JP2005300052A - 保冷配送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑かつ高価な専用保冷車を用いることなく、要保冷品をその保冷配送時に求められる0℃より高い所定の保冷温度に維持して配送可能な方法を提供する。
【解決手段】断熱材からなるブロック体に上下に貫通した物品保持穴12が形成された物品保持体11と、要保冷品10及び第一蓄冷体21を、保冷配送時に求められる保冷温度範囲内の温度で予冷し、前記予冷後、前記物品保持体の前記物品保持穴12に前記要保冷品10を収容した後、前記物品保持体11と第一蓄冷体21を、前記第一蓄冷体21が前記物品保持体11の両面に位置して前記物品保持穴12に蓋をするようにして保冷箱31内に収容し、前記保冷箱31には保冷配送時における保冷温度範囲の温度より低温の凍結状態にした第二蓄冷体41を配置して、要保冷品の配送を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複雑かつ高価な専用保冷車を用いることなく、要保冷品をその保冷配送時に求められるプラスの温度(0℃より高い温度)からなる保冷温度に維持して配送可能な方法に関する。
配送品の中には、0℃より高い所定温度範囲での保冷が求められるものがある。例えば血液や血漿の配送における保冷温度に関しては、一般的に4℃〜6℃とされ、また薬品の配送における保冷温度に関しては、一般的に2℃〜8℃とされる。
従来、複雑かつ高価な専用保冷車を用いることなく、要保冷品を簡易に保冷して配送する方法として、要保冷品を前記保冷温度範囲内の温度で予冷し、予冷後の要保冷品を、−20℃〜−15℃で凍結させた蓄冷体と共に保冷箱に収容して保冷配送する方法がある。なお、前記蓄冷体は蓄冷体容器に蓄冷剤を充填した構成からなる。
しかし、従来の保冷配送方法では、保冷箱に収容した要保冷品が配送終了時点まで、要求保冷温度範囲よりも高くならないように、保冷箱内の蓄冷剤量を調整すると、配送開始直後には蓄冷剤の冷却能力が高すぎて要保冷品の温度が前記要求保冷温度範囲より低くなり易かった。それに対して、要保冷品が配送開始直後に前記要求保冷温度範囲となるように、保冷箱内の蓄冷剤量を調整すると、配送終了時には蓄冷剤の冷却能力が低くなりすぎて要保冷品の温度が前記要求保冷温度範囲より高くなり易かった。
このように、従来にあっては、保冷箱に収容する蓄冷剤量のみで保冷箱内の要保冷品の温度を調整しているため、要保冷品を、保冷配送の開始から終了までの全期間にわたって、要保冷品に求められる保冷温度範囲内の温度に維持するのが容易ではなかった。
特開平9−170860号公報 特開2001−55271号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、複雑かつ高価な専用保冷車を用いることなく、要保冷品をその保冷配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度に維持して配送可能な方法を提供する。
本発明は、保冷箱に蓄冷剤と共に要保冷品を収容して保冷配送する保冷配送方法において、要保冷品及び第一蓄冷体を、前記保冷配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度範囲内の温度で予冷し、断熱材からなるブロック体の上面に物品保持穴が形成された物品保持体の前記物品保持穴に前記要保冷品を収容した後、前記物品保持体と前記第一蓄冷体を、前記第一蓄冷体で前記物品保持穴に蓋をするようにして前記保冷箱内に収容し、前記保冷箱にはマイナスの温度の凍結状態からなる第二蓄冷体を配置して、前記要保冷品の配送を行うことを特徴とする。
本発明によれば、断熱材からなる物品保持体の物品保持穴に収容されている要保冷品は、物品保持穴が第一蓄冷体により蓋をされていること、及び物品保持体が断熱材からなることにより、物品保持穴外部の雰囲気温度の影響を受け難く、第一蓄冷体によって効率よく保冷される。しかも、要保冷品や第一蓄冷体が、要保冷品の配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度範囲内の温度で予冷されているため、物品保持体の物品保持穴内の要保冷品は、配送時に求められる温度範囲内の温度に維持される。さらに、物品保持体が収容されている保冷箱内には、物品保持体の物品保持穴に蓋をしている第一蓄冷体の予冷温度よりも低いマイナスの温度(0℃より低い温度)の凍結状態からなる第二蓄冷体が存在するため、物品保持穴に蓋をしている第一蓄冷体は、保冷箱内に存在する第二蓄冷体の冷却作用によって温度上昇が妨げられて予冷温度、すなわち要保冷品の配送時に求められる温度範囲内の温度に維持され、要保冷品を配送時に求められる温度範囲内の温度で長時間保冷することができる。
以下本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明における要保冷品と物品保持体の一例を示す斜視図、図2は第一及び第二の実施形態において物品保持体等を保冷箱に収容する際の斜視図、図3は第一及び第二の実施形態における保冷配送時の保冷箱の断面図、図4は第三及び第四の実施形態において内箱に物品保持体等を収容する際の斜視図、図5は第三及び第四の実施形態において内箱等を保冷箱に収容する際の斜視図、図6は第三及び第四の実施形態における保冷配送時の保冷箱の断面図である。
まず、本発明において使用する物品保持体の一例について説明する。図1に示す物品保持体11は、断熱材のブロックの上面に物品保持穴12が形成されたものからなる。物品保持体11を構成する断熱材は限定されないが、発泡スチロールなどの発泡体が軽量で扱いやすいために好ましい。図示の物品保持体11は、上下面が平坦な直方体の断熱材ブロックに、物品保持穴12を4個貫通形成したものからなる。図示の例における物品保持穴12は、底のある凹部からなるものでも、あるいは図示のように上下面を貫通したものでもよいが、貫通したものとすれば、前記物品保持穴12の一端から物品保持穴12内の要保冷品10を押すことによって要保冷品10を物品保持穴12から押し出すことができ、作業性が良好になる。また、前記物品保持穴12は、要保冷品10が圧入可能であって、前記圧入により前記要保冷品10と物品保持穴12の内面が圧接して要保冷品10の保持が可能な大きさとされる。
要保冷品10は、0℃よりも高い低温で保冷の要求されるものとされ、その種類は特に限定されない。以下の例においては、前記要保冷品10が2℃〜8℃の保冷温度範囲で保冷の要求されるものについて説明する。なお、図1に示す要保冷品10は、薬品などが瓶などの容器に入れられ、さらに化粧箱に収容されたものからなるが、本発明における要保冷品は、化粧箱に収容されていないものでもよい。
本発明の第一の実施形態は、予冷作業と、物品保持体への要保冷品の収容作業と、保冷箱への収容作業と、配送作業とよりなる。
予冷作業では、要保冷品10と物品保持体11及び第一蓄冷体21の予冷を行う。前記第一蓄冷体21は、物品保持体11の物品保持穴12に蓋をすることができる大きさからなる。本実施例では、図2に示すように、第一蓄冷体21は、物品保持体11の上面及び下面とほぼ等しい平面サイズのものが2個用いられ、物品保持体11の上面及び下面に配置されることによって物品保持穴12に蓋をするようにされている。前記第一蓄冷体21は、プラスチック等の袋体に蓄冷剤が収容されたものからなる。前記蓄冷剤は、0℃で凍結する公知のものとされる。使用可能な蓄冷剤の例として、融解潜熱の大きい水を主剤として、これにゲル化剤、必要に応じて核剤、着色剤、防腐剤を配合したものを挙げることができる。前記ゲル化剤は、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを架橋して水に不溶とした高吸水性ポリマー、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の天然多糖類、でんぷんやゼラチン、グルコマンナン等の食品等を挙げることができる。前記ゲル化剤の配合量は、水100重量部に対して1〜5重量部程度である。前記核剤は、適宜添加されるものであって、氷核活性細菌やヨウ化銀等を挙げることができる。前記核剤の添加量は僅かとされる。また、着色剤及び防腐剤も適宜添加されるものであり、その量は適量とされる。
前記予冷は、前記要保冷品10及び前記物品保持体11と前記第一蓄冷体21を、冷蔵庫に収容して、要保冷品10の保冷配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度範囲内の温度に設定した予冷温度で冷却する。特に前記予冷温度は、前記保冷配送時に求められる温度範囲の略中央値の温度が好ましい。本実施形態の例では、保冷配送時に求められる保冷温度範囲は2〜8℃、予冷温度は保冷温度範囲(2〜8℃)の中央値である5℃に設定される。また、前記予冷作業は、要保冷品10及び物品保持体11と第一蓄冷体21を同一の冷蔵庫に収容して予冷してもよく、あるいは互いに異なる冷蔵庫に収容して予冷してもよい。予冷時間は、要保冷品10と物品保持体11及び第一蓄冷体21が予冷温度(本実施形態の例では5℃)となるのに十分な時間とされる。
物品保持体への要保冷品の収容作業では、前記冷蔵庫から要保冷品10及び物品保持体11を取り出し、前記物品保持体11の物品保持穴12に要保冷品10を収容保持する。
保冷箱への収容作業では、前記冷蔵庫から第一蓄冷体21を取り出し、前記要保冷品10の収容された物品保持体11と共に保冷箱31に収容し、また第二蓄冷体41を保冷箱31内に収容する。保冷箱31は、発泡スチロールなどの断熱材からなり、本実施形態の例では上面が開口した保冷箱本体32と蓋体33で構成されている。前記保冷箱本体32内の対向する一組の側面には第二蓄冷体収容ポケット34が形成され、また前記蓋体33の内面には第二蓄冷体収容ポケット36が形成されている。第二蓄冷体41は、予め前記保冷配送時におけるプラスの温度からなる保冷温度範囲の温度より低温のマイナスの温度にされて凍結した状態で、前記保冷箱31の第二蓄冷体収容ポケット34,36に収容される。本実施形態の例では、前記保冷箱31への収容時における第二蓄冷体41の温度は、―15〜−10℃とされる。前記第二蓄冷体41は、プラスチック等の袋体に蓄冷剤が収容されたものからなる。前記第二蓄冷体41の蓄冷剤は、0℃で凍結する公知のものとされ、前記第一蓄冷体21に用いられる蓄冷剤と同様のものを使用することができる。なお、第二蓄冷体41は、前記保冷箱31へ収容する際の温度よりも低い温度に設定した冷凍庫に収容して凍結させ、その後に前記保冷箱31へ収容する際の温度よりも高い温度の雰囲気に放置して目的の温度まで上げるようにしてもよく、その場合には冷凍庫内で第二蓄冷体41を短時間で凍結させることができ、効率的である。
前記保冷箱31内への前記物品保持体11の配置時、図3に示すように、前記第一蓄冷体21を物品保持体11の上下両面に位置させて、前記物品保持体11の物品保持穴12に前記第一蓄冷体21で蓋をする。
配送作業では、前記保冷箱31が自動車等によって目的地に配送される。前記配送中、前記要保冷品10は、前記物品保持穴12が第一蓄冷体21により蓋をされていること、及び前記要保冷品10を収容保持している物品保持体11が断熱材からなることにより、前記物品保持穴12外部の雰囲気温度の影響を受け難く、前記第一蓄冷体21によって効率よく保冷される。しかも、前記要保冷品10や物品保持体11及び第一蓄冷体21が、前記要保冷品10の配送時に求められる保冷温度範囲内の温度で予冷されているため、前記物品保持穴12内の要保冷品10は、配送時に求められる温度範囲内の温度に維持されることになる。さらに、前記物品保持体11が収容されている保冷箱内31には、前記物品保持穴12に蓋をしている第一蓄冷体21の予冷温度よりも低い温度で凍結している前記第二蓄冷体41が存在するため、前記物品保持穴12に蓋をしている第一蓄冷体21は、前記保冷箱31内に存在する第二蓄冷体41の冷却作用によって温度上昇が妨げられて予冷温度、すなわち前記要保冷品の配送時に求められる温度範囲内の温度に維持され易く、前記要保冷品10を配送時に求められる温度範囲内の温度で長時間保冷することができる。
第二の実施形態は、物品保持体への要保冷品の収容作業と、予冷作業と、保冷箱への収容作業と、配送作業とよりなる。第二の実施形態では、予冷作業の前に、前記物品保持体11の物品保持穴12に要保冷品10を収容保持する作業、すなわち物品保持体への要保冷品の収容作業を行う。次に、前記要保冷品10を収容した物品保持体11と第一蓄冷体21を、前記要保冷品10の保冷配送時に求められる温度範囲内の温度で予冷する作業、すなわち予冷作業を行う。その後の保冷箱への収容作業と配送作業は、第一の実施形態と同様である。このように、第二の実施形態では、物品保持体11への要保冷品10の収容作業を、予冷前に行う点が前記第一の実施形態と相違し、その他は第一の実施形態と同様である。
前記第二の実施形態においては、予冷後に物品保持体11の物品保持穴12に要保冷品10を収容する必要がなくなり、物品保持穴12に要保冷品10を収容する作業に手間取って要保冷品10の温度が上昇するおそれを低減することができ、保冷配送中、要保冷品10をより確実に保冷することができるようになる。
第三の実施形態は、予冷作業と、物品保持体への要保冷品の収容作業と、内箱への収容作業と、保冷箱への収容作業と、配送作業とよりなる。
前記第三の実施形態では、前記第一の実施形態と同様にして予冷作業と物品保持体への要保冷品の収容作業を行った後、前記冷蔵庫から第一蓄冷体21を取り出し、図4に示すように、要保冷品10の収容された物品保持体11と共に内箱51に収容する。その際、前記第一蓄冷体21を物品保持体11の上下両面に位置させて、前記物品保持体11の物品保持穴12に第一蓄冷体21で蓋をする。前記内箱51は、紙製あるいはプラスチック製段ボールが、強度及び取り扱い易さの点から好ましい。
前記第三の実施形態における保冷箱への収容作業では、前記要保冷品10の収容された物品保持体11と、前記第一蓄冷体21が収容された内箱51を、図5及び図6に示すように、前記第二蓄冷体41と共に保冷箱31に収容する。その後の配送作業は、第一の実施形態と同様である。
前記第三の実施形態においては、物品保持体11と第一蓄冷体21を、前記第一蓄冷体21が物品保持穴12に蓋をするようにして内箱51内に収容し、さらに前記内箱51を保冷箱31に収容しているため、前記保持箱31内で物品保持穴12に対する第一蓄冷体21の位置がずれにくく、前記物品保持穴12内の要保冷品10を効率よく保冷できる。また、保冷配送終了時に前記保冷箱31から内箱51を取り出すことにより、第一蓄冷体21や物品保持体11及び要保冷品10を一度に保冷箱31から取り出すことができ、保持箱31からの取り出し作業を簡単に行うことができる。
第四の実施形態は、物品保持体への要保冷品の収容作業と、予冷作業と、内箱への収容作業と、保冷箱への収容作業と、配送作業とよりなる。前記第四の実施形態では、予冷作業の前に、前記物品保持体11の物品保持穴12に要保冷品10を収容保持する作業、すなわち物品保持体への要保冷品の収容作業を行う。次に前記要保冷品10を収容した物品保持体11と第一蓄冷体21を、前記要保冷品10の保冷配送時に求められる温度範囲内の温度で予冷する作業、すなわち予冷作業を行う。その後の保冷箱への収容作業と配送作業は、第三の実施形態と同様である。
前記第四の実施形態においては、前記物品保持穴12に要保冷品10を収容する作業に手間取って要保冷品の温度が上昇するおそれを低減することができるのみならず、前記保持箱31内で物品保持穴12に対して第一蓄冷体21の位置がずれにくく、前記物品保持穴12内の要保冷品10を効率よく保冷できる。
(第一実施例)
要保冷品10の保冷配送時に求められる保冷温度を2℃〜8℃とすると共に、要保冷品10として、コーヒー等に添加する牛乳の粉末3gを直径30×高さ65mmの瓶に入れ、その瓶を33×33×60mmの紙箱に収容した要保冷品Aと、前記牛乳の粉末を砂糖に代えた要保冷品Bをそれぞれ2個、合計4個用意した。また、物品保持体11としては、サイズ240×200×70mmの発泡スチロール製のブロックに物品保持穴12として33×33×70mmの貫通孔を4個形成したものを用意した。第一蓄冷体21としては、サイズ220×235×25mm、凍結温度0℃のもの(商品名:CA−1000、株式会社イノアックコーポレーション製、蓄冷剤量1000g)を2個用意し、第二蓄冷体41としては、サイズ200×210×33mm、凍結温度0℃のもの(商品名:CAH−1000、株式会社イノアックコーポレーション製、蓄冷剤量820g)を4個用意した。また、保冷箱31としては、厚み30mmの発泡スチロールからなる外形サイズ520×340×400mmのものを用意した。保冷箱31内には、対向する一組の側面に各1個及び蓋体の内面に2個からなる合計4個の第二蓄冷体収容ポケット34,36が形成されている。
前記要保冷品10と前記物品保持体11及び前記第一蓄冷体21を、5℃に設定した予冷用冷蔵庫に収容して、12時間以上予冷した。予冷後、要保冷品10と物品保持体11を前記予冷用冷蔵庫から取り出して、物品保持体11の物品保持穴12に収容した。また、第一蓄冷体21を前記予冷用冷蔵庫から取り出して、そのうちの一個の第一蓄冷体21を前記保冷箱31の内部底面に配置した後、保冷箱31の内部底面の第一蓄冷体21上に物品保持体11を配置し、さらに物品保持体11の上面に残りの第一蓄冷体21を配置した。なお、前記要保冷品10を物品保持穴12に収容する際、温度測定装置(商品名:データコレクター、安立計器製)の検知部を、前記物品保持穴12内の要保冷品10の内容物内に配置した。
次に、前記保冷箱31の第二蓄冷体収容ポケット34,36に、−12℃の凍結状態とした第二蓄冷体41を収容し、その後保冷箱31に蓋をした。前記保冷箱31内の中央上部には、蓋体の内面から50mm下方位置に、前記蓋体内面の2個の第二蓄冷体41と触れることなく、温度測定装置(商品名:データコレクター、安立計器製)の検知部を配置した。
前記保冷箱31を、20℃の恒温槽に72時間放置し、前記要保冷品10の温度及び前記保冷箱31内の上部温度を測定した。その結果、要保冷品10の温度は、前記二種類の要保冷品の何れも放置開始時の温度5℃から、時間の経過にしたがって徐々に低下し、4時間後には最低温度2℃に至り、その後は徐々に上昇して、72時間経過後に最高温度7℃に至った。また、保冷箱31内の上部温度は、−5〜+5℃であった。
(第二実施例)
第一実施例と同一の要保冷品10、物品保持体11、第一蓄冷体21、第二蓄冷体41及び保冷箱31を用い、前記第一実施例における予冷前に要保冷品10を物品保持体11の物品保持穴12に収容保持し、その後に予冷した点を除き、前記第一実施例と同様にして要保冷品10の内容物内及び保冷箱31内上部の温度測定を行った。その結果、要保冷品10の温度は、第一実施例と変わりなく、最低2℃、最高7℃であった。また、保冷箱31内の上部の温度も第一実施例と殆ど変わりなかった。
(第三実施例)
第一実施例と同一の要保冷品10、物品保持体11、第一蓄冷体21、第二蓄冷体41及び保冷箱31を用い、また、内箱51として、紙製の段ボール箱(サイズ275×215×245mm)を用意した。そして、第一実施例と同様にして予冷を行った後、前記物品保持体11の物品保持穴12に要保冷品10を収容した。その後、第一蓄冷体21の一個を内箱51の内部底面に配置し、前記内箱51の内部底面の第一蓄冷体21上に物品保持体11を配置し、さらに前記物品保持体11の上面に残りの第一蓄冷体21を配置して内箱51の蓋をした。次に、前記内箱51を保冷箱31に収容し、また、前記保冷箱31の第二蓄冷体収容ポケット34,36には、第一実施例と同様に−12℃の凍結状態にある第二蓄冷体41を収容し、その後に保冷箱31に蓋をした。そして、第一実施例と同様に、20℃の恒温槽に保冷箱31を72時間放置して、要保冷品10の内容物内及び保冷箱内上部の温度を測定した。その結果、要保冷品10の温度は、前記二種類の要保冷品の何れも放置開始時の温度5℃から、時間の経過にしたがって徐々に低下し、5時間後には最低温度3℃に至り、その後徐々に上昇して、72時間経過後に最高温度7.5℃に至った。また、保冷箱31内上部の温度は、−5〜+5℃であった。
(第四実施例)
第三実施例と同一の要保冷品10、物品保持体11、第一蓄冷体21、第二蓄冷体41、保冷箱31及び内箱51を用い、前記第三実施例の予冷前に要保冷品10を物品保持体11の物品保持穴12に収容保持し、その後に予冷した点を除き、前記第三実施例と同様にして、要保冷品10の内容物内及び保冷箱31内上部の温度測定を行った。その結果、前記要保冷品10の温度は、第一実施例と殆ど変わりなく、最低3℃、最高7.5℃であった。また、保冷箱31内の上部の温度も第三実施例と殆ど変わりなかった。
(比較例)
第一蓄冷体21を用いないことを除き、他を第一実施例と同様にして、要保冷品10の内容物内及び保冷箱31内上部の温度測定を行った。その結果、要保冷品10の温度は、保冷箱31を20℃に放置開始した時点の5℃から時間の経過と共に徐々に低下し、3時間後には最低の−4℃に至り、その後は徐々に上昇して72時間後に12℃に至った。また、保冷箱31内の温度は−12〜+3℃であった。
このように、第一実施例〜第四実施例においては、保冷配送時に求められる温度範囲である2℃〜8℃を、72時間にわたって維持することができた。それに対して、比較例では要保冷品の最低温度が−4℃、最高温度が12℃となり、保冷配送時に求められる温度範囲である2℃〜8℃を超えていた。
なお、前記実施形態及び前記実施例においては、物品保持体の上面に形成した物品保持穴が物品保持体を貫通したものからなり、また第一蓄冷体が物品保持体の上下面に配置された場合を説明したが、本発明は、物品保持穴を底部のある凹部として、第一蓄冷体を物品保持体の上面のみに配置して物品保持穴に蓋をするようにしてもよい。
本発明における要保冷品と物品保持体の一例を示す斜視図である。 第一及び第二の実施形態において物品保持体等を保冷箱に収容する際の斜視図である。 第一及び第二の実施形態における保冷配送時の保冷箱の断面図である。 第三及び第四の実施形態において内箱に物品保持体等を収容する際の斜視図である。 第三及び第四の実施形態において内箱等を保冷箱に収容する際の斜視図である。 第三及び第四の実施形態における保冷配送時の保冷箱の断面図である。
符号の説明
10 要保冷品
11 物品保持体
12 物品保持穴
21 第一蓄冷体
31 保冷箱
41 第二蓄冷体
51 内箱

Claims (1)

  1. 保冷箱に蓄冷剤と共に要保冷品を収容して保冷配送する保冷配送方法において、
    要保冷品及び第一蓄冷体を、前記保冷配送時に求められるプラスの温度からなる保冷温度範囲内の温度で予冷し、
    断熱材からなるブロック体の上面に物品保持穴が形成された物品保持体の前記物品保持穴に前記要保冷品を収容した後、
    前記物品保持体と前記第一蓄冷体を、前記第一蓄冷体で前記物品保持穴に蓋をするようにして前記保冷箱内に収容し、
    前記保冷箱にはマイナスの温度の凍結状態からなる第二蓄冷体を配置して、前記要保冷品の配送を行うことを特徴とする保冷配送方法。
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