JP2005285861A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面の加工劣化層を実用的、且つ簡便な手法により十分に回復させる技術を提供する。
【解決手段】 磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、被膜を成膜した磁石素体に加重を加えながら900℃以上の温度で熱処理を行う。治具との反応を抑えるためには、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、加重を加えながら900℃以上の温度で2段目の熱処理を行う。被膜は、磁石素体を機械加工により所定の厚さに加工した後、成膜する。この時の磁石素体の厚さは2mm以下である。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、被膜を成膜した磁石素体に加重を加えながら900℃以上の温度で熱処理を行う。治具との反応を抑えるためには、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、加重を加えながら900℃以上の温度で2段目の熱処理を行う。被膜は、磁石素体を機械加工により所定の厚さに加工した後、成膜する。この時の磁石素体の厚さは2mm以下である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、希土類磁石の製造方法に関するものであり、特に、表面特性劣化層を効率的に回復させるための技術に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れた高性能磁石として知られており、磁気共鳴画像診断装置(MRI)用磁気回路や、ハードディスクドライブ(HDD)用モータ等の他、幅広く応用されている。そして、Nd−Fe−B系焼結磁石は、実用磁石の中で最も高い磁気特性を有するため、これらの応用製品の小型化に貢献している。
ただし、この種の希土類焼結磁石は、切断や研磨等の機械加工によって磁気特性が低下する傾向にあり、その解消が課題となっている。特に、小型の磁石での磁気特性の低下が著しく、例えばモバイル機器の小型化やマイクロマシーンの高性能化を進める上において、大きな障害となっている。機械加工によって磁石の表面付近は、数十〜200μm程度にわたり加工の影響を受け、表面積が大きく体積が小さい磁石では、この影響を受けた表面部分が占める割合が大きくなって、磁気特性の低下が顕著に現れる。
そこで、従来、このような機械加工による磁気特性の劣化に対し、様々な対策を講じて磁気特性を回復することが試みられている(例えば、特許文献1や特許文献2、非特許文献1等を参照)。
特許文献1には、焼結後、最終形状に加工した後に、時効処理を行って加工劣化層を正常組織へ回復させる方法が開示されている。特許文献2には、熱処理と、熱処理後の焼結体表面の研削加工を繰り返し行うことにより、磁気特性(残留磁束密度Brや最大エネルギー積BH)を向上させる方法が開示されている。非特許文献1には、Dy金属をスパッター法により被着させ、その後、熱処理(時効処理)を行うことにより、表面改質による高特性化を図る方法が開示されている。
特開昭61−140108号公報
特開平7−37742公報
第27回日本応用磁気学会学術講演概要集(2003)、p386
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2に記載される時効処理(熱処理)のみでは、特に薄肉形状になればなるほど、十分な磁気特性の回復効果は得られていない。また、非特許文献1に記載される方法でも、角型性等、磁気特性の回復はある程度期待できるものの、必ずしも十分とは言えない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、特に薄肉形状の磁石等においても加工劣化層を実用的、且つ簡便な手法により十分に回復させる技術を提供することを目的とするものである。すなわち、本発明は、磁気特性を短時間に回復させることができ、最終製品として高い磁気特性を有する希土類磁石を製造することが可能な希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の希土類磁石の製造方法は、磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、被膜を成膜した磁石素体に加重を加えながら900℃以上の温度で熱処理を行うことを特徴とする。
磁石素体を希土類元素を主体とする被膜で被覆し、回復のための熱処理を施すことで、被膜に含まれる希土類元素の表面改質作用により、機械加工等により磁石素体の表面に形成された加工劣化層が正常組織に回復し、特性が回復する。このとき、前記熱処理を900℃以上の高温で行うことで、迅速な特性回復、及び安定した特性回復が実現される。ただし、高温で回復熱処理を行うと、特に薄肉形状の製品の場合、どうしても変形を起こし易い。本発明では、高温での熱処理を行う際に、被膜を成膜した磁石素体に加重を加えるようにしているので、薄肉形状の製品であっても、変形が阻止される。
また、希土類元素リッチの金属または合金は、通常、磁石素体を構成する焼結体より低融点を有する。そこで、磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、加重を加えながら900℃以上の温度で2段目の熱処理を行う。このように、900℃未満の温度で希土類元素リッチの金属または合金の磁石素体への拡散を行った後、加重を加えながら高温での回復熱処理を行うことで、例えば加重を加える際に使用する治具との反応を極力減らしながら、磁石特性に優れ寸法精度の高い希土類焼結磁石を実現することが可能となる。
本発明によれば、加工劣化層による磁気特性の低下を効率的に回復させることができ、角型性や保磁力、最大エネルギー積等において、例えば加工前の磁気特性に匹敵する磁気特性を有する希土類磁石を提供することが可能である。また、本発明の製造方法によれば、短時間に効率的に加工劣化層を表面改質することができ、製造時間や製造コストを大幅に削減することが可能である。さらに、本発明の製造方法によれば、回復熱処理の際に加重を加えるようにしているので、薄肉形状の製品であっても変形を抑えることができ、磁気特性ばかりでなく寸法精度にも優れた希土類磁石の製造が可能である。
以下、本発明を適用した希土類磁石の製造方法について詳細に説明する。
先ず、本発明において、製造対照となる希土類磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とする希土類焼結磁石、例えばNdFeB系希土類焼結磁石等を磁石素体とするものである。ここで、磁石素体の磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。例えば、R−T−B(R=Yを含む希土類元素の1種または2種以上、T=FeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上、B=ホウ素)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが27.0〜32.0重量%、ホウ素Bが0.5〜2.0重量%、残部が実質的に遷移金属元素T(例えばFe)となるような配合組成とすることが好ましい。希土類元素Rの量が27.0重量%未満であると、軟磁性であるα−Fe等が析出し、保磁力が低下する。逆に、希土類元素Rが32.0重量%を越えると、Rリッチ相の量が多くなって耐蝕性が劣化するとともに、主相であるR2T14B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。また、ホウ素Bが0.5重量%未満の場合には、高い保磁力を得ることができない。逆に、ホウ素Bが2.0重量%を越えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。
前記組成において、希土類元素Rは、Yを含む希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、NdやPrは、磁気特性のバランスが良いこと、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdやPrとすることが好ましい。また、Dy2Fe14BやTb2Fe14B化合物は、異方性磁界が大きく、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
さらに、前記希土類焼結磁石は、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Ga、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Hf、Mo等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。例えば、高融点金属であるNb、Zr、W等の添加は、結晶粒成長を抑制する効果がある。勿論、これら組成に限らず、磁石素体の組成として、従来公知の希土類磁石組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
磁石素体は、焼結の後、機械加工、例えば切断や研磨加工により所定のサイズとされるが、本発明は、厚さ2mm以下の磁石素体に適用して効果が高い。特に、厚さ1mm以下の磁石素体に適用することで、より一層顕著な効果を期待することができる。
本発明により製造される希土類磁石は、前記磁石素体が希土類元素を主体とする被膜により被覆され、回復処理されてなるものである。ここで、被膜に含まれる希土類元素としては、Nd、Pr、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種が好適である。また、前記被膜を構成する金属は、前記希土類元素を多く含む希土類リッチ合金であることが好ましく、2元系合金であってもよいし、3元系以上の合金であってもよい。この被膜による被覆及び回復処理により、磁石素体の表面近傍における希土類元素の割合が増え、表面近傍の加工劣化層が改質され、磁気特性が大幅に改善される。
次に、本発明の希土類磁石の製造方法について説明する。本発明の希土類磁石において、磁石素体となる希土類焼結磁石は、粉末冶金法により製造されるものである。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
図1は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の作製プロセス、さらにはその後の加工プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程1、粗粉砕工程2、微粉砕工程3、磁場中成形工程4、焼結工程5、機械加工工程6、被膜形成工程7、回復熱処理工程8、時効工程9、研削加工工程10とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程1では、原料となる金属、あるいは合金を原料合金組成に応じて配合し、不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適である。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。インゴットとして鋳造した場合には、凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1200℃領域で1時間以上保持する。
粗粉砕工程2では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、それぞれ粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前述の粗粉砕工程2が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向度で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。粉砕助剤の添加量が0.03重量%未満であると、潤滑剤の磁気特性に与える効果が十分に得られず、0.4重量%以下の添加量であれば、焼結後の残留炭素の量を効果的に低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程2の後、微粉砕工程3を行うが、この微粉砕工程3は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、衝突板あるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。これらのジェットミルのうちでは、流動層を利用するジェットミル、及び渦流を利用するジェットミルが好ましく、特に流動層を利用するジェットミルが好ましい。例えば原料合金粉と粉砕助剤とは比重が大きく異なるが、流動層中及び渦流中では比重の違いに殆ど関係なく良好に粉砕及び混合が行なわれ、特に流動層中では比重の違いは殆ど問題とならないからである。
微粉砕工程3の後、磁場中成形工程4において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程3にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な縦磁場成形、成形圧力と磁界方向が直交する横磁場成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1300kA/mの磁場中で、100〜200MPa前後の圧力で行えばよい。
次に、前記磁場中成形工程により形成された成形体を焼結するが、焼結に先立って、脱バインダー工程において脱バインダー処理を行うことが好ましい。この脱バインダー処理は、粉砕工程において添加され成形体に含まれる潤滑剤を系外に除去するための工程であり、脱バインダー処理を行うことで、焼結後に炭化物、酸化物等として残存する炭素や酸素の残存量を減らすことができる。
次いで、焼結工程5において、焼結を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、前記脱バインダー処理を行った成形体(予備焼結体)を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよい。加熱方法は、抵抗加熱、高周波誘導加熱等、任意である。
焼結工程あるいはその後の時効工程を経た希土類焼結磁石は、機械加工工程6において、切断、研磨、サンドブラスト、バレル加工等の機械加工を施すことにより、所定のサイズに加工される。機械加工の手法は任意であり、例えば切断の方法としては、ワイヤーソーや放電加工等を挙げることができる。磁石素体の加工サイズも任意であるが、加工劣化層の発生する厚みがほぼ一定なため、磁石素体の加工サイズの厚みが厚いとその影響を受けにくく、薄くなるにつれて、加工劣化層の影響を受けやすくなる。厚さ2mm以下、特に厚さ1mm以下となるような機械加工を行った場合、後述の回復処理による効果が大きい。
機械加工により所定のサイズに加工した希土類焼結磁石を磁石素体とし、これを希土類磁石として用いるが、機械加工を施した磁石素体は、表面に加工劣化層が形成され、磁気特性の低下が見られる。そこで、本発明においては、次の被膜形成工程7において、希土類元素を主体とする被膜を成膜し、さらに回復熱処理工程8において回復処理を行うことで、磁気特性の回復を図る。
前記被膜は、任意の手法で形成することができる。例えば、蒸着、スパッター等の物理的蒸着法(PVD法)や、化学気相成長法(CVD法)、ディッピング法等により形成することが可能である。物理的蒸着法については、先の非特許文献1に詳述されている。以下においては、CVD法による被膜の形成と、ディッピング法による被膜の形成について説明する。
先ず、CVD法では、原料物質を含むガスに、熱や光によってエネルギーを与えたり、高周波でプラズマ化したりすることにより、原料物質がラジカル化して反応性に富むようになり、基板上に吸着されて堆積する。CVD法としては、例えば、温度を上げて堆積させる熱CVDや、化学反応や熱分解を促進させるために光を照射する光CVD、ガスをプラズマ状態に励起するプラズマCVD、タングステンホットワイヤ等で材料ガスを高効率に接触分解するCat−CVD等、種々の方式のCVD法が知られているが、本発明ではいずれの方法も任意に採用することができる。
図2は、CVD装置の一例の概略構成を示すものである。CVD装置は、成膜空間を構成する真空チャンバ21と、当該真空チャンバ21内を所定の真空度とする真空排気機構22、真空チャンバ21内に原料ガスを供給する原料ガス供給手段23とから構成される。真空チャンバ21には、図示は省略するが、CVDの方式に応じて、例えば加熱手段、光源、高周波電源、ホットワイヤ等が設置される。
原料ガス供給手段23には、通常は原料ガスを充填したタンク、ボンベ等が用いられるが、本発明では、常温で固体の希土類化合物を気化して成膜するため、原料ガス供給手段23として、キャリアガス源24、及び希土類化合物25を収容する原料容器26を用いている。原料容器26には、加熱手段が設けられ、これを加熱しながらキャリアガスを供給することで、前記希土類化合物25が気化してシャワーヘッド27を介して真空チャンバ21内へと導入される。導入された希土類化合物は、真空チャンバ21内で分解され、真空チャンバ21内に設置された磁石素体28の表面に堆積し、CVD膜が形成される。CVD膜を2元系合金、あるいは3元系以上の合金とする場合には、CVD膜を構成する金属の数だけ原料ガス供給手段23を並列に設置し、各金属元素の化合物を原料容器26内に収容する。なお、原料ガス供給手段23には、流量計29や調整バルブ30を設置して、原料ガスの供給量を制御可能とする。
CVD膜の成膜に際しては、磁石素体28の全面を均一なCVD膜で被覆する必要がある。したがって、磁石素体28を真空チャンバ21内で回転、振動等により撹拌しながらCVDによる成膜を行うことが好ましい。
原料となる希土類化合物としては、βジケトン系希土類元素有機金属錯体等を挙げることができる。具体的化合物としては、一般式R(DPM)3、R(HFA)3、R(FOD)3等が例示される。なお、前記一般式中、Rは希土類元素、DPMは2,2,6,6−テトラメチル−1,3,5−ヘプタンジオン(2,2,6,6-tetramethyl-1,3,5-heptanedione)、HFAは1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(1,1,1,5,5,5,-hexafluoro-2,4-pentanedione)、FODは1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン(1,1,1,2,2,3,3-heptafluoro-7,7-dimethyl-4,6-octanedione)である。あるいは、前記βジケトン系希土類元素有機金属錯体として、6−エチル−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオンを希土類元素の配位子とした有機希土類錯体等も使用可能である。
前記希土類化合物は、百数十℃以上の温度で加熱して気化させ、これを含んだ蒸気を真空チャンバ21内に供給する。あるいは、これら希土類化合物をテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶かして溶液とし、液体マスフローコントローラを使って真空チャンバ21内に輸液したり、ノズルから吹き付けることで供給することも可能である。
CVD膜を2元系合金、あるいは3元系以上の合金とする場合、他の金属元素の化合物を原料として使用する必要があるが、例えばFe等の希土類元素以外の金属元素の場合にも、Fe(DPM)3等のβジケトン系有機金属錯体等、各種既存の有機金属化合物等を用いることで、原料供給が可能である。
前述のCVD法では、原料ガスの流量を制御することにより成膜されるCVD膜の組成を制御することができる。そこで、これを利用してCVD膜の組成に分布を持たせることが可能である。先にも述べたように、前記CVD膜において、磁石素体と接する内側部分においてNd、Prから選ばれる少なくとも1種の濃度が高く、これとは反対側の外側部分においてDy、Tbから選ばれる少なくとも1種の濃度が高くなるように組成分布を持たせることにより、DyやTbの使用量を削減することができ、製造コストを抑えることができる。
CVD膜にこのような組成分布を持たせるには、先ずNd、Prから選ばれる少なくとも1種の希土類化合物を原料ガスとして供給し、Nd、あるいはPrを主体とするCVD膜を成膜する。次いで、原料ガスを切り替え、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種の希土類化合物を原料ガスとして供給し、Dy、あるいはTbを主体とするCVD膜を成膜する。これにより、前記組成分布を持ったCVD膜が成膜される。
一方、ディッピング処理は、磁石素体を希土類元素を主体とする合金溶湯中に浸漬するだけでよく、極めて簡便な手法である。使用する合金溶湯は、希土類元素を主体とするものであるが、希土類元素単体の溶湯であってもよいし、希土類元素を含む2元系合金、あるいは3元系以上の合金の溶湯であってもよい。ただし、加工劣化層の改質による効果を得るためには、希土類元素を50原子%以上含有していることが好ましい。また、磁石素体に含まれる希土類元素の割合よりも、合金溶湯に含まれる希土類元素の割合の方が大であることが好ましい。
また、合金溶湯の融点は、あまり高すぎると磁石素体の焼結温度に近づき、磁石素体の特性を劣化させるおそれがあることから、1000℃以下とすることが好ましい。したがって、合金溶湯の組成は、この融点の観点から設定することも必要である。例えば、Dy−Fe系の状態図を図3に、Fe−Nd系の状態図を図4に示す。Dy−Fe系では、Dyが70原子%において融点が890℃まで下がっており、Dyが65原子%〜77原子%で融点1000℃以下が達成される。Fe−Nd系では、Ndが78原子%で融点685℃であり、Ndが55原子%以上で融点1000℃以下が達成される。
ディッピング処理におけるディッピング時間は、10分間〜1時間程度である。ディッピング時間が短すぎると、表面改質効果が不十分となるおそれがある。ディッピング時間が長すぎると、生産性が低下し、磁石素体への熱的影響が大きくなるおそれもある。なお、ディッピング温度やディッピング時間を最適化すれば、時効処理を兼ねることもでき、製造工程をさらに簡略化することが可能である。
前記いずれかの方法で磁石素体の表面に被膜を成膜した後、回復熱処理工程8で磁石素体の表面改質を行う。この回復熱処理工程8では、熱処理により被膜に含まれる希土類元素を磁石素体中に拡散させ、磁気特性の回復を図る。
本発明では、この回復熱処理工程8を温度900℃以上の高温で行い、確実に表面改質による特性回復を図ることとする。被膜形成後、例えば600℃以上、900℃未満の温度での回復熱処理を施すことにより特性が回復するが、本発明者らによる検討の結果、より回復させるためには、さらに高い温度での回復熱処理が有効であることがわかった。回復熱処理温度は、900℃以上であれば任意であるが、焼結体である磁石素体の融点を越えることは現実的ではなく、したがって回復熱処理温度を900℃以上、1100℃以下とすることが好ましい。回復熱処理温度が900℃未満であると、回復効果が不十分となるおそれがあり、後述の加重を加えることによる加圧効果も低い。回復熱処理温度が1100℃を越えると、経済性の点で問題が生じ、また加重を加える際に治具との反応等が起こり易くなる。
前述のような高温で回復熱処理を行う場合、特に薄肉形状の製品(磁石素体)の場合、変形が懸念される。そこで、本発明では、前記回復熱処理を行う際に、被膜を形成した磁石素体に対して加重を加え、変形を抑えるようにする。加重を加える手段は任意であり、何らかの治具により外部から加重を加えるようにしてもよいし、あるいは磁石素体や治具の自重で加重を加えるようにしてもよい。
図5は、回復熱処理の際に被膜を形成した磁石素体に加重を加えるための手法の一例を示すものである。回復熱処理に際しては、図5(a)に示すように、セラミックス製の板(セッター)31の上に被膜を形成した磁石素体32を並べ、炉内等において熱処理を行う。このとき、図5(b)に示すように、磁石素体32を並べたセッター31を複数段積層し、これらセラミックス製のセッター31や磁石素体32自体の重みで加重が加わるようにする。セッター31を複数段積層する際には、スペーサ33等を挟み、加重や寸法を調整するようにしてもよい。なお、締め付け等によりセッター31に外部から力を加え、前記加重を加えるようにしてもよい。
前記のようにセラミックス製のセッター31の上に磁石素体32を並べて高温での回復熱処理を行う場合、セッター31と磁石素体32との反応が懸念される。そのような場合には、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、加重を加えながら900℃以上の温度で2段目の熱処理を行う。このように、900℃未満の温度で希土類元素リッチの金属または合金の磁石素体32への拡散を行った後、加重を加えながら高温での回復熱処理を行うことで、セッター31と磁石素体32との反応を抑えることができる。
2段階で熱処理を行う場合、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、900℃以上の温度で2段目の熱処理を行うが、1段目に固相反応が進む温度で熱処理し、2段目に液相が生じる温度で熱処理するのがよい。
例えば、図3に示すDy−Fe系の状態図や図4に示すFe−Nd系の状態図において、各組成での融点を示す融点曲線より温度が上の領域では液相のみになり、これより温度が下の領域では固相、あるいは固相と液相の混相となる。そして、Dy−Fe系では、Dyが70原子%において融点が890℃と最も低くなり、Fe−Nd系では、Ndが78原子%で融点が685℃と最も低くなる。したがって、Dy−Fe系の場合、890℃未満であれば、また、Fe−Nd系の場合、685℃未満であれば、組成によらず固相のみの状態となる。
そこで、1段目では、固相反応が進む温度、すなわち、Dy−Fe系では890℃未満で、Fe−Nd系では685℃未満で熱処理を行う。これにより、1段目の熱処理では、磁石素体の表面に形成された被膜は、固相状態を保っており、いわゆる固相反応により被膜を構成する希土類元素の磁石素体中への拡散が行われる。2段目の熱処理では、固相と液相との混相の状態、あるいは液相の状態で被膜を構成する希土類元素の磁石素体中への拡散が行われる。
前述の回復処理工程の後、希土類元素を含む被膜によって被覆し表面改質した磁石素体に対して、時効処理を施すことが好ましい。時効工程9は、希土類磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、例えば2段時効処理が好ましく、例えば1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で0.1〜3時間保持する。次いで、急冷し、2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で0.2〜3時間保持する。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍、例えば450℃〜650℃での時効処理を施すとよい。
なお、前述の通り、回復処理工程において、各段階の熱処理温度や熱処理時間を最適化して時効処理を兼ねるようにした場合には、前記時効工程9の一部、あるいは全部を省略することも可能である。
次に、研削加工工程10において、被膜が形成された磁石素体の表面の研削加工を行う。この研削加工は、回復処理及び時効処理後に磁石素体の表面に残った希土類リッチ合金を取り除くために行うものであり、簡単な研削加工を施すだけでよい。勿論、この研削加工工程10を省略して、磁石素体を被膜で被覆されたままの状態とすることも可能である。
最後に、耐食性被膜形成工程により耐食性被膜を形成して希土類磁石を完成する。耐食性被膜としては、磁石素体の酸化を防ぐ保護膜として機能するものであれば材料は問わないが、例えばNi、Si、Al、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種の被膜等を挙げることができる。
前記耐食性被膜の成膜方法も任意であるが、先の表面改質のための被膜をCVD法により形成した場合、耐食性被膜もCVD法により形成すれば、工程の簡略化を図ることができる。例えば耐食性材料を含む被膜もCVD法により成膜し、表面改質のためCVD膜と耐食性材料を含む被膜を同一チャンバ内において連続して形成することで、被膜形成工程から耐食性被膜形成工程までを、同一装置内で一連の工程として行うこともできる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<実験1>
先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd23.7重量%、Pr4重量%、Dy2.5重量%、Co3重量%、B1重量%、Ga0.35重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料1(比較例)とする。
先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd23.7重量%、Pr4重量%、Dy2.5重量%、Co3重量%、B1重量%、Ga0.35重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料1(比較例)とする。
次に、この希土類焼結磁石を機械加工によって切断し、10mm×10mm×0.5mm(厚さ)の磁石素体とした。これを試料2(比較例)とする。
続いて、ディッピング(浸漬)法により磁石素体に被膜を形成した。被膜の組成は、Nd20原子%、Pr20原子%、Dy50原子%、残部Feであり、約4μm成膜した。その後、図5に示すような装置を用い加圧しながら1000℃で20分間の回復熱処理を行い、さらに、800℃で25分間、及び600℃で60分間の2段階時効処理を施した。これを試料3(実施例)とする。
同様に、図2に示すような装置を用い、これらの焼結磁石を600℃の反応炉(真空チャンバ21)内に入れ、攪拌しながら希土類磁石表面にCVD法により被膜を形成した。CVD法の際、原料ガスを供給するための希土類化合物としては、β−ジケトン系化合物を用いた。また、被膜(CVD膜)の組成は、Nd20原子%、Pr20原子%、Dy50原子%、残部Feであり、約4μm成膜した。その後、加圧しながら1000℃20分間で回復熱処理を行い、さらに、800℃で25分間、及び600℃で60分間の2段階時効処理を施した。これを試料4(実施例)とする。
作製した各試料について、残留磁束密度Br、保磁力iHc、角型性を測定した。磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、]の測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。角型性は、B−Hループにおいて、磁化Bが残留磁化Brより10%低下した点での磁界Hkと、磁化Bがゼロとなる点での磁界(保磁力iHc)との比率(Hk/iHc)より算出した。結果を表1に示す。
この表1から明らかなように、希土類元素を主体とする被膜の形成及び回復熱処理により、加工前の磁石素材(試料1)の磁気特性に匹敵する磁石特性を有する希土類磁石が得られることがわかる。特に、角形性において著しい向上が見られる。機械加工を施した磁石素体(試料2)は、そのままでは磁気特性の劣化が大きい。なお、加圧せずに1000℃での回復熱処理を試みたが、変形が見られ、製品不良となった。
<実験2>
先の実験1と同様、先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd25.5重量%、Pr4.7重量%、Al0.2重量%、B1重量%、Cu0.06重量%、Co1.5重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料5(比較例)とする。
先の実験1と同様、先ず、NdFeB系焼結磁石として、Nd25.5重量%、Pr4.7重量%、Al0.2重量%、B1重量%、Cu0.06重量%、Co1.5重量%、残部Feからなる希土類焼結磁石(磁石素材)を用意した。これを試料5(比較例)とする。
次に、この希土類焼結磁石を機械加工によって切断し、10mm×10mm×0.5mm(厚さ)の磁石素体とした。これを試料6(比較例)とする。
続いて、ディッピング(浸漬)法により磁石素体に被膜を形成した。被膜の組成は、Nd60原子%、Pr10原子%、Dy20原子%、残部Feであり、約4μm成膜した。その後、1段目の回復熱処理を800℃で30分間行い、次いで、加圧しながら1000℃、20分間で2段目の回復熱処理を行った。さらに、800℃で25分間、及び600℃で60分間の2段階時効処理を施した。これを試料7(実施例)とする。
同様に、図2に示すような装置を用い、これらの焼結磁石を600℃の反応炉(真空チャンバ21)内に入れ、攪拌しながら希土類磁石表面にCVD法により被膜を形成した。CVD法の際、原料ガスを供給するための希土類化合物としては、β−ジケトン系化合物を用いた。また、被膜(CVD膜)の組成は、Nd60原子%、Pr10原子%、Dy20原子%、残部Feであり、約4μm成膜した。その後、1段目の回復熱処理を800℃で30分間行い、次いで、加圧しながら1000℃20分間で2段目の回復熱処理を行った。さらに、800℃で25分間、及び600℃で60分間の2段階時効処理を施した。これを試料8(実施例)とする。
これら試料についても、先の実験1と同様にして磁気特性を測定した。結果を表2に示す。
この表2から明らかなように、2段階の回復熱処理を行った場合にも、加工前の磁石素材(試料5)の磁気特性に匹敵する磁石特性を有する希土類磁石が得られることがわかる。特に、角形性において著しい向上が見られる。機械加工を施した磁石素体(試料6)は、そのままでは磁気特性の劣化が大きい。なお、加圧せずに1000℃での回復熱処理を試みたが、変形が見られ、製品不良となった。
1 合金化工程、2 粗粉砕工程、3 微粉砕工程、4 磁場中成形工程、5 焼結工程、6 機械加工工程、7 CVD工程、8 回復処理工程、9 時効工程、10 研削加工工程、11 耐食性被膜形成工程、21 真空チャンバ、22 真空排気機構、23 原料ガス供給手段、24 キャリアガス源、25 希土類化合物、26 原料容器、27 シャワーヘッド、28 磁石素体、29 流量計、30 調整バルブ、31 セッター、32 磁石素体、33 スペーサ
Claims (12)
- 磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、被膜を成膜した磁石素体に加重を加えながら900℃以上の温度で熱処理を行うことを特徴とする希土類磁石の製造方法。
- 前記熱処理温度が、900℃以上、1100℃以下であることを特徴とする請求項1記載の希土類磁石の製造方法。
- 磁石素体の表面に希土類元素を主体とする被膜を成膜した後、500℃以上、900℃未満の温度で1段目の熱処理を行い、次いで、加重を加えながら900℃以上の温度で2段目の熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の希土類磁石の製造方法。
- 被膜を成膜した磁石素体をセラミックス板上に並べるとともに、これを複数段積層し、自重により前記加重が加わるようにすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
- 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結して希土類焼結磁石を作製し、当該希土類焼結磁石を磁石素体として用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
- 前記磁石素体としてNdFeB系希土類焼結磁石を用いることを特徴とする請求項5記載の希土類磁石の製造方法。
- 磁石素体を機械加工により所定の厚さに加工した後、前記被膜を成膜することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
- 磁石素体の厚さを2mm以下とすることを特徴とする請求項7記載の希土類磁石の製造方法。
- 前記被膜は、Nd、Pr、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
- 前記被膜は、温度1000℃以下で少なくとも液相が存在する組成を有することを特徴とする請求項9記載の希土類磁石の製造方法。
- 前記被膜は、物理的蒸着法、化学気相成長法、ディッピング法のいずれかにより成膜することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
- 前記熱処理の後、温度450℃〜650℃で時効処理を行うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の希土類磁石の製造方法。
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