JP2005290773A - 巾木 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温施工性、下地接着性などに優れた巾木を提供し、特に、低温から高温まで広範囲な施工温度条件下で良好に施工することができる巾木を提供することを課題とする。
【解決手段】 エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー20〜250重量部、充填剤200〜1000重量部、タッキファイヤー10な100重量部を含む樹脂組成物を成形することにより得られる巾木。このスチレン系熱可塑性エラストマーは、−10℃〜35℃の範囲にtanδのピークを有し、且つtanδのピークがそれぞれ異なる2種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として壁材と床材又は天井材との間に取り付けて使用される合成樹脂製の巾木に関する。
従来、合成樹脂製の巾木として、塩化ビニル樹脂製の巾木が多用されてきた。塩化ビニル製巾木は、成形性、施工性、耐薬品性、意匠性などに優れているが、焼却によってダイオキシンなどが発生するので、近年、有害な塩素系ガスを発生しないノンハロゲン巾木が提案されている。ノンハロゲン巾木としては、ポリオレフィンをベースポリマーとするものがあるが下地接着性が悪く、反発性もあるため、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極性ポリマーを用いた巾木が知られている。例えば、特開2000−336919には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィンとカルボキシル基含有モノマーの共重合体、エラストマー、充填剤などを配合してなる巾木が開示されている。また、特開2003−129651には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−極性コモノマー共重合体、スチレン系などの熱可塑性エラストマー、充填剤、機能添加剤を配合してなる巾木が開示されている。
しかしながら、上記公報記載の巾木は、低温での施工性が悪い、接着強度が不十分であるという問題点があり、特に、従来の巾木は、低温域に於ける柔軟性に欠けるため、寒冷地に於ける施工性が悪く、寒冷地から温暖地の何れにおいても施工性に優れた巾木が求められている。更に、エチレン−酢酸ビニルなどの極性ポリマーは、一般に成形温度領域が狭いため、巾木を成形する際に加工性が悪いという問題点がある。
特開2000−336919 特開2003−129651
そこで、本発明は、低温施工性、下地接着性などに優れた巾木を提供することを課題とするものであり、さらに、本発明は、広範な施工温度条件下で、良好に施工することができる巾木を提供することを課題とするものである。
本発明は、その手段として、エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー18〜260重量部を含む樹脂組成物を成形することにより得られる巾木を提供する。
また、本発明は、エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー18〜260重量部、充填剤150〜1100重量部を含む樹脂組成物を成形することにより得られる巾木を提供する。
さらに、本発明は、上記スチレン系熱可塑性エラストマーが、−10℃〜35℃の範囲にtanδのピークを有し、且つtanδのピークがそれぞれ異なる2種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物からなるものであり、好ましくは、上記スチレン系エラストマーが、−10〜0℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーと15〜25℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含む混合物からなる巾木を提供する。また、上記−10〜0℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーと15〜25℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーの配合比が、重量比で9:1〜2:8である巾木を提供する。さらに、タッキファイヤーを5〜120重量部を含む巾木を提供する。
また、本発明の好ましい態様では、上記各巾木の表面に、熱可塑性エラストマーにαオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体及び充填剤のうち少なくとも何れか一方を含み、この熱可塑性エラストマー100重量部に対し、共重合体及び/又は充填剤が15重量部以下含まれている樹脂組成物を積層してなる巾木を提供する。
本発明の巾木は、低温施工性、下地不陸隠蔽性、下地接着性、折曲げ白化防止、耐傷性などに優れている。さらに、広範な温度域で適度な柔軟性を有するので、温暖な地域のみならず寒冷地などの施工温度条件が比較的低温な地域に於いても良好に施工することができる。
本発明の巾木は、エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体(以下単に「αオレフィン共重合体」という場合がある)と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー18〜260重量部、充填剤及び必要に応じて添加されるタッキファイヤーその他添加剤を含む樹脂組成物からなる。αオレフィン共重合体と低密度ポリエチレンの混合物を用いることにより、主として適度な柔軟性と腰を与え且つ下地不陸隠蔽性に優れ、低コストの巾木を得ることができる。また、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いることにより、主として施工性(特に低温施工性)、下地接着性、施工後の寸法安定性などに優れた巾木を得ることができる。
エチレン−αオレフィン共重合体は、エラストマー性状を示さない熱可塑性樹脂であって、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数3〜20から選ばれる1種又は2種以上のαオレフィンをエチレンに共重合させた2元共重合体又は3元以上の多元共重合体を用いることができ、中でも柔軟性に優れているという理由から、エチレン−オクテン共重合体を用いることが好ましい。また、プロピレン−αオレフィン共重合体は、エラストマー性状を示さない熱可塑性樹脂であって、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜20から選ばれる1種又は2種以上のαオレフィンをプロピレンに共重合させた2元共重合体又は3元以上の多元共重合体を用いることができる。これらエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれる1種以上とプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる1種以上との混合物からなるαオレフィン共重合体を用いることもできる。低密度ポリエチレンとしては、密度0.90〜0.94g/cm程度のものを用いることができ、直鎖状低密度ポリエチレンを用いてもよい。上記αオレフィン共重合体と低密度ポリエチレンの配合比は、1:1〜3:1(重量比)が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを併せ持つポリマーであり、ハロゲン原子を含まないものが用いられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばハードセグメントにポリスチレン、ソフトセグメントにポリブタジエン、ビニルポリイソプレンなどを用いたブロック共重合体が挙げられ、例えば、スチレン−ブタジエン・イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ビニルポリイソプレン共重合体 、スチレン−ビニルポリイソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンブテン共重合体、スチレン−エチレンブテン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンプロピレン共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン共重合体、スチレン−プロピレンブテン−エチレン共重合体、スチレン−プロピレンブテン−プロピレン共重合体、又はこれらの水素添加物などの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。中でも、巾木の施工温度域にtanδのピークを有することから、スチレン−ビニルポリイソプレン共重合体を用いることが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーの配合量は、αオレフィン共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部に対して、18〜260重量部、好ましくは20〜250重量部、より好ましくは100〜250重量部である。スチレン系熱可塑性エラストマーがこれよりも少ないと硬くなり過ぎ、一方、これよりも多いと腰が無くなり、何れも施工温度域での巾木の施工性や下地不陸隠蔽性が悪くなるからである。
さらに、比較的広範な温度域で施工性に優れた巾木を得ることができることから、tanδのピークが異なる2種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物を用いることがより好ましい。具体的には−10℃(マイナス10℃)〜35℃の範囲にtanδのピークを有し、且つtanδのピーク温度がそれぞれ異なる2種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。例えば、15〜25℃(好ましくは20℃付近)にtanδピークを示すスチレン系熱可塑性エラストマーと−10℃〜0℃(好ましくは−5℃(マイナス5℃)付近)にtanδピークを示すスチレン系熱可塑性エラストマーを、9:1〜2:8の割合(重量比)で混合されたものを用いることがより好ましい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等、及びこれらの混合物などが例示できる。平均粒径1〜30μm程度のものを用いることが好ましい。充填剤の配合量は、共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部に対して、150〜1100重量部、好ましくは200〜1000重量部である。充填剤がこれよりも少ないと、施工時に切断し難くなり、一方、これよりも多いと、出隅部又は入隅部に施工する際、白化を生じるからである。
タッキファイヤーとしては、重量平均分子量が数百〜3,000程度のもの、例えば、石油、ナフサなどの分解によって得られる石油樹脂、テルペンフェノールなどのテルペン系炭化水素樹脂、ロジンなどの公知のものを用いることができる。タッキファイヤーを配合することにより、下地接着性を更に向上させることができる。タッキファイヤーの配合量としては、エチレン−αオレフィン共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部に対して、5〜120重量部、好ましくは10〜100重量部である。少ないと下地接着性の向上が図られず、一方、多すぎると得られる巾木が柔らかくなり過ぎるからである。
尚、その他の添加剤として、難燃剤、抗酸化剤、光安定剤、顔料、滑材、耐熱安定剤、帯電防止剤などを適宜混合することができる。
本発明に係る巾木は、上記樹脂組成物の各成分を、例えば多軸押出機、ニーダーなどで混練してペレットを作製し、得られたペレットをカレンダー成形機、押出成形機などでシート状に成形することにより得ることができる。成形温度としては、150〜250℃という比較的広範な温度で成形することができるから、従来の巾木に比して押出加工性に優れている。厚みは特に限定されず、通常1〜3mm程度に形成される。作製された巾木は、例えば、酢酸ビニル系、アクリル系樹脂などを主成分とするエマルジョン型又は溶剤型接着剤などを用いて、壁材と床材又は天井材との間に接着施工して使用される。
本発明に係る巾木は、広範な温度域で適度な柔軟性を有するので、寒冷地から温暖地まで温度条件が異なる何れの地域に於いても、出隅部などの形状に沿って良好に施工することができる。さらに、下地との接着性に優れているので、浮き上がりなどの施工不良を起こす虞がなく、又、出隅部などに沿って折り曲げても白化することないから施工後の外観も良好となる。
さらに、本発明は、上記の巾木(以下「巾木本体」という)の表面に表面層が積層された多層(例えば2層)構造の巾木とすることもできる。
かかる表面層は、熱可塑性エラストマーに、αオレフィン共重合体(エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体)及び充填剤の少なくとも何れか一方を混合した樹脂組成物であって、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、上記αオレフィン共重合体15重量部以下及び/又は充填剤15重量部以下混合された樹脂組成物から形成することができる。熱可塑性エラストマー100重量部に、上記αオレフィン共重合体及び充填剤の少なくとも何れかを15重量部以下加えることにより、耐傷性に優れ、折曲げ白化し難い表面層を構成でき、又巾木本体との接着性に優れたものとすることができる。
表面層の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー 、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリエーテル系熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。中でも、折曲げ白化防止、耐傷性に優れることから、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、上記で例示したものなどを用いることができ、中でも、耐傷性に特に優れていることから、スチレン−ブタジエン・イソプレン、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンのブロック共重合体又はこれらの水素添加物を用いることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばハードセグメントにエチレン、プロピレンを、ソフトセグメントにエチレン・プロピレンゴム、加硫ゴムなどを用いたものを用いることができ、単純ブレンドタイプ、動的架橋タイプ、インプラントタイプの何れでも構わない。
表面層のαオレフィン共重合体(エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体)としては、上記で例示したものを適宜用いることができ、中でも加工特性が良いことから、エチレン−オクテン共重合体を用いることが好ましい。また、充填剤としては、上記で例示したものを適宜用いることができるが、平均粒径3.0μm以下の比較的粒径の小さいものを用いることが好ましい。
表面層は、上記樹脂組成物の各成分を混練し、得られたペレットを溶融させて、巾木本体の表面に押出ラミネート、ナイフコーティングなどすることにより積層することができる。表面層の厚みは特に限定されず、通常0.05〜0.2mm程度に形成される。かかる表面層を積層することにより巾木の表面耐傷性を改善することができ、又、折り曲げても白化しないので、巾木の装飾性が損なわれることがない。
また、必要に応じて、巾木本体と表面層の間に所望の絵柄などを表すために意匠印刷層を設けてもよい。尚、意匠印刷層は、表面層の表面に設けることも可能である。このように意匠印刷層を表面層の表面に設ける場合には、意匠印刷層の保護のため、紫外線硬化樹脂などのオーバーコート層や各種ワックスを設けることが好ましい。また、巾木本体に表面層を積層しない場合に於いては、巾木本体にオーバーコート層や各種ワックスを設けることが好ましく、又、適宜意匠印刷層を設けることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳述する。但し、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1及び比較例1
表1〜3に示す配合比で各成分(微量の成形助剤も添加)を混練してペレットを作製し、1軸押出機でシリンダー温度170℃、ダイス温度170℃で押出成形して厚み1.5mmのシート状にして、実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−6に係る試験用巾木をそれぞれ作製した。
但し、表中、「αオレフィン+LDPE」は、エチレン−オクテン共重合体(商品名:タフマーDF805、三井化学(株))と低密度ポリエチレン(密度0.92g/cm)を等量混合した混合物を使用した。「スチレン系エラストマー」は、20℃付近にtanδのピークを示すスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体(商品名:ハイブラー5127、(株)クラレ製)と−5℃付近にtanδのピークを示すスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体(商品名:ハイブラー7125、(株)クラレ製)を等量混合した混合物を使用した。炭酸カルシウムは、平均粒径2.0μmのものを使用した。
ここで、tanδ(損失正接)は、損失弾性率/貯蔵弾性率の比であり、動的粘弾性測定器を用いて、周波数20Hz、温度範囲−100〜100℃、昇温速度2℃/minの条件で測定し、tanδのピークは、tanδが最も大きくなる温度をいう。
実施例1−1〜実施例1−10及び比較例1−1〜比較例1−6に係る試験用巾木について、各表に示す試験を行った。試験方法は、下記の通りである。
さらに、比較例1−7として、表4に示すようにエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル20重量%、MFR2.5)からなる試験用巾木を作製した。この巾木は、表4に示す各成分のペレット(微量の成形助剤も添加)を、1軸押出機でシリンダー温度135℃〜180℃(ペレット投入付近135℃、ダイス付近180℃で、両者の間が序々に昇温)、ダイス温度170℃で押出成形して厚み1.5mmのシートとした。尚、炭酸カルシウムは、平均粒径2.0μmのものを使用した。
この比較例1−7の試験用巾木について表4に示す各試験を行った。
<試験方法>
(5℃の剛性度)
試験用巾木を幅25mm、長さ100mmに切断し、5±0.5℃下で、24時間養生した。このものの曲げ強さを測定するため、オルゼン型剛性度試験機に、所定荷重を掛けた後、荷重目盛指針を0にセットすると共に、偏位角度目盛指針が0になるようにセットし、養生後の試験用巾木を試験機のチャックに取付け、試験機の回転盤を右回転させて偏位角度指針が6度に達したときの荷重を荷重目盛指針で読み取る。下記式を用いて剛性度(kg/cm)を求めた。尚、表では、kN/cmに換算したものを示している。
剛性度(kg/cm)={(4×S)/(W×d)}×{(M×読取荷重)/(100×φ}×C。
但し、S(支点間距離):2cm、W(試料幅):2.5cm、d(試料厚さ):1.5cm、M(所定荷重):0.5kg、φ(偏位角度):0.1047rad(6度)、C(定数):2。
(23℃の剛性度)
試験用巾木を幅25mm、長さ100mmに切断し、23±0.5℃下で、24時間養生した。その後、上記5℃の剛性度と同様にして剛性度を求めた。
(低温施工性)
5±3℃下で、24時間養生し、直角の出隅部及び入隅部に、酢酸ビニル系接着剤(商品名:巾木糊、東リ(株)製)を用いて各試験用巾木を接着施工した。この施工を5箇所の出隅部及び入隅部にそれぞれ行い、各出隅部及び入隅部に巾木の浮き上がりがないかどうか確認した。その結果、全ての箇所で浮き上がりがない場合を「○」、一部の箇所で浮き上がりが生じた場合を「△」、全ての箇所で浮き上がりが生じた場合を「×」で表に示す。
(下地不陸隠蔽性)
厚み0.2mmのテープを下地に貼り付け、その上から酢酸ビニル系接着剤(商品名:巾木糊、東リ(株)製)にて各試験用巾木を接着し、巾木の表面からテープの形状が視認されるかどうかを目視で確認した。その結果、全く認められない場合を「○」、やや認められる場合を「△」、よく目立つ場合を「×」で表に示す。
(折曲げ白化)
23±3℃、湿度55〜85%下で、24時間養生し、直径2mm、8mm、10mmの鉄棒の周囲に各試験用巾木を沿わせて折り曲げた後、元に戻して折り曲げ部分の白化状態を目視で確認した。その結果、2mmの鉄棒でも白化していない場合を「○」、2mmでは白化したが、8mmでは白化が認められない場合を「△」、8mmでは白化したが、10mmでは白化が認められない場合を「×」で表に示す。
(切断作業性)
23±3℃、湿度55〜85%下で、24時間養生し、市販のNTカッターで各試験用巾木を切断し、その容易さを評価した。その結果、切断し易いものを「○」、やや切断しにくいものを「△」、切断しにくいものを「×」で表に示す。
(接着強度)
JIS A 5536に準じて測定した。
(成形加工性)
各実施例及び比較例のペレットを、45mmの1軸押出機でシリンダー温度150〜200℃(ペレット投入付近150℃、ダイス付近200℃で、両者の間が序々に昇温)、ダイス温度190℃で樹脂を押し出し、均一に安定した状態で所定形状の巾木を成形できるどうかを確認した。その結果、加工できる場合を「○」、加工できない場合を「×」で表に示す。
Figure 2005290773
Figure 2005290773
Figure 2005290773
Figure 2005290773
実施例1−1〜1−4の巾木は、適度に柔軟性があり、出隅部及び入隅部に沿って良好に施工することができた。一方、比較例1−1の巾木は、非常に硬く、出隅部及び入隅部に沿わせることが困難で低温施工性が非常に悪かった。また、比較例1−2の巾木は、腰が無いためハンドリング性が悪く、又、下地の形状が巾木表面に映っていた。このことから、αオレフィンと低密度ポリエチレンの混合物100重量部に対しスチレン系エラストマーを約18〜260重量部配合することにより、5〜23℃で適度に柔軟性があり、施工性にも優れていることが推察される。
実施例2及び比較例2
表5に示す配合比で、1軸押出機でシリンダー温度170℃、ダイス温度170℃で押出成形して厚み1.5mmのシート状に成形し、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−2に係る試験用シートをそれぞれ作製した。
表中「αオレフィン」は、エチレン−オクテン共重合体(商品名:タフマーDF805、三井化学(株))を使用した。「スチレン系エラストマー」は、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物を使用した。炭酸カルシウムは、平均粒径2.0μmのものを使用した。
実施例2−1〜実施例2−6及び比較例2−1〜比較例2−2に係る試験用シートについて、各表に示す試験を行った。試験方法は下記の通りである。
<試験方法>
(耐傷性)
23±3℃、湿度55〜85%の条件の下、24時間以上養生し、図1に示すように、直径11cmの回転台の上に試験用シートを載置固定し、このシートの上に、500gの垂直荷重を加えたナイフ刃の尖部を当て、回転台を60rpmの速度で回転させた。同様にして750g、1000gの垂直荷重を加えて回転台を回転させ、それぞれのシート表面に傷が入っているかどうかを確認した。その結果、1000gでも傷が認められない場合を「○」、1000gでは傷付いたが、750gでは傷が認められない場合を「△」、750gで傷付いた場合を「×」で表に示す。
(折曲げ白化)
実施例1と同様に行った。
Figure 2005290773
実施例3及び比較例3
表6に示す配合比で、実施例1と同様にして、厚み2mmのシート状に成形し、実施例3−1〜3−4及び比較例3−1〜3−3に係る試験用巾木をそれぞれ作製した。
表中「αオレフィン+LDPE」は、実施例1と同じものを使用した。「スチレン系エラストマーA」は、20℃付近にtanδのピークを示すスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体(商品名:ハイブラー5127、(株)クラレ製)を使用した。「スチレン系エラストマーB」は、−5℃付近にtanδのピークを示すスチレン−ビニルポリイソプレンブロック共重合体(商品名:ハイブラー7125、(株)クラレ製)を使用した。
実施例3−1〜3−4及び比較例3−1〜3−3に係る試験用巾木について、5℃、20℃、35℃に於ける垂下試験を行った。試験方法は下記の通りである。
<試験方法>
(垂下量)
各試験用巾木(厚み2mm)を幅50mm、長さ300mmに切断し、5±2℃、湿度55〜85%の条件の下、平坦面上に載置した状態で24時間以上養生し、長手方向100mmを測定台上に固定し且つ残部(200mm)を測定台の縁部から突出させると共に、この残部が試験前に垂下しないように、残部の下面に測定台と同じ高さで補助板を当てておく。次いで、この補助版を引き抜いて30秒経過後、残部の先端と測定台との高低差(垂下量)を測定した。また、養生温度を20±2℃、35±2℃とした以外は、全く同様にして各温度での垂下量を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 2005290773
実施例3−1〜3−4の巾木は、垂下量が40mm〜140mmの範囲内にあり、5〜35℃の比較的広い温度範囲での施工性、下地不陸隠蔽性などが良好である。一方、比較例3−1の巾木は、5℃での垂下量が40mm未満であり、低温での巾木施工性が悪く、比較例3−2及び3−3は、低温施工性には優れるものの、35℃での垂下量が大きく施工時のハンドリング性や下地不陸隠蔽性が悪いものである。
耐傷性試験の参考図。

Claims (7)

  1. エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー18〜260重量部、及び充填剤を含む樹脂組成物を成形することにより得られる巾木。
  2. エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体と低密度ポリエチレンの混合物100重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー18〜260重量部、充填剤150〜1100重量部を含む樹脂組成物を成形することにより得られる巾木。
  3. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、−10℃〜35℃の範囲にtanδのピークを有し、且つtanδのピークがそれぞれ異なる2種以上のスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物からなる請求項1又は2記載の巾木。
  4. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、−10〜0℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーと15〜25℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含む混合物からなる請求項3記載の巾木。
  5. 前記−10〜0℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーと15〜25℃の範囲にtanδのピークを有するスチレン系熱可塑性エラストマーが、重量比で9:1〜2:8である請求項4記載の巾木。
  6. 前記樹脂組成物に、タッキファイヤー5〜120重量部を含む請求項1〜5の何れかに記載の巾木。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の巾木の表面に、熱可塑性エラストマーに、エチレン−αオレフィン共重合体又はプロピレン−αオレフィン共重合体から選ばれる共重合体及び充填剤のうち少なくとも何れか一方を含み、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、前記共重合体及び/又は充填剤が15重量部以下含まれている樹脂組成物からなる表面層が積層されている巾木。
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