JP2005313161A - 脱硝触媒の製造方法 - Google Patents

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直也 重本
Akira Yokota
晃 横田
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Abstract

【課題】活性低下の原因によらずに低下した触媒活性の再生が簡易に行うこと。
【解決手段】本発明は、ペルオキシチタン酸塩の水溶液又は硫酸チタン(Ti(SO4)2)水溶液と過酸化水素水(H22)を混合することにより得られた水溶液を基材の表面に付与した後、乾燥、焼成することを特徴とする脱硝触媒の製造方法である。この水溶液には鉄やバナジウムなどの活性成分を共存させることができ、また、基材として活性が低下した触媒を用いれば、その触媒活性を再生させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、活性が低下した脱硝触媒の活性を回復させることのできる脱硝触媒の製造方法に関する。
火力発電所や各種の燃焼設備では、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための排煙脱硝装置が設置されており、その排煙脱硝装置には、アンモニア接触還元型脱硝触媒が一般的に広く採用されている。
このアンモニア接触還元型脱硝触媒は酸化バナジウムなどの活性成分を酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素などの担体に担持したものが一般的である。このような脱硝触媒は基材の上に触媒層をコートしたコート形、担体を基材として活性成分を含浸させたソリッド形などがあり、例えば、活性成分と担体の原料を含むものを混練、焼成して脱硝触媒とする場合、予め成型、焼成した担体に活性成分を含む水溶液を含浸させる方法等により種々の形状で提供されている。
例えば、ハニカム状の酸化チタン担体に鉄やバナジウムなどの活性成分を混合して含浸したハニカム状触媒を用いた排煙脱硝装置では、200〜450℃付近の反応温度で、アンモニアを注入した排ガスと接触させることにより、排ガス中に含まれる有害な一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)はアンモニア(NH3)と反応され、無害な窒素ガス(N2)および水(H2O)に変換されている(例えば、非特許文献1参照。)。
4NH4 +4NO +O2 =4N2 +6H2
8NH4 +6NO2 =7N2 +12H2
このような脱硝触媒は、実用上、十分な脱硝活性を示すことから、既に多くの実用例がある。しかし、長期間の使用に伴い脱硝触媒の活性が低下するという課題点が挙げられている。この脱硝触媒の活性低下の原因は十分に解明されていないが、触媒表面のダストによる被覆や活性元素の変質などによるものと推定されている。
このような脱硝触媒の活性が低下した場合、定期検査時等に脱硝設備から活性が低下した脱硝触媒を取り出し、新しい脱硝触媒と交換することにより、実用上、十分な脱硝活性が維持されているが、新しい触媒への交換はコスト的な課題点がある。
このような脱硝触媒の活性を回復させる方法として、特殊な薬品を含む水溶液を用いて被毒成分や触媒表面を覆う成分を溶解して除去する方法(例えば、特許文献1、2参照。)および触媒の表面を研磨することにより、物理的に取り除く方法(例えば、特許文献3、4参照。)が提案されている。そして、このような物理的に取り除く方法には触媒層表面に研磨材を含む空気を吹き付ける投射装置が提案されている。
特開2000−475号公報 特開2000−102737号公報 特開2000−325801号公報 特開平11−28358号公報 株式会社エヌ・ティー・エス発行「環境ハンドブック」、2001年11月20日、P.518−525(アンモニア脱硝−火力発電所排ガス脱硝装置)
しかしながら、特殊な薬品を含む水溶液を用いる方法では、触媒を水溶液中に浸漬するため、触媒を脱硝装置から取り出す必要があるが、触媒の入れ替え作業は多大な労力を要し、高い作業費用が必要となるという課題点がある。
一方、投射装置を用いる方法によれば、脱硝触媒を脱硝設備から取り出さずに活性を回復させることができる。しかしながら、この投射装置によれば、活性低下の原因が触媒表面に付着したダスト等による場合には再生効果は期待されるが、活性元素の変質等に由来する場合にはその再生効果は低いと推定される。また、触媒表面をガス流の流れ方向で均一に表面研磨させることは困難な場合が多く、高い再生効果を期待することは困難である。
そこで、本発明は、活性低下の原因によらずに低下した触媒活性の再生を行うことを目的とする。
本発明者等は上述の目的を達成すべく鋭意研究したところ、硫酸チタン(Ti(SO4)2)水溶液と過酸化水素水(H22)を混合することにより得られたペルオキシチタン酸塩水溶液を基材の表面に噴霧などの手法により付与した後、乾燥、焼成することにより、脱硝触媒が得られることを認めた。
また、基材として活性が低下した脱硝触媒を用いれば、その脱硝触媒の表面に新たに脱硝触媒層が形成されて脱硝触媒の脱硝活性が再生される。また、この乾燥工程、焼成工程は、火力発電所や各種の燃焼設備の高温の排ガスを直接利用することができるので、本発明の触媒の製造方法は活性が低下した触媒を再生する再生方法として有用であると期待される。
また、本発明の脱硝触媒の製造方法によれば、ペルオキシチタン酸塩水溶液と活性成分とが共存する共存溶液を基材の表面に付与した後、乾燥、焼成することにより、ペルオキシチタン酸塩水溶液のみから得られた脱硝触媒よりも優れた脱硝率を与える脱硝触媒が製造できることを認めた。
すなわち本発明は、ペルオキシチタン酸塩の水溶液又は硫酸チタン(Ti(SO4)2)水溶液と過酸化水素水(H22)を混合することにより得られた水溶液を基材の表面に付与した後、乾燥、焼成することを特徴とする脱硝触媒の製造方法である。
この水溶液の基材への付与方法として噴霧手段を用いれば、付与された水溶液は基材に含浸されて活性な触媒層を形成することができる。
また、本発明は、前記水溶液は活性成分が共存された共存溶液であることを特徴とする脱硝触媒の製造方法であり、活性成分を共存させることにより触媒活性を一層増大させることができる。
この活性成分は、例えば、Pt、Pd、V、Fe、Cu、Mn、Cr、Mo、Coから選択される活性元素であり、この活性元素は塩の形態でペルオキシチタン酸水溶液と共存させることができる。このような活性成分の好ましい一例は、鉄塩またはバナジウム塩である。
本発明の脱硝触媒の製造方法によれば、基材として活性が低下した脱硝触媒を採用することにより活性が低下した脱硝触媒の再生方法が提供される。
また、この場合、脱硝触媒は、脱硝設備に装填された状態で再生することができる。
さらに、本発明の脱硝触媒の製造方法は、脱硝設備に装填された状態で実施することもでき、この場合の乾燥工程及び/又は焼成工程は、高温の排ガスを直接利用できるという特徴点も備えている。
本発明に従えば、火力発電所や燃焼設備の排煙脱硝設備において、活性が低下した脱硝触媒の活性を簡易かつ安価に再生することができる。
本発明は、基材の表面にペルオキシチタン酸塩水溶液を含浸又は被覆等により付与した後、乾燥、焼成する脱硝触媒の製造方法であり、このペルオキシチタン酸塩水溶液に活性成分を共存させた共存溶液を用いることにより脱硝率を向上させることができる。
このペルオキシチタン酸水溶液は、チタン(IV)塩の硫酸酸性溶液に過酸化水素を加えて得ることができ、例えば、硫酸チタン(Ti(SO4)2)の水溶液と過酸化水素(H22)の水溶液を混合することにより得られる。
このペルオキシチタン酸水溶液又はこのペルオキシチタン酸水溶液に活性成分を混合して両成分を共存させた共存溶液(混合液)を、例えば、噴霧するなどして適宜の基材に付与後、乾燥、焼成することにより脱硝触媒機能を備えた触媒層を得ることができる。
ここで、ペルオキシチタン酸水溶液は、乾燥工程、焼成工程で酸素と水とを放って脱硝触媒能を備えた酸化チタンTiO2となり、さらには、活性成分を保持させる担体としても機能する。
一般的に、酸化チタン担持触媒では、担体である酸化チタンの表面に鉄、バナジウムなどの活性元素を保持させることが高い活性を発揮する上で重要である。したがって、表面にダストが付着して活性が低下した脱硝触媒に対して、単に活性成分を含む溶液を付与して触媒能の再生を試みる場合には、脱硝触媒の触媒能の低下が表面のダストによる場合には、このダストに活性元素が保持されることになり、酸化チタンには保持されない。これにより、酸化チタンに保持されて発揮される高い活性は得られない。
これに対して本発明では、触媒層の表面に酸化チタンが新しく形成され、特に、鉄やバナジウムなどを含む活性成分とペルオキシチタン酸塩が共存する共存溶液を使用することにより、活性が低下した脱硝触媒の触媒層の表面に活性元素を含む酸化チタン層が形成され、高い脱硝活性を示すと考えられる。
本発明においては、この活性が低下した脱硝触媒は、脱硝設備に装填した状態でその表面に活性な触媒層(酸化チタン層)を製造することができる。この脱硝設備に装填した状態で、活性成分とペルオキシチタン酸塩が共存する共存溶液を噴霧すれば、この共存溶液が触媒表面層(ダストを含む)に含浸されて付与される。ついで、高温の燃焼排ガスを通気すれば、この共存溶液の含浸層は乾燥、さらに焼成される。このような操作により、活性が低下した脱硝触媒の表面付近に活性元素を含む酸化チタン層を形成することができる。そして、この活性元素を含む酸化チタン層は、新しい脱硝触媒層として機能される。
本発明において、水溶液又は共存溶液の基材への付与方法は特には限定されないが、スプレーなどの噴霧手段により容易に触媒層を得ることができる。基材が多孔質触媒である場合には、基材中に噴霧された溶液が含浸されて、細孔内に触媒層が形成される。
また、本発明において、燃焼設備の定期検査時等に水溶液又は共存溶液の付与を行うことが好ましい。この場合、脱硝設備を停止後に排ガス通気を開始する前に本発明に従う水溶液又は共存溶液を通気し、次いで排ガスを通気することにより乾燥工程及び焼成工程が行えるように運用すればよい。
このような噴霧は、基材に直接スプレーすることもできるが、排ガス中に水溶液又は共存溶液をミストとして混在させ、排ガスの通過と共に水溶液又は共存溶液を付与することもできる。この場合、水溶液または共存溶液の噴霧を、高温の排ガス中で直接行うと、その水溶液又は共存溶液が触媒表面に到達する前に排ガス中で酸化チタン粒子又は活性元素を含む酸化チタンが形成されたり、排ガス中に浮遊するダストの表面に触媒層(酸化チタン粒子又は活性元素を含む酸化チタン粒子)が付着し、目的とする基材への付与(沈床)が行われない場合もある。それ故、排ガスを用いる場合には、極端に高温と成らない程度の適度の温度に低下させた排ガスを用いることが好ましい。これにより、排ガス中で噴霧された水溶液又は共存溶液は基材に含浸された後、乾燥、焼成される。
本発明において用いられる活性成分としては、Pt、Pdなどの貴金属系、V25、Fe23、Cu2O、MnO2、Cr23、Mn23、MoO3、CuOなどの金属酸化物系のどちらも用いることができるが、V及び/又はFeを用いることが最も好ましい。これらの活性成分は、単独で用いてもよく、また、混合して用いることもできる。いずれの場合にも、アンモニウム塩、硫酸塩などの塩の形態でチタン酸水溶液と混合することにより共存溶液を得ることができる。この共存溶液は基材に付与された後、乾燥工程、焼成工程を経ることにより酸化されて所望の活性成分となる。
本発明における触媒層の厚みは特には限定されない。薄く形成することにより、後述するように基材として多孔質の基材を用いた場合にも、多孔質基材に含浸してその表面に活性な触媒層を付与させることができる。
このような触媒層の厚みは、例えば、担体としての酸化チタンの厚みで、0.1g/m2程度から100g/m2程度の広範囲から選択することができ、例えば、0.1g/m2以上、好ましくは1g/m2以上であり、100g/m2以下、好ましくは10g/m2以下である。付与する基材に応じて厚みが選択される。
次に活性成分の使用量は、担体としての酸化チタンに対する割合により定義される。この割合を大きくすることにより一般的に触媒の活性は高くなるが、余りこの値が大きすぎると担体としての酸化チタンの活性成分の担持力が弱まり、耐久性が劣る。このチタンに対する活性成分のモル比(活性成分/Ti)は用いる活性成分により異なるが、一般的には0.001〜10の範囲内から選択され、好ましくは、0.1〜5の範囲内から選択される。
本発明において用いられる基材としては、脱硝触媒用の各種の基材をそのまま用いることができる。そのような基材としては、パイプ状、板状、ハニカム状などの形状の基材を用いることができる。ガス触媒面積を大きくするため、反応器、形状充填法などに各種の工夫がなされたものをそのまま用いることができる。それらは、例えば、ハニカムで代表される並行流型触媒構造である。
これらの基材としては、既存の活性が低下した触媒を基材として用いることもできる。そのような触媒は、基材の上に触媒層をコートしたコート形、担体を基材として活性成分を含浸させたソリッド形などの種々の成形法により形成された触媒を用いることができる。例えば、ハニカム状の酸化チタン担体に鉄やバナジウムなどの活性成分を混合して含浸したハニカム状触媒は最も好ましい一例として例示することができる。
いずれの場合にも、本発明に係る脱硝触媒は薄膜で付与することができるので、基材が多孔質であってもよい。多孔質の基材を用いる場合には、噴霧された共存溶液は多孔質基材に含浸され、乾燥されて、多孔質内の表面に薄膜を形成するので、表面積の大きな触媒を形成することができる。
また、噴霧により付与された共存溶液は、乾燥、焼成工程を経ることにより触媒能が発揮される。ここで、本発明の脱硝触媒の製造方法に従えば、この乾燥及び焼成工程では、火力発電所や各種の燃焼設備から排出される高温の排ガスを直接用いることができるという特徴を備えている。これにより、活性が低下した排煙脱硝触媒を充填した脱硝設備から取り出さずに活性を回復させることが可能であり、活性が低下した脱硝触媒表面に鉄やバナジウムなどの活性元素とペルオキシチタン酸塩を含む共存溶液を噴霧し、燃焼排ガスにより乾燥、焼成することにより、触媒表面に活性成分を含む酸化チタン層を形成させることにより脱硝触媒の活性を回復させることができるので、安価な触媒の活性再生方法を提供することができる。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%は断りのない限り質量に関する。
また、以下の実施例における脱硝率は図1に示す脱硝率測定装置10により測定した。ここで、この脱硝率測定装置10は、触媒反応炉11、触媒反応炉11へ所定濃度の混合ガスを供給する混合ガス供給系12及び排ガスを分析する赤外線吸収式のガス濃度測定器13とから大略構成されている。
この触媒反応炉11は、直径70mm、長さ1000mmの石英管により構成され、内部には金属製枠内に充填された脱硝触媒試料片14が装填され、周囲には触媒反応炉11内を所定温度に保つための加温装置11aが配されている。
また、混合ガス供給系12は、窒素ガス供給装置15a、酸素ガスボンベ15b、一酸化窒素ガスボンベ15cおよびアンモニアガスボンベ15dの各種のガス供給源15とこれらのガス供給源から目的とする混合ガスを調製する精密ガス混合装置16とから構成され、この精密ガス混合装置16により所定濃度のNOxを含む混合ガス(NOx、酸素、窒素)と所定濃度のアンモニアを含む混合ガス(アンモニア、窒素)とが調製される。このNOxを含む混合ガスは石英製加熱管17において所定の温度に予熱され、途中からアンモニア混合ガスと合流され、ガス混合炉18にて充分に混合された後、触媒反応炉11に供給される。
触媒反応炉11では所定の温度(約400℃)及び空間速度(LV=1m/s)にて脱硝反応が進行される。脱硝前後の試料が試料採取管19からサンプリングされ、除湿器20を介してガス濃度測定器13により測定される。各ガス濃度測定器13により測定された値はそれぞれの校正用標準ガスの測定データにより校正される。得られた脱硝前後の試料のNOx濃度から脱硝率が次式により計算される。
脱硝率(%)=100×(入口のNOx濃度−出口のNOx濃度)/(入口のNOx濃度)
30%硫酸チタン(Ti(SO4)2)溶液と30%過酸化水素(H22)の水溶液を混合することにより、ペルオキシチタン酸塩水溶液(3% as Ti(SO4)2)を調製した(試験番号1)。
得られたペルオキシチタン酸水溶液に、さらに、硫酸第1鉄水和物(FeSO4・7H2O)またはバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を表1に記載のとおり溶解することにより、鉄またはバナジウムが共存するペルオキシチタン酸塩水溶液(共存溶液)を調製した(試験番号2〜8)。
また、試験番号1を対照としてH22/Ti=1.0(モル比)一定で、ペルオキシチタン酸水溶液の濃度を1.5%及び0.3%に低下して各共存溶液を調製した(試料番号9,10)。
これらのペルオキシチタン酸塩を含む各調製液の100mlを石英製ろ紙(20cm×25cm)3枚に滴下して含浸させた後、105℃で一昼夜、乾燥した。各試料番号に対応する石英ろ紙付着濃度はそれぞれ表1に記載のとおりである。
上記のようにして調製した石英製ろ紙1枚を折り畳み、断面3cm×3cmの金属製枠内に充填した。
次に、NOxを含む混合ガス(NOx:300〜330ppm(体積)、O2::4.0%(体積), N2:バランス)を通気するとともにアンモニア混合ガスを追加し、NH3/NOxモル比が0.3〜1.2の範囲内で変化させて脱硝実験を行った。
触媒反応炉11の入り口及び出口の各ガスを冷却した後、ガス濃度測定装置13を用いてNOx濃度を測定し、脱硝率を求め、その結果を併せて表1に示した。
Figure 2005313161
表1の各試験結果からつぎのことが理解される。
試験番号1の結果から、Ti(SO4)2とH22の1:1(モル比)混合水溶液を含浸して作成した石英製ろ紙は、NH3/NOx(モル比)が0.3〜1.2の広範囲で脱硝活性を示すことが理解され、例えば、NH3/NOx=1.2(モル比)の脱硝率は31%であった。
次に、試験番号2,3,4の試験結果から、Fe/Ti=0.1(モル比)一定で、Ti(SO4)2とH22の混合割合を変えて調製した各溶液を含浸して作成した石英製ろ紙の脱硝率は、横軸をH22/Tiのモル比にて示した図2に示すとおり、ペルオキシチタン酸塩調製時のH22/Tiのモル比が1付近で脱硝率が最も高くなることがわかった。
試験番号1,3,5の測定結果から、H22/Ti=1.0(モル比)一定で、FeSO4添加濃度を変化させた溶液を含浸した石英製ろ紙の脱硝率は、図3に示すように、ペルオキシチタン酸塩調製時のFe/Ti比が0〜0.3の範囲では、Fe/Ti比の増加にほぼ比例して脱硝率が高くなり、NH3/NOx=1.2(モル比)での脱硝率はFe/Ti=0.3で51%に到達した。
試験番号1,6,7の測定結果から、H22/Ti=1.0(モル比)一定で、NH4VO3添加濃度を変化させた溶液を含浸した石英製ろ紙の脱硝率は、図4に示すように、ペルオキシチタン酸塩調製時のV/Ti比が0〜0.3の範囲では、V/Ti比=0.1〜0.3ではほぼ一定の比較的高い脱硝率(NH3/NOx=1.2(モル比)での脱硝率=49〜53%)を示すことがわかった。
試料番号7,9,10の測定結果から、H22/Ti=1.0(モル比)一定で、濃度の異なる溶液を含浸した石英製ろ紙の脱硝率は、図5に示すように、ペルオキシチタン酸塩調製時の溶液濃度(as Ti(SO4)2濃度)が0.3〜3%の範囲では、溶液濃度の増加に伴い脱硝率が急激に上昇することがわかった。
30%Ti(SO4)2溶液のみを対照(試験番号11)として、この30%Ti(SO4)2溶液に対して30%過酸化水素水(H22)の共存溶液(H22/Ti=1.0(モル比)、 3% as Ti(SO4)2)(試験番号12)、さらにこのペルオキシチタン酸塩水溶液にFeSO4を溶解した溶液(Fe/Ti=0.3)(試験番号13)、またはNH4VO3を溶解した溶液(V/Ti=0.3)を調製した(試験番号14)。(表2参照)
Figure 2005313161
これらの溶液を磁性るつぼに入れ、500℃の電気炉で約1H、加熱したのち、冷却し、X線回折分析を行った。
その結果を図6に示したが、Ti(SO4)2の500℃加熱物では、TiOSO4およびアナターゼ型TiO2に相当する回折ピークが低強度で検出された。
一方、ペルオキシチタン酸溶液の500℃加熱物では、アナターゼ型および単斜晶系のTiO2が検出された。この化合物は脱硝活性を示すことから、アナターゼ型あるいは単斜晶系のTiO2自身が脱硝活性成分のひとつであると推定される。
FeSO4を共存させたペルオキシチタン酸溶液の500℃加熱物のX線回折パターンは、ペルオキシチタン酸溶液の500℃加熱物と類似しており、アナターゼ型および単斜晶系のTiO2が検出されたが、鉄化合物に由来する回折ピークは検出されなかったことから、鉄化合物は非結晶質の化合物として存在するものと考えられ、このような鉄化合物が脱硝活性を示す成分のひとつと推定される。
NH4VO3を共存させたペルオキシチタン酸溶液の500℃加熱物では、明瞭なアナターゼ型TiO2の回折ピークのほか、V25に由来する回折ピークが検出されたことから、この場合には十分に発達したアナターゼ結晶とV25の混合物に相当する。この場合にも比較的高い脱硝率を示すことから、アナターゼ型TiO2とV25の混合物が脱硝活性成分であると考えられる。
(劣化触媒の調整)
劣化触媒として、ハニカム型の脱硝触媒(酸化チタン担体にバナジウム及びタングステンを混合して含浸してハニカム状に形成した排煙脱硝用触媒;目ピッチ:7.3mm、目開き:6.0mm、壁厚:1.3mm、セル形状:四角、セル数:4×4個、触媒長さ:200mm)を0.1mol/L、NaOH溶液に浸漬して劣化させて用いた。
(脱硝実験)
得られた劣化触媒にNOxを含む混合ガス(NOx:250ppm(体積)、O2::4.0%(体積), N2:バランス)を通気するとともにアンモニア混合ガスを追加し、NH3/NOxモル比を0.6及び0.8と変化させて脱硝実験を行った。このときの反応温度は390℃であり、空間速度(L/V)は0.40m/sとした。
触媒反応炉の入り口及び出口の各ガスを冷却し、実施例1と同一のガス濃度測定装置を用いてNOx濃度を測定し脱硝率を求め、結果を表3に示した。
30%硫酸チタン(Ti(SO4)2)溶液、30%過酸化水素(H22)の水溶液及びバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)を表3に記載のとおり溶解することにより、バナジウムが共存するペルオキシチタン酸塩水溶液(3% as Ti(SO4)2)、H22/Ti=1.0(モル比)、V/Ti=0.1(モル比))(共存溶液)を調製した。
この共存溶液50mlを、上記の劣化触媒に噴霧した。噴霧溶液の付着量から算出した、各成分の劣化触媒への付着量は表3に示すとおりである。
上記のようにして共存溶液を噴霧した劣化触媒の脱硝実験を対照例と同一条件で行い、脱硝率を求め、その結果を合わせて表3に示した。
表3の結果から、劣化触媒にバナジウムが共存するペルオキシチタン酸塩水溶液を噴霧すると、脱硝率が、NH3/NOxモル比を0.6としたとき、44.8%に低下した脱硝率を56.9%に回復することができ、また、NH3/NOxモル比を0.8としたとき、51.6%に低下した脱硝率を68.4%に回復することができた。
Figure 2005313161
以上説明したように、本発明によれば、脱硝作用のある脱硝触媒が製造され、この脱硝触媒の製造方法を触媒活性が低下した脱硝触媒の表面に適用することにより、火力発電所や燃焼設備の排煙脱硝設備において、活性が低下した脱硝触媒の活性を簡易かつ安価に再生することができる。
本発明に係る脱硝率測定装置のフローを説明する図である。 ペルオキシチタン酸塩調製時のH22/Ti比が脱硝率に与える影響を説明するグラフである。 ペルオキシチタン酸塩調製時のFe/Ti比が脱硝率に与える影響を説明するグラフである。 ペルオキシチタン酸塩調製時のV/Ti比が脱硝率に与える影響を説明するグラフである。 ペルオキシチタン酸塩調製時の溶液濃度が脱硝率に与える影響を説明するグラフである。 本発明の実施例に係る各種チタン化合物のX線回折パターンを示す図である。
符号の説明
10:脱硝率測定装置
11:触媒反応炉
12:混合ガス供給系
13:ガス濃度測定装置
14:脱硝触媒試料片
15:ガス供給源
16:精密ガス混合装置
17:石英製加熱管
18:ガス混合炉
19:試料採取管
20:除湿器

Claims (8)

  1. ペルオキシチタン酸塩の水溶液又は硫酸チタン水溶液と過酸化水素水を混合することにより得られた水溶液を基材の表面に付与した後、乾燥、焼成することを特徴とする脱硝触媒の製造方法。
  2. 前記基材への水溶液の付与は噴霧により行われることを特徴とする請求項1記載の脱硝触媒の製造方法。
  3. 前記水溶液は活性成分が共存された共存溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の脱硝触媒の製造方法。
  4. 前記活性成分は、Pt、Pd、V、Fe、Cu、Mn、Cr、Mo、Coから選択される活性元素の塩の形態で共存されていることを特徴とする請求項3記載の脱硝触媒の製造方法。
  5. 前記活性成分は、鉄塩またはバナジウム塩であることを特徴とする請求項3記載の脱硝触媒の製造方法。
  6. 前記基材は活性が低下した脱硝触媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脱硝触媒の製造方法。
  7. 前記基材は、脱硝設備に装填された状態で行われることを特徴とする請求項6に記載の脱硝触媒の製造方法。
  8. 前記基材は、多孔質であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の脱硝触媒の製造方法。
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