JPH0931306A - 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物 - Google Patents

耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物

Info

Publication number
JPH0931306A
JPH0931306A JP18580995A JP18580995A JPH0931306A JP H0931306 A JPH0931306 A JP H0931306A JP 18580995 A JP18580995 A JP 18580995A JP 18580995 A JP18580995 A JP 18580995A JP H0931306 A JPH0931306 A JP H0931306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorene
epoxy resin
component
bis
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18580995A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Yamanaka
啓造 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minnesota Mining and Manufacturing Co filed Critical Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority to JP18580995A priority Critical patent/JPH0931306A/ja
Publication of JPH0931306A publication Critical patent/JPH0931306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 航空機産業や大型コンピューター産業のよう
な要求特性の特に厳しい分野においても十分に実用可能
な、高耐熱性と高靱性とを兼ね備えた硬化エポキシ樹脂
の利用を可能にする新しいエポキシ樹脂系組成物を提供
する。 【解決手段】 本発明のエポキシ樹脂系組成物は、硬化
性エポキシ樹脂、ゴム成分、プラスチック成分、及び当
該ゴム成分とプラスチック成分を当該硬化性エポキシ樹
脂に十分混和させるための混和剤を含むことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い靱性を有する
エポキシ樹脂系組成物、特に、高い耐熱性、例えば高温
においても十分な剪断強度、を兼ね備えた高耐熱性エポ
キシ樹脂系組成物に関する。このような特性を有するエ
ポキシ樹脂系組成物は、輸送機産業、特に航空機産業や
自動車産業で用いられる構造用材料、あるいは電気電子
産業で用いられる集積回路(IC)の封止剤や、接着剤
等の用途において有用である。
【0002】
【従来の技術】最近の急激な技術発展に伴い、各種材料
においては今まで以上に強靱で且つ耐熱性の優れたもの
が要請されつつある。エポキシ樹脂に関しては、取扱い
性、成形性や靱性のバランスに優れるという長所がある
一方、高温においても十分な耐熱性が要求されつつあ
り、特に航空機産業分野や電気電子産業分野(例えば、
大型コンピューター用プリント配線板用)等からはより
一層の耐熱性が要求されている。
【0003】エポキシ化合物を主剤とし、硬化剤により
硬化する硬化性エポキシ組成物から得られる硬化エポキ
シ樹脂は、もともと基材として良好な特性(例えば、高
い弾性率、高い接着性、高い耐溶剤性)を有する。従っ
て、これをベースとし、変性成分を加えることで、更に
良好な特性を得ることが容易にできる。とは言うもの
の、未変性の硬化エポキシ樹脂は一般に脆いという欠点
がある。
【0004】エポキシ樹脂の靱性を向上させる手法とし
ては、エポキシ樹脂のエポキシ成分や硬化剤成分そのも
のに靱性を持たせる方法、あるいはエポキシ樹脂に第三
成分として靱性付与剤(ゴム成分あるいはプラスチック
成分)を配合する方法がある。一方、エポキシ樹脂の耐
熱性を向上させる手法には、架橋密度を高くするもの
(多官能性エポキシを使用する)、あるいは分子骨格を
剛直にするものが知られている。しかしながら、一般
に、これらの手法を利用してエポキシ樹脂の靱性を向上
させようとすれば耐熱性が低下してしまい、逆に耐熱性
を向上させようとすれば靱性が低下してしまう。そのた
め、耐熱性と靱性の両方を兼ね備えた高性能の実用的エ
ポキシ樹脂は、思いどおりに手に入らないのが実情であ
る。
【0005】最近、エポキシ樹脂の耐熱性と靱性の両立
を図る試みがいくつか提案されている。その一つに、架
橋密度を低くしながら耐熱性を向上させる手法がある。
これは、耐熱性の向上のために架橋密度を高くすれば靱
性が低下するという本質的な欠点を、架橋密度が低くて
も分子骨格によっては耐熱性を上げることができること
を利用して緩和したものである。このような技術は、例
えば、米国特許第 4524181号、同第 4684678号、同第 4
769399号、同第 4882370号及び同第 5073595号各明細書
に記載されたように、フルオレン・エポキシと呼ばれる
2官能型エポキシ樹脂を使用するものであり、この樹脂
は、剛直な分子骨格のために2官能型でありながら 200
℃以上の高いガラス転移温度を有する。この技術によれ
ば、樹脂の架橋密度が低下した分だけ靱性が増加するは
ずである。とは言うものの、耐熱性と靱性の両方が更に
向上したエポキシ樹脂が要望されている。
【0006】もう一つの試みとして、第三成分としてプ
ラスチック成分であるポリエーテルイミドを靱性付与剤
として用いてエポキシ樹脂を靱性化する際に、相容化剤
(混和剤)としてイミドオリゴマー(低分子量イミド)
を添加するものがある(木本正樹ら,第32回日本接着学
会年次大会講演要旨集,p.65-66(1994))。これによれば
、エポキシ樹脂をプラスチック成分で靱性化する場合
に大きな問題となる両者の混和性の解決が図られてい
る。ところが、破壊靱性値の改善が期待されたが、ほと
んど変化しないか、むしろ低下する傾向が認められたこ
とが報告されている。
【0007】更に別の試みとして、エポキシ樹脂をポリ
エーテルスルホン(プラスチック成分)とニトリルゴム
(ゴム成分)とで変性し、耐熱性と靱性の両立を目指す
ものがある(堀内伸ら,Polymer Preprints, Japan, Vo
l. 43, No. 3, p.1229(1994))。ポリエーテルスルホン
とニトリルゴムとで変性したエポキシ樹脂は、これらの
変性剤の組成比によって、脆性破壊を示す場合と延性破
壊を示す場合があったことが報告されており、後者の場
合には変性エポキシ樹脂の有効性が認められる。しか
し、この後者の場合には、ゴム成分がマトリックス相
(連続相)となり、このゴム相の中にエポキシ粒子とプ
ラスチック粒子が分散する相分離形態である。すなわ
ち、この変性エポキシ樹脂は、ゴム成分をマトリックス
相として延性破壊させている点で、本発明が目的とする
硬くて(弾性率が高い)強靱なエポキシ樹脂とは本質的
に異なるものであり、且つ、ゴム成分がマトリックス相
であるため、実際に耐熱性エポキシ樹脂として用いるに
は問題があると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば航空
機産業のような要求特性の特に厳しい分野においても十
分に実用可能な、高耐熱性と高靱性とを兼ね備えた新し
いエポキシ樹脂系組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、硬化性エ
ポキシ樹脂、ゴム成分、プラスチック成分、及び当該ゴ
ム成分とプラスチック成分を当該硬化性エポキシ樹脂に
十分混和させるための混和剤を含むことを特徴とするエ
ポキシ樹脂系組成物により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する「硬化性エポキシ樹脂」という用語
は、エポキシ化合物を主剤とし、硬化剤により硬化して
硬化樹脂を生成する物質のことを言う。言い換えれば、
本発明における硬化性エポキシ樹脂とは、エポキシ化合
物と硬化剤との反応で硬化して硬化樹脂を生成する能力
のある物質のことであり、この硬化性エポキシ樹脂は、
主剤のエポキシ化合物と硬化剤とを含有しているもの、
あるいは硬化させる際に硬化剤が加えられるものを包含
する。エポキシ化合物とその硬化剤は様々なものが知ら
れており、本発明ではそのような周知のエポキシ化合物
及び硬化剤を使用することができる。
【0011】本発明における硬化性エポキシ樹脂の主剤
であるエポキシ化合物成分として特に好ましいものを挙
げるとすれば、ジグリシジルエーテル・オブ・ビスフェ
ノールA(DGEBA、2官能エポキシ)、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM、多官能
エポキシ)等である。また、硬化剤成分としては、一般
にジアミノジフェニルスルホン(DDS)等がある。
【0012】上記のエポキシ主剤成分のほかに、本発明
で使用可能なエポキシ化合物成分として、ジグリシジル
エーテル・オブ・ビスフェノールF(DGEBF、2官
能エポキシ)やp−アミノフェノールトリグリシジルエ
ーテル(PAFTGE、多官能エポキシ)等を挙げるこ
とができる。ジグリシジルエーテル・オブ・ビスフェノ
ールAやジグリシジルエーテル・オブ・ビスフェノール
Fは粘度が低く、硬化条件も広い点で好適で、テトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタンやp−アミノフェノ
ールトリグリシジルエーテルは脆さはあるが、耐熱性が
高い。また、上記の硬化剤成分以外に、本発明で使用可
能なものとして、ジシアンジアミドやジアミノジフェニ
ルメタン(DDM)等を挙げることができる。ジアミノ
ジフェニルスルホンは耐熱性が高く、ジシアンジアミド
やジアミノジフェニルメタンは安価で使い易い点で好適
である。
【0013】本発明におけるゴム成分とは、ガラス転移
温度(Tg)が0℃以下のものをいう。好適なゴム成分と
しては、例えば、ポリエーテルジアミンゴム、ニトリル
ゴム、ブタジエンゴム、末端にカルボキシル基を持つニ
トリルゴム等を挙げることができる。このようなゴム成
分には、エポキシ樹脂との相容性が良好で、またゴム成
分の官能基にエポキシ成分を予め反応させて用いること
ができ、そして靱性付与効果が大きいという利点があ
る。ゴム成分の中でも、ポリエーテルジアミンゴムが極
めて有効であり、代表的なポリエーテルジアミンゴムは
3M社製の HC-1101である。2種以上のゴム成分を同時
に使用することも有効である。
【0014】本発明の組成物におけるゴム成分の量は、
硬化性エポキシ樹脂 100重量部当たり5〜150 重量部で
ある。ゴム成分の含有量がこの下限を下回ると、硬化エ
ポキシ樹脂の靱性向上の効果が得られず、上限を超える
と、硬化樹脂の耐熱性が乏しくなる。更に好ましくは、
ゴム成分含有量は硬化性エポキシ樹脂 100重量部当たり
12〜110 重量部である。
【0015】本発明で使用するプラスチック成分は、ガ
ラス転移温度(Tg)が 100℃以上のものである。好適な
プラスチック成分の例を挙げると、ポリエーテルイミ
ド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポ
リアリレート等である。これらのプラスチック成分は、
エポキシ樹脂の靱性向上効果の点では一般にゴム成分に
かなわないが、耐熱性を著しく低下させずに靱性の向上
が可能という利点がある。特に有効なプラスチック成分
はポリエーテルイミドであり、その代表例はGEプラス
チック社製のULTEM1000である。プラスチック成分につ
いても、2種以上を同時に使用して差し支えない。
【0016】プラスチック成分は、硬化性エポキシ樹脂
100重量部当たりに一般には5〜150 重量部が配合され
る。プラスチック成分がこの下限未満では、硬化エポキ
シ樹脂の靱性向上の効果が得られず、また上限を超える
と硬化前の樹脂の取扱い性が悪くなる(例えば粘度上昇
や硬化時間の増加を招く)。プラスチック成分の更に好
ましい含有量は、硬化性エポキシ樹脂 100重量部当たり
16〜110 重量部である。
【0017】本発明では、硬化性エポキシ樹脂に靱性付
与剤としてゴム成分とプラスチック成分の両方を添加す
ることで、もともと適度の耐熱性を備えたエポキシ樹脂
の靱性向上を図っている。しかしながら、両方の成分を
単に添加するだけで、靱性向上の効果を思いどおりに挙
げることは極めて困難である。その最も大きな原因とし
て、変性剤(靱性付与剤)と硬化性エポキシ樹脂との混
和性の問題がある。変性剤を用いてエポキシ樹脂を靱性
化するためには、その変性剤がゴム成分であれプラスチ
ック成分であれ、エポキシ樹脂中に変性剤のミクロ相分
離構造を生じさせることが極めて重要であることが知ら
れている。先に説明した、ゴム成分とプラスチック成分
の両方を使ってエポキシ樹脂を変性するという従来技術
においては、ゴム成分がマトリックス相となっていて、
プラスチック成分やエポキシ樹脂を含めた多成分中での
混和性が悪いため、各成分に基づく相乗効果が得られ
ず、十分な耐熱化と靱性化は達成されていない。
【0018】ゴム成分に関しては、その分子量の低いこ
と、ゴム成分の官能基にエポキシ化合物そのものを予め
反応させて使用するプロセス(予備反応プロセス)があ
ること、あるいは、よく使用されるニトリルゴムの場合
には、ニトリル基の極性作用のために、エポキシ化合物
との混和性が比較的良好である。しかしながら、硬化前
の初期の段階で混和性が良好であったとしても、硬化反
応による高分子量化につれて元の混和性は損なわれてし
まい、そのためミクロ相分離構造がうまく形成されない
ことがある。一方、プラスチック成分による変性に関し
ては、その分子量が高く、一般に極性が小さいことか
ら、硬化前の初期の段階で既に混和性が悪く、ミクロ相
分離構造を形成するのが困難である。
【0019】このように、ゴム成分とプラスチック成分
を硬化性エポキシ樹脂に単に混ぜ合わせただけでは、こ
れらの変性剤のミクロ相分離構造がうまく形成されない
ため、所期の靱性向上効果を達成することができない。
本発明においては、ゴム成分とプラスチック成分の双方
を硬化性エポキシ樹脂に十分混和させるための混和剤
(相容化剤)を用いることで、これらの変性剤のミクロ
相分離構造を最適にし、それによってエポキシ樹脂の靱
性と耐熱性の両立を図っている。
【0020】本発明で用いられる好適な混和剤の例は、
フルオレン骨格を有する化合物(フルオレン系化合物)
である。フルオレン系化合物は、ゴム成分とプラスチッ
ク成分の両方をエポキシ樹脂にうまく混和させるのに有
効であることが分かった。好適な混和剤の例としては、
フルオレンエポキシ系化合物、例えばビスフェノールフ
ルオレンジグリシジルエーテルの如きもの、あるいは、
フルオレンアミン系化合物、例えばビスアニリンフルオ
レン、ビストルイジンフルオレンやビスジアミノフェニ
ルフルオレンの如きもの、あるいは、フルオレンアクリ
レート系化合物のビスフェノールフルオレンジヒドロキ
シアクリレートやビスフェノールフルオレンジメタクリ
レート、あるいは、フルオレンフェノール系化合物のビ
スフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、
ビスエチルフェノールフルオレンやビスキシレノールフ
ルオレン等を挙げることができる。これらの中でも、更
に望ましい混和剤は、フルオレンエポキシ系又はフルオ
レンアミン系の化合物であり、これらの化合物はエポキ
シ樹脂の主剤あるいは硬化剤にもなりうるものである。
本発明では、2種以上の混和剤を同時に使用することも
有効である。
【0021】混和剤の添加量は、相容化剤として働く点
を考量すれば、硬化性エポキシ樹脂(エポキシ化合物や
硬化剤)100 重量部に対し1重量部程度の少量でも十分
に有効である。添加量の上限に関しては、硬化したエポ
キシ樹脂の特性を損なわない範囲内であればよく、例え
ば、フルオレンエポキシ系又はフルオレンアミン系化合
物を使用する場合には、そのもの自身が優れたエポキシ
樹脂成分となるため、特に上限はない。とは言え、硬化
前樹脂の取扱い性(粘度等)や硬化条件を考慮すれば、
一般には、混和剤添加量は上記の基準で10重量部以上、
より好ましくは10〜300 重量部、更に好ましくは45〜25
0 重量部である。
【0022】上述のように、本発明では、フルオレン骨
格を有するエポキシ化合物又はフルオレン骨格を有する
硬化剤を、混和剤として用いることができる。フルオレ
ン骨格を持つエポキシ化合物又は硬化剤から出発して得
られた硬化エポキシ樹脂は、その分子構造が剛直なため
に、耐熱性の面でより有利である。この場合には、混和
剤自身がエポキシ樹脂を構成することになり、硬化性エ
ポキシ樹脂と靱性付与剤との相容性が高くなって、硬化
後における靱性付与剤のミクロ相分離構造を目的に応じ
て最小限に制限することができ、それにより靱性付与剤
との相乗効果がより得られやすいことから、高耐熱性・
高靱性エポキシ樹脂の設計が用途に合わせてより容易に
なる点で特に好適である。
【0023】硬化性エポキシ樹脂の成分としてフルオレ
ン骨格を有するエポキシ化合物あるいは硬化剤を用いる
場合には、それが混和剤としての役割を有利に果たすた
めに、それ以外の成分を混和剤として特別に添加しなく
ても差し支えない。また、一例として、フルオレン骨格
を有するエポキシ化合物を使用する場合に、硬化性エポ
キシ樹脂におけるエポキシ化合物の全体をこのフルオレ
ン骨格を有するエポキシ化合物から構成してもよい。こ
のことは硬化剤についても言えることである。従って、
本発明は、硬化性エポキシ樹脂中のエポキシ化合物ある
いは硬化剤のうちの一部が混和剤を兼ねる態様ととも
に、エポキシ化合物あるいは硬化剤の全量が混和剤を兼
ねる態様をも包含するものである。これらの両方の態様
において、本発明の組成物は他の混和剤を含まなくとも
よい。
【0024】フルオレン骨格を有するエポキシ化合物
は、具体的には、例えば下記の一般式(1) により表され
るビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジ
ルエーテルである。
【0025】
【化1】
【0026】(この式中のR0 及びR1 はそれぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子又はエポキシ基の反応に際し
て実質的に不活性な基を表わす)により表わされるビス
(ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエー
テルである。このようなジグリシジルエーテルの例とし
て、9,9−ビス〔4,4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)フェニル〕フルオレン、9−〔4−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル〕−9−〔3−メチル−4
−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレ
ン、9,9−ビス〔3−メチル−4−(2,3−エポキ
シプロポキシ)フェニル〕フルオレン、
【0027】9−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)フェニル〕−9−〔3,5−ジメチル−4−(2,
3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、9,
9−ビス〔3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)フェニル〕フルオレン、9−〔3−メチル
−4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−9
−〔3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)フェニル〕フルオレン、9−〔4−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル〕−9−〔3−クロロ−4
−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレ
ン、9−〔3−クロロ−4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)フェニル〕−9−〔3,5−ジクロロ−4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレ
ン、9,9−ビス〔3−ブロモ−4−(2,3−エポキ
シプロポキシ)フェニル〕フルオレン、
【0028】9,9−ビス〔3,5−ジブロモ−4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレ
ン、9,9−ビス〔3−t−ブチル−4−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、1−クロロ
−9,9−ビス〔3−メチル−4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)フェニル〕フルオレン、2−メチル−9,
9−ビス〔3−メチル−4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)フェニル〕フルオレン、2,6−ジメチル−9−
〔3−メチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)フ
ェニル〕−9−〔3,5−ジメチル−4−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、
【0029】1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
フルオロ−9,9−ビス〔3−メチル−4−(2,3−
エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、2,7−
ジニトロ−9,9−ビス〔3−メチル−4−(2,3−
エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、2−アセ
チル−9,9−ビス〔3,5−ジメチル−4−(2,3
−エポキシプロポキシ)フェニル〕フルオレン、2,7
−ジフェニル−9−〔3−メチル−4−(2,3−エポ
キシプロポキシ)フェニル〕−9−〔3,5−ジメチル
−4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕フル
オレン、を挙げることができる。
【0030】本発明において使用することができるフル
オレンのジグリシジルエーテル及びその製造方法は、例
えば特開昭63−165378号公報、特開平2−17
90号公報、特開平2−103236号公報に記載され
ている。本発明のフルオレン骨格を有する、混和剤でも
あるエポキシ化合物の特に好ましい一例は、反応性が高
く、且つ入手容易な観点から9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテルであ
り、例えばシェル社からEpon HPT樹脂1079
(エポキシ当量約240)が入手可能である。
【0031】フルオレン骨格を有する、混和剤でもある
硬化剤は、アミン系硬化剤であるのが好適であり、これ
は例えば次の一般式(2) により表される。
【0032】
【化2】
【0033】(この式中のR0 は、それぞれ独立に、水
素、ハロゲン、又は硬化反応に対して不活性な基であ
り、R1 は、それぞれ独立に、水素、又は1〜6個の炭
素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基である)
【0034】このような硬化剤の具体例として、例え
ば、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
4−メチル−9,9−ビス(4−アミノフェニル)フル
オレン、4−エチル−9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4−フルオロ−9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン、4−クロロ−9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン、4−ブロモ−9,
9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4−ヨー
ド−9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
9−(4−メチルアミノフェニル)−9−(4−エチル
アミノフェニル)フルオレン、
【0035】1−クロロ−9,9−ビス(4−アミノフ
ェニル)フルオレン、2−メチル−9,9−ビス(4−
アミノフェニル)フルオレン、2,6−ジメチル−9,
9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,5−
ジメチル−9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオ
レン、2−フルオロ−9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、1,2,3,4,5,6,7,8−オ
クタフルオロ−9,9−ビス(4−アミノフェニル)フ
ルオレン、2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)フルオレン、2−クロロ−4−メチル−
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
【0036】2,7−ジクロロ−9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン、2−アセチル−9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、2−メチル−
9,9−ビス(4−メチルアミノフェニル)フルオレ
ン、2−クロロ−9,9−ビス(4−エチルアミノフェ
ニル)フルオレン、2−第三級ブチル−9,9−ビス
(4−メチルアミノフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(4−メチルアミノフェニル)フルオレン、9−(4
−メチルアミノフェニル)−9−(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−エチルアミノフェ
ニル)フルオレン、9−(4−エチルアミノフェニル)
−9−(4−アミノフェニル)フルオレン、
【0037】9,9−ビス(4−プロピルアミノフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−イソプロピルアミ
ノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ブチルア
ミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル
−4−メチルアミノフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(3−クロロ−4−メチルアミノフェニル)フルオレ
ン、9−(4−メチルアミノフェニル)−9−(4−エ
チルアミノフェニル)フルオレン、4−メチル−9,9
−ビス(4−メチルアミノフェニル)フルオレン、4−
クロロ−9,9−ビス(4−メチルアミノフェニル)フ
ルオレン、
【0038】9,9−ビス(3−メチル−4−アミノフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−
アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェ
ニル−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3,5−ジメチル−4−メチルアミノフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノ
フェニル)フルオレン、9−(3,5−ジメチル−4−
メチルアミノフェニル)−9−(3,5−ジメチル−4
−アミノフェニル)フルオレン、9−(3,5−ジエチ
ル−4−メチルアミノフェニル)−9−(3−メチル−
4−アミノフェニル)フルオレン、
【0039】1,5−ジメチル−9,9−ビス(3,5
−ジメチル−4−メチルアミノフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−アミノフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−クロロ−4−
アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ジク
ロロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3−ジエチル−4−メチルアミノフェニル)フルオレ
ンおよび9,9−ビス(3−ジエチル−4−アミノフェ
ニル)フルオレンを挙げることができる。
【0040】一般に、本発明のエポキシ樹脂系組成物に
は、必要に応じて、流動特性等の取扱い上の特性の向上
のために充てん剤を加えることができる。充てん剤を使
用する場合、その添加量は、組成物の全重量の50重量%
以下が望ましく、より好ましくは組成物の全重量の2〜
50重量%である。
【0041】本発明の組成物は、各成分を任意の方法で
混合することにより容易に製造することができる。その
際に、上記の充てん剤以外にも、通常のエポキシ樹脂系
組成物の調製で用いられる添加剤を加えて差し支えな
い。
【0042】
【実施例】次に、以下に掲げる例により本発明を更に詳
しく説明する。
【0043】下記の例において使用した成分化合物は、
次のとおりである。 (1) エポキシ化合物 ・TGDDM: テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン(チバ・ガイギー社製MY9512)。 ・FEP: ビスフェノールフルオレンジグリシジルエ
ーテル(シェル化学社製エポン(Epon)HPT樹脂10
79)。 ・DGEBA: ビスフェノールAのジグリシジルエー
テル(ダウ・ケミカル社のDER 332)。
【0044】(2) 硬化剤 ・DDS: ジアミノジフェニルスルホン(チバ・ガイ
ギー社製HT 976)。 ・CAF: ビスクロロアミノフェニルフルオレン(3
M社製)。 (3) 靱性付与剤 ・PTMO: ポリテトラメチレンオキサイドジ−第一
アミン(3M社製HC−1101)(ゴム成分)。 ・PEI: ポリエーテルイミド(GEプラスチックス
社製ULTEM 1000)(プラスチック成分)。 (4) 充てん剤 ホウ酸アルミニウム(四国化成工業(株)社製YS2)
を、粘度調節剤として使用した。
【0045】また、下記の例において使用した測定方法
は次のとおりである。調製した未硬化のエポキシ樹脂系
組成物を離型紙上にコーティングしてフィルム状にし
た。この際、フィルム状にした組成物の取扱い性を向上
させる目的で、離型紙上にガラス繊維織物((株)有沢
製作所製のLPC101)を置き、この上に調製した組
成物をコーティングした。次いで、汎用の酸(重クロム
酸ナトリウム/硫酸の水溶液)による表面処理を前もっ
て施した被着体にフィルム状組成物を付着させ、これを
120℃で20時間硬化させてから、更に 200℃で2時間の
後硬化を行って、組成物を被着体に接着させた。こうし
て用意した試料について、次に掲げる試験を行った。
【0046】(a) 剪断強度 JIS K 6850に準拠して測定した。被着体とし
て厚さ6mmのアルミニウム(2024−T3)プレート
を用いた。引張速度は1mm/分とし、また測定温度は、
室温及び177℃とした。 (b) 回転ドラム剥離強度 ASTM D 1781に従った。被着体として厚さ
0.5mmのアルミニウム(2024−T3)を用いた。
測定は、室温において、50mm/分の引張速度で行っ
た。
【0047】(c) T形剥離強度(1) JIS K 6854によった。被着体として厚さ0.
5mmのアルミニウム(2024−T3)を用いた。測定
は、室温で行い、引張速度は500mm/分とした。 (d) T形剥離強度(2) JIS K 6854によった。被着体として厚さ0.
8mmのアルミニウム(A1050P−H24)を用い
た。測定は、室温で、50mm/分の引張速度で行った。
【0048】(比較例1)50gのTGDDM(テトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン)と50gのDGEB
A(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)との混
合物を 120℃に昇温し、次に42.7gのDDS(ジアミノ
ジフェニルスルホン)と11.7gのホウ酸アルミニウム
(充てん剤)を混合してエポキシ樹脂系組成物を調製
し、これを上記のガラス繊維織物を置いた離型紙(以
下、簡単にするため単に離型紙と称する)上にコーティ
ングしてフィルム状にした。この組成物について、上記
のとおりに試験を行った。配合表と測定結果を要約して
表1に示す。
【0049】(比較例2)50gのDGEBAと33.5gの
PTMO(ポリテトラメチレンオキサイドジ−第一アミ
ン)を 120℃で2時間反応させ、次に50gのTGDD
M、42.7gのDDS、及び14.5gのホウ酸アルミニウム
を混合して組成物を調製し、これを離型紙上にコーティ
ングしてフィルム状にし、そして試験を行った。配合表
と試験の結果を表1に示す。
【0050】(比較例3)9.1 gのPEI(ポリエーテ
ルイミド)を81.9gの塩化メチレンに溶解後、この溶液
に50gのDGEBAを混合し、減圧下に 120℃で溶媒を
除去した。残った混合物に50gのTGDDM、42.7gの
DDS、そして12.5gのホウ酸アルミニウムを混合して
組成物を調製し、これを離型紙上にコーティングしてフ
ィルム状にし、それから試験を行った。配合表と試験結
果を表1に示す。
【0051】(比較例4)9.1 gのPEI(ポリエーテ
ルイミド)を81.9gの塩化メチレンに溶解後、この溶液
に50gのDGEBAを混合し、減圧下に 120℃で溶媒を
除去した。その後、残った混合物に33.5gのPTMOを
加えて 120℃で2時間反応させ、次いで50gのTGDD
M、42.7gのDDS、そして15.2gのホウ酸アルミニウ
ムを混合して得られた組成物を、離型紙上にコーティン
グしてフィルム状にし、そして試験を行った。配合表と
試験結果を表1に示す。
【0052】(比較例5)50gのFEP(ビスフェノー
ルフルオレンジグリシジルエーテル)と50gのDGEB
Aとの混合物を 120℃に昇温し、これに67.9gのCAF
(ビスクロロアミノフェニルフルオレン)と13.8gのホ
ウ酸アルミニウムを混合し、得られた組成物を離型紙上
にコーティングしてフィルム状にした。上記のように試
験を行った。配合表及び試験結果を表1に示す。
【0053】(比較例6)50gのDGEBAと50gのF
EPとの混合物を 120℃に昇温し、これに39.3gのPT
MOを加えて、120 ℃で2時間反応させ、次いで67.9g
のCAFと17.0gのホウ酸アルミニウムを混合し、得ら
れた組成物を離型紙上にコーティングしてフィルム状に
して、上記のように試験を行った。配合表及び試験結果
を表1に示す。
【0054】(比較例7)10.7gのPEIを96.3gの塩
化メチレンに溶解後、この溶液に50gのDGEBAを混
合し、減圧下に 120℃で溶媒を除去した。それから、残
った混合物に50gのFEP、67.9gのCAF、そして1
4.7gのホウ酸アルミニウムを混合して得られた組成物
を、離型紙上にコーティングしてフィルム状にし、そし
て試験を行った。配合表と試験結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】(実施例1)10.7gのPEIを96.3gの塩
化メチレンに溶解後、この溶液に50gのDGEBAを混
合し、減圧下に 120℃で溶媒を除去した。残った混合物
に50gのFEPと39.3gのPTMOを混合して、120 ℃
で2時間反応させ、次いで67.9gのCAFと17.9gのホ
ウ酸アルミニウムを混合し、得られた組成物を離型紙上
にコーティングしてフィルム状にした。上記のとおりに
試験を行った。配合表及び試験の結果を表2に示す。
【0057】(実施例2〜5)配合表を表2に示したよ
うに変更した以外は、実施例1と同様の方法で組成物を
調製し、試験を行った。試験結果は表2に示したとおり
であった。但し、実施例4と5でPEIを溶解するため
に使用した塩化メチレンの量は405.6 gであった。
【0058】(実施例6)12.4gのPEIを111.6 gの
塩化メチレンに溶解後、この溶液に50gのDGEBAを
混合し、減圧下に 120℃で溶媒を除去した。残った混合
物に52.8gのPTMOを混合して120 ℃で2時間反応さ
せ、次いで50gのTGDDM、93.4gのCAF、及び2
1.2gのホウ酸アルミニウムを混合し、得られた組成物
を離型紙上にコーティングしてフィルム状にした。この
フィルム状組成物について、先に説明したとおりに試験
を行った。配合表及び試験の結果を表2に示す。
【0059】(実施例7〜9)配合表を表2に示したよ
うに変更した以外は、実施例6と同様の方法で組成物を
調製し、試験を行った。試験結果は表2に示したとおり
であった。但し、実施例8と9でPEIを溶解するため
に使用した塩化メチレンの量は466.2 gであった。
【0060】(実施例10)9.0 gのPEIを81.0gの
塩化メチレンに溶解後、この溶液に25gのDGEBAを
混合し、減圧下に 120℃で溶媒を除去した。残った混合
物に25gのFEPと37.6gのPTMOを混合して120 ℃
で2時間反応させ、それから50gのTGDDM、40.2g
のDDS、及び15.4gのホウ酸アルミニウムを混合し
て、得られた組成物を離型紙上にコーティングしてフィ
ルム状にした。このフィルム状組成物について、上記の
ように試験を行った。配合表及び試験結果を表3に示
す。
【0061】(実施例11〜13)配合表を表3に示し
たように変更した以外は、実施例10と同様の方法で組
成物を調製し、試験を行った。試験結果は表3に示した
とおりであった。但し、実施例12と13でPEIを溶
解するために使用した塩化メチレンの量は338.4 gであ
った。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】これらから明らかなように、本発明によれ
ば、耐熱性を備えたエポキシ樹脂の靱性を、その耐熱性
を損なうことなく有意に向上させることができる。本発
明のエポキシ樹脂系組成物から得られた硬化エポキシ樹
脂の剪断強度及び剥離強度特性をまとめて示せば、次の
ようになる。
【0065】 剪断強度a)(室温) >400 kgf/cm2 剪断強度a)(177 ℃) >150 kgf/cm2 剥離強度b)(室温) > 10 kgf-cm/cm 剥離強度c)(室温) > 5 kgf/25mm 剥離強度d)(室温) > 13 kgf/25mm a)測定方法は先に説明した剪断強度測定法による。 b)測定方法は先に説明した回転ドラム剥離強度測定法
による。 c)測定方法は先に説明したT形剥離強度(1)の測定
法による。 d)測定方法は先に説明したT形剥離強度(2)の測定
法による。
【0066】このように高い剥離強度(特に回転ドラム
剥離強度及びT形剥離強度(1))を示すとともに、1
77℃(350°F)においても高い剪断強度を示す耐
熱性のエポキシ樹脂は、航空機産業用途や、電気電子産
業における大型コンピューター用プリント配線板用途の
ように、殊に厳しい要求が課せられる用途において特に
有用である。もちろんながら、本発明の組成物から得ら
れるエポキシ樹脂は、高い耐熱性とともに高い靱性も要
求されるこのほかの用途、例えば集積回路(IC)の封
止剤や、一般工業用の接着剤等の用途においても有効で
ある。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による新し
いエポキシ樹脂系組成物は、耐熱性を備えるとともに高
い靱性をも兼ね備えた硬化エポキシ樹脂の利用を可能に
するものであり、エポキシ樹脂の用途を大いに拡大する
ものとして期待される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性エポキシ樹脂、ゴム成分、プラス
    チック成分、及び当該ゴム成分とプラスチック成分を当
    該硬化性エポキシ樹脂に十分混和させるための混和剤を
    含むことを特徴とするエポキシ樹脂系組成物。
  2. 【請求項2】 硬化性エポキシ樹脂100重量部に対
    し、ゴム成分を5〜150重量部、及びプラスチック成
    分を5〜150重量部含有していることを特徴とする、
    請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記混和剤が、フルオレンエポキシ系化
    合物、フルオレンアミン系化合物、フルオレンアクリレ
    ート系化合物、及びフルオレンフェノール系化合物のう
    ちから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 硬化性エポキシ樹脂100重量部に対
    し、混和剤を10〜300重量部含有していることを特
    徴とする、請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ゴム成分が、ポリエーテルジアミン
    ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、及び末端にカル
    ボキシル基を持つニトリルゴムのうちの少なくとも1種
    であり、且つ、前記プラスチック成分が、ポリエーテル
    イミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスル
    ホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、
    及びポリアリレートのうちの少なくとも1種であること
    を特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】 硬化性エポキシ樹脂100重量部に対
    し、混和剤を45〜250重量部、ゴム成分を12〜1
    10重量部、及びプラスチック成分を16〜110重量
    部含有していることを特徴とする、請求項1から5まで
    のいずれか1項に記載の組成物。
JP18580995A 1995-07-21 1995-07-21 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物 Pending JPH0931306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18580995A JPH0931306A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18580995A JPH0931306A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0931306A true JPH0931306A (ja) 1997-02-04

Family

ID=16177276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18580995A Pending JPH0931306A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0931306A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005290113A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Osaka Gas Co Ltd 相溶化剤
WO2014168108A1 (ja) * 2013-04-10 2014-10-16 大阪ガスケミカル株式会社 フルオレン化合物を含む樹脂組成物および成形体並びに波長分散調整剤および樹脂の波長分散調整方法
JP2016026263A (ja) * 1999-04-13 2016-02-12 日立化成株式会社 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
CN105377970A (zh) * 2013-04-10 2016-03-02 大阪燃气化学有限公司 波长色散调节剂、树脂组合物及树脂的波长色散调节方法
WO2017043062A1 (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂付き金属箔、並びにそれを用いた金属張積層板及び配線板
WO2018190346A1 (ja) * 2017-04-13 2018-10-18 Jnc株式会社 熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板、電子部品およびインクジェット用インク

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016026263A (ja) * 1999-04-13 2016-02-12 日立化成株式会社 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2005290113A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Osaka Gas Co Ltd 相溶化剤
WO2014168108A1 (ja) * 2013-04-10 2014-10-16 大阪ガスケミカル株式会社 フルオレン化合物を含む樹脂組成物および成形体並びに波長分散調整剤および樹脂の波長分散調整方法
CN105308122A (zh) * 2013-04-10 2016-02-03 大阪燃气化学有限公司 包含芴化合物的树脂组合物和成形体、以及波长色散调节剂和树脂的波长色散调节方法
CN105377970A (zh) * 2013-04-10 2016-03-02 大阪燃气化学有限公司 波长色散调节剂、树脂组合物及树脂的波长色散调节方法
WO2017043062A1 (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 樹脂付き金属箔、並びにそれを用いた金属張積層板及び配線板
WO2018190346A1 (ja) * 2017-04-13 2018-10-18 Jnc株式会社 熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板、電子部品およびインクジェット用インク

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4242771B2 (ja) 耐熱性エポキシ接着剤フィルム
TWI600698B (zh) 用於電用層板組成物之核/殼橡膠
US4983672A (en) Epoxide resin compositions and method
CA2527099C (en) Use of urea derivatives as accelerators for epoxy resins
EP2121861B1 (en) Low temperature curing of toughened epoxy adhesives
JPH04275383A (ja) 高性能エポキシ接着剤
KR101994355B1 (ko) 구조용 에폭시 접착제 조성물
TW201030084A (en) Homogeneous bismaleimide-triazine-epoxy compositions useful for the manufacture of electrical laminates
US5073595A (en) Epoxide resin compositions and method
EP3383966A1 (en) B-stageable adhesive composition
JPH0931306A (ja) 耐熱性靱性化エポキシ樹脂系組成物
TWI330660B (en) Halogen-free, thermal resistant composition
JP2011099086A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置
JP2007031526A (ja) 加熱硬化型一液性樹脂組成物
JPH01215822A (ja) 芳香族ジアミン硬化剤からなるエポキシ樹脂
JPH05222349A (ja) 高可撓性および高靱性を有する高性能エポキシ接着剤組成物
JPH0912683A (ja) エポキシ樹脂組成物およびそのための硬化剤
JP2000178344A (ja) エポキシ樹脂組成物
US5045363A (en) Epoxide resin compositions and method
JP2006182942A (ja) エポキシ樹脂接着剤フィルム
JPH055853B2 (ja)
JPWO2015083622A1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP7217258B2 (ja) 樹脂組成物
TWI801416B (zh) 環氧樹脂、環氧樹脂組成物及其硬化物
JPH0253448B2 (ja)