JP2003145632A - スポーツ製品用管状体 - Google Patents

スポーツ製品用管状体

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JP2003145632A
JP2003145632A JP2002175334A JP2002175334A JP2003145632A JP 2003145632 A JP2003145632 A JP 2003145632A JP 2002175334 A JP2002175334 A JP 2002175334A JP 2002175334 A JP2002175334 A JP 2002175334A JP 2003145632 A JP2003145632 A JP 2003145632A
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Japan
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carbon fiber
fiber
tubular body
strength
preferable
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JP2002175334A
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English (en)
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Katsunori Konishi
克典 小西
Taku Kobayashi
卓 小林
Takahiro Ito
隆弘 伊藤
Shunsaku Noda
俊作 野田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コストパフォーマンスに優れ、耐熱性などを犠
牲にすることなく、剛性、ねじり強さ、押し潰し強さ
等、各種強度特性及び耐衝撃性に優れたスポーツ製品用
管状体を提供する。 【解決手段】剛体振り子の自由減衰振動法により測定さ
れる振り子の振動周期差Tが、下記式(1)及び(2)
を満足するシリコーン油剤を付与した炭素繊維用アクリ
ル系プリカーサーを焼成して得られた、引張弾性率YM
(GPa)及び窒素含有量NC(%)が下記式(3)及
び(4)を満たす炭素繊維を用いてなるスポーツ製品用
管状体。 0.03≦T≦0.4 …(1) T=T30−T180 …(2) T30:30℃における振動周期(秒) T180:180℃で10分間熱処理後の振動周期(秒) NC≧−30.102×LOG(YM)+77.785 …(3) 200≦YM≦340 …(4)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コストパフォーマ
ンスに優れ、剛性及び樹脂との接着性に優れた炭素繊維
を用いてなるスポーツ製品用管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は他の補強用繊維に比べて高い
比強度及び比弾性率を有するため、その優れた機械的特
性を利用して複合材料用補強繊維として工業的に広く利
用されている。
【0003】近年、炭素繊維強化複合材料の優位性はま
すます高まり、特にスポーツ用途においては、この炭素
繊維強化複合材料に対する高性能化要求が強い。
【0004】繊維強化複合材料の高性能化要求に対し、
特開平9−25393号公報や、WO98/44017
号公報に開示されるようにマトリックス樹脂の改良が検
討されてきた。しかしながら、樹脂の改質では、例えば
耐熱性や中間基材の取り扱い性が犠牲になる場合があっ
た。また引張弾性率など繊維強化複合材料としての特性
は炭素繊維そのものの性能に起因するところが大きく、
炭素繊維自体への高性能化も求められてきた。炭素繊維
に要求される性能は、引張強度、引張弾性率、圧縮強度
など繊維方向の特性と、層間せん断強度(ILSS)に
代表される硬化した際のマトリックス樹脂との接着性
(以下、接着性と略す)など非繊維方向の特性に大別さ
れる。スポーツ分野では、繊維強化複合材料は管状体形
状で用いられることが多く、管状体の軸方向への圧縮、
引張、周方向の押し潰し、ねじりなど様々な外力に対し
て十分な強度を有することが求められている。勿論、管
状体として必要な剛性を満たすことも重要である。つま
り、かかるスポーツ製品用管状体に用いられる強化繊維
は接着性を中心に、引張弾性率、引張強度、圧縮強度が
高いレベルでバランス良く備わっていることが要求され
る。
【0005】一般に、炭素繊維の製造において、焼成温
度を上げると弾性率は上昇するが、接着性や圧縮強度は
低下するという、いわゆるトレードオフ関係があるた
め、引張弾性率、圧縮強度、接着性を同時に向上させる
ことは困難であった。かかる課題に対して、特開昭63
−211326号公報には、高い引張弾性率と高圧縮強
度を達成するために、弾性率と結晶サイズの関係、及び
ミクロボイド径を特定する技術が提案されている。しか
し、かかる技術では、圧縮強度の向上は認められるもの
の、その絶対値は1350MPaと決して高いレベルと
はいえず、また、かかる技術は、焼成温度が2000℃
を超え、結晶サイズが30オングストロームを超えるい
わゆる黒鉛化繊維に関するものであり、高い剛性は期待
できるものの、層間せん断強度(ILSS)に代表され
る接着性という点では、その高い結晶性が問題となり、
かえって低下する傾向にあった。
【0006】又、従来より、耐炎化工程及び炭化工程に
おける延伸・焼成条件を適正化する試みもなされてき
た。例えば、特開昭58−214534号公報には、プ
リカーサーに、エアー処理による開繊又は/及び加撚を
施した後、耐炎化工程において延伸しながら焼成するこ
とで、引張弾性率を向上させる技術が開示されている。
かかる製造方法は、弾性率向上には有効であるが、発明
者らが検討したところ、毛羽の発生や繊維束内での焼け
ムラ発生により得られた炭素繊維の品質の低下、拡がり
性の低下、及び生産性の低下が生じることは避けられ
ず、製造コストがかかるだけでなく炭素繊維の特性とし
ても管状体の特性を向上させるような強化繊維を見いだ
すには至っていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来の問題点を解消し、コストパフォーマンスに優れ、
耐熱性などを犠牲にすることなく、剛性、ねじり強さ、
押し潰し強さなど各種強度特性及び耐衝撃性に優れたス
ポーツ製品用管状体を提供することにある。
【0008】さらには、生産性に優れた炭素繊維を用い
て低コストなスポーツ製品用管状体を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のスポーツ製品用
管状体は、上記課題を達成するために次の構成を有す
る。すなわち、剛体振り子の自由減衰振動法により測定
される振り子の振動周期差Tが、下記式(1)及び
(2)を満足するシリコーン油剤を付与した炭素繊維用
アクリル系プリカーサーを焼成して得られた、引張弾性
率YM(GPa)及び窒素含有量NC(%)が下記式
(3)及び(4)を満たす炭素繊維を用いてなるスポー
ツ製品用管状体である。
【0010】 0.03≦T≦0.4 …(1) T=T30−T180 …(2) T30:30℃における振動周期(秒) T180:180℃で10分間熱処理後の振動周期(秒) NC≧−30.102×LOG(YM)+77.785 …(3) 200≦YM≦340 …(4)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題に対し、
意外にも管状体の強化繊維である炭素繊維の前駆体繊維
(以下、プリカーサーとする)に使用する油剤を特定の
ものとすることによりかかる課題を一挙に解決すること
をみいだしたものである。
【0012】本発明のスポーツ製品用管状体は強化繊維
として炭素繊維を含むものである。
【0013】本発明に用いる炭素繊維は、アクリル系繊
維をプリカーサーとし、シリコーン油剤をプリカーサー
表面に付与して後述の方法により、耐炎化および炭化し
たものである。
【0014】ここで、シリコーン油剤としては剛体振り
子の自由減衰振動法により測定される振り子の振動周期
差T(以下、振動周期差Tという)が、下記式(1)及
び(2)を満足するシリコーン油剤を採用する。
【0015】0.03≦T≦0.4 …(1) T=T30−T180 …(2) T30:30℃における振動周期(秒) T180:180℃で10分間熱処理後の振動周期(秒) かかる振動周期差Tは0.03以上0.4以下であるこ
とが必要で、0.05以上0.35以下であれば好まし
く、0.10以上0.30以下であればより好ましい。
振動周期差Tが上記範囲に制御されたシリコーン油剤を
採用することにより、耐炎化での焼けムラを効果的に抑
制し、従来の炭素繊維と比較して、より低い熱処理量す
なわち同一時間での処理においては、より低い炭化温度
で同等の弾性率を発現するため、引張弾性率を低下させ
ることなく、引張強度、接着性、圧縮強度を向上させる
ことが可能となる。
【0016】ここで、剛体振り子の自由減衰振動法の原
理は、例えば、色材、51(1978)、403pなど
に解説されているが、一般的なレオメーターと異なり、
開放系、薄膜の状態で粘弾性挙動を測定できる。該測定
方法により測定される振動周期は、シリコーン油剤の架
橋度に対応し、小さいほど架橋度が高いことを示す。従
って、振動周期差T(=T30-T180)は、加熱時の硬化
挙動に対応し、大きくなるほど硬化しやすい、すなわち
架橋しやすいことを示している。振動周期を上記範囲に
制御したシリコーン油剤を適用することにより、耐炎化
での焼けムラを抑制することができる理由は、必ずしも
明らかではないが、以下のように推定される。耐炎化繊
維束の焼けムラは、繊維束内への酸素の透過が阻害され
十分供給されない部分が生じることが原因であり、単繊
維間に存在するシリコーン油剤がその阻害要因の一つと
して考えられる。すなわち、シリコーン油剤が単繊維間
に入り込み、シーリング剤のようなはたらきをするので
ある。一般に、シリコーン油剤は、製糸工程の乾燥工程
直前で付与され、熱処理を受ける。この乾燥熱処理時に
架橋せず流動性を有するオイル状態を保持すると、その
後、単繊維間の空間に合わせて自由に変形できるため、
単繊維間に厚く堆積する可能性が高く、結果としてシー
リング効果が高まると考えられる。一方、速やかに硬化
し流動性が低く抑えられれば、単繊維間への堆積が防止
され、また、単繊維間の拘束も小さくなり、焼けムラが
生じにくいと考えられる。しかし、硬化が著しく進む
と、繊維間の拘束が強まり、結果として焼けムラを生じ
るものと考えられる。ここで、耐炎化における焼けムラ
とは、耐炎化繊維束を構成する各単繊維間及び各単繊維
内において、相対的に耐炎化反応の進行の程度が低い部
分が存在する状態のことをいう。耐炎化糸に焼けムラが
存在すると、続く炭化工程において、結晶の配向緩和や
毛羽の発生が生じ、最終的に得られる炭素繊維の弾性率
や強度、品質が低下するなどの不都合が生じ、本発明の
管状体で重要な剛性と樹脂と繊維の接着性に優れた繊維
強化複合材料を得ることができない場合がある。
【0017】又、本発明に用いる炭素繊維は、引張弾性
率YM(GPa)と窒素含有量NC(%)が下記式
(3)を満たすことを特徴とするものであり、好ましく
は、下記式(3’)を満たすことを特徴とするものであ
る。
【0018】 NC≧−30.102×LOG(YM)+77.785 …(3) NC≧−35.575×LOG(YM)+91.928 …(3’) (ただし、LOG:対数) 引張弾性率YM及び窒素含有量NCの測定方法は後述す
る。
【0019】窒素含有量NCは、炭素繊維が焼成工程で
受けた熱処理量と良い相関があるパラメータであり、熱
処理量が増す程、低下していく。すなわち、式(3)
は、炭素繊維が製造に当たり受けた熱処理量と、その弾
性率の関係を規定したものと言い換えることもできる。
【0020】ここで熱処理量とは、焼成工程における熱
処理温度と時間の積分を意味しており、弾性率への影響
という意味では、特に炭化炉における温度と炉内滞留時
間が重要となる。一般に、弾性率は熱処理量を増す程、
高くなる傾向にある。確かに、熱処理量を増すことによ
って、弾性率を上げることは容易ではあるが、熱処理温
度を上げることは、エネルギーコストの上昇はいうまで
もなく、結晶化を促進し、接着性や圧縮強度の低下を招
く場合があり、一方、熱処理時間を増加させることは、
生産設備の大型化もしくは生産性の低下につながり所要
コストの上昇につながる場合がある。
【0021】式(3)において、窒素含有量NC(%)
が12%を超えると、炭素繊維の結晶性が著しく低くな
り、引張強度や引張弾性率において不利となる場合があ
り、管状体として所望の強度が得られない場合がある。
【0022】また、本発明に用いる炭素繊維は式(4)
も満足する。更に、好ましくは(4’)を満足するもの
である。
【0023】 200≦YM≦340 …(4) 220≦YM≦330 …(4’) 弾性率が200GPa未満の領域では、管状体として十
分な剛性を得られず、例えばゴルフクラブ用シャフトと
して用いた場合、ボールの方向安定性が得られない等の
不都合が生じることがある。弾性率が340GPaを超
える領域では、圧縮強度及び接着性の低下が顕著とな
り、管状体に適用した場合、かえってねじり強さ等の低
下を引き起こすので好ましくない。
【0024】本発明に適用する炭素繊維は、コストパフ
ォーマンスに優れ、弾性率、圧縮強度、接着性のバラン
スに優れる点で、アクリル系プリカーサーから得られる
アクリル系炭素繊維であることが好ましい。かかる炭素
繊維としては、前記油剤を用いて得られるものであり、
かつ前記式(3)、(4)を満たすものであれば特に限
定されないが、以下に、本発明に適用する炭素繊維の製
造方法の一例を説明する。
【0025】本発明に適用する炭素繊維の製造方法とし
ては、上述のシリコーン油剤を水膨潤状態の繊維束に付
与した後、150℃以上200℃未満の温度で熱処理し
て得た炭素繊維用アクリル系プリカーサーを、200℃
以上300℃未満の酸化性雰囲気において耐炎化し、3
00℃以上800℃未満の不活性雰囲気において予備炭
化し、さらに、800℃以上1600℃以下の不活性雰
囲気において炭化することが好ましい。
【0026】本発明に用いるアクリル系プリカーサーの
成分としては、95モル%以上、より好ましくは98モ
ル%以上のアクリロニトリルと、好ましくは5モル%以
下、より好ましくは2モル%以下の、耐炎化を促進し、
かつ、アクリロニトリルと共重合性のある、耐炎化促進
成分を共重合したものを好適に使用することが好まし
い。
【0027】これら好ましい方法により製造されたアク
リル系プリカーサーを耐炎化、炭化することによって、
所望する性能を有する炭素繊維が得られる。
【0028】以下、耐炎化条件について具体的に示す。
なお、耐炎化条件としては、これに限定されるものでは
ない。
【0029】耐炎化の延伸比としては、プリカーサーが
実質的に無撚の状態で、0.85〜1.0として耐炎化
するのが好ましい。かかる延伸比は、繊維束としての焼
けムラを抑制するために、0.87〜0.95がより好
ましい。かかる延伸比が0.85未満であると、ローラ
ー巻付き等により、プロセス性が低下するので好ましく
なく、1.0を超えると繊維束内への酸素の拡散が妨げ
られ、繊維束中心部の焼けムラが顕著となることがあ
る。ここで、実質的に無撚の状態とは、プリカーサーに
1ターン/mを超える撚りが存在しない状態を意味す
る。好ましくは、撚りが0.5ターン/m以下であるこ
とが良い。プリカーサーに1ターン/mを超える撚りが
存在すると、繊維束内への酸素の拡散促進の点で不利と
なり、焼けムラが生じ易く、本発明の炭素繊維を得難く
なる場合がある。
【0030】耐炎化温度は、200℃以上300℃未満
が好ましく、それぞれの耐炎化進行度において、反応熱
の蓄熱によって糸切れが生じる温度より10〜20℃低
い温度で、耐炎化するのがコスト削減及び炭素繊維の性
能を高める観点から好ましい。耐炎化進行度は、得られ
る耐炎化繊維について炎収縮保持率によって観測するこ
とができる。かかる炎収縮保持率は、70〜90%とな
るように耐炎化するのが好ましく、より好ましくは74
〜86%、さらに好ましくは76〜84%となるように
耐炎化するのが良い。かかる炎収縮保持率(%)とは、
炎下に耐炎化繊維を置いた際に耐炎化繊維が収縮する割
合をいう。つまり、具体的には、耐炎化繊維束を約40
0mm程度採取し、試料長200mmが分かるようにク
リップなどの不燃物でマークをつけ、これを炎下に置い
た後のマーク間の長さをWb(mm)とすると以下の式
で定義される。
【0031】 炎収縮保持率(%)=(Wb/200)×100 尚、炎下に置くとは、試料の一端を固定し、もう一端に
3300dtexあたり10gの張力をかけ、マークし
た試長間をブンセンバーナーの炎によって加熱する。こ
の際、ブンセンバーナーの炎の高さは約15cmとし、
炎の上部約1/3の部分を用い、マーク間を約15秒/
20cmの速さで1往復半移動させながら加熱するもの
である。
【0032】耐炎化時間は、生産性及び炭素繊維の性能
を高める観点から、10〜100分間が好ましく、より
好ましくは30〜60分間が良い。この耐炎化時間と
は、プリカーサーが耐炎化炉内に滞留している全時間を
いう。この時間が短かすぎると、焼けムラが顕著にな
り、得られる炭素繊維の性能が低下し、ひいては本発明
の管状体の性能が低下する場合がある。
【0033】また、本発明に好適に用いる炭素繊維とし
ては、その前駆体である耐炎化繊維のギ酸への溶解度
(以下、ギ酸溶解度という)が0.05〜5%となるよ
うにすることが好ましく、より好ましくは0.08〜3
%、さらに好ましくは0.1〜1%となるようにするの
が良い。このようにギ酸溶解度を指標とすることによ
り、特に炭化工程における熱処理量を節減しながら、高
い弾性率を発現する本発明に用いるのに好適な炭素繊維
が得られるのである。前記ギ酸溶解度については、その
値が低い程、好ましいが、その下限は、通常0.05%
程度である。また、ギ酸溶解度が5%を超えると、本発
明の効果が低下する傾向がある。ここでギ酸への溶解度
とは乾燥した耐炎化繊維束の重量をGp(g)とし、ギ
酸中に100分放置し、洗浄・乾燥した後の耐炎化繊維
束の重量をGl(g)とすると ギ酸溶解度(%)={(Gp−Gl)/Gp}×100 で表される。具体的には耐炎化繊維約2.5gを熱風オ
ーブンなどを用い120℃で2時間乾燥した後、その重
量を精秤しGp(g)とする。200ccのビーカーに
該サンプルを入れ、純度90〜100%のギ酸を100
cc注ぎ、そのまま室温で100分放置しギ酸処理す
る。処理後、該サンプルを取り出し、流水中で1時間、
90℃の温水中で2時間洗浄する。続いて、前記同様1
20℃で2時間の乾燥した後、その重量を精秤しGl
(g)とすることで求められる。
【0034】本発明の効果を得るために、すなわち、特
に炭化工程における熱処理量を節減しながら、高い弾性
率を発現する炭素繊維を得ることによって、非繊維方向
の強度に優れかつ剛性にも優れる管状体が得られること
に対して、前記ギ酸溶解度が指標となる理由は、必ずし
も明確でないが、次のように推定される。一般に、アク
リル系プリカーサーの耐炎化反応は、環化反応とそれに
続く酸化反応に分けられる。酸化反応の十分進んでいな
い部分は耐熱性が低く、続く炭化工程において配向緩和
し易いため、結果としてその部分の弾性率は低いものと
なってしまう。本発明者らが検討したところ、かかる酸
化反応を律している要因は酸素の拡散であり、各単繊維
の中心部及び繊維束の中心部に至る程、酸化の程度が不
足し、弾性率が低下していることが判った。耐炎化繊維
束をギ酸中に浸漬したときに、かかる酸化反応が十分に
進行していない部分が溶出するものと考えられる。した
がって、各単繊維及び繊維束全体として、ギ酸溶解度が
特定値となるよう耐炎化することによって、焼けムラを
抑制でき、本発明の炭素繊維が得られるようになると考
えられる。従来、各単繊維の中心部において酸化の程度
が不足していると考えられる部分は、光学顕微鏡による
観察により認められていたが、この方法では、かかる部
分が存在するか否かについては判定できるものの、定量
的に把握するに至らず、また、繊維束全体として把握す
ることもできなかった。
【0035】アクリル系プリカーサーの焼けムラを抑制
し、ギ酸溶解度を前記範囲となるようにするために、単
繊維及び繊維束全体を対象として、多様な手段を講じる
ことができる。具体的には、単繊維の焼けムラを抑制す
る手段としては、前記振動周期差Tが特定の範囲に制御
されたシリコーン油剤を採用することである。
【0036】さらに、本発明に用いる炭素繊維を製造す
るに際し、前記シリコーン油剤は、耐熱性が高いことが
焼成工程での融着防止の観点からも好ましい。耐熱性の
指標としては、後述する方法で測定される加熱残存率R
が、40〜90%であるのが好ましく、50〜85%で
あるのがより好ましく、60〜80%であるのがさらに
好ましい。40%を下回ると本発明の効果が得にくくな
る上に、融着により得られる炭素繊維の強度低下が生
じ、管状体の強度低下につながる場合がある。90%を
上回ると、繊維強化複合材料として用いたときの炭素繊
維とマトリックス樹脂との接着強度が低下することがあ
る。
【0037】前記シリコーン油剤に用いるシリコーン
は、振動周期差Tが前記した範囲を満足すれば、特に限
定されないが、以下のような態様が好ましく採用され
る。例えば、ポリジメチルシロキサンを基本構造とし、
メチル基の一部が変性されたものが好ましく用いられ
る。該変性基としては、アミノ基、エポキシ基、アルキ
レンオキサイド基などが好ましく、さらに加熱により架
橋反応を生じるものが好ましく使用される。複数の変性
基を有するシリコーンでもよく、また、異なる変性基を
もつシリコーンを混合して用いてもよい。アクリル系プ
リカーサーへの均一付与性の観点から、アミノ変性シリ
コーンを使用するのが好ましく、さらに耐熱性の観点か
ら、アミノ変性シリコーンとエポキシ変性シリコーンを
使用するのがより好ましい。
【0038】また、水系のエマルジョンの場合には、乳
化安定性の観点から、アルキレンオキサイド変性シリコ
ーンを使用するのが好ましいが、その際には、25℃に
おける粘度が20〜1000cStが好ましく、50〜
800cStがより好ましく、100〜500cStが
さらに好ましい。また、その割合は、全てのシリコーン
系化合物100重量部に対して0.5〜10重量部とす
るのが好ましく、1〜7重量部とするのがより好まし
く、1.5〜5重量部とするのがさらに好ましい。10
重量部を超えると、他のシリコーンの架橋反応を遅延し
本発明の効果を得にくくなったり、耐熱性が低下するこ
とがある。また、0.5重量部を下回ると、乳化安定性
向上効果が顕著に得られないことがある。
【0039】アミノ変性シリコーンを使用する場合、変
性基はモノアミンタイプでもポリアミンタイプでもよ
い。アミノ基は架橋反応の起点となると考えられ、変性
量が高いほど架橋反応が促進されるが、ガムアップ量が
増加することもあるため、その変性量は、末端アミノ基
量を−NH2の重量に換算して、0.05〜10重量%
が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。また、
アミノ変性シリコーンの25℃における粘度は、低いほ
ど反応性が高くなり架橋反応が促進されるが、耐熱性の
観点からは高いほうが好ましいため500〜10000
cStが好ましく、700〜7000cStがより好ま
しく、1000〜4000cStがさらに好ましい。
【0040】エポキシ変性シリコーンを使用する場合、
エポキシ変性基は、脂環式でもグリシジル型でもよい
が、長期安定性の観点から脂環式が好ましい。エポキシ
基はアミノ基と架橋反応を生じるため、変性量は、前述
したアミノ基変性量と同等とするのがよく、0.05〜
10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好まし
い。また、エポキシ変性シリコーンの25℃における粘
度は、耐熱性の観点からは高いほうがよいため、100
0〜30000cStが好ましく、5000〜2000
0cStがより好ましく、8000〜15000cSt
がさらに好ましい。また、アミノ変性シリコーンとエポ
キシ変性シリコーンの割合は、アミノ変性シリコーン量
が多いほど架橋反応が促進されるが、耐熱性が低下する
ため、アミノ変性シリコーン100重量部に対して、エ
ポキシ変性シリコーンは10〜80重量部が好ましく、
20〜70重量部がより好ましく、30〜60重量部が
さらに好ましい。
【0041】このような手段により、耐炎化工程におけ
る焼けムラを抑制した後、続く炭化工程で炭化して炭素
繊維とする。
【0042】炭化工程では、不活性雰囲気中、300℃
以上800℃未満で予備炭化し、さらに不活性雰囲気
中、800℃以上1600℃以下で炭化することが好ま
しい。後者の炭化温度は、1100℃以上が良く、好ま
しくは1200℃以上が良い。炭化温度が800℃未満
では、得られる炭素繊維に含まれる水分率が高くなる場
合があり、炭素繊維の弾性率が低下し、管状体の剛性が
低下するばかりか、ボイドが発生する場合がある。ま
た、炭化の温度は1600℃を上限値とするのが好まし
く、より好ましくは1500℃を上限値とするのが良
い。1600℃を超えると、繊維内において結晶の成長
が顕著となり、接着性が低下する傾向がある。
【0043】予備炭化工程における延伸比としては、
0.94〜1.50が好ましく、より好ましくは0.9
6〜1.30、さらに好ましくは0.98〜1.10が
良い。かかる延伸比は高い程、弾性率発現の点で有利で
あるが、1.5を超えるとプロセス性の低下が顕著とな
る場合がある。従来、大きな収縮が生じる予備炭化にお
いて延伸比を上昇させると、特に1を超えたとき、毛羽
発生、糸切れにより著しくプロセス性が低下する問題が
あった。しかし、前記したように、炭素繊維用アクリル
系プリカーサに特定のシリコーン油剤を付与し、ギ酸溶
解度を適正化することで、安定した予備炭化が可能とな
った。その結果、炭素繊維のコストを下げることによ
り、スポーツ製品用管状体としてもコストを下げること
が可能となった。
【0044】炭化工程における昇温速度及び処理時間に
ついては、所望する炭素繊維の性能と所要コストを勘案
の上、適宜選択できる。特に、1000〜1200℃/
分の、通常採用する昇温速度を、1000℃/分以下に
することが好ましく、500℃/分以下がより好まし
い。また、炭化の処理時間は、炭化の程度が問題となら
ない範囲で、できるだけ短くするのが、コスト削減の観
点から好ましい。
【0045】このようにして得られた炭素繊維に、さら
に表面処理することにより、接着性をより高めることが
可能である。
【0046】表面処理方法としては、気相、液相処理を
採用できるが、生産性、品質バラツキを考慮すると、液
相処理における電解処理が好ましく採用できる。
【0047】電解処理に用いられる電解液としては、硫
酸、硝酸、塩酸などの酸性溶液、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
といったアルカリ又はそれらの塩を水溶液として使用で
きるが、好ましくはアンモニウムイオンを含む水溶液が
良い。具体的には、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、過硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アン
モニウム、燐酸2水素アンモニウム、燐酸水素2アンモ
ニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、又
は、それらの混合物を含む水溶液を用いることができ
る。
【0048】電解処理に要する電気量は、適用する炭素
繊維により異なり、例えば、炭化度の高い炭素繊維であ
る程、大きな電気量が必要となる。表面処理量として
は、X線光電子分光法(ESCA)により測定される炭
素繊維の表面酸素濃度O/C及び表面窒素濃度N/C
が、それぞれ0.05〜0.40、及び、0.02〜
0.30となるように処理するのが良い。
【0049】これら条件の適用により、繊維強化複合材
料において炭素繊維と樹脂硬化物との接着性を適正化で
きるため、接着性が強すぎて非常にブリトルな破壊とな
り、繊維強化複合材料の繊維方向における引張強度が低
下するといった問題や、繊維方向における引張強度は高
いものの、接着性に劣るために非繊維方向における機械
的特性が発現しないといった問題が解消され、繊維及び
非繊維方向にバランスのとれた繊維強化複合材料特性が
発現されるようになる。
【0050】さらに必要に応じて炭素繊維にサイジング
処理がなされる。サイジング剤には、用いるマトリック
ス樹脂との相溶性の良いサイジング剤が良く、マトリッ
クス樹脂に応じて適宜選択される。
【0051】本発明のスポーツ製品用管状体は前記炭素
繊維を用いるものであれば、特に限定されないが、以
下、好ましい様態の一例について説明する。
【0052】なお、スポーツ製品用管状体としては、釣
り竿をはじめ、ゴルフシャフト、テニスラケット等が具
体例として上げられる。
【0053】本発明のスポーツ製品用管状体としては、
前記炭素繊維を含む炭素繊維強化複合材料層を少なくと
も一層以上積層してなる管状体である。特に、強化繊維
方向が一方向に引き揃えられており、管状体主軸に対し
て25゜〜65゜の角度で配列したバイアス層を少なく
とも1層以上含んでいることが好ましい。また、該バイ
アス層の外周側に積層してなる、強化繊維方向が一方向
に引き揃えられており管状体主軸に対して0゜〜20゜
の角度で配列したストレート層を少なくとも1層以上含
んでいることが好ましい。特に、本発明の管状体をゴル
フシャフトに適用する場合、ねじり剛性、ねじり強さを
適正な範囲に保ちながらシャフトの軽量化を可能とする
ため、炭素繊維がかかる角度をなして配置されることが
特に好ましい。
【0054】前記炭素繊維を含む複合材料層はいずれの
層として含まれていてもよいが、バイアス層として前記
炭素繊維を含む複合材料層を配置することで、軽量化さ
れた管状体のねじり強さを効果的に高めることが可能で
ある。又、ストレート層として前記炭素繊維を含む複合
材料層を有することは、管状体の曲げ応力に対する強度
を高める点で好ましい。バイアス層、ストレート層がい
ずれも前記炭素繊維を含む複合材料層であることは、軽
量化と管状体強度の向上を両立する点で最も好ましい。
【0055】バイアス層は、管状体の主軸に対する炭素
繊維方向が25゜〜65゜の角度で配列していることが
好ましく、更に好ましくは35゜〜55゜であるのが良
い。25゜〜65゜の角度範囲から外れると、ねじり強
さが損なわれることがある。
【0056】また、管状体主軸に対し炭素繊維方向が互
いに軸対称をなす、2層構造のバイアス層を備えても良
い。
【0057】バイアス層の1層あたりについて、繊維目
付は、好ましくは50〜200g/m2、より好ましく
は70〜150g/m2であるのが良い。また、バイア
ス層の繊維含有率は、好ましくは65〜87重量%、よ
り好ましくは70〜85重量%であるのが良い。繊維目
付が50〜200g/m2の範囲を外れたり、、繊維含
有率が65〜87重量%の範囲から外れると、軽量化を
高める効果や管状体の成形性が損なわれることがある。
かかるバイアス層は2〜8層含まれることが好ましく、
4〜6層含まれることが更に好ましい。バイアス層が2
層未満であるとねじれ剛性が不十分となることがあり、
8層を超えると軽量化を損なう場合がある。
【0058】なお、バイアス層のボイド含有率は、ねじ
り強さを維持する観点から、好ましくは5体積%未満、
より好ましくは3体積%未満、さらに好ましくは1体積
%未満であるのが良い。
【0059】ストレート層は、管状体の主軸に対する炭
素繊維方向が0゜〜20゜の角度で配列していることが
好ましく、更に好ましくは0゜〜10゜であるのが良
い。0゜〜20゜の範囲から外れると、曲げ応力に対す
る強度が不足することがある。
【0060】ストレート層の1層あたりについて、繊維
目付は、好ましくは50〜200g/m2、より好まし
くは70〜150g/m2であるのが良い。また、スト
レート層の繊維含有率は、好ましくは65〜87重量
%、より好ましくは70〜80重量%であるのが良い。
繊維目付や繊維含有率がかかる範囲を外れると、軽量化
を高める効果や管状体の成形性が損なわれることがあ
る。かかるストレート層は1〜6層含まれる好ましく、
2〜4層含まれることが更に好ましい。ストレート層が
含まれないと曲げ応力に対する強度が不足することがあ
り、6層を超えると軽量化を損なう場合がある。
【0061】なお、ストレート層のボイド含有率は、管
状体に加わる曲げ、衝撃、押し潰し(圧壊)の力に対す
る耐力を高める観点から、好ましくは5体積%未満、よ
り好ましくは3体積%未満、さらに好ましくは1体積%
未満であるのが良い。
【0062】本発明の管状体において、ストレート層の
少なくとも一層は、バイアス層の外周側に配することが
好ましい。ストレート層が、バイアス層の内周側のみに
配されていると、管状体のねじり強さが損なわれること
がある。
【0063】本発明の管状体では、前記バイアス層に含
まれる炭素繊維はストレート層に含まれる炭素繊維に比
べて、同等以上の弾性率を有する炭素繊維であることが
好ましい。かかる構成とすることで、強度と剛性のバラ
ンスをとることができる。
【0064】本発明の管状体では、上述したバイアス
層、ストレート層の他、様々な方向の強化繊維を含む層
を配することによって、管状体に多様な性能を具備させ
ることができる。
【0065】本発明の管状体は内径が2mm以上10m
m未満の細径の管状体とすることで例えばシャフトの先
端部分に用いることもできるし、10mm以上20mm
未満の径として例えばシャフトの中心部分として用いる
こともできる。また、かかる管状体はテーパーがついて
いてもよい。
【0066】また、本発明の管状体中には、強化繊維と
して、前記炭素繊維の他に、ガラス繊維、アラミド繊
維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊
維、アルミナ繊維、および炭化ケイ素繊維などを含んで
いてもよい。かかる繊維を含むことにより、例えば、シ
ャフトとして用いた場合のフィーリングを適度に調整す
ることができる。
【0067】本発明において、複合材料に用いるマトリ
ックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂等に代表される熱硬化性樹
脂、またはポリアミド等の熱可塑性樹脂が使用できる
が、力学物性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、および
成形性等の面から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0068】エポキシ樹脂としては、エポキシ基を2個
以上有する化合物であれば、特に限定されない。例え
ば、ビスフェノールAから得られるビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールFから得られるビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールSから得られ
るビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビス
フェノールAから得られるテトラブロモビスフェノール
A型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、
レゾルシンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラ
メチルビフェニルジグリシジルエーテル、1,6-ジヒドロ
キシナフタレンのジグリシジルエーテル、9,9-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)フルエオレンのジグリシジルエー
テル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のイソシアネー
ト変性品、ジグリシジルアニリン、フタル酸ジグリシジ
ルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ダイ
マー酸ジグリシジルエステル、分子内に2個の2重結合
を有する化合物を酸化して得られるポリエポキシド等、
エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂が好適に用いられ
る。その他、エポキシ基を3個以上有する多官能エポキ
シ樹脂としては、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メ
タンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒド
ロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、
グリセリンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールのテトラグリシジルエーテル、フェノールやアル
キルフェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール
誘導体から得られるノボラックのグリシジルエステル、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグ
リシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−
m−アミノフェノール、トリグリシジル−p−アミノフ
ェノール、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げら
れる。
【0069】本発明に用いる樹脂において、硬化剤とし
ては4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリ
レンジアミンのような活性水素を有する芳香族アミンの
他、活性水素を有する脂肪族アミン、これらの活性水素
を有するアミンにエポキシ化合物、アクリロニトリル、
フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿素などの化合物
を反応させて得られる変性アミン、活性水素を持たない
第三アミン、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジ
ン、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル
酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチル
ナジック酸無水物のようなカルボン酸無水物、アジピン
酸ヒドラジドやナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのよ
うなポリカルボン酸ヒドラジド、ノボラック樹脂などの
ポリフェノール化合物、チオグリコール酸とポリオール
のエステルのようなポリメルカプタン、三フッ化ホウ素
エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体、芳香族スルホ
ニウム塩などが挙げられる。
【0070】エポキシ樹脂を用いる場合、靱性、耐衝撃
性、接着性向上またはレオロジー制御のため、マトリッ
クス樹脂を形成する樹脂組成物中に、熱可塑性樹脂、有
機または無機の粒子等の他成分を配合することもでき
る。
【0071】本発明による管状体は、いわゆるプリプレ
グを介して製造することができる。この場合、強化繊維
の形態および配列は、例えば、一方向に引き揃えたも
の、織物、トウ、マット、ニット等が用いられる。中で
も、積層構成によって容易に強度特性を設計可能である
ことから、一方向に引き揃えられたものを採用するのが
好ましい。
【0072】本発明による管状体は、プリプレグを介す
る場合、所定の形状に切り出したプリプレグを芯金(マ
ンドレル)に巻き付けた後、さらにラッピングテープを
巻き付け、硬化炉等で加熱して成形した後、脱芯してラ
ッピングテープを除去して管状体を得るシートワイント゛
法が適用できる。
【0073】本方法は、強化繊維の配向や強化繊維の含
有率の調整が容易であり、多様な特性の管状体を設計で
きること、材料の表面が平滑であり、高品質の管状体が
得られること、ボイドレス成形が容易であること等、他
の成形法にはない特徴がある。ここに、熱および圧力を
付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形
法、バッキング成形法、内圧成形法等を用いることがで
きる。
【0074】この内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチュー
ブ等の内圧付与体にプリプレグを巻き付けたプリフォー
ムを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体
を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形する
方法であり、ゴルフシャフト、バット、テニスやバトミ
ントン等のラケットのような複雑な形状物を成形する際
に好適に用いられる。
【0075】本発明のスポーツ製品用管状体は、前記し
た炭素繊維を用いて、プリプレグを経由しない方法によ
っても製造することができる。
【0076】かかる方法としては、例えば、樹脂組成物
を直接強化繊維に含浸させた後加熱硬化する方法、即
ち、ハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディ
ング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクショ
ン・モールディング法、レジン・トランスファー・モー
ルディング法等も使用できる。
【0077】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体
的に説明する。なお、表1には、これら実施例、比較例
の主要なデーターを示し、それぞれに用いたシリコーン
油剤の組成比を表2に示す。
【0078】なお、実施例で用いた各物性値の測定方法
は以下の通りである。 <炭素繊維中の窒素含有量NC>元素分析(CHN法)
により炭素繊維中の窒素含有量を求めた。試料は炭素繊
維を約1〜2mgを精秤して用い、燃焼条件としては、
試料分解用炉温度930℃、酸化用炉温度850℃、還
元用炉温度550℃、ヘリュウム流量180ml/分、
酸素流量20ml/分とした。なお、その際試料中の水
分率を前もって測定しておき、試料の重量を補正した。
【0079】本実施例では測定装置として、柳本製作所
CHNCorder ModelMT−3を用いた。 <炭素繊維束の引張強度及び引張弾性率>炭素繊維束の
引張強度は、日本工業規格(JIS)−R−7601
「樹脂含浸ストランド試験法」に記載された手法により
求めた。
【0080】本実施例では試験片として、測定する炭素
繊維を3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレート(10
0重量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3重量
部)/アセトン(4重量部)からなる樹脂組成物に含浸
させ、130℃、30分で硬化させて形成した。3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−
シクロヘキサン−カルボキシレートとしては、”BAK
ELITE”(登録商標)ERL4221を用いた。ま
た、炭素繊維束の測定本数は、6本とし、各測定結果の
平均値を、その炭素繊維束の強度、引張弾性率とした。 <層間せん断強度(ILSS)>炭素繊維と樹脂との接
着性の指標として、ASTMのD2344−84に準拠
する試験法により層間せん断強度を測定した。試験片の
作製、試験条件は以下の通りとした。
【0081】1.試験片の作製 試験対象の炭素繊維を樹脂組成物に含浸させ一方向プリ
プレグとし、一方向プリプレグを硬化せしめ試験片を作
製した。 (1)一方向プリプレグ作製 本実施例では、炭素繊維と下記樹脂組成物を用いてドラ
ムワインド法により、繊維目付200±5g/m2、樹
脂含有量35±3重量%のプリプレグを作製した。
【0082】 A.樹脂組成物 エピコート(登録商標)1001(シ゛ャハ゜ンエホ゜キシレシ゛ン株式会社製)35重量部 エピコート828 (同社製) 25重量部 エピコート152 (同社製) 15重量部 エピクロン(登録商標)N740(大日本インキ化学工業社製) 30重量部 デンカホルマール(登録商標)#20(電気化学工業社製)3重量部 ジクロロフェニルジメチルウレア(保土ヶ谷化学工業(株)製)5重量部 (2)試験片 プリプレグを所要枚数積層し、130℃、2時間硬化し
た。得られた一方向繊維強化複合材料(炭素繊維体積含
有量60±3%)から下記サイズを切り出し、試験片と
した。 厚み:2±0.05mm 幅:12.7±0.05mm 長さ:90mm 2.測定条件 下記測定条件で測定し、得られた値をVf60%に換算
し、測定数n=6の平均を試験結果とした。 支点間距離:試験片の厚みの4倍 支点:3.2mmφ 上部圧子:6.35mmφ クロスヘッド速度:1.3mm/分 測定雰囲気:24±2℃、50±10%RH 本実施例では試験機としてインストロン(登録商標)1
128試験機を用いた。 <剛体振り子の自由減衰振動法によるシリコーン油剤の
振動周期>剛体振り子の自由減衰振動法に基づき、シリ
コーン油剤の振動周期を測定した。測定に供するシリコ
ーン油剤を純分換算で厚みが20〜30μmとなるよう
に基板幅方向全面に塗布し、試験機にセットし測定を行
う。試験機(塗布板および振り子をセットするステージ
部)を予め30℃に温調しておき、塗布板および振り子
をセットした後、50℃/分の速度で180℃まで昇温
した。180℃で10分間ホールドし、その間、7秒間
隔で連続的に周期の測定を行った。
【0083】尚、本実施例では測定装置として株式会社
エーアンドディ社製剛体振り子型物性試験機RPT-3000を
用い、振り子、塗布板は、下記のものを使用した。 (振り子) 使用エッジ:ナイフ形状エッジ(株式会社エーアンドデ
ィ社製RBEー160)振り子重量/慣性能率:15g
/640g・cm(株式会社エーアンドディ社製FRB
ー100) (塗布板) 亜鉛メッキ鋼板製塗布基板(株式会社エーアンドディ社
製 STP-012) 長さ5cm、幅2cm、厚み0.5mm <シリコーン油剤の加熱残存率R>空気中で240℃、
60分間熱処理した後、引き続いて窒素中で450℃、
30秒間熱処理した後の重量保持率を加熱残存率Rとし
た。
【0084】測定は、次の手順に従った。付与するシリ
コーンが油剤が、エマルジョンや溶液の場合には、直径
が約60mm、高さが約20mmのアルミ製の容器に、
エマルジョンまたは溶液約1gを採取し、オーブンによ
り、105℃で5時間乾燥し、得られたシリコーン分に
ついて、次の条件で、熱天秤(TG)により、その重量
保持率を測定した。
【0085】 サンプルパン:アルミニウム製直径5mm、高さ5mm サンプル量:15〜20mg 空気中熱処理条件:空気流量30ml/分、昇温速度1
0℃/分、240℃ 空気中熱処理時間:60分 雰囲気変更:240℃のまま空気から窒素へ変更して5
分間保持 窒素中熱処理条件:窒素流量30ml/分、昇温速度
は、10℃/分、450℃ 熱処理時間:30秒 <複合材料管状体のねじり強さ>内径10mmの管状体
から長さ400mmの試験片を切り出し、「ゴルフクラ
ブシャフトの認定基準および基準確認方法」(製品安全
協会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993
年)記載の方法に従い、ねじり試験を行った。試験片ゲ
ージ長は300mmとし、試験片両端の50mmを固定
治具で把持した。
【0086】この後、SGねじり強さを次式により計算
した。
【0087】SGねじり強さ(N・m・度)=破壊トルク
(N・m)×破壊時のねじれ角(度) [実施例1]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.15秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリル系プリカーサーを無撚状態
で200〜300℃の酸化性雰囲気において延伸比0.
90で加熱して耐炎化繊維束に転換した。得られた耐炎
化繊維を300〜800℃の不活性雰囲気中で延伸比
1.00で予備炭化した後、最高温度1490℃で炭化
した。得られた炭素繊維の性能は非常に良好であり、高
い窒素含有量において高い弾性率とILSSを示した。
次に得られた炭素繊維を用いて次の操作により、一方向
プリプレグシートを作製した。“エピコート”1001
(登録商標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、2官能、エポキシ当量4
50〜500)を40部、“エピコート”828(登録
商標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、2官能、エポキシ当量184〜
194)を30部、“エピコート”154(登録商標、
ジャパンエポキシレジン株式会社製、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、エポキシ当量176〜180)を
30部、さらに硬化剤として、“DICY7”(登録商
標、ジャパンエポキシレジン株式会社製、ジシアンジア
ミド)4部および“DCMU99”(登録商標、保土ヶ
谷化学工業株式会社製、3−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−1、1−ジメチル尿素)4部を用い混合したエポ
キシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型
紙上に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に前述の炭
素繊維を一方向に引き揃え、作製した樹脂フィルム2枚
を引き揃えた炭素繊維の両側から挟み込むようにして重
ね合わせ、加熱ニップロールで加圧しながら炭素繊維に
樹脂を含浸させ一方向プリプレグシート(繊維目付:1
25g/m2、繊維含有率:76重量%)を得た。さら
に該一方向プリプレグシートを用いて次の操作により、
管状体の主軸に対して[03/±453]の積層構成を有
し、内径が10mmの管状体を作製した。芯金(マンド
レル)には直径10mm、長さ1000mmのステンレ
ス製丸棒を使用した。
【0088】バイアス層として上述の一方向プリプレグ
シートを炭素繊維の方向がマンドレル主軸方向に対して
45゜になるように、縦800mm×横103mmの長
方形状(長辺方向に対し繊維軸方向が45度となるよう
に)に2枚切り出した。この2枚を繊維方向が互いに交
差するように、かつ横方向に16mm(マンドレル半周
分に対応)ずらして貼り合わせた。
【0089】次に、貼り合わせたプリプレグを、外径1
0mm、長さ1000mmの、離型処理したステンレス
製マンドレルに、2枚のプリプレグシートを貼り合わせ
たプリプレグの縦方向とマンドレル主軸が一致するよう
に巻き付けた。
【0090】さらにその上に、ストレート層としてバイ
アス層と同様の一方向プリプレグシートをプリプレグの
繊維方向が縦方向になるように、縦800mm×横11
2mmの長方形に切り出した一方向プリプレグシートを
プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するよ
うに巻き付けた。
【0091】次に、シートワインド成型用のラッピング
テープ(熱収縮フィルムテープ)を所定の方法で巻き付
けた後、硬化炉中で温度130℃、2時間加熱成形し
た。その後、マンドレルを脱芯(抜き取り)し、ラッピ
ングテープを除去して管状体を得た。得られた管状体の
性能は非常に良好であり、高いねじり強さを示した。 [実施例2]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.06秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリルプリカーサーを無撚状態で
200〜300℃の酸化性雰囲気において延伸比0.9
5で加熱して耐炎化繊維束に転換した。得られた耐炎化
繊維束を300〜800℃の不活性雰囲気中で延伸比
1.05で予備炭化した後、最高温度1500℃で炭化
した以外はすべて実施例1と同様にして炭素繊維および
管状体を得た。得られた炭素繊維の性能は非常に良好で
あり、高い窒素含有量において高い弾性率とILSSを
示した。さらに、得られた管状体の性能は非常に良好で
あり、高いねじり強さを示した。 [実施例3]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.27秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリルプリカーサーを用いた以外
は実施例2と同様にして炭素繊維および管状体を得た。
得られた炭素繊維の性能は非常に良好であり、高い窒素
含有量において高い弾性率とILSSを示した。さら
に、得られた管状体の性能は非常に良好であり、高いね
じり強さを示した。 [実施例4]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.34秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリルプリカーサーを用いた以外
は実施例2と同様にして炭素繊維および管状体を得た。
得られた炭素繊維の性能は非常に良好であり、高い窒素
含有量において高い弾性率とILSSを示した。さら
に、得られた管状体の性能は非常に良好であり、高いね
じり強さを示した。 [比較例1]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.02秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリル系プリカーサーを用いた以
外は実施例1と同様にして炭素繊維を得ようとしたが、
糸切れが生じプロセスできなかったので中止した。 [比較例2]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.02秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリル系プリカーサーを無撚状態
で200〜300℃の酸化性雰囲気において延伸比0.
86で加熱して耐炎化繊維束に転換した。得られた耐炎
化繊維束を300〜800℃の不活性雰囲気中で延伸比
0.96で予備炭化した後、最高温度1800℃で炭化
した。得られた炭素繊維は炭化最高温度が高いため弾性
率は高かったものの、窒素含有量、層間せん断強度(I
LSS)はやや不満足なものであった。さらに得られた
炭素繊維を用いて実施例1と同様にして管状体を得た。
得られた管状体の性能は、ねじり強さが低く、やや不満
足なものであった。 [比較例3]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.47秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリルプリカーサーを用いた以外
は実施例2と同様にして炭素繊維を得ようとしたが、糸
切れが生じプロセスできなかったので中止した。 [比較例4]剛体振り子の自由振動法により測定される
振り子の振動周期差Tが0.47秒のシリコーン油剤を
付与した炭素繊維用アクリルプリカーサーを無撚状態で
200〜300℃の酸化性雰囲気において延伸比0.8
5で加熱して耐炎化繊維束に転換した。得られた耐炎化
繊維束を300〜800℃の不活性雰囲気中で延伸比
0.96で予備炭化した後、最高温度1500℃で炭化
した。延伸比が低いため糸切れが生じなかったものの、
得られた炭素繊維の弾性率は低く、不満足なものであっ
た。
【0092】さらに得られた炭素繊維を用いて実施例1
と同様にして管状体を得た。得られた管状体の性能は、
ねじり強さが低く、不満足なものであった。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【発明の効果】本発明のスポーツ製品用管状体によれ
ば、コストの上昇、プロセス性の低下を招くことなく、
引張強度、弾性率、樹脂との接着性が高いレベルでバラ
ンスした炭素繊維を用いていることにより、高い樹脂と
の接着性を有するコンポジットが得られ、より一層の高
性能化を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 俊作 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 Fターム(参考) 2B019 AB03 2C002 AA05 MM01 MM02 MM07 PP01 4F205 AA21 AA33J AD16 AG08 AH59 AR20 HA02 HA45 HB02 HC02 HC17 HE21 HE30 4F213 AA36 AD04 AD16 AG08 AH59 WA02 WA03 WA17 WA32 WA39 WA52 WA53 WA57 WA87 WB01 WC03 WC06 WE02 WE16 WF01 WF05 WF06 WF24 WF27 WF37 WK03 WW06 WW15 WW21 WW31 WW33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛体振り子の自由減衰振動法により測定さ
    れる振り子の振動周期差Tが、下記式(1)及び(2)
    を満足するシリコーン油剤を付与した炭素繊維用アクリ
    ル系プリカーサーを焼成して得られた、引張弾性率YM
    (GPa)及び窒素含有量NC(%)が下記式(3)及
    び(4)を満たす炭素繊維を用いてなることを特徴とす
    るスポーツ製品用管状体。 0.03≦T≦0.4 …(1) T=T30−T180 …(2) T30:30℃における振動周期(秒) T180:180℃で10分間熱処理後の振動周期(秒) NC≧−30.102×LOG(YM)+77.785 …(3) 200≦YM≦340 …(4)
  2. 【請求項2】振動周期差Tが0.05以上0.35以下
    であることを特徴とする請求項1に記載のスポーツ製品
    用管状体。
  3. 【請求項3】振動周期差Tが0.10以上0.30以下
    であることを特徴とする請求項1に記載のスポーツ製品
    用管状体。
  4. 【請求項4】シリコーン油剤がアミノ変性シリコーンを
    含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のスポーツ製品用管状体。
  5. 【請求項5】シリコーン油剤がエポキシ変性シリコーン
    を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のスポーツ製品用管状体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087992A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Toray Industries, Inc. 炭素繊維およびその製造方法、プリプレグ、ならびに、ゴルフシャフト
JP2009179065A (ja) * 2009-05-18 2009-08-13 Toray Ind Inc Frp構造体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087992A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Toray Industries, Inc. 炭素繊維およびその製造方法、プリプレグ、ならびに、ゴルフシャフト
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