gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例4
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−7)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム127.2gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例5
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−8)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム128.9gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例6
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−9)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム133.4gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
比較例7
実施例1と同様の反応容器に、成分(A−10)300g、水83.8g、48%水酸化カリウム139.4gを仕込み、約90℃で2時間加熱溶融させた。次いで、48%水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、室温まで冷却することにより、溶液ロジンサイズ剤を得た。
<試験:L−BKP使用;酸性抄紙及びステキヒトサイズ評価>
L−BKPに、パルプ濃度が2.0%になる量の水道水を加え、ビーターを用いて300mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解した。次いで、叩解したパルプスラリーを更に水道水で希釈しパルプ濃度1.0%に調整した。次いで、このパルプスラリーに、対パルプ16.0%(絶乾重量基準。以下、同様。)となる填料(炭酸カルシウムとタルクの混合物)、1.5%となる硫酸バンド、0.30%となる市販カチオン変性澱粉を添加して、pH5.0のパルプスラリーを調成した。なお、抄紙系のpHは硫酸水溶液で調節した。
次いで、実施例1の溶液ロジンサイズ剤を、対パルプ0.15%又は0.30%(固形分換算)となるように加え、抄紙機(Tappi Standard Sheet Machine(丸型)、以下同様)を用いて抄紙し、湿紙を得た。次いで、各湿紙を、線圧5.5kg/cm、送り速度2m/minの条件のロールプレス機で脱水し、回転式ドライヤーを用いて90℃で360秒間乾燥させた。次いで、得られた乾燥紙を恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿することによって、坪量が80g/mの成紙(試験用紙)をそれぞれ得た。
次いで、各試験用紙について、JIS−P8122に準じてステキヒトサイズ度を測定した。結果を表1に示す。なお、ステキヒトサイズ度は値が大きいほど良い。
実施例2〜5および比較例1〜7の溶液ロジンサイズ剤についても上記酸性抄紙条件に従い、坪量が80g/mの成紙(L−BKP使用)をそれぞれ得た。次いで、各試験用紙について、JIS−P8122に準じてステキヒトサイズを測定した。結果を表1に示す。

Claims (4)

  1. ロジン(a1)とα,β−不飽和ジカルボン酸(a2)との付加反応物であって、下記一般式(1)で表される二塩基性ジテルペンカルボン酸(a3)を少なくとも0.5重量%含有する強化ロジン(A)をそのカルボキシル基に対して、90〜120モル%となる塩基(B)で中和してなる溶液ロジンサイズ剤。
  2. 前記α,β−不飽和ジカルボン酸(a2)が無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1の溶液ロジンサイズ剤。
  3. 前記塩基(B)がアルカリ金属水酸化物である請求項1又は2の溶液ロジンサイズ剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかの溶液ロジンサイズ剤を用いて得られる紙。
JP2015068105A 2015-03-30 2015-03-30 溶液ロジンサイズ剤及び紙 Pending JP2016188440A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020192579A (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 千住金属工業株式会社 新規なロジン化合物及びその製造方法、フラックス、はんだペースト

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