JP2005294861A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】集積度が高く、かつ、動作時の信頼性の高い半導体記憶装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】レジスト56、積層ゲート46および熱酸化膜58をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高い異方性エッチング(SASエッチング)を行なう。SASエッチングによって、低濃度ソースLS間にあったフィールド酸化膜44が、選択的に除去される。熱酸化膜58の膜厚が薄いため、除去されるフィールド酸化膜44の幅w3は、隣接する積層ゲート46の間隙w2に比し、それほど狭くならない。このため、この後のイオン注入、熱拡散によって形成される拡散ソース配線の幅が確保される。SASエッチングに際し、熱酸化膜58も高さ方向に浸食されて背が低くなるものの、SASエッチングの間、該熱酸化膜58によってゲートエッジ部59は保護される。
【選択図】図9
【解決手段】レジスト56、積層ゲート46および熱酸化膜58をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高い異方性エッチング(SASエッチング)を行なう。SASエッチングによって、低濃度ソースLS間にあったフィールド酸化膜44が、選択的に除去される。熱酸化膜58の膜厚が薄いため、除去されるフィールド酸化膜44の幅w3は、隣接する積層ゲート46の間隙w2に比し、それほど狭くならない。このため、この後のイオン注入、熱拡散によって形成される拡散ソース配線の幅が確保される。SASエッチングに際し、熱酸化膜58も高さ方向に浸食されて背が低くなるものの、SASエッチングの間、該熱酸化膜58によってゲートエッジ部59は保護される。
【選択図】図9
Description
この発明は、半導体記憶装置およびその製造方法に関し、特に、半導体記憶装置を高密度化するためのSAS(Self Aligned Source)技術に関する。
フラッシュEPROMなど不揮発性半導体記憶装置のメモリアレイを高密度化するための方法として、SAS技術が知られている。図24A〜図25Bに基づいて、SAS技術を用いたメモリアレイの製造方法を説明する。まず、図24Aに示すように、半導体基板2の上にX方向を長手方向とするストライプ状に、素子分離のためのフィールド酸化膜4を形成する。
つぎに、図24Bに示すように、ストライプ状のフィールド酸化膜4に直交するストライプ状(Y方向を長手方向とするストライプ状)に、積層ゲート6を形成する。積層ゲート6は、メモリセル(図25BのメモリセルMC参照)のチャネル形成領域CH上に、ゲート酸化膜8、フローティングゲート10、ONO膜12、コントロールゲート14をこの順に積層した構造を備えている。
積層ゲート6のうち、ゲート酸化膜8、フローティングゲート10およびONO膜12は、各メモリセルごとに独立しているが、コントロールゲート14は、同一列を構成するメモリセル(Y方向に並んだ複数のメモリセル)をつなぐように形成されている。
つぎに、積層ゲート6およびフィールド酸化膜4に対して自己整合的にドレインDおよび、低濃度ソースLSを形成する。ドレインDおよび低濃度ソースLSは、それぞれ、行方向(X方向)に隣接する2つのメモリセル間で共用される。
つぎに、図25Aに示すように、ドレインDを覆うようにレジスト16を形成し、レジスト16および積層ゲート6をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高いエッチングをおこなう。このエッチングをSASエッチングと呼ぶ。このSASエッチングによって、列方向(Y方向)に隣接する低濃度ソースLS間に介在していたフィールド酸化膜4が、選択的に除去される。
この状態で、高濃度のヒ素(As)をイオン注入する。したがって、高濃度のヒ素は、行方向に隣接するメモリセル間で共用されるソース形成領域と、当該ソース形成領域を列方向につなぐ領域すなわち先程のSASエッチングによってフィールド酸化膜4が除去された領域とに注入される。
この後、加熱することにより、図25Bに示すように、メモリセルの高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線15が形成される。このようにして、積層ゲート6に対し自己整合的に、拡散ソース配線15を形成することができる。これが、SAS技術である。SAS技術を用いることにより、半導体記憶装置の集積度を向上させることができる。
しかし、上記のSAS技術には、次のような問題点がある。図26に拡大して示すように、SASエッチングの際、メモリセルMCのゲート酸化膜8の端部やソースSの表面がある程度浸食されてしまう。
これでは、メモリセルMCに対する書込みや消去の際に重要な役割を果すゲートエッジ部19の形状や表面状態が不安定になっしまう。すなわち、メモリセルMCに対する書込みや消去に要する電圧や、当該電圧の印加時間に大きなバラ付きを生ずる。
このような問題を解決するために、図27A〜図28Bに示すような改良されたSAS技術が提案されている(特開平7−312395参照)。図27A、図28Aは、図25Aの断面27Aに対応する部分の断面図であり、改良されたSAS技術にかかるものである。図27B、図28Bは、図25Aの断面27Bに対応する部分の断面図であり、改良されたSAS技術にかかるものである。
改良されたSAS技術においては、積層ゲート6を形成した後、積層ゲート6に対し自己整合的に、低濃度ソースLS、高濃度ソースHS、ドレインDを形成し、その後、SASエッチングする前に、図27Aおよび図27Bに示すように、積層ゲート6の側面にシリコン酸化物で構成されたサイドウォール18を形成する。
サイドウォール18は、周辺回路を構成するLDD(Lightly Doped Drain)型のMOSFETを形成する工程において同時に形成される。すなわち、CVD法(化学的気相成長法)等によりシリコン酸化物を堆積させ、その後、異方性エッチングを行なう(エッチバックする)ことで、サイドウォール18が形成される。したがって、サイドウォール18は、X方向にかなりの厚さを有する厚膜となる。
その後、図28Aおよび図28Bに示すように、SASエッチングを行なう。サイドウォール18は、SASエッチングに際してある程度浸食されるものの、図28Bに示すように、ゲートエッジ部19の近傍は、SASエッチング終了に至るまで、サイドウォール18によって保護される。
その後、レジスト16、積層ゲート6および取り残されたサイドウォール18をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入し、加熱する。これにより、図29に平面図で示すように、メモリセルの高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線15が形成される。
しかしながら、上記のような従来のSAS技術にも、次のような問題点がある。上記のように改良されたSAS技術を用いることによって、図28Bに示すゲートエッジ部19はSASエッチングから保護されるものの、図29に示すように、拡散ソース配線15の幅が、部分的に狭く(幅w1)なってしまう。
これは、取り残されたサイドウォール18をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入するため、ヒ素イオンの注入幅が、当該サイドウォール18の幅(通常1500〜2000オングストローム程度)の2倍(3000〜4000オングストローム程度)に相当する分だけ、狭くなってしまうからである。
したがって、幅の狭い部分がネックとなり、拡散ソース配線15の電気抵抗が大きくなってしまう。このため、特に、データの書込み等に際し大きなソース電流を流すタイプのメモリに適用した場合、各メモリ素子間で、電圧降下によるソース電位のバラ付きが大きくなり、動作が不安定になるおそれがある。
このような場合、隣接する積層ゲート6の間隙w2を大きくすれば、幅w1も大きくなるため、このような問題は解決されるが、間隙w2を大きくすることにより、メモリの集積度が犠牲になってしまう。たとえば、0.35μm(3500オングストローム)のデザインルールを用いたメモリにおいて、間隙w2を3000〜4000オングストローム程度広げるとなると、メモリ素子部分の集積度は、1/2程度に落ちてしまう。
この発明は、このような問題点を解決し、集積度が高く、かつ、動作時の信頼性の高い半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の半導体記憶装置の製造方法においては、実質的に積層ゲートの側面を覆う絶縁性薄膜を形成し、選択エッチングによって、実質的に積層ゲートに対して自己整合的に素子分離用絶縁膜を除去し、素子分離用絶縁膜の除去された半導体領域を含む半導体領域に、実質的に積層ゲートに対して自己整合的に第1の高濃度不純物領域を形成することを特徴としている。
したがって、積層ゲートを構成する下部絶縁膜の側面は絶縁性薄膜に覆われているため、選択エッチングによって浸食されることはない。このため、書込み時等動作時の信頼性が高い。
また、絶縁性薄膜の厚さを薄く設定することにより、積層ゲートおよび絶縁性薄膜をマスクとして第1の高濃度不純物領域を形成する際、第1の高濃度不純物領域の幅の減少量を小さく抑えることができる。このため、隣接する積層ゲートの間隙を大きくすることなく、第1の高濃度不純物領域について所定幅を確保することができる。この結果、集積度を犠牲にすることなく、列方向に連続的に形成される第1の高濃度不純物領域の電気抵抗の増大を防ぐことができる。
すなわち、集積度が高く、かつ、動作時の信頼性が高い半導体記憶装置を実現することができる。
請求項2の半導体記憶装置の製造方法においては、絶縁性薄膜を、シリコン酸化物を主成分とする薄膜としたことを特徴としている。
したがって、熱酸化法やCVD法(化学的気相成長法)などにより、薄い絶縁膜を容易に得ることができる。
請求項3の半導体記憶装置の製造方法においては、絶縁性薄膜を、シリコン窒化物を主成分とする薄膜としたことを特徴としている。
したがって、選択エッチングにおいてエッチングされにくいシリコン窒化物を用いることで、素子分離用絶縁膜の厚さに対する積層ゲートの高さの比率がより小さくなった場合であっても、選択エッチングにおいて、下部絶縁膜の側面を保護することができる。また、選択エッチングにおいて、積層ゲートの側面全体を保護することができるので、動作時の信頼性を、より高めることができる。
請求項4の半導体記憶装置の製造方法においては、積層ゲートを形成した後、メモリアレイ部全体にシリコン窒化物を主成分とする薄膜を堆積し、異方性エッチングにより、堆積した厚さ分だけ当該薄膜を除去することにより、少なくとも選択エッチングによって除去すべき素子分離用絶縁膜の上にある当該薄膜を除去し、その後、選択エッチングを行なうことを特徴としている。
したがって、素子分離用絶縁膜の上にあるシリコン窒化物を主成分とする薄膜を除去して、当該素子分離用絶縁膜を露出させておくことにより、その後の選択エッチングによって、素子分離用絶縁膜を容易に除去することができる。
請求項5の半導体記憶装置の製造方法においては、絶縁性薄膜を、シリコン酸化物を主成分とし実質的に積層ゲートの側面を覆う第1の薄膜、およびシリコン窒化物を主成分とし実質的に第1の薄膜を覆う第2の薄膜、を用いて構成したことを特徴としている。
したがって、電荷を捕獲しにくいシリコン酸化物を主成分とする第1の薄膜を用いて積層ゲートの側面を覆うことで、積層ゲートの側面において不用意に電荷が捕獲されるのを防止することができる。また、選択エッチングにおいてエッチングされにくいシリコン窒化物を主成分とする第2の薄膜を用いて第1の薄膜を覆うことで、選択エッチングにおいて、確実に下部絶縁膜の側面を保護することができる上、積層ゲートの側面全体を保護することができる。このため、動作時の信頼性を、さらに高めることができる。
請求項6の半導体記憶装置の製造方法においては、積層ゲートを形成する際、上部導電体層の上にさらにシリコン窒化物を主成分とする第3の薄膜を形成しておき、その後、実質的に積層ゲートの側面を覆うように第1の薄膜を形成し、その後、メモリアレイ部全体に前記第2の薄膜を堆積し、異方性エッチングにより、堆積した厚さ分だけ当該第2の薄膜を除去することにより、少なくとも選択エッチングによって除去すべき素子分離用絶縁膜の上にある第2の薄膜を除去し、その後、選択エッチングを行なうことを特徴としている。
つまり、上記異方性エッチング前においては、積層ゲートの側面に形成された第1の薄膜の側面および上部は、第2の薄膜により覆われている。したがって、異方性エッチングにより、堆積した厚さ分だけ当該第2の薄膜を除去したとしても、第1の薄膜の側面および上部が露出することはない。このため、その後に行なわれる選択エッチングにおいて、第1の薄膜が浸食されることはない。すなわち、積層ゲートの側面を覆う第1の薄膜と、第1の薄膜を覆う第2の薄膜とを用いて構成される絶縁性薄膜を、容易に得ることができる。
請求項7の半導体記憶装置の製造方法においては、絶縁性薄膜の厚さを、下部絶縁膜の厚さと同程度の厚さないし下部絶縁膜の厚さの10倍程度の厚さとしたことを特徴としている。
したがって、第1の高濃度不純物領域から下部絶縁膜を介して下部導電体層に流れるべき電流が、絶縁性薄膜を介して下部導電体層に流れる可能性は極めて低く、かつ、第1の高濃度不純物領域の幅の減少量を小さく抑えることができる。すなわち、絶縁性薄膜の絶縁性を確保しつつ、第1の高濃度不純物領域の幅の減少量を小さく抑えることができる。
請求項8の半導体記憶装置の製造方法においては、選択エッチングの後、素子分離用絶縁膜の除去された半導体領域を含む半導体領域に、実質的に積層ゲートおよび除去されなかった素子分離用絶縁膜に対して自己整合的に、第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域を形成することを特徴としている。
したがって、第2の高濃度不純物領域、および、列方向に連続的に形成される第1の高濃度不純物領域を、同一工程で形成することが可能となる。このため、マスク工程等煩雑な工程を伴う不純物導入工程の数を低減することができる。すなわち、製造コストを低減することができる。
請求項9の半導体記憶装置においては、積層ゲートの側面を少なくとも実質的に下部絶縁膜の上端まで覆う高さの絶縁性薄膜を備えたことを特徴としている。したがって、書込み等の動作時に重要な役割を果す下部絶縁膜の側面近傍を絶縁性薄膜で覆って保護することにより、より確実に、書込み等の動作の信頼性を高めることができる。
なお、請求項において、「半導体基板に半導体領域を設ける」とは、半導体基板に接して半導体領域を形成する場合、半導体基板の上に形成した一層以上の別の層の上に半導体領域を形成する場合、および、半導体基板自体が半導体領域である場合を含む概念である。
本発明の構成によれば、積層ゲートを構成する下部絶縁膜の側面は絶縁性薄膜に覆われているため、選択エッチングによって浸食されることはない。このため、書込み時等動作時の信頼性が高い。また、絶縁性薄膜の厚さを薄く設定することにより、積層ゲートおよび絶縁性薄膜をマスクとして第1の高濃度不純物領域を形成する際、第1の高濃度不純物領域の幅の減少量を小さく抑えることができる。このため、隣接する積層ゲートの間隙を大きくすることなく、第1の高濃度不純物領域について所定幅を確保することができる。この結果、集積度を犠牲にすることなく、列方向に連続的に形成される第1の高濃度不純物領域の電気抵抗の増大を防ぐことができる。すなわち、集積度が高く、かつ、動作時の信頼性が高い半導体記憶装置を実現することができる。
[第1の実施形態]図12に、この発明の一実施形態による半導体記憶装置であるフラッシュEPROMのメモリアレイ部の平面構成を概念的に表わした図面を示す。このフラッシュEPROMは、不揮発性の半導体記憶装置であり、メモリアレイ部26には、複数のメモリセルMC(図12において、破線で囲んだ部分)が、直交する行列状に配置されている。なお、メモリセルMCのX方向の並びを行、Y方向の並びを列と呼ぶ。
図6に、メモリアレイ部26の一部を表わす斜視図を示す。メモリセルMCは、P型(第1導電型)の半導体基板22(半導体領域)に設定されたチャネル形成領域CHと、チャネル形成領域CHを挟んで配置されたN型(第2導電型)のソースSおよびドレインD(第2の高濃度不純物領域)と、チャネル形成領域CHの上に形成された積層ゲート46を備えている。
ソースSは、N+型の高濃度ソースHSと、高濃度ソースHSを取り囲むように形成されたN-型の低濃度ソースLS(低濃度不純物領域)とを備えている。ドレインDおよびソースSは、それぞれ、行方向(X方向)に隣接する2つのメモリセル間で共用される。メモリセルのソースSのうち高濃度ソースHSは、列方向(Y方向)に連結され、拡散ソース配線55(第1の高濃度不純物領域)となっている。異なる行に属するメモリセルのドレインDは、フィールド酸化膜44(第1の素子分離用絶縁膜)によって電気的に分離されている。
また、積層ゲート46は、ゲート酸化膜48(下部絶縁膜)、フローティングゲート50(下部導電体層)、ONO膜52(上部絶縁膜)、コントロールゲート54(上部導電体層)をこの順に積層した構成を備えている。積層ゲート46のうち、ゲート酸化膜48、フローティングゲート50およびONO膜52は、各メモリセルごとに独立しているが、コントロールゲート54は、同一列を構成するメモリセル(Y方向に並んだ複数のメモリセル)をつなぐように形成されている。なお、図12の右上がりのハッチング部(細線)がコントロールゲート54を表わし、右下がりのハッチング部(太線)がフローティングゲート50を表わす。
積層ゲート46の側面には、絶縁用薄膜である熱酸化膜58が形成されている。熱酸化膜58の厚さは、特に限定されるものではないが、ゲート酸化膜48の厚さと同程度の厚さないしゲート酸化膜48の厚さの10倍程度の厚さとするのが好ましい。この程度の厚さにすれば、ソースSからゲート酸化膜48を介してフローティングゲート50に流れるべき電流が、熱酸化膜58を介してフローティングゲート50に流れる可能性は極めて低く、かつ、拡散ソース配線55の幅の減少量を小さく抑えることができるからである。たとえば、ゲート酸化膜48の厚さを100オングストローム程度とすると、熱酸化膜58の厚さを100〜1000オングストローム程度にするのが好ましい。
熱酸化膜58の膜厚制御が容易であれば、より好ましくは、熱酸化膜58の厚さを、ゲート酸化膜48の厚さと同程度の厚さないしゲート酸化膜48の厚さの5倍程度の厚さ(上述の例では、100〜500オングストローム程度)とするのがよい。さらに好ましくは、熱酸化膜58の厚さを、ゲート酸化膜48の厚さと同程度の厚さないしゲート酸化膜48の厚さの2倍程度の厚さ(上述の例では、100〜200オングストローム程度)とするのがよい。
すなわち、熱酸化膜58の厚さは、熱酸化膜58を介してフローティングゲート50に流れる電流が無視できる程度の厚さであれば、薄いほうがよいことになる。
ソースS側の熱酸化膜58は、後述するSASエッチングによりある程度除去されるものの、ゲート酸化膜48の側面を覆う程度には残存している。
つぎに、このフラッシュEPROMの製造方法について説明する。図1〜図6は、この発明の一実施形態による半導体記憶装置であるフラッシュEPROMの製造工程を説明するための斜視図である。図7A〜図10Bは、各工程における主要部分の断面図である。
フラッシュEPROMを製造するには、図1R>1に示すように、まず、P型の半導体基板22を用意し、LOCOS法を用いて、メモリアレイ部26の素子分離領域42上に、フィールド酸化膜44を形成する。フィールド酸化膜44は、X方向を長手方向とするストライプ状に形成される。
なお、この実施形態においては、約1000℃の水蒸気雰囲気中で加熱することにより、3000オングストローム程度の膜厚を有するフィールド酸化膜44を形成している。
つぎに、図2に示すように、ストライプ状のフィールド酸化膜44に直交するストライプ状(Y方向を長手方向とするストライプ状)に、積層ゲート46を形成する。積層ゲート46は、つぎのようにして形成する。
まず、半導体基板22の露出した素子形成領域40(図1参照)の表面に、ゲート酸化膜48となる熱酸化膜を形成する。なお、この実施形態においては、約900℃の乾燥雰囲気中で加熱することにより、当該熱酸化膜を形成するようにしている。
この上に、フローティングゲート50となるポリシリコン層を、X方向を長手方向とするストライプ状に形成する。この実施形態においては、当該ポリシリコン層を、約620℃の温度下でCVD法を用いて形成している。ポリシリコン層形成後、不純物であるリンを該ポリシリコン層にドープしておく。このポリシリコン層を覆うように、ONO膜52となるONO層を形成する。
つぎに、コントロールゲート54となるポリシリコン層およびタングステンシリサイド(WSi)層を形成する。この実施形態においては、当該ポリシリコン層を、約620℃の温度下でCVD法を用いて形成している。最後に、このポリシリコン層、タングステンシリサイド(WSi)層および上述のONO層、X方向を長手方向とするストライプ状のポリシリコン層、熱酸化膜をパタニングすることによって、積層ゲート46が形成される。
なお、この実施形態においては、積層ゲート46を構成する各層の厚さを、次のように設定している。すなわち、ゲート酸化膜48の厚さ:約100オングストローム、フローティングゲート50の厚さ:約1000オングストローム、ONO膜52の厚さ:約200オングストローム、コントロールゲートの厚さ:約3000オングストローム(内、タングステンシリサイドの厚さ:約1500オングストローム)である。
つぎに、積層ゲート46に対して自己整合的に、N-型の低濃度ソースLSおよびN+型のドレインDを形成する。低濃度ソースLSを形成するために、ドレインDとなるべき領域をレジスト(図示せず)で覆った後、低濃度ソースLSとなるべき領域に低濃度のリン(P)を注入する。ドレインDを形成するために、低濃度ソースLSとなるべき領域をレジスト(図示せず)で覆った後、ドレインDとなるべき領域に高濃度のヒ素(As)を注入する。その後、アニール(加熱)工程を経て、低濃度ソースLSおよびドレインDが形成される。
上述のように、低濃度ソースLSおよびドレインDは、それぞれ、行方向(X方向)に隣接する2つのメモリセル間で共用される。
なお、低濃度ソースLSおよびドレインDの形成工程と前後して、周辺回路を構成するNチャンネル型MOSFETやPチャンネル型MOSFET(図示せず)のLDD(Lightly Doped Drain)領域を形成しておく。
つぎに、図3に示すように、熱酸化を行なうことにより、積層ゲート46の上面および側面に、熱酸化膜58を形成する。絶縁性薄膜として熱酸化膜58を用いれば、膜厚の制御が容易である上、膜組織が緻密であるため絶縁性に優れており、好都合である。
この実施形態においては、熱酸化膜58の厚さを、200オングストローム程度、すなわち、ゲート酸化膜48の2倍程度の厚さに設定している。
したがって、ソースSからゲート酸化膜48を介してフローティングゲート50に流れるべき電流が、熱酸化膜58を介してフローティングゲートに流れる可能性は極めて低く、かつ、拡散ソース配線55の幅の減少量を小さく抑えることができる。すなわち、熱酸化膜58の絶縁性を確保しつつ、拡散ソース配線55の幅の減少量を小さく抑えることができる。
図3における断面7Aを図7Aに示す。また、図3における断面7Bを図7Bに示す。図7Bに示すように、熱酸化膜58は、積層ゲート46の上面および側面全体を覆うように形成されている。なお、半導体基板22のうち露出した部分にも、熱酸化膜58が形成される。
つぎに、図4に示すように、ドレインDおよび、積層ゲート46の一部を覆うように、Y方向を長手方向とするストライプ状に、レジスト56を形成する。図4における断面8Aを図8Aに示す。また、図4における断面8Bを図8Bに示す。
つぎに、図5に示すように、レジスト56、積層ゲート46および熱酸化膜58をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高い異方性エッチング(SASエッチング)を行なう。図5における断面9Aを図9Aに示す。また、図5における断面9Bを図9Bに示す。
図9Aに示すように、SASエッチングによって、低濃度ソースLS(図4参照)間にあったフィールド酸化膜44が、選択的に除去される。上述のように、積層ゲート46の側面に形成される熱酸化膜58の膜厚が薄いため、図9Aに示すように、除去されるフィールド酸化膜44の幅w3は、隣接する積層ゲート46の間隙w2に比し、それほど狭くなっていない。
SASエッチングに際し、フィールド酸化膜44と同時に、露出した熱酸化膜58も高さ方向に浸食され、図9Bのように、背が低くなる。しかし、SASエッチングは、上述のように、異方性エッチングであるから、高さ方向に直交する方向(図中X方向、およびY方向)には、あまり浸食されない。一方、上述のように、フィールド酸化膜44の膜厚(3000オングストローム程度)に比し、積層ゲート46の厚さ(4300オングストローム程度)がかなり厚い。
したがって、フィールド酸化膜44の除去が終了した時点でも、熱酸化膜58は、ある程度残存することになる。つまり、SASエッチングが終了するまで、積層ゲート46のゲートエッジ部59は、熱酸化膜58によって覆われていることになる。
SASエッチングが終了すると、つぎに、レジスト56、積層ゲート46、および取り残された熱酸化膜58をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入する。上述のように、熱酸化膜58の膜厚が薄いため、イオン注入の際のマスクとしての熱酸化膜58のX方向の寸法(すなわち膜厚)は、SASエッチングの場合と同様に、ほとんど問題とならない。
イオン注入された部分を、図9Aおよび図9R>9Bの×印で示す。すなわち、図5に示すように、高濃度のヒ素は、低濃度ソースLSと、当該低濃度ソースLSをY方向につなぐ領域すなわち先程のSASエッチングによってフィールド酸化膜44が除去された領域とに注入される。
この後、レジスト56をはく離し、加熱することにより、図6に示すように、メモリセルの高濃度ソースHSが形成されるとともに、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55が形成される。このようにして、実質的に積層ゲート46に対し自己整合的に、拡散ソース配線55を形成することができる。図6における断面10Aを図10Aに示す。また、図6における断面10Bを図10Bに示す。図10Aに示すように、拡散ソース配線55の幅w4は、隣接する積層ゲート46の間隙w2と同等程度あるいはそれ以上でであることが分る。
この後、上述の周辺回路を構成するNチャンネル型MOSFETやPチャンネル型MOSFET(図示せず)のゲート側面にサイドウォールが形成され、ゲートおよび該サイドウォールをマスクとして、該Nチャンネル型MOSFETのN+型のソース/ドレインやPチャンネル型MOSFETのP+型のソース/ドレインが形成される。
なお、周辺回路を構成するNチャンネル型MOSFETやPチャンネル型MOSFETのゲート側面にサイドウォールが形成される際、同時に、メモリセルの積層ゲート46の両側にも、サイドウォール(図示せず)が形成される。
最後に、図示しないが、層間膜形成工程、コンタクト形成工程、アルミ配線工程、パッシベーション膜形成工程等を経て、フラッシュEPROMが製造される。
このように、この実施形態においては、積層ゲート46の側面を覆う熱酸化膜58を形成し、選択エッチングによって、実質的に積層ゲート46に対して自己整合的にフィールド酸化膜44を除去し、フィールド酸化膜44の除去された領域を含む半導体基板22に、実質的に積層ゲート46に対して自己整合的に、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55を形成するようにしている。
したがって、ゲート酸化膜48の側面を含むゲートエッジ部59(図9B参照)は熱酸化膜58に覆われているため、選択エッチングによって浸食されることはない。このため、メモリセルへの書込み時等動作時の信頼性が高い。
また、熱酸化膜58の膜厚が薄いので、積層ゲート46および該熱酸化膜58をマスクとして拡散ソース配線55を形成する際、拡散ソース配線55の幅の減少を抑制することができる。このため、隣接する積層ゲート46の間隙を大きくすることなく、拡散ソース配線55について所定幅を確保することができる。この結果、集積度を犠牲にすることなく、列方向に連続的に形成される拡散ソース配線55の電気抵抗の増大を防ぐことができる。
すなわち、集積度が高く、かつ、動作時の信頼性が高いフラッシュEPROM等のメモリ装置を実現することができる。
なお、この実施形態においては、絶縁性薄膜として、熱酸化膜58を用いたが、絶縁性薄膜として、シリコン酸化物を主成分とする薄膜であって熱酸化膜以外の薄膜、たとえば、CVD(化学的気相成長)法を用いて形成したシリコン酸化膜を用いてもよい。CVD法を用いてシリコン酸化膜を成膜することにより、比較的低温下で、容易にシリコン酸化膜を得ることができる。
また、この実施形態においては、絶縁性薄膜として、シリコン酸化物を主成分とする薄膜を用いたが、絶縁性薄膜はこれに限定されるものではない。たとえば、絶縁性薄膜として、シリコン窒化物を主成分とする薄膜を用いることもできる。
[第2の実施形態]絶縁性薄膜として、シリコン窒化物を主成分とする薄膜を用いた場合の製造方法の一例を、図13〜図16を用いて説明する。
積層ゲート46を形成するまでの工程は、上述の実施形態と同様である(図1、図2参照)。その後、図13に示すように、絶縁性薄膜として、シリコン窒化膜68を形成する。シリコン窒化膜68は、CVD法を用いて、シリコン窒化物を薄膜状に堆積させることにより成膜する。
したがって、積層ゲート46の側面のみならず、積層ゲート46の上面、露出した半導体基板22の上部、および、フィールド酸化膜44の上部に、薄膜状のシリコン窒化膜68が形成されることになる。なお、この実施形態においては、シリコン窒化膜68の膜厚を200オングストローム程度に設定しているが、上述の実施形態の場合と同様に、シリコン窒化膜68の膜厚は、特に限定されるものではない。
つぎに、図14に示すように、ドレインDおよび、積層ゲート46の一部を覆うように、Y方向を長手方向とするストライプ状に、レジスト56を形成する。その後、レジスト56をマスクとして、シリコン窒化物に対する選択性の高い異方性エッチングを行ない、シリコン窒化膜68の膜厚分だけ、シリコン窒化膜68を除去する。これにより、フィールド酸化膜44の上部のシリコン窒化膜68が除去される。フィールド酸化膜44の上部にシリコン窒化膜68があると、次工程のSASエッチングにおいて、フィールド酸化膜44を除去できないからである。なお、露出した積層ゲート46の上面および半導体基板22の上部に形成されたシリコン窒化膜68も、同時に除去される。
つぎに、図15に示すように、レジスト56、積層ゲート46および側面に残されたシリコン窒化膜68をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高いSASエッチングを行なう。
図15に示すように、SASエッチングによって、低濃度ソースLS間にあったフィールド酸化膜44(図14参照)が、選択的に除去される。
絶縁性薄膜として熱酸化膜58を用いた上述の実施形態の場合と異なり、この実施形態においては、SASエッチングに際し、絶縁性薄膜であるシリコン窒化膜68はほとんど浸食されない。
このように、SASエッチングにおいてエッチングされにくいシリコン窒化膜68を絶縁性薄膜として用いれば、仮に、フィールド酸化膜44の厚さに対する積層ゲート46の高さの比率がより小さくなった場合であっても、SASエッチングにおいて、積層ゲート46のゲートエッジ部59が露出することはなく、確実にゲートエッジ部59を保護することができる。また、SASエッチングにおいて、ONO膜52の側面を含め積層ゲート46の側面全体を保護することができるので、動作時の信頼性を、より高めることができる。
SASエッチング終了後の工程は、前述の実施形態の場合と、ほぼ同様である。すなわち、レジスト56、積層ゲート46およびその側面に残されたシリコン窒化膜68をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入し、その後、レジスト56をはく離し、加熱することにより、図16に示すように、メモリセルの高濃度ソースHSが形成されるとともに、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55が形成される。このようにして、前述の実施形態と同様に、実質的に積層ゲート46に対し自己整合的に、拡散ソース配線55を形成することができるのである。
[第3の実施形態]図17〜図22は、この発明のさらに他の実施形態による半導体記憶装置であるフラッシュEPROMの製造工程を説明するための斜視図である。この実施形態においては、絶縁性薄膜78として、第1の薄膜である熱酸化膜74および第2の薄膜であるシリコン窒化膜76を用いている。
フィールド酸化膜44を形成する工程までは、上述の各実施形態と同様である(図1参照)。その後、図17に示すように、ストライプ状の積層ゲート46を形成するが、この実施形態においては、積層ゲート46の上部にシリコン窒化物により構成された第3の薄膜であるキャップ材72を形成するようにしている。キャップ材72を形成することにより、後述するように、SASエッチングにおいて、熱酸化膜74が浸食されるのを防止することができる(図21参照)。
積層ゲート46およびキャップ材72を形成する手順を説明する。コントロールゲート54となるポリシリコン層およびタングステンシリサイド(WSi)層を堆積させる工程までは、上述の実施形態と同様である。すなわち、ゲート酸化膜48となる熱酸化膜、フローティングゲート50となるポリシリコン層、ONO膜52となるONO層、コントロールゲート54となるポリシリコン層およびタングステンシリサイド(WSi)層を、この順に形成する。
その後、キャップ材72となるシリコン窒化膜を、減圧CVD法等を用いて堆積させる。この実施形態においては、当該シリコン窒化膜の膜厚を800オングストローム程度に設定している。
つぎに、このシリコン窒化膜、ポリシリコン層およびタングステンシリサイド(WSi)層、ONO層、X方向を長手方向とするストライプ状のポリシリコン層、熱酸化膜をパタニングすることによって、積層ゲート46ならびにキャップ材72が形成される。なお、積層ゲート46を構成する各層の厚さは、上述の実施形態と同様であるが、特に限定されるものではない。
つぎに、積層ゲート46に対して自己整合的に、N-型の低濃度ソースLSおよびN+型のドレインDを形成するが、この工程は、上述の実施形態と同様である。
つぎに、図18に示すように、熱酸化を行なうことにより、積層ゲート46の側面に、熱酸化膜74を形成する。第1の薄膜として熱酸化膜74を用いれば、膜厚の制御が容易である上、膜組織が緻密であるため絶縁性に優れており、好都合である。
図18に示すように、熱酸化膜74は、半導体基板22のうち露出したシリコン部分にも形成される一方、シリコン窒化物で構成されたキャップ材72の側面や上部には、ほとんど形成されない。したがって、キャップ材72の側面等に極めて薄く熱酸化膜が形成されたとしても、実用上ほとんど問題はない。ただし、極く軽くエッチングを行なうことで、キャップ材72の側面等に形成された極く薄い熱酸化膜を除去するようにすれば、なおよい。
その後、図19に示すように、第2の薄膜として、シリコン窒化膜76を形成する。シリコン窒化膜76は、CVD法を用いて、シリコン窒化物を薄膜状に堆積させることにより成膜する。
したがって、積層ゲート46の側面に形成された上述の熱酸化膜74を覆うように、薄膜状のシリコン窒化膜76が形成されることになる。なお、キャップ材72の側面および上面、半導体基板22上に形成された熱酸化膜76の上部、ならびに、フィールド酸化膜44の上部にも、薄膜状のシリコン窒化膜76が形成されることになる。
なお、この実施形態においては、熱酸化膜74の厚さを、100オングストローム程度とし、シリコン窒化膜76の膜厚を100オングストローム程度に設定している。すなわち、熱酸化膜74とシリコン窒化膜76とを合せた絶縁性薄膜78の厚さを200オングストローム程度に設定している。ただし、上述の各実施形態の場合と同様に、これら各膜厚は、特に限定されるものではない。
つぎに、図20に示すように、レジスト56を形成し、レジスト56をマスクとして、シリコン窒化物に対する選択性の高い異方性エッチングを行ない、シリコン窒化膜76の膜厚分だけ、シリコン窒化膜76を除去する。これにより、フィールド酸化膜44の上部のシリコン窒化膜76が除去される。
上述のように、積層ゲート46の側面に形成された熱酸化膜74の側面は、シリコン窒化膜76により覆われている。また、キャップ材72の側面(すなわち、積層ゲート46の側面に形成された熱酸化膜74の上部)にも、シリコン窒化膜76が形成されている。
したがって、上記異方性エッチングによって、堆積した厚さ分だけシリコン窒化膜76を除去したとしても、積層ゲート46の側面に形成された熱酸化膜74の側面および上面が露出することはない。
このため、その後に行なわれるSASエッチングにおいて、積層ゲート46の側面に形成された熱酸化膜74が浸食されることはない。すなわち、キャップ材72を形成しておくことにより、積層ゲート46の側面を覆う熱酸化膜74と、熱酸化膜74を覆うシリコン窒化膜76とを用いて構成される絶縁性薄膜78を、容易に得ることができるのである。
なお、露出したキャップ材72の上面および半導体基板22上に形成された熱酸化膜76の上部に形成されたシリコン窒化膜76も、上記異方性エッチングによって、同時に除去される。
つぎに、図21に示すように、レジスト56、キャップ材72、残された絶縁性薄膜78をマスクとしてシリコン酸化物に対する選択性の高いSASエッチングを行なう。
図21に示すように、SASエッチングによって、低濃度ソースLS間にあったフィールド酸化膜44(図20参照)が、選択的に除去される。一方、絶縁性薄膜78は、外側がシリコン窒化膜76により構成されているため、SASエッチングに際し、ほとんど浸食されない。
このように、この実施形態においては、絶縁性薄膜78を、実質的に積層ゲート46の側面を覆う熱酸化膜74、および該熱酸化膜74を覆うシリコン窒化膜76を用いて構成している。
したがって、シリコン窒化膜に比し電荷をトラップ(捕獲)しにくい熱酸化膜74を用いて積層ゲート46の側面を直接覆うことで、フローティングゲート50に取込まれるべき電荷、あるいはフローティングゲート50から排出されるべき電荷が、不用意に絶縁性薄膜にトラップされるのを防止することができる。このため、電荷がトラップされることによる電界の好まざる変動(すなわち、書込み時、消去時等における不安定動作の発生)を防止することができる。
また、SASエッチングにおいてエッチングされにくいシリコン窒化膜76を用いて熱酸化膜74を覆うことで、SASエッチングにおいて、確実にゲートエッジ部59を保護することができる。また、SASエッチングにおいて、ONO膜52の側面を含め積層ゲート46の側面全体を保護することができるので、動作時の信頼性を、さらに高めることができる。
SASエッチング終了後の工程は、前述の各実施形態の場合と、ほぼ同様である。すなわち、レジスト56、キャップ材72、積層ゲート46の側面に残された絶縁性薄膜78をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入し、その後、レジスト56をはく離し、加熱することにより、図22に示すように、メモリセルの高濃度ソースHSが形成されるとともに、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55が形成される。このようにして、前述の各実施形態と同様に、実質的に積層ゲート46に対し自己整合的に、拡散ソース配線55を形成することができるのである。
[その他の実施形態]なお、図13〜図16に示す実施形態、および、図17〜図22に示す実施形態においては、レジスト56を形成した後、シリコン窒化膜68またはシリコン窒化膜76を、その膜厚分だけ除去するようにしたが、シリコン窒化膜68またはシリコン窒化膜76をその膜厚分だけ除去する工程は、レジスト56形成後に限定されるものではない。たとえば、レジスト56形成前に、シリコン窒化膜68またはシリコン窒化膜76をその膜厚分だけ除去する工程を実施するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態においては、SASエッチングを行なう前に、低濃度ソースLSおよびドレインDを形成するとともに、SASエッチング終了後に、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55を形成するよう構成したが、低濃度ソースLS、ドレインD、拡散ソース配線55を形成する手順は、これに限定されるものではない。たとえば、ドレインDおよび拡散ソース配線55を同一工程で形成するようにしてもよい。
ドレインDおよび拡散ソース配線55を同一工程で形成する場合の一例を、図1〜図12に示す実施形態の場合を例に説明する。
まず、図1に示すように、フィールド酸化膜44を形成したあと、積層ゲート46を形成する。その後、図23に示すように、積層ゲート46に対して自己整合的に、N-型の低濃度ソースLSのみを形成する。
その後、SASエッチング終了までの工程は、上記図1〜図12に示す実施形態の場合とほぼ同様である。ただし、本実施形態においては、SASエッチング終了後、レジスト56をはく離し、その後、積層ゲート46および残存するフィールド酸化膜44をマスクとして、高濃度のヒ素(As)をイオン注入するようにしている。
したがって、その後の加熱により、図6に示すように、ドレインDと、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造の拡散ソース配線55とが、同時に形成される。
このように、この実施形態においては、SASエッチングの後、フィールド酸化膜44の除去された半導体領域を含む半導体基板22に、実質的に積層ゲート46および除去されなかったフィールド酸化膜44に対して自己整合的に、拡散ソース配線55およびドレインDを形成するようにしている。
したがって、ドレインD、および、高濃度ソースHSをY方向に連結した構造のソース配線55を、同一工程で形成することが可能となる。このため、マスク工程等煩雑な工程を伴うイオン打込み工程の数を低減することができる。すなわち、製造コストを低減することができる。
なお、この実施形態のように、SASエッチングに用いたレジスト56を除去した後にイオン注入工程を実施するような場合には、イオン注入工程に先立ち、軽い熱酸化工程を実施しておくと、なおよい。熱酸化膜を形成することで、半導体基板22の表面や積層ゲート46の表面が、イオン注入の際にダメージを受けるのを防止できるからである。
また、この実施形態においては、低濃度ソースLSは、SASエッチングの前に形成するようにしたが、拡散ソース配線55およびドレインD同様、低濃度ソースLSも、SASエッチングの後に形成するようにしてもよい。この場合には、SASエッチングの後に低濃度ソースLSを形成し、その後に、拡散ソース配線55およびドレインDを形成する工程を実施することになる。
逆に、従来のように、SASエッチングの前に、低濃度ソースLS、高濃度ソースHSおよびドレインDを形成しておき、SASエッチングの後で、高濃度ソースHSをつないで拡散ソース配線55にするための工程を実施するようにしてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、絶縁性薄膜として、熱酸化膜、CVDにより形成したシリコン酸化薄膜、シリコン窒化膜、熱酸化膜とシリコン窒化膜とを重ねた積層薄膜を例示したが、絶縁性薄膜はこれに限定されるものではない。絶縁性薄膜として、たとえば、シリコン酸化窒化膜(シリコン酸化物とシリコン窒化物とが混在する薄膜)や、3層以上の積層薄膜などを用いることもできる。また、上述の各実施形態においては、上部絶縁膜としてONO膜52を例に説明したが、上部絶縁膜はONO膜に限定されるものではない。たとえば、単層のシリコン酸化膜により構成される上部絶縁膜等を用いた半導体記憶装置にも適用することができる。
なお、上述の実施形態においては、半導体記憶装置としてフラッシュEPROMを例に説明したが、この発明はフラッシュEPROMに限定されるものではない。
44・・・・・・フィールド酸化膜
46・・・・・・積層ゲート
56・・・・・・レジスト
58・・・・・・熱酸化膜
59・・・・・・ゲートエッジ部
LS・・・・・・低濃度ソース
w2・・・・・・隣接する積層ゲート46の間隙
w3・・・・・・フィールド酸化膜44の幅
46・・・・・・積層ゲート
56・・・・・・レジスト
58・・・・・・熱酸化膜
59・・・・・・ゲートエッジ部
LS・・・・・・低濃度ソース
w2・・・・・・隣接する積層ゲート46の間隙
w3・・・・・・フィールド酸化膜44の幅
Claims (9)
- 下記の(A)ないし(C)、(A)半導体基板に設けられた半導体領域に設定された第1導電型のチャネル形成領域、(B)チャネル形成領域を挟んで配置された第2導電型の第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域、(C)チャネル形成領域の上に形成された下記の(c1)ないし(c4)を有する積層ゲート、(c1)チャネル形成領域の上に形成された下部絶縁膜、(c2)下部絶縁膜の上に形成された下部導電体層、(c3)下部導電体層の上に形成された上部絶縁膜、(c4)上部絶縁膜の上に形成された上部導電体層、を持つ複数のメモリセル、を行列配置したメモリアレイ部であって、同一列に属するメモリセルの上部導電体層は連続的に形成され、各メモリセルの第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域は行方向に隣接するメモリセル間でそれぞれ連続して形成され、第1の高濃度不純物領域を挟んで隣接する2つの列に属するメモリセルの第1の高濃度不純物領域は列方向に連続的に形成され、第2の高濃度不純物領域を挟んで隣接する2つの列に属するメモリセルの第2の高濃度不純物領域は素子分離用絶縁膜によって列方向に相互に電気的に分離されているメモリアレイ部、を備えた半導体記憶装置、を製造する方法であって、半導体領域の上に、メモリセルの行方向にストライプ状に素子分離用絶縁膜を形成し、半導体領域およびストライプ状の素子分離用絶縁膜の上に、メモリセルの列方向にストライプ状に積層ゲートを形成し、実質的に積層ゲートの側面を覆う絶縁性薄膜を形成し、選択エッチングによって、実質的に積層ゲートに対して自己整合的に素子分離用絶縁膜を除去し、素子分離用絶縁膜の除去された半導体領域を含む半導体領域に、実質的に積層ゲートに対して自己整合的に第1の高濃度不純物領域を形成することを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
- 請求項1の半導体記憶装置の製造方法において、前記絶縁性薄膜を、シリコン酸化物を主成分とする薄膜としたことを特徴とするもの。
- 請求項1の半導体記憶装置の製造方法において、前記絶縁性薄膜を、シリコン窒化物を主成分とする薄膜としたことを特徴とするもの。
- 請求項3の半導体記憶装置の製造方法において、前記積層ゲートを形成した後、メモリアレイ部全体に前記シリコン窒化物を主成分とする薄膜を堆積し、異方性エッチングにより、堆積した厚さ分だけ当該薄膜を除去することにより、少なくとも前記選択エッチングによって除去すべき素子分離用絶縁膜の上にある当該薄膜を除去し、その後、前記選択エッチングを行なうことを特徴とするもの。
- 請求項1の半導体記憶装置の製造方法において、前記絶縁性薄膜を、シリコン酸化物を主成分とし実質的に積層ゲートの側面を覆う第1の薄膜、およびシリコン窒化物を主成分とし実質的に第1の薄膜を覆う第2の薄膜、を用いて構成したことを特徴とするもの。
- 請求項5の半導体記憶装置の製造方法において、前記積層ゲートを形成する際、上部導電体層の上にさらにシリコン窒化物を主成分とする第3の薄膜を形成しておき、その後、実質的に積層ゲートの側面を覆うように前記第1の薄膜を形成し、その後、メモリアレイ部全体に前記第2の薄膜を堆積し、異方性エッチングにより、堆積した厚さ分だけ当該第2の薄膜を除去することにより、少なくとも前記選択エッチングによって除去すべき素子分離用絶縁膜の上にある第2の薄膜を除去し、その後、前記選択エッチングを行なうことを特徴とするもの。
- 請求項1ないし請求項6の半導体記憶装置の製造方法において、前記絶縁性薄膜の厚さを、前記下部絶縁膜の厚さと同程度の厚さないし下部絶縁膜の厚さの10倍程度の厚さとしたことを特徴とするもの。
- 請求項1ないし請求項7の半導体記憶装置の製造方法において、前記選択エッチングの後、前記素子分離用絶縁膜の除去された半導体領域を含む半導体領域に、実質的に前記積層ゲートおよび除去されなかった素子分離用絶縁膜に対して自己整合的に、前記第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域を形成することを特徴とするもの。
- 下記の(A)ないし(C)、(A)半導体基板に設けられた半導体領域に設定された第1導電型のチャネル形成領域、(B)チャネル形成領域を挟んで配置された第2導電型の第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域、(C)チャネル形成領域の上に形成された下記の(c1)ないし(c4)を有する積層ゲートであって、当該積層ゲートの側面を少なくとも実質的に下部絶縁膜の上端まで覆う高さの絶縁性薄膜を伴う積層ゲート、(c1)チャネル形成領域の上に形成された下部絶縁膜、(c2)下部絶縁膜の上に形成された下部導電体層、(c3)下部導電体層の上に形成された上部絶縁膜、(c4)上部絶縁膜の上に形成された上部導電体層、を持つ複数のメモリセル、を行列配置したメモリアレイ部であって、同一列に属するメモリセルの上部導電体層は連続的に形成され、各メモリセルの第1の高濃度不純物領域および第2の高濃度不純物領域は行方向に隣接するメモリセル間でそれぞれ連続して形成され、第1の高濃度不純物領域を挟んで隣接する2つの列に属するメモリセルの第1の高濃度不純物領域は列方向に連続的に形成され、第2の高濃度不純物領域を挟んで隣接する2つの列に属するメモリセルの第2の高濃度不純物領域は素子分離用絶縁膜によって列方向に相互に電気的に分離されているメモリアレイ部、を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
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