JP2005293760A - 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005293760A
JP2005293760A JP2004109618A JP2004109618A JP2005293760A JP 2005293760 A JP2005293760 A JP 2005293760A JP 2004109618 A JP2004109618 A JP 2004109618A JP 2004109618 A JP2004109618 A JP 2004109618A JP 2005293760 A JP2005293760 A JP 2005293760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
lower layer
tape
recording medium
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004109618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4482674B2 (ja
Inventor
Shinichi Konno
慎一 紺野
Kenichi Inoue
健一 井上
Masaru Inoue
賢 井上
Yoji Iiboshi
洋史 飯干
Toshihiko Kamiyama
俊彦 上山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Mining Co Ltd
Priority to JP2004109618A priority Critical patent/JP4482674B2/ja
Publication of JP2005293760A publication Critical patent/JP2005293760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4482674B2 publication Critical patent/JP4482674B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】 重層磁気記録媒体の非磁性層等に使用される粉末(下層用粉末)として,磁気
記録媒体の保存安定性と媒体の表面平滑性の両立を図ることができる粉末を得る。
【解決手段】 針状もしくはそれに近い形状を有する非磁性酸化鉄粒子からなる粉末であって,該粒子の表面にZnが存在していること,或いはZnおよびPが存在している重層
磁気記録媒体の下層用粉末である。ZnはFeに対して0.1〜25重量%含有する。
【選択図】

Description

本発明は, 重層磁気記録媒体の非磁性層等に使用される粉末に関する。
磁性粉末を樹脂中に分散させた磁性層(上層)とベースフイルムとの間に,非磁性粉末を樹脂中に分散させた非磁性層(下層)を設ける重層構造の塗布型磁気記録媒体は, 日常生活に密接に関わりを持つようになっている。最も身近に使用されるものとしては家庭用ビデオテープ等が挙げられるが, 昨今の用途として広く使用されているのは, データストレージ用のものである。昨今の情報量の増大はめざましく, 該記録媒体内に少しでも多く
の情報量を限られた領域内で記録するための試みが絶えず行われ,現在に至っている。
記録媒体中にできるだけ多くの情報量を書き込むためには, テープの巻き数を増やすことや媒体の高密度化を図ることなどが考えられるが,前者のためには, テープ厚みをできるだけ薄くすること, 後者のためには, 記録する領域をできるだけ狭く小さくすることが
必要である。
記録媒体の高密度化のためには, 再生出力やノイズ特性の両面から検討することが必要である(例えば電子材料35巻3号 p.136) 。具体的には, 再生出力の改善には磁化量の向上や記録減磁損失の低減, スペース損失の低減が必要であり, ノイズ特性の改善には磁化反転体積の低減が必要であり,そのために磁性体の体積を小さくしたり, 粒子の均質化
が必要である。
このようなことから,磁性体粒子の微粒子化がますます進むようになってきた。重層塗布型磁気記録媒体の上層に使用されるこうした磁性粉の微粒子化は, 記録容量の面では極めて好ましい反面, それらが構成する層厚も減少する。そのため, 上層磁性層の下部に位置する非磁性層(下層)の表面における荒れがそのまま表層である磁性層にまで影響を及ぼすことが知られており, 非磁性層における表面粗さについても昨今では細心の注意を払
って製造されるようになっている。
また, 媒体の保存安定性は媒体の信頼性ひいては記録保持の安定性にも重大な影響を及ぼすことから, 媒体設計上の重要な特性として考慮されている。なかでも媒体を構成する重要な構成物である, 上層の磁性粉末および下層の非磁性粉末に対する保存安定性につい
ては高度なものが要求されるようになっている。
なかでも下層の非磁性粉末(下層粉末という)に関しては, テープにおける相対的な量が増加するため, 保存安定性についても重要視されており, これを高めるべく様々な観点から検討が続けられている。たとえば, 下層の保存安定性の改善と言う観点では, 該下層内に防錆剤を添加する方法(例えば特許文献1)や, ベンゾヒドロキサム酸と鉄が形成する錯体の生成量を規定することによって保存安定性を改善する試み(特許文献2および特許文献3)などがなされている。また, 特許文献4などには溶出NaやCa成分を少なく
することが開示されている。
しかし, 本願発明者らが検討したところ, 水溶性NaやCa等の制御だけでは保存安定性を得るにはいまだ不十分であり, さらに保存安定性を改善することが必要であった。また, 表面処理法としてAlやSiにて被覆を行った場合でも, 焼結の防止効果は十分でなく, 焼結の抑制が困難であり, ひいては優れた表面平滑性を得ることは難しいものであっ
た。
特開2002-367151 号公報 特開平9-231546号公報, 特開2001-160221 号公報 特開平11-195221 号公報
上述のとおり, 現在までのところ焼結防止がなされたうえ,保存安定性が充分に良好な下層粉末は得られていないのが実状であり,このため,これを用いた重層塗布型磁気記録媒体においても保存安定性と表面平滑性の両立は完全には行えていない。したがって本発明はこの問題を解決し,該磁気記録媒体の保存安定性と媒体の表面平滑性の両立を図るこ
とを課題としたものである。
本発明者らは,前記の課題解決のための一つの手段として非磁性酸化鉄粉末を得るための焼成温度に着目し,焼成温度を高くすれば粒子の表面性に何らかの好影響を及ぼすと考え, 焼成温度を上昇させることを検討してきた。しかし,従来の焼結防止剤を用いる限りでは良好な成果が得られなかった。ところが,ZnまたはZnとPを適正な量で含有させると焼結防止がなされたうえ保存安定性が良好で比表面積(BET値)も適度な値を示す粉末が得られることが判明し,媒体に用いたときに表面平滑性と保存安定性の両立が達成
できることがわかった。
すなわち, 本発明によれば 針状もしくはそれに近い形状を有する非磁性酸化鉄粒子からなる粉末であって,該粒子の表面にZnまたはZnとPが存在していることを特徴とする重層磁気記録媒体の下層用粉末を提供する。より具体的には,この非磁性酸化鉄粒子はその表面近傍にZnまたはZnとPが存在しており,粉体中のZn含有量がFeに対して0.1〜25wt%であり,さらにPをFeに対して0.1〜5wt%含有し,その時の水溶性Pが100ppm以下であるのがよい。Zn,Pに加えて,Yを含む希土類元素が粒子
の表面近傍に存在していることも好ましい。
さらに詳しくは,この粉末は,粉体pH:9以下,平均長軸長:20〜200nm,BET法により算出される比表面積:30〜150m2/g,水溶性の硫酸根濃度:SO4換算で100ppm以下,そして水溶性ナトリウム濃度:100ppm以下であるのが望ま
しく,さらにAlまたはSiをそれぞれ0.1〜50wt%含有することができる。
本発明に従う非磁性酸化鉄粉末は, 重層磁気記録媒体用の下層用粉末に使用された場合に媒体特性とりわけ表面平滑性と保存安定性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
本発明は, 重層構造の塗布型磁気記録媒体の非磁性層を形成させるのに適した針状もしくはそれに近い非磁性酸化鉄粒子からなる下層用粉末に係るものであり,その特徴とするところは,平均長軸長が20〜200nm, BET法による比表面積が30〜150m2/gであって,粒子の表面にZnをFeに対して0.1〜25重量%含有する点,さらにはPを0.1〜5重量%含有したうえ,水溶性P量が(可溶性リン酸塩がP換算で)100ppm以下, 水溶性ナトリウム塩含有量がNa換算で100ppm以下, 水溶性硫酸塩がSO4換算で100ppm以下,粉体pH値が9未満である点,さらにはYを含む希土類
元素,Si,Alを適量含有する点にある。
この下層用酸化鉄粉末は, 湿式反応で生成させた針状のオキシ水酸化鉄に対し,亜鉛化合物およびリン化合物を用いて湿式で表面処理し,洗浄, 水洗のあと乾燥し, これを高温焼成することで得ることができる。そのさい,媒体特性の向上のためにSiおよび/また
はAlを含有させることもできる。
湿式反応で生成させた針状のオキシ水酸化鉄を高温で焼成してヘマタイトを得る場合には,一般に粒子間の焼結が発生したり粒子自体の針状性の低下が生じる。本発明者らはこうした粒子間焼結の問題はリン化合物をオキシ水酸化鉄に被着することにより解決できることを見出し,針状性に優れたα−Fe23 を得ることができた。しかしながら,その状態で得られたα−Fe23 を常法に従って重層テープ化して諸特性を検討したところ, 各種の水溶性成分が増加し, 保存安定性等の面で問題が生ずることがわかった。とくに
成分中に含まれるリンが最も悪影響を及ぼしていることも判明した。
すなわち, オキシ水酸化鉄の段階でリンを表面に被着してからヘマタイトに焼成すると焼成段階での粒子間焼結を抑制でき得るし, さらに重層記録媒体作成時に, 磁性層表面の平滑性が得られ,その粒子そのものについては寸法安定性に優れた針状ヘマタイト粒子を得ることが可能である。しかし,下層用の針状酸化鉄粉末にリン化合物が含有されることで, 酸化鉄粉末から鉄の溶出が生起することがある。その鉄の溶出の機構については明らかではないが,リンの存在により鉄化合物の一部がリンとの新たな化合物を形成して鉄の溶解を増すものと推測される。また,塗膜中に溶離した鉄とリンの化合物と,上層の強磁性金属合金粒子との反応も引き起こされる。このようなことから,溶出した鉄は塗膜中における脂肪酸と化学反応して塗膜中に脂肪酸鉄が蓄積し, テープの信頼性および保存安定
性を低下させる可能性がある。
本発明によれば,このようなリンによる悪影響は適量の亜鉛の含有によって回避できることが明らかとなった。すなわち,α−Fe23 表面に適量の亜鉛が存在すると,リンと共存していても溶出成分を低減でき, 保存安定性などに優れた磁気記録媒体が得られることが判明した。その理由については明らかではないが, 亜鉛とリンが粒子表面に共存することにより,りんと鉄との反応が低減されまたリンによる表面平滑効果との相乗によって下層を形成する樹脂への分散性が向上し, テープの表面平滑性が良好なものとなり, かつ表面に適当量のリン化合物が存在することで酸化鉄粒子の表面特性がさらに良好なものとなり, 樹脂との接着性も向上し塗膜の強度が増すと考えられる。その結果,本発明に従う粉末を下層の構成物質として含有する重層磁気記録媒体では優れた電磁変換特性を具備
できるようになる。
亜鉛の添加形態としては特に制限を受けないが, オキシ水酸化鉄のスラリーに対して亜鉛化合物の水溶液を添加してオキシ水酸化鉄表面に該化合物を被着させる方法が最も簡便
である。
リン被着のタイミングとしては, オキシ水酸化鉄をヘマタイトに焼成する前の段階で行うと, リン被着による粒子間焼結の防止効果が享受できる点で有利であるが, 焼成後のヘマタイトに対し同様のリン付着処理を施すと, テープ化した際に磁性層表面の平滑性並びに電磁変換特性の向上が得られるので, どちらの段階でリンを付与しても, 特徴ある結果が得られる。リン付与は,リン化合物の溶液たとえばホスホン酸ナトリウムやホスフィン酸ナトリウムといったリン酸塩の水溶液や薄めたオルトリン酸溶液などを用いて行うこと
ができる。
このように亜鉛およびリンを湿式方式で粒子表面に被着させたあとは,スラリーを固液分離し,洗浄,乾燥,粉砕を必要に応じて行うが,洗浄は粉砕に関しては, 洗浄と粉砕を同時に行う湿式粉砕でもよい。粉砕を伴わない洗浄装置として, フィルター・プレスなどを用いることもできる。粉砕を伴った洗浄を行うには超音波洗浄機, ボールミル, チュー
ブミル, 振動ボールミル, ロッドミル, 乳化分散機, サンドグラインダー, サンドミル,
ダイノーミル, コロイドミル, スーパーミルなどが使用できる。
下層用粉末に水溶性ナトリウム塩や水溶性硫酸塩が含まれているとテープ中の磁性金属粉末を腐食させるので, テープの信頼性, 保存安定性に対して好ましくない影響を与えることが知られている。しかし, 本発明に従ってZnを含有すると,その亜鉛リッチ層が内部からの溶出成分をせき止め, 下層用粉末に本来含有されている水溶性ナトリウム塩, 水溶性硫酸塩を内部に閉じこめる作用を供し,これら水溶性成分についても低減されるのでテープ自体の信頼性, 保存安定性向上が図られることがわかった。なお,亜鉛リッチ層お
よびPリッチ層の定性および定量はESCAやAESを用いて行うことができる。
本発明に従う下層用粉末は,平均長軸長(TEM写真の視野内において無作為に選んだ100個の独立した粒子について測定した長軸長の平均値)が20〜200nm, 好ましくは30〜160nm, さらに好ましくは50〜120nmである。非磁性層の表面平滑性を得るためには, 非磁性粒子がビヒクル中で均一に分散すること(分散性の優れた粒子を選定すること)が必要であるが,平均長軸長が20nmよりも小さい場合ではビヒクル中の分散が悪化するので好ましくない。他方,200nmよりも大きな粒子の場合には磁
性層表面の表面平滑性が悪化してしまうので好ましくない。
針状の度合いを示す軸比(またはアスペクト比) については2〜10のものがよく, 好ましくは3〜8, さらに好ましくは4〜8である。軸比が2よりも小さい場合では, 樹脂中にヘマタイト粒子を分散させて塗膜化した際の塗膜強度が弱くなるので好ましくない。一方,軸比が10よりも大きい場合では, 樹脂中の分散が不良となって, 表面平滑性に劣った非磁性層となるので好ましくない。本発明に従う非磁性針状酸化鉄粒子を非磁性層に用いると表面平滑性と塗膜強度がともに優れる一つの理由は, その塗料の塗布時にベース
フィルムの面内方向に粒子が規則的に配列することで非磁性層表面の平滑性が確保され,
さらに粒子同士が絡まり合った状態となることでテープの被膜強度が得られるからである
と考えられる。
本発明に従う下層用粉末の比表面積はBET法で30〜150m2/g,好ましくは35〜130m2/g, より好ましくは35〜100m2/gである。比表面積が150m2/gよりも高いと微粒子が多くなり過ぎて塗料中での分散不良につながるため好ましくない。他方30m2/gより低いものでは粒子のサイズが大きかったり, 粒子が凝集や焼結を生じている可能性がある。凝集や焼結をした粒子が存在する場合, 表面平滑性が確保できないので好ましくない。したがって,非磁性層表面の平滑性を確保し, テープ化した際に走行耐久性や走行性に優れた磁気記録媒体を得るにはBET法での比表面積が前記の範囲である
ことが必要である。
本発明に従う下層用粉末の粉体pHは3〜9, 好ましくは4〜8, より好ましくは4〜7の範囲にある。粉体pHが3未満の場合, 上層の磁性粉末との反応により局部電池を形成して腐食が進行するおそれがあり, テープの保存安定性, 信頼性に悪影響を及ぼすことが懸念される。そのため, 下層用粉末の粉体pHは3以上,好ましくは4以上でなければならない。他方, テープ表面−ヘッド間の干渉を少なくし, テープの経時変化つまりテープの耐久性を向上させることを主たる目的として,下層用粉末には潤滑剤と呼ばれる脂肪酸類を添加するのが通常であるが,この脂肪酸は多くの場合酸性を示すので,粒子の粉体pHが高い場合には, 塗料を仲立ちにして脂肪酸とCaイオンやNaイオンとの反応が進行し, 潤滑剤の持つ潤滑作用が発揮できなくなる。加えて,pHが高くなると塗布用の非磁性塗料を作成するさいに, 塗料に十分な剪断応力がかからなくなり, 凝集をとりきれず,表面性が悪化することがある。そのため, 本発明に従う下層用粉末の粉体pHは9より
小, 好ましくは8よりも,更には7よりも小であるのが望ましい。
当該下層用粉末はアルミニウムを0.01〜50重量%含有することができる。アルミニウムの添加方法は特に制限されないが, 湿式法によるオキシ水酸化鉄の生成反応中に添加してオキシ水酸化鉄粒子の中にアルミを含ませる方法や反応終了後に添加してオキシ水酸化鉄の表面にアルミニウムを被着させる方法のいずれをとってもかまわないし, その両方の方法を採用してもよい。Alを含有するオキシ水酸化鉄を焼成してAl含有のヘマタイトとすると,特開平4-232959号公報他にも開示があるようにバインダーとのなじみが良好となって, 分散性が向上し,結果として非磁性層がより平滑になる。また特開平2-38504 号公報他にもあるように, 加熱による粒子間焼結を抑制する効果もある。粒子間焼結が少なくなることで, テープ化時に良好な表面性, すなわち表面平滑性が得られる。しかしAl量が0.01重量%未満ではその前記のような効果を享受できない。他方50重量%より多量のAlでは樹脂との相溶性が低下して分散が困難となるため, 樹脂中で凝集が発生してテープ表面性が低下する。したがってそのAl含有量は0.01〜50重量%,好
ましくは0.02〜30重量%,さらに好ましくは0.05〜15重量%とする。
また当該下層用粉末はSiを0.01〜50重量%含有することができる。Siはたとえば特開平6-302413号公報にあるようにオキシ水酸化鉄からヘマタイトへの加熱焼成時に形状保持効果を得ることができる元素である。粒子間焼結が少なくなることで, テープ化時に良好な粗度特性を得ることができるが, 0.01重量%未満ではその添加効果が享受できない。50重量%より多くのSiを含有すると, 樹脂との相溶性が低下して分散が困難となる。したがってそのSi含有量は0.01〜50重量%,好ましくは0.02〜3
0重量%,さらに好ましくは0.05〜10重量%とする。
また当該下層用粉末はYを含む希土類元素(Rという)の1種または2 種以上をR/Feの原子比百分率(at.%)で0.1〜10at.%含有することができる。Rは前述のAlやSiの場合と同様に加熱焼成時の形状保持効果や樹脂への分散性向上効果を奏するが,Rの含有量がR/Feの原子比百分率(at.%)で0.1at.%未満ではその効果が享受できず
,10at.%を超えるとテープ特性が低下する可能性を有するため適当でない。
本発明に従う針状の酸化鉄粉末は前記に加えて, さらに次の特性を有するものが好まし
い。
・ステアリン酸吸着量:ステアリン酸吸着量が少なければ少ないほど, 下層用粉末が塗料中に分散された際に, 潤滑剤である脂肪酸の吸着量が少なくなることに対応する。したがってステアリン酸吸着量が少ないほど, 潤滑効果に悪影響を及ぼし難くなる。このため,ステアリン酸吸着量は0.1〜3.0g/m2, 好ましくは0.1〜2.0g/m2, よ
り好ましくは0.1〜1.5g/m2であるのがよい。
・樹脂吸着量(UR):ポリウレタン樹脂吸着量(UR)が多いほど, 樹脂との接着性が良くなり塗膜強度も向上する。好ましい樹脂吸着量(UR)は0.1〜4.0mg/m2, 好ましくは
0.5〜3.0mg/m2,さらに好ましくは1.0〜3.0mg/m2である。
・樹脂吸着量(MR):塩化ビニル樹脂吸着量(MR)についても,前記のURと同様の理由から塗膜強度の向上のために多いことが望ましい。具体的には,0.1〜4.0mg/m2,好ましくは1.0〜4.0mg/m2,さらに好ましくは2.0〜4.0mg/m2であ
る。
本発明に従う下層用粉末を用いた重層塗布型記録媒体(テープ)は,次のような特性を
有することができる。
塗布型重層記録媒体の製造において,ベースフィルム上に磁性層と非磁性層を一度に塗布した後, カレンダー処理を行って表面を平滑化する処理を行うのが通常であるが,この平滑化処理後の表面の平滑性を表す表面粗度としては, 200Å以下, 好ましくは150Å以下である。またカレンダー処理前後の厚さの変化率は50%以上であることが望まれる。カレンダー前後の厚みの変化率は大きければ大きいほど, 下層の成型性が良く, テープ表面の平滑性の向上につながるので, 下層のカレンダー変化率は大きければ大きいほど
よい。
テープの走行耐久性を定量的に表すための鋼球摺動(測定法は後記の実施例参照)は600 pass 以上,好ましくは900 pass 以上, より好ましくは1500pass以上の値を示すものが望ましい。テープの走行耐久性は塗膜の強度に加えて塗膜中の潤滑剤の影響も受ける。鋼球摺動時の傷幅(測定法は後記の実施例参照)もできるだけ狭い幅のものが望ましく,テープ化したときに満たしておくべきの傷幅としては190μm以下,好ましく
は170μm以下,さらに好ましくは150μm以下である。
重層構造の磁気記録媒体において, 本発明に従う針状もしくはそれに近い酸化鉄粉末を使用して下層を形成させる場合に, 上層を形成する磁性粉末, 塗料組成物, ベースフィル
ムの例示としては次のものがあげられる。
磁性層を構成する磁性粉末としては, Co:5〜50at.%,Al:0.1〜50at.%,Yを含む希土類元素:0.1〜30at.%,周期律表1a族元素(Li,Na,K等):0.05重量%以下,周期律表2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba等):0.1重量%以下を含有し, 残部がFeおよび不可避的不純物からなる強磁性粉末であって,平均長軸長:10〜200nm,比表面積:BET法による測定で30〜150m2/g,X線結晶粒径(Dx):50〜200Åの針状の強磁性粉末であり,且つ保磁力(Hc):1000〜3000Oe ,飽和磁化量(σs):10〜200emu/g を示す磁性粉末が例示できる。
上層および下層を支持する非磁性支持体のベースフィルム材料としては,ポリエチレンフタレート, ポリエチレン2-6-ナフタレート等のポリエステル類,ポリプロピレンなどのポリオレフィン類, セルローストリアセテート, セルロースダイアセテートなどのセルロ
ース誘導体, ポリアミド, ポリカーボネートなどのプラスチック類が使用できる。
上層の磁性層を形成する磁性塗料としては, 例えば金属磁性粉末(長軸長=45nm,BET値=77m2/g,Dx=125オングストローム,Hc=2200Oe ,σs=115emu/g )100重量部, カーボンブラック5重量部, アルミナ3重量部, 塩化ビニル樹脂(MR110) 15重量部, ポリウレタン樹脂(UR8200)15重量部, ステアリン酸1重量部, アセチルアセトン1重量部, メチルエチルケトン190重量部, シクロヘキサノン80
重量部, トルエン110重量部からなる組成の磁性塗料を例示することができる。
下層の非磁性層を形成する非磁性塗料としては, 例えば針状α−Fe23 粉末85重量
部, カーボンブラック20重量部, アルミナ3重量部, 塩化ビニル樹脂(MR110)15 重量部,
ポリウレタン樹脂(UR8200)15重量部, メチルエチルケトン 190重量部, シクロヘキサン80
重量部, トルエン 110重量部からなる組成の非磁性塗料を例示することができる。
上層, 下層のいずれの塗料の作成時においては, 各成分を調合した後, ニーダー及びサンドグラインダーを用いて混練・分散させることで磁性もしくは非磁性の塗料を作成し,これらの非磁性支持体への塗布は, 下層の湿潤なうちに可及的速やかに上層磁性を塗布する, いわゆるウエット・オン・ウエット方式で行っても,乾燥後の下層の上に上層の磁性層を塗布するウエット・オン・ドライ方式でもよい。なお,各塗料の調整時には,必要に応じて結合剤, 潤滑剤, 研磨剤, 帯電防止剤等成分を溶媒中に混練することができ,塗膜形成時には磁場配向して磁性層を配向させた後に乾燥, カレンダー処理を行って表面を平
滑なものとすることができる。
以下に本発明の代表的な実施例を挙げるが,その前に,各実施例における特性値の測定
について説明する。
・平均長軸長,平均短軸長及び軸比:いずれも174000倍の透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製100CX)写真から無作為に抽出した100個の粒子について測定した値の平均を採った。ただし, 粒子の重なりにより粒子の境界がはっきりしないものは測定
せず, 分散よく個別の粒子が判別可能なものを選択して実施した。
・比表面積:湯浅イオニクス株式会社製の4ソープUSを用いたBET法により算出した

・粉体pH:JIS-K 5101の煮沸法に準拠した方法で測定した。
・ステアリン酸吸着量:試料粉末をステアリン酸2%溶液(溶媒はMEK)に分散させた後,遠心分離機により試料粉末を沈降させ,上澄み液の濃度を求めることにより比表面積
当たりの吸着量として算出した。
・樹脂吸着量(MR):塩化ビニル系樹脂(MR−110)の1%の溶液(溶媒はMEK+トルエン)に試料粉末を分散させ, 遠心分離を行って試料粉末を沈降させ, 上澄み液に
おける樹脂の濃度を求めだすことによって, 比表面積あたりの吸着量として算出した。
・樹脂吸着量(UR):ポリウレタン樹脂(UR−8200)の2%溶液(溶媒はMEK,トルエンおよびMIBK)に試料粉末を分散させ, 遠心分離を行って試料粉末を沈降させ, 上澄み液における樹脂の濃度を求めだすことによって, 比表面積あたりの吸着量とし
て算出した。
・溶出成分の測定:50mLの遠沈管に超純水を50mL分取し, その中に試料を3g入れて10分間振とうした後, 20分間遠心分離を行い, 上澄みと沈殿物を分離した。得られた上澄みを分取後, Na成分は原子吸光分析法, その他の成分についてはICP発光分析法により溶出成分の測定を行った。なおNaについては高濃度のため, 上澄み10mL
を超純水にて5倍に希釈した液を用い測定を実施した。
塗膜粘度およびテープの評価については,得られた針状α−酸化鉄粉末を下記の条件の
下で塗料化し, 下記の条件でテープ化したものを下層テープとして評価した。
・塗料化およびテーブ化条件:針状α−Fe23 粉末:100重量部, 塩化ビ
ニル系樹脂(MR110) :10重量部, ポリウレタン樹脂(UR8200):10重量部, メチルエチルケトン:165重量部, シクロヘキサノン:65重量部, トルエン:165重量部, ステアリン酸:1重量部, アセチルアセトン:1重量部の各材料を配合し, これを遠心ボールミルで1時間分散させて塗料を得る。得られた塗料をポリエチレンフタレートからなるベースフィルム上にアプリケーターを用いて厚みが約3μmとなるよう塗布して, 非磁性
の下層テープを得る。
・塗料粘度:株式会社東機産業製の粘度計(R110型)を用いて分散塗料の粘度を測定
した。
・表面平滑性(表面粗度):株式会社小坂研究所製の3次元微細形状測定機(ET−30
HK)を用いて,テープ表面のRa(粗度)を測定することにより評価した。
・表面平滑性(光沢度):下層テープをグロスメーターで角度60度にてその光沢度の測
定を行った。
・塗膜強度(鋼球摺動):テ−プの塗布面が上になるようにガラス板に貼りつけ,水平な場所にガラス板を置き,テープの塗布面に直径5mmのステンレス鋼球をのせ,鉛直方向に5gの荷重がかかるようにする。この状態からガラス板を水平に定速2320mm/minで,片道20mmで300回の往復運動をさせる。この操作の後に,ステンレス鋼球によりテープ表面に残された傷を光学顕微鏡で観察し,傷幅(表では鋼球摺動μmと記し
た)を測定した。
・走行耐久性(鋼球摺動):前記の鋼球摺動において, 塗膜が剥がれ落ちるまでの摺動回
数を測定する。表中では pass 回数と記した。
・保存安定性:下層テープを60℃90%の条件にて一週間放置した前後の表面粗度を測
定した。前(元)の表面粗度と後(保存後)の表面粗度を記した。
・電磁変換特性:記録ヘッドをドラムテスターに取り付け,デジタル信号を記録波長0.35μmで記録した。記録ヘッドとしてはMRヘッドを使用し,再生信号を測定し比較例3の
出力値を0dBとして,その相対値で示した。
・ヘッド汚れ:上記の鋼球摺動操作の後にステンレス鋼球に付着した汚れを目視にて,◎印=ほとんど汚れなし,○印=若干汚れはあるが,問題のないレベル,△印=汚れが生じ
,問題が生じるレベル,×印=極めてひどい汚れが付着,の四段階で評価した。
・表面状態評価:カレンダー処理を施した後のテープをFE−SEMにて100,000 倍にて観察し,視野中における凹凸の状況を目視にて比較し,ヘッド走行性に問題がある程度の突起をもつものとして下記の三段階で評価した。◎印=ほとんど突起なし(視野全体の1%未満),○印=若干突起を有する(視野全体の5%以下),×印=それ以上の突起が確
認されるもの。
〔実施例1〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5wt%に希釈したNH3 水を加えてpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。その後,Y23をYとして1.3wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。この後,同じく45℃条件下でFeに対してZnを14.7wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5とした後で,亜鉛の被着を行った。この後濾過して水洗後,さらにPとして0.015wt%となるよう純水にて調整したオルトリン酸8Lをスラリーに常温で添加し,リンの被着を行った。水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,リン/亜鉛被着粒子粉末を得た。その後,貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,リン/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記の条件でテープ化を行なってテープ特性を評価した。粉体およびテー
プ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例2〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5wt%に希釈したNH3 水を添加することによってpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。この後,45℃条件下でFeに対してZnを14.3wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5として亜鉛の被着を行った。この後濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,亜鉛被着粒子粉末を得た。その後,貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテープ特性を評価した。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例3〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5wt%に希釈したNH3 水を添加することによってpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。この後さらに,45℃条件下でFeに対してZnを13.5wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5として亜鉛の被着を行った。その後濾過して水洗後,さらにPとして0.02wt%となるよう純水にて調整したオルトリン酸8Lをスラリーに常温で添加し,リンの被着を行った。ついで濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,リン/亜鉛被着粒子粉末を得た。その後,貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,リン/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテ
ープ特性を評価した。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例4〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,液の温度を45℃に保ちながら,撹拌を行いながら熟成させる。ここで,0.5 mol/LのNaOHを添加してpH10とした後,三号水ガラス5.2gを添加し,Siを添加した。一たんここで酢酸を添加して中性〜弱酸性としたあと1時間その温度で熟成した。その後,5%に希釈したNH3 水を添加してpH9.5に調整し,Y23をYとして1.7wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。この後,同じく45℃条件下でFeに対してZnを12.9wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5とした後で,亜鉛の被着を行い,水洗してSi−Y/亜鉛被着粒子粉末得た。その後,貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,Si−Y/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記の条件でテープ化を行なってテープ特性を評価し
た。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例5〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5%に希釈したNH3 水を添加してpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。その後,1.0モル/Lのアルミン酸ナトリウム500mLを2.5g/min の添加速度にて徐々に添加することでAlを添加した。ついで,Y23をYとして1.6wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。この後,同じく45℃条件下でFeに対してZnを14.2wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5とした後で,亜鉛の被着を行った。この後濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,Al−Y/亜鉛被着粒子粉末を得た。その後,貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,Al−Y/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記の条件でテープ化を行なってテープ特性を評価した。粉体および
テープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例6〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5%に希釈したNH3 水を添加してpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。ついでY23をYとして2.0wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。さらに,同じく45℃条件下でZnとして11.8wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5として亜鉛の被着を行った。その後,濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,Y/亜鉛被着粒子粉末を得た。これを貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,Y/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテープ特性を評
価した。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例7〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,0.5 mol/LのNaOH水溶液を用いてpH10に変化させ,液の温度を45℃に保ちながら,撹拌を行いながら熟成させる。その後,三号水ガラスを5.2gを添加し,Siを添加した。ついで,同じく45℃条件下でZnとして11.5wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5とした後で,亜鉛の被着を行った。濾過水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,Si/亜鉛被着粒子粉末を得た。これを貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,Si/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記の条件でテープ化を行なってテープ特性を評価した。粉
体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔実施例8〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5%に希釈したNH3 水を添加してpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。ついでY23をYとして1.8wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。さらに,同じく45℃条件下でZnとして11.2wt%含有するように調整した硫酸亜鉛水溶液200mLを添加したのち,酸を添加してpH=8.5として亜鉛の被着を行った。その後,濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,Y/亜鉛被着粒子粉末を得た。これを貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,Y/亜鉛被着ヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテープ特性を評
価した。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔比較例1〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,0.5 mol/LのNaOHを用いてpH9.5に変化させ,液の温度を45℃に保ちながら,撹拌を行いながら熟成させる。その後,濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,無被着・無添加の粒子粉末を得た。これを貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成してヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテープ
特性を評価した。粉体およびテープ特性の評価結果を表1および2に示した。
〔比較例2〕
平均長軸長110nmで,BET法による比表面積が75.0m2/gのオキシ水酸化鉄を純水40L中にスラリー濃度0.2モル/Lとなるように分散させ,5%に希釈したNH3 水を添加してpH9.5に調整し,液の温度を45℃に保ち撹拌を行いながら熟成させる。ついでY23をYとして1.9wt%となるように希硫酸に溶解した溶液を45℃条件下で40g添加し,10分間維持することでYをオキシ水酸化鉄に被着させた。この後,濾過して水洗後,Pとして0.018wt%となるよう純水にて調整したオルトリン酸8Lスラリーに常温で添加し,リンの被着を行った。ついで濾過して水洗後,300℃にて6時間乾燥することで,リン/Y被着粒子粉末を得た。これを貫通型焼成炉にて,大気雰囲気下590℃にて20分間加熱焼成し,リン/Y被着ヘマタイトを得た。その後,前記のテープ化条件でテープ化を行ってテープ特性を評価した。粉体およびテープ特性の評
価結果を表1および2に示した。
Figure 2005293760
Figure 2005293760
表1と表2の結果から次のことがわかる。
(1) 実施例2と比較例1との比較から,テープの耐久性および保存安定性の向上に亜鉛が
寄与することがわかる。
(2) 実施例3と実施例2とから,亜鉛とPを複合添加した実施例3では,亜鉛だけを添加
した実施例2のものより,ヘッド汚れが低減できる。
(3) 実施例4と実施例7とから,Yの添加によりテープの表面平滑性が改善されることが
わかる。
(4) 実施例1と比較例2の比較から,溶出P量の影響がテープの保存安定性およびヘッド
汚れに及ぼす影響が明らかであり,前者の方が良好な結果が得られている。
(5) 実施例3と比較例1の比較から,溶出Naおよび溶出SO4がテープの保存安定性お
よびヘッド汚れに及ぼす影響が明らかであり,前者の方が良好な結果が得られている。
(6) 実施例4と実施例6の比較からSiの被着がテープの保存安定性およびヘッド汚れに
及ぼす影響が明らかであり,前者の方が良好な結果が得られている。
(7) 実施例5と実施例6の比較からAlの被着がテープの保存安定性およびヘッド汚れに
及ぼす影響が明らかであり,前者の方が良好な結果が得られている。

Claims (10)

  1. 針状もしくはそれに近い形状を有する非磁性酸化鉄粒子からなる粉末であって,該粒子
    の表面にZnが存在していることを特徴とする重層磁気記録媒体の下層用粉末。
  2. 針状もしくはそれに近い形状を有する非磁性酸化鉄粒子からなる粉末であって,該粒子の表面にZnおよびPが存在していることを特徴とする重層磁気記録媒体の下層用粉末。
  3. 粒子の表面にYを含む希土類元素がさらに存在している請求項1または2に記載の下層
    用粉末。
  4. 粉体pHが9以下である請求項1〜3のいずれかに記載の下層用粉末。
  5. ZnをFeに対して0.1〜25重量%含有する請求項1〜4のいずれかにに記載の下
    層用粉末。
  6. Pを0.1〜5重量%含有し且つ水可溶性P量が100ppm以下である請求項2〜5
    のいずれかに記載の下層用粉末。
  7. 平均長軸長:20〜200nm,
    BET法により算出される比表面積:30〜150m2/g,
    可溶性の硫酸根濃度:SO4換算で100ppm以下,
    水溶性ナトリウム濃度:100ppm以下
    である請求項1〜6のいずれかに記載の下層用粉末。
  8. Alを0.1〜50wt%含有する請求項1〜7のいずれかに記載の下層用粉末。
  9. Siを0.1〜50wt%含有する請求項1〜8のいずれかに記載の下層用粉末。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の粉末を含有している磁気記録媒体。
JP2004109618A 2004-04-02 2004-04-02 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP4482674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109618A JP4482674B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109618A JP4482674B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005293760A true JP2005293760A (ja) 2005-10-20
JP4482674B2 JP4482674B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=35326520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109618A Expired - Lifetime JP4482674B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4482674B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016194962A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 富士フイルム株式会社 磁気記録媒体および磁気信号再生装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016194962A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 富士フイルム株式会社 磁気記録媒体および磁気信号再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4482674B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019003970A (ja) 磁性粉、磁性粉の製造方法、及び磁気記録媒体
JP2000123354A (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体
JP4296350B2 (ja) 磁気記録媒体用非磁性粉末およびその製造方法ならびにこれを用いた磁気記録媒体
JP2010147079A (ja) 窒化鉄系磁性粉末の製造方法と窒化鉄系磁性粉末。
JP4787958B2 (ja) 塗布型重層磁気記録媒体の下層用粉末並びにそれを用いた磁気記録媒体
JP4482674B2 (ja) 重層磁気記録媒体の下層用粉末およびそれを用いた磁気記録媒体
JP5130456B2 (ja) 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体
JP4577467B2 (ja) 複合金属磁性粒子粉末及び磁気記録媒体
JP4305589B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体
JP4870860B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及び磁気記録媒体
JP3763353B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用ヘマタイト粉末及び該非磁性下地層用ヘマタイト粉末を用いた磁気記録媒体の非磁性下地層並びに磁気記録媒体
JP3832539B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3512056B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末及び磁気記録媒体
JPH11353637A (ja) 非磁性下地層用針状ヘマタイト粒子粉末及び該針状ヘマタイト粒子粉末を用いた非磁性下地層を有する磁気記録媒体
JP2002008915A (ja) 磁気記録媒体用複合磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体
JP3661734B2 (ja) 鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末を使用している磁気記録媒体の非磁性下地層用針状ヘマタイト粒子粉末、該針状ヘマタイト粒子粉末を用いた非磁性下地層を有する磁気記録媒体
JP3661738B2 (ja) 非磁性下地層を有する磁気記録媒体用基体及び該基体を用いた磁気記録媒体
JP2000222721A (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体
JP2010033687A (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末の製造方法、及び磁気記録媒体
JP3661735B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3656700B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4732555B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体
JP3661733B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4352270B2 (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末及び磁気記録媒体
JP2001101652A (ja) 磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末及びその製造法並びに磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100224

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250