JP2005285859A - 希土類磁石及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面の加工劣化層を実用的、且つ簡便な手法により十分に回復させる技術を提供する。
【解決手段】 磁石素体が希土類元素を主体とする化学気相成長膜により被覆され、表面が回復処理されている。磁石素体は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体が焼結されてなる希土類焼結磁石である。磁石素体は、厚さ2mm以下である。化学気相成長膜は、膜厚方向において組成に分布を有するようにしてもよい。また、化学気相成長膜上に、耐食性材料を含む被膜を成膜してもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希土類磁石及びその製造方法に関するものであり、特に、表面特性劣化層を効率的に回復させる技術に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れた高性能磁石として知られており、磁気共鳴画像診断装置(MRI)用磁気回路や、ハードディスクドライブ(HDD)用モータ等の他、幅広く応用されている。そして、Nd−Fe−B系焼結磁石は、実用磁石の中で最も高い磁気特性を有するため、これらの応用製品の小型化に貢献している。
ただし、この種の希土類焼結磁石は、切断や研磨等の機械加工によって磁気特性が低下する傾向にあり、その解消が課題となっている。特に、小型の磁石での磁気特性の低下が著しく、例えばモバイル機器の小型化やマイクロマシーンの高性能化を進める上において、大きな障害となっている。機械加工によって磁石の表面付近は、数十〜200μm程度にわたり加工の影響を受け、表面積が大きく体積が小さい磁石では、この影響を受けた表面部分が占める割合が大きくなって、磁気特性の低下が顕著に現れる。
そこで、従来、このような機械加工による磁気特性の劣化に対し、様々な対策を講じて磁気特性を回復することが試みられている(例えば、特許文献1や特許文献2、非特許文献1等を参照)。
特許文献1には、焼結後、最終形状に加工した後に、時効処理を行って加工劣化層を正常組織へ回復させる方法が開示されている。特許文献2には、熱処理と、熱処理後の焼結体表面の研削加工を繰り返し行うことにより、磁気特性(残留磁束密度Brや最大エネルギー積BH)を向上させる方法が開示されている。非特許文献1には、Dy金属をスパッター法により被着させ、その後、熱処理(時効処理)を行うことにより、表面改質による高特性化を図る方法が開示されている。
特開昭61−140108号公報 特開平7−37742公報 第27回日本応用磁気学会学術講演概要集(2003)、p386
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2に記載される時効処理(熱処理)のみでは、特に薄肉形状になればなるほど、十分な磁気特性の回復効果は得られていない。また、非特許文献1に記載される方法では、角型性等、磁気特性の回復はある程度期待できるが、スパッターに長時間を要し、生産性が低下するという問題点を有する。前記生産性の低下は、製造コストの面でも不利である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、特に薄肉形状の磁石等においても加工劣化層を実用的、且つ簡便な手法により十分に回復させる技術を提供することを目的とするものである。すなわち、本発明は、最終製品として高い磁気特性を有する希土類磁石を提供することを目的とし、さらには、例えばスパッター法等の物理的蒸着法(PVD法)に比べて製造時間を短くすることができ、製造コストの点で優れた製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の希土類磁石は、磁石素体が希土類元素を主体とする化学気相成長膜により被覆され、表面が回復処理されていることを特徴とする。また、本発明の希土類磁石の製造方法は、化学気相成長法により磁石素体の表面に希土類元素を主体とする化学気相成長膜を成膜し、その後、回復熱処理を施すことを特徴とする。
磁石素体を希土類元素を主体とする化学気相成長膜(CVD膜)で被覆し、回復のための熱処理を施すことで、CVD膜に含まれる希土類元素の表面改質作用により、機械加工等により磁石素体の表面に形成された加工劣化層が正常組織に回復し、特性が回復する。特に、角型性の回復が著しく、保磁力や最大エネルギー積(BH)mも向上する。
前記CVD膜は、化学気相成長法(CVD法)により形成されるものであり、例えばスパッター法等の物理的蒸着法(PVD法)に比べ高速成膜が可能であり、また、成膜をPVD法のような高真空下で行う必要がない。そのため、実用的、且つ簡単な製造方法が実現される。
また、CVD法により形成されるCVD膜においては、膜組成のコントロールが容易である。PVD法の場合には、ターゲットや蒸発源の組成によって成膜される膜の組成が一義的に決まるが、CVD法では導入するガスの種類、比率を制御することで、成膜される膜組成が容易に制御される。
本発明の請求項8,9記載の発明、及び請求項18,19記載の発明は、これを利用したものである。すなわち、前記CVD膜を成膜するに際して、膜厚方向において組成に分布を有するように成膜することを特徴とする。例えば、前記CVD膜を成膜するに際して、先ずNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように成膜し、次にDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように成膜することを特徴とする。
機械加工等により磁石素体の表面に形成された加工劣化層は、表面近傍での劣化の度合いが高く、内部に入るにしたがって劣化の度合いは低下する。一方、磁石素体の表面を被覆するCVD膜で表面改質を行う場合、磁石素体と接する内側部分の成分は磁石素体の深い部分にまで拡散されるが、外側部分の成分は磁石素体の表面近傍にのみ拡散される。したがって、前述のように、CVD膜の内側部分を回復力は低いが低コストの材料(例えばNdやPr)で構成し、外側部分を回復力が高い高コストの材料(例えばDyやTb)で構成すれば、コストを抑えながら効率的な表面改質が行われる。
さらに、本発明の希土類磁石は、前記CVD膜の外側が耐食性材料を含む被膜により被覆されていることを特徴とし、その製造方法としては、前記CVD膜上に、耐食性材料を含む被膜を成膜することを特徴とする。
最後に耐食性材料を表面に成膜することにより、CVD膜成膜から耐食表面処理までを一連の工程として行うことができ、例えば耐食性材料を含む被膜も化学気相成長法により成膜し、CVD膜と耐食性材料を含む被膜を同一チャンバ内において連続して形成する等により、より一層の工程の効率化、簡略化が実現される。
本発明によれば、加工劣化層による磁気特性の低下を効率的に回復させることができ、角型性や保磁力、残留磁束密度等において、例えば加工前の磁気特性に匹敵する磁気特性を有する希土類磁石を提供することが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、短時間に効率的に加工劣化層の表面改質のためのCVD膜を形成することが可能であり、例えばスパッター法等の物理的蒸着法と比べて製造時間や製造コストを大幅に削減することが可能である。
以下、本発明を適用した希土類磁石及びその製造方法について説明する。
本発明の希土類磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とする希土類焼結磁石、例えばNdFeB系希土類焼結磁石等を磁石素体とするものである。ここで、磁石素体の磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。例えば、R−T−B(R=Yを含む希土類元素の1種または2種以上、T=FeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上、B=ホウ素)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが27.0〜32.0重量%、ホウ素Bが0.5〜2.0重量%、残部が実質的に遷移金属元素T(例えばFe)となるような配合組成とすることが好ましい。希土類元素Rの量が27.0重量%未満であると、軟磁性であるα−Fe等が析出し、保磁力が低下する。逆に、希土類元素Rが32.0重量%を越えると、Rリッチ相の量が多くなって耐蝕性が劣化するとともに、主相であるR214B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。また、ホウ素Bが0.5重量%未満の場合には、高い保磁力を得ることができない。逆に、ホウ素Bが2.0重量%を越えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。
前記組成において、希土類元素Rは、Yを含む希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、NdやPrは、磁気特性のバランスが良いこと、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdやPrとすることが好ましい。また、Dy2Fe14BやTb2Fe14B化合物は、異方性磁界が大きく、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
さらに、前記希土類焼結磁石は、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Ga、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Hf、Mo等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。例えば、高融点金属であるNb、Zr、W等の添加は、結晶粒成長を抑制する効果がある。勿論、これら組成に限らず、磁石素体の組成として、従来公知の希土類磁石組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
磁石素体は、焼結の後、機械加工、例えば切断や研磨加工により所定のサイズとされるが、本発明は、厚さ2mm以下の磁石素体に適用して効果が高い。特に、厚さ1mm以下の磁石素体に適用することで、より一層顕著な効果を期待することができる。
本発明の希土類磁石は、前記磁石素体が希土類元素を主体とするCVD膜により被覆され、回復処理されてなるものである。ここで、CVD膜に含まれる希土類元素としては、Nd、Pr、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種が好適である。また、CVD膜を構成する金属は、前記希土類元素を多く含む希土類リッチ合金であることが好ましく、2元系合金であってもよいし、3元系以上の合金であってもよい。このCVD膜による被覆及び回復処理により、磁石素体の表面近傍における希土類元素の割合が増え、好適には磁石素体内部における希土類元素の割合の1.1倍以上となり、表面近傍の加工劣化層が改質され、磁気特性が大幅に改善される。
前記CVD膜は、化学気相成長法(CVD法)により成膜されるものであり、その成膜方法については後に詳述する。CVD膜の成膜の後、回復処理、具体的には熱処理によりCVD膜を構成する希土類元素が磁石素体中に拡散し、表面近傍の加工劣化層が改質される。したがって、前記CVD膜は、回復処理時に少なくとも液相が存在する組成を有することが好ましい。回復のための熱処理は、1000℃以下で行われ、したがって、CVD膜は、温度1000℃以下で少なくとも液相が存在する組成であることが好ましい。この場合、液相のみが存在する組成であってもよいが、通常は、固相と液相が混在する組成とされる。
また、前記CVD膜は、組成が均一な膜であってもよいし、膜厚方向において組成に分布を有していてもよい。CVD膜に組成の分布を持たせることで、例えば製造コストを削減することができる。具体的には、前記CVD膜を、磁石素体と接する内側部分においてNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高く、これとは反対側の外側部分においてDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように組成分布を持たせる。これにより、DyやTbの使用量を削減することができ、製造コストを抑えることができる。
機械加工等により磁石素体の表面には加工劣化層が形成されるが、表面付近では劣化が進み劣化の度合いが高く、内部に入るにしたがって、表面から離れた深い部分では劣化は少ない。前記のようにCVD膜の磁石素体と接する内側部分でNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるようにし、これとは反対側の外側部分でDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように組成分布を持たせると、CVD膜の内側部分のNdやPrは磁石素体の深い部分にまで拡散されて入り込むが、外側部分のDyやTbは、磁石素体の表面部分にしか拡散されない。
ここで、磁石素体の深い部分には、改質能力が若干低いNdやPrのみ拡散されるが、この部分の劣化は僅かであり、NdやPrによる改質でも十分に回復する。劣化が進んだ磁石素体の表面付近には、改質能力が高いDyやTbが拡散され、劣化の度合いが高くても十分に改質されて回復する。したがって、高価なDyやTbは、表面近傍の改質に足るだけ外側部分に成膜すればよく、製造コストを削減することができる。
さらに、本発明の希土類磁石は、CVD膜の外側が耐食性材料を含む被膜により被覆されてもよい。耐食性材料としては、例えばNi、Si、Al、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種である。この耐食性材料からなる被膜を最外層に形成することで、磁石素体の酸化を防ぐことができ、錆の発生等を抑えることができる。
次に、本発明の希土類磁石の製造方法について説明する。本発明の希土類磁石において、磁石素体となる希土類焼結磁石は、粉末冶金法により製造されるものである。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
図1は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の作製プロセス、さらにはその後の加工プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程1、粗粉砕工程2、微粉砕工程3、磁場中成形工程4、焼結工程5、機械加工工程6、CVD工程7、回復処理工程8,時効工程9、研削加工工程10、耐食性被膜形成工程11とにより構成される。但し、時効工程9は、焼結工程5の後でも良い。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程1では、原料となる金属、あるいは合金を原料合金組成に応じて配合し、不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適である。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。インゴットとして鋳造した場合には、凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1200℃領域で1時間以上保持する。
粗粉砕工程2では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、それぞれ粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前述の粗粉砕工程2が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向度で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。粉砕助剤の添加量が0.03重量%未満であると、潤滑剤の磁気特性に与える効果が十分に得られず、0.4重量%以下の添加量であれば、焼結後の残留炭素の量を効果的に低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程2の後、微粉砕工程3を行うが、この微粉砕工程3は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、衝突板あるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。これらのジェットミルのうちでは、流動層を利用するジェットミル、及び渦流を利用するジェットミルが好ましく、特に流動層を利用するジェットミルが好ましい。例えば原料合金粉と粉砕助剤とは比重が大きく異なるが、流動層中及び渦流中では比重の違いに殆ど関係なく良好に粉砕及び混合が行なわれ、特に流動層中では比重の違いは殆ど問題とならないからである。
微粉砕工程3の後、磁場中成形工程4において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程3にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な縦磁場成形、成形圧力と磁界方向が直交する横磁場成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1300kA/mの磁場中で、100〜200MPa前後の圧力で行えばよい。
次に、前記磁場中成形工程により形成された成形体を焼結するが、焼結に先立って、脱バインダー工程において脱バインダー処理を行うことが好ましい。この脱バインダー処理は、粉砕工程において添加され成形体に含まれる潤滑剤を系外に除去するための工程であり、脱バインダー処理を行うことで、焼結後に炭化物、酸化物等として残存する炭素や酸素の残存量を減らすことができる。
次いで、焼結工程5において、焼結を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、前記脱バインダー処理を行った成形体(予備焼結体)を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよい。加熱方法は、抵抗加熱、高周波誘導加熱等、任意である。
焼結工程あるいはその後の時効工程を経た希土類焼結磁石は、機械加工工程5において、切断、研磨、サンドブラスト、バレル加工等の機械加工を施すことにより、所定のサイズに加工される。機械加工の手法は任意であり、例えば切断の方法としては、ワイヤーソーや放電加工等を挙げることができる。磁石素体の加工サイズも任意であるが、加工劣化層の発生する厚みがほぼ一定なため、磁石素体の加工サイズの厚みが厚いとその影響を受けにくく、薄くなるにつれて、加工劣化層の影響を受けやすくなる。厚さ2mm以下、特に厚さ1mm以下となるような機械加工を行った場合、後述の回復処理による効果が大きい。
機械加工により所定のサイズに加工した希土類焼結磁石を磁石素体とし、これを希土類磁石として用いるが、機械加工を施した磁石素体は、表面に加工劣化層が形成され、磁気特性の低下が見られる。そこで、本発明においては、次のCVD工程7において、希土類元素を主体とするCVD膜を成膜し、さらに回復処理工程8において回復処理を行うことで、磁気特性の回復を図る。
以下、CVD工程7におけるCVD膜の成膜について説明する。原料物質を含むガスに、熱や光によってエネルギーを与えたり、高周波でプラズマ化したりすることにより、原料物質がラジカル化して反応性に富むようになり、基板上に吸着されて堆積する。これを利用して成膜する技術が化学気相成長法(CVD法)である。温度を上げて堆積させる熱CVDや、化学反応や熱分解を促進させるために光を照射する光CVD、ガスをプラズマ状態に励起するプラズマCVD、タングステンホットワイヤ等で材料ガスを高効率に接触分解するCat−CVD等、種々の方式のCVD法が知られているが、本発明ではいずれの方法も任意に採用することができる。
図2は、CVD装置の一例の概略構成を示すものである。CVD装置は、成膜空間を構成する真空チャンバ21と、当該真空チャンバ21内を所定の真空度とする真空排気機構22、真空チャンバ21内に原料ガスを供給する原料ガス供給手段23とから構成される。真空チャンバ21には、図示は省略するが、CVDの方式に応じて、例えば加熱手段、光源、高周波電源、ホットワイヤ等が設置される。
原料ガス供給手段23には、通常は原料ガスを充填したタンク、ボンベ等が用いられるが、本発明では、常温で固体の希土類化合物を気化して成膜するため、原料ガス供給手段23として、キャリアガス源24、及び希土類化合物25を収容する原料容器26を用いている。原料容器26には、加熱手段が設けられ、これを加熱しながらキャリアガスを供給することで、前記希土類化合物25が気化してシャワーヘッド27を介して真空チャンバ21内へと導入される。導入された希土類化合物は、真空チャンバ21内で分解され、真空チャンバ21内に設置された磁石素体28の表面に堆積し、CVD膜が形成される。CVD膜を2元系合金、あるいは3元系以上の合金とする場合には、CVD膜を構成する金属の数だけ原料ガス供給手段23を並列に設置し、各金属元素の化合物を原料容器26内に収容する。なお、原料ガス供給手段23には、流量計29や調整バルブ30を設置して、原料ガスの供給量を制御可能とする。
CVD膜の成膜に際しては、磁石素体28の全面を均一なCVD膜で被覆する必要がある。したがって、磁石素体28を真空チャンバ21内で回転、振動等により撹拌しながらCVDによる成膜を行うことが好ましい。
原料となる希土類化合物としては、βジケトン系希土類元素有機金属錯体等を挙げることができる。具体的化合物としては、一般式R(DPM)3、R(HFA)3、R(FOD)3等が例示される。なお、前記一般式中、Rは希土類元素、DPMは2,2,6,6−テトラメチル−1,3,5−ヘプタンジオン(2,2,6,6-tetramethyl-1,3,5-heptanedione)、HFAは1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(1,1,1,5,5,5,-hexafluoro-2,4-pentanedione)、FODは1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン(1,1,1,2,2,3,3-heptafluoro-7,7-dimethyl-4,6-octanedione)である。あるいは、前記βジケトン系希土類元素有機金属錯体として、6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオンを希土類元素の配位子とした有機希土類錯体等も使用可能である。
前記希土類化合物は、百数十℃以上の温度で加熱して気化させ、これを含んだ蒸気を真空チャンバ21内に供給する。あるいは、これら希土類化合物をテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶かして溶液とし、液体マスフローコントローラを使って真空チャンバ21内に輸液したり、ノズルから吹き付けることで供給することも可能である。
CVD膜を2元系合金、あるいは3元系以上の合金とする場合、他の金属元素の化合物を原料として使用する必要があるが、例えばFe等の希土類元素以外の金属元素の場合にも、Fe(DPM)3等のβジケトン系有機金属錯体等、各種既存の有機金属化合物等を用いることで、原料供給が可能である。
前述のCVD法では、原料ガスの流量を制御することにより成膜されるCVD膜の組成を制御することができる。そこで、これを利用してCVD膜の組成に分布を持たせることが可能である。先にも述べたように、前記CVD膜において、磁石素体と接する内側部分においてNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高く、これとは反対側の外側部分においてDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように組成分布を持たせることにより、DyやTbの使用量を削減することができ、製造コストを抑えることができる。
CVD膜にこのような組成分布を持たせるには、先ずNd、Prから選ばれる少なくとも1種の希土類化合物を原料ガスとして供給し、Nd、あるいはPrを主体とするCVD膜を成膜する。次いで、原料ガスを切り替え、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種の希土類化合物を原料ガスとして供給し、Dy、あるいはTbを主体とするCVD膜を成膜する。これにより、前記組成分布を持ったCVD膜が成膜される。
CVD膜を成膜した後、回復処理工程8で磁石素体の表面改質を行う。この回復処理工程8は、例えば熱処理することによって行うが、温度は1000℃以下であり、熱処理時間は、10分間〜1時間程度である。熱処理時間が短すぎると、表面改質効果が不十分となるおそれがある。熱処理時間が長すぎると、生産性が低下し、磁石素体への熱的影響が大きくなるおそれもある。なお、回復処理工程8における熱処理温度や時間を最適化すれば、時効処理を兼ねることもでき、製造工程をさらに簡略化することが可能である。
前述の回復処理工程8の後、CVD膜で被覆し表面改質した磁石素体に対して、時効処理を施すことが好ましい。時効工程9は、希土類磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、例えば2段時効処理が好ましく、例えば1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で0.1〜3時間保持する。次いで、急冷し、2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で0.2〜3時間保持する。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍、例えば450℃〜650℃での時効処理を施すとよい。
なお、前記回復処理工程8において、熱処理温度や熱処理時間を最適化して時効処理を兼ねるようにした場合には、前記時効工程9の一部、あるいは全部を省略することも可能である。
次に、研削加工工程10において、CVD膜が形成された磁石素体の表面の研削加工を行う。この研削加工は、回復処理及び時効処理後に磁石素体の表面に残った希土類リッチ合金を取り除くために行うものであり、簡単な研削加工を施すだけでよい。勿論、この研削加工工程10を省略して、磁石素体をCVD膜で被覆されたままの状態とすることも可能である。
最後に、耐食性被膜形成工程11により耐食性被膜を形成して完成する。耐食性被膜としては、磁石素体の酸化を防ぐ保護膜として機能するものであれば材料は問わないが、例えばNi、Si、Al、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種の被膜等を挙げることができる。
前記耐食性被膜の成膜方法も任意であるが、先の表面改質のためのCVD膜と同様、CVD法により形成すれば、工程の簡略化を図ることができる。例えば耐食性材料を含む被膜もCVD法により成膜し、表面改質のためCVD膜と耐食性材料を含む被膜を同一チャンバ内において連続して形成することで、CVD工程7から耐食性被膜形成工程11までを、同一装置内で一連の工程として行うこともできる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<希土類磁石の作製>
先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd25重量%、Pr5重量%、Al0.2重量%、B1重量%、Cu0.06重量%、Co1.5重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料1とする。
次に、この希土類焼結磁石を機械加工によって切断し、10mm×10mm×0.5mm(厚さ)の磁石素体とした。これを試料2とする。
さらに、図2に示すような装置を用い、これらの焼結磁石を600℃の反応炉(真空チャンバ21)内に入れ、攪拌しながら希土類磁石表面に表1に示す組成の被膜を形成した(試料3〜7)。被膜の形成はCVD法により行い、原料ガスを供給するための希土類化合物としては、β−ジケトン系化合物を用いた。また、被膜(CVD膜)は約3μm成膜した。その後、これらの試料を800℃、10分間なる条件で回復のための熱処理を行い、さらに、600℃で30分間の時効処理を施した。
<評価>
作製した各希土類磁石について、残留磁束密度Br、保磁力iHc、角型性を測定した。磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、]の測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。角型性は、B−Hループにおいて、磁化Bが残留磁化Brより10%低下した点での磁界Hkと、磁化Bがゼロとなる点での磁界(保磁力iHc)との比率(Hk/iHc)より算出した。結果を表1に示す。
Figure 2005285859
この表1から明らかなように、希土類元素を主体とする被膜(CVD膜)の形成及び回復処理により、加工前の磁石素材(試料1)の磁気特性に匹敵する磁石特性を有する希土類磁石が得られることがわかる。機械加工を施した磁石素体(試料2)は、そのままでは磁気特性の劣化が大きい。なお、試料3〜7における被膜は、回復熱処理時液相が存在しうる組成である。
また、CVD膜形成の際に、原料化合物を収容する原料容器を複数設置し、これら原料容器から複数の金属元素を供給して、CVD膜を保磁力向上に役立つAl、Ga、Sn、Cu、Mnを含む合金膜とすることにより、特に保磁力iHcや角型性において、より一層高い特性が得られることがわかる(試料6,7を参照)。
<磁石素体の厚さに関する検討>
先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd23重量%、Pr4.5重量%、Dy2.5重量%、Co3重量%、B1重量%、Ga0.35重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料8とする。
次に、この試料8を機械加工によって切断し、10mm×10mm×0.5mm(厚さ)の磁石素体とした。これを試料9とする。さらに、試料9を磁石素体とし、厚さ約3μmのCVD膜の成膜及び時効処理を行い、試料10を作製した。試料10では、成膜したCVD膜の組成をNd20原子%、Pr20原子%、Dy50原子%、残部Feとし、850℃、10分間なる条件での回復処理、及び600℃、30分間なる条件での時効処理を行った。
一方、試料8を機械加工によって切断し、10mm×10mm×2.5mm(厚さ)の磁石素体とした。これを試料11とする。さらに、試料11を磁石素体として試料9と同様にCVD膜の成膜、回復処理及び時効処理を行い、試料12を作製した。これら試料8〜試料12についても、残留磁束密度Br、保磁力iHc、角型性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005285859
表2から明らかなように、CVD成膜処理による磁気特性の回復効果は、厚さ2.5mmの磁石素体を用いた試料12よりも、厚さ1mm以下(0.5mm)の磁石素体を用いた試料10において著しい。
<膜厚方向において組成分布を有するCVD膜の成膜>
先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd23重量%、Pr4.5重量%、Dy2.5重量%、Co3重量%、B1重量%、Ga0.35重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。この焼結磁石を機械加工によって切断(加工後厚み0.5mm)した後、に表3に示すようなCVD膜を成膜し、回復処理を施した。
各試料におけるCVD膜は、下記の通りである。
試料13(試料10と同様):CVD膜を厚み3μmとし、厚み方向において一様にCVD膜を成膜した。CVD膜の組成は、Nd20原子%、Pr20原子%、Dy50原子%、残部Feである。
試料14:CVD膜の厚みを3μmとし、最初の1μmの組成をNd40原子%、Pr40原子%、Dy10原子%、残部Fe、次の1μmはNd30原子%、Pr30原子%、Dy30原子%、残部Fe、最後の1μmはNd20原子%、Pr20原子%、Dy50原子%、残部Feの条件で成膜を行った。
試料15:CVD膜を厚み3μmとし、厚み方向において一様にCVD膜を成膜した。CVD膜の組成は、Nd40原子%、Pr40原子%、Dy10原子%、残部Feである。
これら試料について、残留磁束密度Br、保磁力iHc、角型性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005285859
表3の結果から明らかなように、CVD法を用いて膜厚方向で組成に分布を持たせることにより、高価な希土類であるDy等をトータルとして減少させても高い回復状態が得られ、優れた特性を得ることが可能である。
<耐食性被膜の形成>
先の試料5及び試料10と同様のCVD膜を成膜後、引き続き耐食性被膜であるNi被膜を厚さ7μmとなるように成膜した。耐候性評価として、Ni被膜を成膜した試料を恒温恒湿槽(60℃、90%)に入れ評価したところ、1000時間後にも錆の発生が認められなかった。一方、Ni被覆を形成しない試料は、著しい錆を示した。Niの代わりに、Si、Al、Cu、Znの各被膜を成膜した試料についても同様に耐候性を評価したところ、いずれも高い耐候性を示した。
希土類磁石の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。 CVD装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 合金化工程、2 粗粉砕工程、3 微粉砕工程、4 磁場中成形工程、5 焼結工程、6 機械加工工程、7 CVD工程、8 回復処理工程、9 時効工程、10 研削加工工程、11 耐食性被膜形成工程、21 真空チャンバ、22 真空排気機構、23 原料ガス供給手段、24 キャリアガス源、25 希土類化合物、26 原料容器、27 シャワーヘッド、28 磁石素体、29 流量計、30 調整バルブ

Claims (23)

  1. 磁石素体が希土類元素を主体とする化学気相成長膜により被覆され、表面が回復処理されていることを特徴とする希土類磁石。
  2. 前記磁石素体は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体が焼結されてなる希土類焼結磁石であることを特徴とする請求項1記載の希土類磁石。
  3. 前記磁石素体は、NdFeB系希土類焼結磁石であることを特徴とする請求項2記載の希土類磁石。
  4. 前記磁石素体は、機械加工後、前記化学気相成長膜により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の希土類磁石。
  5. 前記磁石素体は、厚さ2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の希土類磁石。
  6. 前記化学気相成長膜は、回復処理時に少なくとも液相が存在する組成を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の希土類磁石。
  7. 前記組成は、温度1000℃以下で少なくとも液相が存在する組成であることを特徴とする請求項6記載の希土類磁石。
  8. 前記化学気相成長膜は、膜厚方向において組成に分布を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の希土類磁石。
  9. 前記化学気相成長膜は、磁石素体と接する内側部分においてNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高く、これとは反対側の外側部分においてDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高いことを特徴とする請求項8記載の希土類磁石。
  10. 前記化学気相成長膜の外側が耐食性材料を含む被膜により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の希土類磁石。
  11. 前記耐食性材料が、Ni、Si、Al、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の希土類磁石。
  12. 化学気相成長法により磁石素体の表面に希土類元素を主体とする化学気相成長膜を成膜し、その後、回復熱処理を施すことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
  13. 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結して希土類焼結磁石を作製し、当該希土類焼結磁石を磁石素体として用いることを特徴とする請求項12記載の希土類磁石の製造方法。
  14. 前記磁石素体としてNdFeB系希土類焼結磁石を用いることを特徴とする請求項13記載の希土類磁石の製造方法。
  15. 機械加工により所定の厚さに加工された磁石素体を用いることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
  16. 前記所定の厚さが2mm以下であることを特徴とする請求項15記載の希土類磁石の製造方法。
  17. 前記回復熱処理を1000℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
  18. 前記化学気相成長膜は、膜厚方向において組成に分布を有するように前記化学気相成長法による成膜を行うことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
  19. 前記化学気相成長膜は、先ずNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように成膜し、次にDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように成膜することを特徴とする請求項18記載の希土類磁石の製造方法。
  20. 前記回復熱処理の後、温度450℃〜650℃で時効処理を行うことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
  21. 前記化学気相成長膜上に、耐食性材料を含む被膜を成膜することを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
  22. 前記耐食性材料を含む被膜も化学気相成長法により成膜することを特徴とする請求項21記載の希土類磁石の製造方法。
  23. 前記化学気相成長膜と耐食性材料を含む被膜を、同一チャンバ内において連続して形成することを特徴とする請求項22記載の希土類磁石の製造方法。
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