JP2005290113A - 相溶化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少なくとも1種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的な物性を確保できる相溶化剤を提供する。
【解決手段】 フルオレン骨格を有する化合物で構成された相溶化剤を調製する。前記化合物は、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
【化1】
Figure 2005290113

(式中、R1〜R4は、同一又は異なって非反応性基又は反応性基を示し、n1及びn2は同一又は異なって0又は1〜5の整数を示し、m1及びm2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)
【選択図】 なし

Description

本発明は、フルオレン骨格を有する化合物で構成された相溶化剤、この相溶化剤を用いたプラスチック材料及び成形体に関する。
近年、地球環境の保護、資源の有効利用(再資源化)、廃棄物処理の問題などの観点から、廃棄プラスチックの再利用又は再使用は重要な課題となっている。しかし、プラスチック製品の再使用には、極めて大きな技術的問題があり、ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトル(ペットボトル)のリサイクル以外では再使用は殆ど行われていないのが現状である。
すなわち、従来の技術では、ペットボトルのように添加物を含まない透明な単一樹脂からなり、且つ使用時の内容物も極めて清浄なプラスチック製品でも、再使用における粘度低下、着色や種々の物性低下は避けられない。その結果、商品として十分な性能を有する再生品が得られず、使用済み品の回収コストや、再生品の外観、品質などを考慮すると、ペットボトルでさえ、未だ十分に実用性あるリサイクルシステムとはなっていない。
従って、ペットボトル以外のプラスチック製品では、添加物を多く含んでいたり、多種の樹脂で構成されているために、再使用すると、着色や物性低下が避けられない。すなわち、ペットボトル以外のプラスチック製品については、再生品の安全性、生産性、品質が実用的な使用には不十分であり、また再生コストもかかり、リサイクルシステムは未だ確立されていない。
また、廃棄プラスチックの完全な分別回収は困難であり、再生過程においては、通常、複数種のポリマーが混合される。そのため、再生されたプラスチックの物性は低下する。プラスチック再生時にオイルなどの可塑剤を多量に配合して物性低下防止を図っているが、元の物性を回復することは困難である。さらに、また、再生時に混合される複数種のポリマーが、互いに非相溶な異種ポリマーであれば、均一な分散が得られず、再生されたプラスチックのポリマー物性は大きく低下する。
尚、相溶化剤を用いて、異種のポリマーを混合する方法が知られている。例えば、特開平3−273056号公報(特許文献1)には、相溶化剤を用いて、芳香族ポリスルフォンとポリアミド系樹脂とをアロイ化する方法が提案されている。この文献では、相溶化剤として、カルボン酸基、酸無水物基、エステル基、アミノ基、酸アミド基、イミド基、水酸基などの官能基を有する化合物が使用されている。また、特開平8−302217号公報(特許文献2)には、ビスオキサゾリン化合物と疎水性主鎖及び活性水素原子を有する化合物とを含む相溶化剤組成物及びその製造方法が提案され、さらに、特開平9−51965号公報(特許文献3)には、相溶化剤を用いて、アイオノマー樹脂とジエン系ゴムとをアロイ化することにより、ゴルフボールの性質を改良する方法が提案されている。この文献では、相溶化剤として、無水マレイン酸、オキサゾリン基、グリシジル基などを有するポリマーが使用されている。しかし、これらの方法においても、プラスチック成形体を物性の低下がなく有効にリサイクルする方法は知られていない。
このように、再生されたプラスチックのポリマーは、物性が低いため、低い物性値であっても使用可能な限られた用途にしか利用できない。このような事情から、廃棄プラスチックのリサイクルは依然として極めて低いレベルに止まっており、環境・資源問題の大きな要因となっている。
一方、各種プラスチック製品には、難燃性が要求されることも多い。そのため、プラスチック成形体に難燃性を付与するためには、一般的にプラスチック材料に難燃剤を配合することが行われている。しかし、プラスチック材料に難燃剤を配合すると、プラスチックの物性低下を招きやすい。特に、プラスチック材料に互いに非相溶な複数種のポリマーが含まれていると、これらのポリマーの均一な分散が得られず、難燃剤の配合により更にプラスチックの物性は大きく低下する。すなわち、未使用のプラスチック材料の場合よりも、廃棄プラスチックからプラスチック材料を再生する場合に、難燃剤の配合による物性低下の問題は、より大きくなる。
また、各種プラスチック製品には、強度、耐熱性、耐水性、耐温水性、耐湿性など、種々の性能・機能の向上が要求されることも多い。このような場合には、種々の性能・機能に応じて、各種の無機フィラーがプラスチック材料に配合されている。しかし、プラスチック材料に無機フィラーを配合すると、難燃剤におけるのと同様にプラスチックの物性低下を招き易い。
このような事情から、難燃性などの種々の性能を付与するために、プラスチック材料に難燃剤や無機フィラーを配合しても、プラスチックの物性低下を起こさない技術の開発が要望されている。特に、廃棄プラスチックをリサイクルし再資源化するに当たり、複数種のポリマーが混合された場合、とりわけ互いに非相溶な複数種のポリマーが混合された場合であっても、ポリマー物性低下を起こさず、且つ難燃性などの機能を付与できる技術の開発が要望されている。
特開平3−273056号公報(請求項1) 特開平8−302217号公報(請求項1) 特開平9−51965号公報(請求項1、3〜5)
従って、本発明の目的は、少なくとも1種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的な物性を確保できる相溶化剤、それを用いた再生プラスチック材料及び成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、難燃剤や無機フィラーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的な物性を確保できる相溶化剤、それを用いた再生プラスチック材料及び成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、難燃性や機械的特性、耐熱性、各種耐性も向上できる相溶化剤、それを用いた再生プラスチック材料及び成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレン骨格を有する化合物を相溶化剤として用いると、少なくとも1種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的なプラスチック物性を確保できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の相溶化剤は、フルオレン骨格を有する化合物で構成されている。前記化合物は、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
Figure 2005290113
(式中、R1〜R4は、同一又は異なって非反応性基又は反応性基を示し、n1及びn2は同一又は異なって0又は1〜5の整数を示し、m1及びm2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)
前記式(1)において、非反応性基は、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基などであり、反応性基は、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、これらの活性水素から誘導される基などであってもよい。フルオレン骨格を有する化合物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などであってもよく、例えば、前記式(1)で表される化合物を単量体成分として重合した樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂など)であってもよい。前記相溶化剤は、さらに、アイオノマー系化合物、反応性基又は官能性基を含有する化合物、エラストマー系化合物などの相溶化剤を含んでいてもよい。
本発明には、少なくとも一種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーと、前記相溶化剤とを含むプラスチック材料も含まれる。このプラスチック材料には、さらに、難燃剤及び無機フィラーから選択された少なくとも一種が含まれていてもよい。さらに、本発明には、このプラスチック材料で形成された成形体も含まれる。
本発明によれば、少なくとも一種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを含むプラスチック材料を再生しても、実用的な物性を確保できる。また、前記ポリマーに、さらに、難燃剤や無機フィラーが含まれていても、実用的な物性を確保できる。さらに難燃性や機械的特性(強度など)、各種耐性(耐熱性、耐水性、耐温水性、耐湿性など)も向上できる。
[フルオレン骨格を有する化合物]
本発明の相溶化剤は、フルオレン骨格を有する化合物で構成されている。フルオレン骨格を有する化合物は、フルオレン骨格を有する限り特に限定されないが、通常、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する化合物が使用され、例えば、前記式(1)で表される化合物又はその誘導体が用いられる。
前記式(1)において、非反応性基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1-10アルキル基、好ましくはC1-7アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基、アリル基などのC2-6アルケニル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5-10シクロアルキル基、好ましくはC5-8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5-6シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ナフチル基などのC6-20アリール基、好ましくはC6-10アリール基、特にフェニル基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基などのC1-4アルコキシ基など);アシル基(アセチル基などのC1-6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシカルボニル基など);N,N−二置換アミノ基[例えば、炭化水素基で置換されたアミノ基(ジメチルアミノ基などのN,N−ジC1-6アルキルアミノ基など)];ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など);ニトロ基;シアノ基などが挙げられる。これらの非反応性基のうち、通常、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが使用される。
反応性基としては、例えば、活性水素を含有する基(活性水素含有基)、この活性水素含有基から誘導される基などが挙げられる。活性水素含有基としては、例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、N−モノ置換アミノ基[例えば、炭化水素基で置換されたアミノ基(メチルアミノ基などのN−モノC1-6アルキルアミノ基など)]、カルボキシル基などが挙げられ、通常、ヒドロキシル基、アミノ基、又はN−モノ置換アミノ基(特に、ヒドロキシル基、アミノ基)である。
活性水素含有基から誘導される基としては、前記活性水素含有基(特に、ヒドロキシル基、アミノ基)の活性水素原子を通じて得られる基が挙げられる。このような基としては、特に限定されないが、ヒドロキシル基又はアミノ基の活性水素から誘導される基、例えば、基−[X−(R5O)k−Y](式中、R5は、アルキレン基であり、基Xは、酸素原子(エーテル基)又はイミノ基であり、基Yは水素原子、グリシジル基又は(メタ)アクリロイル基であり、kは0又は1以上の整数を示す。ただし、kが0であるとき、Yは水素原子でない)などが挙げられる。
基R5で表されるアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、C2-4アルキレン基(エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基など)などが例示でき、特に、C2-3アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基)が好ましい。なお、R5は、対応する活性水素含有基R1(又はR2)において、同一の又は互いに異なるアルキレン基であってもよいが、通常、同一である。
オキシアルキレン単位の置換数(又は付加数)kは、同一又は異なって、0又は1〜15程度の範囲から選択でき、例えば、0又は1〜12、好ましくは0又は1〜8、さらに好ましくは0又は1〜6、特に0又は1〜4程度であってもよい。なお、kが2以上の場合、ポリアルコキシ基(ポリアルキレンオキシ基)は、同一のアルキレン基で構成されていてもよく、異種のアルキレン基(例えば、エチレン基とプロピレン基)が混在して構成されていてもよいが、通常、同一のアルキレン基で構成されている場合が多い。
基R1およびR2は、通常、少なくとも反応性基である場合が多い。例えば、n1及びn2が2であるとき、2つの基R1のうち1又は2の基が反応性基であるとともに、2つの基R2のうち1又は2の基が反応性基である。
好ましい基R1(又はR2)には、アルキル基(C1-6アルキル基)、シクロアルキル基(C5-8シクロアルキル基)、アリール基(C6-10アリール基)、アラルキル基(C6-8アリール−C1-2アルキル基)、アルコキシ基(C1-4アルコキシ基)、ヒドロキシル基、アミノ基、N−モノ置換アミノ基(N−C1-4アルキルアミノ基)、前記基−[X−(R5O)k−Y]が含まれる。特に、アルキル基(C1-4アルキル基)、アリール基(C6-8アリール基)、アラルキル基(C6-8アリール−C1-2アルキル基)、ヒドロキシル基、アミノ基、前記基−[X−(R5O)k−Y]であり、かつ基R1及びR2が、少なくともヒドロキシル基、アミノ基、又は前記基−[X−(R5O)k−Y]を含むのが好ましい。基R1(又はR2)は、単独で又は2種以上組み合わせてベンゼン環に置換していてもよい。また、基R1およびR2は互いに同一又は異なっていてもよいが、通常、同一である。さらに、基R1(又はR2)は、同一のベンゼン環において、異なっていてもよく、同一であってもよい。
なお、基R1(又はR2)の置換位置は、特に限定されず、フルオレンの9位に置換するフェニル基の2〜6位から選択できる。通常、1つの反応性基(ヒドロキシル基、アミノ基、前記基−[X−(R)k−Y]など)が、フルオレンの9位に置換するフェニル基の3位又は4位(すなわち、フェニル基に対して3位又は4位)、特に4位に置換していてもよい。また、非反応性基は、例えば、フルオレンの9位に置換するフェニル基の2位、3位又は4位(例えば、3−メチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニルなど)に置換していてもよい。
好ましい置換数n1およびn2は、1〜4、さらに好ましくは1〜3(特に1〜2)である。また、好ましい反応性基の数は、基R1、R2のそれぞれにおいて、1〜3、特に1〜2である。なお、置換数n1およびn2は、異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
また、基R3およびR4は、通常、アルキル基(C1-4アルキル基、特にメチル基)である。基R3およびR4は互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、基R3(又はR4)は、同一のベンゼン環において、異なっていてもよく、同一であってもよい。なお、フルオレン骨格を構成するベンゼン環に対する基R3(又はR4)の結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数m1およびm2は、0又は1、特に、0である。なお、置換数m1及びm2は、異なっていてもよいが、通常、同一である。
具体的なフルオレン化合物には、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はその誘導体、9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類又はその誘導体などが含まれる。
(1)9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はその誘導体
(1a)9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類には、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレン類などが含まれる。
9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールフルオレン、BPF)など]、置換基を有する9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン{例えば、9,9−ビス(アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールフルオレン、BCF)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1-4アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジC1-4アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(シクロアルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C5-8シクロアルキル−モノヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6-8アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アラルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ベンジルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6-8アリールC1-2アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]など}などが挙げられる。
9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、上記9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類に対応するフルオレン類、例えば、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスカテコールフルオレン(BCAF))、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、置換基を有する9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン{例えば、9,9−ビス(アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1-4アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジC1-4アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルコキシ−ジヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1-4アルコキシ−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリール−ジヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−5−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6-8アリール−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]など}などが例示できる。
9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレン類には、上記9,9−ビス(モノ又はジヒドロキシフェニル)フルオレン類に対応するフルオレン類、例えば、9,9−ビス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレンなどが含まれる。
なお、ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類は、種々の合成方法、例えば、(a)塩化水素ガス及びメルカプトカルボン酸の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させる方法(文献[J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 1982]、特開平6−145087号公報、特開平8−217713号公報)、(b)酸触媒(及びアルキルメルカプタン)の存在下、9−フルオレノンとアルキルフェノール類とを反応させる方法(特開2000−26349号公報)、(c)塩酸及びチオール類(メルカプトカルボン酸など)の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させる方法(特開2002−47227号公報)、(d)硫酸及びチオール類(メルカプトカルボン酸など)の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させ、炭化水素類と極性溶媒とで構成された晶析溶媒で晶析させてビスフェノールフルオレンを製造する方法(特開2003−221352号公報)などを利用して製造できる。
また、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類は、上記9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法において、フェノール類の代わりに、対応する多価アルコール類(ジヒドロキシフェノール類、トリヒドロキシフェノール類)を使用することにより製造できる。これらの方法のうち、特に、塩酸を使用する方法(c)、又は特定の晶析溶媒を使用する方法(d)を応用すると、より高収率でかつ高純度の生成物が得られる場合が多い。
(1b)9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の誘導体としては、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体のグリシジルエーテル、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(アルキレンオキシド付加体)
9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体としては、前記例示のビス(モノ乃至トリヒドロキシフェニル)フルオレン類にアルキレンオキシド(C2-4アルキレンオキシド、特にC2-3アルキレンオキシド)が付加した化合物が挙げられる。アルキレンオキシド単位の付加数(前記式におけるk)は、前記と同様(例えば、1〜12、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6、特に1〜4程度)であり、特に限定されないが、以下に、一例として、kが1又は2の化合物を例示する。
代表的なアルキレンオキシド付加体には、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレン,BPEF)、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)フェニル]フルオレンなど]、置換基を有する9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン{例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン(ビスクレゾールエタノールフルオレン,BCEF)などの9,9−ビス(ヒドロキシC2-4アルコキシ−C1-4アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス[(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2-4アルコキシ−ジC1-4アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)−C6-8アリールフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)−C6-8アリールC1-2アルキルフェニル]フルオレンなど}などの9,9−ビス[モノ(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]フルオレン類、これらの化合物に対応する9,9−ビス[ジ又はトリ(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]フルオレン類{例えば、9,9−ビス[3,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ジ(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)フェニル]フルオレンなど}などの9,9−ビス[モノ乃至トリ(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]フルオレン類;これらの化合物に対応し、ヒドロキシル基にアルキレンオキシド単位が2つ付加した化合物{例えば、9,9−ビス{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなどの9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)C2-4アルコキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス{3,4−ジ[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなどの9,9−ビス{ジ[2−(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)C2-4アルコキシ]フェニル}フルオレンなどの9,9−ビス[モノ乃至トリ(ヒドロキシジアルコキシ)フェニル]フルオレン類など}などの9,9−ビス[モノ乃至トリ(ヒドロキシポリアルコキシ)フェニル]フルオレン類が挙げられる。
なお、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類と、対応するアルキレンオキサイド(C2-4アルキレンオキシド)又はアルキレンカーボネート(C2-4アルキレンカーボネート)を、必要に応じて触媒(塩基触媒など)の存在下で反応させる方法や、フルオレノンと対応するフェノキシC2-4アルコール類とを反応させる方法(例えば、特開平11−349657号公報)などにより製造してもよい。また、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体は、上記製造方法において、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はフェノキシC2-4アルコール類に代えて、対応するアルコール類[9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類、ジ又はトリ(ヒドロキシC2-4アルコキシ)ベンゼン類など]を使用することにより製造できる。
(2)9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類又はその誘導体
9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類としては、前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類に対応する化合物、すなわち、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のヒドロキシル基が、アミノ基又はN−置換アミノ基である化合物などが挙げられる。
代表的な9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類としては、9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(ビスアニリンフルオレン)など]、置換基を有する9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン{例えば、9,9−ビス(アミノ−アルキルフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−2−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アミノ−C1-4アルキルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アミノ−ジC1-4アルキルフェニル)フルオレンなど]、これらの9,9−ビス(アミノ−アルキルフェニル)フルオレンのアルキル基が、シクロアルキル基(C5-8シクロアルキル基)やアリール基(C6-8アリール基など)である化合物など}、これらの化合物に対応し、アミノ基がN−モノ置換アミノ基(例えば、N−C1-4アルキルアミノ基)である9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン類などが挙げられる。
また、9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類の誘導体としては、上記9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体などが含まれる。
なお、9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類の製造方法は、特に限定されないが、例えば、前記ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法において、フェノール類に代えて、対応するアニリン類を用いることにより製造できる。
前記相溶化剤は、フルオレン骨格を有する樹脂(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)であってもよく、例えば、前記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物を樹脂の単量体成分(又は重合成分)として含む樹脂(特に、フルオレン骨格を有する化合物を樹脂の単量体成分として重合した樹脂)であってもよい。
フルオレン骨格を有する樹脂としては、特に限定されず、慣用の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム、熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)を使用できる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、ポリメチルペンテン、架橋ポリオレフィン、非晶質ポリオレフィンなど)、ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ハロゲン含有ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS樹脂)、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有樹脂、フッ化樹脂など)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ニトリル系樹脂(ニトリル樹脂、ポリエーテルニトリルなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、架橋ポリスチレンなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、液晶ポリエステルなど)、ポリアセタール系樹脂(ポリアセタールなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミドMXDなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルなど)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)、ポリイミド系樹脂(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミドなど)、ポリケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、イミダゾール系樹脂(ポリベンズイミダゾールなど)、キシレン樹脂、石油樹脂、アイオノマー樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)、ブチルゴムなどが挙げられる。これらのゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂など)、フラン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂(ビスマレイミドトリアジン樹脂など)、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応により得られる樹脂、多価フェノール類とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応により得られる樹脂など)、繊維強化プラスチック(FRP)などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)には、多官能性(メタ)アクリレート[前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の(メタ)アクリレート、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなど]、ビニルエーテル(ジオール成分とアセチレンとの反応により得られるジビニルエーテルなど)なども含まれる。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、熱硬化性樹脂では、熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)の種類に応じて、開始剤、反応性希釈剤、硬化剤、硬化促進剤などを含有していてもよい。例えば、前記エポキシ樹脂やウレタン系樹脂を含む樹脂組成物は、アミン系硬化剤などを含んでいてもよく、前記不飽和ポリエステル系樹脂やビニルエステル系樹脂を含む樹脂組成物は、開始剤(過酸化物など)、重合性モノマー((メタ)アクリル酸エステル、スチレンなどの反応性稀釈剤)などを含んでいてもよい。
なお、フルオレン骨格を有する樹脂は、樹脂の骨格がフルオレン化合物で構成されていればよく、樹脂の重合成分(例えば、ジオール成分などのポリオール成分、ジアミン成分などのポリアミン成分、ジグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテルなど)として、この重合成分(又は単量体成分)に対応するフルオレン骨格を有する化合物を使用することにより調製してもよい。例えば、ポリオール成分(特にジオール成分)を重合成分として使用する樹脂(ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、前記ビニルエーテルなど)では、前記ポリオール成分の一部又は全部に、ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物[前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体など]を使用すればよく、ポリアミン成分(特にジアミン成分)を重合成分として使用する樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アニリン樹脂など)では、前記ポリアミン成分の一部又は全部に、アミノ基を有するフルオレン化合物[前記9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類など]を使用すればよく、エポキシ樹脂を重合成分(構成成分)として使用する樹脂(ビニルエステル系樹脂、エポキシ(メタ)アクリレートなど)では、前記エポキシ樹脂の一部又は全部にエポキシ基を有するフルオレン化合物(9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のグリシジルエーテルなど)を使用すればよい。
これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(熱可塑性又は熱硬化性ポリウレタン系樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂[多官能性(メタ)アクリレート(前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の(メタ)アクリレート)などの熱硬化性又は光硬化性樹脂を含む]、ポリイミド系樹脂(熱可塑性又は熱硬化性ポリイミド系樹脂)などが好ましい。
以下、好ましい樹脂について、フルオレン骨格を有する化合物を単量体成分(重合成分、構成成分、共重合成分)として含む樹脂を詳述する。
(1)ポリエステル系樹脂
フルオレン骨格を有する化合物を重合成分として含むポリエステル系樹脂(特に、フルオレン骨格を有する化合物を樹脂の単量体成分として重合したポリエステル系樹脂)は、少なくともヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体などのポリオール成分、特に、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体などのジオール成分)と、ジカルボン酸成分との反応により得ることができ、ポリエステル系樹脂には、飽和又は不飽和ポリエステル系樹脂の他、芳香族ジカルボン酸を重合成分として用いたポリアリレート系樹脂も含まれる。
ポリエステル系樹脂のポリオール成分(特に、ジオール成分)は、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物と他のジオール成分とを組み合わせて構成してもよい。このようなジオール成分(又はジオール類)としては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-12アルキレングリコールなど)、(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジ乃至テトラC2-4アルキレングリコールなど)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンやそのアルキレンオキサイド付加体(2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパンなど)など)、芳香族ジオール(例えば、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビスフェノールAD、ビスフェノールFやそれらのアルキレンオキサイド(C2-3アルキレンオキサイド)付加体(2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンなど)、キシリレングリコールなど)などが挙げられる。これらのジオール類は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
好ましいジオール類は、直鎖状又は分岐鎖状C2-10アルキレングリコール、特にC2-6アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレングリコール)である。ジオール類としては、少なくともエチレングリコールを用いる場合が多い。このようなジオール類(例えば、エチレングリコール)を用いると、重合反応性を高めることができるとともに、樹脂に柔軟性を付与することもできる。
前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(特に、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体)と前記ジオール類との割合(モル比)は、例えば、前者/後者=100/0〜50/50、好ましくは100/0〜75/25(例えば、100/0〜70/30)、さらに好ましくは100/0〜90/10(例えば、100/0〜80/20)程度であってもよい。
前記ジオール成分には、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成可能な誘導体[例えば、酸無水物;酸ハライド(酸クロライドなど);低級アルキルエステル(C1-2アルキルエステルなど)など]などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸などの飽和C3-20脂肪族ジカルボン酸(好ましくは飽和C3-14脂肪族ジカルボン酸など);マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸などの不飽和C4-20脂肪族ジカルボン酸(好ましくは不飽和C4-14脂肪族ジカルボン酸など);これらのエステル形成可能な誘導体などが挙げられる。不飽和ポリエステル系樹脂において、脂肪族不飽和ジカルボン酸(マレイン酸又はその酸無水物など)の割合は、例えば、ジカルボン酸成分全体に対して10〜100モル%、好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%(例えば、75〜100モル%)程度であってもよい。
脂環族ジカルボン酸としては、飽和脂環族ジカルボン酸(シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸などのC3-10シクロアルカン−ジカルボン酸など)、不飽和脂環族ジカルボン酸(1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、1,3−シクロヘキセンジカルボン酸などのC3-10シクロアルケン−ジカルボン酸など);多環式アルカンジカルボン酸類(ボルナンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸などのジ又はトリシクロC7-10アルカン−ジカルボン酸)、多環式アルケンジカルボン酸類(ボルネンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸などのジ又はトリシクロC7-10アルケン−ジカルボン酸)、これらのエステル形成可能な誘導体などが例示できる。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸など)、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族C8-16ジカルボン酸;及びこれらのエステル形成可能な誘導体などが挙げられる。
ジカルボン酸は、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよい。
ジカルボン酸成分としては、通常、脂肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸から選ばれた少なくとも一種、特に、脂肪族ジカルボン酸(飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成可能な誘導体、特にアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などの飽和C3-14脂肪族ジカルボン酸など)や脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸などのC5-10シクロアルカンジカルボン酸)が好ましい。
また、ポリアリレート系樹脂では、少なくとも芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分が使用され、芳香族ジカルボン酸は他のジカルボン酸(脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸)と併用してもよい。芳香族ジカルボン酸と他のジカルボン酸との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=100/0〜10/90、好ましくは100/0〜30/70、さらに好ましくは100/0〜50/50程度であってもよい。
ポリエステル系樹脂において、ジカルボン酸成分とポリオール成分(ジオール成分、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体及びジオール類など)との割合(モル比)は、通常、前者/後者=1.5/1〜0.7/1、好ましくは1.2/1〜0.8/1(特に、1.1/1〜0.9/1)程度であってもよい。
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)は、特に制限されず、例えば、100〜50×104、好ましくは500〜30×104(例えば1000〜20×104)、さらに好ましくは3000〜30×104程度である。なお、不飽和ポリエステル系樹脂の場合、二重結合当りの分子量は、300〜1000、好ましくは350〜800、さらに好ましくは400〜700程度であってもよい。ポリエステル系樹脂の末端基は、ヒドロキシル基でも、カルボキシル基でもよく、必要により保護基によって保護されていてもよい。
ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、例えば、直接重合法(直接エステル化法)又はエステル交換法などにより、ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物で構成されたポリオール成分(特にジオール成分)と前記ジカルボン酸成分とを縮合反応させることにより製造できる。
(2)ポリウレタン系樹脂
フルオレン骨格を有する化合物を重合成分(単量体成分)として含むポリウレタン系樹脂を構成するポリオール成分(ジオール成分)は、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体など)単独で構成してもよく、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物と共に、前記ポリエステル系樹脂の項で例示のジオール類と併用してもよい。さらに、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物を構成単位として含むジオール成分、例えば、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類で構成されたジオール成分とジカルボン酸成分との反応により生成するポリエステルジオール、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類で構成されたジオール成分とアルキレンオキサイドとの反応により生成するポリエーテルジオールなども、ポリウレタン系樹脂のジオール成分として利用できる。ジオール成分も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、必要であれば、ジオール成分は、トリオールなどのポリオール成分と併用してもよい。
ポリオール成分(ジオール成分)において、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体など)の含有量は、例えば、ポリオール成分(ジオール成分)全体に対して、10〜100モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%程度であってもよい。
ポリウレタン系樹脂を構成するジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート[パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ビス(イソシアナトフェニル)メタン(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、1,2−ビス(イソシアナトフェニル)エタン、1,3−ビス(イソシアナトフェニル)プロパン、1,4−ビス(イソシアナトフェニル)ブタン、ポリメリックMDIなど]、脂環族ジイソシアネート[シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDIなど]、脂肪族ジイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)など]などのジイソシアネート化合物が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジイソシアネート化合物は、必要であれば、ポリイソシアネート化合物(例えば、1,6,11−ウンデカントリイソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートなどの脂肪族トリイソシアネート;ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの脂環族トリイソシアネートなどのトリイソシアネート化合物など)、モノイソシアネート化合物(メチルイソシアネートなどのC1-6アルキルイソシアネート;シクロアルキルイソシアネートなどのC5-6シクロアルキルイソシアネート;フェニルイソシアネートなどのC6-10アリールイソシアネートなど)と併用してもよい。前記イソシアネート化合物には、前記ポリイソシアネート化合物の多量体や変性体などの誘導体も含まれる。
ポリウレタン系樹脂は慣用の方法、例えば、ポリオール成分(ジオール成分)1モルに対してジイソシアネート成分0.7〜2.5モル、好ましくは0.8〜2.2モル、さらに好ましくは0.9〜2モル程度の割合で用い、ウレタン化反応させることにより得ることができる。なお、ジオール成分1モルに対して0.7〜1.1モル程度のジイソシアネート成分を用いると、熱可塑性樹脂を得ることができ、過剰モル(例えば、1.5〜2.2モル程度)のジイソシアネート成分を用いると、末端に遊離のイソシアネート基を有する熱硬化性樹脂を得ることができる。
(3)ポリカーボネート系樹脂
フルオレン骨格を有する化合物を重合成分として含むポリカーボネート系樹脂としては、慣用の方法に従って、例えば、少なくとも前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(特に、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類又はそのアルキレンオキシド付加体など)で構成されたポリオール成分(特に、ジオール成分)とホスゲンとの反応(ホスゲン法)、又は前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物で構成されたポリオール成分(ジオール成分)と炭酸エステルとの反応(エステル交換法)により得られるポリカーボネート系樹脂が挙げられる。
ポリオール成分(ジオール成分)は、ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物単独で構成してもよく、ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物と他のジオール類(前記ポリエステル系樹脂の項で例示のジオール類、特に芳香族ジオールや脂環族ジオールなど)とで構成してもよい。他のジオール類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。他のジオール類のうち、特に、ビスフェノールA、AD、Fなどのビスフェノール類などの芳香族ジオールが好ましい。ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物とジオール類との割合は、前記ポリエステル系樹脂の場合と同様の範囲から選択できる。
ポリカーボネート系樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量1×103〜100×104(例えば、1×104〜100×104)、好ましくは5×103〜50×104(例えば、1×104〜50×104)、さらに好ましくは1×104〜25×104(例えば、1×104〜10×104)程度であってもよい。
(4)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂の単量体(フルオレン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体)は、前記ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物とカルボキシル基を有する重合性単量体との反応により得てもよい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、通常、不飽和モノカルボン酸、特に(メタ)アクリル酸が使用でき、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸モノアルキルエステル(モノメチルマレートなど)などを用いてもよい。さらに、不飽和カルボン酸に代えて、酸クロライド、C1-2アルキルエステルなどの反応性誘導体を使用してもよい。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
アクリル系樹脂は、上記フルオレン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、上記フルオレン骨格を有する(メタ)アクリル系単量体と他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルなど];(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;スチレンなどの芳香族ビニル単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類などが例示できる。これらの共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体[例えば、前記例示の9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の(メタ)アクリレート(ジ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなど)など]そのものをアクリル系樹脂(すなわち、熱硬化性型のアクリル系樹脂、オリゴマー(樹脂前駆体))として使用してもよい。
(5)ポリイミド系樹脂(熱可塑性又は熱硬化性ポリイミド系樹脂)
ポリイミド系樹脂を構成するポリアミン成分(ジアミン成分)は、アミノ基を有するフルオレン化合物[前記9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類など、特に、9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン類]を単独で用いてもよく、ジアミン成分(ジアミン類)と組み合わせて使用してもよい。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミンなどの鎖状C2-14脂肪族ポリアミン;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタンなどの環状C6-14アミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどのC6-20芳香族ジアミン;m−キシリレンジアミンなどのC7-14芳香脂肪族ジアミン、ジアミノフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパンなどのビス(ジアミノフェニル)アルカンなどが例示できる。ジアミン類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アミノ基を有するフルオレン化合物とジアミン類との割合は、前者/後者(モル比)=100/0〜5/95、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは80/20〜20/80程度である。
原料のポリカルボン酸類としては、テトラカルボン酸又はその誘導体、例えば、ピロメリット酸又はその無水物、ビフェニルテトラカルボン酸又はその無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はその無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンなどのビス(ジカルボキシフェニル)アルカン又はその無水物、2,2−ビス(3,4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのビス(カルボキシフェニル)フルオロアルカン、ビスマレイミドなどが例示できる。これらのポリカルボン酸類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
[他の相溶化剤]
本発明の相溶化剤は、混合する樹脂の種類に応じ、フルオレン骨格を有する化合物に加えて、さらに他の相溶化剤を含んでいてもよい。他の相溶化剤としては、(A)アイオノマー系化合物、(B)反応性基又は官能基を含有する化合物、(C)エラストマー系化合物などが挙げられる。これら他の相溶化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これら他の相溶化剤と組み合わせると、樹脂の種類によっては、相溶化性及び得られるプラスチック材料の物性が向上する。
(A)アイオノマー系化合物
アイオノマー系化合物(A)としては、種々のタイプが含まれる。例えば、(a)ホスト高分子の主鎖に、部分的に側鎖イオン基が存在するタイプ(側鎖型)、(b)両末端にカルボン酸基などを有するホスト高分子又はオリゴマーに、金属イオンが中和することより高分子化したタイプ(テレケリック型)、(c)主鎖に陽イオンを有し、その陽イオンに陰イオンが結合したタイプ(アイオネン)などである。
ホスト高分子のイオン基に対する対イオンとしては、Li+、Na+などのアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+などのアルカリ土類金属イオン、Zn2+、Cu2+、Mn2+などの遷移金属イオンが用いられる。また、陽イオンホスト高分子に対しては、Cl-、Br-などの陰イオンが用いられる。
アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体アイオノマーなどのC2-4オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノマー、(水素化)ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフェートアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪族又は芳香族系アイオネンなどが挙げられる。これらのアイオノマー樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのアイオノマー樹脂のうち、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体アイオノマーが好ましい。これらのアイオノマーは、脂肪族ポリマーと芳香族ポリマーとの相溶性、極性ポリマーと非極性ポリマーとの相溶性を向上させる場合に特に有効である。エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマーとしては、例えば、三井・デュポンポリケミカル(株)製のハイミランシリーズとして入手できる。
(B)反応性基又は官能基を含有する化合物
反応性基又は官能基を含有する化合物(B)には、二重結合、カルボキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、アセタール基、マレイン酸基、カルボキシル基などの反応性基又は官能基を有する化合物又はポリマーなどが含まれる。これらの化合物又はポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
このような化合物としては、例えば、二重結合、カルボキシル基、エポキシ基などの反応性基又は官能基を有するポリマーであって、成形加工工程で、相溶化させようとするポリマーの一方または両方と反応してグラフト又はブロック構造に基づく界面活性剤的な働きを有する相溶化剤(B1)、オキサゾリン系相溶化剤(B2)、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アセタール基、マレイン酸基、カルボキシル基などの官能基を含み、メルトフローレートが1以上の低粘度の共重合体系相溶化剤(B3)などが例示できる。
相溶化剤(B1)としては、例えば、『「ポリマーアロイ」基礎と応用(高分子学会編、1993年発行)』に記載の相溶化剤、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体などのエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート系共重合体(住友化学(株)製のボンドファーストシリーズや、日本ポリオレフィン(株)製のレクスパールシリーズなど)、エチレン−無水マレイン酸−エチルアクリレート共重合体(住友化学(株)製のボンダイン)、エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン、エチレングリシジルメタクリレート−ポリスチレン、エチレングリシジルメタクリレート−ポリメチルメタクリレートなどのエチレングリシジル(メタ)アクリレートと他のポリマーとの共重合体(日本油脂(株)製のモディパーなど)、酸変性型ポリエチレンワックス(三井化学(株)製のハイワックス)、カルボキシル基含有ポリエチレングラフトポリマー、カルボキシル基含有ポリプロピレングラフトポリマーなどが挙げられる。これらのうち、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体などのエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート系共重合体などが好ましい。
オキサゾリン系相溶化剤(B2)としては、オキサゾリン基を有する化合物又はポリマーであれば特に限定されず、例えば、ビスオキサゾリン系化合物(例えば、ビスオキサゾリン−スチレン−無水マレイン酸共重合体など)や、このビスオキサゾリン系化合物とポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレンなど)とのブレンド物などを好ましく使用できる。これらのオキサゾリン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
共重合体系相溶化剤(B3)としては、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アセタール基、マレイン酸基、カルボキシル基などの官能基を含み、メルトフローレートが1以上の低粘度の共重合体、例えば、ポリエチレン−ポリアミドグラフト共重合体、ポリプロピレン−ポリアミドグラフト共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−ビニルアルコール共重合体とポリ塩化ビニルとのグラフト共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体などを好ましく使用できる。
(C)エラストマー系相溶化剤
エラストマー系相溶化剤(C)としては、例えば、スチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体又はこれらの水添物など)などを好ましく使用できる。これらのエラストマー系相溶化剤(C)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。スチレン系エラストマーとしては、例えば、旭化成工業(株)製のタフテックなどが入手できる。
フルオレン骨格を有する化合物と、他の相溶化剤との割合は、相溶化する樹脂の種類に応じて適宜選択できるが、例えば、前者/後者(重量比)=100/0〜1/99、好ましくは99/1〜10/90、さらに好ましくは95/5〜20/80(特に90/10〜30/70)程度である。
[プラスチック材料]
本発明の相溶化剤は、互いに相溶性のある複数種のポリマーに適用してもよいが、互いに非相溶な複数種のポリマーを相溶化するために用いるのが有効である。本発明の相溶化剤は、ポリマーの相溶化作用に優れ、例えば、難燃剤や無機フィラーが含まれていても、ポリマーアロイとしてのプラスチックの物性を低下させることなく、異種のポリマー同士を相溶化することができる。特に、少なくとも一種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的なプラスチック物性を確保できる。
本発明の相溶化剤が適用されるポリマーとしては、例えば、前記フルオレン骨格を有する樹脂の項で例示された慣用の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム、熱硬化性樹脂が例示できる。また、これらの樹脂は、生分解性プラスチック、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体などであってもよい。なお、熱硬化性樹脂や、架橋ポリエチレンや架橋ポリスチレンなどの架橋樹脂については、粉砕物を用いるのが好ましい。
さらに、これらの樹脂は、使用後に回収されたポリマー(使用済ポリマー)、すなわちリサイクル(再生)されるためのポリマーであってもよく、例えば、再生ポリオレフィン系樹脂(再生ポリエチレンやポリプロピレンなどの再生C2-4ポリオレフィンなど)、再生ポリスチレン系樹脂(再生ポリスチレン、再生ABS樹脂など)、再生ポリエステル系樹脂(再生ポリエチレンテレフタレートなどの再生ポリC2-4アルキレンテレフタレート系樹脂など)、再生ポリアミド系樹脂(再生ポリアミド6、再生ポリアミド66、再生ポリアミド46、再生ポリアミド6T、再生ポリアミドMXDなど)、再生ポリカーボネート系樹脂(再生ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)などであってもよい。従来、再生プラスチックにおいては、廃棄プラスチック中に、非相溶な他種のポリマーが混入しているため、実用的に充分高い物性を有する再生プラスチックからの成形品や材料は得られなかった。本発明の相溶化剤を用いると、非相溶な複数種のポリマーを含む廃棄プラスチックの相溶化が達成でき、物性低下を起こすことなく、再生プラスチック材料が得られる。
これらの樹脂のうち、互いに非相溶なポリマーの組み合わせとしては、例えば、脂肪族ポリマーと芳香族ポリマーとの組み合わせ、極性ポリマーと非極性ポリマーとの組み合わせ、ポリオレフィン系樹脂とエンジニアリングプラスチックとの組合せなど挙げられる。また、これらの樹脂は、3種以上のポリマーの組合せであってもよい。さらに、未使用のポリマー(バージンポリマー)とリサイクル樹脂との組み合わせであってもよい。
これらのうち、特に、ポリオレフィン系樹脂とエンジニアリングプラスチックとの組み合わせに実用的に有効である。ポリオレフィン系樹脂には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)(例えば、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィン及びこれらの混合物が含まれる。
エンジニアリングプラスチックには、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、液晶ポリエステルなど)、スチレン系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6T、ポリアミドMXDなど)、ポリイミド系樹脂(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネート(PC)など)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性ポリフェニレンオキサイドなど)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)、ポリアセタール系樹脂(ポリアセタールなど)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、及びこれらの混合物が含まれる。
より具体的には、ポリオレフィン系樹脂とエンジニアリングプラスチックとの組み合わせとして、例えば、PEとPET、PPとPET、PSとPE、PSとPP、PEとABS樹脂、PPとABS樹脂、PCとPE、PCとPPの組み合わせなどが挙げられる。その他の組み合わせとしては、例えば、PSとABS樹脂、PCとABS樹脂、PETとABS樹脂、PSとPET、PCとPET、ポリアミドとPETの組合せなどが挙げられる。
複数種のポリマーの割合は、得られるアロイプラスチック材料に必要な物性に応じて選択すればよく、特に限定されない。例えば、2種類のポリマーを組み合わせる場合、第1のポリマー/第2のポリマー=99/1〜1/99、好ましくは95/5〜5/95、さらに好ましくは90/10〜10/90程度である。
相溶化されるポリマーに対する相溶化剤の割合は、ポリマーの種類や、混入している他の成分の種類や量などに応じ、また、用途毎に生産性や目的物の品質や性能を考慮して適宜選択できる。一般的に、相溶化剤の割合は、複数種のポリマーが、同系統のポリマー(すなわち、比較的に相溶性のあるポリマー)であれば少なくてもよく、非相溶性のポリマーであれば多くなる。
相溶化剤の割合としては、例えば、相溶化される複数種のポリマーの合計100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは0.3〜50重量部、更に好ましくは0.5〜30重量部(特に1〜15重量部)程度である。相溶化剤の割合が少なすぎると、相溶化効果が得られ難い。一方、多すぎると、相溶化効果が飽和し、経済的に不利になる。なお、本発明の相溶化剤は、難燃性や機械的特性を向上させる作用を有しており、前記の範囲にあれば、プラスチック材料の前記特性を有効に付与できる。
本発明のプラスチック材料は、前述の如く、複数種のポリマーを前記割合の相溶化剤で相溶化することにより得られるプラスチック材料であって、前記相溶化剤と複数種の前記ポリマーとで構成されている。本発明のプラスチック材料のアロイ構造は、混合するポリマーの種類や割合によって各種構造となるが、一般的に、相溶性の高いポリマーを混合した場合は、均質な組成物となり易く、相溶性の低いポリマーを混合した場合は、相分離構造、例えば、マトリックス相と分散相とで構成され海島構造となり易い。本発明のプラスチック材料は、非相溶な複数種のポリマーを使用する場合が多いため、通常、相分離構造である。海島構造の場合、プラスチック材料の物性の点から、分散相の平均径は、例えば、0.01〜100μm、好ましくは0.01〜50μm、さらに好ましくは0.01〜30μm程度である。
プラスチック材料には、難燃剤及び/又は無機フィラーが含まれていてもよい。本発明の相溶化剤は、非相溶な複数種のポリマーを相溶化する作用が強く、難燃剤や無機フィラーを含んでいても、プラスチック物性の低下が抑制される。
難燃剤には、種々のタイプの難燃剤、例えば、無機系難燃剤(ホウ酸系難燃剤、リン系難燃剤、その他の無機系難燃剤)、有機系難燃剤(窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤など)、コロイド難燃物質(Sb23など)などの各種の難燃剤が含まれる。これらの難燃剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
無機系難燃剤において、ホウ酸系難燃剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどが挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、赤燐、リン酸エステル[トリクレジルホスフェート、トリ(β−クロロエチル)ホスフェート、トリ(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(ジブロモプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−ジクロロプロピルホスフェートなど]などが挙げられる。その他の無機系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化スズの水和物、ホウ砂などの無機金属水和物、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、膨張黒鉛などが挙げられる。
有機系難燃剤において、窒素系難燃剤としては、例えば、ホスホニトリル、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素、炭酸グアニジンなどが挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA誘導体(TBA)、テトラブロモビスフェノールS誘導体、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモエタン(TBE)、ブタンテトラブロモブタン(TBB)、ヘキサブロモシクロデカン(HBCD)などの臭素系難燃剤、塩素化パラフィン、塩素化ポリフェニル、塩素化ジフェニル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレンなどの塩素系難燃剤が挙げられる。これらのハロゲン系難燃剤は、三酸化アンチモンなどと併用することにより、さらに高い難燃性を発揮する。
難燃剤の割合は、要求される難燃物性に応じて適宜選択できるが、ポリマー成分の合計100重量部に対して、例えば、0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは3〜70重量部(特に5〜50重量部)程度である。
無機フィラーとしては、特に限定されず、慣用の無機フィラーを使用でき、例えば、非繊維状フィラー(鉱物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属粉、セラミックス粉など)、繊維状フィラー(ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維など)などが挙げられる。
非繊維状フィラーにおいて、鉱物としては、例えば、ゼオライト、タルク、カオリン、ベントナイト、クレーなどが挙げられる。酸化物としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物などが挙げられる。水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などが挙げられる。炭酸塩としては、例えば、炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩などが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩などが挙げられる。ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウムなどの金属ケイ酸塩などが挙げられる。窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタンなどの金属窒化物などが挙げられる。炭素類としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらの無機フィラーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。プラスチック材料に無機フィラーが含まれていると、強度などの機械的特性や、各種耐性(耐熱性、耐水性、耐温水性、耐湿性など)が向上できる。
無機フィラーの割合も、要求される難燃物性に応じて適宜選択できるが、ポリマー成分の合計100重量部に対して、例えば、0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは3〜70重量部(特に5〜50重量部)程度である。
難燃剤及び無機フィラーの合計割合は、プラスチック材料中への分散性の観点から、ポリマー成分の合計100重量部に対して、200重量部以下(0.1〜200重量部)であるのが好ましく、好ましくは100重量部以下(1〜100重量部)程度である。
本発明のプラスチック材料には、さらに他の添加剤、例えば、安定剤(老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤など)、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤などが適宜含まれていてもよい。
プラスチック材料の製造方法としては、特に限定されることなく、通常の溶融混練方法などを例示きる。溶融混練においては、例えば、ロールニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機を用いることができる。これらの混練機は、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、複数種のポリマーを混合する方法としては、例えば、予め混合したマスターチップをそのまま又は希釈して使用する方法や、目的とする成形体を製造するための押出機や成形機に、複数種のポリマー及び相溶化剤を投入して混合する方法などが挙げられる。
複数種のポリマーを充分に相溶化させるためには、混合するポリマーの融点以上の温度で充分に混合するのが好ましい。混合温度は、使用する樹脂の種類に応じて適宜選択できるが、例えば、180〜450℃、好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは150〜350℃程度である。さらに、押出機で混合する場合には、スクリューの回転数は、10rpm以上(例えば、10〜1000rpm)、好ましくは20rpm以上(例えば、20〜500rpm)、さらに好ましくは30〜300rpm程度であってもよい。
[成形体、コーティング剤、接着剤]
このようなプラスチック材料は、各種成形体や、被覆又はコーティング剤、接着剤などとして利用できる。また、それぞれの用途に応じて、用いるポリマーの種類や配合量に応じて、前記相溶化剤の種類や量を、装置特性、生産性、要求される品質、物性に応じて適宜選択する必要がある。
本発明の成形体は、前記プラスチック材料を用いて、慣用の方法、例えば、押出成形法、射出成形法、熱成形法(ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、プレス成形法など)、カレンダ加工法、発泡成形法、圧縮成形法などの方法により製造できる。これらの成形法のうち、押出成形法や熱成形法、射出成形法などが汎用される。
押出成形法では、各種形状の成形体を得ることができ、例えば、各種断面形状を有する中空状又は中実状成形体、シート又はフィルム状成形体、繊維状成形体などを得ることができる。中空状又は中実状成形体の形状としては、例えば、筒状、矩形状などが挙げられる。また、シート又はフィルム状成形体は、例えば、Tダイから押出成形する方法や、インフレーションを用いて押出成形する方法により得ることができる。さらに、繊維状成形体は、エクストルーダー式溶融紡糸法によっても得ることができる。繊維状成形体としては、例えば、マルチフィラメント、モノフィラメント、フラットヤーン、ステープルファイバー、不織布(スパンボンド不織布、フラッシュ紡糸不織布など)などが挙げられる。
なお、押出成形法によって繊維状成形体を得る場合、繊維状成形体は非常に細い繊維で構成され、且つ製造における線速度が非常に大きい。従って、複数種のポリマーが混合されたプラスチック材料は、相分離構造において少量成分(又は分散相)の割合が小さく、且つ高い流動性を有する必要がある。
そこで、繊維状成形体において、プラスチック材料のメルトフローレート(MFR)は、高い生産性や優れた品質及び物性を得るために、通常、成形温度で、0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜8g/10分、さらに好ましくは0.5〜7g/10分程度である。さらに、2種類のポリマーを使用する場合、例えば、少量成分のポリマーのメルトフローレート(MFR1)が、多量成分のポリマーのメルトフローレート(MFR2)よりも大きいのが好ましい。例えば、MFR2とMFR1との比(MFR2/MFR1)は、通常、0.9以下(例えば、0.1〜0.9)、好ましくは0.8以下(例えば、0.1〜0.8)、さらに好ましくは0.7以下(例えば、0.1〜0.7)程度である。MFR2がMFR1よりも大きいと、押出された形態が不均一になったり、その後に延伸した場合に、延伸が不均一になり、また、節形成における品質の低下につながる。MFRの値は、生産方式や生産銘柄などによって最適値を選定する必要がある。なお、2成分のポリマーによる構造は海島構造であってもよく、通常、少量成分が島成分を形成する。
また、プラスチック材料の相分離の構造は、生産性や品質、物性を低下させないために、少量成分(例えば、島成分又は分散層)で構成されるドメインの断面積(S1)と、繊維断面積(S)との比(S1/S)が、通常、0.3以下(例えば、0.01〜0.3)、好ましくは0.2以下(例えば、0.01〜0.2)、さらに好ましくは0.15以下(例えば、0.01〜0.15)程度である。この比が大きすぎると、糸切れによる生産性の低下や糸斑による品質や物性の低下が顕著となる。
このような相分離構造を形成するためには、ポリマーの組成としては、例えば、2種類のポリマーを用いる場合、少量成分の比率が、ポリマーの合計量に対して、通常、30重量%以下(例えば、0.1〜30重量%)、好ましくは20重量%以下(例えば、0.1〜20重量%)、さらに好ましくは15重量%以下(例えば、0.1〜15重量%)程度である。少量成分が多すぎると、繊維の切断や部分変形が生じ易く、生産性、品質、物性が低下する。
本発明のプラスチック材料は、複数種のポリマーを組み合わせるため、硬い繊維部分と柔軟な繊維部分とを筋状に有する構造を形成することも可能であり、繊維の曲げ剛性や結節強度が高くなる。従って、本発明のプラスチック材料は、繊維状成形体、特に、モノフィラメントやスパンボンド繊維などの繊維状成形体に適している。
他の成形体について、例えば、シート又はフィルム状成形体では、プラスチック材料の流動性は、製造方法によって適宜選択できる。例えば、Tダイを用いた押出成形法では、ポリマーの流動性は比較的低くてもよく、例えば、MFRは、通常15g/10分以下(例えば、1〜15g/10分)、好ましくは10g/10分以下(例えば、1〜10g/10分)、更に好ましくは1〜8g/10分程度である。また、インフレーションを用いた押出成形法では、ポリマーの流動性は比較的高くてもよく、MFRは、通常、30g/10分以下(例えば、5〜30g/10分)、好ましくは25g/10分以下(例えば、5〜25g/10分)、更に好ましくは5〜20g/10分程度である。
シート又はフィルム状成形体においても、前記繊維状成形体と同様に、2種類のポリマーを使用する場合、例えば、少量成分のポリマーのメルトフローレート(MFR1)は、多量成分のポリマーのメルトフローレート(MFR2)よりも大きいのが好ましく、MFR2とMFR1との比についても同様である。
シート又はフィルム状成形体における相分離構造について、フィルム中での少量成分(例えば、島成分又は分散層)で構成されるドメインの大きさ(D1)と、シート又はフィルムの厚み(D)との比(D1/D)は、通常、0.5以下(例えば、0.01〜0.5)、好ましくは0.3以下(例えば、0.01〜0.3)、さらに好ましくは0.2以下(例えば、0.01〜0.2)程度である。シート又はフィルム中での少量成分の大きさが大きくなりすぎると、物性が低下するとともに、延伸した場合、シート又はフィルムが不均一になり、破れや厚み斑が生じる。
シート又はフィルム状成形体では、相分離構造において、一般的に、繊維状成形体のように少量成分の割合を小さくする必要はない。少量成分の比率は、ポリマーの合計量に対して、通常、40重量%以下(例えば、1〜40重量%)、好ましくは30重量%以下(例えば、1〜30重量%)、さらに好ましくは20重量%以下(例えば、1〜20重量%)程度である。少量成分が多すぎると、成形時の破れが生じ易く、生産性が低下し、且つフィルムの厚み斑などや、相溶性の不均一性が顕著になる。
熱成形法では、例えば、前記押出成形法で得られたフィルムやシート状成形体を用いて、二次加工することにより、各種容器(ボトル)、例えば、飲料用容器、食品用容器、薬品用容器などを製造してもよい。
熱成形では、プラスチック材料(シート又はフィルム状成形体)の流動性を低く調整する必要があり、例えば、MFRは、通常、10g/10分以下(例えば、0.5〜10g/10分)、好ましくは7g/10分以下(例えば、0.5〜7g/10分)、更に好ましくは0.5〜5g/10分程度である。
容器においても、一般的に、相分離構造において、繊維状成形体のように少量成分の割合を小さくする必要はなく、前記シート状又はフィルム状成形体と同様である。少量成分の割合が多すぎると、成形時の破れが生じ易く、生産性が低下し、且つフィルム又はシートの厚み斑などや相溶性の不均一性が顕著になる。
射出成形でも、各種形状の成形体、例えば、自動車などの輸送車両などを構成する部材及び装備品、パーソナルコンピュータ、ディスプレイ、複写機、プリンターなどのオフィス・オートメーション(OA)機器、テレビや冷蔵庫などの家電製品、壁材や床材などの建築資材、各種器具(ハウジング、ケーシング、パーツなど)、容器などを得ることができる。射出成形では、比較的高い流動性が必要であり、例えば、MFRは、通常、50g/10分以下(例えば、0.1〜50g/10分)、好ましくは30g/10分以下(例えば、1〜30g/10分)、更に好ましくは20g/10分以下(例えば、5〜20g/10分)程度である。
射出成形では、相分離構造は特に限定されないが、少量成分(例えば、島成分又は分散層)の割合が大きすぎると、生産性、操業性、品質、物性などが低下する。また、相分離構造において、少量成分の比率は、生産性、品質、物性などの点から、ポリマーの合計量に対して、通常、45重量%以下(例えば、1〜45重量%)、好ましくは40重量%以下(例えば、1〜40重量%)、さらに好ましくは30重量%以下(例えば、1〜30重量%)程度である。
他の成形体についても、相分離構造やポリマーの混合比は、射出成形と同様である。なお、本発明の成形体において、融着が必要な場合は、多量成分として軟化点が低いポリマー(例えば、ポリエチレンなど)が好ましく、高い柔軟性、表面硬度及び耐熱性が要求される場合は、多量成分として軟化点が高いポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)が好ましい。
本発明の被覆又はコーティング剤は、前記プラスチック材料を各種溶媒や添加剤などと混合して使用してもよい。このような被覆又はコーティング剤としては、例えば、有機又は無機線状物、撚り紐状物などに対する被覆剤、金属板、プラスチックフィルムやシート、繊維又はパルプ製不織布などに対するコーティング剤又はラミネート剤、粉体塗料、水分散塗料又は有機系塗料などの塗料として利用できる。
本発明の接着剤としては、前記プラスチック材料に加えて、必要に応じて、各種溶媒や添加剤などを含んでいてもよい。このような接着剤としては、例えば、金属、セラミック、有機構造物などを接着するために接着剤として利用できる。
本発明の相溶化剤は、その優れた相溶化作用により、少なくとも一種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーを用いてプラスチック材料を再生しても、実用的なプラスチック物性を確保できるため、プラスチックを再生するための相溶化剤として有効に利用できる。さらに、本発明の相溶化剤を含むプラスチック材料は、難燃剤や無機フィラーが含まれていても、プラスチックの物性を低下せずに、複数種のポリマーを相溶化できるため、広い分野及び用途に利用可能であり、例えば、各種成形体[容器(飲料用容器、食品用容器、薬品用容器など)、各種機器、器具(ハウジング、ケーシング、パーツなど)など]や、コーティング剤、接着剤に用いるプラスチック材料として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
廃PETフレーク(よのペットボトル(株)製)80重量部、PE製ガス管廃材ペレット(大阪樹脂工業(株)製)20重量部、及び相溶化剤として、フルオレン系ポリエステル(OKP4、大阪ガスケミカル(株)製)2重量部を、2軸押出機(BT−30−L、(株)プラスチック工学研究所製、L/D比=30)を用いて、以下の押出条件で溶融混練し、ストランド状に押し出し、チップを得た。
<押出条件>
温度設定:フィード260℃、混練部300℃、ヘッド260℃
回転数:60rpm
得られたチップを射出成形機(N100BII、日本製鋼所(株)製、L/D比=22)を用いて、以下の成形条件で成形して、JIS K−6760に準拠した試験片(幅1/2インチ×長さ8.5インチ×厚み1/8インチ)を作製した。
<射出成形条件>
温度設定:フィード 260℃、ノズル 280℃、金型 60℃
射出圧力:35〜40kg/cm2
この試験片について、JIS K−6760に準拠した機械的強度試験を行った結果、引張り降伏点強度は32MPaであった。
実施例2
相溶化剤として、フルオレン系ポリエステル(OKP4、大阪ガスケミカル(株)製)1重量部及びエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(ボンドファーストE、住友化学(株)製)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。引張り降伏点強度は36MPaであった。
実施例3
相溶化剤として、フルオレン系ポリエステル(OKP4、大阪ガスケミカル(株)製)1重量部及びビスオキサゾリン−スチレン−無水マレイン酸共重合体(三国製薬(株)製)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。引張り降伏点強度は34MPaであった。
実施例4
相溶化剤として、フルオレン系ポリエステル(OKP4、大阪ガスケミカル(株)製)1重量部及びエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体アイオノマー(ハイミラン1707Na、三井・デュポンポリケミカル(株)製)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。引張り降伏点強度は34MPaであった。
比較例1
相溶化剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。引張り降伏点強度は22MPaであった。
以上の結果から明らかなように、実施例1〜4で得られた成形体では、相溶化剤を用いなかった比較例1で得られた成形体に比べて、高い引張り降伏点強度が得られ、実用上十分な強度を有していた。

Claims (9)

  1. フルオレン骨格を有する化合物で構成された相溶化剤。
  2. フルオレン骨格を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物である請求項1記載の相溶化剤。
    Figure 2005290113
    (式中、R1〜R4は、同一又は異なって非反応性基又は反応性基を示し、n1及びn2は同一又は異なって0又は1〜5の整数を示し、m1及びm2は同一又は異なって0又は1〜4の整数を示す)
  3. 式(1)において、非反応性基が、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、反応性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、又はこれらの活性水素から誘導される基である請求項2記載の相溶化剤。
  4. フルオレン骨格を有する化合物が、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂である請求項1記載の相溶化剤。
  5. フルオレン骨格を有する化合物が、請求項2記載の式(1)で表される化合物を単量体成分として重合した樹脂であって、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂及びポリイミド系樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂で構成されている請求項1記載の相溶化剤。
  6. さらに、アイオノマー系化合物、反応性基又は官能性基を有する化合物、及びエラストマー系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤を含む請求項1記載の相溶化剤。
  7. 少なくとも一種の使用済ポリマーを含む複数種のポリマーと、請求項1記載の相溶化剤とで構成された再生プラスチック材料。
  8. さらに、難燃剤及び無機フィラーから選択された少なくとも一種を含む請求項7記載の再生プラスチック材料。
  9. 請求項7記載の再生プラスチック材料で形成された成形体。
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