JP2904225B2 - 磁気記録用針状鉄合金磁性粒子粉末の製造法 - Google Patents

磁気記録用針状鉄合金磁性粒子粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い保磁力とより大き
な飽和磁化とを有し、しかも、S.F.D.が優れてお
り、且つ、酸化被膜生成による保磁力の低下率が小さい
長軸径0.05μm以上0.2μm未満の磁気記録用針
状鉄合金磁性粒子粉末の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ用、オーディオ用の磁気記
録再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が激化してお
り、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・レコ
ーダー)の普及は目覚ましく、長時間記録化並びに小型
軽量化を目指したVTRの開発が盛んに行われている。
一方においては、磁気記録媒体である磁気テープに対す
る高性能化、即ち、高記録密度及び出力特性の向上等の
要求が益々高まってきている。
【0003】磁気記録媒体のこれら諸特性は磁気記録媒
体に使用される磁性粒子粉末と密接な関係を有してお
り、近年においては、従来の酸化鉄磁性粒子粉末に比較
して高い保磁力と大きな飽和磁化を有する針状鉄合金磁
性粒子粉末が注目され、ディジタルオーディオテープ
(DAT)、8mmビデオテープ、Hi−8テープ並び
にビデオフロッピー等の磁気記録媒体に使用され実用化
されている。
【0004】しかしながら、これら針状鉄合金磁性粒子
粉末の特性改善の要求はとどまることがなく、磁気記録
媒体のノイズレベルの改良及び出力特性の向上の面か
ら、針状鉄合金磁性粒子粉末が微粒子であって、より大
きな飽和磁化を有し、しかも、S.F.D.が優れてお
り、且つ、酸化被膜生成による保磁力の低下率が小さい
ことが要求される。
【0005】磁気記録媒体のノイズレベルは、使用され
る針状鉄合金磁性粒子粉末の粒子サイズと密接な関係が
あり、粒子サイズが小さくなればなる程ノイズレベルは
低くなる傾向にあることが知られており、近時、殊に、
0.2μm未満の微細な針状鉄合金磁性粒子粉末が要求
されている。
【0006】磁気記録媒体の出力特性の向上のために
は、前述の高い保磁力と大きな飽和磁化に加えて、更
に、S.F.D.(Switching FieldD
istribution)が優れていることが要求され
る。
【0007】この事実は、特開昭63−26821号公
報の「第1図は、上記した磁気ディスクについて測定さ
れたS.F.D.と記録再生出力との関係を示す図であ
る。‥‥S.F.D.と記録再生出力の関係は、第1図
から明らかな様に直線になり、これにより、S.F.
D.の小さい強磁性粉末を使うことで、記録再生出力が
上がることがわかる。即ち、記録再生出力を高出力化す
るためには、S.F.D.は小さい方が望ましく、通常
以上の出力を得るには、0.6以下のS.F.D.が必
要である。」なる記載の通りである。
【0008】針状鉄合金磁性粒子粉末は、一般に、微粒
子化する程、殊に、0.2μm未満になると保磁力は向
上し、磁気記録媒体のノイズレベルは改良される傾向に
あるが、一方、粒子の表面活性が非常に大きくなるの
で、水素ガス流下で加熱還元することにより得られた針
状鉄合金磁性粒子粉末を空気中に取り出すに際して、酸
素含有量を徐々に増加させた不活性ガスを流す等、周知
の方法により酸化被膜を生成した場合には、酸化被膜が
粗く、部分的に不必要な酸化被膜が生成して被膜が不均
一になる。その為、保磁力の分布が生じてS.F.D.
の劣化をきたし、酸化被膜生成による保磁力の低下率も
大きくなる。また、大きな飽和磁化を有する針状鉄合金
磁性粒子粉末を得ることが困難である。これらの現象
は、粒子サイズが微細化すればする程生じやすくなる傾
向がある。
【0009】例えば、針状鉄合金磁性粒子の粒子サイズ
と飽和磁化との関係についてみると0.1μm程度の微
粒子では飽和磁化120emu/g以上を得ることは困
難である。
【0010】加熱還元して得られた針状鉄合金磁性粒子
粉末を空気中に取り出す際の酸化被膜の生成について
は、従来から、種々の方法が試みられており、例えば、
水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの混合ガスを
用いる方法として特開昭56−55503号公報、特開
昭56−69301号公報等が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】高い保磁力とより大き
な飽和磁化とを有し、しかも、S.F.D.が優れてお
り、且つ、酸化被膜生成による保磁力の低下率が小さい
針状鉄合金磁性粒子粉末は、現在、最も要求されている
ところであるが、前出公知方法による場合には、上記諸
特性を十分満足する針状鉄合金磁性粒子粉末は未だ得ら
れていない。
【0012】これは、殊に、0.2μm未満の微細な針
状鉄合金磁性微粒子粉末を対象として前出公知方法によ
る酸化被膜を生成した場合には、該針状鉄合金磁性粒子
の表面活性が非常に大きく、その結果、緻密で均一な酸
化被膜が生成されない為である。
【0013】そこで、本発明は、0.2μm未満の微細
な針状鉄合金磁性微粒子の表面に緻密で均一な酸化被膜
を生成することを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0015】即ち、本発明は、針状含水酸化第二鉄粒子
又は針状ヘマタイト粒子を加熱還元して得られた長軸径
0.05μm以上0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒子
を10〜50g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと酸素
含有ガスとの混合ガス中において、40〜50℃の反応
温度で処理することにより、または、必要により、10
〜50g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガ
スとの混合ガス中において、40〜50℃の反応温度で
処理し、次いで、10〜50g/m3の水蒸気を含む不
活性ガス中において、150℃以下の温度で処理するこ
とにより、または、必要により、水蒸気を含む不活性ガ
スと酸素含有ガスとの混合ガス中における前記処理並び
に水蒸気を含む不活性ガス中における前記処理を、更
に、繰り返して行うことにより前記針状鉄合金磁性粒子
の粒子表面に酸化被膜を生成させることからなる磁気記
録用針状鉄合金磁性粒子粉末の製造法である。
【0016】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0017】本発明における長軸径0.05μm以上
0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒子は、常法により、
針状含水酸化第二鉄粒子粉末、該針状含水酸化第二鉄粒
子粉末を250℃以上300℃未満で加熱脱水して得ら
れた針状ヘマタイト粒子粉末及び前記針状含水酸化第二
鉄粒子粉末を非還元性雰囲気下300〜850℃の温度
範囲で加熱処理して得られた高密度化された針状ヘマタ
イト粒子を出発原料として用い、該出発原料を水素ガス
流下350〜450℃の温度範囲で加熱還元することに
より得られる。ここで針状とは、軸比(長軸径/短軸
径)が4以上の粒子をいい、針状はもちろん、紡錘状、
米粒状、短冊状等の形状の粒子をも含む。また、出発原
料は、針状鉄合金磁性粒子粉末の諸特性を向上させる為
に通常使用されるAl、Ni、Co、B、Zn、P、S
i等のFe以外の異種元素を粒子内部に含有させるか又
は粒子表面に被覆しておいてもよい。
【0018】本発明における酸化被膜の生成は、針状鉄
合金磁性粒子を10〜50g/m3の水蒸気を含む不活
性ガスと酸素含有ガスとの混合ガス中において40〜
0℃の反応温度で処理することにより行う。混合ガス中
に含まれる水蒸気が10g/m3未満の場合には、酸化
処理の制御が不十分な為、緻密で均一な酸化被膜の生成
が困難であり、本発明の目的とする針状鉄合金磁性粒子
粉末が得られない。50g/m3を越える場合にも本発
明の目的とする針状鉄合金磁性粒子粉末が得られるが、
必要以上に添加する意味がない。
【0019】混合ガス中の酸素量は、酸化被膜生成時に
急激な酸化が生起しない程度であればよく、好ましく
は、0.02〜0.1体積%程度の含有量から開始し
て、順次段階的に空気量を増加させ、最終段階で大気組
成まで増加させることができる。
【0020】不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴン
ガス等が使用できる。
【0021】反応温度が50℃以上である場合には、酸
化処理の制御が不十分な為、緻密で均一な酸化被膜の生
成が困難であり、本発明の目的とする針状鉄合金磁性粒
子粉末が得られない。
【0022】本発明における酸化被膜の生成は、必要に
より、更に、10〜50g/m3 の水蒸気を含む不活性
ガス中において、150℃以下の温度で処理することが
でき、このことによって、より緻密で均一な被膜を生成
させることが出来る。150℃以上の場合には、得られ
る針状鉄合金磁性粒子粉末の保磁力の低下率が大きくな
る。保磁力の低下率を考慮すれば0〜100℃が好まし
く、更に、好ましくは0〜50℃である。
【0023】不活性ガス中に含まれる水蒸気が10g/
3 未満の場合には、より均一且つ緻密な酸化被膜の生
成が困難である。50g/m3 を越える場合にもより均
一且つ緻密な酸化被膜の生成が可能であるが必要以上に
添加する意味がない。
【0024】本発明における酸化被膜の生成は、必要に
より、水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの混合
ガス中における処理並びに水蒸気を含む不活性ガス中に
おける処理を繰り返し行うことができ、このことによっ
てより一層緻密で均一な被膜を形成することができる。
【0025】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、針状含
水酸化第二鉄粒子又は針状ヘマタイト粒子を加熱還元し
て得られた長軸径0.05μm以上0.2μm未満の針
状鉄合金磁性粒子を10〜50g/m3の水蒸気を含む
不活性ガスと酸素含有ガスとの混合ガス中において、
0〜50℃の反応温度で処理した場合には、前記針状鉄
合金磁性粒子の粒子表面に、緻密で均一な酸化被膜を生
成させることができ、その結果、高い保磁力とより大き
な飽和磁化とを有し、しかも、S.F.D.が優れてお
り、且つ、酸化被膜生成による保磁力の低下率が小さい
長軸径0.05μm以上0.2μm未満の針状鉄合金磁
性粒子が得られるという事実である。
【0026】本発明において、必要により、更に、50
℃未満の温度において10〜50g/m3 の水蒸気を含
む不活性ガス中で処理した場合には、部分的に不必要な
酸化被膜の生成が防止されるので、針状鉄合金磁性粒子
の粒子表面により緻密で均一な酸化被覆が形成され、そ
の結果、飽和磁化の大きさ、S.F.D.及び酸化被膜
生成による保磁力の低下率等の諸特性がより優れた長軸
径0.05μm以上0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒
子が得られる。
【0027】本発明においては、必要により、水蒸気を
含む不活性ガスと酸素含有ガスとの混合ガス中における
処理並びに水蒸気を含む不活性ガス中における処理を繰
り返して行うことにより、より一層緻密で均一な酸化被
膜が生成され、その結果、前記諸特性がより一層優れた
長軸径0.05μm以上0.2μm未満の針状鉄合金磁
性微粒子が得られる。
【0028】本発明において、緻密且つ均一な被覆が生
成される理由について、本発明者は、後出比較例に示す
通り、10〜50g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと
酸素含有ガスとの混合ガス中において、50℃以上の
温度で処理した場合、10g/m3未満又は50g/
3を越える水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスと
の混合ガス中において、50℃未満の反応温度で処理し
た場合のいずれの場合にも本発明の目的とする諸特性を
有する針状鉄合金磁性粒子粉末が得られないことから、
水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの混合ガス中
の水蒸気含有量と温度との相乗効果によるものと考えて
いる。
【0029】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0030】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の長軸、軸比(長軸径/短軸径)は、電子顕微鏡写真
から測定した数値の平均値で示した。針状鉄合金磁性粒
子粉末の磁気特性は、「振動試料磁力計VSM−3S−
15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場10K
Oeまでかけて測定した。
【0031】保磁力の低下率は、還元直後の針状鉄合金
磁性粒子粉末の一部をトルエン中に浸漬した後、空気中
に取り出してトルエンを蒸発して得られた風乾後の針状
鉄合金磁性粒子の保磁力値と各種方法により十分な酸化
被膜を生成して得られた安定な針状鉄合金磁性粒子の保
磁力値との差を風乾後の前記針状鉄合金磁性粒子の保磁
力値で除した値を百分率(%)で示した。
【0032】S.F.D.の測定は、下記の方法により
得られたシート状試料片を用い、前記磁気測定器の微分
回路を使用して、磁気履歴曲線の減磁カーブの微分曲線
を得、この曲線の半値巾を測定し、この値を保磁力で除
することにより求めた。
【0033】シート状試料片は、100ccのポリビン
に鉄合金磁性粒子粉末、樹脂及び溶剤を下記の割合で入
れた後、ペイントコンディショナーで6時間混合分散を
行うことにより調整した磁性塗料を厚さ25μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを
用いて50μmの厚さに塗布し、次いで、3KGaus
sの磁場中で乾燥させることにより得た。
【0034】 3mmφスチルボール 800重量部 鉄合金磁性粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 20重量部 シクロヘキサノン 83.3重量部 メチルエチルケトン 83.3重量部 トルエン 83.3重量部
【0035】実施例1 Al化合物、Co化合物、Ni化合物及びB化合物によ
って粒子表面が被覆されている長軸0.16μm、軸比
(長軸径/短軸径)10の紡錘形を呈したゲータイト粒
子粉末(Al/Fe=3.1原子%、Co/Fe=6.
0原子%、Ni/Fe=0.5原子%、B/Fe=4.
3原子%)160gを空気中400℃てで加熱処理して
Al化合物、Co化合物、Ni化合物及びB化合物によ
って粒子表面が被覆されている長軸0.12μm、軸比
(長軸径/短軸径)8.5の紡錘形を呈したヘマタイト
粒子粉末を得た。
【0036】上記ヘマタイト粒子粉末140gを容積3
lのレトルト容器に投入し、駆動回転させながら水素
ガスを毎分20 lの割合で通気し、還元温度370℃
で還元して針状鉄合金磁性粒子粉末とした。
【0037】次いで、水素ガスを窒素ガスに切り換えて
窒素ガスを流しながら冷却し、引き続き30g/m3
水蒸気を含む0.1体積%の酸素と窒素ガスとの混合ガ
ス中において0.5時間保持した後、酸素量を0.2体
積%に切り換え、水蒸気を含む酸素と窒素ガスとの混合
ガスを通気しながら反応温度40℃で7時間処理するこ
とにより、針状鉄合金磁性粒子の粒子表面に酸化被膜を
生成させた。上記操作終了後、表面に酸化被膜が生成さ
れている針状鉄合金磁性粒子粉末をレトルトから空気中
に取り出した。
【0038】得られた針状鉄合金磁性粒子粉末は、電子
顕微鏡観察の結果、長軸0.11μm、軸比(長軸径/
短軸径)7であった。また、磁気特性は、保磁力が15
30Oe、飽和磁化が132emu/g、保磁力の低下
率が2.9%であり、塗膜特性は角型が0.84、S.
F.D.が0.45であった。
【0039】実施例2、比較例1〜4 出発原料の種類、加熱還元温度、水蒸気を含む不活性ガ
スと酸素含有ガスとの混合ガスによる処理工程における
水蒸気量、O2 量、温度及び時間を種々変化させた以外
は、実施例1と同様にして針状鉄合金磁性粒子粉末を得
た。この時の主要製造条件を表1に、針状鉄合金磁性粒
子粉末の諸特性を表2に示す。
【0040】実施例3 Al化合物、Co化合物、Ni化合物及びB化合物によ
って被覆されている高密度化された(加熱処理温度40
0℃)、長軸0.15μm、軸比(長軸径/短軸径)
9.5の紡錘形ヘマタイト粒子(Al/Fe=2.0原
子%、Co/Fe=5.0原子%、Ni/Fe=0.5
原子%、B/Fe=4.0原子%)140gを容積3
lのレトルト容器に投入し、駆動回転させながら水素ガ
スを毎分20lの割合で通気し、還元温度400℃で還
元して針状鉄合金磁性粒子粉末とした。
【0041】次いで、水素ガスを窒素ガスに切り換えて
窒素ガスを流しながら冷却し、引き続き、12g/m3
の水蒸気を含む0.1体積%の酸素と窒素ガスとの混合
ガス中において、0.5時間保持した後、酸素含有量を
0.3体積%に切り換え、水蒸気を含む不活性ガスと酸
素含有ガスとの混合ガスを通気しながら、反応温度45
℃で5.0時間処理し、次いで反応温度40℃において
12g/m3 の水蒸気を含む窒素ガスを0.5時間通気
することにより、針状鉄合金磁性粒子の粒子表面に酸化
被膜を生成させた。
【0042】上記操作終了後、表面に酸化被膜が生成さ
れている針状鉄合金磁性粒子粉末をレトルトから空気中
に取り出した。この時の主要製造条件を表1に、針状鉄
合金磁性粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0043】実施例4〜6 出発原料の種類、加熱還元温度、水蒸気を含む不活性ガ
スと酸素含有ガスとの混合ガスによる処理工程における
水蒸気量、O2 量、温度及び時間並びに水蒸気を含む不
活性ガスによる処理工程における水蒸気量、温度、時間
及び一連の処理の実施回数を種々変化させた以外は、実
施例3と同様にして針状鉄合金磁性粒子粉末を得た。こ
の時の主要製造条件を表1に、針状鉄合金磁性粒子粉末
の諸特性を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明に係る針状鉄合金磁性粒子粉末の
製造法によれば、前出実施例に示した通り、高い保磁力
とより大きな飽和磁化とを有し、しかも、S.F.D.
が優れており、且つ、酸化被膜生成による保磁力の低下
率が小さい長軸径0.05μm以上0.2μm未満の針
状鉄合金磁性粒子粉末が得られるので、高記録密度、高
出力、低ノイズレベル用磁性粒子粉末として好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 幸治 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 池本 邦生 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 平塚 義三 (56)参考文献 特開 昭56−55503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/06 B22F 1/02 B22F 9/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針状含水酸化第二鉄粒子又は針状ヘマタ
    イト粒子を加熱還元して得られた長軸径0.05μm以
    上0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒子を、10〜50
    g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの
    混合ガス中において、40〜50℃の反応温度で処理す
    ることにより、前記針状鉄合金磁性粒子の粒子表面に酸
    化被膜を生成させることを特徴とする磁気記録用針状鉄
    合金磁性粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 針状含水酸化第二鉄粒子又は針状ヘマタ
    イト粒子を加熱還元して得られた長軸径0.05μm以
    上0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒子を、10〜50
    g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの
    混合ガス中において、40〜50℃の反応温度で処理
    し、次いで、10〜50g/m3の水蒸気を含む不活性
    ガス中において、150℃以下の温度で処理することに
    より、前記針状鉄合金磁性粒子の粒子表面に酸化被膜を
    生成させることを特徴とする磁気記録用針状鉄合金磁性
    粒子粉末の製造法。
  3. 【請求項3】 針状含水酸化第二鉄粒子又は針状ヘマタ
    イト粒子を加熱還元して得られた長軸径0.05μm以
    上0.2μm未満の針状鉄合金磁性粒子を、10〜50
    g/m3の水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの
    混合ガス中において、40〜50℃の反応温度で処理
    し、次いで、10〜50g/m3の水蒸気を含む不活性
    ガス中において、150℃以下の温度で処理した後、更
    に、水蒸気を含む不活性ガスと酸素含有ガスとの混合ガ
    ス中における前記処理並びに水蒸気を含む不活性ガス中
    における前記処理を繰り返して行うことにより前記針状
    鉄合金磁性粒子の粒子表面に酸化被膜を生成させること
    を特徴とする磁気記録用針状鉄合金磁性粒子粉末の製造
    法。
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