JP2005294991A - 電力線搬送通信装置および電力線搬送通信方法 - Google Patents

電力線搬送通信装置および電力線搬送通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノイズや減衰に対して強い安定した通信を可能にする電力線搬送通信装置および電力線搬送通信方法を提供する。
【解決手段】 電力線を通信線として用いた電力線搬送通信において、運転機器の機器状態データまたは機器制御データを含む伝送データの情報を、1MHz〜30MHzの周波数帯域の1つまたは複数の搬送波にスペクトル拡散等によって割り付けてより広い帯域を利用して通信する
【選択図】 図1

Description

本発明は、産業用電気機器に電力を供給する電力線を利用して通信を行う電力線搬送通信装置および電力線搬送通信方法に関する。
近年、産業分野において産業機器の省電力化や省人員化などの高効率化が進んでいる。そのために、保守・管理データを収集するための装置を機器に取り付けて、機器の稼動状態の監視や各種計測を行い、得られたデータを中央制御室などの監視処理装置に伝送し、遠隔データ収集・監視を行う、あるいは制御端末から機器制御情報を送信し、遠隔で対象機器を制御するニーズがある。このような監視、計測、制御情報は、短時間に複数の機器からデータを送信する場合があるため、高速に情報伝送を行う必要がある。この通信手段として、光ファイバ通信、無線、DSL(Digital Subscriber Line)、電力線搬送等がある。電力線搬送は、電気機器に電力を供給する電力線に情報を重畳し情報伝送を行う技術である。従来の電力線搬送通信装置では、その送信端電圧が90[dBμV]前後である。また、電力線を通信線として利用した電力線搬送通信としては、例えば、特許文献1には、電力線を利用して、複数搬送波にそれぞれ異なる情報を割り付けて通信を行う技術が開示されている。
ところで、電力線は、ツイストペア線のようにツイストしていることもなく、同軸ケーブルのようにシールドもされていない。従って、耐ノイズ性の観点からは非常に弱いケーブルである。このことは、外部からのノイズや他の機器で使われる通信信号が電力線に侵入しやすいことを示していると同時に、電力線搬送通信装置から電力線に印加された通信信号が漏洩電波として漏洩しやすいことを示している。電力線には多くの産業機器が接続されており、電力線に直接または間接的にノイズが混入する。最近の産業機器はインバータが採用されているが、インバータを構成するスイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、FET、サイリスタ等の半導体スイッチング素子)のオン・オフ動作によって電磁ノイズが発生する。この電磁ノイズは、スイッチング素子がオンあるいはオフした際に、回路内の配線によるインダクタンスや浮遊容量およびスイッチング素子のスイッチング速度によって決まる高周波ノイズである。また、産業プラント内では、電気ドリル等に用いられている整流子に生じるスパークによるインパルス性の広帯域ノイズも発生する。これらのノイズは、実験により評価した結果、数百kHzから数十MHzの周波数帯域にまで及ぶことがわかった。この結果、電力線搬送通信装置の搬送波としてこの帯域の周波数をそのまま使用すると電磁ノイズの影響による伝送エラーが多発し、安定した通信ができないという問題が発生することがある。さらに、2002年に実施された総務省による電力線搬送通信設備に関する研究会が実験に用いた電力線搬送通信装置は、送信端電圧が90[dBμV]程度と高いため、漏洩電界強度が大きくなり、通信に使用する帯域に存在するラジオやアマチュア無線等の無線受信装置にノイズを加える可能性がある。
また、特許文献1に開示の技術では、アクセス制御方式としてCSMA(Carrier Sense Multiple Access(with Collision Detection))あるいはTDMA(Time Division Multiple Access)を用いている。しかし、CSMA方式は、複数の電力線搬送通信装置が接続される場合に、電力線搬送通信装置同士の通信信号の衝突が発生する。特に定期的に取得することが要求される保守データや緊急性の高い監視情報、あるいは重要な制御情報を重畳した通信信号の衝突が発生すると表示装置などへの異常報知が遅れることになり、結果として産業機器の利用者(乗客など)に危険が及んだり、対策が遅れるために産業機器が異常停止するなどの問題が発生する。加えて、電力線搬送通信装置は電力線を通信線とするために、ノイズや減衰が著しい。この対策として伝送信号の冗長化を行うと、減衰やノイズが小さい通信線(例えばイーサネット)と比較して冗長化した分、伝送データ量が増加する為、衝突がより頻繁に発生するという問題がある。
特開2002−280935号公報(請求項1)
従って、本発明は、電力線を通信線として用いた電力線搬送通信において、低い漏洩電界強度でノイズや減衰に対して強い安定した通信によって、機器の保守・管理データ等の機器状態データ、機器の遠隔制御に必要な機器制御データ等を含む伝送データを、通信信号の衝突や干渉を生じさせずに伝送し、低い漏洩電界強度でノイズや減衰に対して強い安定した通信を行うことができる電力線搬送通信装置、ならびに電力線搬送通信方法を提供することを主たる課題とする。
前記課題を解決するために、1台の電力線搬送通信装置が、運転機器に取り付けられた監視手段によって計測あるいは検出された機器状態データ、または運転機器の運転を制御するための機器制御データを含むデータを、他の電力線搬送通信装置が送信するデータと通信の衝突や干渉を生じずに、他の電力線搬送通信装置と通信する。
本発明において、「運転機器」とは、その運転状態を良好に維持するために、常時または定期的に運転状態を示す各種のデータを収集して、そのデータに基づき保守・管理を行う機器、あるいは定期的に計測または検出されるデータを収集するための機器、または、運転中にその運転動作を制御するために各種の制御データが与えられ、その制御データに基づき運転制御が行われる機器などを言う。例えば、エレベータ、エスカレータ、空気調和装置、消費電力監視装置、監視カメラ、防犯用監視センサ(赤外線センサ、超音波センサ、光センサ、施錠を確認するセンサ)、プラント機器を構成する各種機器(バルブ、モータ、温度センサ、圧力センサ、流量計、回転数計)、製造システムを構成する各機器等の産業用機器などの保守・管理を必要とし、または、遠隔制御装置から制御データを与えられ、その制御データに基づき、運転動作が制御される機器を言う。
また、「機器状態データ」とは、運転機器の動作を良好に維持するために、その運転機器の運転状態を常時または定期的あるいは非定期的に監視して保守・管理を行うために必要な各種パラメータに関するデータを言う。例えば、エレベータでは、エレベータかごの重量、加速度、電流、電圧、停止位置、異常監視映像、停止階、異常音、戸締り異常、地震もしくはその他の要因によるかご揺れ、火災または異常発熱、かご内照明切れ、表示盤ランプ切れ、非常用バッテリ残量、かご内ファン稼動状況、ブレーキ距離、制動距離、救出用ドアパネル開放、アナウンス異常、かご内空調温度等に関するデータを言う。
また、「機器制御データ」とは、遠隔制御される運転機器の運転を制御するために、遠隔制御装置から運転機器に送信される制御命令を含むデータ等を言う。例えば、後記のエレベータ、エスカレータ、消費電力装置では、それぞれの機器の運転開始または停止、さらに、各種データの計測あるいは検出の開始、検出したデータの送信、また、空調設備(空気調和装置)では、その動態制御(停止、稼動、異常発報、運転モード切替、設定温度変更等)を行うための制御命令に関するデータを言う。
前記課題を解決する他の手段として、本発明の電力線搬送通信装置は、他の1台の電力線搬送通信装置からの送信要求に従って送信することで伝送データが通信の衝突や干渉することなく送信される。
前記課題を解決する他の手段として、電力線搬送通信装置は、少なくとも周波数1MHzから30MHzのいずれかの帯域を使用して、情報を割り付けた搬送波(キャリア、サブキャリアとも言う)をより広い帯域幅をもった搬送波に変調し、電力線を通信線として、電力線に接続される他の電力線搬送通信装置と通信する。
前記課題を解決する他の手段として、電力線搬送通信装置は、他の電力線搬送通信装置によって送信された送信信号を受信時に、送信信号に使用された拡散符号と同一の拡散符号系列を基に逆拡散して復調する。または、複数受信される同一の情報を基に送信情報を復元するダイバーシティ合成手段によって復調する。
前記課題を解決する他の手段として、電力線搬送通信装置は、伝送するデータを、漏洩電界強度を低く抑える為に送信端電圧の上限を70[dBμV](RBW9kHz、準尖頭値)以下とする変調手段によって変調して通信する。
前記課題を解決する他の手段として、電力線搬送通信装置は、送信信号を、高速逆フーリエ変換器によりOFDM変調してOFDM信号を生成する手段と、ディジタルアナログ変換器によりアナログ信号に変換する手段と、アナログ信号を一定間隔ごとにサンプリングして少なくともサンプリング間隔以上にならないようなホールド時間で個々のサンプリングをホールドするホールド制御手段と、さらに前記ホールド制御手段には、前記ホールド時間経過後に次のサンプリングまでサンプリングした振幅を所定値以下にする手段とを備える。
前記課題を解決する他の手段として、電力線搬送通信装置は、受信信号の時間系列信号に同期を取ってアナログディジタル変換器により受信信号のサンプリングを行ってディジタル信号に変換する手段と、前記ディジタル信号に対して高速フーリエ変換器によりOFDM復調を行う手段とを備える。
本発明における電力線搬送通信装置は、より広い帯域を利用して通信を可能とし、またノイズや減衰に強い通信を可能とし、さらに送信端電圧を抑えることで低い漏洩電界強度を達成し、一台の電力線搬送通信装置が他の複数の電力線搬送通信装置に対して機器状態データあるいは機器制御データを含むデータを通信の衝突を生じることなく送信することを可能とする。
本発明の電力線搬送通信装置および電力線搬送通信方法は、より広い帯域を利用して通信を可能とし、またノイズや減衰に強い通信を可能とし、さらに送信端電圧を抑えることで低い漏洩電界強度を達成し、運転機器の保守、遠隔監視、遠隔制御に必要な情報を即応的に送信または受信することを可能とする。また、一台の電力線搬送通信装置により通信管制を行い、他の電力線搬送通信装置の送信タイミングを統制することで、所要のタイミングで機器状態データを収集し、また、適切な時期に機器制御データを送信または受信することができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
〔電力線搬送通信装置〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す構成を示す図である。この図1に示す第1実施形態は、同一建屋内あるいはビル内に敷設された電力線19に複数の電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iが接続され、パソコン23に接続された一台の電力線搬送通信装置を親局とし、電力線19によって電力を供給される運転機器(エレベータかご28、エスカレータ34、空気調和器35、およびその他の産業機器38(例えば、薬品、鉄鋼、食品、産業機器の製造、加工に関わる機器))に設置された計測センサ29l,29m,29nおよび電力計、電力量計40dに、インターフェース27l,27m,27n,27oを介して接続された電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1hを子局として、親局と子局が通信を行う態様を示す。
この第1実施形態において、子局1e,1f,1g,1hは、親局1iによるデータの送信要求信号にしたがって、エレベータ28、エスカレータ34、空気調和器35、産業機器38に設置された計測センサ29l、29m、29nまたは電力計、電力量計40dが計測または検出した機器状態データを、親局liに送信する。子局1e,1f,1g,1hは、インタフェース27l,27m,27n,27oに接続され、インタフェース27l,27m,27n,27oは、計測センサ29l,29m,29n、電力計または電力量計40dに接続されている。
図1に示す第1の実施形態では、電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iのそれぞれは、バンドパスフィルタ(BPF)14,17、結合器18、受信アンプ16、送信アンプ13、アナログ/ディジタル変換器(AD変換器)15、ディジタル/アナログ変換器(DA変換器)11、ミキサー12、復調器2、変調器3、コンスタレーションデマッパー5、コンスタレーションマッパー10、等化器4、復号器6、符号器9、アクセスコントローラー7、プロトコル変換器8、および入出力端子32から構成されている。
電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iの詳細な処理手順において、図1および図2を用いてアクセス制御装置152の処理手順について説明を行う。
親局の電力線搬送通信装置1iが備えるアクセス制御装置152aは、各子局1e,1f,1g,1hに接続された計測センサ29l,29m,29nおよび電力計、電力量計40dから機器状態データを収集するために、同一の電力線19に接続されている子局1e,1f,1g,1hのアドレスと子局1e,1f,1g,1hが送信する機器状態データを関連付けしたテーブルを所有している。このテーブルは電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iの設置を行う時に予め作成する。さらに、子局1e,1f,1g,1hに機器状態データを要求する為に子局1e,1f,1g,1hのアドレスと要求するデータからなる要求信号を生成し、アクセスコントローラー7に送る機能を備えている。
一方、子局1e,1f,1g,1hに備えるアクセス制御装置152bは、親局1iのアドレスと、自局のアドレスと、自局が送信する機器状態データのテーブルとを所有している。このテーブルは、電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iの設置を行う時に予め作成する。また、親局1iからのデータ要求信号に応じて機器状態データの送信を制御する機能を備えている。
また、親局1iと子局1e,1f,1g,1hは、親局1iの処理と子局1e,1f,1g,1hの処理の両方を処理する機能を備えたアクセス制御装置152a,152bを用いて、電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iを設置時に親局1iの処理手順を実行するか、子局1e,1f,1g,1hの処理手順を実行するかを切替える場合もある。
図2は、親局1iと子局1e,1f,1g,1hのアクセス制御装置152a,152bの処理手順を示す図である。この処理手順において、パソコン23は、親局1iへどの機器の機器状態データを取得するのかを送る(S41)。そして、その情報を親局1iのアクセス制御装置152aが受け取り、予め作成されているテーブルに従って、パソコン23が要求した機器状態データをどの子局1e,1f,1g,1hが取得しているのか検索し(S47)、子局1e,1f,1g,1hのアドレスを特定する。続いて前の処理段階で特定した子局1e,1f,1g,1hのアドレスを生成して、アクセスコントローラー7に送り、アクセスコントローラー7は、送信処理を行って送信を行う(S42)。親局1iから送信した送信信号を受信した子局1e,1f,1g,1hは、子局1e,1f,1g,1hが備えるアクセス制御装置152bにおいて自局宛ての送信信号であるか否かを判定する(S43)。その結果、自局宛てではない場合には、待機状態に移行する(S46)。一方、受信した親局1iからの送信信号が自局宛てである場合には、アクセスコントローラー7に、機器状態データの送信処理を実行する指令と、送信あて先である親局1iのアドレスを送り(S44)、これらの情報を送信する(S45)。なお、親局1iにアドレスを割り当てていない場合には、アクセス制御装置152bは、親局1iのアドレスをアクセスコントローラー7に送らない。親局1iは、子局1e,1f,1g,1hからの送信信号を受信、復調して機器状態データとしてパソコン23に送る。
図1および図2に示した実施形態は、建屋内に敷設した同一配電系統の電力線19に複数の電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iを接続しているため、親局1iが複数の子局1e,1f,1g,1hに対して、直接通信を行うことができるという電力線特有の敷設形態を利用している。さらに、このような敷設形態において、接続している子局1e,1f,1g,1hがCSMAなどのアクセス方式で親局1iと通信を行うと、伝送信号の衝突が頻発して通信効率が低下する。加えて電力線19は減衰やノイズが大きく、これらの影響を軽減する目的で伝送信号を冗長化して通信を行う為、他の通信システムの伝送信号(例えば、イーサネット)と比較して伝送データ量が増大し、さらなる通信効率低下を引き起こす。場合によっては、衝突が多発してまったく通信できない事態となる。そこで、本実施形態にあっては、親局1iの要求信号に従って子局1e,1f,1g,1hがデータを送信するため、親局1iは伝送信号が衝突することなく、各子局1e,1f,1g,1hが送信するデータを取得することができ、複数の電力線搬送通信装置1e,1f,1g,1h,1iを接続した場合において、伝送効率が劣化することがない。
図3は、本発明に係る第2実施形態の電力線搬送通信装置とそれをエレベータの保守データ(機器状態データ)の取得手段に用いる構成を示す図である。電力線搬送通信装置1aは、入出力端子32を経由してインターフェース27aに接続しており、このインターフェース27aが、エレベータに取り付ける計測センサ29a,29b,29cに接続されている。
電力線搬送通信装置1aは、図1に示すように、バンドパスフィルタ(BPF)14,17、結合器(検波回路)18、受信アンプ16、送信アンプ13、アナログ/ディジタル変換器(AD変換器)15、ディジタル/アナログ変換器(DA変換器)11、ミキサー12、復調器2、変調器3、コンスタレーションデマッパー5、コンスタレーションマッパー10、等化器4、復号器6、符号器9、アクセスコントローラー7、プロトコル変換器8、アクセス制御装置152、および入出力端子32から構成されている。
エレベータかご28には、インタフェース27a、計測センサ29a、29b、29c、および電力線搬送通信装置1aが取り付けられる。電力線搬送通信装置1aは、エレベータかご28内で照明用電源などに使用するために敷設する電力線19に接続する。
プロトコル変換器8は、接続されているインタフェース27aとの間で行われる通信データのプロトコル変換を行う装置である。ここで用いられる通信プロトコルは、例えばイーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の標準的な規格のものである。ただし、入出力端子32に接続されたインタフェース27aからの出力が直接電力線搬送通信装置1aと授受を行う通信フォーマットであればプロトコル変換器8は不要である。エレベータかご28に取り付けた計測センサ29a、29b、29cでは、エレベータ保守・管理に関わる情報(かご重量、加速度、電流、電圧、停止位置、異常監視映像、停止階、異常音、戸締り異常、地震もしくはその他の要因によるかご揺れ、火災または異常発熱、かご内照明切れ、表示盤ランプ切れ、非常用バッテリ残量、かご内ファン稼動状況、ブレーキ距離、制動距離、救出用ドアパネル開放、アナウンス異常、かご内空調温度等)に関するデータを検出し、検出データをインタフェース27aに送る。計測センサ29a,29b,29cから送られる検出データは、検出目的に応じてそれぞれ電圧値、あるいは電流値で表わされている。そのためインタフェース27aでは、各計測センサ29a,29b,29cから送られる数値データをサンプリング、あるいは一定時間の間、データを蓄積及び加工して、送信時点における送信データとして電力線搬送通信装置1aの入出力端子32との整合が取れた所定の通信フォーマットに変換する。なお、このインタフェース27aは計測センサ29a,29b,29cに内蔵される場合がある。また、図4に示すように、計測センサ29a,29b,29cおよび運転制御装置30aのそれぞれに、インタフェース27b,27c,27dを設置して、これら各計測センサ29a,29b,29cや運転制御装置30aから伝送されるデータをシリアル、若しくはパラレルに変換する集線装置33によりデータを集約し、入出力端子32を介して電力線搬送通信装置1aに出力するようにしてもよい。このようにすることで、取得した計測データを減衰させることなくインタフェース27b、27c、27dまで送信することが出来、電圧値や電流値である検出データが、電圧降下やケーブルの抵抗を受けることなく電力線搬送通信装置1aの入出力端子32まで伝送することが可能になる。
プロトコル変換器8は、インタフェース27a(図3参照)、27b、27c、27d(図4参照)からデータを受け取ると、このデータを電力線搬送通信装置1aで扱う所定フォーマットの通信パケットに変換する。
アクセスコントローラー7は、アクセス制御装置152bから送信処理の実行指令を受け取ると、プロトコル変換器8からの通信パケットを受信すると、このデータを、符号器9と変調器3に送る。また、アクセスコントローラー7は、MAC制御(通信データの送信タイミングやパケットのフレーム構造等の制御)に関する処理を行うとともに、電力線19のSN比の状態をトレーニング信号を使って解析しており、この解析情報を、符号器9、変調器3及びコンスタレーションマッパー10に送る。
符号器9では、誤り訂正符号化を行う。コンスタレーションマッパー10では、多値PSK(QPSK)、多値QAM等の多値変調を行い、そのコンスタレーション配置に応じてデータを割り付ける(コンスタレーションマッピング)。なお、QAMはQuadrature Amplitude Modulation、QPSKはQuadrature Phase Shift Keyingと呼ばれ、QAMは振幅変調、QPSKは位相変調である。
図5は、コンスタレーションマッパー10におけるQPSKのコンスタレーションマッピングの一例を示す図である。符号器9から送られてきた2ビットのデータが、図5の4点のうちのいずれかに割り当てられ、それぞれIとQの値が変調器3に送られる。QPSKは、各搬送波(キャリア、サブキャリアとも言う)に2ビットを割り付ける変調方式であり、信号点配置は図3のようになっている。I軸は信号の同相成分を表し、Q軸は信号の直交成分を表している。信号点へのデータ割り付けは、例えば、第1象限の信号点でデータ“00”を示し、第2象限の信号点でデータ“01”、第3象限の信号点でデータ“11”、第4象限の信号点でデータ“10”を表す。
なお、図5ではQPSKの一例を示したが、コンスタレーションマッパー10は、アクセスコントローラー7から、伝送路のSN比を受け取り、図6に示す通信誤り率とSN比に基づいて、いずれの多値変調を行うかを決定する。図6は、どの多値変調を行うかを決定するための通信誤り率とSN比を示した図である。より広い帯域を使った通信の場合、拡散率や同一情報をいくつ送信するかによって、図6に示す所要SN比よりも低いSN比で多値変調を行えるため、コンスタレーションマッパー10は、拡散率や同一情報の送信数を考慮していずれの多値変調を行うかを決定する。例えば、図7は、図6における通常のQPSKの通信誤り率と拡散率が20の時のQPSKの通信誤り率を示した図である。拡散等の処理を施さない(通常のQPSK)場合は、通信誤り率が10-5の時の所要SN比は約13dBであるが、拡散率が20の場合は、通信誤り率が10-5のSN比が0dBであるから、QPSK変調ができることを示している。これをプロセスゲインと呼ぶ。なお、拡散率は、ベースバンド信号帯域幅と伝送帯域幅で決定される。例えば、ベースバンド帯域幅が1MHzであり、伝送帯域幅が25MHzであれば拡散率は25となる。
変調器3は、後記するスペクトル拡散や帯域割り付けによって、変調器3への入力信号を、より広い帯域幅を持った通信信号とする。その後、この信号は、DA変換器11によりアナログ信号に変換される。この処理をアナログ回路で実現することもあり、その場合にはDA変換器11は不要である。この後、ミキサー12でI,Q変調や周波数変換され、送信アンプ13により増幅された後、BPF14を介して電力線19に出力され、他の電力線搬送通信装置1b,1c,1dに送信される。なお、IQ変調はDA変換処理の前に実行されることもある。
一方、他の電力線搬送通信装置1b,1c,1dから送信されてきた信号(受信信号)は、BPF17によって通信帯域外の信号が抑制され、受信アンプ16に出力される。受信信号は、受信アンプ16で増幅され、AD変換器15に出力される。AD変換器15によってディジタル情報に変換され、復調器2で逆拡散が行われる。逆拡散等の復調処理をアナログ回路によって実現する場合には、AD変換器15は不要である。逆拡散や帯域合成(ダイバーシティ合成)を行って、元のベースバンド帯域幅まで帯域幅を狭くした後、等化器4により、伝送路の歪により生じる位相回転が修正される。位相回転量は、トレーニング信号として送られる既知のデータがどの程度位相回転しているかを割り出すことで把握される。
コンスタレーションデマッパー5では、デマッピングが行われる。デマッピングは、受信信号の振幅と位相情報により行われる。これらの処理順序は入れ替わる場合もある。図5は、QPSKのコンスタレーションマッピングを示しているが、デマッピングされたデータは、ノイズや伝送路歪により、本来のコンスタレーション位置とは異なる場合が多い。
その後、復号器6で誤り訂正符号の復号を行って、複合された信号が、アクセスコントローラー7に送られる。アクセスコントローラー7でMAC制御に関する処理を行って、処理後の信号がプロトコル変換器8に送られる。そのデータを含む信号は、プロトコル変換器8でインタフェース27a(図3参照)、27b、27c、27d、27e(図4参照)とマッチングの取れた通信フォーマットに変換される。一般的には、例えばイーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の標準的な規格を用いることができる。そのデータは計測センサ29a、29b、29cに送られる。なお、アクセス制御装置152の処理は、図1および図2で説明した処理と同様であり、説明は省略する。図示していないが、計測センサ29a、29b、29cは電力線搬送通信装置1b、1c、1dからのデータを受信して自身の制御(測定間隔変更、校正)を行うようにしてもよい。
また、受信データが機器制御情報であれば、図8および図9に示すように、インタフェース27a(図8参照)、27e(図9参照)で機器制御データを運転制御装置30aに適合した電圧値あるいは電流値等の機器制御データに変換して運転制御装置30aに送信する。運転制御装置30aでは、このデータを受信して、エレベータかご28の動態制御(停止、昇降、ドア開閉、加減速、異常発報)を行うようにしてもよい。
電力線搬送通信装置1a、1b、1c、1dは、表示装置25やパソコン23に接続してもよい。この場合には、電力線搬送通信装置1a、1b、1c、1dと、パソコン23あるいは表示装置25との間を、例えばイーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等に用いられる標準的なフォーマットで接続する。もしくはインタフェース31を設けて計測データを表示してもよい。また、図3及び図4に示しているように、電力線搬送通信装置1a、1b、1c、1dで受信したデータは、ゲートウェイ22やサーバー24を介してインターネットあるいはローカルエリアネットワーク26を経由して遠隔地の表示装置あるいはパソコンにデータ伝送を行って遠隔地監視・制御を実現するようにしてもよい。
電力線19は、電源供給線であるため、配電盤/ブレーカー21に接続されている。よって電力線搬送通信装置1aの信号が配電盤/ブレーカー21を介して同一の外部配電線に接続されている建屋内の各種機器へ伝送される可能性がある。これを抑制する場合にはブロッキングフィルタ20を、電力線19に設けることが好ましい。
[電力線の通信特性 1MHz−30MHz]
次に、通信線として用いる電力線19の特性について説明する。図10は、電力線の伝送路特性(減衰特性)を実験により測定した結果の例である。図10は、ある電源端子間の伝送路における減衰特性であり、実測値34(破線参照)とその実測値34を1次近似した結果35(実線参照)とを示してある。一般に、電力線19は、図10に示すように減衰が大きく、特に周波数が高くなるほどその傾向は顕著である。図10から周波数が30MHz以上になると、減衰量(マイナスの符号)は60dB以上にも及ぶことがわかる。これは、30MHz以上の高周波信号は電力線19によって十分に伝送できないことを示している。また、図11は、電力線19のノイズ特性であるが、30MHz付近ではノイズは30[dBμV]である。これに減衰特性を考慮した場合、例えば電力線搬送通信装置1aの送信端電圧が70[dBμV]だったとしても、SN比が−20dBとなる(30MHz付近では減衰が60dBあるため、70dBμVの送信端電圧が10dBμVにまで落ち、そこにノイズ30dBμVが加わるため)。仮に拡散等によるプロセスゲインでSN比の改善を試みても、30MHz以上の周波数帯域では、減衰により通信が困難となる。従って、30MHzまでの周波数帯域を使って通信をすると安定性が向上する。また、図11からわかるように、1MHz以下の周波数ではノイズが高いため、1MHz以上の周波数を使い、広い帯域を確保することで通信の安定性が増す。5MHz以上では、さらにノイズが低いため、より安定した通信ができる。
ディジタル通信では、通信開始時に予め既知の信号系列を全ての送信信号の先頭に挿入し、受信側においてはその既知の送信シンボルから特徴量を抽出して、その特徴量が閾値を超えるか、最尤判定か、ピークサーチ方式を用いることで、送信側から送られた送信信号を受信信号とした場合の、データ開始点を捕捉する。これを一般的に同期というが、高ノイズ環境下では受信時にノイズにより特徴量の抽出が困難となる場合がある。この場合には、既知の信号系列を任意の周波数に変更することで高ノイズ周波数帯域を避けるか、あるいは同期に用いる既知の信号系列自体にスペクトル拡散処理を行って、特徴量の抽出が容易にする。この時、既知の信号系列を任意の周波数に変更する場合には、既知の信号系列の周波数成分を抽出する為のバンドパスフィルタを用いる(図示せず)。
以上により、電力線搬送通信装置1aで、スペクトル拡散や帯域割り付けにより広い帯域を使って通信を行う場合には、少なくとも1MHzから30MHzのうちのいずれかの帯域を使用することで、安定した通信が可能になることが分かる。
また、この通信信号に対し、受信側において逆拡散処理を実行したり、複数の搬送波信号に割り付けられているそれぞれの同一の情報(以下、「ダイバーシティ枝」と言う)を加算したり、位相調整後に加算したり、あるいはそれぞれのダイバーシティ枝に重み付けをして、位相調整後に加算したりして、帯域合成(ダイバーシティ合成)を行うことにより、SN比を改善して、信頼性の高い通信を行うことが可能である。ここで、ダイバーシティ枝とは、それぞれの搬送波に割り付けられた個々の同一情報を意味する。
従来の電力線搬送通信装置はノイズや減衰に対して何ら対策を施していない為、この電力線搬送通信装置をエレベータかご28に設置して機器状態データの取得を行うと、エレベータの機械室に設置した巻き上げ機から発生するノイズにより通信データが妨害を受け、特にエレベータかご28の昇降時には安定した通信を行うことが出来ない問題があった。これに対して、本発明による電力線搬送通信装置1a、1b、1c、1d、1eは、信号をスペクトル拡散して通信を行うため、エレベータかご28の昇降時のノイズ環境下においても計測センサ29a、29b、29cにより取得したデータ、あるいは運転制御情報を安定して高速(およそ1Mbps程度)で伝送することが可能となる。
図12は、本発明に係る第4実施形態の電力線搬送通信装置とそれをエスカレータ34(マンコンベアともいう)の保守データ取得手段に用いる構成を示す図である。この構成は、図3および図4に示したエレベータかご28とほぼ同様に、エスカレータ34に取り付ける計測センサ29d,29e,29fの保守情報をインタフェース27f、あるいはインタフェース27fと集線装置を介して電力線搬送通信装置1aにより保守データを伝送するものであり、以下の説明においては、エスカレータ34に適用した場合に図3および図4と異なる点についてのみ説明を行う。電力線搬送通信装置1aは、エスカレータ34に取り付けるとともに、エスカレータ34の駆動や踏み板下の照明に使用するために敷設する電力線19に接続する。
エスカレータ34に取り付けた計測センサ29d,29e,29fでは、エスカレータ保守に必要な情報(運行速度、乗客検知、異物検知、ハンドレールからの乗り出し、乗客転倒、踏板脱落、チェーン断裂、異物巻き込み、異物挟み込み、非常スイッチ押下、過負荷、部品磨耗量、異常音、床下機器水没、モータ電圧、モータ電流、踏板速度と手摺移動速度差、手摺内スチールコード損傷、ハンドレール損傷、オイルパン上のごみ堆積量、踏板下照明切れ、ベルト張力等)に関するデータを検出する。
また、図13は、図12に示す構成と同様に,エスカレータ34に取り付ける計測センサ29d、29e、29fの保守情報をインタフェース27f、あるいはインタフェースと集線装置を介して電力線搬送通信装置1aにより保守データを伝送するとともに、電力線搬送通信装置1aが、パソコン23からの機器制御情報を受信するものである。運転制御装置30bでは、電力線搬送通信装置1b、1c、1dにより送信された制御データを受信して、エスカレータ34の動態制御(停止、稼動、異常発報、速度制御)を行う。
図14は、本発明に係る第5実施形態の電力線搬送通信装置とそれを空調設備35、36(空気調和設備)の保守データ取得手段に用いる構成を示す図である。この構成は、図3および図4に示したエレベータとほぼ同様に、空調設備35、36に取り付ける計測センサ29g,29h,29i,29j,29kの保守情報をインタフェース27g、あるいはインタフェース27gと集線装置を介して電力線搬送通信装置1aにより保守データを伝送するものである。以下、空調設備35、36に適用した場合に図3および図4と異なる点についてのみ説明を行う。
この構成においては、電力線搬送通信装置1aは、空気調和機室外機あるいは空気調和機室内機の一方もしくは両方に取り付けるとともに、空気調和機の駆動に使用するために敷設する電力線19に接続する。
計測センサ29g,29h,29i,29j,29kは、空気調和機室内機36や空気調和機室内機36に付随する操作盤あるいは空気調和機室外機35に取り付け、計測センサ29g,29h,29i,29j,29kでは、空調設備(空気調和機室外機35、空気調和機室内機36)の保守に必要な情報(風量、設定温度、ファン回転数、電圧、電力、電流、外気温度、室内温度、冷房・暖房・除湿等の運転モード、異常発熱、漏電、湿度等)を検出する。
また、図15は、図14に示す構成と同様に、空調設備(空気調和機室外機35、空気調和機室内機36)に取り付ける計測センサ29g、29h、29i、29j、29kの保守情報をインタフェース27g、あるいはインタフェース27gと集線装置を介して電力線搬送通信装置1aにより保守データを伝送するとともに、電力線搬送通信装置1aが、パソコン23からの機器制御情報を受信するものである。運転制御装置30c、30dでは、電力線搬送通信装置1b、1c、1dにより送信された制御データを受信して、空調設備(空気調和機室外機35、空気調和機室内機36)の動態制御(停止、稼動、異常発報、運転モード切替、設定温度変更等)を行う。
図16は、本発明に係る第6実施形態の電力線搬送通信装置とそれを省電力モニタに用いる構成を示す図である。構成は図3および図4に示したエレベータとほぼ同様に、産業機器37,38,39に取り付ける電力計/電力量計40a,40b,40cの計測情報(保守データ)をインタフェース27i,27j,27k、あるいはインタフェースと集線装置を介して電力線搬送通信装置1aにより保守データを伝送するものである。以下、省電力モニタに適用した場合に図3および図4と異なる点についてのみ説明を行う。
この構成では、電力線搬送通信装置1aは、産業機器に電力を供給するために敷設する電力線19に接続する。
ここで、省電力モニタは、省電モニタあるいは消費電力監視装置(あるいは消費電力監視システム)とも称され、図15図においては、電力線搬送通信装置1a,1b,1c,1d、インタフェース27i,27j,27k,31、電力計/電力量計40a,40b,40c、表示装置25などから構成されるシステムであり、機器に設置した電力計/電力量計40a,40b,40cのデータをモニタリングするシステムを言う。
この図16に示す第6実施形態においては、産業機器37,38,39に電力計あるいは電力量計40a,40b,40cを取り付け、取り付ける産業機器37,38,39の消費電力あるいは消費電力量を計測し、計測結果をインタフェース27i,27j,27kを介して本発明による電力線搬送通信装置1aで伝送する。送信したデータは電力線搬送通信装置1b,1c,1dにより復調した後、表示装置25にリアルタイムデータとして表示するかあるいはパソコン23のディスプレイ上に表示し、場合によっては取得データを蓄積して参照する。
これらの図12ないし図16に示す実施形態においては、いずれも本発明の電力線搬送通信装置1a,1b,1c,1d,1eを用いており、産業機器等の稼動ノイズ、インバータノイズの存在する環境下において安定した高速な伝送速度(1Mbps程度)を実現することが可能である。
〔単一搬送波のスペクトル拡散〕
次に、より広い帯域を使用したスペクトル拡散方式または帯域割り付けについて説明する。なお、以下の実施例において入出力端子32には図1、図3、図4、図8、図9、図12ないし図16に示したいずれかの構成が接続されるものであり、説明を省略する。
図17は、本発明に係る第7実施形態の電力線搬送通信装置1aにおける直接スペクトル拡散方式の構成を示す図である。以下、図1と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図1で示した処理と異なる点は、拡散及び逆拡散部分であり、拡散符号発生器43、スペクトル拡散変調器44、タイミング同期回路42及びスペクトル逆拡散変調器41を備える。送信時にコンスタレーションマッピングされたデータは、拡散符号発生器43で発生した拡散符号系列を用いてスペクトル拡散変調器44でスペクトル拡散され、DA変換器11に送られる。一方、受信時には、タイミング同期回路42により符号同期をとり、スペクトル逆拡散変調器41で逆拡散されたデータがデマッピングされる。
図18は、拡散前帯域幅Waの単一搬送波45を、1MHzから30MHzの帯域を使用して直接スペクトル拡散した場合の周波数スペクトル概念図である。拡散後の搬送波46は、周波数帯域幅がより広い帯域幅Wbになっている。拡散符号には、PN符号(擬似ランダム符号)、M系列、ゴールド符号、バーカ符号、その他の直接拡散を行うことができる任意の符号長の符号系列を用いる。この拡散手段は、拡散前帯域幅Waの搬送波に対し、拡散符号を乗算するだけで簡単により広い拡散後帯域幅Wbにスペクトル拡散できるという特徴がある。
以下、同様に拡散前帯域幅Waの搬送波を少なくとも周波数1MHzから30MHzの間のいずれかの帯域を使用して、より広い拡散後帯域幅Wbを持つ搬送波に変換して行う情報通信について、周波数スペクトル概念図を用いて説明する。
〔単一搬送波情報の複数の搬送波への割り付け〕
図19は、拡散前帯域幅Waの単一搬送波47からなる情報信号を複数の搬送波48〜55に割り付け、複数の搬送波48〜55を少なくとも周波数1MHzから30MHzの間のいずれかの帯域に割り当てた図である。複数の搬送波48〜55は同一情報を持ち、全体として、より広い拡散後帯域幅Wbを利用して通信を行うことができる。
図20は、本発明に係る第8実施形態の電力線搬送通信装置1aにおける、前記図19に示した複数の搬送波に割り付けを行うための構成を示す図である。図1および図19と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図1および図19で示した処理と異なる点は、帯域割付装置58、帯域合成装置57を備える点である。図20において、送信側のコンスタレーションマッパー10によってマッピングされたデータは、帯域割付装置58において帯域割り付けが行われる。帯域割付装置58では、コンスタレーションマッパー10とアクセスコントローラー7から受け取った割り付け情報に基づいて、所定の搬送波48〜55に同一の情報を割り付ける。このように同一の情報を複数の搬送波に割り付ける方法を周波数ダイバーシティと呼ぶ。この周波数ダイバーシティは、同一の情報を複数の周波数の搬送波で伝送しているため、搬送波のいずれかがノイズや伝送路歪で情報を失っても、他の周波数帯域の搬送波に割り付けた情報が健全であれば、帯域合成装置57においてダイバーシティ合成を行うことで、正しい情報を復元できるため、通信の安定性が向上するという効果がある。なお、詳細な説明は省略するが、ダイバーシティ合成方式には、選択合成方式、等利得合成方式、最大比合成方式等がある。図示しないが、複数の搬送波48〜55は個々において同一または異なる拡散符号系列および拡散符号長を乗積して拡散されることもある。復調時には、同一情報が割り付けられている搬送波48〜55ごとあるいは受信データを一括して検波復調を行い、さらにダイバーシティ合成を行って元の帯域幅Waにした後に、図1の実施形態で示したと同様の復調処理を行う。また、ダイバーシティ合成は、先にデマッピングまでの処理を行い、そのデマッピングしたデータについて行うこともある。
複数の搬送波48〜55に同一情報を割り付けて行う通信は、電力線19に特有の伝送路特性及びノイズ特性に対して、より信頼性の高い通信を行うことが可能である。さらに、SN比を評価するトレーニング信号を利用したり、予め他の機器で使われる通信帯域の情報を与えることで、信号を伝送するのに都合の悪い帯域(著しく信号が歪んだり、他の機器で使われる通信帯域に存在する通信に著しく妨害を与える帯域)に対しては、いずれかの搬送波48〜55の割り付けを行わないようにすることで、より高信頼度の通信を行うことができ、また他の機器の通信と干渉することを防ぐことが可能である。
〔複数搬送波のスペクトル拡散〕
図21は、2つ以上の搬送波59、60、61に情報を分割して割り付けた例を示す図である。従って、搬送波59、60、61には、それぞれ異なる情報が割り付けられている。図22は、図21に示した搬送波59、60、61に対してそれぞれの搬送波を直接拡散している様子を示した図である。即ち、図22は、周波数1MHzから30MHzの間のいずれかの帯域を使用して、図21に示す搬送波59、60、61を、それぞれの搬送波59、60、61に対して同一又は異なる拡散符号を用いて拡散し、個々の搬送波62、63、64に割り付けた拡散情報信号が互いに干渉しないように周波数軸上に割り当てた例である。
図23は、図22の処理を実現するためのスペクトル拡散変調器44の処理フローである。スペクトル拡散変調器44は、図17のコンスタレーションマッパー10からコンスタレーションマッピングのI,Qの値を入力し(S1)、拡散率を入力して(S2)、拡散率に基づいて発生された拡散符号を用いて、I,Qの値と拡散符号により各情報信号を直接拡散し(S3)、DA変換器11に出力する(S4)。このとき、拡散符号には、PN符号(擬似ランダム符号)、M系列、ゴールド符号、バーカ符号、その他の直接拡散を行うことができる任意の符号長の符号系列を用いることができる。図21に示す搬送波59、60、61は、それぞれ図22に示す搬送波62、63、64に割り当てられている。
これにより、例えば、図18に示すスペクトル拡散信号と比較して、同一の拡散符号長を用いた場合、相対的に拡散後の帯域幅を狭くすることができるため、図24に示す急激な減衰量の落ち込みの影響を回避しやすくなる。図24で、破線は、図6で示した減衰特性の実測値34である。図24で、搬送波66は、搬送波65に比べ帯域幅が狭いため急激な減衰量の落ち込み(図24における○の個所)に掛からず波形にひずみを生じないため、復調ができる。つまり、急激に減衰が起こった場所では、ノイズによる情報の損失がおきやすくなるが、この状況に陥ることを回避できる。搬送波65は、電力線19に特有の伝送路特性等により生じる周波数選択性フェージングの状態であり、搬送波66は、フラットフェージングの状態である。ここで、周波数選択性フェージングとは、電力線19の伝送路特性において減衰量が急激に落ち込むことで通信信号が著しく歪んだ状態になることであり、フラットフェ―ジングは影響されない状態のことである。図24は、相対的に信号帯域幅が狭くなった信号を用いることで電力線19の伝送路特性によって著しく通信信号が歪む現象を回避している例である。なお、実験の結果、図24での減衰量の落ち込み時の周波数幅は約100kHzである。
〔複数搬送波のスペクトル拡散、同一情報が割り付けられている搬送波を互いに干渉することなく周波数軸上に配置〕
図25は、図21に示す複数搬送波59,60,61に情報を分割して割り付け、同一情報が割り付けられている個々の搬送波70,71,72,73,74,75,76,77,78を互いに干渉することなく周波数軸上に割り当てた図である。
図26は、本発明に係る第9実施形態の電力線搬送通信装置1aにおける、図25に示す割り付けを行うための構成を示す図である。図1に示す構成等と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図1、図17、図20に示す構成と異なる部分は、帯域割付装置69、帯域合成装置67を備え、タイミング/同期回路68を備えた点である(図20に対してはタイミング/同期回路68を追加)。
図25によれば、例えば、図21において情報(データa)が割り付けられている搬送波59は、図25において搬送波70、71、72に割り付けられており、この時、搬送波70、71、72は少なくともオーバラップしない程度に近接して周波数軸上に配置される。図21において、情報(データb)が割り付けられている搬送波60及び情報(データn)が割り付けられている搬送波61は、図25において、搬送波73〜75、搬送波76〜78に割り当てられる。また、同一の情報が割り付けられている搬送波の集まり(搬送波群:70、71、72や73〜75等)は任意の周波数に割り当てられる。
図27は、図26に示す帯域割付装置69の処理フローである。帯域割付装置69は、図26のコンスタレーションマッパー10から、コンスタレーションマッピングのI,Qの値と拡散率を入力する(S11,S12)。また、アクセスコントローラー7から通信帯域情報を入力し(S14)、I,Qの値と、拡散率と、通信帯域情報とに基づいて各搬送波に帯域割り付け及び各搬送波に情報の割り付けを行い(S13)、DA変換器11に出力する(S15)。また、帯域割付装置69は、同一情報を割り付ける搬送波を何本用いるかを決定する。さらに、SN比が著しく低い帯域や、他の機器で使われる通信帯域には、搬送波70〜78を割り当てないようにする。以上の処理を行うことにより、広い拡散後帯域幅Wbを利用して通信を行う。これら全ての搬送波70、71、72は、それぞれに干渉を起こさないようにフィルタリングが施されたり、その干渉が互いに影響を及ぼさない程度の周波数間隔を空けたりする処置を講じている。このように複数搬送波70〜78のそれぞれに割り付けられた情報を、複数の周波数で同じ情報を送信する帯域割り付けの方法も周波数ダイバーシティという。一方、復調時には、同一情報が乗っている搬送波(例えばデータaが割り付けられている搬送波70,71,72)ごとにダイバーシティ合成を実行して、第1図の実施形態と同様の復調処理を行う。また、ダイバーシティ合成は、先にデマッピングまでの処理を行い、そのデマッピングしたデータについて行うこともある。
従って、この方式は、図21および図22に示す方式と比較して、1つの搬送波62,63,64の帯域幅が相対的に狭くなるため、図24で示した電力線特有の伝送路特性である周波数選択性フェージングをフラットフェージングにする効果がより大きくなり、これにより通信の信頼性がより向上する。また、電力線19ではランダムに減衰が起こる場合があり、この時の減衰の幅は狭いため、同一情報を割り付けた搬送波66のうち、減衰により1つの搬送波66が情報を失っても、他の搬送波に割り付けられた同一情報は健全であるため、それら健全な情報を用いて、送信された情報を復元でき、通信の安定性が向上する。なお、図21および図25では、各搬送波70〜78に分割して情報を割り付けているため、1つの搬送波45,46の帯域幅は図18の単一搬送波45と比較して狭い。また、図25のようにより広い帯域を使った場合でも、図21の個々の搬送波59,60,61と図25の個々の搬送波70〜78の帯域幅は同じである。
これによって、1MHzから30MHzの帯域を使うことでより安定した通信ができることはもちろんであるが、ノイズレベルの高い1MHz以下の周波数帯においても、十分なSN比が確保できる帯域が局所的に存在し、前記のように狭い帯域幅の搬送波であれば1MHz以下の帯域を利用しても通信が可能である。この結果、さらに多くの搬送波を利用して通信することができ、より一層の高速通信を行うことができる。
〔複数搬送波のスペクトル拡散、同一情報が割り付けられている搬送波を離隔して周波数軸上に配置〕
図28は、図21に示す複数搬送波59,60,61に情報を分割して割り付け、同一情報が割り付いている個々の搬送波を離隔して周波数軸上に割り当てた図である。図28において、例えば、図21で示した搬送波59に割り付けられた情報(データa)は、搬送波79,82,85に割り付けられている。そして、同一の情報を割り付けた複数の搬送波79,82,85は、搬送波同士が互いに干渉を起こさず、且つ、数十kHzから数百kHz以上の間隔をあけて任意の周波数に割り当てられている。従って、前記した図25との違いは、同一情報が割り付けられている搬送波79,82,85が、数十kHzから数百kHz以上の間隔をあけて割り付けられていることである。
図29は、図28に示すように割り付けを実行する場合の帯域割付装置69の処理フローである。図27との違いは、帯域割付装置69は、アクセスコントローラー7から、データ割り付け情報を入力し(S21)、I,Qの値と拡散率と通信帯域情報とデータ割り付け情報に基づいて各搬送波に帯域を割り付け(S20)、およびデータ割り付け情報に基づいて、どの搬送波にどの情報を割り付けるかを決定し各搬送波に情報の割り付け(S20)を行っている点である。
なお、図28においては、説明を容易にする為、図21における各搬送波59,60,61の配列に従って帯域割り当て後も規則的にブロックごとに各搬送波79〜87が配列されているが、図28に示すデータの割り付けは一例であり、複数のブロックにまたがってランダムにデータを割り付ける場合もある。図28において例えば、搬送波79〜87には、ランダムにデータaからデータnまでのデータを割り付けることができる(図示せず)。割り付けるデータが周期的であると、電力線において急激な減衰量の落ち込みが周期的に現れた場合には、減衰量の落ち込み周期とデータ割り付け周期が合致して常に同じデータが欠落する可能性があるのに対し、このようにデータ割り付け系列をランダムにすることで常に同一データが欠落する可能性を減らすことができ、結果として通信品質が向上する。これら全ての搬送波79〜87はそれぞれに干渉を起こさないようにフィルタリングが施されたり、その干渉が互いに影響を及ぼさない程度の周波数間隔を置いたりする等の処置を講じている。また、復調時には、同一情報を割り付けている搬送波(例えばデータaに対しては搬送波79,82,85)がどこに配置されているかの情報を、アクセスコントローラー7から受け取って、同一情報が割り付けられている搬送波ごとにダイバーシティ合成を実行した後に、図1の実施形態と同様の復調処理を行う。場合によっては、ダイバーシティ合成は、先にデマッピングまでの処理を行い、そのデマッピングしたデータについて行ってもよい。
図28に示す割り付けでは、図25に示す割り付けによって得られる効果のほかに、電力線特有の伝送路特性における特性改善を行うことが可能である。例えば、図24に示した電力線の減衰周波数特性に深い減衰があると、その両側数十kHzから数百kHzに渡っては、深い減衰が継続している場合がある。前記したように、実験の結果、通信信号の急激な減衰量の落ち込み時の周波数幅は約100kHzである(図24参照)。従って、図25のように同一情報が割り付けられている搬送波が近接して配置された場合(例えば、図25で搬送波70,71,72は同一情報)、同一情報が割り付けられた全ての搬送波が歪んでしまうために、結果としてビット誤りを引き起こす可能性が高くなる。これに対し、図25に示す割り付けでは、同一情報が割り付けられている搬送波同士が離隔した配置構成となるため、同一情報が割り付けられた全ての搬送波70〜78が同時に歪を受けることを回避することができる。即ち、隣り合った同一情報を割り付けた搬送波70〜78を100kHz以上の周波数間隔で離隔した状態で通信することで、歪を受けることを回避することができる。この結果、周波数ダイバーシティ効果をより強くすることができるため、送信された情報を復元でき、通信の安定性を向上させることができる。なお、図28では、各搬送波に分割して情報を割り付けているため、1つの搬送波の帯域幅は図18の単一搬送波45と比較して狭い。また、図28のようにより広い帯域を使った場合でも、図21の個々の搬送波59,60,61と図28の個々の搬送波79〜87の帯域幅は同じである。1MHzから30MHzの帯域を使うことでより安定した通信ができることはもちろんであるが、ノイズレベルの高い1MHz以下の周波数帯においても、十分なSN比が確保できる帯域が局所的に存在し、前記のように狭い帯域幅の搬送波であれば1MHz以下の帯域を利用しても通信が可能である。この場合、さらに多くの搬送波を利用して通信することができ、より一層の高速通信を行うことができる。
〔複数搬送波の一括スペクトル拡散〕
図30は、図21に示す複数の搬送波59、60、61を、少なくとも周波数1MHzから30MHzの間のいずれかの帯域を使用して、拡散符号によって一括してスペクトル拡散を行う図である。拡散に使用される拡散符号は、PN符号(擬似ランダム符号)、M系列、ゴールド符号、バーカ符号、その他の直接拡散を行うことができる任意の符号長の符号系列を用いることができる。逆拡散の際には、送信時に使用した拡散符号系列と同一拡散符号による逆拡散処理を行う。
このスペクトル拡散方式は、図17と同様の回路構成により実現することができ、また図25または図28に示す方式と比較して、拡散後の搬送波88の数が相対的に少なくてすむため、図示しないがフィルタ、周波数シンセサイザ、ミキサー12等の数を減らすことができ、ハードウェアの簡素化が可能である。
[ブロック毎のスペクトル拡散]
図31は、本発明に係る第10実施形態の電力線搬送通信装置1aの構成を示す図である。図1に示す構成と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。電力線搬送通信装置1aは、送信側は複数の送信系統(変調器100、DA変換器99、ミキサー98、送信アンプ97、BPF96)で構成され、受信側は複数の受信系統(復調器91、AD変換器92、受信アンプ93、検波回路94、BPF95)で構成される。また、データ分割装置90およびデータ合成装置89を備えている。
また、図32は、スペクトル拡散前の複数の搬送波からなるブロック101,102,103の周波数スペクトルを示した図である。複数の送信系統は、図32に示す複数搬送波からなるブロック101,102,103について、それぞれのブロック101,102,103に使用する周波数帯域や伝送する情報に要求されるQoS(Quality of Service)に基づいて拡散率とスペクトル拡散方式を決定して送信処理を行う。データ分割装置90は、アクセスコントローラー7から伝送路環境、使用周波数帯域、送信データに要求されるQoSを受け取り、データを分割しブロックを形成する。その後の各送信系統での変調処理は図1に示す構成と同様である。受信側では、復調器91は、アクセスコントローラー7からブロックごとに、受信信号に関する使用帯域、スペクトル拡散方式、拡散率、同一情報を割り付けたキャリア配置情報を受け取り、復調を実施する。各系統での復調処理は第1図と同様である。なお、ディジタル信号処理により各系統に設けているデバイスを共通化することもできる。
図32において、それぞれのブロック101,102,103は、帯域幅Wa1,Wa2,Wa3を有している。また、ブロック101,102,103内にある各搬送波には、それぞれAからIという情報が割り付けられている。図33は、図32に示したそれぞれのブロック101,102,103ごとに個々の搬送波を直接スペクトル拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。図33では、図32の各ブロック101,102,103にあった搬送波は、より広い帯域幅Wa1,Wa2,Wa3を持ち、各ブロックも拡散後のブロック104,105,106を形成し、帯域幅Wb1,Wb2,Wb3に広がっている。
また、図34は、図32に示したそれぞれのブロック101,102,103ごとに同一情報をもつ搬送波を複数の搬送波に割り付けることでスペクトル拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。図34では各搬送波に割り付けられた情報は規則正しく割り付けられているが、前記図25および図28に示したように情報の割り付け方を変えてもよい。
図35は、図32に示した各ブロック101,102,103をそれぞれ一括して直接スペクトル拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。また、図示していないが、各ブロック104〜112は、図33、図34、図35に示した拡散方式のいずれかを独立に採用し変復調する場合もある。
図31に示した実施形態において、通信環境に応じて拡散率や拡散方式を独自に変えられるため、ブロック104〜112の伝送に利用する伝送帯域環境に応じて拡散率と拡散方式を選択することで通信品質の向上(耐ノイズ性、伝送速度)を図ることができる。例えば、減衰量の急激な落ち込みによる周波数選択性フェージングがある場合には、同一情報の複数の搬送波への割り付けによるスペクトル拡散方式によって、前記図24に示したように安定した通信が行える。一方、周波数選択性フェージングが顕著でない帯域に対しては直接拡散によるスペクトル拡散方式を用いることが可能であり、ハードウェアの簡素化を図ることができる。その他に、例えば、制御信号等の通信に不可欠な情報に対しては高い拡散率を適用して耐ノイズ性がある情報伝送を行い、一方で例えば、音声情報のように誤りよりも、即時性と広帯域通信(ブロードバンド)が要求される場合には、制御信号に適用した拡散率よりも低い拡散率を設定し、より多くのデータを伝送させることでこの要求を実現できる。従って、この手段を用いることでQoSの向上を図ることができる。
〔OFDMのスペクトル拡散〕
図36は、複数の搬送波113,114,115に分割して情報を割り付けた情報信号に用いる特殊な場合としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)を適用した場合の周波数スペクトル概念図である。OFDMは互いのサブキャリアが直交するように周波数軸上に配列される変調方式である。
図37は、OFDM信号をより広い通信帯域幅Wbに拡散した場合の搬送波116の周波数スペクトル概念図である。搬送波における具体的な拡散または帯域割り付けは、前記した図22、図25、図28、図30、図33、図34、図35と同様である。ただし、図22、図25、図28、図33、図34の拡散または帯域割り付けを適用した場合は、OFDMは、拡散または帯域割り付け後の個々のサブキャリアが拡散処理後も直交を保つように処理される。
図38は、OFDM信号にスペクトル拡散を適用する場合のOFDM変調の処理構成を示す図である。送信時、入力データI,Qの値は、直並列変換器117に送られる。直並列変換器117においてデータを並列にし、拡散符号(拡散符号乗積装置118)により拡散した後に高速逆フーリエ変換器(IFFT)119で、各サブキャリアの直交関係が保たれるようにOFDM変調をしている。そして、並直列変換器120によりシリアルデータに変換された後、DA変換器へ出力される。
また、図39は、OFDMの複数搬送波に同一情報を割り付ける場合の処理構成図である。入力データI,Qの値は、直並列変換器121において並列にされ、data1からdata5には同一情報が割り付けられており、同一情報122をIFFT123に入力させることで結果的に同一情報122が複数搬送波に割り付けられ、周波数ダイバーシティを実現している例である。そして、このデータは、並直列変換器124によりシリアルデータに変換された後、DA変換器へ出力される。
さらに、図40は、OFDM信号を一括して直接拡散する場合の処理構成を示す図である。入力データI,Qの値は、直並列変換器125において並列にされ、高速逆フーリエ変換器(IFFT)126を通した後に、並直列変換器127によりシリアルデータに変換された後、拡散符号(拡散符号乗積装置128)により拡散される。
これらの処理により、周波数利用効率が良いOFDMによる信号を、より広い帯域を使って通信するため、限られた周波数帯域より大きな拡散率またはダイバーシティ効果を得ることが可能である。
また、OFDMは、高速フーリエ変換(FFT)や高速逆フーリエ変換(IFFT)を利用して変復調が実現できるため、サブキャリアごとのフィルタ、周波数シンセサイザ、ミキサといった装置が不要になる。図38のように、スペクトル拡散をOFDM信号に適用する場合に対しても、同様の処理を適用して、スペクトル拡散後のOFDM変調信号をIFFT119により発生させる場合もあり、処理を1チップ化できる。従って、簡素なハードウェアにより、OFDMのスペクトル拡散処理が実現できる。それ以外にも、IFFTによるOFDM変調を行った後に、乗算器等を用いてスペクトル拡散処理を実行する場合もあるが、総じてハードウェアが簡素化できる。また、受信側のOFDM復調時にFFTを用いる場合にも同様のことが言える。
なお、図22、図25、図28、図33、図34に示す割り付け方式は、各搬送波に情報を分割して割り付けているため、1つの搬送波の帯域幅は図18の単一搬送波45と比較して狭い場合もある。また、ノイズレベルの高い1MHz以下の周波数帯においても、十分なSN比が確保できる帯域が局所的に存在する。1MHzから30MHzの帯域を使うことでより安定した通信ができることはもちろんであるが、前記のように狭い帯域幅の搬送波であれば1MHz以下の帯域を利用しても通信が可能である。この結果、さらに多くの搬送波を利用して通信することができ、より一層の高速通信を行うことができる。
〔送信端電圧70[dBμV] (RBW=9kHz、準尖頭値)の電力線搬送通信装置〕
次に、電力線搬送通信装置1aの送信端電圧を70[dBμV](RBW=9kHz、準尖頭値)とした実施形態について説明する。(RBW=9kHz、準尖頭値)は、測定条件であり、RBW(Resonance Band Width)は測定の帯域幅である。準尖頭値は、準尖頭値検波方式によって得られる値で、人間の聴覚特性を考慮して、信号振幅の時間変化に時定数を考慮した減衰波形を組み合わせ、その時間平均で評価する方法によって得られる値である。
図41は、電力線のコモンモードインピーダンスを複数測定し、その結果を統計処理して、分布を図示したものである。また、図42は、電力線の不平衡減衰量を複数測定しその結果を統計処理して、分布を図示したものである。一般に、帯域幅(RBW)が9kHzにおける電力線19からの、離隔距離が3mでの漏洩電界強度I[dBμV/m]は、I=24+Vd−Zc−LCLで表すことができる。ここで、Vdは9kHz帯域幅(RBW)当りのモデムの送信端電圧[dBμV]、Zcはコモンモードインピーダンス[dBΩ]、LCLは不平衡減衰量[dB]である。これによると、漏洩電界は、電力線搬送通信装置1aの送信端電圧VdとコモンモードインピーダンスZcと、不平衡減衰量LCLとに依存する。漏洩電界を低くするには電力線搬送通信装置1aの送信端電圧Vdを下げるか、コモンモードインピーダンスZcと不平衡減衰量LCLを共に高くすることで実現できる。しかし、コモンモードインピーダンスと不平衡減衰量は電力線19の敷設状況に依存するため、送信端電圧を抑えることで漏洩電界を抑制する。統計解析の結果、95%以上のコンセント間で、コモンモードインピーダンスZcは30[dBΩ]から65[dBΩ]、不平衡減衰量LCLは10dBから50dBを占める(図41、図42参照)。さらに、コモンモードインピーダンスZcが30[dBΩ]で、不平衡減衰量LCLが10dBの時、電力線搬送通信装置1aの送信端電圧Vdを9kHz帯域幅において70[dBμV]とした場合、漏洩電界強度Iは上式より、54[dBμV/m]とすることができる。これは、送信端電圧Vdを70[dBμV]以下に抑えた電力線搬送通信装置1aであれば、95%以上のコンセント間においてその漏洩電界強度Iが54[dBμV/m]に抑えられることを示している。54[dBμV/m]は、これ以下にすれば他の機器で使われる通信帯域に対して影響を与えない値である。例えば、図43は、環境電界強度の測定結果の例である。図43によれば、約7MHz以下では周囲の電気機器等によるノイズにより54[dBμV/m]をはるかに上回る環境電界が観測されており、また、7MHz以上の周波数帯域においても、54[dBμV/m]を上回る環境電界が存在し、その強度は、70[dBμV/m]を超えるものもある。さらに送信端電圧が70[dBμV]時の漏洩電界強度54[dBμV/m]は、ほぼ最悪値と考えることができるため、ほとんどの電源端子間ではこれを下回る漏洩電界強度になる。
従って、送信端電圧を70[dBμV]にした電力線搬送通信装置1aが発生する漏洩電界強度54[dBμV/m]は、他の通信との両立性、即ち他の機器で使われる通信帯域に大きな影響を与えることなく電力線搬送通信を行うことができる。一方、送信端電圧を下げた場合、SN比が低くなるため、特にノイズや減衰が大きい電力線では通信が困難となるが、スペクトル拡散によるプロセスゲインや同一情報の複数帯域割り付けによる周波数ダイバーシティ効果により、送信端電圧70[dBμV]でも安定した通信を実現できる。
〔OFDM出力信号のサンプリングによるスペクトル拡散(OFDM信号生成手段、アナログ変換手段、ホールド制御手段)〕
図44は、本発明に係る第11実施形態の電力線搬送通信装置1aの構成を示す図である。図1等と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図44に示す電力線搬送通信装置1aには、送信側に直並列変換器135、高速逆フーリエ変換器(IFFT)134、並直列変換器133、DA変換器132、ホールド制御装置131、GI付加器130を備えている。また、受信側に受信アンプ129、サンプリング同期回路141、AD変換器140、GI除去器139、直並列変換器138、高速フーリエ変換器(FFT)137、および並直列変換器136を備えている。
まず、送信処理について説明する。送信時、コンスタレーションマッピングされたデータは、直並列変換器135に送られる。直並列変換器135においてデータを並列にし、その並列データに対して高速逆フーリエ変換器134によりOFDM変調処理を行う。そして、並直列変換器133によりシリアルデータに変換された後、DA変換器132によりアナログ信号に変換される。
図45は、DA変換器132の出力波形を示したものである。また、図46は、図44の電力線搬送通信装置1aにおけるホールド制御装置131の出力波形を示した図である。ホールド制御装置131は、図45に示すDA変換器の出力波形142を、図46に示すようにパルス状又はインパルス状に近い信号143(ホールド制御装置131の出力波形142)に変換する。
ホールド制御装置131は、ホールド時間を制御する手段を持った回路であり、例えば、図47に示す半導体スイッチング素子144等で代用することが可能である。図47は、ホールド制御装置の一例を示す回路図である。半導体スイッチング素子144で、DA変換器132のDA出力とアース145またはそれに相当する電位を持った端子とを交互に切り替えることで図46に示す出力波形を得ることができる。ただし、アース145の電位は、実装上0[V]とすることができない場合もあり、絶対電位0[V]に限ってはいない。図45に示すDA変換器出力波形(OFDM信号波形)142の周波数スペクトルの概念図は図48のようになる。一方、図46に示すホールド制御装置131の出力波形(OFDM信号波形)143の周波数スペクトルの概念図は図49のようになる。ホールド時間を制御して、時間軸信号をパルスまたはインパルス状に近い波形にすることで、図48のスペクトル146と同様の情報を持ったスペクトル147〜151が周波数軸上に複数現れる。この現象は、連続アナログ信号をPAM(Pulse Amplitude Modulation)信号化した際に観測される現象と同一である。理論的な詳細説明は省略するが、同一情報をもったスペクトルのパルス幅Wは、図47のスイッチ144によりDA出力状態(以下、有値という)とアースに接続された状態(以下、ヌル値という)の時間比で決定される。スイッチ144が理想状態であれば、例えば1MHzの帯域幅を持ったOFDMベースバンドと同一の情報を持った複数のスペクトルを30MHzまで発生させる場合には、有値とヌル値の比は1:60にすることで達成できる。前記図44に示すホールド制御装置131の出力は、GI付加器130によりガードインターバル(遅延波による影響を防ぐためOFDMの先頭部分に付加する時間)が付加されるとともに、送信アンプ13により信号の増幅が行われ、BPF14により所定帯域外の信号が除去されて送信される。図44に示す構成では、ミキサを使用していないが、これは、IFFT134の基数をサブキャリア数の倍にし、入力値とその入力値の複素共役の値とを同時にIFFT処理することで、IFFT出力がI,Q変調された状態で出力されるためである。また、周波数変換にあっては、フィルタ制限を行うことで希望の信号のみを利用することができるからである。従って、図中にはミキサーを示していないが、ここにミキサーを利用してI,Q変調や周波数変換を実現しても構わない。受信側も同様である。この送信信号は、前記および図示したプロセスによって得られた信号に限定されるものではない。つまり、本実施形態は、図45のDA変換器出力波形142のホールド時間制御を行うところに特徴がある。
一般に、OFDMにスペクトル拡散や帯域割り付けを適用する場合には、拡散後の帯域幅に比例して、一連の変復調処理を行うDSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)の処理能力の高速性が要求される。例えば、同一の情報を割り付けた搬送波を複数の周波数に拡散する場合(図39)、FFT基数が同一情報を持った搬送波をいくつ送信するかに応じて必要な処理能力が増加し、その演算を処理する高速性が要求される。また、各搬送波を拡散符号により拡散する直接拡散方式(図38)では、FFT基数は増えないが、拡散率に応じてシンボルレート、即ちチップレートが短くなるため、その短い時間に、OFDM変調処理を行うだけの高速性が要求される。
一方、本実施形態によれば、OFDM変調は、ベースバンド処理を行うことができる演算量があればよく、拡散または帯域割り付けは、ホールド制御装置131により実行されるため、DSPやCPUの処理は少なくてすむ。例えば、OFDMベースバンド信号の帯域幅が1MHzだった場合、30MHzの帯域を使って帯域割り付けを行うと、図39の処理方式ではCPU等のクロックが60MHz必要であるのに対し、本発明では2MHzでよいため、電力線搬送通信装置1aを安価にできる効果がある。
〔サンプリングによるスペクトル拡散後のディジタル変換手段、OFDM復調手段〕
再度、図44に戻り、受信処理(OFDM復調)について説明する。まず、電力線搬送通信装置1aは他の電力線搬送通信装置1b,1c,1dにより送信された送信信号を受信して、BPF17により不要な帯域外の信号を除去した後、受信アンプ129よりAD変換器140に適切な値が入力するように受信信号のゲイン調整を行う。同時にサンプリング同期回路141により有値の部分(図47のスイッチ144によりDA出力状態、即ち送信側におけるDA変換器132の出力状態の時間に相当する部分)とAD変換器140のサンプリングクロックとが合致するようにサンプリングクロックの同期を行う。この同期情報に基づいて、AD変換器140において、受信アンプ129を通過後の信号の有値部分のみのサンプリングを行う。サンプリング同期回路141により、有値部分にサンプリングクロックの同期を取るので、AD変換器140は、ベースバンド部分のみを処理することができる能力を持った動作周波数のものでよい。例えば、OFDMのベースバンド帯域幅が1MHzであれば、必要動作周波数は2MHz程度である。サンプリングされた信号はGI除去器139でガードインターバルを除去され、直並列変換器138を経て、高速フーリエ変換器137によるOFDM信号の復調が行われる。その信号(データ)を並直列変換器136によりシリアルデータ列に変換し、等化器5により信号等価が行われコンスタレーションデマッパー4でコンスタレーション配置に基づいてデマッピングされる。等化器5は通信線の通信路歪(伝送路歪ともいう)を補正するためのものであり、通信路歪が補正処理された信号が判定器により信号判定される。コンスタレーションデマッパー4と等化器5は処理順序が入れ替わることもある。その後、復号器6により誤り訂正復号を行い、復調ビット列を得る。この復調ビット列はアクセスコントローラー7に入力される。アクセスコントローラー7は、入力データを所定フォーマットの通信パケットに変換し、プロトコル変換器8に出力する。プロトコル変換器8は、この通信パケットを、制御端末や表示装置とのインタフェース(例えばイーサ(R)やUSB等)が取れるようにプロトコル変換して、制御端末や表示装置等に情報を出力する。電力線19は、電源供給線であるため、配電盤/ブレーカー21に接続されているので、電力線搬送通信装置1aの信号が配電盤/ブレーカー21を介して同一の外部配電線に接続されている建屋内の機器へ伝送される可能性がある。これを抑制する目的でブロッキングフィルタ20を、電力線19に設ける場合がある。
図44から図49を用いて説明した一連の処理では、OFDMに複数の同一スペクトル147〜151を発生させて(図49参照)送信することで、受信側での周波数ダイバーシティ効果により、通信の信頼性が向上している。また、同時に、OFDMをスペクトル拡散することで生じるDSPやCPUの演算量を低減している。なお、受信時は、ヌル値部分に乗ったノイズはサンプリングされないため、逆拡散効果、即ち変調時のSN比と比較して復調時にSN比が改善する効果が得られる(プロセスゲイン)。
このような処理を行うことで、全ての信号通信帯域をAD変換器140やDSP等により処理する方式と比較して、低演算で逆拡散及び復調が実現できる。また、OFDM信号のホールド時間を制御することで得られる効果は、電力線19以外の、一般のペア線の通信又は無線による通信においても、得られるため、本発明を一般のペア線や無線による通信に適用することも可能である。
図44から図49に示す方式は、図44に示すDA変換器132によるディジタルアナログ変換後のアナログ波形について、半導体スイッチング素子144を用いることで、図46のホールド制御装置出力波形143を得ることを可能にしている。このホールド制御装置出力波形143は、DA変換器132でアナログ信号に変換する前のディジタル信号において、あるサンプルクロックに並直列変換器133から送出された値とその次のサンプルクロックに並直列変換器133から送出された値との間に、拡散率に応じてアクセスコントローラー7から指定されたサンプルクロック数だけゼロないし所定値以下の値を挿入し、これを全てのディジタル信号にわたって実行したものをDA変換器132の入力としてディジタルアナログ変換を行うことで得ることもできる。これは、半導体技術の発達により高性能なDSPによって安価に演算量が多い処理が可能になった場合やソフトウェアにより変復調を実現する場合などには有効である。この場合、図44に示すホールド制御装置131は不要である。また、受信側においては、図44に示すAD変換器140によりディジタル信号に変換された後、送信時に挿入したゼロないし所定値以下にした値に相当する部分を平均値レベル検出や波形相関を用いて検出して除去し、除去した以外のAD変換器140の出力データに対して復調処理を行う。
以上説明したとおり、本発明の電力線搬送通信装置は、既存の電力線を用いて高信頼の通信を実現することができる。新たに通信線を施設する必要がないため設備コストが安価で済み、導入が促進される。
本発明に係る第1実施形態のアクセス制御装置を備える電力線搬送通信装置とそれを機器状態データの取得手段の一部に用いた場合の構成を示す図である。 本発明における通信処理手順を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の電力線搬送通信装置とそれを機器状態データの取得手段の一部に用いた場合の構成を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の電力線搬送通信装置とそれをエレベータの保守データの取得手段の一部に用いた場合の別の構成を示す図である。 本発明に係る電力線搬送通信装置における多値変調の一つであるQPSKのコンスタレーションマッピングの一例を示す図である。 どの多値変調を行うかを決定するための通信誤り率とSN比を示す図である。 図6における通常のQPSKの通信誤り率と拡散率が20の時のQPSKの通信誤り率を示す図である。 図4に示す第3実施形態の変形例を示す図である。 図4に示す第3実施形態の他の変形例を示す図である。 電力線の伝送路特性(減衰特性)を実験により測定した結果の例を示す図である。 電力線のノイズ特性を示す図である。 本発明に係る第4実施形態の電力線搬送通信装置とそれをエスカレータの保守データ取得手段の一部に用いた場合の構成を示す図である。 図12に示す第4実施形態の変形例を示す図である。 本発明に係る第5実施形態の電力線搬送通信装置とそれを空気調和システムの保守データ取得手段の一部に用いた場合の構成を示す図である。 図14に示す第5実施形態の変形例を示す図である。 本発明に係る第6実施形態の電力線搬送通信装置とそれを省電力モニタの一部に用いた場合の構成を示す図である。 本発明に係る第7実施形態の電力線搬送通信装置における直接スペクトル拡散方式の構成を示す図である。 拡散前帯域幅Waの単一搬送波を、1MHzから30MHzの帯域を使用して直接スペクトル拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。 帯域幅Waの単一搬送波からなる情報信号を複数の搬送波に割り付け、複数の搬送波を周波数1MHzから30MHzのいずれかの帯域に割り当てた図である。 本発明に係る第8実施形態の電力線搬送通信装置における、図19に示した複数の搬送波に割り付けを行うための構成を示す図である。 複数搬送波に情報を分割して割り付けた図である。 図21に示す搬送波を、周波数1MHzから30MHzのいずれかの帯域を使用して、同一または異なる拡散符号を用いて拡散し、個々の搬送波に割り付けた拡散情報信号が互いに干渉しないように周波数軸上に割り当てた例を示す図である。 スペクトル拡散変調器の処理フロー図である。 周波数選択性フェージングとフラットフェージングを説明する図である。 複数搬送波に情報を分割して割り付け、同一情報が割り付いている個々の搬送波を互いに干渉することなく周波数軸上に割り当てた図である。 本発明に係る第9実施形態の電力線搬送通信装置における、図25に示す割り付けを行うための構成を示す図である。 図26に示す電力線搬送通信装置における帯域割付装置の処理フローを示す図である。 図21に示す複数の搬送波に関して、同一情報が割り付けられている搬送波をそれぞれ離隔して周波数軸上に割り当てた図である。 図26に示す電力線搬送通信装置において、図25に示す割り付けを実行する場合の帯域割付装置の処理フローを示す図である。 図21に示す複数の搬送波を、周波数1MHzから30MHzのいずれかの帯域を使用して、一括してスペクトル拡散を行った図である。 本発明に係る第10実施形態の電力線搬送通信装置の構成を示す図である。 複数搬送波からなるブロックの周波数スペクトルを示す概念図である。 図32に示すそれぞれのブロックごとに個々の搬送波を直接拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。 図32に示すそれぞれのブロックごとに同一情報の搬送波を複数搬送波に割り付けた場合の周波数スペクトルを示す概念図である。 図32に示すそれぞれのブロックごとに一括して直接拡散した場合の周波数スペクトルを示す概念図である。 OFDM信号の周波数スペクトル概念図である。 OFDM信号をより広い通信帯域幅に拡散した場合の周波数スペクトル概念図である。 OFDM信号にスペクトル拡散を適用する場合の処理構成図である。 OFDMの複数搬送波に同一情報を割り付ける場合の処理構成を示す図である。 OFDM信号を一括して直接拡散する場合の処理構成を示す図である。 電力線のコモンモードインピーダンスの測定結果を示す図である。 電力線の不平衡減衰量の測定結果を示す図である。 環境電界強度の測定結果の例である。 本発明に係る第11実施形態の電力線搬送通信装置の構成を示す図である。 図44の電力線搬送通信装置におけるDA変換器の出力波形を示す図である。 図44の電力線搬送通信装置におけるホールド制御装置の出力波形を示す図である。 図44の電力線搬送通信装置のおけるホールド制御装置の一例を示す回路図である。 図45の信号波形の周波数スペクトル概念図である。 図46の信号波形の周波数スペクトル概念図である。
符号の説明
1a,1b,1c,1d,1e 電力線搬送通信装置
2 復調器
3 変調器
4 等化器
5 コンスタレーションデマッパー
6 復号器
7 アクセスコントローラー
8 プロトコル変換器
9 符号器
10 コンスタレーションマッパー
11 ディジタル/アナログ変換器(DA変換器)
12 ミキサー
13 送信アンプ
14,17 バンドパスフィルタ(BPF)
15 アナログ/ディジタル変換器(AD変換器)
16 受信アンプ
18 結合器
19 電力線
21 配電盤/ブレーカー
23 パソコン
25 表示装置
27a,27b,27c,27d,27e インタフェース
28 エレベータかご
29a,29b,29c,29d,29e,29f,29g,29h,29i,29j,29k 計測センサ
30a,30c,30d 運転制御装置
32 入出力端子
33 集線装置
34 エスカレータ
35,36 空調設備
40a,40b,40c 電力計あるいは電力量計
41 スペクトル逆拡散変調器
42 タイミング同期回路
43 拡散符号発生器
44 スペクトル拡散変調器
57 帯域合成装置
58 帯域割付装置
67 帯域合成装置
68 タイミング/同期回路
69 帯域割付装置
89 データ合成装置
90 データ分割装置
91 復調器
92 AD変換器
93 受信アンプ
94 検波回路
95,96 BPF
97 送信アンプ
98 ミキサー
99 DA変換器
100 変調器
117 直並列変換器
118 拡散符号乗積装置
119 高速逆フーリエ変換器(IFFT)
120 並直列変換器
129 受信アンプ
130 GI付加器
131 ホールド制御装置
132 DA変換器
133 並直列変換器
134 高速逆フーリエ変換器(IFFT)
135 直並列変換器
136 並直列変換器
137 高速フーリエ変換器(FFT)
138 直並列変換器
139 GI除去器
140 AD変換器
141 サンプリング同期回路
144 半導体スイッチング素子(スイッチ)

Claims (31)

  1. 電力線に接続され、前記電力線を通信線として用いて2つ以上の電力線搬送通信装置の間で通信を行う電力線搬送通信装置であって、
    運転機器に取り付けられた監視手段によって計測あるいは検出された機器状態データまたは前記運転機器の運転を制御するための機器制御データを含むデータを送信または受信するに際して、少なくとも1MHz〜30MHzの周波数帯域を使用して、前記データを割り付けた搬送波をその搬送波よりも広い帯域幅を有する搬送波にスペクトル拡散するか、あるいは複数の搬送波に同一の前記データを割り付けてスペクトル拡散して形成される信号を用いて通信することを特徴とする電力線搬送通信装置。
  2. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、前記受信した信号を、前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調、または複数受信される同一のデータを割り付けてスペクトル拡散して形成された信号を基にして送信時のデータを復元するダイバーシティ合成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信装置。
  3. 前記電力線搬送通信装置は、1つの搬送波にデータを割り付け、データが割り付けられた搬送波を拡散符号を用いてスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  4. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、前記受信した信号を、前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項3に記載の電力線搬送通信装置。
  5. 前記電力線搬送通信装置は、1つの搬送波に割り付けられたデータを、複数の搬送波に割り付けて通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  6. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号に含まれる、同一のデータが割り付けられた複数の搬送波を基にして送信時のデータを復元するダイバーシティ合成手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の電力線搬送通信装置。
  7. 前記電力線搬送通信装置は、複数の搬送波に異なるデータを割り付けて、前記異なるデータが割り付けられた複数の搬送波を拡散符号を用いてスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  8. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号を、前記送信信号に含まれる複数の搬送波のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項7に記載の電力線搬送通信装置。
  9. 前記電力線搬送通信装置は、複数の第1搬送波のそれぞれに異なるデータを割り付けるとともに、個々の前記第1搬送波に割り付けたデータと同じデータを前記複数の第1搬送波とは異なる少なくとも2つ以上の第2搬送波にそれぞれ割り付け、同じデータが割り付けられた第1搬送波と第2搬送波とを周波数軸上に隣接するように配置した状態で通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  10. 前記電力線搬送通信装置は、複数の第1搬送波のそれぞれに異なるデータを割り付けるとともに、個々の前記第1搬送波に割り付けたデータと同じデータを前記複数の第1搬送波とは異なる少なくとも2つ以上の第2搬送波にそれぞれ割り付け、同じデータが割り付けられた搬送波同士を100kHz以上の周波数間隔で離隔して周波数軸上に配置した状態で通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  11. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号に含まれる、同じデータが割り付けられている複数の搬送波を基にして送信時のデータを復元するダイバーシティ合成手段を備えることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の電力線搬送通信装置。
  12. 前記電力線搬送通信装置は、複数の搬送波に異なるデータを割り付け、前記異なるデータが割り付けられた複数の搬送波を拡散符号を用いて一括してスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  13. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号を、前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項12に記載の電力線搬送通信装置。
  14. 前記電力線搬送通信装置は、異なるデータが割り付けられた複数の搬送波からなるブロックを複数用意し、前記ブロックのそれぞれの搬送波に対して拡散符号を用いてスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項12に記載の電力線搬送通信装置。
  15. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号を、前記ブロックごとに前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項14に記載の電力線搬送通信装置。
  16. 前記電力線搬送通信装置は、複数の搬送波からなるブロックを複数用意し、前記ブロックのそれぞれに属する2以上の搬送波に対して同じデータを割り付け、データを割り付けられた各搬送波をスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  17. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、受信した信号に含まれる、前記ブロックの同じデータが割り付けられている複数の搬送波を基にして送信時のデータを復元するダイバーシティ合成手段を備えたことを特徴とする請求項16に記載の電力線搬送通信装置。
  18. 前記電力線搬送通信装置は、前記データが割り付けられた複数の搬送波からなるブロックを複数用意し、前記全てのブロックに対して一括してスペクトル拡散して通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  19. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、前記受信した信号を、前記ブロックごとに、前記送信信号に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項18に記載の電力線搬送通信装置。
  20. 前記電力線搬送通信装置は、各ブロックをそれぞれ異なる拡散方式によりスペクトル拡散して通信すると共に、受信信号に対して、各ブロックに使用されたスペクトル拡散方式に応じて、同じ拡散符号系列を用いた逆拡散により復調、または前記ブロックでの同じデータが割り付けられている搬送波ごとに、複数受信される同じデータを基に復元するダイバーシティ合成手段により復調することを特徴とする請求項14乃至請求項19のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  21. 前記電力線搬送通信装置は、前記複数の搬送波として、複数の搬送波に直交関係を保って異なる情報を割り付けたサブキャリアで構成されるOFDM信号を用いて通信することを特徴とする請求項7乃至請求項20のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  22. 前記ダイバーシティ合成手段は、選択合成方式、等利得合成方式又は最大比合成方式により復調を行うことを特徴とする請求項6、請求項11または請求項17のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  23. 前記電力線搬送通信装置は、送信信号を高速逆フーリエ変換器によりOFDM変調してOFDM信号を生成する手段と、前記OFDM信号をディジタルアナログ変換器によりアナログ信号に変換する手段と、前記アナログ信号を一定間隔ごとにサンプリングして少なくともサンプリング間隔以上にならないようなホールド時間で個々のサンプリングをホールドするホールド制御手段と、さらに前記ホールド制御手段には、前記ホールド時間経過後に次のサンプリングまでサンプリングした振幅を所定値以下にする手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信装置。
  24. 前記電力線搬送通信装置は、アナログディジタル変換器により受信信号のサンプリングを行ってディジタル信号に変換する手段と、前記ディジタル信号に対して高速フーリエ変換器によりOFDM復調を行う手段とを備えることを特徴とする請求項23に記載の電力線搬送通信装置。
  25. 前記電力線搬送通信装置は、送信端電圧の上限を70[dBμV](RBW9kHz、準尖頭値)以下として通信することを特徴とする請求項1乃至請求項24のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  26. 前記電力線搬送通信装置は、一台の電力線搬送通信装置が前記データを含む送信信号の送信を行い、同一配電系統にある他の複数の電力線搬送通信装置の送信タイミングを制御し、前記制御に従ってデータを送信することを特徴とする請求項1乃至請求項25のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  27. 前記運転機器が、エレベータ、エスカレータ、空気調和装置、消費電力監視装置または産業機器であることを特徴とする請求項1乃至請求項26のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  28. 前記電力線搬送通信装置は、前記スペクトル拡散信号をバンドパスフィルタを通過させることによって、通信帯域以外の帯域の信号を抑制した信号によって通信することを特徴とする請求項1乃至請求項26のいずれか1項に記載の請求項電力線搬送通信装置。
  29. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信し、前記受信した信号を、通信信号帯域外の信号を抑制するバンドパスフィルタにより抑制し、前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調することを特徴とする請求項1乃至請求項26のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  30. 電力線を通信線として、前記電力線に接続された2つ以上の電力線搬送通信装置の間で通信を行う電力線搬送通信方法であって、
    運転機器に取り付けられた監視手段によって計測あるいは検出された機器状態データまたは前記運転機器の運転を制御するための機器制御データを含むデータを送信または受信するに際して、少なくとも1MHz〜30MHzの周波数帯域を使用して、前記データを割り付けた搬送波をその搬送波よりも広い帯域幅を有する搬送波にスペクトル拡散するか、あるいは複数の搬送波に同一の前記データを割り付けてスペクトル拡散して形成される信号を用いて通信することを特徴とする電力線搬送通信方法。
  31. 前記電力線搬送通信装置は、前記電力線を介して接続された他の1つまたは1つ以上の電力線搬送通信装置から送信された送信信号を受信時に、前記受信した信号を、前記送信信号のスペクトル拡散に使用された拡散符号と同じ拡散符号系列を基に逆拡散して復調、または複数受信される同一のデータを割り付けてスペクトル拡散して形成された信号を基にして送信時のデータを復元するダイバーシティ合成手段によって復調することを特徴とする請求項30に記載の電力線搬送通信装置。

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