JP2005297380A - 金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム及びその製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板及びその製造方法、及び積層ポリエステル系フィルム被覆金属缶。 - Google Patents
金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム及びその製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板及びその製造方法、及び積層ポリエステル系フィルム被覆金属缶。 Download PDFInfo
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Abstract
金属板にラミネートできる部分が広く、材料ロスが少なく、フィルムが破断し難い金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムを提供し、更に、高速・高加工度での絞り・しごき加工が可能な、優れた製缶性を有する積層ポリエステル系フィルム被覆金属板を提供する。
【解決手段】
A層/B層/A層の積層構成であり、A層が融点180℃以上の結晶性ポリエステルからなり、B層がポリエステルと200〜2000当量/トンの官能基を有した等価球換算径0.25〜2.0μmのオレフィン系ポリマーとを70/30〜99/1重量%の割合で混合したポリエステル系樹脂組成物からなり、A層/B層/A層の積層樹脂組成物の溶融樹脂膜を、表面粗さ(Ra)0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化し、縦方向に一軸延伸して表面粗さ(Ra)0.1μm以下、密度1.360g/cm3以下の金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムを得る。更に該積層フィルムを金属板に被覆して積層ポリエステル系フィルム被覆金属板を得る。
【選択図】
なし。
Description
[式] (I) 1≦m≦30
(II) 0.15≦(Mi−Mf)/m≦1.0
(III) 2≦Mf≦20
(式中、Miは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルのメルトフローレート(MFR、g/10min)を示し、Mfは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーの混合物のMFR(g/10min)を示し、mは混合物中のオレフィン系ポリマーの含有量(重量%)を示す。)
[式] (I) 1≦m≦30
(II) 0.15≦(Mi−Mf)/m≦1.0
(III) 2≦Mf≦20
(式中、Miは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルのメルトフローレート(MFR、g/10min)を示し、Mfは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーの混合物のMFR(g/10min)を示し、mは混合物中のオレフィン系ポリマーの含有量(重量%)を示す。)
(1)ポリエステルの融点
フィルム1〜25のポリエステル系フィルム10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピークの頂点温度を融点Tm(℃)とした。
(2)ポリエステルの極限粘度(IV)
フィルム1〜25のポリエステル系フィルムをオルトクロルフェノール中に溶解し、25℃で測定した値(dl/g)である。
(3)メルトフローレート
a.ポリエステルのメルトフローレート(Mi)
JIS K7210の方法に従い、(1)の方法で求めたポリエステルの融点より30℃高い温度にバレル内温度を設定した溶融指数測定装置(MELT INDEXER、東洋精機製)で、オリフィス径2.09mm、加重2.16kgfの条件で測定したときの測定値を用いた。
b.ポリエステル系樹脂組成物のメルトフローレート(Mf)
ポリエステルとオレフィン系ポリマーをペレット状態でドライ混合したものを押出機に投入して270℃で溶融混合して得られたペレット状物を、JIS K7210の方法に従い、(1)の方法で求めたポリエステルの融点より30℃高い温度にバレル内温度を設定した溶融指数測定装置(MELT INDEXER、東洋精機製)で、オリフィス径2.09mm、加重2.16kgfの条件で測定したときの測定値を用いた。
(4)冷却ロールの表面粗さ(Ra)
JIS B0601(1982)にしたがって測定した。
(5)ポリエステル系フィルムの表面粗さ(Ra)
10cm×10cmに切り出したフィルム1〜25のポリエステル系フィルムを目視観察してキャスト時に冷却ロールに接したフィルム表面に50μmを超える凹みがないものを評価価値ありとして下記の方法で評価した。なお、20回測定の平均値をもって表面粗さ(Ra)とした。
a.測定装置:(株)小坂研究所製 ET−30HK
b.触診先端半径:0.5μm
c.触診荷重:5mg
d.測定長:1mm
e.カットオフ値:0.08mm
(6)オレフィン系ポリマー中の官能基濃度
オレフィンA〜Gのオレフィン系ポリマーをクロロホルム−d/トリフルオロ酢酸の混合溶媒に溶解し、H−NMRスペクトル分析によりオレフィン系ポリマーの分子構造及び官能基濃度(モル%)を求め、これを重量換算し、オレフィン系ポリマー1トン当たりの官能基の含有量(モル当量)を算出した。
(7)オレフィン系ポリマーの平均等価球換算径
成形加工に供する前のフィルム1〜25のポリエステル系フィルムを断面方向にミクロトームで切り出した薄切片を、酸化ルテニウムで染色したのち室温で10分間保持し、次いでカーボン蒸着して透過型電子顕微鏡で観察した。分散粒子の平均等価球換算径は画像解析装置(東洋紡績製、V10)を用いて加重平均により求めた。
(8)缶内面フィルムのパンチの離型性
缶内面フィルムと加工パンチの離型性は、実施例1〜13、比較例1〜6、8、9で得られた連続成形缶をランダムに500缶抽出し、成形缶上部に起こる缶体の挫屈程度を観察し評価した。評価は以下の評価基準を設定して行った。
◎:缶開口部の挫屈なく良好
○:缶開口部に軽微の挫屈はあるが正規の缶高さは確保可能で実用上問題なし
△:缶開口部に挫屈があり正規な缶高さを確保するのが難しく実用性なし
×:缶体がパンチから抜けない、若しくは抜けても缶開口部に激しい挫屈があり実用 性なし
(9)缶内面フィルムの健全性評価(QTV試験)
最終製品となる缶の内面フィルムの健全性については、実施例1〜13、比較例1〜3、6、8、9で得られた連続成形缶を用い、1.0%食塩水に界面活性剤を0.1%添加した電解液350mlを缶内に注入し、注入した電解液中に銅製棒電極を挿入して、缶体を陽極、銅製棒電極を陰極として印加電圧6Vで3秒後の電流値(QTV値)を測定し、被覆フィルムの健全性の評価とした。(以降、この評価方法をQTV試験と称する。)評価はランダムに50缶抽出し、電流値の加重平均値を次の評価基準とした。
◎:0〜0.2mA/缶 未満で健全性は良好
○:0.2〜0.5mA/缶 未満で実用レベル
△:0.5〜2mA/缶 未満で実用レベルにない
×:2mA/缶 以上で健全性は劣り実用レベルにない
(10)耐デント性
最終製品となる缶の内面フィルムの耐デント性については、実施例1〜13、比較例3、6、8、9で得られた連続成形缶を用い、缶にお茶を350ml入れ缶蓋で密封し、125℃で30分間レトルト殺菌を行った後4℃の保冷庫で保存し、缶体温度が4℃になった時点で高さ45cmの位置から60°の角度で缶底部を下にして落下させデントを起こさせた。
続いて、開缶して内容物のお茶を除いた後、7%の希塩酸を満たし38℃で3日後のデント部の腐食状況を観察した。評価基準は以下のとおり設定した。
○:デント部に腐蝕はなく良好で実用性あり
×:デント部で腐蝕発生し実用性なし
(1)PET:ポリエチレンテレフタレート。
投入口、温度計、圧力計及び精留塔付留出管、撹拌翼を備えた反応装置にテレフタル酸100重量部に対して、エチレングリコール82重量部(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比=2.2)、酸成分に対して酸化ゲルマニウムをGe元素として0.05モル%、酢酸マグネシウムをMg元素として0.05モル%、そして、平均粒径1.3μmの無定形シリカ粒子0.23重量部を仕込み、撹拌しながら窒素を導入し系内の圧力を0.3MPaに保ち、温度230℃〜250℃で生成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行った。反応終了後、250℃にて、リン酸トリメチルをP量として0.04モル%加え、昇温しながら徐々に減圧し、275℃、1.0hPa以下の真空下で重縮合反応を行い、得られた極限粘度0.73のポリエチレンテレフタレート。
(2)PET−I:ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位10モル%)。
テレフタル酸90重量部、イソフタル酸10重量部を用いた以外はポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法と同様な方法により製造し、得られた極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレート・イソフタレート。
(3)PET−II:ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位8モル%)。
テレフタル酸92重量部、イソフタル酸8重量部を用いた以外はポリエチレンテレフタレート(PET)の製造方法と同様な方法により製造し、得られた極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレート・イソフタレート。
(4)CO−PES:テレフタル酸とエチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール(70/30モル%)との共重合ポリエステル。
(5)オレフィンA:低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンG401:商品名)。
(6)オレフィンB:エチレン−アクリル酸共重合体(ダウ・ケミカル社製、プリマコール3440:商品名)
(7)オレフィンC:エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル社製、ニュクレルN1108C:商品名)
(8)オレフィンD:エチレン−エチルアクリレート共重合体(三井デュポンポリケミカル社製、エバフレックスA712:商品名)
(9)オレフィンE:エチレン−1−ブテン共重合体(日本合成ゴム社製、EBM2041P:商品名)
(10)オレフィンF:スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成社製、タフテックM1913:商品名)
(11)オレフィンG:エチレン−メチルアクリレート共重合体(イーストマンケミカル社製、EMAC2260)
A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−I/オレフィンA/オレフィンB=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが16μm(A層=4μm/B層=8μm/A層=4μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム1)及びA層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム2)を作成した。
フィルム1、フィルム2の各B層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム1及びフィルム2は、共に両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム1及びフィルム2の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、片面のクロム換算の付着量が15mg/m2のリン酸クロム酸処理施した板厚が0.28mmの3004系アルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム1を、もう一方の面に融点が245℃で厚みが16μmの単層ポリエステルフィルム(フィルムA、後述する缶の成形時に必要なフィルムで実施例及び比較例とは無関係であるため、評価の対象外。以降同様)を同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト1)を作成した。
同様に、フィルム2と前記のフィルムAの組み合わせで積層ポリエステル系フィルム被覆金属板(テスト2)を作成した。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム1及びフィルム2の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板、テスト1及びテスト2の両面に加工用潤滑剤を塗布後、それぞれフィルム1被覆面及びフィルム2被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム1及びフィルム2は共に剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト1及びテスト2は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=94/3/3(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム3)を作成した。
同様にして、A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=86/7/7(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いて、前記条件で製膜を行い、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム4)を作成した。
同様にして、A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=72/14/14(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いて、前記条件で製膜を行い、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム5)を作成した。
フィルム3、フィルム4及びフィルム5の、各B層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム3、フィルム4、及びフィルム5は、いずれも両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム3、フィルム4及びフィルム5の表面粗さは表1に示したが、いずれのフィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム3を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト3)を作成した。
同様に、フィルム4と前記のフィルムAの組み合わせで積層ポリエステル系フィルム被覆金属板(テスト4)を作成した。
同様に、フィルム5と前記のフィルムAの組み合わせで積層ポリエステル系フィルム被覆金属板(テスト5)を作成した。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム3、フィルム4及びフィルム5の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト3〜テスト5の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、それぞれフィルム3被覆面、フィルム4被覆面、フィルム5被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム3、フィルム4及びフィルム5は、いずれも剥離はなく良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト3、テスト4及びテスト5は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=88/6/6(重量%)を用いて、実施例1の手順に従い、ポリエステル系樹脂組成物を得た。次いで、実施例1の手順に従い、表面粗さ(Ra)が0.5μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1同じ条件で、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム6)を作成した。
フィルム6のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム6は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム6の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム6を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト6))を作成した。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム6の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト6の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム6被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム6の剥離はなく、良好な缶が得られた。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト6は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
実施例3で使用したA層の原料及びB層の原料を用いて、実施例1の手順に従い、ポリエステル系樹脂組成物を得て、の表面粗さ(Ra)が3.5μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1同じ条件で、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム7)を作成した。
フィルム7のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム7は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム7の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム7を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト7)を作成した。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム7の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト7の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム7被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム7の剥離はなく、良好な缶が得られた。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト7は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンC=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に3倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム8)を作成した。
フィルム8のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム8は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム8の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム8を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト8)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム8の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト8の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム8被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム8の剥離はなく、良好な缶が得られた。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト8は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンD=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム9)を作成した。
フィルム9のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム9は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム9の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム9を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト9)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム9の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト9の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム9被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム9の剥離はなく、良好な缶が得られた。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト9は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンB/オレフィンE=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム10)を作成した。
フィルム10のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム10は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム10の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム10を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト10)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム10の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト10の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム10被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム10の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト10は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET−IIを用い、B層原料としてPET−I/オレフィンA/オレフィンB=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム11)を作成した。
フィルム11のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム11は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム11の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を、加熱ロールで板温度245℃に加熱し、片面にフィルム11を、もう一方の面に融点が232℃で厚みが16μmの単層ポリエステルフィルム(フィルムB、後述する缶の成形時に必要なフィルムで実施例及び比較例とは無関係であるため、評価の対象外。以降同様)を同時圧着した後、更に板温度として250℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム板(テスト11)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム11の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト11の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム11被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム11の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト11は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET/PET−I/オレフィンA/オレフィンB=44/44/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが30μm(A層=10μm/B層=20μm/A層=10μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム12)を作成した。
フィルム12のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム12は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム12の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、加熱ロールで板温度260℃に加熱した板厚が0.19mmの電解クロム酸処理鋼板(片面の金属クロム付着量が110mg/m2、その上層の水和酸化クロム付着量が金属クロム換算で15mg/m2)の片面にフィルム12を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着した後、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板(テスト12)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板に被覆されている、フィルム12の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト12の積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム12被覆面が缶の内面側となるように、90缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が52%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム12の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト12は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンB=88/12(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=5μm/B層=14μm/A層=5μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム13)を作成した。
フィルム13のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム13は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム13の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例9で使用した電解クロム酸処理鋼板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム13を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、ポリエステル系フィルム被覆鋼板(テスト13)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板に被覆されている、フィルム13の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト13の積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム13被覆面が缶の内面側となるように、90缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が52%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム13の剥離はなく、良好な缶が得られた。 なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト13は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=88/10/2(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム14)を作成した。
フィルム14のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム14は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム14の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム14を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト14)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム14の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト14の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム14被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム14の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト14は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=90/3/7(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム15)を作成した。
フィルム15のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム15は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム15の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム15を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト15)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム15の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト15の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム15被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム15の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト15は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET−I/オレフィンA/オレフィンB=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が2.4μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム16)を作成した。
フィルム16のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム16は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
なお、得られたフィルム16の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム16を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト16)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム16の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト16の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム16被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃となるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム16の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、本実施例であるテスト16は、製缶性に優れた積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であり、耐デント性が優れた金属缶が得られる表面平滑性に優れた金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムであり、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であるといえる。
実施例1で使用したA層の原料及びB層の原料を用いて、実施例1の手順に従い、ポリエステル系樹脂組成物を得て、表面粗さ(Ra)が0.05μmの鏡面状の冷却ロールを用いた以外は実施例1同じ条件で、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム17)を作成した。
フィルム17のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム17は両端部のフィルム割れは見られなかったが、フィルム表面には冷却ロールで固化する際の気泡巻き込みによる50μm以上の凹みが見られ、外観は良くないものであった。従って、得られたフィルム17の表面粗さの測定は行わなかった。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム17を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト17)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム17の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得たテスト17の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム17被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム17の剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験を行った。結果は表2に示した。
なお、耐デント性については表2から判るようにQTV試験の結果が著しく劣り、実用レベルにないため評価しなかった。
表2及び上記の記載から判るように、比較例1であるテスト17は、フィルム被覆金属板の外観が悪く(気泡が発生しており)、製缶した際、内面側及び外面側で気泡を起点としたフィルム破れが発生したため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
実施例1で使用したA層の原料及びB層の原料を用いて、実施例1の手順に従い、ポリエステル系樹脂組成物を得て、の表面粗さ(Ra)が4.3μmの梨地状の冷却ロールを用いた以外は実施例1同じ条件で、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム18)を作成した。
フィルム18のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム18は両端部のフィルム割れは見られなかったが、フィルム表面には冷却ロールで固化する際のロール模様が転写し、外観は良くないものであった。従って、得られたフィルム18の表面粗さは測定しなかった。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム18を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト18)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム18の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得たテスト18の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム18被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム18の剥離はなかった。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験を行った。結果は表2に示した。
なお、耐デント性については表2から判るようにQTV試験の結果が著しく劣り、実用レベルにないため評価しなかった。
表2及び上記の記載から判るように、比較例2であるテスト18は、ラミネート金属板は、梨地の跡型が斑状に広がるなど、外観の悪いものであった。また、得られた金属缶の内面側で梨地の跡型に起因したゾウリ状の斑が発生し、金属缶の商品価値が低下するだけでなく、内面フィルムの健全性も劣ったものであるため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II単体(オレフィン系ポリマー無添加)を用いて、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム19)を作成した。
同様に、A層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%)を用い、B層原料としてPET/PET−I=50/50(重量%、オレフィン系ポリマー無添加)を用いて、フィルム19と同様にしてA層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム20)を作成した。
フィルム19及びフィルム20の各B層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム19及びフィルム20は両端部のフィルム割れは見られず、外観も良好なものであった。
得られたフィルム19及びフィルム20の表面粗さは表1に示したが、フィルム19及びフィルム20共に表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム19を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト19)を得た。
又、同様にして、実施例8で使用した電解クロム酸処理鋼板を加熱ロールで板温度260℃に加熱し、片面にフィルム20を、もう一方の面に実施例8で使用したフィルムBを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板(テスト20)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されているフィルム19及び積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板に被覆されているフィルム20の融点は表1に示した。なお、オレフィン系ポリマーの内容等については添加されていないので測定しなかった。
こうして得たテスト19の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板及びテスト20の積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、それぞれフィルム19被覆面及びフィルム20被覆面が缶の内面側となるように、テスト19の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板は、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。同様に、テスト20の積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板は、90缶/分の速度で加工度が52%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、テスト19及びテスト20から得られた缶の金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されたフィルム19及びフィルム20は共に剥離はなく、良好な缶が得られた。なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、比較例3のテスト19及びテスト20共に、得られた金属缶の耐デント性が劣るため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、積層ポリエステル系フィルム被覆金属缶としては好ましくない。
A層原料としてCO−PES単体を用い、B層原料としてPET−I/オレフィンA/オレフィンB=88/6/6(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム21)を作成した。
フィルム21のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム21は両端部のフィルム割れは見られず、外観も良好なものであった。
得られたフィルム21の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度245℃に加熱し、片面にフィルム21を、もう一方の面に実施例8で使用したフィルムBを同時圧着し、更に板温度として255℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト21)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム21の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得たテスト21の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム21被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
表2に示したように、テスト21から成形された缶は、内面フィルムのパンチ離型性が劣り、パンチが缶体から抜けない状態が散発したり、抜けても缶体の開口部が挫屈して、正規の缶高さが得られない状態の缶が多発した。従って、以降の評価は行わなかった。
表2及び上記の記載から判るように、比較例4であるテスト21は、製缶時に缶内面でパンチの離型性不良が発生したため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法として好ましくない。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA/オレフィンB=65/15/20(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム22)を作成した。
フィルム22のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム22は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
得られたフィルム22の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム22を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト22)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム22の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト22の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム22被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
表2に示したように、テスト22から成形された缶は、内面フィルムのパンチ離型性が劣り、正規の缶高さが得られない状態が散発し、実用レベルにはなかった。
従って、以降の評価は行わなかった。
表2から判るように、比較例5であるテスト22は、製缶時に缶内面でパンチの離型性不良が発生したため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板として好ましくない。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンA=88/12(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム23)を作成した。
フィルム23のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
得られたフィルム23は両端部のフィルム割れや外観不良もなく、良好であった。
得られたフィルム23の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例9で使用した電解クロム酸処理鋼板を加熱ロールで板温度255℃に加熱し、片面にフィルム23を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板(テスト23)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板に被覆されている、フィルム23の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得た、テスト23の積層ポリエステル系フィルム被覆鋼板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム23被覆面が缶の内面側となるように、80缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が52%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が265℃になるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム23の剥離はなかった。
なお、缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、比較例6のテスト23は、製缶時に缶内面のパンチの離型性が劣り、その影響で内面フィルムの健全性も劣ったものとなっている。又、得られた缶の内面フィルムの耐デント性も劣っており、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板として好ましくない。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンF=90/10(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に延伸して積層ポリエステル系フィルム(フィルム24)を作成しようと試みたが、無延伸樹脂シートを得る段階で、B層の吐出が不安定となり、安定的に積層フィルムの製膜できなかったため、フィルム24は得られなかった。
従って、フィルム被覆金属板を得ることができず、テスト24は実施していない。
フィルム24のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
比較例7は、上記の記載から判るように、製膜性に問題があるため、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法として好ましくない。
A層原料としてPET/PET−II=39/61(重量%)を用い、B層原料としてPET−II/オレフィンG=90/10(重量%)を2軸ベント式押出機を用いて270℃で予備混合して得たポリエステル系樹脂組成物を用いた。
次いで、A層原料とB層原料を100℃で24時間乾燥した後、それぞれ単軸押出機を用いて270℃で溶融させた後、A層/B層/A層の3層となるようTダイ内で合流させ、表面粗さ(Ra)が1.1μmの梨地状の冷却ロール(周速80m/分)へ層状にキャストし、Tダイと冷却ロールとの間隔2cm、中央部と両端部は別々の装置で静電密着させ(中央部:4.5kV、両端部:6kVの直流電源を印加)冷却固化させた後、予熱温度80℃、延伸温度100℃で縦方向に4倍延伸して、A層/B層/A層の総厚みが24μm(A層=6μm/B層=12μm/A層=6μm)の積層ポリエステル系フィルム(フィルム25)を作成した。
フィルム25のB層に用いたポリエステル系樹脂組成物のMFRは表1に示した。
フィルム25は得られたが、無延伸樹脂シートを得る際、B層に使用した樹脂の熱特性の低下により、溶融樹脂膜がゆれる現象が起こり、得られたフィルムには斑が生じるなど、フィルム外観の良好なものは得られなかった。
得られたフィルム25の表面粗さは表1に示したが、フィルムの表面粗さは小さく平滑なものが得られていた。
次いで、実施例1で使用したアルミニウム合金板を加熱ロールで板温度250℃に加熱し、片面にフィルム25を、もう一方の面に実施例1で使用したフィルムAを同時圧着し、更に板温度として265℃に加熱した後、水中に浸漬して急冷し、積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板(テスト25)を得た。
得られた積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板に被覆されている、フィルム25の融点、オレフィン系ポリマーの内容等については表1に示した。
こうして得たテスト25の積層ポリエステル系フィルム被覆アルミニウム合金板の両面に加工用潤滑剤を塗布後、フィルム25被覆面が缶の内面側となるように、100缶/分の速度でカップ絞り加工、再絞り加工及びしごき加工を行って、缶壁部の加工度が62%の350ml缶用シームレス缶を作成した。
得られた缶について、内面側のパンチの離型性を調べた。結果は表2に示した。
更に、前記の缶の開口部をトリミングした後、金属板温度が255℃になるように加熱後、直ちに急冷し、積層ポリエステル系フィルムを非晶質にした後、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶を製造した。
得られた缶の内面に被覆されているフィルム25の剥離はなかった。缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、比較例8であるテスト25の方法は、製缶時に缶の内面はパンチの離型性が劣り、その影響で内面フィルムの健全性も劣ったものとなっている。又、得られた金属缶の耐デント性も劣っており、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム、金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法、積層ポリエステル系フィルム被覆金属板、ポリエステル系フィルム被覆金属缶として好ましくない。
実施例2のテスト4から得た、缶壁部の加工度が62%の350mlサイズのシームレス缶を用いて、開口部をトリミングした後、缶を金属板温度が240℃になるように加熱して、その後急冷した。次いで、204缶蓋が巻締められるようにネックイン加工及びフランジ加工を行い、350mlサイズ缶(テスト26)を製造した。
得られた缶の内面フィルムには若干剥離が見られ、缶としては劣ったものであった。
缶内面側フィルムの密度の測定結果は表2に示した。
こうして得られた缶の内面側について、QTV試験及び耐デント性の評価を行った。
結果は表2に示した。
表2から判るように、比較例9であるテスト26は、QTV試験の結果が劣り(反応箇所はネックイン加工部)、又、耐デント性も著しく劣っているため積層ポリエステル系フィルム被覆金属缶としては好ましくない。
Claims (11)
- A層/B層/A層の積層構成であり、A層が融点180℃以上の結晶性ポリエステルからなり、B層がポリエステルと、200〜2000当量/トンの官能基を有し、等価球換算径が0.25〜2.0μmであるオレフィン系ポリマーとを、70/30〜99/1重量%の割合で混合した、下記式(I)〜(III)を満足するポリエステル系樹脂組成物からなり、A層/B層/A層の積層状態の溶融樹脂膜を、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化した後、少なくとも縦方向に1軸延伸した積層ポリエステル系フィルムであり、該積層ポリエステル系フィルムの表面粗さ(Ra)が0.1μm以下で、且つ、密度が1.360g/cm3以下であることを特徴とする金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム。
[式] (I) 1≦m≦30
(II) 0.15≦(Mi−Mf)/m≦1.0
(III) 2≦Mf≦20
式中、Miは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルのメルトフローレート(MFR、g/10min)を示し、Mfは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーの混合物のMFR(g/10min)を示し、mは混合物中のオレフィン系ポリマーの含有量(重量%)を示す。 - 請求項1に記載のオレフィン系ポリマーが、エチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体、又は前記共重合体と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体とからなる混合体からなることを特徴とする金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム。
- 請求項1に記載のオレフィン系ポリマーが、炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体(a)およびエチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体(b)とからなる混合体からなることを特徴とする金属板被覆用積層ポリエステル系フィルム。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法であって、A層/B層/A層の積層状態のポリエステル樹脂組成物をTダイから層状に押し出した溶融膜を、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化後に少なくとも縦方向に1軸延伸することを特徴とする金属板被覆用積層ポリエステル系フィルムの製造方法。
- A層/B層/A層の積層構成であり、A層が融点180℃以上の結晶性ポリエステルからなり、B層がポリエステルと、200〜2000当量/トンの官能基を有し、等価球換算径が0.25〜2.0μmであるオレフィン系ポリマーとを、70/30〜99/1重量%の割合で混合した、下記式(I)〜(III)を満足するポリエステル系樹脂組成物からなり、A層/B層/A層の積層状態の溶融樹脂膜を、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化した後、少なくとも縦方向に一軸延伸した、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下で、且つ、密度が1.360g/cm3以下である積層ポリエステル系フィルムが、金属板の少なくとも缶の内面側に相当する面にA層のいずれかの層が金属板と相接して被覆されてなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板。
[式] (I) 1≦m≦30
(II) 0.15≦(Mi−Mf)/m≦1.0
(III) 2≦Mf≦20
式中、Miは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルのメルトフローレート(MFR、g/10min)を示し、Mfは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーの混合物のMFR(g/10min)を示し、mは混合物中のオレフィン系ポリマーの含有量(重量%)を示す。 - 請求項5に記載のオレフィン系ポリマーが、エチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体、又は前記共重合体と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体とからなる混合体からなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板。
- 請求項5に記載のオレフィン系ポリマーが、炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体(a)およびエチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体(b)とからなる混合体からなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板。
- A層/B層/A層の積層構成であり、A層が融点180℃以上の結晶性ポリエステルからなり、B層がポリエステルと、200〜2000当量/トンの官能基を有し、等価球換算径が0.25〜2.0μmであるオレフィン系ポリマーとを、70/30〜99/1重量%の割合で混合した、下記式(I)〜(III)を満足するポリエステル系樹脂組成物からなり、A層/B層/A層の溶融樹脂膜から得られる積層ポリエステル系フィルムが被覆された積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法であって、Tダイから層状に押し出されたA層/B層/A層の積層状態の溶融樹脂膜を、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、4.0μm未満の冷却ロールで固化し、少なくとも縦方向に1軸延伸した後両端部を切断除去して前記積層ポリエステル系フィルムを得る工程と、前記積層ポリエステル系フィルムを加熱された金属板の少なくとも缶の内面側に相当する面に、A層のいずれかの層が金属板に相接するように被覆し、且つ、フィルム被覆金属板を結晶性ポリエステルの融点以上まで加熱後急冷してポリエステル系フィルムの密度を1.360g/cm3以下とする工程よりなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法。
[式] (I) 1≦m≦30
(II) 0.15≦(Mi−Mf)/m≦1.0
(III) 2≦Mf≦20
式中、Miは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルのメルトフローレート(MFR、g/10min)を示し、Mfは結晶性ポリエステルの融点+30℃の温度で測定した結晶性ポリエステルとオレフィン系ポリマーの混合物のMFR(g/10min)を示し、mは混合物中のオレフィン系ポリマーの含有量(重量%)を示す。 - 請求項8に記載のオレフィン系ポリマーが、エチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体、又は前記共重合体と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体とからなる混合体からなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法。
- 請求項8に記載のオレフィン系ポリマーが、炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上を主たる構成単位とする重合体(a)およびエチレン結合形成性α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の少なくとも1種以上と炭素数2〜6のオレフィンの少なくとも1種以上とを主たる構成単位とする共重合体(b)とからなる混合体からなることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属板の製造方法。
- 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の積層ポリエステル系フィルム被覆金属板から成形して得られる缶であって、少なくとも缶の内面側に被覆されている積層ポリエステル系フィルムの密度が1.360g/cm3以下であることを特徴とする積層ポリエステル系フィルム被覆金属缶。
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