JP5130456B2 - 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒体の磁性層を構成するのに好適な強磁性金属粉末およびその粉末を用いた磁気記録媒体に関する。
オーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用などの磁気テープやディスク等の磁気記録媒体は、記録容量の高密度化による小型化、高性能化がより一段と進み、それに伴って磁気記録媒体用の磁性粉も、従来の酸化鉄系統のものから保磁力・飽和磁化の高い金属磁性粉末へと進展してきている。
このような用途に使用される金属磁性粉は鉄を主成分とするものが代表的であるが、Ni、Co等を主成分とするものもある。
鉄系磁性粉は、工業的にはオキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄を主体とした針状粉末の表面にSi、Al、Zr、Ca等の焼結防止剤を付着又は吸着させた後、加熱還元する方法によって製造されているのが一般である。
オキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄を主体とする化合物を工業的に合成するにあたっては、中和剤としてコストや取り扱いの容易さから周期律表第1a族元素化合物、例えばNaOH、Na2CO3、KOH等が使用されてきた。このため、金属磁性粉の表面にはNaやK等の周期律表第1a族元素が多少とも不可避的不純物として残存する結果となっている。
周期律表第2a族元素についても同様なことが言える。例えば特公昭59−32882号公報や特開平2−107701号公報に記載されているように、当該元素は焼結防止剤等として使用されることがあり、このため、金属磁性粉の表面に残存する結果となっている。
特公昭59−32882号公報 特開平2−107701号公報 特開昭55−39659号公報 特開昭58−100603号公報 特開昭64−78423号公報 特開平2−204332号公報 特開昭63−227740号公報 特開昭58−60504号公報 特開平2−250902号公報 特開昭64−84601号公報 特開昭64−42329号公報 特開昭62−275028号公報 特開昭62−95729号公報 特開平4−210403号公報 特開平4−230004号公報 特開平3−113821号公報 特開平1−199316号公報
本発明は、金属磁性粉末を用いた高密度磁気記録媒体の一層の品質改善を目的としたもので、磁気特性及び分散性が良く、また磁気層の保存安定性の優れた強磁性金属粉末およびそれを用いた磁気記録媒体を得ることを目的としたものである。
本発明は、周期律表第1a族元素の含有量が0.05重量%以下に低減され、可溶性となる周期律表第2a族元素の含有量が0.1重量%未満に低減され、且つ金属元素の総量に対して0.1〜30原子%のアルミニウムおよび0.1〜10原子%の希土類元素(Yを含む)を含有し、長軸長が0.13μm以下の針状粒子からなる強磁性金属粉末を提供する。
本発明によれば、周期律表第1a元素が含まれないので樹脂との相溶性がよく且つ分散性およびテープ耐久性の良い金属磁性粉末が得られ、保存安定性に優れた高密度磁気記録媒体を提供できる。
更に、希土類元素及びAlの相互作用により優れた焼結防止効果を発揮するため針状性、分散性に優れた磁気異方性の高い金属磁性粉が得られる。
金属磁性粉末は、前記のように周期律表第1a族の元素、例えばLi、Na、K等や、周期律表第2a族の元素、例えばMg、Ca、Sr、Ba等が粒子表面に付着しているが、このような塩基性元素の可溶性塩が粒子表面に存在すると塗布型媒体を形成する場合の分散性を劣化させ、更に媒体製品の保存安定性や耐候性を劣化させることがわかった。また、周期律表第1a族の元素は還元時の焼結を促進する作用もある。
近年の磁気記録媒体の高密度化により金属磁性粉の微粒子化が進んでいることから、還元時の焼結がより起こり易くなるとともに表面積の増加により、これら第1a族元素および第2a族元素の含有量も増加する傾向にある。
したがって、金属磁性粉の表面にこれら元素が残留していると、これが原因で次のような結果を招くことがわかった。
(A)樹脂の吸着が弱くなりテープの耐久性が低下する。
(B)可溶性であるためテープ保存時に樹脂中の塩素と化合して塩化物となり、または水酸化物としてテープ表面に析出し、ドロップアウトの増加などを招来してテープ特性の低下を招く。
(C)還元時の焼結防止が不十分となり、粒子間の焼結、針状性のくずれによりHc、SFD、配向特性の低下を招く。
(D)塩基性のこれらの元素の存在によりテープ化の際に潤滑剤となる脂肪酸等が吸着して摩擦係数が高くなる。
本発明者らは、従来から不可避の成分とされていた周期表第1a族元素を0.05重量%以下に低減するならば、前記のような問題は一掃できることを知見した。また焼結防止剤としては可溶性の第2a族元素に代えて、酸化物となって可溶性とならない元素すなわちアルミニウムおよび/または希土類元素(Yを含む)を選択して適量含有させれば、微粒子化に伴う分散性、保存安定性の低下を防止でき、また磁気特性も飛躍的に向上することを見出した。
周期表第1a族元素を0.05重量%以下にするには、これらの元素が製造過程で不可避的に混入する場合にはその除去処理を行なうことが必要である。この除去処理は金属磁性粉製造工程中に十分な洗浄工程を挿入することによって有利に行ない得る。例えば、製造されたオキシ水酸化鉄粉、酸化鉄粉または金属磁性粉を十分に洗浄するのである。特にオキシ水酸化鉄、酸化鉄、金属磁性粉と工程が進むに伴って該元素は、粒子表面に偏析してくるので洗浄によって除去ができることになる。また洗浄水に温水や酸を加えてpHを下げた洗浄水を用いれば更に効率良く除去する事ができる。
このような洗浄による周期律表第1a族元素の除去処理を行えば、周期律表第2a族元素の可溶性のものも併せて除去処理が行える。
周期律表第1a族および第2a族の元素を含まない原料を使用することのほか前記のような除去処理を施すことによって、第1a族元素では0.05重量%以下好ましくは、0.01重量%以下、また可溶性となる第2a族元素の含有量は0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%以下とすることができる。
これによって、金属磁性粉の前記A〜Dの問題が回避できる。すなわち第1a族元素が0.05重量%を超えると、テープ化のさいに樹脂との相溶性が悪くなって分散できなかったり、磁気塗料化しても塗膜強度の低いものとなり、また可溶性であるためにテープ保存時にテープ表面に溶出して結晶性の化合物となるため、ドロップアウトの増加等の原因となりテープ保存安定が低下する。他方、可溶性となる第2a族元素が0.1重量%を超えると、樹脂との相溶性が悪くなって塗膜強度も低くなり、極端に多くなると第1a族と同様にテープ保存安定性も悪くなる。
加えて本発明によれば、Alおよび/または希土類元素を適量含有させることにより、金属磁性粉の分散性が改善され且つ磁気特性の一層の向上を図ることができる。すなわち本発明によれば、 可溶性でかつ塩基性である周期律1a族元素および2a族元素を実質上含まず、アルミニウムおよび/または希土類元素を含有する分散性および磁気特性の優れた強磁性金属粉末を提供できる。
ここで、周期律表第1a族元素はLi、Na、K等、周期律表第2a族元素はMg、Ca、Sr、Ba等、希土類元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Gd等を包含する。
本発明に従う金属磁性粉を製造するには、オキシ水酸化鉄または酸化鉄に所定量の希土類元素とAlを含有させ、これを加熱還元する方法が好適である。被還元物のオキシ水酸化鉄ないし酸化鉄を主体として含む金属化合物粉末としては、α−FeOOH、γ−FeOOH、α−Fe23、γ−Fe23、Fe34およびこれらの中間型に相当するものの他、これらにNi、Co、Cr、Mn、Zn等の金属成分を含有したものが好適なものとして挙げられ、好ましくは針状性の良いものが使用される。
Alを含有させるのに使用できるAl化合物としては、Al2(SO4)3、Al(NO3)3、AlCl3などの水溶性塩、さらにはNaAlO2(アルミン酸ナトリウム)などの水可溶性アルミン酸塩などが挙げられ、これらのAl化合物を被還元物の粒子表面に被着させるには、これらのAl化合物をアルカリ水溶液中に溶解させ、この溶液中に被還元物粉末を分散させた後、炭酸ガスを吹き込むか酸を添加して中和することによって行うことができ、これによって、結晶質ないし非晶質なAl23・nH2O(含水・酸化アルミニウム)として粒子表面に被着される。
またAlを該被還元物の粒子に固溶させる方法でも良い。α−FeOOHやγ−FeOOHにAlを固溶させるにはFeSO4やFeCl2等の第1鉄塩の水溶液をNaOH、Na2CO3、NH4OH等の中和剤で中和した後に空気等により酸化してα−FeOOH、γ−FeOOH等を生成させる反応系に上記の水可溶性のAl塩やアルミン酸塩を添加すれば良い。さらにα−Fe23にAl固溶させるにはFe2(SO43、FeCl3等の第2鉄塩の水溶液とNaOH、KOH等の中和剤を使用し、水熱合成法によりα−Fe23を合成する反応系に上記の水可溶性のAl塩やアルミン酸塩を添加すればよい。
こうして得られたAl含有オキシ水酸化鉄ないし酸化鉄を250〜400℃で加熱してAlをAl23として固定したうえ、これを希土類元素を含有させる工程の原料として使用するのがよい。この時、オキシ水酸化鉄は該加熱時の脱水反応により酸化鉄に変成されている。希土類元素を含有させるには、希土類元素を含有する液中に原料粒子を分散させ、アルカリを添加して水酸化物の形で析出させる方法、希土類元素化合物含有液中に原料粒子を分散させ、水分を蒸発させる方法等が採用できる。
上記の各種方法にて所定量のAlと希土類元素を含有させた酸化鉄の粉末は、還元性雰囲気中で加熱する事により還元され、Alと希土類元素を含有する鉄を主成分とする金属磁性粉となる。加熱還元は被還元物の種類によって最適条件が異なるが、通常は水素気流中で300〜700℃の温度下で行うのが良い。
なお、前述の製造過程においてNaOH、KOH、Na2CO3、NH4OH等の中和剤を使用する段階が存在し、かような中和剤から由来する周期律表第1a族元素が金属磁性粉に残存することになるが、前記したように、これら第1a族元素の残存は工程を経る毎の十分な洗浄処理によって有利に除去することができる。
こうして得られた金属磁気性粉の希土類元素の含有量は0.1〜10原子%が適当であり、好ましくは0.2〜5原子%が良い。0.1原子%未満では、希土類元素の効果が小さく、加熱還元時に焼結し易くなる。他方、10原子%を超えると希土類元素の酸化物の量が多くなって飽和磁化が小さくなり、磁性材料として不適当なものとなる。
またAl含有量は0.1〜30原子%が適当であり、好ましくは1〜20原子%が良い。0.1原子%未満では加熱還元時に焼結し易くなり、30原子%を超えると飽和磁化が小さくなってしまう。
〔実施例1〕
Feに対して5%のCoを含む長軸長さが0.2μm、軸比15のα−FeOOHを50g、400℃にて3時間加熱してα−Fe23とした。このものを、純水5リットル中に懸濁させた後、濾過し、60℃の純水にて水洗し、乾燥した。
こうして得られたα−Fe23を10g採取して回転炉へ装入し、H2気流を導入して450℃で10時間加熱還元した。還元終了後、N2ガスを導入して室温まで冷却したうえ、1%のO2を含むN2ガスを導入して5時間の徐酸化処理を行なうことにより金属磁性粉を得た。
この金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を測定し、その結果を表1に示した。
なお表1において、BETは比表面積、X線粒径はα−Feの(110)面のX線回折ピークより算出した粒径(オングストローム)、Hcは保磁力(Oe)、σsは飽和磁化(emu/g)、σr/σsは角形比、Δσsは60℃で90RH(相対湿度)の雰囲気下で1週間放置したときのσsの低下率(%)を表す。
〔実施例2〕
純水5リットル中に硫酸アルミニウム[Al2(SO4)3]を4.8g溶解させ、さらに10%濃度のNaOH水溶液を使用してpHを12.5に調整した。この溶液中に、Feに対して5%のCoを含む長軸長さが0.2μmで軸比15のα−FeOOHを50g懸濁させて充分攪拌した後、このスラリー中に炭酸ガスを吹き込んでpH9以下に中和することにより、該α−FeOOH粒子の表面に含水・酸化アルミニウム(Al23・nH2O)を被覆させた。
この含水・酸化アルミニウム被着α−FeOOH粒子を濾過、水洗、乾燥後、 400℃で3時間加熱してAl23被着α−Fe23に変成させた。次に、このAl23被着α−Fe23を解粒後、純水に懸濁させ、再度濾過し水洗することにより、Na及び周期律第1a族元素が殆んど存在しないAl23被着α−Fe23とした。
こうして得られたAlを含有するα−Fe23を実施例1同様に加熱還元して金属磁性粉を得た。この金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例3〕
実施例1と同様にして得たα−Fe23を、硝酸ランタン[La(NO33]1.8g溶かした1リットルの水溶液中へ懸濁させ、充分攪拌した後、このスラリーを乾燥機に入れて100℃で水分を蒸発させ、Laをα−Fe23に被着した。
こうして得られたLaを含有するα−Fe23を実施例1と同様に加熱還元して金属磁性粉を得た。この金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例4〕
純水5リットル中に硫酸アルミニウム[Al2(SO4)3]4.8gを溶解させ、さらに10%濃度のNaOH水溶液を使用してpHを12.5に調整した。この溶液中にFeに対して5%のCoを含む長軸長さ0.2μm、軸比15のα−FeOOHを50g懸濁させ、充分に攪拌した後、このスラリー中に炭酸ガスを吹き込んでpH9以下に中和することにより、α−FeOOHの粒子表面に含水・酸化アルミニウム(Al23・nH2O)を被着させた。
この含水・酸化アルミニウムを被着したα−FeOOHを濾過、水洗、乾燥後、400℃で3時間加熱してAl23被着α−Fe23に変成させた。次に、このAl23被着α−Fe23を解粒後、純水に懸濁させ再度、濾過・水洗し、Na及び周期律第1a族元素のほとんどないAl23被着α−Fe23とした。
このものを、硝酸ランタン[La(NO3)3]1.8gを溶かした1リットルの水溶液中へ懸濁させ、充分攪拌した後、このスラリーを乾燥機に入れ、100℃で水分を蒸発させてLaをAl23被着α−Fe23に、さらに被着した。
こうして得られたAl23とLaを含有するα−Fe23を10g採取して回転炉へ装入し、H2気流を導入して450℃で10時間加熱還元した。還元終了後N2ガスを導入して室温まで冷却した後、1%のO2を含むN2ガスを導入して5時間の徐酸化処理を行いAlとLaを含有する金属磁性粉を得た。この金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例5〕
実施例1で得られた金属磁性粉を、さらにCO2を含む純水に懸濁させた後、濾過・水洗・乾燥した。なおこの一連の操作はN2雰囲気中で行った。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例6〕
実施例2で得られた金属磁性粉を、さらにCO2を含む純水に懸濁させた後、濾過・水洗・乾燥した。この一連の操作はN2雰囲気中で行った。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例7〕
純水中に溶解させた硫酸アルミニウム[Al2(SO43]を二倍とした以外は、すなわち実施例2で溶解させた4.8gを9.6gに変更した以外は、実施例6を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例8〕
実施例3で得られた金属磁性粉を、さらにCO2を含む純水に懸濁させた後、濾過・水洗・乾燥した。この一連の操作はN2雰囲気中で行った。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例9〕
硝酸ランタンをほぼ二倍とした以外は(すなわち実施例3において硝酸ランタン[La(NO33]を1リットル中1.8g溶かした水溶液に代えて、硝酸ランタンを1リットル中3.7g溶かした水溶液を用いた以外は)、実施例8を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例10〕
実施例4で得られた金属磁性粉を、さらにCO2を含む純水に懸濁させた後、濾過・水洗・乾燥した。この一連の操作はN2雰囲気中で行った。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例11〕
純水中に溶解させた硫酸アルミニウム[Al2(SO43]を9.6gとし、且つ硝酸ランタン3.7gを溶かした水溶液を使用した以外は、実施例4と同様にしてAlとLaを含有する金属磁性粉を得たうえ、さらにCO2を含む純水に懸濁させた後、濾過・水洗・乾燥した。この一連の操作はN2雰囲気中で行った。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例12〕
硝酸ランタンに代えて硝酸テルビウム3.9gを溶かした水溶液を使用した以外は、実施例11を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例13〕
硝酸ランタンに代えて硝酸セリウム3.7gを溶かした水溶液を使用した以外は、実施例11を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例14〕
硝酸ランタンに代えて硝酸ネオジウム3.7gを溶かした水溶液を使用した以外は、実施例11を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例15〕
硝酸ランタンに代えて硝酸イットリウム3.1gを溶かした水溶液を使用した以外は、実施例11を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔実施例16〕
長軸長が0.12μmで軸比15のα−FeOOHを使用した以外は、実施例15を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔比較例1〕
400℃にて3時間加熱して得たα−Fe23を、純水で洗浄する工程を省略して回転炉に直接装入した以外は、実施例1を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔比較例2〕
長軸長が0.12μmで軸比15のα−FeOOHを使用した以外は、比較例1を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔比較例3〕
400℃で3時間加熱して得たAl23被着α−Fe23を、純水で洗浄する工程を省略して回転炉に直接装入した以外は、実施例4を繰り返した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
〔比較例4〕
長軸長が0.12μmで軸比15のα−FeOOHを使用した以外は、実施例15を繰り返したが、そのさいAl23被着α−Fe23の純水で洗浄する工程と、磁性粉を最終的にCO2を含む純水で洗浄する工程は省略した。得られた金属磁性粉の分析値並びに粉体特性と磁気特性を表1に示した。
以上の実施例1〜16及び比較例1〜4で得られた各金属磁性粉を同一の条件で塗料化し、樹脂フイルム上に同一条件で塗布して磁気テープを作成したときのテープ特性を表2に示した。
表2において、粗度は表面粗さ計による測定値(オングストローム)、光沢はグロスメーターによる光沢度、Brは残留磁束密度 (ガウス)、Bmは飽和磁束密度 (ガウス)、Br/Bmは角形比、SFDは保磁力分布、ΔBmは60℃で90RH(相対湿度)の雰囲気下で1週間放置後のBmの低下率(%)、耐候試験後の析出物の有無は60℃で90RHの雰囲気下で1週間放置後のテープ表面を顕微鏡観察したときの析出物の有無、そして出力の測定はHi8デッキを用いて行った値である。
Figure 0005130456
Figure 0005130456
表1および表2の結果から次のことがわかる。
(1)比較例のように、Na、Caの除去処理を施さなかったものは、分散しにくく(比較例1)、分散されてもテープの耐候性が低い(比較例1)ものであり、60℃、90RHで1週間置いたテープの表面には結晶が析出し保存安定性の悪い(比較例1〜4)のに対し、Na、Caの除去処理を施した実施例品は分散性が良好で、テープの耐久性および保存安定性に優れる。
(2)Na、Caの除去処理を施したうえ、Alを添加したものは、例えば実施例1と2との比較、或いは実施例5と6または7との比較から明らかなように、磁性粉の磁気特性が向上し(Hc、σr/σsが向上し、Δσsが低下する)、テープ特性についても磁気特性が向上すると共に角形比、SFD、ΔBm等も改善される。
(3)Na、Caの除去処理を施したうえ、希土類元素を添加したものは、例えば実施例1と3の比較、或いは実施例5と8または9との比較から明らかなように、磁性粉の磁気特性が向上し(Hc、σr/σsが向上し、Δσs が低下する)、テープ特性についても磁気特性が向上すると共に角形比、SFD、ΔBm等も改善される。
(4)Na、Caの除去処理を施したうえ、Alおよび希土類元素を添加したものは磁性粉の磁気特性がさらに向上し(Hc、σr/σsが向上し、Δσsが低下する)、テープ特性についても磁気特性がさらに向上すると共に角形比、SFD、ΔBm等も一層改善され、飛躍的に磁気特性及びテープ特性が向上する。また分散性、保存安定性に優れるので理想的な金属磁性粉となる。
(5)また、かような改善効果は、例えば実施例15と16の比較から明らかなように微粒子ほど顕著である。

Claims (2)

  1. 周期律表第1a族元素の含有量が0.05重量%以下および可溶性となる周期律表第2a族元素の含有量が0.1重量%未満に低減され且つ金属元素の総量に対して5〜10原子%のアルミニウムおよび0.1〜10原子%の希土類元素(Yを含む)を含有し、長軸長が0.07〜0.13μmの針状粒子からなる強磁性金属粉末。
  2. 請求項1に記載の強磁性金属粉末を磁性層に用いた磁気記録媒体。
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