JP2005307247A - 銅の溶媒抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液から、第1銅イオンを選択的に分離回収するとともに、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率が維持することができる溶媒抽出方法を提供する。
【解決手段】第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液にトリブチルフォスフェイトを主成分とする抽出剤を接触混合させて第1銅イオンを抽出するに当たり、抽出剤中のトリブチルフォスフェイトの濃度を80〜90容量%に調整して、第1銅イオンを抽出剤中に抽出し、次いで第1銅イオンを抽出した抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出することを特徴とする銅の溶媒抽出方法などによって提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅の溶媒抽出方法に関し、さらに詳しくは、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液から、第1銅イオンを選択的に分離回収するとともに、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率を維持することができる溶媒抽出方法に関する。
非鉄金属精錬、銅を含む鉄鋼精錬の副産物、及び金属質廃棄物処理において、銅と種々の共存元素を分離する技術は、銅の収率と品質の向上、鉄の高純度化などにとって重要な技術課題であった。この一般的な方法としては、銅と鉄等が溶液中に共存するときには、鉄を酸化して沈殿除去する方法が行われていた。しかし、沈殿された水酸化鉄は一般に含水率が高く、銅のほか、他の共存元素も含み純度が低いので、利用先が限られ多くは廃棄となる。このとき共沈殿した銅も同時に廃棄されてロスとなっていた。
この解決策としては、液中に低濃度に含まれる元素を濃縮し、また他の元素との分離が工業的に可能である有機溶媒からなる抽出剤を用いる溶媒抽出法が有効である。
銅と鉄を溶媒抽出法によって分離する代表的な方法として、以下の方法が挙げられる。例えば、一部硫化銅鉱物を含む酸化銅鉱石の硫酸浸出法において得られる2価の銅イオン(第2銅イオン)、2価の鉄イオン(第1鉄イオン)及び3価の鉄イオン(第2鉄イオン)を含む浸出生成液から第2銅イオンを商品名LIX64等の酸性抽出剤を用いて溶媒抽出する方法が行われている。また、自動車、家電製品等の廃棄物処理過程で、アンミン浸出液中の第2銅イオンをLIX54で抽出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、上記酸性抽出剤による抽出では、銅が抽出されるにしたがって液のpHが下がるので、液のpHを1.5〜2.5に保つため水酸化ナトリウムやアンモニア等の中和剤の添加が必要となり、これら中和剤の成分の浸出液への蓄積が問題となる。また、抽出後の抽出剤から銅を逆抽出するためには強酸性領域で行う必要がある。したがって、銅や鉄等が強酸性領域で浸出された浸出生成液の場合には、抽出及び逆抽出工程において酸やアルカリを大量に消費するという問題がある。
一方、鉄イオンの分離に従来から使われているトリブチルフォスフェイト(TBP)やトリオクチルフォスフィンオキシド(TOPO)等のような中性抽出剤では、液のpHにかかわらず金属イオンを抽出できるので、塩化物水溶液では、抽出及び逆抽出において酸及びアルカリをほとんど必要としない。しかしながら、中性抽出剤は、第2銅イオンに対する抽出性がない。従って、第2銅イオン、第1鉄イオン及び第2鉄イオンを含む塩化物水溶液に中性抽出剤による溶媒抽出法を適用する場合には、中性抽出剤に第2鉄イオンを抽出させ、抽出残液に第2銅イオンを残留させることで銅と鉄を分離することができる。しかしながら、第1鉄イオンの存在は鉄の抽出を不安定にするので、第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化しておくことが必要であった。
また、塩素ガスによる浸出で得られた浸出生成液中のニッケル及びコバルトから銅を溶媒抽出によって分離回収する方法において、液中の銅イオンを1価に還元した後、中性抽出剤を用いて第1銅銅を抽出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これによって、ニッケル及びコバルトから第1銅イオンを抽出分離することができる。しかし、液中に鉄が共存する場合における鉄と銅との分離については言及されていない。
ところで、近年、銅硫化鉱物の湿式精錬法において、塩化物水溶液から銅を電解採取する方法が注目されている。これは、硫酸水溶液と異なり、塩化物水溶液では第1銅イオンが安定に存在できるので、第1銅イオンを含む電解始液を用いると、通常の2価の銅の電解と比べて電解電力が半減される効果があるからである。この際、電解始液としては、塩化第1銅イオンを含み、鉄等の不純物元素を含まない水溶液が望ましい。
上記のような電解始液を得る方法としては、第2銅イオン、第1鉄イオン及び第2鉄イオンを含む塩化物水溶液を還元し、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む液を得て、これを中性抽出剤と接触させて第1銅イオンを該抽出剤中に抽出した後、該抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出することからなる方法が考えられる。しかしながら、中性抽出剤、例えばTBPを用いた溶媒抽出法では、抽出剤中の第1銅イオンが完全に逆抽出されないという現象がおこり、そのため、逆抽出後の繰返し抽出剤による抽出において、所定の銅イオン抽出率を得ることが困難であった。このため、所定の抽出率を得るために高価なTBPを新規に追加する必要があり、経済性が悪くなる。
このような状況から、塩化物水溶液中の、銅と鉄を溶媒抽出法で分離する際に、工業的に効率的な溶媒抽出法が望まれていた。
特開平06−240373号公報(第1頁、第2頁) 特開平08−176693号公報(第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液から、第1銅イオンを選択的に分離回収するとともに、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率を維持することができる溶媒抽出方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液の溶媒抽出方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の濃度に調整したTBPを主成分とする抽出剤を用いて、第1銅イオンを該抽出剤中に抽出した後、該抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出したところ、第1銅イオンを選択的に分離回収することができるとともに、高逆抽出率を保つことができることを見出し、本発明を完成した。これによって、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率を維持することができる。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液にTBPを主成分とする抽出剤を接触混合させて第1銅イオンを抽出するに当たり、
抽出剤中のTBPの濃度を80〜90容量%に調整して、第1銅イオンを抽出剤中に抽出し、次いで第1銅イオンを抽出した抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出することを特徴とする銅の溶媒抽出方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記塩化物水溶液は、酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)が350mV以下であることを特徴とする銅の溶媒抽出方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記逆抽出に用いる水溶液は、銅濃度が0〜70g/L、塩素イオン濃度が50〜350g/Lであることを特徴とする銅の溶媒抽出方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記逆抽出における温度は、20〜90℃であることを特徴とする銅の溶媒抽出方法が提供される。
本発明の銅の溶媒抽出方法は、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液から、第1銅イオンをTBPを主成分とする抽出剤中に選択的に分離回収することができるとともに、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率を維持することができるので、その工業的価値は極めて大きい。また、TBPを所定の濃度にすることによって、TBPを単独で用いる場合に比べて抽出剤の粘度が低下し、それによって水相と溶媒相の分離が短時間で確実に行なわれ、高い生産性を得ることができるので、より有利である。
以下、本発明の銅の溶媒抽出方法を詳細に説明する。
本発明の銅の溶媒抽出方法は、第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液にTBPを主成分とする抽出剤を接触混合させて第1銅イオンを抽出するに当たり、抽出剤中のTBPの濃度を80〜90容量%に調整して、第1銅イオンを抽出剤中に抽出し、次いで第1銅イオンを抽出した抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出することを特徴とする。
本発明において、前記抽出剤中のTBPの濃度を、希釈剤を添加して、80〜90容量%に調整することが重要である。これによって、TBPを主成分とする抽出剤中に第1銅イオンを選択的に分離回収することができるとともに、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率を維持することができる。すなわち、抽出剤中のTBPの濃度は、この抽出剤を繰返し使用する際の課題と密接に関係している。この点について、図面を用いて、詳細に説明する。
図1は、TBPを抽出剤として用いた第1銅イオンを抽出する溶媒抽出方法の工程の概略を表すものである。ここで、銅と鉄を含む塩化物水溶液から銅を分離回収するプロセスの一環として、上記工程を使用する際には、事前に、塩化物水溶液中の銅と鉄をそれぞれ第1銅と第1鉄に還元しておく。
まず、上記工程の操作の概要を説明する。図1において、銅イオン抽出工程8で、抽出始液1は、銅イオンをほとんど含まない逆抽出後(再生)TBP液6を接触混合される。ここで、第1銅イオンはTBP中へ抽出され、銅イオンを含む抽出後TBP液5と抽出残液2が形成される。その後、銅イオン逆抽出工程(TBP再生工程)7で、抽出後TBP液5は、銅イオン濃度の低い逆抽出(TBP再生)始液3と接触される。ここで、抽出後TBP液5から必要量の銅イオンを抜き取ることによって、銅イオンをTBP再生終液(逆抽出生成液)4に分離回収するとともに、TBPを再生し、逆抽出後(再生)TBP液6として、再度、銅イオン抽出工程8に繰返す。
次に、抽出剤中のTBPの濃度と繰返し使用の課題について説明する。
本発明の方法においては、抽出剤である逆抽出後(再生)TBP液6中のTBPの濃度を80〜90容量%、好ましくは80〜85容量%の範囲に調整する。すなわち、TBPの濃度がこの範囲であれば、抽出率は若干低下するものの逆抽出率は大幅に改善される。例えば、1回の抽出操作による第1銅イオンの抽出率を約40〜55%の間に保ちながら、逆抽出率を50〜70%、好ましくは60〜70%に改善することができる。また、TBPの濃度が80容量%未満では、銅イオン抽出工程8における第1銅イオン抽出率が急激に下がり、所定の抽出量を得ることができなくなり、効率が悪くなる。
一方、TBPの濃度が90容量%を超えると、この抽出剤を繰返し使用した際に、第1銅イオンの高抽出率を維持することが困難であることのほか、抽出剤の粘度が上昇し溶媒相と水相の分離が困難になるという問題が起きる。すなわち、上記銅イオン抽出工程8では、一般に、抽出剤中のTBPの濃度が高いほど抽出剤への第1銅イオンの抽出率が上昇し効率良く抽出が行なわれる。例えば、TBPの濃度が90〜100容量%では、1回の抽出操作による第1銅イオンの抽出率を55〜80%と高く保つことができる。
ここで、TBPの濃度として90容量%を超える濃度が選ばれた場合、一旦抽出された第1銅イオンは、単純な再生操作のみでは完全に逆抽出することが難しいという問題が発生する。例えば、逆抽出率は30〜50%となる。このため、TBP再生終液(逆抽出生成液)4の銅イオン濃度を高くすることができないとともに、逆抽出後(再生)TBP液6中の第1銅イオン濃度が高くなる。また、銅イオン抽出工程8で抽出後TBP液5の銅濃度は一定値以上には上昇しないので、この逆抽出後(再生)TBP液6を抽出剤として繰返し使用した際には、銅イオン抽出工程8で所定の銅イオン抽出率を得ることが困難である。このため、所定の抽出率を得るためには高価なTBPを新規に追加することが必要であり、経済性が悪くなってしまう。
さらに、抽出剤中のTBPの濃度を高くすると、抽出剤の粘度が上昇し、溶媒相と水相の分離が困難になるという問題が発生する。すなわち、TBPの濃度が80容量%では、粘度は3.0mPa・sであり、分離性は良好であるが、100容量%では、3.7mPa・sに上昇する。特に、TBP中に第1銅イオンが高濃度に抽出されると粘度が極端に上昇するので、溶媒相と水相を分離するのに特殊な装置が必要になったり、又は分離時間が極端に長くなるなどの弊害が出ることにより、生産性が悪くなってしまう。
本発明に用いる抽出剤に含まれる希釈剤としては、特に限定されるものではなく、TBPの特性を著しく損なうことなく、かつ流動性が良い(粘度が低い)有機溶媒であれば用いることができるが、この中で、一般的にTBPの希釈剤として用いられる無極性の有機溶媒、特に、その危険性、流動性、取扱いの簡便さ等から危険物第4類の第2石油類(ケロシン等)及び第3石油類(ドデカン等)が好ましい。
本発明に用いる第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液は、特に限定されるものではないが、塩化物水溶液の酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を450mV以下、好ましくは350mV以下、より好ましくは250〜300mVに調整することにより得られるものである。塩化物水溶液の酸化還元電位の調整方法は、特に限定されず、従来公知の方法、例えば、不活性雰囲気で金属銅、あるいは銅より卑な金属鉄等を加える方法、二酸化硫黄ガス等の還元剤を添加する方法等によって行うことができる。
本発明では、第1銅イオンを抽出剤中に抽出した後、該抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出する。この逆抽出は、必要に応じて、繰返し行うことにより逆抽出率を上げることができる。上記逆抽出に用いる水溶液の銅濃度は、特に限定されるものではないが、0〜70g/L、好ましくは0〜30g/Lである。すなわち、新液の場合、逆抽出液の銅濃度は、0であるが、繰返し使用の場合、銅イオンが含まれることとなる。この逆抽出に供せられる水溶液中の銅濃度の上限は、70g/Lとすることが好ましい。これ以上逆抽出液の銅濃度が高いと、逆に溶媒側に銅が移動する現象が起こる。
上記逆抽出に用いる水溶液の塩素イオン濃度は、特に限定されるものではなく、50〜350g/Lが用いられる。塩素イオン濃度は、逆抽出される銅濃度にあわせて決められる。すなわち、逆抽出される第1銅イオンは水への溶解度が小さいため、逆抽出された銅イオンが溶液の状態を保つために、逆抽出に用いる溶液は逆抽出される銅濃度にあわせて塩素イオン濃度を高く保つ必要がある。具体的には、第1銅イオン濃度が5g/L以上になるようであれば、塩素イオン濃度は50g/L以上、第1銅イオン濃度が50g/L程度になると予想される場合は塩素イオン濃度は150g/L以上、第1銅イオン濃度が80g/L以上になるようであれば塩素イオン濃度は200g/L以上に保つ必要がある。また、実用的には、塩素イオン濃度の上限は、350g/L程度であるので、この値が塩素イオン濃度の上限となる。
なお、逆抽出に用いる水溶液の塩素イオン濃度は、塩酸、NaCl等の塩化物イオンを加えることにより調整することができる。
上記逆抽出時の温度は、特に限定されるものではなく、20〜90℃、好ましくは40〜90℃である。20℃以上にすることによりTBP中の銅イオンは、より多く水相側へ排出され、逆抽出率が大きくなる。一方、90℃を超えると放熱量が多くなり、温度を保つことが困難になる上、溶媒の蒸散量も多くなるため現実的ではなく、溶媒相及び水相が安定な状態を保つことができない。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた銅の分析方法は、ICP発光分析法で行った。
また、実施例及び比較例で用いた抽出始液、抽出剤、及び逆抽出始液とその調製方法は、以下の通りであった。
(1)抽出始液:塩酸でpHを、1.0に調整し、さらに金属銅を用いて酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を300mV以下になるように調節した。第1鉄イオン濃度:100g/L、第1銅イオン濃度:40g/L、塩素イオン濃度:200g/L。
(2)抽出剤:希釈剤としてケロシン相当であるシェルゾールA(昭和シェル石油製、炭化水素系無極性洗浄剤)を使用して、抽出剤中のTBPを所定濃度に調整した。
(3)逆抽出始液:pHを塩酸で1.0に調節した。塩素イオン濃度:100g/L。
(実施例1)
まず、抽出剤中のTBPの濃度を80容量%に調整した抽出剤を用いて、上記抽出剤300mLと上記抽出始液300mLとを40℃に保温されたビーカーに入れ、スターラーで10分間攪拌混合を行い、銅イオン抽出率(抽出剤への移行率)を得た。結果を図2に示す。
次に、上記抽出操作後の抽出剤40mLと上記逆抽出始液40mLとを、60℃に保温されたビーカーに入れ、スターラーで10分間攪拌混合を行い銅イオン逆抽出率(逆抽出始液への移行率)を得た。結果を図3に示す。なお、使用した抽出剤の24℃での粘度を図4に示す。
(実施例2)
抽出剤中のTBPの濃度が90容量%であった以外は実施例1と同様に行い、銅イオン抽出率、銅イオン逆抽出率、及び粘度を得た。結果を、それぞれ図2、図3、及び図4に示す。
(比較例1)
抽出剤中のTBPの濃度が70容量%であった以外は実施例1と同様に行い、銅イオン抽出率、銅イオン逆抽出率、及び粘度を得た。結果を、それぞれ図2、図3、及び図4に示す。
(比較例2)
抽出剤中のTBPの濃度が100容量%であった以外は実施例1と同様に行い、銅イオン抽出率、銅イオン逆抽出率、及び粘度を得た。結果を、それぞれ図2、図3、及び図4に示す。
図2〜4より、抽出において銅イオン抽出率はTBP濃度を上昇させるとそれに応じて上昇すること、逆抽出において銅イオン逆抽出率はTBP濃度を上昇させるとそれに応じて下降すること、及びTBP濃度を上昇させると粘度は次第に上昇することが分る。
これより、TBP濃度が80容量%(実施例1)では、抽出率は約40%であり、逆抽出率は70%以上となる。したがって、第1銅イオンの抽出始液から逆抽出生成液への移動量(抽出率×逆抽出率)は、抽出始液に対して約28%となる。この場合、抽出剤中の銅イオン濃度は最も下がった状態で3g/Lであり、抽出工程に繰返したときの抽出残液中の銅イオン濃度は最も下がった状態で2g/Lとなる。
また、TBP濃度が90容量%(実施例2)では、抽出率は約55%であるが、この溶媒を逆抽出した時には逆抽出率が52%となる。この場合の銅イオンの移動量は、抽出始液に対して約28%となる。この場合、抽出剤中の銅イオン濃度は最も下がった状態で6g/Lであり、抽出工程に繰返したときの抽出残液中の銅イオン濃度は最も下がった状態で2g/Lとなる。
これに対して、TBP濃度が70容量%(比較例1)では、抽出率は約25%となり、逆抽出率は約85%となる。この場合、銅イオンの移動量は抽出始液に対して22%以下となり、銅移動量が大幅に減少してしまう。これ以上の希釈は効率が落ちることとなる。
また、TBP濃度が100容量%(比較例2)では、抽出率は約80%であるが、逆抽出率が35%しか得られず、銅イオンの移動量は抽出始液に対して約28%となる。また、この逆抽出後抽出剤を再び抽出に用いると、初期の抽出剤に比べると35%の抽出能力しか得られず、十分な抽出ができないことになる。さらに、抽出剤中に銅イオンが多く残っていると、抽出工程を通った後の抽出残液中の銅濃度も高いままとなり、その後の工程に悪影響を及ぼすことになる。この場合、抽出剤中の銅イオン濃度は最も下がった状態で15g/Lであり、抽出工程に繰返したときの抽出残液中の銅濃度は最も下がった状態で3g/Lとなった。
以上より、実施例1又は2では、抽出剤中のTBPの濃度で、本発明の方法に従って行われたので、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際にも高抽出率が維持することができることが分かる。これに対して、比較例1又は2では、抽出剤中のTBPの濃度がこれらの条件に合わないので、逆抽出後の抽出剤を繰返し使用した際に抽出率において満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の銅の溶媒抽出方法は、塩化物水溶液中の銅、鉄などの有価金属を分離回収する精錬プロセス分野において利用されるものである。特に第1銅イオンを含む電解始液を製造する方法として有用である。
TBPを抽出剤として用いた第1銅イオンを抽出する溶媒抽出方法の工程の概略を表す図である。 TBP濃度と銅イオン抽出率の関係を表す図である。 TBP濃度と銅イオン逆抽出率の関係を表す図である。 TBP濃度と抽出剤の粘度の関係を表す図である。
符号の説明
1 抽出始液
2 抽出残液
3 逆抽出(TBP再生)始液
4 TBP再生終液(逆抽出生成液)
5 抽出後TBP液
6 逆抽出後(再生)TBP液
7 銅イオン逆抽出工程(TBP再生工程)
8 銅イオン抽出工程

Claims (4)

  1. 第1銅イオンと第1鉄イオンを含む塩化物水溶液にトリブチルフォスフェイトを主成分とする抽出剤を接触混合させて第1銅イオンを抽出するに当たり、
    抽出剤中のトリブチルフォスフェイトの濃度を80〜90容量%に調整して、第1銅イオンを抽出剤中に抽出し、次いで第1銅イオンを抽出した抽出剤に水溶液を接触させて第1銅イオンを水溶液中に逆抽出することを特徴とする銅の溶媒抽出方法。
  2. 前記塩化物水溶液は、酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)が350mV以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅の溶媒抽出方法。
  3. 前記逆抽出に用いる水溶液は、銅濃度が0〜70g/L、塩素イオン濃度が50〜350g/Lであることを特徴とする請求項1に記載の銅の溶媒抽出方法。
  4. 前記逆抽出における温度は、20〜90℃であることを特徴とする請求項1に記載の銅の溶媒抽出方法。
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