JP2005298177A - 荷役車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】 荷役車両において、車体の周囲の状況をより容易に確認できるようにする。
【解決手段】 車体1に運転席9を備え、該運転席9よりも前方に荷役装置4を備える荷役車両において、運転席9よりも後方を撮影するビデオカメラ18と、荷役装置4と運転席9との間に設けられるコンバイナ143に、ビデオカメラ18により撮影される映像を投影させて、少なくとも運転席9から視認可能に表示させるディスプレイと、を備える。
これにより、オペレータは、ディスプレイに表示されるビデオカメラ18の映像を見ることで前方を向いた体勢のままで後方の様子を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 車体1に運転席9を備え、該運転席9よりも前方に荷役装置4を備える荷役車両において、運転席9よりも後方を撮影するビデオカメラ18と、荷役装置4と運転席9との間に設けられるコンバイナ143に、ビデオカメラ18により撮影される映像を投影させて、少なくとも運転席9から視認可能に表示させるディスプレイと、を備える。
これにより、オペレータは、ディスプレイに表示されるビデオカメラ18の映像を見ることで前方を向いた体勢のままで後方の様子を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォークリフトなどの荷役車両に係り、特にはオペレータの視界を向上させるための技術に関する。
従来、荷役車両の一種であるフォークリフトは、例えば車体の前部に積荷を搭載するフォークと、このフォークを昇降自在に案内するマストとからなる荷役装置を備えており、車体に設けられた運転席に搭乗したオペレータが、ステアリングハンドルや操作レバーを操作することで荷役作業が行われる。運転席付近には、ステアリングハンドルや操作レバーの他にも、走行速度などを表示するディスプレイが設けられ、オペレータはこのディスプレイを見て各種情報を得ながら走行・荷役操作を行うことができるようになっている。又、周囲の状況を確認するために、例えばバックミラーを見て後方の確認を行う(下記文献参照)。
ところで、上記のようなフォークリフトにあっては、マストやフォーク、フォークに搭載した荷物などによりオペレータの前方視界が遮られることが問題となっている。そこで、例えば下記文献に記載されているように、前方をカメラで撮影し、このカメラからの映像を運転席やヘッドガードに設けられた映像用ディスプレイに表示させる技術が開発されている。
従来のバックミラーは、バックミラー自体によってオペレータの視界を妨げることがないよう配置される結果、必ずしもオペレータから見易い位置に配置されないという問題がある。又、バックミラーの大きさも制限されることから、バックミラーに映される範囲が限定され、オペレータが得られる情報が少ないという欠点がある。
又、上記の前方をカメラで撮影してディスプレイに表示させる技術では、オペレータの視界が改善されるのは当然のことながら前方に限られており、後方や側方の視界については改善されないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、荷役車両において、車体の周囲の状況をより容易に確認できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本第1の発明は、車体に運転席を備え、該運転席よりも前方に荷役装置を備える荷役車両において、上記運転席よりも後方を撮影するカメラと、上記荷役装置と上記運転席との間に設けられるコンバイナに、上記カメラにより撮影される映像を投影させて、少なくとも上記運転席から視認可能に表示させるディスプレイと、を備えることを特徴とする構成としている。
このような構成によれば、カメラで撮影される運転席よりも後方の映像が運転席よりも前方に配されたディスプレイに視認可能に表示されるので、これによりオペレータは前方を向いた体勢で後方を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。又、大きく視線を移動させることなく表示される映像を見ることができるので、非常に見易く、オペレータへの負担も少ない。特に、運転席から頻繁に後方を振り返ったり不自然な体勢で後方を見たりする必要がないので、オペレータの疲労や心的負担の軽減を図ることができる。勿論、ディスプレイ自体がオペレータの作業の妨げになることはない。
ところで、後方を確認する必要性が高いのは後進走行時であるから、後進走行時に後方の映像をディスプレイに表示させるようにするとよい。具体的には、例えば、当該荷役車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、該進行方向検出手段により進行方向が後方であることが検出されるときに、上記ディスプレイに上記カメラにより撮影される映像を表示させる制御手段と、を備える構成とすることができる。
このような構成によれば、進行方向が後方である時、つまり後進走行時には確実にカメラによる映像が表示されるので、オペレータが見落とすおそれがなくなり、又、自動的に映像が表示されるので、手間がかからず、オペレータが操作を間違えたり操作し忘れたりして後方の映像が見られないという心配もない。尚、進行方向検出手段としては、操舵輪の操舵角度と駆動輪の駆動方向とに基づいて進行方向を演算するものや、進行方向の変更操作を検出するものなどを採用することができる。
又、上記の目的を達成するために、本第2の発明は、車体に運転席を備え、該運転席よりも前方に荷役装置を備える荷役車両において、上記車体の側方を撮影するカメラと、上記荷役装置と上記運転席との間に設けられるコンバイナに、上記カメラにより撮影される映像を投影させて、少なくとも上記運転席から視認可能に表示させるディスプレイと、を備えることを特徴とする構成としている。
このような構成によれば、カメラで撮影される車体の側方の映像が運転席よりも前方に配されたディスプレイに視認可能に表示されるので、これによりオペレータは前方を向いた体勢で側方を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。又、大きく視線を移動させることなく表示される映像を見ることができるので、非常に見易く、オペレータへの負担も少ない。勿論、ディスプレイ自体がオペレータの作業の妨げになることはない。
本第2の発明において、上記カメラは、上記車体の右側方を撮影する第1のカメラと、上記車体の左側方を撮影する第2のカメラとからなる構成とすることができ、この場合、上記ディスプレイは、上記両カメラに撮影される映像を選択的に表示可能である構成とすることができる。尚、選択的に表示可能とは、第1のカメラ、第2のカメラのうちのいずれか一方で撮影される映像のみを表示可能であることに限らず、第1のカメラ、第2のカメラのうちのいずれか一方で撮影される映像をメイン表示し、他方をサブ表示することが可能であることを含む意味のものである。
ところで、側方を確認する必要性が高いのは、旋回走行時や横進走行時であるから、旋回走行時や横進走行時に側方の映像をディスプレイに表示させるようにするとよい。具体的には、例えば、当該荷役車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、上記ディスプレイに、上記進行方向検出手段により進行方向が右側方であることが検出されるときに、上記第1のカメラにより撮影される映像を表示させ、進行方向が左側方であることが検出されるときに、上記第2のカメラにより撮影される映像を表示させる制御手段と、を備える構成とすることができる。
このような構成によれば、進行方向が側方である時、つまり旋回走行時や横進走行時には確実にカメラによる映像が表示されるので、オペレータが見落とすおそれを低減でき、又、自動的に映像が表示されるので、手間がかからず、オペレータが操作を間違えたり操作し忘れたりして後方の映像が見られないという心配もない。又、進行方向が右側方である時には第1のカメラにより撮影される車体の右側方の映像が、進行方向が左側方である時には第2のカメラにより撮影される車体の左側方の映像が、表示されるので、オペレータは適切に車体の進行方向側の様子を把握することができる。尚、進行方向検出手段としては、操舵輪の操舵角度と駆動輪の駆動方向とに基づいて進行方向を演算するものや、進行方向の変更操作を検出するものなどを採用することができる。
又、前進走行時や後進走行時であっても、狭い通路を走行するといった場合には側方を確認する必要性があるので、進行方向に拘わらず側方の映像をディスプレイに表示させる構成としてもよく、例えば上記運転席から操作可能な位置に、上記両カメラにより撮影される映像から上記ディスプレイに表示させる映像を選択するための選択操作手段を備える構成とすることができる。
このような構成によれば、オペレータは必要に応じて選択操作手段を操作して表示させる映像を選択することができ、車体の右側方を確認したいときには第1のカメラにより撮影される映像を、車体の左側方を確認したいときには第2のカメラにより撮影される映像を、ディスプレイに表示させることができる。
尚、本第1、第2の発明において、上記運転席から操作可能な位置に、上記ディスプレイの表示/非表示の切換えを行うための切換操作手段を備える構成とすることができる。
このような構成によれば、オペレータは、後方や側方を映像で確認する必要があるときには、切換操作手段を操作してディスプレイを表示させることができ、後方や側方を映像で確認する必要がないときには、切換操作手段を操作してディスプレイを非表示とすることができる。
以上に説明したように、本第1の発明によれば、カメラからの運転席後方の映像が運転席前方のディスプレイに表示されるので、これによりオペレータは前方を向いた体勢のままで後方を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。
本第2の発明によれば、カメラからの車体側方の映像が運転席前方のディスプレイに表示されるので、これによりオペレータは前方を向いた体勢のままで側方を確認でき、安全に、安心して作業を行うことができる。
以下、本第1の発明を荷役車両の一種であるリーチ型バッテリフォークリフトに適用した実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、リーチ型バッテリフォークリフトの車体1には左右一対で前方に突出されたリーチレッグ2が備えられ、このリーチレッグ2の前端部分にはそれぞれ前輪3が回転自在に設けられると共に、マスト4がリーチレッグ2に沿って車体1の前後方向へ平行移動可能とされている。マスト4には、左右一対のフォーク5がリフトブラケット6を介して上下方向に昇降可能に設けられており、このフォーク5にてパレットなどを掬い上げて荷役作業が行われる。車体1の後部には操舵輪と駆動輪とを兼ねた左後輪7と従動輪である右後輪8とが設けられ、右後輪8の直上にはオペレータが搭乗するための運転席9が設けられている。図1において、10は運転席9の左方に設けられた、左後輪7の操舵操作を行うためのステアリングハンドル、11は運転席9の前方に設けられた、マスト4の平行移動動作やフォーク5の昇降動作を操作するための操作レバーを示しており、これら運転席9、ステアリングハンドル10及び操作レバー11の上方を覆うようにヘッドガード12が設けられている。更に、車体1には、本実施の形態に係るディスプレイの、ディスプレイ表示を制御するコントローラ13が搭載されている。
ヘッドガード12は、図1に示すように、左右の支柱部分12aと格子状に形成された天井部分12bとで構成されており、車体1に固定された支柱部分12aが天井部分12bを片持ち支持するようになっている。そして、ヘッドガード12の左右の支柱部分12a,12a間に、後述するフロントウインド14が嵌め込まれて取り付けられる。又、車体1には、本第1の発明に係るディスプレイの構成要素であるプロジェクタ15と、ミラー16とが内蔵されており(図1には図示せず)、図1に示すように、車体1の上部はトップカバー17により覆われている。トップカバー17の、フロントウインド14近傍位置には、照射口171が設けられ、図3に示すように、プロジェクタ15から発せられた光は、ミラー16により反射されて向きを変えられ、この照射口171から出てフロントウインド14へ向けて照射されるようになっている。
フロントウインド14は、図2に示すように、主に枠体141と、この枠体141に四方を囲われて支持される透明なウインドガラス142とからなり、枠体141がヘッドガード12の両支柱部分12a,12a間に嵌め込めれた上で、例えばボルトで固定されることにより取付けられるようになっている。ウインドガラス142は平板部分とその上部の湾曲部分とからなり、平板部分の運転席9側表面には、ホログラフィック光学素子からなるコンバイナ143が設けられている。そして、このコンバイナ143に向って、図3に示すように、上記プロジェクタ15からの光が照射され、映像が投影される。このように本実施の形態では、マスト4と運転席9との間を遮蔽するよう車体1に備えられるフロントウインド14のウインドガラス142に、コンバイナ143が一体的に設けられており、このコンバイナ143、及び上記のコントローラ13、プロジェクタ15、ミラー16により、本第1の発明におけるディスプレイが構成されている。
又、ヘッドガード12の左右の天井部分12bには、図1に示すように、ビデオカメラ18が設けられている。このビデオカメラ18は、車体1後方に向けて設けられており、ヘッドガード12の後端面、つまり運転席9の後端面に等しい位置で、車体1後方を撮影可能とされている。そのため、ビデオカメラ18では、運転席9よりも後方の様子が撮影されることになる。尚、図1には示されていないが、ビデオカメラ18には電気ケーブルが接続されており、この電気ケーブルを介して電力の供給及びコントローラ13との信号の授受が行われる。
ところで、図1には示されていないが、運転席9付近には、このリーチ型バッテリフォークリフトを起動させるためのメインスイッチ19と、ディスプレイの表示/非表示を切り換えるための操作スイッチ20とが設けられ、これらのスイッチからの信号は、図3に示すように、コントローラ13へ入力される。そして、コントローラ13は、以下の要領で制御を行う。
運転席9に搭乗したオペレータPがメインスイッチ19をオン操作すると、コントローラ13が起動される。ここで、ディスプレイの表示が必要であるときには、オペレータPは、操作スイッチ20をオン操作する。そうすると、コントローラ13は、ビデオカメラ18へ信号を送ってこれを起動させると共に、ビデオカメラ18からの映像を受け取り、これに基づいてプロジェクタ15を作動させる。ここで、上記の通り、ビデオカメラ18はヘッドガード12に設けられており、運転席9よりも後方の様子が撮影されるので、本実施の形態に係るディスプレイには、運転席9よりも後方の様子が表示されることになる。
いま、車体1の後方に物体R(実体)があるとすると、ビデオカメラ18はこれを撮影し、その映像をコントローラ13へ送信する。コントローラ13がこの映像に基づいてプロジェクタ15から光を発せさせると、その光はミラー16により向きを変えられて、フロントウインド14のコンバイナ143に照射される。コンバイナ143に到達した光の一部はオペレータPへ向って反射し、オペレータPはこの光を見ることで前方に仮想的に物体Vの像(以下、仮想物体Vという)を視認することができる。
ところで、ウインドガラス142及びコンバイナ143は透明であることから、オペレータPは、これらを透して運転席9から前方の様子を見ることができる。従って、運転席9からウインドガラス142及びコンバイナ143を透して見る実像に、ディスプレイの映像(虚像)が重畳して表示されることになり、ディスプレイに表示される仮想物体Vを見ることで、オペレータPは、後方を振り返ることなく運転席9よりも後方の様子を確認することができる。
一方、停車中などディスプレイ表示が不要であるときには、オペレータPは、操作スイッチ20をオフ操作する。そうすると、コントローラ13は、ビデオカメラ18及びプロジェクタ15を停止させ、ディスプレイを非表示状態とする。このとき、オペレータPは、マスト4などに遮られることなく運転席9から見える範囲について、ウインドガラス142及びコンバイナ143を透して前方の様子を見ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、必要に応じてディスプレイにビデオカメラ18からの映像を表示させることができるので、これによりオペレータPは後方を振り返ることなく後方の様子を確認することができる。又、大きく視線を移動させることなく表示される映像を見ることができるので、非常に見易く、オペレータPへの負担も少ない。しかも、ディスプレイがオペレータPの作業の妨げになることはなく、非常に使い勝手がよい。
上記の実施の形態では、ヘッドガード12にビデオカメラ18を設ける構成としているが、本第1の発明はこれに限らず、荷役車両の形態に合せて適宜変更して実施することができる。例えば、カウンタバランス型フォークリフトに本第1の発明を適用する場合には、カメラをカウンタウエイトに埋設することができる。
又、上記の実施の形態では、操作スイッチ20を手動操作することによりディスプレイの表示/非表示の切換えを行う構成としているが、本第1の発明においては、特別な操作を行うことなく表示/非表示の切換えを行う構成とすることができる。すなわち、後方の様子を確認する必要性が高いのは後進走行時であるから、後進走行を行う操作が行われることを以ってディスプレイを表示させ、逆に前進走行を行う操作が行われることを以って非表示とすることができる。例えば、進行方向を前進と後進とのいずれかに設定する操作手段(ディレクショナルレバー)を備える荷役車両にあっては、この操作手段の操作状態をスイッチなどの検出手段で検出し、コントローラ13が、操作手段により進行方向が後進に設定されるときには、ビデオカメラ18の映像をディスプレイに表示させ、前進に設定されるときには、ディスプレイを非表示状態とする制御を行う構成とすることができる。
このような構成によれば、オペレータPが進行方向を後進とすれば、自動的にディスプレイに後方の様子が表示されるので、手間がかからず、オペレータが操作を間違えたり操作し忘れたりして後方の映像が見られないという心配もない。又、前進走行時にはディスプレイは非表示状態とされるので、オペレータPは、ウインドガラス142及びコンバイナ143を透して前方の様子を見ることができ、前方視界を確保することができる。
次に、本第2の発明を荷役車両の一種であるリーチ型バッテリフォークリフトに適用した実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、リーチ型バッテリフォークリフトの車体1には左右一対で前方に突出されたリーチレッグ2が備えられ、このリーチレッグ2の前端部分にはそれぞれ操舵可能な前輪3が回転自在に設けられると共に、マスト4がリーチレッグ2に沿って車体1の前後方向へ平行移動可能とされている。マスト4には、左右一対のフォーク5がリフトブラケット6を介して上下方向に昇降可能に設けられており、このフォーク5にてパレットなどを掬い上げて荷役作業が行われる。車体1の後部には操舵輪と駆動輪とを兼ねた左後輪7と従動輪である右後輪8とが設けられ、右後輪8の直上にはオペレータが搭乗するための運転席9が設けられている。図4において、10は運転席9の左方に設けられた、前輪3及び左後輪7の操舵操作を行うためのステアリングハンドル、11は運転席9の前方に設けられた、マスト4の平行移動動作やフォーク5の昇降動作を操作するための操作レバーを示しており、これら運転席9、ステアリングハンドル10及び操作レバー11の上方を覆うようにヘッドガード12が設けられている。更に、車体1には、本実施の形態に係るディスプレイの、ディスプレイ表示を制御するコントローラ13が搭載されている。
ヘッドガード12は、上記の実施の形態と同様に、左右の支柱部分12aと格子状に形成された天井部分12bとで構成されており、車体1に固定された支柱部分12aが天井部分12bを片持ち支持すると共に、左右の支柱部分12a,12a間に、後述するフロントウインド14が嵌め込まれて取り付けられる。車体1には、本第2の発明に係るディスプレイの構成要素であるプロジェクタ15と、ミラー16とが内蔵されており(図4には図示せず)、図4に示すように、車体1の上部はトップカバー17により覆われている。トップカバー17の、フロントウインド14近傍位置には、照射口171が設けられ、図5に示すように、プロジェクタ15から発せられた光は、ミラー16により反射されて向きを変えられ、この照射口171から出てフロントウインド14へ向けて照射されるようになっている。
フロントウインド14は、上記の実施の形態と同様に、主に枠体141と、この枠体141に四方を囲われて支持される透明なウインドガラス142とからなり、ウインドガラス142の運転席9側表面には、ホログラフィック光学素子からなるコンバイナ143が設けられている。そして、このコンバイナ143、及び上記のコントローラ13、プロジェクタ15、ミラー16により、本第2の発明におけるディスプレイが構成されている。
又、図4に示すように、車体1の右側部にはビデオカメラ18aが、車体1の左側部にはビデオカメラ18bがそれぞれ設けられている。ビデオカメラ18aは、車体1右側方に向けて撮影可能に設けられており、車体1の右外側面よりも右側方の様子が撮影される。ビデオカメラ18bは、車体1左側方に向けて撮影可能に設けられており、車体1の左外側面よりも左側方の様子が撮影される。尚、図4には示されていないが、ビデオカメラ18a,18bには電気ケーブルが接続されており、この電気ケーブルを介して電力の供給及びコントローラ13との信号の授受が行われる。
ところで、図4には示されていないが、運転席9付近には、このリーチ型バッテリフォークリフトを起動させるためのメインスイッチ19と、ディスプレイの表示/非表示を切り換えるための操作スイッチ20,21とが設けられている。ここで、操作スイッチ20は、ビデオカメラ18aの映像について表示/非表示を切り換えるものであり、操作スイッチ21は、ビデオカメラ18bの映像について表示/非表示を切り換えるものである。これらのスイッチからの信号は、図5に示すように、コントローラ13へ入力され、コントローラ13は、以下の要領で制御を行う。
運転席9に搭乗したオペレータPがメインスイッチ19をオン操作すると、コントローラ13が起動される。ここで、ディスプレイの表示が必要であるときには、オペレータPは、操作スイッチ20,21をオン操作する。すなわち、車体1右側方の様子を確認したいときには、操作スイッチ20をオン操作し、車体1左側方の様子を確認したいときには、操作スイッチ21をオン操作する。そうすると、コントローラ13は、操作スイッチ20がオン操作されるときにはビデオカメラ18aへ、操作スイッチ21がオン操作されるときにはビデオカメラ18bへ、それぞれ信号を送ってこれを起動させると共に、ビデオカメラ18a(18b)からの映像を受け取り、これに基づいてプロジェクタ15を作動させる。ここで、上記の通り、ビデオカメラ18aでは車体1の右側方の様子が撮影されるので、操作スイッチ20がオン操作されるときには車体1の右側方の様子がディスプレイに表示され、又、ビデオカメラ18bでは車体1の左側方の様子が撮影されるので、操作スイッチ21がオン操作されるときには車体1の左側方の様子がディスプレイに表示されることになる。
いま、車体1の左側方に物体R(実体)があるとすると、ビデオカメラ18bはこれを撮影し、その映像をコントローラ13へ送信する。コントローラ13がこの映像に基づいてプロジェクタ15から光を発せさせると、その光はミラー16により向きを変えられて、フロントウインド14のコンバイナ143に照射される。コンバイナ143に到達した光の一部はオペレータPへ向って反射し、オペレータPはこの光を見ることで前方に仮想的に物体Vの像(以下、仮想物体Vという)を視認することができる。
ところで、ウインドガラス142及びコンバイナ143は透明であることから、オペレータPは、これらを透して運転席9から前方の様子を見ることができる。従って、運転席9からウインドガラス142及びコンバイナ143を透して見る実像に、ディスプレイの映像(虚像)が重畳して表示されることになり、ディスプレイに表示される仮想物体Vを見ることで、オペレータPは、左側方を振り向くことなく車体1の左側方の様子を確認することができる。又、これと同様に、オペレータPは、右側方を振り向くことなく車体1の右側方の様子を確認することができる。
一方、停車中などディスプレイ表示が不要であるときには、オペレータPは、操作スイッチ20,21をオフ操作する。そうすると、コントローラ13は、ビデオカメラ18a,18b及びプロジェクタ15を停止させ、ディスプレイを非表示状態とする。このとき、オペレータPは、マスト4などに遮られることなく運転席9から見える範囲について、ウインドガラス142及びコンバイナ143を透して前方の様子を見ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、必要に応じてディスプレイにビデオカメラ18a,18bからの映像を表示させることができるので、これによりオペレータは右側方又は左側方を確認することができる。又、大きく視線を移動させることなく表示される映像を見ることができるので、非常に見易く、オペレータPへの負担も少ない。しかも、ディスプレイがオペレータPの作業の妨げになることはなく、非常に使い勝手がよい。
上記の実施の形態では、車体1にビデオカメラ18a,18bを設ける構成としているが、本第2の発明はこれに限らず、例えばヘッドガードにカメラを設けるなど荷役車両の形態に合せて適宜変更して実施することができる。
又、上記の実施の形態では、操作スイッチ20,21を手動操作することによりディスプレイの表示/非表示の切換えを行う構成としているが、本第2の発明においては、特別な操作を行うことなく表示/非表示の切換えを行う構成とすることができる。すなわち、側方の様子を確認する必要性が高いのは旋回走行時や横進走行時であるから、旋回走行又は横進走行を行う操作が行われることを以ってディスプレイを表示させることができる。例えば、左後輪7の駆動輪としての回転方向と、上記前輪3及び左後輪7の操舵角度とをそれぞれポテンショメータなどの検出手段にて検出し、コントローラ13が、これらの検出値に基づいて車体1の進行方向を演算により導出して、進行方向が右側方であるときには、ビデオカメラ18aにより撮影される映像を表示させ、進行方向が左側方であるときには、ビデオカメラ18bにより撮影される映像を表示させ、進行方向が前方又は後方であるときには非表示状態とする制御を行う構成とすることができる。
このような構成によれば、旋回走行時や横進走行時には、自動的にディスプレイに進行方向側の様子が表示されるので、手間がかからず、オペレータが操作を間違えたり操作し忘れたりするという心配もない。又、前方や後方への直進走行時にはディスプレイは非表示状態とされるので、オペレータPは、ウインドガラス142及びコンバイナ143を透して前方の様子を見ることができ、前方視界を確保することができる。
尚、本第1、第2の発明とも上記の実施の形態で示したリーチ型フォークリフトに限らず、カウンタバランス型フォークリフトやオーダーピッキングトラックといった他の形態の荷役車両にも適用することができ、又、ディスプレイの構成の細部を各荷役車両の形態に合せて適宜変更して実施することができる。
1 車体
4 マスト
5 フォーク
6 リフトブラケット
9 運転席
12 ヘッドガード
13 コントローラ
14 フロントウインド
142 ウインドガラス
143 コンバイナ
15 プロジェクタ
16 ミラー
18 ビデオカメラ
18a ビデオカメラ
18b ビデオカメラ
20 操作スイッチ
21 操作スイッチ
4 マスト
5 フォーク
6 リフトブラケット
9 運転席
12 ヘッドガード
13 コントローラ
14 フロントウインド
142 ウインドガラス
143 コンバイナ
15 プロジェクタ
16 ミラー
18 ビデオカメラ
18a ビデオカメラ
18b ビデオカメラ
20 操作スイッチ
21 操作スイッチ
Claims (7)
- 車体に運転席を備え、該運転席よりも前方に荷役装置を備える荷役車両において、
上記運転席よりも後方を撮影するカメラと、
上記荷役装置と上記運転席との間に設けられるコンバイナに、上記カメラにより撮影される映像を投影させて、少なくとも上記運転席から視認可能に表示させるディスプレイと、を備えることを特徴とする荷役車両。 - 当該荷役車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
該進行方向検出手段により進行方向が後方であることが検出されるときに、上記ディスプレイに上記カメラにより撮影される映像を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の荷役車両。 - 車体に運転席を備え、該運転席よりも前方に荷役装置を備える荷役車両において、
上記車体の側方を撮影するカメラと、
上記荷役装置と上記運転席との間に設けられるコンバイナに、上記カメラにより撮影される映像を投影させて、少なくとも上記運転席から視認可能に表示させるディスプレイと、を備えることを特徴とする荷役車両。 - 上記カメラは、上記車体の右側方を撮影する第1のカメラと、上記車体の左側方を撮影する第2のカメラとからなり、上記ディスプレイは、上記両カメラに撮影される映像を選択的に表示可能であることを特徴とする請求項3に記載の荷役車両。
- 当該荷役車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
上記ディスプレイに、上記進行方向検出手段により進行方向が右側方であることが検出されるときに、上記第1のカメラにより撮影される映像を表示させ、進行方向が左側方であることが検出されるときに、上記第2のカメラにより撮影される映像を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の荷役車両。 - 上記運転席から操作可能な位置に、上記両カメラにより撮影される映像から上記ディスプレイに表示させる映像を選択するための選択操作手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の荷役車両。
- 上記運転席から操作可能な位置に、上記ディスプレイの表示/非表示の切換えを行うための切換操作手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の荷役車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119610A JP2005298177A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 荷役車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119610A JP2005298177A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 荷役車両 |
Publications (1)
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- 2004-04-14 JP JP2004119610A patent/JP2005298177A/ja active Pending
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