JP5041505B2 - 透明紙原紙 - Google Patents

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JP5041505B2 JP2005221849A JP2005221849A JP5041505B2 JP 5041505 B2 JP5041505 B2 JP 5041505B2 JP 2005221849 A JP2005221849 A JP 2005221849A JP 2005221849 A JP2005221849 A JP 2005221849A JP 5041505 B2 JP5041505 B2 JP 5041505B2
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Description

本発明は、透明化剤を原紙に塗工、又は含浸加工することにより得られる透明紙の原紙に用いる透明紙原紙に関するものである。
従来より、パルプを主成分とする原紙を用いた透明紙は、窓付き封筒の窓にあたる部分や贈答品の包装紙などに利用されてきた。近年、このような透明紙は、環境保護意識の高まりから各種包材の分野において、樹脂製透明フィルムの代替品としても注目されている。
この種の透明紙は、パルプを主成分とした透明紙原紙に透明化剤を塗工、又は含浸することにより得られる。透明紙の加工に使用する透明化剤としては、合成樹脂等を有機溶媒に溶解、若しくは希釈したものが用いられている。また、透明紙原紙としては、原料となる木材パルプの叩解度を高めて抄紙し、スーパーカレンダ処理をすることによって得られる所謂グラシン紙の製造方法によって製造したものが多く使用されている。特開平2−161450(特許文献1)、特開平4−73298(特許文献2)、特開平8−199499(特許文献3)には、パルプを極度に叩解した原料を用いて抄紙したグラシン紙に強スーパーカレンダ処理を行い繊維間を密着して得られる透明紙、またはそれを応用したものが挙げられている。しかしながら、過度の叩解処理を経た木材パルプを原料とした透明紙は、湿度変化に伴う伸縮が大きく紙面が波打つ場合があり、透明加工後に窓付き封筒の窓部などとして使用する際に、紙越しに文字や数字などが読取りにくくなる場合があった。
このような波打ちの問題を解決するために、特開2003−201694(特許文献4)では、カナダ標準ろ水度(CSF)が200ml未満のセルロース繊維を主成分とした基紙に水分散性樹脂を含浸または塗工し、JIS P 8138に準じて測定する不透明度を20%未満にする方法が提案されている。この方法は、木材パルプを原料とする原紙に透明化剤を塗布、若しくは含浸し透明加工するものであり、過度の叩解処理を経た木材パルプを原料とした紙に比べ湿度変化による伸縮が小さくなり、紙面の波打ちは解消された。しかしながら、透明加工時に用いる透明化剤によっては溶媒の浸透性に劣り透明化剤が十分に浸透せず、透明加工後に良好な透明性が得られない場合があるという問題があった。
特開平2−161450号 特開平4−73298号 特開平8−199499号 特開2003−201694号
合成樹脂の分散に用いる溶媒のうち、特に原紙への浸透性に優れ透明加工後に良好な透明性が得られやすいトルエンなどの芳香族系炭化水素溶媒は、作業者及び作業場近隣の住人の健康を害することが指摘され使用が忌避される傾向にある。このため、人の健康を害することの少ないヘキサンなどの脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の使用比率が近年高まっている。しかしながら、脂肪族系炭化水素溶媒を用いる透明化剤は、原紙への浸透性や乾燥効率等の作業適性の点で芳香族系炭化水素系溶媒を用いる透明化剤に劣ることが多く、脂肪族系炭化水素溶媒を用いる透明化剤を透明加工に使用する際には、加工速度や乾燥温度などの操業条件等を調整して対応しなければならず、場合によっては良好な透明性が得られなくなるという問題がある。
本発明はこのような背景を充分に認識し、上記課題の解決を図るべく案出されたものであって、その目的とするところは、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を塗工、または含浸した際に、透明化剤が良好な浸透性を呈するようにした透明紙原紙を提供することにある。
さらに本発明の他の目的とするところは、透明加工の最中や透明加工後の使用に際しても十分な強度を保持するとともに、外観が良好で紙越しの文字や数字の読み取り性も良好な透明紙原紙を提供することにある。
この発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
本発明者らは、透明紙原紙に関し鋭意研究した結果、本発明に到達した。即ち、本発明に係る透明紙原紙は、パルプを主体とし、JIS P 8138に準じて測定する不透明度が80%以下であり、少なくとも片方の面のJAPAN TAPPI No.5−2に準じて測定する平滑度が50秒以上であり、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒以下であることを特徴とする。
このような構成によりなる透明紙原紙は、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の浸透性に優れ、透明加工後に良好な透明性を有する。
本発明の好ましい実施の形態においては、透明紙原紙は、原料パルプ総量中の数平均繊維長が0.5mm乃至1.0mmであってもよい。
このような構成によりなる透明紙原紙は、透明加工時や透明加工後に透明紙として使用する際において十分な強度を有し、透明加工後の外観も良好となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、透明紙原紙は、紙中に含まれる填料が、紙の乾燥重量に対して3重量%以下であってもよい。
このような構成によりなる透明紙原紙は、透明加工後に、透明紙越しの文字や数字の読み取り性が良好となる。
また、本発明の好ましい実施の形態においては、透明紙原紙は、パルプを主体とした原料をヤンキードライヤを備えた抄紙機において抄紙し、ヤンキードライヤに圧接して乾燥することから得られるものであってもよい。
このような構成によりなる透明紙原紙は、ヤンキードライヤにて鏡面仕上げを行うため高い平滑性を得ることが出来る。また、透明紙原紙がカレンダ等で押し潰されていないため、透明紙原紙の密度が上がらず吸油度を低く保つことができる。このため、透明化剤の浸透に優れ、透明加工後に良好な透明性を有する透明紙原紙を、安定して、しかも容易に得ることができる。
本発明の透明紙原紙は、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の浸透性にも優れているため、一般的な透明紙原紙への浸透性に劣る脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を用いた場合においても、良好な透明性を呈する。
また、本発明の透明紙原紙は、十分な強度を有しているため、透明加工時の加工適性に優れ、透明加工後に透明紙として使用した場合にも破れなどの問題が発生しない。
さらに、本発明の透明紙原紙は、外観が良く、紙越しの文字や数字の読み取り性が良好である。
また、本発明の透明紙原紙より作られた透明紙を窓付き封筒の窓部分に用いれば、回収再生可能な窓付き封筒が得られ、リサイクルの観点からも好ましい。
以下において本発明の好適な実施の形態について述べるが、本発明は以下の記述により限定されるものではない。
紙は、パルプと製紙薬品等を原料としており、その紙層はセルロース繊維、製紙薬品等の原料成分、空気を含む空隙などから構成されている。紙の表面には無数のセルロース繊維の重なりによる細かな凹凸があり、光が紙に照射されると紙層中の空隙や紙表面の凹凸で光が散乱するため、紙が白く見えて不透明になっている。逆に言えば、紙層中の空隙や紙表面の凹凸に透明化剤を充填し、光の散乱を減少させることにより紙の透明性を上げることが可能であり、透明化剤を用いて紙の透明性を上げる方法は透明度の高い紙を得るために広く利用されている。
しかしながら、透明紙原紙自体が透明性に劣る場合、即ち不透明度が高い紙である場合には、その透明紙原紙は透明化剤を用いて透明加工を行っても良好な透明性が得られない場合がある。そこで本発明の透明紙原紙は、JIS P 8138に準じて測定する不透明度を80%以下とする。透明紙原紙の不透明度が80%を上回ると、透明化剤による透明加工後に良好な透明性の透明紙が得られない場合がある。
(紙厚と不透明度)
透明紙原紙の不透明度を調整する方法としては、例えば、紙の厚み(紙厚)を調整する方法などが考えられる。上記したとおり紙はセルロース繊維が重なり合って構成されているため、紙厚の厚い紙ほど光散乱が増加し不透明度が高くなる。透明紙は、高い透明性を得ることも目的の一つであるが、紙厚が厚く不透明度が高い紙を用いた場合には、紙中に光散乱を減少させる効果のある透明化剤を充填させても透明性が十分に上がらず、目的とするだけの透明性が得られない虞がある。そこで、本発明の透明紙原紙においては、紙厚を120μm以下に調整することが好ましく、紙厚を120μm以下に調整することにより不透明度を満足させる透明紙原紙を得ることが容易になる。
また、紙の光散乱に関係する要素として、紙の表面の平滑性がある。上記したとおり、紙表面に微細な凹凸が多く凹凸による光散乱が大きいと、透明化剤による透明加工後も目的とする透明性が得られない場合がある。本発明の透明紙原紙においては、をJAPAN TAPPI No.5−2に準じた紙表面の平滑度を50秒以上、より好ましくは90秒以上とすることで、紙表面の凹凸による光散乱の影響の少ない透明紙原紙が得られる。透明紙原紙表面の平滑度が50秒を下回ると、透明加工後に良好な透明性が得られない場合がある。本発明において平滑度を調整する方法としては、ヤンキードライヤを備えた抄紙機で抄紙する、カレンダ等で抄紙後に平滑処理を行う、等の方法が考えられる。
透明加工に用いられる透明化剤用の合成樹脂は、ワニスと呼ばれる樹脂系の溶液や、ロジン系ワックス、アクリル樹脂、スチレン樹脂などを成分とし、使用する際にはそれぞれの透明化剤用合成樹脂の成分に適した有機溶媒で希釈され、透明化剤が作られる。このとき、透明紙原紙への浸透性に優れる透明化剤ほど紙層中の空隙や表面の凹凸部に透明化剤を充填しやすく、透明加工後に良好な透明性が得られ易い。一般的に、トルエンなどの芳香族系炭化水素溶媒は透明紙原紙への浸透性に優れており、このため透明化剤用合成樹脂の成分が芳香族系炭化水素溶媒での希釈に適したものであり、且つ使用の際に芳香族系炭化水素溶媒で希釈するのであれば透明加工後に良好な透明性が得られ易い。
しかしながら、先に述べたとおり、芳香族系炭化水素溶媒は揮発成分が人体に害を及ぼすことが指摘されており、作業現場で使用忌避の傾向がある。そのため近年は、人体に害を及ぼすことが少ないヘキサンなどの脂肪族系炭化水素溶媒用いた透明化剤の使用が増加しているが、、脂肪族系炭化水素溶媒での希釈に適した透明化剤用合成樹脂はまだ少なく、また、脂肪族系炭化水素溶媒は一般的な透明紙原紙への浸透性に劣るため、透明加工後に良好な透明性が得られない場合がある。
本発明の発明者らは鋭意研究した結果、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の紙への浸透性と、JAPAN TAPPI No.67に規定する吸油度とに相関があることを見出した。JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度は、試験油として脂肪族系炭化水素溶液であるポリブテンを用い、測定紙面の油成分の吸収性を測定している。このため、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度は、透明紙原紙を透明化剤により透明加工する際の指標として用いることができ、特に脂肪族系炭化素系溶媒を用いた透明化剤との相関が高い。より具体的には、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒以下の透明紙原紙であれば、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の浸透にも優れ、透明加工後に良好な透明性を持つ透明紙を得られることがわかった。これに対し、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒を上回る透明紙原紙は、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤の浸透性に劣るため、脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を使用した場合に透明化剤が十分に透明紙原紙に浸透せず、良好な透明性が得られなくなる。
(吸油度と高分子化合物)
本発明において、透明紙原紙のJAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度の値を満足させる方法としては、特に制限するものではないが、例えば、使用する紙薬品のうち、高分子化合物を主体とするものの添加量を調整する方法などが考えられる。紙を抄造する際に使用する紙力剤、サイズ剤などの薬品で高分子化合物を主原料とするものは油成分の浸透を阻害する作用があり、このため高分子化合物を主原料とする紙薬品の添加量が多すぎるとJAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒を上回る場合がある。このため、高分子化合物を主原料とする紙薬品を本発明の透明紙原紙に用いる場合には、添加量を原料パルプ100重量部に対し、好ましくは2.0重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下とすることで、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度と紙薬品の効果とのバランスが調整しやすくなる。
本発明の透明紙原紙においては、不透明度、平滑度、吸油度が全て規定値の範囲内であることが必要である。即ち、本発明の透明紙原紙を製造する際には、不透明度、平滑度、吸油度の規程値を全て満たすように、製造時の原材料や操業条件をバランス良く設定する必要がある。
(数平均繊維長と強度)
透明紙原紙に透明化剤を塗工、若しくは含浸する際には、透明化剤の偏りを防ぐため透明紙原紙を高テンションで走行させるのが一般的である。このため、透明加工時における紙切れなどのトラブルを防止するために、透明紙原紙に十分な強度が求められる。また、透明化工後の透明紙を窓付き封筒の窓部や透明包装紙として用いる際に紙破れなどを防止するためには、透明紙原紙の段階でも十分な強度が必要となる。
透明紙原紙の強度を満足させる方法としては、例えば、紙力剤などの製紙薬品を添加することにより強度を向上させる方法、原料パルプの数平均繊維長を調整する方法、などがある。しかしながら、先に述べたとおり紙力剤などの製紙薬品を多量に添加すると、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が悪化する虞があるため、吸油度に影響を与えない程度に製紙薬品の添加量を抑える必要があり、本発明の透明紙原紙では紙力剤などの製紙薬品のみで十分な強度確保が出来ない場合がある。このような場合には、パルプ繊維長の調整等により所定の紙力を得ることが望ましい。紙の強度はパルプ繊維長とも関係することが知られており、原料パルプ中のパルプ繊維長を調整することで、用途に応じた強度や他の品質を得ることが出来る。
本発明の透明紙原紙においては、パルプ総量中の数平均繊維長を0.5mm乃至1.0mmの範囲に調整することで、十分な強度の透明紙原紙、若しくは透明加工後の透明紙を得ることが出来る。パルプ総量中の数平均繊維長が0.5mmを下回ると、透明紙原紙の諸強度が弱くなるため、透明加工中に紙切れなどのトラブルが発生したり、透明加工後に透明紙として使用する際に紙破れなどの支障を来す場合がある。また、パルプ総量中の数平均繊維長が1.0mmを上回ると、長繊維による繊維塊が発生し透明紙原紙の地合が悪くなり、透明加工後の透明紙の外観が悪くなる場合がある。
パルプ総量中の数平均繊維長を0.5mm乃至1.0mmの範囲とするためには、パルプの種類、パルプの混合比、パルプの叩解度などを適時調整する方法などが考えられる。例えば、針葉樹由来のパルプ(NBKP)や機械パルプなどは繊維長が長いが、広葉樹由来のパルプ(LBKP)や古紙パルプなどは繊維長が短いといった特徴があり、これらを適量に配合することでパルプ総量中の数平均繊維長を目的とする長さにすることができる。また、パルプの叩解を進める(CSFの値を小さくする)とパルプ繊維長が短くなるため、本発明の透明紙原紙においては使用するパルプのCSFを400ml以上に調整することが好ましい。
本発明において、繊維長分布を測定する方法に特に制限はないが、例えばパルプ繊維をスライドグラス上に分散した後で固定し、顕微鏡観察によりその数平均繊維長分布を求める方法、パルプの希薄溶液を毛細管に導き光学系を介して電気的にその数平均繊維長分布を計測する繊維長分布測定器を用いる方法、などが考えられる。本発明の検討においては、市販の繊維長分布測定器(Fiber Size Analyzer、FS−200、フィンランド国、Kajaani社製)を用いた。
(填料比率)
また、本発明の透明紙原紙は、紙中に含まれる填料比率を、紙の乾燥重量に対して3重量%以下とすることで、透明紙越しに文字や数字を読み取り易い透明紙を得ることができる。填料は、機能性材料として様々な特性を持つものがあり、製紙原料として多く使用されているが、填料を透明紙に使用すると填料部分が光を隠蔽するため不透明度が高くなりやすい。加えて、透明化剤を透明紙原紙に含浸、又は塗工しても填料部分は紙が十分に透明にならず透明紙越しの文字や数字の読み取りに支障を来し記載内容を読み誤る虞があるため、透明紙原紙には原料として填料を添加しないことが一般的である。しかしながら、特殊な機能を持たせるために透明紙原紙の原料として填料を少量添加する必要があったり、また、透明紙原紙の原料として古紙パルプを用いる際に古紙由来の填料が透明紙原紙に含まれてしまう場合などもあり、透明紙原紙への填料の混入が避けられないことがある。填料を用いないことが最も好ましいが、少量の添加であれば不透明度や文字の読み取り性に大きな影響はなく、商品として提供するのに十分な品質が保持出来る。
本発明の透明紙原紙は、紙中に含まれる填料比率を、紙の乾燥重量に対して3重量%以下とすることで、填料の影響の少ない透明紙原紙が得られる。紙中に含まれる填料比率を調整することで、填料や古紙パルプなどを使用した際においても、透明紙越しの文字や数字の記載内容を間違いなく読み取れる透明性の高い透明紙が製造可能な透明紙原紙が得られる。透明紙原紙中に含まれる填料比率が紙の乾燥重量に対して3重量%を上回ると、透明加工後に良好な透明性が得られた不透明度の低い透明紙であっても、填料により光が遮蔽される部分が生じ紙越しに文字や数字が読み取りにくくなる虞がある。

古紙パルプは、資源保護の観点からその使用が促進されており、透明紙原紙においても原料パルプとして使用が求められているが、古紙パルプは様々な原料を由来とするため成分中に多量の填料を含んでいることがある。、そこで、本発明においては、抄紙後の透明紙原紙中に填料が含まれ過ぎないように、古紙の由来を確認するか、又は、原料パルプ中の古紙パルプの配合比率を40重量%以下とすることが好ましい。原料パルプ中の古紙パルプの配合比率を40重量%以下とすることで、透明紙原紙の紙中に含まれる填料比率を、紙の乾燥重量に対して3重量%以下とすることができる。
(前段に含まれるため削除)
(原料パルプ)
本発明の透明紙原紙に使用する原料は特に限定されるものではなく、パルプとしては、木材チップを原料とするクラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等の化学パルプ、セミケミカルパルプ、ケミメカニカルパルプ等の半化学パルプ、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、あるいはケナフ等を原料とする非木材繊維パルプ、あるいは古紙パルプなど一般的なパルプから1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
(使用薬品:サイズ剤)
本発明の透明紙原紙に使用するサイズ剤としては、本発明の所望の効果を損なわない範囲で一般的なサイズ剤のうちあらゆるものが使用できる。例えば、ロジンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、スチレン系サイズ剤、並びに中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマーなどが使用できる。また、適当なサイズ剤と、硫酸バンド、カチオン澱粉などの繊維への定着剤とを組み合わせて使用することができる。
(使用薬品:紙力剤)
本発明の透明紙原紙に使用する紙力剤としては、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、一般的な紙力剤のうちあらゆるものが使用できる。例えば、各種澱粉、およびポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミド・ポリアミン、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド樹脂などの内の1種あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
(使用薬品:紙力剤、サイズ剤以外)
本発明の透明紙原紙を抄造する際に使用するサイズ剤、紙力剤以外の薬品としては、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、一般的な製紙薬品のうちあらゆるものが使用できる。例えば、染料、pH調節剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、歩留まり向上剤、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の濾水向上剤、湿潤紙力向上剤などの抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
(カレンダ)
本発明では、必要に応じてカレンダ設備を使用することができる。カレンダ設備としては、マシンカレンダ、ソフトカレンダ、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等が使用できるが、カレンダ加工は、紙を押しつぶすことにより紙の表面を高平滑にするため紙の密度が高くなり、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒を上回り、透明化剤の浸透を阻害する場合がある。そのため、本発明の透明紙原紙をカレンダ設備にてカレンダ加工する際には、平滑性と密度、及びJAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度のバランスを考慮して操業することが望ましい。
(抄紙機・ヤンキー抄紙機)
本発明の抄紙方法においては、長網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など、製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。ここで、本発明の透明紙原紙を抄造する際には、ヤンキー抄紙機で抄造することが特に効果的である。ヤンキー抄紙機は乾燥工程において、湿紙をヤンキードライヤの表面に圧接させて紙の表面を鏡面仕上げにするため、他の抄紙機に比べて紙の表面の微小な凹凸が極度に少なく、高平滑のいわゆる純白ロール紙を得られる特徴がある。ヤンキー抄紙機を用いれば、紙の密度を高くすることなしに表面が高平滑な紙を容易に得ることができ、本発明の透明紙原紙を抄造するのに好適である。紙に平滑度を付与する方法としてはカレンダ加工もあるが、カレンダ加工では紙が押しつぶされ高密度の紙になるため吸油度が高くなり、透明化剤の浸透が悪化する場合がある。
本発明の透明紙原紙は、原料をヤンキードライヤを備えた抄紙機にて抄紙するのが好ましい。また、抄紙して得られた透明紙原紙の物性が、米坪が50〜80g/m2、密度が0.6〜0.8g/3、少なくとも片方の面のJAPAN TAPPI No.5−2に準じて測定した平滑度が90以上、JIS P−8138の規定に従い測定した不透明度が80%以下、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒以下、紙中に含まれる填料比率が紙の乾燥重量に対して3重量%未満であるように原料や抄紙条件を調整するのが望ましい。
以下に本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1>
LBKP(CSF500ml)50重量部、NBKP(CSF600ml)30重量部、古紙パルプ20重量部を混合攪拌し、混合パルプ中の繊維長を繊維長分布測定器(Fiber Size Analyzer、FS−200、Kajaani社製)で測定し、数平均繊維長が0.62mmであるパルプスラリーを得た。この混合パルプのパルプ総量100重量部に対して、カチオン化澱粉(日本食品化工(株)製 ネオタック#53)0.5重量部、サイズ剤(荒川化学工業(株)製 サイズパイン N−771)0.3重量部、ポリアクリルアミド系紙力剤(ハリマ化成(株)製 ハーマイド EX300F)0.2重量部、を加え攪拌し、長網ヤンキー式抄紙機にて透明紙原紙を作成し、米坪が60g/m2、紙厚が0.080mm、不透明度が76.8%、吸油度が0.7秒、平滑度が120秒の透明紙原紙を得た。次いで、引張強度、引裂強度、破裂強度、耐折強度を測定し、その後、合成樹脂系の透明化剤クラリデンDC(大和化学工業(株)製:脂環族飽和炭化水素系樹脂)と希釈溶媒クラリデンS(大和化学工業(株)製:脂肪族系炭化水素溶媒)とを、クラリデンDC:クラリデンS=56:1の割合で混合した透明化剤をバーコータで乾燥重量30g/m2の塗工量を片面に塗布し、220℃で10秒間乾燥し透明紙を得た。次いで、不透明度を測定し、外観、紙越しの読み取り性を評価した。
<実施例2>
透明化剤としてTA38−104A(日立化成ポリマー(株)製:脂環族飽和炭化水素系樹脂)とした以外は、実施例1と同様とした。
<実施例3>
透明化剤としてTA38−104B(日立化成ポリマー(株)製:脂環族飽和炭化水素系樹脂)とした以外は、実施例1と同様とした。
<実施例4>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.63mmに調整し、米坪が90g/m2、紙厚が0.120mmの透明紙原紙を得た以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が79.9%、平滑度が110秒、吸油度が0.8秒であった。
<実施例5>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.61mmに調整し、米坪が80g/m2、紙厚が0.100mmの透明紙原紙を得た以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が78.5%、平滑度が120秒、吸油度が0.7秒であった。
<実施例6>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.61mmに調整し、長網抄紙機で抄紙して米坪が75g/m2、紙厚が0.060mmの透明紙原紙を得た以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が79.8%、平滑度が50秒、吸油度が0.6秒であった。
<実施例7>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.63mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が78.6%、平滑度が70秒、吸油度が0.7秒であった。
<実施例8>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.61mmに調整し、混合パルプのパルプ総量100重量部に対して、カチオン化澱粉(日本食品化工(株)製 ネオタック#53)1.0重量部、サイズ剤(荒川化学工業(株)製 サイズパイン N−771)0.6重量部、ポリアクリルアミド系紙力剤(ハリマ化成(株)製 ハーマイド EX300F)0.4重量部を加えた以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が77.5%、平滑度が125秒、吸油度が0.9秒であった。
<実施例9>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.62mmに調整し、混合パルプのパルプ総量100重量部に対して、カチオン化澱粉(日本食品化工(株)製 ネオタック#53)0.8重量部、サイズ剤(荒川化学工業(株)製 サイズパイン N−771)0.5重量部、ポリアクリルアミド系紙力剤(ハリマ化成(株)製 ハーマイド EX300F)0.3重量を加えた以外は実施例1と同様とした。、得られた透明原紙は、不透明度が77.5%、平滑度が80秒、吸油度が0.8秒の紙であった。
<実施例10>
パルプスラリーの数平均繊維長を1.00mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が76.8%、平滑度が96秒、吸油度が0.7秒であった。
<実施例11>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.88mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が76.5%、平滑度が80秒、吸油度が0.6秒であった。
<実施例12>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.49mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、、不透明度が76.5%、平滑度が80秒、吸油度が0.6秒であった。
<実施例13>
LBKP(CSF500ml)30重量部、NBKP(CSF400ml)30重量部、古紙パルプ40重量部を混合攪拌して得た数平均繊維長が0.62mmであるパルプスラリーを用いた以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が77.0%、平滑度が80秒、吸油度が0.8秒であった。
<実施例14>
LBKP(CSF500ml)40重量部、NBKP(CSF400ml)25重量部、古紙パルプ35重量部を混合攪拌して得た数平均繊維長が0.62mmであるパルプスラリーを用いた以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が76.8%、平滑度が80秒、吸油度が0.8秒であった。
<比較例1>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.62mmに調整し、米坪が90g/m2、紙厚が0.121mmの透明紙原紙を得た以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が80.1%、平滑度が110秒、吸油度が0.7秒であった。
<比較例2>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.65mmに調整し、米坪が90g/m2、紙厚が0.150mmの透明紙原紙を得た以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が90.2%、平滑度が120秒、吸油度が0.8秒であった。
<比較例3>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.66mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が76.8%、平滑度が48秒、吸油度が0.7秒であった。
<比較例4>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.67mmに調整した以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が77.0%、平滑度が35秒、吸油度が0.8秒であった。
<比較例5>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.70mmに調整し、混合パルプのパルプ総量100重量部に対して、カチオン化澱粉(日本食品化工(株)製 ネオタック#53)0.4重量部、サイズ剤(荒川化学工業(株)製 サイズパイン N−771)1.1重量部、ポリアクリルアミド系紙力剤(ハリマ化成(株)製 ハーマイド EX300F)0.6重量を加えた以外は実施例1と同様とした。得られた透明紙原紙は、不透明度が77.5%、平滑度が80秒、吸油度が1.1秒であった。
<比較例6>
パルプスラリーの数平均繊維長を0.70mmに調整し、混合パルプのパルプ総量100重量部に対して、カチオン化澱粉(日本食品化工(株)製 ネオタック#53)0.8重量部、サイズ剤(荒川化学工業(株)製 サイズパイン N−771)1.5重量部、ポリアクリルアミド系紙力剤(ハリマ化成(株)製 ハーマイド EX300F)0.7重量部を加えた以外は実施例1と同様とした得られた透明紙原紙は、不透明度が77.2%、平滑度が122秒、吸油度が2.5秒であった。
本発明の実施例及び比較例の組成、物性及び評価結果が図1〜4に示されている。図1〜4において、「透明化剤」の項目中のA,B,Cは用いた透明化剤の種類であり、A〜Cはそれぞれ以下の透明化剤である。
A:クラリデンDC
B:TA38−104A
C:TA38−104B
また、「抄紙機」の項目は透明紙原紙を抄造する際に用いた抄紙機の種類を示しており、「ヤンキー」はヤンキー抄紙機を用いて抄紙を行いヤンキードライヤにて圧接処理を施したという意味であり、「長網」は長網抄紙機を用いて抄紙を行いカレンダにて平滑処理を施したという意味である。なお、各図中の吸油度、不透明度、平滑度、引張強度、引裂強度、破裂強さ、耐折強さ、填料比率の測定方法、及び地合、紙越しの読み取り性の評価基準は以下の通りである。
1)吸油度:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙を、JAPAN TAPPI No.67の規定に従い吸油度を測定した。
2)不透明度:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJIS P−8138の規定に従い不透明度を測定した。また、透明加工後の透明紙の評価は、下記の判定基準にて評価した
良好:不透明度が22%未満
不良:不透明度が22%以上
3)平滑度:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJAPAN TAPPI No.5−2に準じて測定した。
4)引張強度:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJIS−P 8116の規定に従い引張強度を測定し、下記の判定基準にて評価した。
良好:縦方向の測定値が3.0kN/m以上、且つ横方向の測定値が2.0kN/m以上
不良:縦方向の測定値が3.0kN/m未満、もしくは横方向の測定値が2.0kN/m未満
5)引裂強度:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJIS−P 8116の規定に従い引裂強度を測定し、下記の判定基準にて評価した。
良好:縦方向の測定値が250mN以上、且つ横方向の測定値が300mN以上
不良:縦方向の測定値が250mN未満、もしくは横方向の測定値が300mN未満
6)破裂強さ:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJIS−P 8112の規定に従い引裂強度を測定し、下記の判定基準にて評価した。
良好:測定値が120kPa以上
不良:測定値が120kPa未満
7)耐折強さ:JIS P−8111の規定に従い調湿した透明紙原紙をJIS−P 8115の規定に従い耐折回数を測定し、下記の判定基準にて評価した。
良好:縦方向の測定値が40回以上、且つ横方向の測定値が25回以上
不良:縦方向の測定値が40回未満、もしくは横方向の測定値が25回未満
8)填料比率:JIS−P 8128の規定に従い紙の灰分量を測定し、紙中に含まれる填料比とした。
9)地合:得られた透明紙の地合を下記の基準で目視評価した。
○:地合の均一性に優れている。
△:地合がほぼ均一、またはムラはあるが目立たないレベル。
×:地合が悪く、外観が優れない。
10)紙越しの読み取り性:得られた透明紙越しに透明紙の下に置いた紙の文字や数字が読みとれるか否かを、目視にて評価した。
○:透明紙越しの文字や数字が間違いなく読み取れる。
×:透明紙越しの文字や数字を読み誤る場合がある。
実施例1乃至14の透明紙原紙は、いずれも不透明度が80%以下、平滑度が50秒以上、吸油度が1.0秒以下となったため、透明化剤の溶媒に脂肪族系炭化水素溶媒を用いた場合においても透明化剤と溶媒とが透明紙原紙に浸透しやすく、加工後に良好な透明性が得られた。
また、実施例1乃至11,13,14の透明紙原紙は、原料パルプの数平均繊維長が0.5mmを上回ったため、紙の強度が良好となった。
また、実施例12の透明紙原紙は、原料パルプの数平均繊維長が0.5mmを下回ったため、透明性は得られているものの、紙の強度が劣るものとなった。
また、実施例10の透明紙原紙は、原料パルプの数平均繊維長が1.0mmを上回ったため、透明性は得られているものの、紙の地合が悪くなり、透明加工後の外観に劣るものとなった。
また、実施例14の透明紙原紙は、紙中に含まれる填料が3重量%を上回ったため、透明性は得られているものの、透明紙越しの文字の読み取り性が悪くなった。
比較例1,2の透明紙原紙は、紙の不透明度が80.0%を上回ったため、透明加工後であっても良好な透明性が得られていない。また、透明性に劣っているため、透明紙越しの文字の読み取り性が不良となった。
比較例3,4の透明紙原紙は、紙の平滑度が50秒を下回ったため、透明加工後であっても良好な透明性が得られていない。また、透明性に劣っているため、透明紙越しの文字の読み取り性が不良となった。
比較例5,6の実施例は吸油度が1.0秒を上回り透明化剤の溶媒として用いた脂肪族系炭化水素溶媒の透明紙原紙への浸透性に劣るため透明化剤が透明紙原紙に十分に浸透せず、透明加工後に良好な透明性が得られていない。また、透明性に劣っているため、透明紙越しの文字の読み取り性が不良となった。
本発明の透明紙原紙を用いれば良好な透明性をもつ透明紙が得られるため、窓付き封筒の窓部に用いた場合、紙越しの文字の読み取りに優れる。また、本発明の透明紙原紙は樹脂フィルムと異なり水中離解性を有するので、リサイクルが可能である。
実施例の組成、物性及び評価結果を示す図表(その1)である。 実施例の組成、物性及び評価結果を示す図表(その2)である。 実施例の組成、物性及び評価結果を示す図表(その3)である。 比較例の組成、物性及び評価結果を示す図表である。

Claims (4)

  1. パルプを主体とし、使用するパルプのCSFは400ml以上、JIS P 8138に準じて測定する不透明度が80%以下、密度が0.6〜0.8g/cm3であり、且つ、少なくとも片方の面のJAPAN TAPPI No.5−2に準じて測定する平滑度が50秒以上、JAPAN TAPPI No.67に準じて測定する吸油度が1.0秒以下である脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を塗工する塗工用透明紙原紙。
  2. パルプ総量中の数平均繊維長が、0.5mm乃至1.0mmであることを特徴とする、請求項1に記載の脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を塗工する塗工用透明紙原紙。
  3. 紙中に含まれる填料が、紙の乾燥重量に対して3重量%以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を塗工する塗工用透明紙原紙。
  4. パルプを主体とした原料をヤンキードライヤを備えた抄紙機において抄紙し、ヤンキードライヤに圧接して乾燥することから得られることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の脂肪族系炭化水素溶媒を用いた透明化剤を塗工する塗工用透明紙原紙。
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