JP2005290627A - 炭素繊維束およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能炭素繊維束を安定して製造する方法、また、高いねじり強さを有する炭素繊維強化複合材料管状体およびそれを用いてなるゴルフクラブシャフトを提供する。
【解決手段】
耐炎化処理工程と炭化処理工程とを有する炭素繊維束の製造方法であって、該耐炎化処理工程における耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記式を満たし、かつTが200〜400℃の範囲である、炭素繊維束の製造方法である。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
【選択図】なし
【解決手段】
耐炎化処理工程と炭化処理工程とを有する炭素繊維束の製造方法であって、該耐炎化処理工程における耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記式を満たし、かつTが200〜400℃の範囲である、炭素繊維束の製造方法である。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
【選択図】なし
Description
本発明は、強度の優れた炭素繊維束を提供するための炭素繊維束の製造方法及びそれを用いた繊維強化複合材料に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量で力学特性に優れるために、スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられている。
スポーツ用途において、繊維強化複合材料は管状体に成形され、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、テニスやバトミントンのラケット等に使用される。これら用途には、軽量性能、高度の材料剛性、材料強度が要求されるため、強化繊維には炭素繊維がマトリックス樹脂にはエポキシ樹脂がそれぞれ用いられることが多い。
それに伴い、炭素繊維は一層の品質の向上が望まれているが、炭素繊維の引張強度、引張弾性率は改善傾向にあるものの、依然として圧縮強度の向上が不十分であり、使用する用途によっては依然として適用できないことがある。炭素繊維を構造材に適応する場合は、一層の軽量化を実現するため、構造材の厚みを薄くすることが多いが、この場合、炭素繊維自体の圧縮強度が不足すると、構造材全体の圧縮強度が低下する傾向が大きくなる。
圧縮強度を向上させる技術としては、前炭化処理工程で原料繊維を積極的に高延伸して、その配向緩和を抑制しながら高圧縮強度の炭素繊維を得る技術が開示されている(例えば、特許文献1、2)。しかし、前炭化処理工程での高延伸化により、得られた炭素繊維に糸切れや毛羽が多量に生じる問題があった。
また、昨今のゴルフクラブシャフトや釣り竿の高性能、高品位に伴い、その材料である管状体に要求される性能もますます厳しくなりつつある、かかる管状体の軽量性能をさらに向上させ、材料剛性、材料強度を高めるべくバイアス層とストレート層から構成されるシャフトの外周にバイアス層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献3、4)。しかし、これら技術によれば、シャフトの軽量化が不十分であったり、積層数が増して、製造工程が煩雑となる等の問題があった。
一方、ねじり強さを高めるため、強化層を配する技術が開示されており(例えば、特許文献5)、各層を強化繊維の方向を基準として対称に積層する技術が開示されている(例えば、特許文献6)。しかし、これら技術によれば、管状体の重量がかさみ、また、積層数が増して製造工程も煩雑となるため、製造コスト的にも不利になるといった問題点があった。
特開2001−131833号公報(全体)
特開2002−54031号公報(全体)
実開昭62−33872号公報(全体)
特公平9−327536号公報(全体)
特公平4−218179号公報(全体)
特公平6−114131号公報(全体)
本発明は、上記問題点を解決し、高いねじり強さを有する炭素繊維強化複合材料管状体およびそれを用いてなるゴルフクラブシャフト、及び、それに好適に用いられる高引張弾性率と高圧縮強度を兼ね備えた高性能炭素繊維束と一方向プリプレグ、繊維強化複合材料、及びそれらの製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、下記耐炎化処理工程と炭化処理工程とを有する炭素繊維束の製造方法であって、該耐炎化処理工程における耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記式を満たし、かつTが200〜400℃の範囲である、炭素繊維束の製造方法である。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
また、耐炎化処理工程における延伸倍率が0.8〜1.5である上記炭素繊維束の製造方法である。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
また、耐炎化処理工程における延伸倍率が0.8〜1.5である上記炭素繊維束の製造方法である。
更には、耐炎化処理工程と炭化処理工程との間に、前炭化処理工程を有し、かつ該前炭化処理工程における延伸倍率が1〜2である上記炭素繊維束の製造方法である。
また、上記製造方法により得られた炭素繊維束である。
また、上記炭素繊維束と熱硬化性樹脂組成物とからなるプリプレグである。
また、上記炭素繊維束に熱硬化性樹脂組成物を含浸せしめるプリプレグの製造方法である。
また、上記炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料である。
また、上記プリプレグを硬化せしめて得られる繊維強化複合材料である。
また、上記繊維強化複合材料を少なくとも1層含む繊維強化複合材料管状体である。
また、炭素繊維束と樹脂組成物とからなるプリプレグであって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)と、該プリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料のASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向プリプレグである。
C≧−(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
また、炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向繊維強化複合材料である。
C≧−(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
また、炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料管状体であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とねじり強さσ(n・m・deg)とが下記式を満たす繊維強化複合材料管状体。
σ≧(−12.63×E(GPa)+7500(GPa))×(N・m・deg/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
更に、バイアス層とストレート層とを少なくとも各1層ずつ有する上記繊維強化複合材料管状体である。
C≧−(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
また、炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向繊維強化複合材料である。
C≧−(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
また、炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料管状体であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とねじり強さσ(n・m・deg)とが下記式を満たす繊維強化複合材料管状体。
σ≧(−12.63×E(GPa)+7500(GPa))×(N・m・deg/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
更に、バイアス層とストレート層とを少なくとも各1層ずつ有する上記繊維強化複合材料管状体である。
また、次の構成を有する。すなわち、かかる繊維強化複合材料管状体が使用されてなるゴルフクラブシャフトである。
本発明の炭素繊維製方法によって、高性能な炭素繊維及び強化繊維複合材料を製造することができ、ゴルフクラブシャフト等に好適に使用できる、高いねじり強さを有する繊維強化複合材料管状体を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の炭素繊維束の製造方法は、耐炎化処理工程と炭化処理工程とを有する炭素繊維束の製造方法であって、該耐炎化処理工程における耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記式を満たし、かつTが200〜400℃の範囲を満足することが必要である。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
240t/Tが80分/℃未満であると耐炎化が不十分なため、炭化処理工程で糸切れ及び毛羽が発生するので好ましくなく、160/℃を超えると炭素繊維の引張弾性率発現が困難となり好ましくない。従って、より好ましい実施の形態は、耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記を満足することである。
100(分/℃)≦240t/T≦150(分/℃)
ここで、耐炎化処理は、1炉以上の耐炎化炉を用いて行うことができ、1炉毎に温度が異なる場合は下記式を満たすものである
80(分/℃)≦240×((t1/T1)+(t2/T2)・・・)≦160(分/℃)
T1:第1炉耐炎化処理温度(℃)
t1:第1炉滞留時間(分)
T2:第2炉耐炎化処理温度(℃)
t2:第2炉滞留時間
また、耐炎化処理工程が1炉であっても温度セクションに区切られている場合は下記式を満たすものである。
80(分/℃)≦240×((t1s/T1s)+(t2s/T2s)・・・)≦160(分/℃)
T1s:1セクション温度(℃)
t1s:1セクション滞留時間(分)
T2s:2セクション温度(℃)
t2s:2セクション滞留時間(分)
また、耐炎化処理平均温度T(℃)は200〜400℃であり、250〜350が好ましい。耐炎化平均温度T(℃)が200℃未満であるとニトリル基の閉環反応が実用的な速度で進行せず、耐炎化処理の程度が不足することがあり、耐炎化処理以降の前炭化処理での糸切れ及び毛羽の発生等による炭素繊維の品位が損なわれることがあるので好ましくなく、400℃を超えると耐炎化処理工程での糸切れ及び毛羽の発生等による炭素繊維の品位が損なわれることがあるので好ましくない。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃)
240t/Tが80分/℃未満であると耐炎化が不十分なため、炭化処理工程で糸切れ及び毛羽が発生するので好ましくなく、160/℃を超えると炭素繊維の引張弾性率発現が困難となり好ましくない。従って、より好ましい実施の形態は、耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記を満足することである。
100(分/℃)≦240t/T≦150(分/℃)
ここで、耐炎化処理は、1炉以上の耐炎化炉を用いて行うことができ、1炉毎に温度が異なる場合は下記式を満たすものである
80(分/℃)≦240×((t1/T1)+(t2/T2)・・・)≦160(分/℃)
T1:第1炉耐炎化処理温度(℃)
t1:第1炉滞留時間(分)
T2:第2炉耐炎化処理温度(℃)
t2:第2炉滞留時間
また、耐炎化処理工程が1炉であっても温度セクションに区切られている場合は下記式を満たすものである。
80(分/℃)≦240×((t1s/T1s)+(t2s/T2s)・・・)≦160(分/℃)
T1s:1セクション温度(℃)
t1s:1セクション滞留時間(分)
T2s:2セクション温度(℃)
t2s:2セクション滞留時間(分)
また、耐炎化処理平均温度T(℃)は200〜400℃であり、250〜350が好ましい。耐炎化平均温度T(℃)が200℃未満であるとニトリル基の閉環反応が実用的な速度で進行せず、耐炎化処理の程度が不足することがあり、耐炎化処理以降の前炭化処理での糸切れ及び毛羽の発生等による炭素繊維の品位が損なわれることがあるので好ましくなく、400℃を超えると耐炎化処理工程での糸切れ及び毛羽の発生等による炭素繊維の品位が損なわれることがあるので好ましくない。
上記の耐炎化処理条件を取ることにより、炭素繊維の圧縮強度向上に効く結晶サイズを小さくすることができる。従って、後続の前炭化処理工程で高倍率延伸して結晶サイズに対して相対的に配向度を高めることによって高圧縮強度化しようとする、毛羽発生や糸切れ等の操業性に問題のある従来手法を採る必要はなくなり、本発明によれば、無理な高倍率延伸をせずとも、安定操業の下で高圧縮強度化を達成することができる。
更に、上記の耐炎化処理条件は、前炭化処理工程での最高延伸可能倍率をも向上させるという効果があるため、小結晶サイズ化の効果と従来よりも高い延伸倍率での前炭化処理工程とを組み合わせた場合の圧縮強度向上に対する効果は絶大である。これらのメカニズムは必ずしも明らかではないが、次のように考えている。即ち、240t/Tが80分/℃未満であると、耐炎化が不十分となって分子間の架橋が充分な密度に達せず、分子が比較的自由に熱運動を行うことができ、結晶が大きくなると共に、前炭化処理工程での高延伸倍率には繊維形態が耐えられず、一部が切断して毛羽となったり、全体が切断したりして、ひいては高延伸倍率で達成できる高圧縮強度の炭素繊維を安定に得ることができない。一方、240t/Tが160℃/分を超えると、あまりにも耐炎化糸中の分子間架橋が進んで剛直化し、前炭化処理工程での延伸に耐えられない構造となる。本発明の耐炎化処理条件は、前記の下限と上限の間に存在する適切な構造、即ち、結晶成長を抑制でき、かつ延伸に耐えられる柔軟性を兼ね備えた構造の耐炎化糸を提供するものと考えている。
本発明の炭素繊維束の製造方法は、耐炎化処理平均温度Tと滞留時間tが上記関係にあれば、それ以外は、特に限定されず、公知の方法を用いてもよいが、耐炎化処理工程での延伸倍率は0.8〜1.5が好ましく、0.9〜1.4がより好ましく、0.95〜1.3が更に好ましい。延伸倍率が0.8未満であると弾性率に影響を及ぼす分子の配向が高まらず、炭素繊維を高弾性率化させるには、耐炎化処理以降の処理工程での高延伸化がますます必要となって糸切れや毛羽が発生することがあるため、ある程度は耐炎化処理工程で高倍率の延伸を行って分子の配向を高め、後続の処理工程での高配向化のための延伸倍率化を緩和させることが好ましい。ただし、1.5を超えると耐炎化処理工程での糸切れや毛羽が発生することがある。
本発明の炭素繊維束の製造方法においては、耐炎化処理工程の後に、炭化処理を施す。ここで炭化処理は、得ようとする炭素繊維に求める性能によって変わるが、不活性雰囲気中1000〜3000℃で処理することが好ましい。特に炭素繊維束のストランド引張強度が6.5GPaを超えるような高強度炭素繊維束を得ることを目的とする場合には、処理温度1200〜1500℃がより好ましい。一方、炭素繊維束のストランド弾性率が340GPaを超えるような高弾性率炭素繊維束を得ることを目的とする場合は、処理温度1500〜3000℃が好ましく、1800〜3000℃がより好ましい。尚、処理温度が1000℃未満であると、得られる炭素繊維束において、引張弾性率等の特性を損なう場合があり、処理温度が3000℃を超えると糸切れや毛羽等の発生が起こりやすく、品位の優れた炭素繊維束が得られないという場合がある。
また、かかる炭化処理工程の前に、前炭化処理工程を設けてもよい。前炭化処理工程を設けることで、有機繊維から無機繊維への転換を円滑に行うことができ、これによって炭化処理工程での毛羽発生を少なくでき、得られる炭素繊維の機械特性も向上させることができる。かかる前炭化処理工程は、不活性雰囲気中、400〜800℃で処理するのが好ましい。より好ましくは400〜700℃である。前炭化処理温度が400℃未満では前記前炭化処理工程としての効果が不十分であり、800℃を超えると炭化処理工程に近い温度となるために前炭化処理工程を行わないのと実質的に同じとなり、毛羽発生や機械特性向上の効果が少ない。また、その温度を実質的に一定に保って繊維を処理するよりも、繊維の受ける熱が、前記温度範囲内を低温側から20〜100℃/分の速度で昇温するように処理するのが好ましく、より好ましくは40〜100℃/分で処理するのが良い。昇温速度が20℃/分未満であると、熱履歴を均等化するため、糸速を低くする必要が生じ、これにより製造コストが上昇することがあり、100℃/分を超えると糸切れが生じ易くなる傾向にある。
かかる前炭化処理工程においては優れた炭素繊維の機械特性を得るために、高張力で処理することが好ましく、そのための延伸倍率としては1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.03〜1.3が更に好ましい。延伸倍率が1未満であると、炭素繊維束のストランド弾性率を所定の値に到達させるために、続く炭化処理を高温で行わなければならなく、その結果、炭素繊維の結晶サイズが大きくなり、優れた圧縮強度を得られない場合がある。また、延伸倍率が2を超えると、糸切れや毛羽等の発生が起こりやすく、品位の優れた炭素繊維が得られない場合がある。
上述の炭素繊維束の製造方法によれば、優れた圧縮強度を示す炭素繊維束や繊維強化複合材料を製造することが可能になるが、その中でも製造条件を適切に調整し、炭素繊維が次の特性を示すようにすると、特に優れた圧縮強度特性を示すので好ましい。即ち、炭素繊維束の広角X線回析により測定される炭素網面(002)面の結晶サイズLc(nm)と配向度π002(%)が式(1)を満足することである。
π002≧(3×Lc+78(nm))×(%/nm) ・・・(1)
より好ましくは、π002≧(3×Lc+78.5(nm))×(%/nm)・・・(1)’
さらに好ましくは、π002≧(3×Lc+79(nm))×(%/nm)・・・(1)”
を満たすのがよい。
π002≧(3×Lc+78(nm))×(%/nm) ・・・(1)
より好ましくは、π002≧(3×Lc+78.5(nm))×(%/nm)・・・(1)’
さらに好ましくは、π002≧(3×Lc+79(nm))×(%/nm)・・・(1)”
を満たすのがよい。
配向度(π002)は炭素繊維の引張弾性率と正の相関があり、結晶サイズは圧縮強度と負の相関がある。ところが、炭化処理工程温度と、配向度及び結晶サイズとは共に正の相関があるため、引張弾性率を高めるために、即ち配向度を上げるために、炭化処理工程の温度を上げると、一般に圧縮強度が低くなり、逆に結晶サイズが大きくなるので、(1)式は成立しない。本発明では、上述の特定の製造条件を採ることにより、(1)式を達成する、すなわち、340GPaを超えるような高引張弾性率の領域においても高圧縮強度を発現する炭素繊維束を製造することができ、高性能な繊維強化複合材料の提供が可能となるものである。ここで結晶サイズLcは1〜5nmが好ましく、1.5〜4.8nmがより好ましく、1.7〜4.5nmが更に好ましい。結晶サイズが1.5nm未満であると引張弾性率が低下するという場合があり、5nmを超えると圧縮強度が低下するという場合がある。ここでいう配向度π002および結晶サイズLcはX線源としてCuKα(Niフィルター使用)を用いたX線回折法により求められるものである。結晶サイズLcは面指数(002)回折線のピークの半値幅から、次のScherrerの式を用いて計算して求められる。
Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB
但し、
Lc(hkl):微結晶(hkl)面に垂直な方向の平均の大きさ
K:1.0、λ:0.15418nm(X線の波長)
β0:(βE 2−β1 2)1/2
βE:見かけの半値幅(測定値)、β1:1.046×10-2rad
θB:Braggの回析角
また、配向度π002は結晶ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅から次式を用い、πとして計算により求めた。
π=(180−H)/180
但し、
H:見かけの半値幅(deg)
但し、回折強度はローレンツ因子による補正後の値を使用するものである。
Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB
但し、
Lc(hkl):微結晶(hkl)面に垂直な方向の平均の大きさ
K:1.0、λ:0.15418nm(X線の波長)
β0:(βE 2−β1 2)1/2
βE:見かけの半値幅(測定値)、β1:1.046×10-2rad
θB:Braggの回析角
また、配向度π002は結晶ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅から次式を用い、πとして計算により求めた。
π=(180−H)/180
但し、
H:見かけの半値幅(deg)
但し、回折強度はローレンツ因子による補正後の値を使用するものである。
なお、本発明でいう炭素繊維とは、前駆体繊維を、少なくとも上述の耐炎化処理工程と炭化処理工程を経て得られた炭素を主成分とする繊維である。本発明に用いられる前駆体繊維としては、ポリアクリロニトリル、レーヨン、リグニン、ポリビニルアルコール、ポリアセチレン、ピッチなど、または、それらを主成分とする共重合体やブレンド物を原料とする各種前駆体繊維が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。高強度という点では、アクリロニトリルを原料としたポリアクリロニトリル系前駆体が好ましく用いられる。また、本発明でいう炭素繊維束とは、前記炭素繊維の束からなるものであり、その束を得る方法は特に限定されないが、前駆体繊維の段階で束となし、それを少なくとも上述の耐炎化処理と炭化処理を施すのが製造効率の点から好ましい。
この場合、前駆体繊維のフィラメント数は1000〜48000が好ましく、6000〜24000がより好ましい。1000フィラメント未満であると、耐炎化処理工程または炭化処理工程で糸切れが増すことがあり、48000フィラメントを超えると、耐炎化処理工程での被処理繊維束中の蓄熱量が増し、繊維が燃焼することがある。
前駆体繊維を得るための紡糸方法としては、原料に応じて湿式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸、溶融紡糸などが挙げられる。操業性の点からは、湿式紡糸、乾湿式紡糸が好ましく用いられ、乾湿式紡糸がより好ましい。
本発明において、ポリアクリロニトリル系前駆体繊維は、0.33〜1.11dtexが好ましく、0.55〜1dtexがより好ましい。0.33dtex未満であると、製糸工程で、繊維から微細な粉塵が発生し、環境、衛生面での問題が生じることがあり、1.11dtexを超えると、後の耐炎化処理工程、担架処理工程等で、均一な熱処理が困難となることがある。
本発明の炭素繊維束の製造方法により得られた炭素繊維束は、繊維強化複合材料用強化繊維として好適に用いられる。
即ち、本発明の繊維強化複合材料は、樹脂硬化物と前記方法により得られた炭素繊維束を含むものである。樹脂硬化物としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が用いられるが、機械特性の面から、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
繊維強化複合材料を作製する方法としては、特に限定されないが、本発明の製造方法により得られた炭素繊維束を予め樹脂組成物に含浸せしめたプリプレグに熱及び圧力を付与して硬化せしめる方法が好ましく用いられる。熱及び圧力を付与する方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が使用され、特にスポーツ用品の成形には、ラッピングテープ法、内圧成形法が好ましく使用できる。
ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き去って管状体を得る方法である。
また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフシャフト、バット、テニスやバトミントン等のラケットの如き複雑な形状物を成形する際に特に好ましく使用できる。
本発明の繊維強化複合材料は、前記した炭素繊維束を用いて、プリプレグを経由しない方法によっても得ることができる。
かかる方法としては、例えば、本発明の強化繊維に直接樹脂組成物を含浸させた後加熱硬化する方法、即ち、ハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクション・モールディング法、レジン・トランスファー・モールディング法等が使用できる。
本発明のプリプレグは、前記方法で得られた炭素繊維束と樹脂組成物とからなるものである。炭素繊維束は、その形態は特に限定はされず、一方向に引き揃ったもの、織物(クロス)、トウ、マット、ニット等にして用いられる。中でも、積層構成によって容易に強度特性を設計可能であることから、一方向に引き揃えられたものを採用するのが好ましい。熱硬化性樹脂組成物としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が使用できるが、力学特性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、及び成形性等の面から、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂を用いる場合、靱性、耐衝撃性、接着性向上またはレオロジー制御のため、熱硬化性樹脂組成物中に、熱可塑性樹脂、有機または無機の粒子等の他成分を配合することもできる。
プリプレグの製造方法としては、特に限定されないが、樹脂をフィルム状にしたものを用いて炭素繊維束に含浸せしめる方法が用いられる。樹脂フィルムを作製する方法としては、例えば、樹脂組成物をリバースロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター等を用いて離型紙等の基材上に塗布する方法が挙げられる。次に、本発明の炭素繊維束の両面、または片面に樹脂フィルムを接触せしめ、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させる。含浸後、離型紙等の基材をプリプレグからはぎ取り、はぎ取られた側の面に、表面保護のためにポリエチレンフィルム等のカバーフィルムを貼り付けてもよい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂と硬化剤からなるものが好ましい。
なお、強化繊維としては、前記した本発明の炭素繊維束の製造方法で製造された炭素繊維束以外の炭素繊維含んでいてもよく、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維など他の繊維と混合して用いても良いが、より軽量かつ高性能の点からは、前記した本発明の製造方法で得られた炭素繊維のみを強化繊維として含むことが好ましい。
本発明の別の発明は、炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)と、該プリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料のASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向プリプレグまたは一方向繊維強化複合材料である。
C≧(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記式を満足する一方向プリプレグまたは一方向繊維強化複合材料を採用することにより、高いねじり強さを有する繊維強化複合材料管状体を製造できることを見出し、本発明に至った。
C≧(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記式を満足する一方向プリプレグまたは一方向繊維強化複合材料を採用することにより、高いねじり強さを有する繊維強化複合材料管状体を製造できることを見出し、本発明に至った。
前記式において、炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)が150GPa未満であると、上記式を満足していても、繊維強化複合材料管状体として充分な剛性が確保できず、580GPaを超えると、上記式を満足していても絶対的な圧縮強度が低下することがあり、その場合には繊維強化複合材料管状体のねじり強さは低くなる。なお、引張弾性率E(GPa)は下記式を満足することがより好ましい。
190(GPa)≦E≦550(GPa)
また、C≧(−3.03×E(GPa)+2460(GPa))×(MPa/GPa)がより好ましく、C≧(−3.03×E(GPa)+2480(GPa))×(MPa/GPa)が更に好ましい。かかる圧縮強度Cは高ければ高いほど好ましいが、ストランド弾性率との関係がC=(−3.03×E(GPa)+2500(GPa))×(MPa/GPa)程度もあれば、本発明の目的としては十分な場合が多い。
190(GPa)≦E≦550(GPa)
また、C≧(−3.03×E(GPa)+2460(GPa))×(MPa/GPa)がより好ましく、C≧(−3.03×E(GPa)+2480(GPa))×(MPa/GPa)が更に好ましい。かかる圧縮強度Cは高ければ高いほど好ましいが、ストランド弾性率との関係がC=(−3.03×E(GPa)+2500(GPa))×(MPa/GPa)程度もあれば、本発明の目的としては十分な場合が多い。
このような一方向プリプレグまたは一方向繊維強化複合材料であれば、その製造方法は限定されるものではないが、例えば、上述の本発明の炭素繊維束の製造方法によって製造された炭素繊維束に熱硬化性樹脂組成物を含浸せしめることにより得ることができる。
本発明のまた別の発明は、炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料管状体であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とねじり強さσ(n・m・deg)とが下記式を満たす繊維強化複合材料管状体である。かかる式を満たす管状体とすることで、例えばゴルフシャフトなど不特定の角度から応力がかかるような各種用途において、従来より軽量な設計も可能となる。
σ≧(−12.63×E(GPa)+7500(GPa))×(N・m・deg/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)の好ましい範囲については、既に上述しているのでここでは割愛する。なお、より好ましい範囲は、
190(GPa)≦E≦550(GPa)
である。
σ≧(−12.63×E(GPa)+7500(GPa))×(N・m・deg/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa)
該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)の好ましい範囲については、既に上述しているのでここでは割愛する。なお、より好ましい範囲は、
190(GPa)≦E≦550(GPa)
である。
また、σ≧(−12.63×E(GPa)+7580(GPa))×(N・m・deg/GPa)がより好ましく、σ≧(−12.63×E(GPa)+7600(GPa))×(N・m・deg/GPa)が更に好ましい。かかるねじり強さσは高ければ高いほど好ましいが、ストランド弾性率との関係がσ=(−12.63×E(GPa)+8500(GPa))×(N・m・deg/GPa)程度もあれば、本発明の目的としては十分な場合が多い。
このような繊維強化複合材料管状体であれば、その製造方法は限定されるものではないが、例えば、上述の本発明の炭素繊維束の製造方法によって製造された炭素繊維束に熱硬化性樹脂組成物を含浸せしめることにより得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料管状体は、バイアス層とストレート層とを少なくとも各1層ずつ有することが、ねじり強さなどの機械特性の点から好ましい。
ここで、バイアス層は管状体の主軸に対する炭素繊維の方向が25〜65°の角度で配列していることが好ましく、より好ましくは、35〜55°であるのが良い。25〜65°の角度範囲から外れると、ねじり強さが低下する傾向にある。また、管状体主軸に対し炭素繊維方向が互いに軸対称をなす、2層構造のバイアス層を備えていても良い。
バイアス層の単位面積あたりの繊維重量は、好ましくは50〜200g/m2、より好ましくは70〜150g/m2であるのが良い。また、バイアス層の繊維含有率は、好ましくは65〜87重量%であり、より好ましくは70〜85重量%であるのが良い。繊維目付が50〜200g/m2の範囲を外れ、繊維含有量が65〜87重量%の範囲を外れると、軽量化を高める効果や管状体の成形性が損なわれることがある。
本発明の管状体において、ストレート層は、管状体の主軸に対する炭素繊維の方向が0〜20°の角度で配列していることが好ましく、より好ましくは0〜10°であるのが良い。0〜20°の範囲から外れると、曲げ応力に対する強度が不足することがある。
ストレート層の単位面積当たりの繊維重量は、好ましくは50〜200g/m2、より好ましくは70〜150g/m2であるのが良い。
また、バイアス層の繊維含有率は、好ましくは65〜87重量%であり、より好ましくは70〜80重量%であるのが良い。繊維目付が50〜200g/m2の範囲を外れ、繊維含有量が65〜87重量%の範囲を外れると、軽量化を高める効果や管状体の成形性が損なわれることがある。
本発明の管状体において、ストレート層の少なくとも1層は、バイアス層の外周側に配することが好ましい。ストレート層が、バイアス層の内側のみに配されていると、管状体のねじり強さが損なわれることがある。
本発明の管状体を得る方法としては、例えば、前記した式(1)を満たす炭素繊維、特に前記本発明の炭素繊維束の製造方法で得られた炭素繊維を含むとよい。つまり、圧縮強度と弾性率とが特定の関係(結晶サイズが小さい特定の領域)にある炭素繊維束を用いることによって、ねじり応力が加わった場合、繊維方向の圧縮破壊が抑制され、捻り強さが高められるものと推定される。
この場合、前記した式(1)を満たす炭素繊維が含まれる層は、バイアス層、ストレート層、その他の層のいずれに含まれていてもよいが、少量でもねじり強さ向上の効果が大きいという点では、バイアス層に含まれているとよい。より好ましくはストレート層とバイアス層の両者の強化繊維が前記した式(1)を満たす炭素繊維であるとよい。
本発明の管状体では、上述したバイアス層及びストレート層の他、様々な方向の炭素繊維を含む層を配することによって、管状体に多様な性能を具備させることができる。例えば、側方からの押し潰し力(圧壊力)に抗する耐力を具備させるために、管状体の主軸に対し炭素繊維方向が75〜90°となるフープ層を、例えば、バイアス層とストレート層との間に配することができる。
本発明による管状体は、プリプレグを介する場合は、所定の形状に切り出したプリプレグを芯金(マンドレル)に巻き付けた後、更にラッピングテープを巻き付け、硬化炉等で加熱して成形した後、脱芯してラッピングテープを除去して管状体を得るシートワインド法が適用できる。
本方法は、炭素繊維の配向や炭素繊維の含有率の調整が容易であり、多様な特性の管状体を設計できること、材料の表面が平滑であり、高品位の管状体が得られること等、他の成形法にない特長がある。
ここに、熱及び圧力を付与する成形法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、内圧成形法等を用いることができる。
本発明の管状体は、軽量でねじり強さに優れることから、ゴルフクラブやバドミントンラケットのシャフトとして、特に好ましく用いられる。
本発明による管状体をゴルフクラブシャフトに適応する場合、シャフトのねじり破壊が、ヘッド側の先端より長手方向500mmまでの領域に生じることが多いことから、この領域に、いわゆる補強層を配することによって、管状体に様々な性能を発現させることができる。ここでの補強層は、管状体の主軸に対する炭素繊維の方向が、好ましくは0〜65°であり、より好ましくは0〜50°である。
本発明による管状体をゴルフシャフトに使用すると、ゴルフクラブシャフトが、その全体重量が20〜65g、好ましくは20〜50gの軽量品種であっても、ねじり強さを充分に発現できるようになる。
更に、本発明による管状体は、SGねじり強さが800〜3000N・m・度、トルクが2〜7°、フレックスが40〜90mmであると、軽量性能と耐曲げ応力、ねじり強さの各物性のバランスがとれたゴルフクラブシャフトが得られるようになり好ましい。全体が20g未満であると、シャフトに十分なSGねじり強さ、トルク及びフレックスが得られないことがあり、シャフト折損の可能性が高まることがある。一方、全体重量が65gを超えると、SGねじり強さ、トルク及びフレックスの各物性値のバランス制御の抑制は容易となるが、重量がかさみ、軽量性能が損なわれることがある。
以下、実施例によって、本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例によって本発明が制限されることはない。
本実施例において、炭素繊維の各種特性、繊維強化複合材料の圧縮強度および繊維強化複合材料管状体のねじり強さは下記方法により測定した。
(1)炭素繊維束のストランド引張強度およびストランド弾性率
JIS R7601(1986)に記載の方法に準じて、次の組成の樹脂を炭素繊維束に含浸し、130℃、35分の条件で加熱硬化させ、引張試験片を作製し、引張強度、引張弾性率を測定した。
<樹脂組成>
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート(ERL−4221、ユニオンカーバイド社製)
100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ株式会社製) 3重量部
・アセトン(和光純薬工業株式会社製) 4重量部
(2)炭素網面(002)面の結晶サイズLcおよび結晶配向度
X線回折法にて下記条件にて測定する002回折線より求めた。本実施例ではX線回折装置として(株)理学電機社製、4036A型(管球)を使用して、透過法により測定した。
A.測定試料の作製
被測定炭素繊維から、長さ4cmの試験片を切り出し、金型とコロジオン・アルコール溶液を用いて固め、角柱形状とし測定試料とした。
B.構成
X線源:CuKα(Niフィルター使用)
出力 :40kV、20mA
ゴニオメーター:(株)理学電機社製
スリット:2mmφ−1°−1°
検出器:シンチレーションカウンター
計数記録装置:(株)理学電機社製 RAD−C型
C.測定条件
2θ/θ:ステップスキャン(赤道線方向、子午線方向)
測定範囲:2θ=5〜90°
サンプリング:0.05°
積算時間:2秒
D.結晶サイズLcの測定
上述した透過法の2θ/θスキャンで得られた面指数(002)のピークの半値幅から、次のScherrerの式を用いて計算して求めた。
(1)炭素繊維束のストランド引張強度およびストランド弾性率
JIS R7601(1986)に記載の方法に準じて、次の組成の樹脂を炭素繊維束に含浸し、130℃、35分の条件で加熱硬化させ、引張試験片を作製し、引張強度、引張弾性率を測定した。
<樹脂組成>
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート(ERL−4221、ユニオンカーバイド社製)
100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ株式会社製) 3重量部
・アセトン(和光純薬工業株式会社製) 4重量部
(2)炭素網面(002)面の結晶サイズLcおよび結晶配向度
X線回折法にて下記条件にて測定する002回折線より求めた。本実施例ではX線回折装置として(株)理学電機社製、4036A型(管球)を使用して、透過法により測定した。
A.測定試料の作製
被測定炭素繊維から、長さ4cmの試験片を切り出し、金型とコロジオン・アルコール溶液を用いて固め、角柱形状とし測定試料とした。
B.構成
X線源:CuKα(Niフィルター使用)
出力 :40kV、20mA
ゴニオメーター:(株)理学電機社製
スリット:2mmφ−1°−1°
検出器:シンチレーションカウンター
計数記録装置:(株)理学電機社製 RAD−C型
C.測定条件
2θ/θ:ステップスキャン(赤道線方向、子午線方向)
測定範囲:2θ=5〜90°
サンプリング:0.05°
積算時間:2秒
D.結晶サイズLcの測定
上述した透過法の2θ/θスキャンで得られた面指数(002)のピークの半値幅から、次のScherrerの式を用いて計算して求めた。
Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB
但し、
Lc(hkl):微結晶(hkl)面に垂直な方向の平均の大きさ
K:1.0、λ0.15418nm(X線の波長)
β0:(βE 2−β1 2)1/2
βE:見かけの半値幅(測定値)、β1:1.046×10-2rad
θB:Braggの回析角
E.結晶配向度(π002)の測定
上述した透過法を用い結晶ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅から次式を用いて計算して求めた。
但し、
Lc(hkl):微結晶(hkl)面に垂直な方向の平均の大きさ
K:1.0、λ0.15418nm(X線の波長)
β0:(βE 2−β1 2)1/2
βE:見かけの半値幅(測定値)、β1:1.046×10-2rad
θB:Braggの回析角
E.結晶配向度(π002)の測定
上述した透過法を用い結晶ピークを円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅から次式を用いて計算して求めた。
π=(180−H)/180
但し、
H:見かけの半値幅(deg)
(3)プリプレグの作製
次に示す原料樹脂を混合し、30分攪拌して樹脂組成物を得た。
但し、
H:見かけの半値幅(deg)
(3)プリプレグの作製
次に示す原料樹脂を混合し、30分攪拌して樹脂組成物を得た。
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂(エピコート(登録商標)1001、ジャパン エポキシ レジン(株)製) 30重量%
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂(エピコ−ト828、ジャパン エポキシ レジン(株)製) 30重量%
・フェノールノボラックポリグリシジルエーテル樹脂(エピクロン(登録商標)−N740、大日本インキ化学工業(株)製) 27重量%
・ポリビニルホルマール樹脂(ビニレック(登録商標)K、チッソ(株)製) 5重量%
・ジシアンジアミド(DICY7、ジャパン エポキシ レジン(株)製) 4重量%
・3,4ジクロロフェノール−1ジメチルウレア(DCMU−99、保土ヶ谷化学(株)製、硬化剤) 4重量%
次に、前記樹脂組成物をリバースロールコーターを用いてシリコーンを塗布した離型紙上にコーティングし、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、100℃に加熱した金属ロールで挟み、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させた。
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂(エピコ−ト828、ジャパン エポキシ レジン(株)製) 30重量%
・フェノールノボラックポリグリシジルエーテル樹脂(エピクロン(登録商標)−N740、大日本インキ化学工業(株)製) 27重量%
・ポリビニルホルマール樹脂(ビニレック(登録商標)K、チッソ(株)製) 5重量%
・ジシアンジアミド(DICY7、ジャパン エポキシ レジン(株)製) 4重量%
・3,4ジクロロフェノール−1ジメチルウレア(DCMU−99、保土ヶ谷化学(株)製、硬化剤) 4重量%
次に、前記樹脂組成物をリバースロールコーターを用いてシリコーンを塗布した離型紙上にコーティングし、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、100℃に加熱した金属ロールで挟み、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させた。
含浸後、片側の離型紙をプリプレグからはぎ取り、はぎ取られた側の面にポリエチレンフィルムを貼り付け、一方の側に離型紙、もう一方の側にポリエチレンフィルムを配した状態で巻き取ることにより、一方向プリプレグを作製した。ここでプリプレグの繊維目付は炭素繊維束の本数で変化させた。
(4)繊維強化複合材料の圧縮強度
上記プリプレグを繊維方向を一方向に引き揃えて積層し、温度130℃、加圧0.3MPaで、2時間硬化させ、厚さが1mmの積層板(繊維強化複合材料)を成形した。
(4)繊維強化複合材料の圧縮強度
上記プリプレグを繊維方向を一方向に引き揃えて積層し、温度130℃、加圧0.3MPaで、2時間硬化させ、厚さが1mmの積層板(繊維強化複合材料)を成形した。
かかる積層板から、被破壊部分が中心になるように、厚さ1±0.1mm、幅12.7±0.13mm、長さ80±0.013mm、ゲージ部の長さ5±0.13mmの試験片を切り出した。尚、試験片の両端(各37.5mmづつ)は補強板を接着剤等で固着させてゲージ部長さ5±0.13mmとした。
ASTM D695に準拠し、歪み速度1.27mm/分の条件で、試験数n=6について測定し、得られた圧縮強度を繊維体積分率60%に換算して、その平均値を繊維強化複合材料の圧縮強度とした。
(5)繊維強化複合材料管状体のねじり強さ
A.管状体の製造方法
次の操作により、管状体の主軸に対して[0°3/±45°3]の積層構成を有し、内径が10mmの管状体を作製した。
(5)繊維強化複合材料管状体のねじり強さ
A.管状体の製造方法
次の操作により、管状体の主軸に対して[0°3/±45°3]の積層構成を有し、内径が10mmの管状体を作製した。
芯金(マンドレル)には直径10mm、長さ1000mmのステンレス製丸棒を使用した。各実施例、比較例に示す一方向プリプレグシートを用いて、バイアス層として、炭素繊維の方向がマンドレル主軸に対して45°になるように、縦800mm×横103mmの長方形に2枚切り出した。この2枚を繊維方向が互いに交差するように、かつ横方向に16mm(マンドレル半周分に対応)ずらして貼り合わせた。次に、貼り合わせたプリプレグを、外径10mm、長さ1000mmの、離型処理したステンレス製マンドレルに、2枚のプリプレグシートを貼り合わせたプリプレグの縦方向とマンドレル主軸が一致するように巻き付けた。更に、その上に、ストレート層として各実施例、比較例に示す一方向プリプレグシートをプリプレグの縦方向になるように、縦800mm×横112mmの長方形に切り出した一方向プリプレグシートをプリプレグの縦方向とマンドレル軸方向が一致するよう巻き付けた。
次に、シートワインド成形用のラッピングテープ(熱収縮フィルムテープ)を所定の方法で巻き付けた後、硬化炉中で130℃、2時間加熱成形した。その後、マンドレルを脱芯(抜き取り)し、ラッピングテープを除去して管状体を得た。
B.ねじり強さの測定
内径10mmの管状体から長さ400mmの試験片を切り出し、「ゴルフクラブシャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)記載の方法に準拠し、ねじり試験を行った。なお、試験片ゲージ長は300mmとし、試験片両端の50mmを固定治具で把持した。
SGねじり強さは、測定により得られた破壊トルクとねじれ角から次式により計算した。
SGねじり強さ(N・m・度)=破壊トルク(N・m)×破壊時のねじれ角(度)
なお、測定数はn=6とし、平均値をSGねじり強さとした。
内径10mmの管状体から長さ400mmの試験片を切り出し、「ゴルフクラブシャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)記載の方法に準拠し、ねじり試験を行った。なお、試験片ゲージ長は300mmとし、試験片両端の50mmを固定治具で把持した。
SGねじり強さは、測定により得られた破壊トルクとねじれ角から次式により計算した。
SGねじり強さ(N・m・度)=破壊トルク(N・m)×破壊時のねじれ角(度)
なお、測定数はn=6とし、平均値をSGねじり強さとした。
次に、各実施例、比較例について説明する。なお、各実施例で採用した炭素繊維の耐炎化処理工程条件、前炭化処理工程の延伸倍率、炭化処理工程温度、得られた炭素繊維束の引張弾性率E、結晶サイズLc、配向度π002は表1に、繊維強化複合材料の0°圧縮強度及び繊維強化複合材料管状体のねじり強さは表2にまとめて示す。
実施例1〜5
アクリロニトリル99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により0.8dtex、フィラメント数3000のアクリル系前駆体繊維束を得た。
アクリロニトリル99.4モル%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸方法により0.8dtex、フィラメント数3000のアクリル系前駆体繊維束を得た。
かかるアクリル系前駆体繊維束を4本合糸して得た単繊維数12000本の前駆体繊維束を空気雰囲気中、最高温度280℃、平均温度250℃とし、表1に示す240t/Tの条件で耐炎化処理を行った。続いて、窒素雰囲気中、最高温度を700℃で前炭化処理を行った。延伸倍率は表1に示す通りとした。かかる前炭化処理に続いて、窒素雰囲気中、最高温度2500℃で炭化処理を行い、炭素繊維を得た。
かかる炭素繊維を用いて前記方法で一方向プリプレグシート(繊維目付:116g/m2、繊維含有率:76重量%)および繊維強化複合材料を作製した。また、実施例3については、かかる一方向プリプレグシートをバイアス層、ストレート層として用い、前記方法により管状体を作製した。
比較例1〜2
耐炎化処理条件のうち、240t/Tをを表1に示すように変更した以外は実施例1〜5と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料の作製を試みた。を得た。その結果、比較例2では、前炭化処理で毛羽が多発し、品位の良好な炭素繊維が得られなかった。
耐炎化処理条件のうち、240t/Tをを表1に示すように変更した以外は実施例1〜5と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料の作製を試みた。を得た。その結果、比較例2では、前炭化処理で毛羽が多発し、品位の良好な炭素繊維が得られなかった。
比較例1については、実施例3と同様の方法で管状体を作製した。
実施例1〜5及び比較例1〜2の対比により、本発明による炭素繊維束、繊維強化複合材料、及び繊維強化複合材料管状体は、優れた物性を有することが判る。
実施例6
耐炎化処理条件のうち、延伸倍率を表1に示すように変更した以外は実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシートおよび繊維強化複合材料を作製した。
耐炎化処理条件のうち、延伸倍率を表1に示すように変更した以外は実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシートおよび繊維強化複合材料を作製した。
比較例3
耐炎化処理条件のうち、240t/Tを表1に示すように変更した以外は、実施例6と同様の方法で炭素繊維束の作製を試みた。その結果、耐炎化処理工程の延伸倍率が高いため、前炭化処理で毛羽が多発した。
耐炎化処理条件のうち、240t/Tを表1に示すように変更した以外は、実施例6と同様の方法で炭素繊維束の作製を試みた。その結果、耐炎化処理工程の延伸倍率が高いため、前炭化処理で毛羽が多発した。
実施例6と比較例の対比により、本発明の炭素繊維束の製法は、前炭化処理工程での高倍率延伸に対応可能という優れた特性を有することが判る。
実施例7〜12
耐炎化処理条件のうち、延伸倍率を表1に示すように変更した以外は、実施例3及び6と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料を作製した。
耐炎化処理条件のうち、延伸倍率を表1に示すように変更した以外は、実施例3及び6と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料物性は、延伸倍率を高くする程、より良好になることが判る。
実施例13〜18
前炭化処理工程の延伸倍率を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料を作製した。
前炭化処理工程の延伸倍率を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、及び繊維強化複合材料を作製した。
繊維強化複合材料物性は、延伸倍率を高くする程、より良好になることが判る。
実施例19〜20
炭化処理工程の最高温度を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、繊維強化複合材料、及び管状体を作製した。
炭化処理工程の最高温度を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、繊維強化複合材料、及び管状体を作製した。
比較例4〜5
耐炎化処理条件のうち、240t/Tを表1に示すように変更した以外は、実施例19〜20、及び比較例1と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、繊維強化複合材料、及び管状体を作製した。
耐炎化処理条件のうち、240t/Tを表1に示すように変更した以外は、実施例19〜20、及び比較例1と同様の方法で炭素繊維束、プリプレグシート、繊維強化複合材料、及び管状体を作製した。
実施例19〜20及び比較例4〜5の対比により、本発明によれば、炭素繊維の引張弾性率がより高く発現する高い炭化温度条件で炭素繊維を作製しても、良好な繊維強化複合材料物性と管状体物性を示すことが判る。
以上、表1に示すように、本発明の炭素繊維束の製造方法によれば、優れた炭素繊維特性を有するものである。また、表2に示すように、本発明のプリプレグは、従来のプリプレグに比べて優れた機械特性を有するものである。また、本発明の繊維強化複合材料は、ASTM D695により求められた0°圧縮強度に優れるものである。さらに、本発明の繊維強化複合材料管状体は、従来の管状体に比べ、ねじり強さに優れ、ゴルフシャフトなどの用途に好適である。
Claims (14)
- 耐炎化処理工程と炭化処理工程とを有する炭素繊維束の製造方法であって、該耐炎化処理工程における耐炎化処理平均温度T(℃)と滞留時間t(分)が下記式を満たし、かつTが200〜400℃の範囲である、炭素繊維束の製造方法。
80(分/℃)≦240t/T≦160(分/℃) - 耐炎化処理工程における延伸倍率が0.8〜1.5である請求項1記載の炭素繊維束の製造方法。
- 耐炎化処理工程と炭化処理工程との間に、前炭化処理工程を有し、かつ該前炭化処理工程における延伸倍率が1〜2である請求項1または2に記載の炭素繊維束の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造される炭素繊維束。
- 請求項4記載の炭素繊維束と熱硬化性樹脂組成物とからなるプリプレグ。
- 請求項4記載の炭素繊維束に熱硬化性樹脂組成物を含浸せしめるプリプレグの製造方法。
- 請求項4記載の炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料。
- 請求項5記載のプリプレグを硬化せしめて得られる繊維強化複合材料。
- 請求項7または8記載の繊維強化複合材料を少なくとも1層含む繊維強化複合材料管状体。
- 炭素繊維束と樹脂組成物とからなるプリプレグであって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)と、該プリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料のASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向プリプレグ。
C≧(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa) - 炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とASTM D695により求められる0°圧縮強度C(MPa)とが下記式を満たす一方向繊維強化複合材料。
C≧−(−3.03×E(GPa)+2450(GPa))×(MPa/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa) - 炭素繊維束と樹脂硬化物とからなる繊維強化複合材料管状体であって、該炭素繊維束のストランド引張弾性率E(GPa)とねじり強さσ(N・m・deg)とが下記式を満たす繊維強化複合材料管状体。
σ≧(−12.63×E(GPa)+7500(GPa))×(N・m・deg/GPa)
ただし、150(GPa)≦E≦580(GPa) - バイアス層とストレート層とを少なくとも各1層ずつ有する請求項12記載の繊維強化複合材料管状体。
- 請求項12または13記載の繊維強化複合材料管状体が使用されてなるゴルフシャフト。
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JP2004108783A JP2005290627A (ja) | 2004-04-01 | 2004-04-01 | 炭素繊維束およびその製造方法 |
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JP2019151956A (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | 東レ株式会社 | 炭素繊維束および炭素繊維ならびに炭素繊維束の製造方法 |
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