JP2005313531A - ポリカーボネートフィルムを基材とした光学フィルム、その製造方法、粘着剤層付き光学フィルム、その製造方法、光学用ハードコートフィルム、粘着剤層付き光学用ハードコートフィルム、及び光ディスク - Google Patents
ポリカーボネートフィルムを基材とした光学フィルム、その製造方法、粘着剤層付き光学フィルム、その製造方法、光学用ハードコートフィルム、粘着剤層付き光学用ハードコートフィルム、及び光ディスク Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されるポリカーボネートフィルム基材上に、平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層が積層した光学フィルムの、硬化層に存在する直径50μ以上の隆起状点欠陥(ポリカーボネートフィルム基材に由来するポリカーボネートを内包)の数が10cm角当たり平均1個以下である光学フィルムとする。
Description
ポリカーボネートフィルム用硬化性組成物の溶剤に着目した提案がなされている。
例えば、特許文献1で基材のポリカーボネートフィルム上にハードコート層を積層する工程でポリカーボネートを侵す溶剤と侵さない溶剤の比率をコントロールする提案が比較的最近なされている。
これまで、ポリカーボネートフィルム基材上に塗布する硬化性組成物中の有機溶剤の物性を規定して表面の点欠陥を減少させる検討、更にはその対策でも残る点欠陥の原因究明及び対策に関する報告はなかった。
1.ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ成分とする芳香族ポリカーボネートよりなり、流延法(ソルベントキャスト法)により製造されたプラスチックフィルム基材上に、平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層が積層されてなり、硬化層におけるフィルム基材に由来するポリカーボネートを内包した直径50μ以上の隆起状点欠陥の数が10cm角当たり平均1個以下であることを特徴とする光学フィルム。
2.隆起状点欠陥に内包しているフィルム基材に由来するポリカーボネートの一部がポリカーボネートフィルムと結合していることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
3.隆起状点欠陥の数が10cm角当たり平均0.5以下であることを特徴とする前記1〜2の何れかに記載の光学フィルム。
4.隆起状点欠陥の数が10cm角当たり平均0.1以下であることを特徴とする前記1〜2の何れかに記載の光学フィルム。
6.硬化層の厚みが2.5〜4.0μmであることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載の光学フィルム。
7.プラスチックフィルム基材が、厚みが50〜100μmであることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載の光学フィルム。
8.プラスチックフィルム基材が、厚みが70〜90μmであることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載の光学フィルム。
9.プラスチックフィルム基材が、厚み斑が4μm以下であることを特徴とする前記1〜8の何れかに記載の光学フィルム。
10.プラスチックフィルム基材が、熱寸法変化率が0.07%以下であることを特徴とする前記1〜9の何れかに記載の光学フィルム。
11.プラスチックフィルム基材が、面内レターデーション値が15nm以下であることを特徴とする前記1〜10の何れかに記載の光学フィルム。
12.プラスチックフィルム基材が、全光線透過率が90%以上であることを特徴とする前記1〜11の何れかに記載の光学フィルム。
13.プラスチックフィルム基材が、残有溶媒量が0.3重量%以下であることを特徴とする前記1〜12の何れかに記載の光学フィルム。
14.プラスチックフィルム基材が、厚み方向のレターデーション値(Rth値)が100nm以下である前記1〜13の何れかに記載の光学フィルム。
15.プラスチックフィルム基材(表面保護フィルムなし)が、表面粗さRaが両面共に5.0nm以下であることを特徴とする前記1〜14の何れかに記載の光学フィルム。
17.前記溶接部における径が40〜50μmのピンホールの数が5個以下であることを特徴とする前記1〜16の何れかに記載の光学フィルム。
18.流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムを製造する方法において、溶接部以外の一般面における径が70μm以上のピンホールの数が0個である流延バンドを用いることを特徴とする前記1〜17の何れかに記載の光学フィルム。
19.前記一般面における径が40〜70μmのピンホールの数が5個/m2以下であることを特徴とする前記18に記載の光学フィルム。
20.流延バンドが金属製であることを特徴とする前記16〜19の何れかに記載の光学フィルム。
21.流延バンドがステンレススチール製であることを特徴とする前記20に記載の光学フィルム。
22.流延バンドがエンドレスバンドであることを特徴とする前記16〜21の何れかに記載の光学フィルム。
23.平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層がプラスチックフィルムのバンド面に積層されていることを特徴とする前記16〜22の何れかに記載の光学フィルム。
25.硬化性組成物のポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)の全有機溶剤中の含量が50重量%以下であることを特徴とする前記24に記載の光学フィルム。
26.硬化性組成物のポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)の全有機溶剤中の含量が40重量%以下であることを特徴とする前記24に記載の光学フィルム。
27.硬化性組成物のポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)の溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下であることを特徴とする前記24〜26の何れかに記載の光学フィルム。
28.硬化性組成物のポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)のうち溶解性パラメータ(SP値)が9.0以上10.0以下であるものの全有機溶剤中の含量が20%以下であることを特徴とする前記24〜27の何れかに記載の光学フィルム。
29.硬化性組成物のポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)のうち溶解性パラメータ(SP値)が9.0以上10.0以下であるものの全有機溶剤中の含量が10%以下であることを特徴とする前記28に記載の光学フィルム。
30.ポリカーボネートフィルムを侵す溶剤(S)のうち溶解性パラメータ(SP値)が9.0以上10.0以下であるものの全有機溶剤中の含量が5%以下であることを特徴とする前記28に記載の光学フィルム。
31.溶解性パラメータ(SP値)が9.0以上10.0以下である有機溶剤を含まないことを特徴とする前記28に記載のポリカーボネートフィルム用硬化性組成物。
32.硬化性組成物が無機酸化物微粒子を固形分に対し2〜40体積%含むことを特徴とする前記24〜31の何れかに記載の光学フィルム。
33.硬化層が活性エネルギー線硬化組成物によって形成されることを特徴とする前記1〜32の何れかに記載の光学フィルム。
35.プラスチックフィルムの硬化層を積層している面がエア面、粘着剤層を積層している面がバンド面であることを特徴とする前記34に記載の粘着剤層付き光学フィルム。
36.粘着剤層の膜厚が10.0μ以上であることを特徴とする前記35に記載の粘着剤付き光学フィルム。
37.粘着剤層の積層が粘着剤層塗布液をプラスチックフィルムに直接塗工することによって行なわれることを特徴とする前記36に記載の粘着剤層付き光学フィルム。
けながら10往復擦った時に跡が見えないことを特徴とする耐擦傷性を有するハードコート層であることを特徴とする前記1〜33の何れかの光学フィルムまたは前記34〜37の何れかに記載の粘着剤層付き光学ハードコートフィルム。
39.波長400〜432nmの青色レーザー光によって読み書きされる光ディスクのカバー層として用いられることを特徴とする前記38に記載の粘着剤層付き光学ハードコートフィルム。
40.前記38に記載の光ディスク用粘着剤層付き光学ハードコートフィルムをカバー層として搭載した光ディスク。
なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、例えば、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等の記載は、それぞれ「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味を表す。
ポリカーボネートフィルム基材に機能性層を形成する時、塗布液の物性をコントロールし、塗布性を上げるためにメチルエチルケトン等の希釈剤が一般に用いられる。このメチルエチルケトン等の溶剤は塗布液を塗布後、乾燥までの間に、ポリカーボネートフィルムに浸透し、表面を不均一に膨潤し、フィルムと塗布液の界面に50μ〜100μ程度の大きさで10cm角に100個以上の隆起状点欠陥(以降点欠陥とだけ記載することもある。)を生じさせる。
例えば点欠陥がレーザー光の透過を完全に妨げるものであれば、
〔(レーザー光投影面積)−(点欠陥の投影面積)〕/レーザー光投影面
がシグナル強度となり、点欠陥の大きさに従ってシグナル強度は低下して行き、点欠陥の大きさがレーザー光投影面積を越えた時にシグナルは完全に失われる。なお、規格の上からは、直径50μm以上の欠陥は、記録のノイズの原因となるとされている。
点欠陥はレーザー光投影面積を越えない大きさであっても、小さい程、シグナル強度は上がり、高反射率部/低反射率部のディスクリミネーションが付け易く、シグナルとして拾える確率が上がる。従って、点欠陥の大きさは小さければ小さいほど好ましい。
一方、点欠陥が光散乱または反射するものであれば低反射率部に影響を及ぼし、上記同様にディスクリミネーションが付け難くなる。
ポリカーボネートを膨潤させる溶剤の含量を規定した後で存在する点欠陥の原因解析のため、隆起状点欠陥の電子顕微鏡による断面観察を行った。点欠陥は頂点付近の膜厚が5割程度増加し、なだらかに膜厚が減少している。特徴的なことは内部に厚さが数ミクロンの板状の異物を包含し、その端部が基材フィルム表面に接合していることである。これはフィルム製造で用いるバンドのピンホールで発生するポリカーボネートフィルム上の点状凸故障に起因すると考えられる。隆起状点欠陥の内部のポリカーボネート異物が平坦なのはその後パスロールでバンドのピンホール起因で発生した微小凸故障が押しつぶされたためと考えられる(〔図6〕参照。)。
本発明で用いられるポリカーボネートフィルムは、溶液製膜方法で製造され、例えば、図1に示すような製膜装置で製造される。
本発明で問題としている隆起状点欠陥は、流延バンドのピンホールをなくし、原因となるポリカーボネート上の欠点をなくすことで解決できることが見出された。この様なピンホールは特開2002−234041号公報により公開されている溶液製膜方法を用いて改善することができる。すなわち、本発明の光学フィルム等を製造する際に使用することのできる溶液製膜方法は、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムを製造する方法において、溶接部における径が50μm以上のピンホールの数が0個である流延バンドを用いることを特徴として構成されている。
ポリカーボネートフィルムでバンド面のピンホールに起因する欠点を除けない場合、バンド面に硬化層を積層しないことでこの問題を回避できる場合がある。例えば、この硬化フィルムを光ディスクのカバー層として用いる場合、ポリカーボネートフィルムの一方の面にハードコート層を積層し、もう一方の面に粘着剤層を積層する。一般に粘着剤層の膜厚は10μ以上であり、ピンホール起因で発生するポリカーボネートフィルム上の欠点はその中に完全に埋もれて目立たなくなる。
製膜時に用いることのできる防塵方法には特に制限はなく、公知の防塵技術を用いることができる。クリーン度はクラス1000以下が好ましく。クラス100以下が特にこのましい。
本発明に用いられるポリカーボネートフィルム基材としては、ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ成分とする芳香族ポリカーボネートよりなるプラスチックフィルムが好適に用いられ、その厚みは20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、70〜120μmが特に好ましい。更に光学フィルムが光ディスクのカバー層として用いられる場合、基材フィルムの厚みは70〜90μmが最も好ましい。基材フィルムの厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。透明基材の「透明」とは、可視光領域の光透過率が80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましい。
本発明に係るプラスチックフィルムのために好適に用いることのできるポリカーボネートは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を主たる芳香族ジヒドロキシ成分とするポリカーボネートである。
本発明に係るポリカーボネートの分子量としては、特に限定はないが、濃度0.5g/dlの塩化メチレン溶液中20℃での粘度測定から求めた粘度平均分子量が30,000以上200,000以下、好ましくは30,000以上120,000以下の範囲のものを挙げることができる。
本発明のプラスチックフィルムは、ポリカーボネートを溶液流延法で製膜したものであるのが好ましい。溶液流延法製膜が好ましいのはプラスチックフィルムに筋状の微細な厚み斑を生じ難いためや異物を生じ難いためである。
本発明に係るプラスチックフィルムを流延法によって製膜する場合に用いることのできるポリカーボネートの溶媒としては、特に限定はなく、通常知られた溶媒が使用できる。例えば芳香族ポリカーボネートの溶媒を作成するために用いられる溶媒としては、塩化メチレンまたは1,3−ジオキソランやその混合物あるいはこれらを主体とする溶媒を挙げることができる。
上記の溶媒に芳香族ポリカーボネートを溶解させた溶液を作成する。この溶液は通常ポリカーボネートが15〜35質量%になるように調整する。上記のように調整された樹脂溶液(ドープ)を押し出しダイにより押し出して、支持体上に流延する。
キャストされた液膜はいくつかの区画に仕切り各区画の乾燥条件(熱風温度、風速など)を変えることができるオーブンを用いて乾燥する。本発明では乾燥工程を5区画に分割した。第1の区画においては、支持体上にキャスト直後の液膜は極力表面の乱れが生じないように、いわゆるレベリング斑(むら)が生じないように乾燥する。加熱の方法は乾燥効率を上げるために流延された液膜を、熱風で乾燥する方法やバンドの反液膜面を熱媒で加熱する方法をとる。取扱いの容易さから熱風を用いるのが好ましい。
次いでフィルムを後乾燥させた後無延伸のまま使う用途や延伸して使う用途に向けて更に乾燥させる。この際フィルムの光学特性(屈折率)を制御しつつ乾燥させるのがよい。
フィルムの巻き取り工程では、表面保護フィルム(プロテクトフィルムともいう)としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。ロールからフィルム端を引き出しポリカーボネートフィルムと重ね合わせてニップロールにてニップし、フィルム間の空気を追い出し、皺が寄らないように両者を共巻きする。かくして本発明に係るプラスチックフィルム巻層体を製造する。
1)フィルムの厚みの測定方法
プロテクトフィルムを積層していないポリカーボネートフィルムの巻き取り方向に1mで全幅分のサンプルを採取した。その幅方向(巻き取り方向と直交する方向)と巻き取り方向とに10cm×10cm方眼(幅方向の端数が50mmを越える場合にはその部分も測定サンプルとした)にフィルムを区切り、この各々の方眼のほぼ中央部で、その厚みを(株)ミツトヨ製のマイクロメーターを用い測定した。そして、測定点100点の厚みの平均値を求めて、これをフィルムの厚みとして表示した。
上記1)のマイクロメーターによる測定方法では測定点以外に存在する可能性のある厚み斑、例えば細い筋状の厚み斑などを見逃す恐れがあるため、厚み斑をアンリツ(株)製フィルムシックネステスターKG601Aを用いて連続測定した。測定フィルムのサンプリングは次ぎの様に行った。即ち、フィルムの巻き取り方向に5cm間隔で全幅分のサンプルを連続して10枚(フィルムの巻き取り方向に合計50cmを)切り出した。このそれぞれのサンプルの厚み分布を上記フィルムシックネステスターで測定し記録紙上に記録した。かくして記録された厚みの最大値と最小値との差(厚みの範囲)を上記10枚のフィルムについて求め、この内から厚みの範囲が最大であるものをこのフィルムの厚み斑として表示した。
ポリカーボネートフィルムの幅方向(フィルム幅はほぼ1mであった)を3等分し適当な大きさの親サンプルを採取した。そして、更にこの各親サンプルより熱寸法変化率測定用サンプルを10個ずつ、計30個作成した。熱寸法変化率測定用サンプルの大きさは、各親サンプルよりの10個のサンプルのうち5個については、フィルムの巻き取り方向を150mm、それに直角な方向を10mmとし、残りの5個については、フィルムの巻き取り方向を10mm、それに直角な方向を150mmとした。そしてそのそれぞれのサンプルについて、150mmの長さ方向に、熱寸法変化率測定のための標点を、100mmの間隔で、印した。かくして、フィルムの巻き取り方向に15点、それに直角な方向(幅方向)に15点の測定用サンプルを準備した。測定用サンプルを140℃の恒温槽にて無荷重下で吊り下げて1時間処理した後、室温に取り出し冷却して後、標点間隔を測定した。寸法の測定は、恒温恒湿下、23℃、65%RHの条件下で、読取り顕微鏡を用いて実施した。寸法の変化率は140℃熱処理前後の寸法から次のように、巻き取り方向の15点、幅方向の15点について求めた。そしてその最大値を熱寸法変化率として表示した。
熱寸法変化率={(処理前の寸法)−(処理後の寸法)}/(処理前の寸法)×100%。
ポリカーボネートフィルムの幅方向3ヵ所から約300mm平方のサンプルを採取した(フィルム幅はほぼ1mであった)。サンプルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁度測定器COH−300Aを用いて測定した。各サンプルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計15点の平均値を全光線透過率とした。
溶媒を含有したポリカーボネートフィルム約5gを採取し、170℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた後室温まで冷却した。その際、当該乾燥前後の重量を化学天秤で精秤し、その変化率を求めた。これにより固形分基準の溶媒含有量を求めた。具体的には、ポリカーボネートフィルム(幅は約1m)を幅方向に5等分して測定した。そしてこれを3回、別々の幅方向について実施し、その平均値を求める方法によった(15点測定の平均値を含有溶媒量として表示した)。当該乾燥前の質量をa、乾燥冷却後の質量をbとした場合、固形分基準の溶媒含有量の個々の測定値は、次式で表すことができる。
{(a−b)/b}×100%
ポリカーボネートフィルムの、全幅分で巻き取り方向の長さ40mmの短冊状サンプルを、巻き取り方向に3ヵ所、50cm間隔で採取した。ついで、この短冊状フィルムを40mm間隔に切って40mm平方の測定用サンプルを作成した。即ち、フィルム全幅方向の長さ1000mmから25個、短冊状サンプルが3個あるので、全部で75個の測定用サンプルを得た。これらのサンプルにつき面内レターデーション値Reを測定した。数値の表示はRe値の範囲とし、その最小値〜最大値として表示した。測定器は王子計測機器(株)製の複屈折率測定器である商品名KOBRA−21ADHを使用して、光線をポリカーボネートフィルム面に垂直方向に入射し面内レターデーションRe値を測定した。
上記6)項の測定と同様にサンプリングしKOBRA−21ADHで測定した。ポリカーボネートフィルムサンプルをその遅相軸または進相軸で回転させて入射角度を変えてレターデーションを測定し、これらのデータから屈折率nx、ny並びにnzを計算した。更にこれらの値からRth=|((nx+ny)/2−nz)*d|(2本の縦棒は絶対値であることを意味する。)を計算した。ここで、nxは巻き取り方向の屈折率を、nyは巻き取り方向に直交する方向の屈折率を、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは測定フィルムの厚み(単位はμm)をあらわす。なお、Rth値の単位は、上記の計算の時はμmで算出されるが、これを表示する時にはnm単位に変換している。本願明細書においてRth値の最大値とはそれらの中での最大値を意味する。
中心線平均表面粗さ(Ra)とはJIS−B0601で定義される値であり、本願明細書における数値は、(株)小坂研究所の接触式表面粗さ計(Surfcorder、SE−30C)を用いて測定した。Raの測定条件は下記のとおりであった。
触針先端半径:2μm
測定の圧力:30mg(2.98×10-4N)
カットオフ:0.08mm
測定長:1.0mm
上記3)の親サンプルと同様にして、フィルムの全幅方向3ヵ所についてサンプリングし測定に用いた。同一試料について5回繰り返し測定し、その測定値(μm単位による小数点以下4桁目までの値)について、最も大きな値を一つ除き、残りの4つのデータを得、全3個所のデータである12個の値の平均値の小数点以下5桁目を四捨五入して、少数点以下4桁目までをnm単位で示した。
本発明の硬化性組成物は硬化剤と有機溶剤を含めば熱硬化性組成物であっても活性エネルギー線硬化性組成物であっても構わない。ポリカーボネートフィルムは柔らかく硬化層が厚過ぎるとカールが起きることから10μ以下が好ましい。1.0〜8μmの比較的膜厚の薄い硬化層を積層した光学用フィルムでは、硬化層のない時と比較して欠陥部が拡大される。また、点欠陥は4.0μm以下で現れ易いことから、4.0μm以下で本発明は特に効果を発揮する。硬化層の厚みが4.0μmより厚いと点欠陥は硬化層の中に埋もれ易いと考えている。また、硬化層の厚みが2.5μm未満では点欠陥の数が増加し易いことから2.5μm以上が特に好ましい。
本発明の硬化層の機能としては、耐擦傷性を有するハードコート層が挙げられる。この場合、そのハードコート層とは、表面を#0000のスチールウールを用い1.96N/cm2の荷重を掛けながら50回擦った時に、擦り跡が目視で見えない耐擦傷性を有する硬化層であることが好ましい。
S−2 H2C=C(X)COOC2H4OTi(OC2H5)3
S−3 H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10OPO(OH)2
S−4 (H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10O)2POOH
S−5 H2C=C(X)COOC2H4OSO3H
S−6 H2C=C(X)COO(C5H10COO)2H
S−7 H2C=C(X)COOC5H10COOH
S−8 3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン
(X=H、あるいはCH3を表す)
本発明では、上記有機溶剤として、溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下の有機溶剤が全有機溶剤中に含有される割合が、60質量%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
また、SP値が9.0以上10.0以下の有機溶剤は、ポリカーボネートフィルム用硬化組成物中の全有機溶剤中に含有される割合が20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、全く含まれないことが最も好ましい。
代表的な化合物のSP値を表1に示す。
例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。
例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、エタノール、シクロヘキサン、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
本発明の硬化層の作製は、ポリカーボネートフィルム基材上に硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、紫外線照射して、硬化させることにより作製することができる。
以上で説明して来た光学用ハードコートフィルムを光ディスクの透光層として用いる場合、支持体や記録層を含む基板と粘着層を介して貼り合わせることが好ましい。粘着層を設置する工程において、あらかじめ一方の面にハードコート層が形成された透光性フィルムのハードコート層塗設面と異なる面に、粘着層を連続的に設けることができる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、透光性フィルムの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する。)と、の2つに大別することができる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
(表面保護フィルム付き長尺ロール状ポリカーボネートフィルム(s−0)(s−1)の作製)
芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製の商品名「パンライト(登録商標グレードC−1400QJ)」)、粘度平均分子量38,000を120℃で16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気により30℃まで冷却した。この芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットをメチレンクロライド溶媒に溶解させ、18重量%の溶液を準備した。この溶液をフィルターに通し異物を除去した。更にこの溶液の温度を15±0.5℃に調節して1200mm幅のコートハンガーダイに導入し、続いて、約560μmの液膜として流延バンド上に流延した。流延を開始する直前の支持体の温度(表面温度)を9℃に設定した。
製膜速度:30m/分
フィルム(ベース)厚み:80μm
(第1区画)乾燥の初期段階においては支持体裏面に30℃の温風を吹きつけて加熱し、ポリカーボネートフィルムの雰囲気温度を20℃としてポリカーボネートフィルムの変形(レベリング不良)が起こらないように注意して乾燥させた。
(第2区画)ついで、温風吹きつけにより、雰囲気温度を45℃とし、ポリカーボネートフィルム中の塩化メチレン濃度が35重量%程度になるまで乾燥した。
(第3区画)ついで、温風吹きつけにより、雰囲気温度が50℃で乾燥し、ポリカーボネートフィルム中の溶媒量を25重量%とした。
(第4区画)この区画において、55℃の雰囲気温度で乾燥した。この時のポリカーボネートフィルム中の溶媒量を20重量%とした。
(第5区画)この区画において、ポリカーボネートフィルムを支持体と共に15℃の雰囲気で冷却した。この工程の終了点におけるポリカーボネートフィルム中の溶媒量は18重量%であった。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450重量部を、210重量部のイソプロピルアルコール(IPA)と140重量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0重量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、380重量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)と257重量部のMIBK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルイソブチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(h−1)を調製した。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450重量部を、426重量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)と106重量部のメチルエチルケトン(MEK)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0重量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、514重量部のMIBK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルイソブチルケトン分散物、日産化学(株)製)と129重量部のMEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(h−2)を調製した。
ハードコート塗布液(h−2)はハードコート塗布液(h−1)に対し、溶剤を変更しており、(h−2)はポリカーボネートを侵す溶媒のみとなっている。
< 実施例1 >
塗布速度を10m/分に設定し、上記で作製した幅1000mmで厚さ80μmの表面保護フィルムを共巻きしたポリカーボネートフィルム(s−1)の表面保護フィルムを巻き取り除去しながら送り出し、バンド面に上記ハードコート塗布液を乾燥後の厚みが3.3μm、塗工幅が980mmになるように、バーコーターを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥後、窒素パージ下(酸素濃度0.1%)で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを100m巻き取った。
実施例1に対し塗布面をバンド面からエア面に変更し、実施例試料2を作製した。
幅1000mmで厚さ80mmの表面保護フィルムとして20μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを共巻きしたポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製ピュアエース110−80)の表面保護フィルムを巻き取り除去しながら送り出し、エア面にハードコート塗布液を乾燥後の厚みが3.3μm、塗工幅が980mmになるように、バーコーターを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥後、窒素パージ下(酸素濃度0.1%)で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを100m巻き取った。
実施例1に対してハードコートの硬化後の厚みを5.0μmに変更した以外は同じ条件とし実施例4試料を作製した。
実施例3に対し塗布面をバンド面に変更し比較例1を作製した。
比較例1に対してハードコートの硬化後の厚みを5.0μmに変更した以外は同じ条件とし比較例2試料を作製した。
< 比較例3 >
比較例1に対してハードコート塗布液(h−2)に変更した以外は同じ条件とし比較例3試料を作製した。
< 比較例4 >
実施例3に対してハードコート塗布液(h−2)に変更した以外は同じ条件とし比較例4試料を作製した。
(1)隆起状点欠陥の評価
作製したハードコートフィルムの両端10cmずつを除いた80cm幅を20cm×20cmに4枚を2列、計8枚をサンプリング、裏面を黒塗りし、10cm×10cmの角に印を付け、印の中を塗布面に垂直な光を入射し、塗布面に垂直な方向(光の入射方向)から光学顕微鏡で30倍に拡大し、表面に焦点を合わせることで表面の反射光を基に50μm以上の点欠陥を摘出した。尚、隆起状部分は膜厚が変化し焦点がずれる。また、入射光が表面で乱反射し顕微鏡に戻って来ないことで正常部分と隆起状部分を分離することができる。
摘出した50μm以上の隆起状点欠陥の断面を切り電子顕微鏡で1000倍に拡大し、中にポリカーボネートフィルム表面から発している突起状の異物が観察されるものの数値を数え、8サンプルの平均を取った。
作製したハードコートフィルムをラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
試料調湿条件: 25℃、60%RH、2時間以上。
こすり材: 試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:1.96N/cm2、先端接触部面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の規準で2段階評価した。
傷が見えない。 :○
傷が見える。 :×
SP値が8.3以上10.5以下の(ポリカーボネートフィルムを侵す)有機溶剤のみで調製したハードコート層用硬化性組成物(h−2)を用い、ポリカーボネートフィルムにハードコート層を形成したものは塗布面がバンド面、エア面に係らず、ポリカーボネートフィルムに起因する点欠陥が多発する。(比較例3と4)
ポリカーボネートフィルムを侵す有機溶剤の全有機溶剤に対する比率を60%以下に下げて調製したハードコート層用硬化性組成物(h−1)を用い帝人化成(株)製ピュアエースのバンド面に膜厚が1.0〜8.0μmの範囲にある3.3μmまたは5.0μmのハードコート層を積層したものは隆起状点欠陥が発生する。(比較例1と2)
また、膜厚が5.0μmよりも3.3μmの方が隆起状点欠陥の数が多くなり対策の重要度が増す。(実施例1と4、比較例1と2)
本発明のバンド面のピンホールを規定して作製したポリカーボネートフィルムを用いたハードコートフィルムはバンド面塗布でもエア面塗布でも隆起状点欠陥がなかった。(実施例1と2)
本発明の帝人化成(株)製ピュアエースのエア面にハードコート層を積層したハードコートフィルムは隆起状点欠陥がなかった。(実施例3)
(光ディスクの作製)
特開2003−263797号公報の段落〔0048〕〜〔0054〕に記載されている実施例1を本発明の比較例20とし、段落〔0051〕に記載のカバーフィルムとして(ポリカーボネートフィルム、帝人ピュアエース、厚さ:80μm、片面に第2の離型フィルム付き;第2の離型フィルムの面Dの表面粗さ、250nm)の代わりに上記で示した本発明の実施例1と3、比較例1の長尺ロール状ハードコートフィルムを用いて光記録体(光ディスク)を得た。(夫々実施例21と23、比較例21)
<光情報記録媒体の作製>
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板を射出成形した。得られた基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成した(光反射層形成工程)。
[粘着剤塗布液の調製]
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液Aを調製した。
まず、図4に示す粘着層設置装置を用いて、ハードコートフィルムの表面に17μm厚の粘着層を設けた。ロール1に巻回されたポリエチレン製離型フィルムを矢印方向に送り出し、設置された塗布部2を用いて、離型フィルムの表面に粘着剤塗布液Aを塗布した(塗布工程)。その後、粘着剤塗布層が形成された離型フィルムを、乾燥領域に設置された乾燥手段3により100℃でを乾燥し(乾燥工程)、粘着層を備えた離型フィルムを得た。そして、粘着層を備えた離型フィルムを、更に搬送し、ロール4から送り出されたカバーフィルム(実施例1の長尺ロール状ハードコートフィルム:83μm、片面離型フィルム付き)からロール6で表面保護フィルムを剥がしながら巻き取り、貼り合わせ領域aにて、表面保護フィルムを剥がした後のハードコートフィルムのポリカーボネート面と接着層とが当接するように貼り合わせた(貼り合わせ工程)。そして、ロール5に、粘着層を備える離型フィルムとハードコートフィルムと共巻した(巻き取り工程)。
その後、粘着層を備える離型フィルムとカバーフィルムと共巻した状態のロール5を、23℃、50%Rhの雰囲気で、72時間保持した。この「72時間」とは、前記雰囲気下において、本実施例における粘着層を赤外分光吸収スペクトルで経時的に測定し、イソシアネートに由来する2275〜2250cm-1付近に出現する吸収ピークが実質的になくなるまでの経過時間であり、本実施例における「粘着層の架橋反応が実質的に終了するまで」に対応する時間である。なお、本工程において、赤外分光吸収スペクトルは下記条件にてFT−IR1回反射法で測定した。
測定機:サーモ ニコレジャパン製 Nexus670
測定アクセサリ:OMNI−Sampler 1回反射型水平ATR装置
積算回数:4cm-1 32回
検出器:MCT−A(高感度検出器)
共巻した状態の粘着層を備える離型フィルムとカバーフィルムとを、ロール5から送り出し、上記基板と同じ形状に打ち抜いた。打ち抜かれた粘着層を備える離型フィルムとカバーフィルムとの積層体は、図5に示すように、センターホールより僅かに小さな外径を有するストックジグ80に嵌め込むようにして、略水平に、50枚積層した。その状態で、1時間保持した。
実施例21の長尺ロール状ハードコートフィルムを実施例3に変更し実施例23のサンプルを得た。
実施例21の長尺ロール状ハードコートフィルムを比較例1に変更し比較例21のサンプルを得た。
1.ノイズの評価
特開2003−263797号公報の段落〔0055〕<評価>(1)C/N(搬送波対雑音比)に従って実施例21と23、比較例21を評価したところ、ハードコート層上の隆起状点欠陥はノイズとして検出されることが分かり、本発明によりノイズが大幅に減少できることが確認できた。
<評価>C/N(搬送波対雑音比)
作製された光ディスクを、405nmのレーザ、NA:0.85ピックアップを搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を使用し、クロック周波数66MHz/線速5.6m/sの条件で単一周波数の信号(2T=0.13μm)で記録及び再生し、スペクトルアナライザを用いてC/Nを測定したところ以下の結果だった。
実施例21: 52dB
実施例23: 49dB
比較例21: 32dB
サンプルの透光層側の表面を#0000のスチールウールを用い1.96N/cm2の
荷重を掛けながら擦った時の傷が目視で見える様になる程度の評価(〇は100回こすっても跡が見えない状態、×は30回未満で跡が見える状態)で評価したところ以下の結果だった。
実施例21:〇
実施例23:〇
比較例20:×
比較例21:〇
11 流延ダイ
12 流延バンド
20 延伸工程
30 乾燥工程
40 巻き取り部
50 ピンホール
1、4、5、6 ロール
2 塗布手段
3 乾燥手段
70 台座
80 ストックジグ
f1 離型フィルム
f2 ハードコートフィルム
f3 ディスク状の粘着剤層が設けられたハードコートフィルム
f4 表面保護カバーフィルム
Claims (18)
- ポリカーボネートよりなり、流延法により製造されたフィルム基材上に、平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層が積層されてなる光学フィルムであって、該硬化層における上記フィルム基材に由来するポリカーボネートを内包した直径50μm以上の隆起状点欠陥の数が10cm角当たり平均1個以下であることを特徴とする光学フィルム。
- 上記フィルム基材は、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 上記流延バンドの溶接部における径が50μm以上のピンホールの数が0個であることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルム。
- 上記流延バンドの溶接部における径が40〜50μmのピンホールの数が5個以下であることを特徴とする請求項2〜3の何れかに記載の光学フィルム。
- 上記流延バンドの溶接部以外の一般面における径が70μm以上のピンホールの数が0個であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の光学フィルム。
- 前記一般面における径が40〜70μmのピンホールの数が5個/m2以下であることを特徴とする請求項5に記載の光学フィルム。
- 前記硬化層が、硬化剤と有機溶剤とを含む透明ポリカーボネートフィルム基材用の硬化性組成物であって、溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下の有機溶剤の全有機溶剤中の含量が60重量%以下である硬化性組成物によって形成された層であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の光学フィルム。
- 前記硬化層が、溶解性パラメータ(SP値)が9.0以上10.0以下の有機溶剤を含まない硬化性組成物によって形成された層であることを特徴とする請求項7に記載の光学フィルム。
- 前記硬化層の平均膜厚が1.0〜4.0μmであることを特徴とする請求項1〜8に記載の光学フィルム。
- 前記硬化層の平均膜厚が2.5〜4.0μmであることを特徴とする請求項1〜8に記載の光学フィルム。
- 請求項1〜10の何れかに記載の光学フィルムにおける上記フィルム基材の前記硬化層が積層されていない面に、膜厚10μ以上の粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着剤層付き光学フィルム。
- 上記フィルム基材は、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであり、上記フィルム基材の前記硬化層が積層されている面が、上記フィルム基材が流延バンド上で製造された際のエア面であり、前記粘着剤層が積層されている面が流延バンド上で製造された際のバンド面であることを特徴とする請求項11に記載の粘着剤層付き光学フィルム。
- 前記硬化層がスチールウールに対し耐擦傷性を有するハードコート層であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の光学用ハードコートフィルム。
- 前記硬化層がスチールウールに対する耐擦傷性を有するハードコート層であることを特徴とする請求項11〜12に記載の粘着剤層付き光学用ハードコートフィルム。
- 請求項14に記載の粘着剤層付き光学用ハードコートフィルムを搭載した光ディスク。
- 流延ダイより流延バンド上にドープを流延することによりポリカーボネートよりなるフィルム基材を製造した後、該フィルム基材上に平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層を積層する光学フィルムの製造方法であって、上記流延バンドの溶接部における径が50μm以上のピンホールの数が0個であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 上記流延バンドの溶接部以外の一般面における径が70μm以上のピンホールの数が0個であることを特徴とする請求項16に記載の光学フィルムの製造方法。
- 流延ダイより流延バンド上にドープを流延することによりポリカーボネートよりなるフィルム基材を製造した後、該フィルム基材の流延バンド上で製造された際のエア面上に平均膜厚が1.0〜8.0μmの硬化層を積層し、上記フィルム基材の流延バンド上で製造された際のバンド面上に膜厚10μ以上の粘着剤層を積層することを特徴とする粘着剤層付き光学フィルムの製造方法。
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