JP2005306919A - 硬化型組成物及び該組成物を用いた塗装方法 - Google Patents
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Abstract
硬化するための乾燥時間が短く、耐水性、耐久性に優れる塗膜を形成することが可能な、地球環境へ配慮した生分解性を有する材料を含有する硬化型組成物及びそれを用いた塗装方法を提供する。
【解決手段】
(A)キシロース及びアラビノースを構成単位とする多糖類及び(B)成分(A)中に含まれる水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する硬化型組成物及び該組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。多糖類(A)は、トウモロコシの種皮により得られるものであることが望ましく、硬化剤(B)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物又は該化合物のイソシアネート基をブロック化したブロックイソシアネート化合物であることが望ましい。
【選択図】 なし。
Description
1. (A)キシロース及びアラビノースを構成単位とする多糖類及び(B)成分(A)中に含まれる水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する硬化型組成物、
2. 多糖類(A)が、トウモロコシの種皮により得られるものであることを特徴とする1項に記載の硬化型組成物、
3. 硬化剤(B)が、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物又は該化合物のイソシアネート基をブロック化したブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする1項または2項に記載の硬化型組成物。
4. さらに可塑剤(C)を含有することを特徴とする1項ないし3項のいずれか1項に記載の硬化型組成物、
5. さらにシリコン系撥水剤(D)を含有することを特徴とする1項ないし4項のいずれか1項に記載の硬化型組成物、
6. 被塗面に、1項ないし5項のいずれか1項に記載の硬化型組成物を塗装することを特徴とする塗装方法、
7. 被塗面に、1項ないし5項のいずれかに記載の硬化型組成物を塗装した後、該塗面上にシリコン系撥水剤(D)を塗装することを特徴とする塗装方法、
に関する。
本発明において、多糖類(A)は、バインダー成分として用いられるものであり、キシロース及びアラビノースを構成単位とすることを特徴とする。
本発明の硬化型組成物に含有される硬化剤(B)は、成分(A)中に含まれる水酸基と反応する官能基を有する硬化剤である。該硬化剤(B)としては、例えば、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を含有する化合物、該化合物のイソシアネート基をブロック化したブロックイソシアネート化合物及びアミノ樹脂等が挙げられる。
R1O−(R2O)n−H
(ここでR1はアルキル基、R2はアルキレン基、nは2〜100)で示されるものであり、例えばメトキシポリメチレンエ−テルグリコ−ル、メトキシポリエチレンエ−テルグリコ−ル、エトキシポリエチレンエ−テルグリコ−ル、エトキシポリブチレンエ−テルグリコ−ルなどが挙げられ、数平均分子量が100〜4,000、好ましくは400〜2,000の範囲を有するものが使用できる。本明細書において、数平均分子量は、溶媒としてテロラヒドロフランを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量をポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算したときの値とする。
本発明の硬化型組成物は、上記多糖類(A)及び硬化剤(B)を含有するものであるが、硬化型組成物の成膜性を向上させ、良好な仕上がり性を得るために、可塑剤(C)を含有することが望ましい。
表1のベース塗料に示す各成分を配合し、攪拌混合して各ベース塗料を作成した後、表1に従い各硬化剤を各ベース塗料に配合して、水性塗料組成物(A−1)〜(A−8)を得た。尚、表1中における(注1)〜(注8)は下記の通りである。
(注2)「チタンCR−97」:商品名、石原産業社製、チタン白
(注3)「BYK190」:商品名、ビックケミ社製、顔料分散剤
(注4)「ラクチトール」:日研化学社製、糖アルコール
(注5)「スラオフ72N」:商品名、武田薬品社製、防腐剤
(注6)「水性エクセラ」:商品名、関西ペイント社製、シリコン系撥水剤
(注7)硬化剤A:
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量550のメトキシポリエチレンエーテルグリコール41部と「タケネートD170HN」(商品名、武田薬品工業社製、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)504部を入れ、窒素置換後70℃で6時間反応させて水分散可能なポリイソシアネートを得た。イソシアネート含量は22.9%、粘度1300cpsであった。
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、「LTI」(商品名、協和発酵工業(株)製、天然アミノ酸を主原料とした3官能の脂肪族イソシアネート)540部、メチルエチルケトオキシム440部を入れ、窒素置換後NCO価が3以下になるまで80℃で反応させ、ブロックポリイソシアネート化合物を得た。
上記実施例及び比較例で得られた各水性塗料組成物を用いて、常温乾燥、強制乾燥及び加熱乾燥の各乾燥条件にて試験塗板を作成し、各種評価試験を行った。また、該水性塗料組成物塗装後、該塗面上にシリコン系撥水剤を塗装する方法についても試験塗板を作成し、各種評価試験を行った。
実施例7
(*1)指触乾燥性
水性塗料組成物(A−1)を、150ミクロンのアプリケーターでガラス板に塗装し、20℃・60%RHの雰囲気で6時間乾燥させた後、塗膜の指触乾燥性を調べ、下記基準で評価した。
◎:全く指紋がつかない、○:指紋がつくがしばらくすると元に戻る、△:指紋がついて元に戻らない、×:塗膜が指に付着する。
(*2)塗膜外観
スレート板(70×150×5mm)上に「EPシーラー透明」(関西ペイント社製、アクリルエマルション系シーラー)を塗布量150g/m2になるように刷毛塗りし、20℃・60%RHで1日乾燥させたものを試験素材とした。次に、該試験素材に水性塗料組成物(A−1)を塗布量100g/m2になるように各試験素材に刷毛塗りし、4時間放置後、さらに同じ水性塗料組成物を塗布量100g/m2になるように刷毛で塗り重ねて、20℃・60%RHで7日乾燥させて各試験塗板を得た。得られた試験塗板の塗膜表面の状態を下記基準にて目視で観察した。
◎:非常に良好、○:良好、△:やや不良、×:ワレやチヂミなどの欠陥あり
(*3)耐水性:上記塗膜外観の試験で使用したものと同様の試験塗板を水(20℃)に1日間浸漬した後の塗膜の状態を目視で観察した。
◎:良好、○:わずかに艶引けするが実用レベル、△:艶引け、白化、フクレが認められる、×:著しくフクレが認められる、又は塗膜が軟化する
(*4)生分解性:
水性塗料組成物(A−1)を150ミクロンのアプリケーターでポリプロピレン製の板に塗装し、20℃・60%RHの雰囲気で7日放置後、該板から塗膜を剥離し、試験片を得た。得られた試験片を2枚のポリプロピレン製の網に挟み、神奈川県平塚市の関西ペイント株式会社内の敷地深さ50cmの土中に埋没し、6ヶ月後に目視で評価を行った。
◎:試験片が完全に消失している、○:試験片の60%以上が消失している。×:試験片が完全に残っている。
上記実施例7において、水性塗料組成物(A−1)に換えて下記表2に記載の水性塗料組成物を使用する以外は上記実施例7と同様にして各試験塗板及び試験片を作成し、上記評価試験に夫々供した。結果を表2に示した。
実施例12
上記実施例7において、水性塗料組成物(A−1)の乾燥条件を60℃2時間とする以外は、上記実施例7と同様の方法にて試験塗板及び試験片を作成し、各評価試験を行った。結果を表2に併記した。
実施例13
上記実施例7において、水性塗料組成物(A−1)に換えて水性塗料組成物(A−6)を用い、該水性塗料組成物(A−6)の乾燥条件を150℃、30分とする以外は、上記実施例7と同様の方法にて試験塗板及び試験片を作成し、各評価試験を行った。結果を表2に併記した。
実施例14
水性塗料組成物(A−1)を150ミクロンのアプリケーターでガラス板に塗装し、20℃・60%RHの雰囲気で6時間放置させた。その後、「水性エクセラ」(関西ペイント社製、シリコン系撥水剤)を150ミクロンのアプリケーターで塗り重ね、20℃・60%RHで1日乾燥させた後、上記評価基準で塗膜の指触乾燥性を調べた。結果を表2に併記した。
また、スレート板(70×150×5mm)上に「EPシーラー透明」(関西ペイント社製、アクリルエマルション系シーラー)を塗布量150g/m2になるように刷毛塗りし、20℃・60%RHで1日乾燥させた。次に、水性塗料組成物(A−1)を塗布量100g/m2になるように刷毛塗りし、4時間放置後、さらに同じ水性塗料組成物を塗布量100g/m2になるように刷毛で塗り重ねて、20℃・60%RHで1日乾燥させた。さらに、「水性エクセラ」(関西ペイント社製、シリコン系撥水剤)を塗布量100g/m2になるように刷毛塗りし、20℃・60%RHで7日乾燥させた後、上記評価基準で塗膜外観を評価し、結果を表2に併記した。
また、水性塗料組成物(A−1)を150ミクロンのアプリケーターでポリプロピレン製の板に塗装し、20℃・60%RHで1日乾燥させた。さらに、「水性エクセラ」(関西ペイント社製、シリコン系撥水剤)を150ミクロンのアプリケーターで塗り重ね、20℃・60%RHの雰囲気で7日放置後、該板から塗膜を剥離し、試験片を得、生分解性試験を上記方法基準にて行い、結果を表2に併記した。
Claims (7)
- (A)キシロース及びアラビノースを構成単位とする多糖類及び(B)成分(A)中に含まれる水酸基と反応する官能基を有する硬化剤を含有する硬化型組成物。
- 多糖類(A)が、トウモロコシの種皮により得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化型組成物。
- 硬化剤(B)が、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物又は該化合物のイソシアネート基をブロック化したブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化型組成物。
- さらに可塑剤(C)を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
- さらにシリコン系撥水剤(D)を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
- 被塗面に、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の硬化型組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。
- 被塗面に、請求項1ないし5のいずれかに記載の硬化型組成物を塗装した後、該塗面上にシリコン系撥水剤(D)を塗装することを特徴とする塗装方法。
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