JP2000136494A - 紙の内添サイジング方法 - Google Patents

紙の内添サイジング方法

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JP2000136494A
JP2000136494A JP11255209A JP25520999A JP2000136494A JP 2000136494 A JP2000136494 A JP 2000136494A JP 11255209 A JP11255209 A JP 11255209A JP 25520999 A JP25520999 A JP 25520999A JP 2000136494 A JP2000136494 A JP 2000136494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏場の抄紙系の温度が高いときでも、ケテン
ダイマー系化合物或いはその分解物による抄紙装置の汚
れをを防止し、その操業性を高める。 【解決手段】 融点が55℃以上であるケテンダイマー
系化合物を含有する水性分散液からなる製紙用内添サイ
ズ剤組成物。このサイズ剤組成物を用いた内添サイジン
グ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケテンダイマー系化合
物を用いた製紙用内添サイズ剤組成物及び内添サイジン
グ方法に係り、さらに詳しくは紙を製造する際の抄紙装
置の汚れを減少し、操業性を高めることができる製紙用
内添サイズ剤組成物及び内添サイジング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙や板紙にサイズ性、防水性、耐
水性等の機能を付与するために内添サイジングが行われ
ている。この内添サイジング方法として、従来、カルボ
キシル基を有するロジンサイズ剤と硫酸バンドを用いて
pH4.5〜6.5の酸性域で内添サイジングする酸性
サイジングが行われてきた。これに対して近年、填料と
して安価な炭酸カルシウムの利用、炭酸カルシウムを含
む損紙或いは古紙の利用、抄紙用水のクローズド化、紙
の永久保存性付与等を目的として中性サイズ剤を用い
て、pH6.5〜9の中性ないし弱アルカリ性域で内添
サイジングする、いわゆる中性サイジング方法が注目さ
れている。現在市販されている中性サイズ剤としては、
ケテンダイマー系化合物、置換環状ジカルボン酸無水
物、カチオン性モノマーと疎水性モノマーとの共重合
体、カチオン化石油樹脂、カチオン化脂肪酸アミド等が
知られている。これらのうちケテンダイマー系化合物が
サイズ効果の点で優れ、多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常の紙又は板紙の製
造工程において内添サイジングを行う場合には、紙層形
成前の紙料にサイズ剤、必要に応じて填料、紙力増強
剤、歩留り向上剤等の他の内添薬品が添加される。これ
らの内添薬品の添加された紙料は、ワイヤーパート、つ
いでプレスパート、ドライパートを経て、さらに必要に
応じて表面加工を加えて成紙となる。この過程で抄紙装
置の例えばプレスロール、スムーザー等に内添薬品が付
着すると、これが汚れとなる。中性サイジング方法で多
く用いられるケテンダイマー系化合物も上記の汚れの原
因になることにかわりはなく、抄紙作業の時間の経過と
ともにケテンダイマー系化合物或いはその分解物を含ん
だ粕がプレスロール等に蓄積し、これにより紙の表面が
傷付けられたり、甚だしい場合には紙が切れることがあ
り、操業上のトラブルを引き起こす。特にこの問題が製
紙業界では深刻になっている。ケテンダイマー系化合物
のプレスロール等への付着は、用水が比較的高温度にな
ったとき起こり易い。近年製紙工業では工業用水の取水
制限や排水の総量規制等の問題により、抄紙用水のクロ
ーズ化が進行し、水は循環使用されるのでその温度の上
昇を起こし易く、この結果、夏場には抄紙用水の温度及
びプレスロール、スムーザー等のロール表面温度が40
〜50℃にもなるので、上記問題が起こり易くなってい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ケテンダイマ
ー系化合物の融点が上記問題点に多く係わっていること
をつきとめ本発明に至ったものである。本発明は、融点
が55℃以上であるケテンダイマー系化合物を含有する
水性分散液からなることを特徴とする製紙用内添サイズ
剤組成物及びこれを用いた内添サイジング方法を提供す
るものである。
【0005】次に本発明を詳細に説明する。本発明で使
用するケテンダイマー系化合物は、下記一般式〔化1〕
で表されるケテンダイマー系化合物であって、その融点
が55℃以上のものである。
【0006】
【化1】
【0007】式中、R1 、R2 は同一又は異なる炭化水
素基を示し、その炭素数は14ないし30が好ましい。
一般にケテンダイマー系化合物の融点は、原料となる直
鎖飽和脂肪酸のアルキル鎖長が長い程高くなるので、R
1 、R2 としては炭素数の大きいアルキル基が挙げら
れ、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸或
いはベヘン酸等の直鎖飽和脂肪酸の1種又は2種以上を
原料にしたものが挙げられるが、これに限らず融点が5
5℃以上あれば良い。ここで融点とは上昇融点を言い、
キャピラリー法で測定された値である。
【0008】内添サイジングに用いられる一般的なケテ
ンダイマー化合物は、牛脂を原料とした炭素数16、1
8の直鎖飽和脂肪酸の混合物から作られ、その融点は4
8℃前後であるが、上記した如く抄紙系において内添サ
イズ剤が接触する温度が夏場では例えば40〜50℃に
なるので、上記一般的なケテンダイマー系化合物はこの
抄紙系において温度を少なくとも融点ないし融点より若
干低い温度に保持させることになり、上記問題が起こり
易い。これは、一般にケテンダイマー系化合物は、融点
より若干低い温度では半溶融状態となり、粘着力が最も
高い状態となる。このような粘着力の高い状態にあるケ
テンダイマー系化合物が例えばプレスロール等に接触す
るとそのロール表面に付着することになり、これが蓄積
して汚れとなると、考えられるからである。したがっ
て、ケテンダイマー系化合物の融点が55℃以上であれ
ば、抄紙系中においてその溶融が起こり難く、粘着性も
低いためプレスロール等への付着も少なく、これらプレ
スロール等の汚れを少なくすることができると、考えら
れる。この点からケテンダイマー系化合物の融点は高い
ほど良いが、55〜65℃の範囲のものが原料的に入手
し易い。
【0009】本発明の製紙用内添サイズ剤組成物には、
他の添加剤も用いることができ、これには例えばカチオ
ン化澱粉、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド
縮合物、リグニンスルホン酸塩等のアニオン性分散剤、
ソルビタンエステル等のノニオン性分散剤、あるいはカ
チオン性、アニオン性、さらには両性のアクリルアミド
系ポリマー等の高分子保護コロイド等が挙げられ、これ
らは1種又は2種以上併用することができる。本発明の
製紙用内添サイズ剤組成物は、公知の方法によって製造
することができる。例えば、ケテンダイマー系化合物の
融点以上の温度で、このケテンダイマー系化合物と上記
の分散剤等を水性媒体中に混合し、ホモミキサー、高圧
吐出型ホモジナイザー、超音波乳化機等の各種乳化機で
均一に分散させることによって得られる。このようにし
て得られる製紙用内添サイズ剤組成物は、分散相の粒子
径が10μ以下であり、紙又は板紙の製造工程において
紙層形成前の紙料に添加して用いられる、いわゆる内添
サイジング方法の全てに用いられる。そして、上記の装
置の汚れを少なくしかつ得られた紙は優れたサイズ効果
を発揮する。
【0010】製紙用内添サイズ剤組成物の添加量は、パ
ルプの水性分散液にパルプの乾燥重量にして0.002 〜3
固型分重量%、好ましくは0.005 〜2 固型分重量%であ
る。このパルプ原料としては、クラフトパルプ或いはサ
ルファイトパルプ等の晒或いは未晒化学パルプ、砕木パ
ルプ、機械パルプ、或いはサーモメカニカルパルプ等の
晒或いは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボ
ール古紙或いは脱墨古紙等の古紙パルプのいずれも使用
することができる。填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤
紙力向上剤、歩留り向上剤などの添加剤も必要に応じて
使用して良い。また、サイズプレス、ゲートロールコー
タ、ビルブレードコータ、キャレンダー等で澱粉、ポリ
ビニルアルコール、染料、コーティングカラー、表面サ
イズ剤、防滑剤等を必要に応じて塗布しても良い。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
これら実施例のみ限定されるものではない。なお、以下
実施例、比較例において%とあるのは特に断りのない限
り、固型分重量%を意味し、また、部とあるのは重量部
を意味する。 実施例1 融点が60℃であるケテンダイマー系化合物(パルミチ
ン酸2%、ステアリン酸98%の混合物を原料としたも
の)100部、予め90℃で1時間糊化された5%のカ
チオン化澱粉水溶液(4級アンモニウム塩で窒素原子の
0.4%含有したカチオン化ポテト澱粉)500部、及
びナフタレンスルホン酸ナトリウム−ホルムアルデヒド
縮合物の40%水溶液3部を75℃に加熱し、ホモミキ
サーにて予備分散させた後、同温度に保ちながら高圧吐
出型ホモジナイザーに250Kg/cm2 の剪断圧力下
で2回通して均一に分散させた。イオン交換水を適宜加
えて冷却した後、325メッシュの金網にて濾過して水
性分散液である製紙用内添サイズ剤組成物E−1を得
た。この製紙用内添サイズ剤組成物E−1は、不揮発分
20.1%、25℃、毎分60回転で測定したブルック
・フィールド粘度(以下粘度という)12.4センチポ
イズ(以下cpsという)pH3.5であった。
【0012】実施例2〜6 ケテンダイマー系化合物の種類を表1に示すように代
え、分散剤の種類及びその配合比率を表2に示すように
代えて、実施例1と同様の操作を行うことにより、製紙
用内添サイズ剤組成物E−2〜E−6を得た。なお、表
1には使用したケテンダイマー系化合物の融点及び原料
の直鎖飽和脂肪酸組成、表2に分散剤の種類、その配合
比率のほかに得られた製紙用内添サイズ剤組成物の物性
を示す。
【0013】比較例1〜4 実施例2〜6と同様にして、製紙用内添サイズ剤組成物
RE−1〜RE−4を得た。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表2中、ケテンダイマー系化合物は表1に
記載した原料脂肪酸組成からなり、これらはケテンダイ
マー化合物純分82〜92%のもの、カチオン化澱粉は
4級アンモニウム塩で窒素原子0.4%含有したカチオ
ン化ポテト澱粉で所定の濃度で90℃、1時間糊化した
もの、ポリマーはジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、アクリル酸、アクリルアミドを5:3:92のモル
比で重合させたもので20重量%水溶液の粘度が280
cpsであるもの(但し、実施例3と比較例2について
はジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イタコン
酸、アクリルアミドを5:2:93のモル比で重合させ
たもので20重量%水溶液の粘度が325cpsである
もの)、アニオン性分散剤はナフタレンスルホン酸ナト
リウム−ホルムアルデヒド縮合物(但し、実施例5と比
較例3についてはリグニンスルホン酸ナトリウム)を使
用した。
【0017】次に、上記で得た製紙用内添サイズ剤組成
物を用いて抄紙装置の汚れに対する影響及びサイズ効果
の試験を行った。その結果を表3に示す。すなわち、4
5℃に保持した2.4%濃度のパルプスラリー(BKP L/
N=8/2 、カナディアン・スタンダード・フリーネス 390
ml)に軽質炭酸カルシウム( タマパール121 、奥多摩工
業社製)35 %を添加し、2 分間攪拌後、硫酸バンド 0.5
%、カチオン化澱粉( ケートF 、王子ナショナル社製)
1.0%を順次添加し、更に2分間攪拌した。このパルプス
ラリーを抄紙装置汚れ試験及びサイズ効果試験に供し
た。 (抄紙装置汚れ試験)上記パルプスラリーを45℃に保持し
たまま0.7 %に希釈した後、実施例1 〜6及び比較例1
〜4 で得られた製紙用内添サイズ剤組成物E-1 〜E-6 及
びRE-1〜RE-4のそれぞれを1.3 %、歩留り向上剤( ハイ
レテン104 、ディック・ハーキュレス社製)0.01 %を添
加し、1 分間攪拌した後得られた紙料を図に示すロール
汚れ試験機に供給して1 時間後のロールの汚れ具合を調
べた。なお、紙料のpHは8.0であった。なお、図は紙料
投入口1 から紙料をワイヤー装置2 に順次供給し、重力
脱水した後、第1 ロール3 と主ロール4 でプレスし、さ
らに主ロール4 と第2ロール5でプレスして脱水した湿
紙6 を得る装置を示すもので、その具体的構造は以下の
通りである。 主ロール: 直径約25 cm 、幅約40cm 第1 ロール: 直径約14.5cm、幅約40cm 第2 ロール: 直径約10cm、幅約40cm ワイヤー: 幅約35cm この装置において、第1 ロール、第2 ロールの主ロール
に対する圧はそれぞれのロール自重によるもので、第2
ロール後の湿紙の水分率は60%である。この際の抄紙条
件は次の通りである。 抄速 : 1.5 m/ 分 紙料温度 : 45 ℃ ロール温度 : 34 〜36℃ 試験時間 : 1 時間 抄幅 : 約 15 cm (評価方法)試験開始前と試験開始1 時間後に第2 ロール
表面をマクベス濃度計にて測定し、次式に基づいて汚れ
指数を算出した。 この汚れ指数が大きいほどロールが白くなり、汚れが多
いことを示す。
【0018】(サイズ効果試験)前記パルプスラリーを0.
24%に希釈後、実施例1 〜6 及び比較例1 〜4 で得られ
た製紙用内添サイズ剤組成物E-1 〜E-6 及びRE-1〜RE-4
のそれぞれを0.15%、歩留り向上剤( ハイレテン104 、
ディック・ハーキュレス社製)0.02 %を添加し、1 分間
攪拌した後、ノーブル・アンド・ウッド社製手抄き装置
に坪量70 g/m2の湿紙を得た。なお、抄紙pHは8.0 であ
った。この湿紙を水分率58%になるまでプレスした後、
ドラムドライヤーで80℃、70秒間乾燥した。この紙を20
℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間調湿した後、ステ
キヒトサイズ度をJIS P −8122に準じて測定した。な
お、上記填料、薬品の添加率は絶乾パルプ重量に対する
固型分重量%である。
【0019】
【表3】
【0020】以上の結果から、上記実施例による製紙用
内添サイズ剤組成物の抄紙装置の汚れは比較例に比べ非
常に少なく、また、これら実施例の製紙用内添サイズ剤
組成物を用いて内添サイジングを行った後のサイズ効果
も良好であることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、融点が55℃以上のケ
テンダイマー系化合物を含有する製紙用内添サイズ剤組
成物及びこれを用いる内添サイジング方法を提供するこ
とができるので、夏場の抄紙系の温度が高いときでもこ
のケテンダイマー系化合物或いはその分解物が例えばプ
レスロール等へ付着するのを防止し、これにより抄紙装
置の汚れを防止することができ、その操業性を損なわな
いようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図は抄紙装置の汚れを試験する試験装置であ
り、抄紙装置のプレスパートに相当する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月9日(1999.9.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 紙の内添サイジング方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケテンダイマー系化合
物を用いた製紙用内添サイズ剤組成物を使用した内添サ
イジング方法に係り、さらに詳しくは紙を製造する際の
抄紙装置の汚れを減少し、操業性を高めることができ
添サイジング方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常の紙又は板紙の製
造工程において内添サイジングを行う場合には、紙層形
成前の紙料にサイズ剤、必要に応じて填料、紙力増強
剤、歩留り向上剤等の他の内添薬品が添加される。これ
らの内添薬品の添加された紙料は、ワイヤーパート、つ
いでプレスパート、ドライパートを経て、さらに必要に
応じて表面加工を加えて成紙となる。この過程で抄紙装
置の例えばプレスロール、スムーザー等に内添薬品が付
着すると、これが汚れとなる。中性サイジング方法で多
く用いられるケテンダイマー系化合物も上記の汚れの原
因になることにかわりはなく、抄紙作業の時間の経過と
ともにケテンダイマー系化合物或いはその分解物を含ん
だ粕がプレスロール等に蓄積し、これにより紙の表面が
傷付けられたり、甚だしい場合には紙が切れることがあ
り、操業上のトラブルを引き起こす。特にこの問題が製
紙業界では深刻になっている。ケテンダイマー系化合物
のプレスロール等への付着は、用水が比較的高温度にな
ったとき起こり易い。近年製紙工業では工業用水の取水
制限や排水の総量規制等の問題により、抄紙用水のクロ
ーズ化が進行し、水は循環使用されるのでその温度の
上昇を起こし易く、この結果、夏場には抄紙用水の温度
及びプレスロール、スムーザー等のロール表面温度が4
0〜50℃にもなるので、上記問題が起こり易くなって
いる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ケテンダイマ
ー系化合物の融点が上記問題点に多く係わっていること
をつきとめ本発明に至ったものである。本発明は、融点
が55℃以上であるケテンダイマー系化合物を含有する
水性分散液からなる製紙用内添サイズ剤組成物を用いた
紙の内添サイジング方法であって、抄紙系において該製
紙用内添サイズ剤組成物が接触する温度が40〜50℃
である紙の内添サイジング方法を提供するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明で用いる製紙用内添サイズ剤組成物
には、他の添加剤も用いることができ、これには例えば
カチオン化澱粉、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアル
デヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩等のアニオン性分
散剤、ソルビタンエステル等のノニオン性分散剤、ある
いはカチオン性、アニオン性、さらには両性のアクリル
アミド系ポリマー等の高分子保護コロイド等が挙げら
れ、これらは1種又は2種以上併用することができる。
本発明で用いる製紙用内添サイズ剤組成物は、公知の方
法によって製造することができる。例えば、ケテンダイ
マー系化合物の融点以上の温度で、このケテンダイマー
系化合物と上記の分散剤等を水性媒体中に混合し、ホモ
ミキサー、高圧吐出型ホモジナイザー、超音波乳化機等
の各種乳化機で均一に分散させることによって得られ
る。このようにして得られる製紙用内添サイズ剤組成物
は、分散相の粒子径が10μ以下であり、紙又は板紙の
製造工程において紙層形成前の紙料に添加して用いられ
る、いわゆる内添サイジング方法の全てに用いられる。
そして、上記の装置の汚れを少なくしかつ得られた紙は
優れたサイズ効果を発揮する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
これら実施例のみ限定されるものではない。なお、以
下実施例、比較例において%とあるのは特に断りのない
限り、固型分重量%を意味し、また、部とあるのは重量
部を意味する。 実施例1 融点が60℃であるケテンダイマー系化合物(パルミチ
ン酸2%、ステアリン酸98%の混合物を原料としたも
の)100部、予め90℃で1時間糊化された5%のカ
チオン化澱粉水溶液(4級アンモニウム塩で窒素原子の
0.4%含有したカチオン化ポテト澱粉)500部、及
びナフタレンスルホン酸ナトリウム−ホルムアルデヒド
縮合物の40%水溶液3部を75℃に加熱し、ホモミキ
サーにて予備分散させた後、同温度に保ちながら高圧吐
出型ホモジナイザーに250Kg/cm2 の剪断圧力下
で2回通して均一に分散させた。イオン交換水を適宜加
えて冷却した後、325メッシュの金網にて濾過して水
性分散液である製紙用内添サイズ剤組成物E−1を得
た。この製紙用内添サイズ剤組成物E−1は、不揮発分
20.1%、25℃、毎分60回転で測定したブルック
・フィールド粘度(以下粘度という)12.4センチポ
イズ(以下cpsという)pH3.5であった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】表2中、ケテンダイマー系化合物は表1に
記載した原料脂肪酸組成からなり、これらはケテンダイ
マー化合物純分82〜92%のもの、カチオン化澱粉
は4級アンモニウム塩で窒素原子0.4%含有したカチ
オン化ポテト澱粉で所定の濃度で90℃、1時間糊化し
たもの、ポリマーはジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、アクリル酸、アクリルアミドを5:3:92のモル
比で重合させたもので20重量%水溶液の粘度が280
cpsであるもの(但し、実施例3と比較例2について
はジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イタコン
酸、アクリルアミドを5:2:93のモル比で重合させ
たもので20重量%水溶液の粘度が325cpsである
もの)、アニオン性分散剤はナフタレンスルホン酸ナト
リウム−ホルムアルデヒド縮合物(但し、実施例5と比
較例3についてはリグニンスルホン酸ナトリウム)を使
用した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、融点が55℃以上のケ
テンダイマー系化合物を含有する製紙用内添サイズ剤組
成物を抄紙系においてその接触する温度が40〜50℃
で用いる紙の内添サイジング方法を提供することができ
るので、夏場の抄紙系の温度が高いときでもこのケテン
ダイマー系化合物或いはその分解物が例えばプレスロー
ル等へ付着するのを防止し、これにより抄紙装置の汚れ
を防止することができ、その操業性を損なわないように
できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】抄紙装置の汚れを試験する試験装置を示す概略
説明図であり、抄紙装置のプレスパートに相当する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が55℃以上であるケテンダイマー
    系化合物を含有する水性分散液からなることを特徴とす
    る製紙用内添サイズ剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の製紙用内添サイズ剤組成物を
    用いることを特徴とする内添サイジング方法。
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