JP2005285618A - 有機el装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】R,G,B発光層に高分子有機材料を使用し、かつ、共通陰極を使用した場合に、簡単な製造方法で製造でき、R,G,B発光層の全ての発光特性を良好にすることが可能な有機EL装置および電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】陽極102と共通陰極103との間に、少なくとも発光層を含む機能層が狭持されてなる有機EL装置100において、機能層は、各々が高分子有機材料で形成されたR,G,B発光層107R,107G,107Bと、R,G,B発光層毎に設けられ、かつ、有機材料で形成されたR,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108Bとを有する。
【選択図】 図1

Description

有機EL装置および電子機器に関し、詳細には、発光層に高分子有機材料を使用した有機EL装置および電子機器に関する。
有機EL素子は、薄型、全固体型、面状自発光及び高速応答であるといった特徴を有する発光素子であり、フラットディスプレイパネルやバックライトへの応用が期待されることから、近年各方面で盛んに研究が行われている。以前、有機EL素子は、無機物を用いた無機EL素子に比べて素子特性が著しく劣っていたが、1987年にコダック社のTangらが有機物層を積層構成にする方法を発表してから(非特許文献1)、素子特性が向上し、急速に発展している。また、近年、有機EL素子をディスプレイパネルに用いた、商品も発売されつつある。有機EL素子は、有機材料を含む複数の薄膜を第1の電極と第2の電極で挟んだ構造を有しており、2つの電極から注入したキャリヤが有機薄膜中で再結合することにより発光する素子である。
有機EL素子は、低分子材料を用いる系と、高分子材料を用いる系がある。一般に、低分子材料を用いる系では蒸着等のドライ法で作製し、他方、高分子材料を用いる系では、インクジェット法等の塗布法が使用される。高分子材料を用いる系の場合には、インクジェット法により赤(R)、緑(G)、青(B)の光の三原色発光を有する各高分子有機材料を容易にパターニングできるため、簡便にフルカラー有機EL素子を作製できるという特徴を有している。
このような高分子材料を用いる系においては、R,G,Bの各発光層上に電流を通じるための陰極として、通常、同じ材料からなる陰極が用いられている。しかしながら、R,G,Bの各発光層上に共通の陰極を用いた有機EL素子では、その共通の陰極が全ての発光層に対して、必ずしもその発光特性(高輝度化・高寿命化)を良好にするものではないことが分かってきている。例えば、R,Gの発光層を高輝度に発光させる陰極でも、B発光層の輝度が不足する場合がある。
かかる課題に対して、例えば、特許文献1の有機EL装置では、R発光層とG発光層をインクジェット法により成膜した後、B発光層を、R発光層およびG発光層を含む基板の全面に設け、陰極としてB発光層に好適なもの使用している。
しかしながら、上記特許文献1の有機EL装置では、R発光層とG発光層がB発光層の塗布時に相溶しないように、R発光層とG発光層を加熱処理等により不溶化する必要があるため、その材料選択の余地が狭まってしまうという問題がある。また、スピンコート法等で基板上にB発光層を形成した場合、画素領域以外の周囲部にもB発光層が形成されてしまうため、最終的に封止して装置を完成させた際、周辺部に形成されたB発光層によって耐湿性や実装性等の封止性能が損なわれるといった問題がある。さらに、このような問題を回避するために、周辺部に形成されたB発光層をエッチング等によって除去することも考えられるが、エッチング等で除去する場合には、除去工程が必要となるため、生産性が低下するという問題が生じる。
また、特許文献2の有機EL装置では、発光層を含む2層以上積層された有機層のうち、発光層以外の少なくとも1層、好ましくは、電子注入層を、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等の塗布法により積層する技術が開示されている。同文献では、R,G,Bの各発光層に対して共通の電子注入層が形成されるため、全ての画素において電流は等しく発光層に流れる。しかしながら、同文献の塗布法では、画素領域以外の周囲部にも薄膜が成膜されてしまうため、特許文献1と同様に、耐湿性や実装性等の封止性能が損なわれるといった問題がある。
C.W.Tang and S.A.Vanslyke:Appl.Lett.,51(1987)913 特開2003−208254号公報 特開2003−142268号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、R,G,B発光層に高分子有機材料を使用し、かつ、共通陰極を使用する場合に、簡単な製造方法で製造でき、R,G,B発光層の全ての発光特性を良好にすることが可能な有機EL装置および電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、上記目的を達成するために、本発明は、陽極と共通陰極との間に、少なくとも発光層を含む機能層が狭持されてなる有機EL装置において、前記機能層は、各々が高分子有機材料で形成されたR,G,B発光層と、前記R,G,B発光層毎に設けられ、かつ、有機材料で形成されたR,G,B用電子注入/輸送層と、を有することを特徴とする。
これにより、共通陰極を使用した場合においても、有機材料で形成されたR,G,B用電子注入/輸送層からR,G,B発光層への電子注入をそれぞれ効率的に行うことができ、また、R,G,B用電子注入/輸送層電子注入/輸送層で正孔を効果的にブロックしてR,G,B発光層での正孔−電子の再結合効率の低下を防止することができ、全発光層の発光特性を良好にすることが可能となる。この結果、R,G,B発光層に高分子有機材料を使用し、かつ、共通陰極を使用した場合に、簡単な製造方法で製造でき、R,G,B発光層の全ての発光特性を良好にすることが可能な有機EL装置を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記R,G,B発光層と前記R,G,B用電子注入/輸送層とのLUMOレベルの差は、それぞれ0.2eV以下であることが望ましい。これにより、R,G,Bにおいて、電子注入/輸送層から発光層の電子注入障壁を略同じとすることができ、略同じ電子注入効率で電子を注入することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記R,G,B用電子注入/輸送層のHOMOレベルは、前記R,G,B発光層のHOMOレベルよりそれぞれ0.3eV以上高いことが望ましい。これにより、各発光層を通過したホールや励起子を各電子注入/輸送層で効率的にブロックすることができ、正孔−電子の再結合効率の低下を防止することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記R,G,B発光層はインクジェット法で形成することが望ましい。これにより、各発光層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、蒸着法に比して形成材料を無駄にすることなく、容易に各発光層を形成することができる。
また、前記R,G,B用電子注入/輸送層は、前記R,G,B発光層上にそれぞれインクジェット法で形成することが望ましい。これにより、各電子注入/輸送層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、蒸着法に比して形成材料を無駄にすることなく、容易に各電子注入/輸送層を形成することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記共通陰極は、前記R,G,B用電子注入/輸送層上に蒸着法で形成することが望ましい。これにより、R,G,B用電子注入/輸送層上の全面に簡単に共通電極を形成することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明の有機EL装置を電子機器に搭載することが望ましい。これにより、R,G,Bの発光特性が優れた有機EL装置を搭載した電子機器を提供することができる。
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る有機EL装置100の構成を示す要部断面図である。この有機EL装置100は、基体101上に陽極(第1電極)102と、陰極(第2電極)103とを有し、これら陽極101と陰極103との間に、機能層を備えたものである。機能層は、正孔注入/輸送層106と、発光層107と、および電子注入/輸送層108とが積層されて構成される。この有機EL装置100は、発光層107で発光した光を基体側から出射するボトムエミッション方式となっている。
基体101は、ガラス基板等の透明基板(図示せず)上にTFT素子からなる駆動素子(図示せず)や各種配線等を形成して構成されたもので、これら駆動素子や各種配線の上に絶縁層や平坦化膜を介して陽極102を形成したものである。
陽極102は、基体101上に形成される単一ドット領域毎にパターニングされて形成され、かつ、TFT素子からなる駆動素子や前記各種配線等と接続されたもので、本実施例では、ITO(Indium Tin Oxide)によって形成されている。
陽極102の周囲には、単一のドット領域を区画する無機バンク層104および有機バンク層105が形成されており、これら無機バンク層104および有機バンク層105に囲まれた凹部には、正孔注入/輸送層106、発光層107,および電子注入/輸送層108が設けられている。
正孔注入/輸送層106は、陽極102から注入した正孔を発光層107に輸送する。正孔注入/輸送層109の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒として、ポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらに、これを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
発光層107は、発光波長帯域が赤色に対応したR発光層107R、発光波長帯域が青色に対応した発光層107B、発光波長帯域が緑色に対応した発光層107Gからなる。これらR発光層107R、B発光層107B、およびG発光層107Gで1つの画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置100が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
この発光層107の材料としては具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などの高分子有機材料が好適に用いられる。
また、これらの高分子有機材料に、ペニレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6,キナクリドン等の低分子有機材料をドープして用いることもできる。
電子注入/輸送層108は、R発光層105R,G発光層105G、B発光層105Bにそれぞれ好適なR用電子注入層106R、G用電子注入層106G、B用電子注入層106Bで構成されている。R,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108Bは、共通の陰極103から注入される電子を、それぞれR,G,B発光層107R,107G,107Bまで輸送し、また、陽極102側から移動してきた正孔・励起子をブロックする機能を有する。この電子注入/輸送層108の材料としては、分子量が1000未満の低分子有機材料または分子量が1000以上の高分子有機材料を使用することができ、具体的には、Alq3,BAlq,BCP,TAZ,PBD,OXD,TPOB等の有機材料を使用することができる。
陰極103は、全ての画素領域を覆うようにして形成されたもので、電子注入/輸送層108側から順にLiF層とAl層とが積層されて形成されたものである。また、陰極103上には、封止用基板110を基体101と接合するための封止層109が形成されている。封止層109は、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂で形成されている。封止用基板110は、例えばガラス板等からなり、封止層109により貼設されている。
上記R,G,B発光層107R、107G、107BとR,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108B電子注入/輸送層108の好適な材料の組み合わせを、表1、表2及び図2を参照して説明する。表1はR,G,B発光層107R、107G、107Bで好適に使用可能な高分子有機材料およびその特性、表2はR,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108Bで好適に使用可能な有機材料およびその特性、図2はR,G,B発光層107R、107G、107BとR,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108Bのエネルギーダイヤグラムの一例を示している。
Figure 2005285618
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表1に示すように、R発光層107Rの材料には、[化1]に示すPAT(ポリアルキルチオフェンを好適に使用することができる。[化1]に示すPATは、ピーク波長=640nm、LUMO=3.3eV、HOMO=5.4eV、エネルギーギャップEg=2.1eVとなっている。G発光層107Gの材料には、[化2]に示すPPV(ポリパラフェニレンビニレン)を好適に使用することができる。[化2]に示すPPVは、ピーク波長=520nm、550nm、LUMO=3.2eV、HOMO=5.6eV、エネルギーギャップEg=2.4eVとなっている。B発光層107Bの材料には、[化3]に示すPDAF(ポリジアルキルフルオレン)を好適に使用することができる。[化3]に示すPDAFは、ピーク波長=480nm、LUMO=2.8eV、HOMO=5.7eV、エネルギーギャップEg=2.9eVとなっている。
表2に示すように、R用電子注入/輸送層108Rの材料には、[化4]に示すBAlqを好適に使用することができる。[化4]に示すBAlqはLUMO=3.4eV、HOMO=6.3eV、エネルギーギャップEg=2.9eVとなっている。G用電子注入/輸送層108Gの材料には、[化5]に示すAlq3を好適に使用することができる。[化5]に示すAlq3は、LUMO=3.3eV、HOMO=5.9eV、エネルギーギャップEg=2.6eVとなっている。B用電子注入層108Bの材料には、[化6]に示すBCP(バソクプロイン)を好適に使用することができる。[化6]に示すBCPは、LUMO=2.9eV、HOMO=6.6eV、エネルギーギャップEg=3.7eVとなっている。
図2において、LUMOレベルに着目すると、R発光層107R材料のPATとR用電子注入/輸送層108R材料のBAlq、G発光層107G材料のPPVとG用電子注入/輸送層108G材料のAlq3、およびB発光層107B材料のPDAFとB用電子注入/輸送層108B材料のBCPは、いずれもLUMOレベルの差が0.1eVであり、0.2eV以下となっている。これにより、電子注入/輸送層から発光層の電子注入障壁を略同じとすることができ、略同じ電子注入効率で電子を注入することが可能となる。
また、HOMOレベルに着目すると、R発光層107R材料のPATとR用電子注入/輸送層108R材料のBAlq、G発光層107G材料のPPVとG用電子注入/輸送層108G材料のAlq3、およびB発光層107B材料のPDAFとB用電子注入/輸送層108B材料のBCPにおいては、いずれも電子注入/輸送層のHOMOレベルが、発光層のHOMOレベルよりも0.3eV以上高くなっている。これにより、各発光層を通過したホールや励起子を各電子注入/輸送層で効率的にブロックすることができ、正孔−電子の再結合効率の低下を防止することができる。
上記構成の有機EL装置100の製造方法を図3を参照して説明する。図3は、有機EL装置100の製造工程を説明するための説明図である。まず、従来と同様にして透明基板上にTFT素子や各種配線等を形成し、さらに、層間絶縁層や平坦化膜を形成して基体101を得る。つぎに、この基体101上に蒸着法等によってITOを成膜し、さらにパターニングすることによって陽極102を形成する。
つづいて、陽極102の周囲を囲むようにして基体101上にSiO2からなる無機バンク層104を形成し、さらに、この無機バンク層104上に樹脂からなる有機バンク層105を形成し、これにより、図3−1に示すように、陽極102上に凹部120を形成する。有機バンク層105に用いられる材料としては、ポリイミド、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの材料に予めフッ素元素を含んだ構造のものを用いても良い。
図3−1に示したような、無機バンク層104および有機バンク層105で囲まれた凹部120を有する基体101を、酸素プラズマ−CF4プラズマ連続処理することにより基体101上の塗れ性を制御し、ついで、この凹部120内にインクジェット法等の液滴吐出法によって、正孔注入/輸送層106を形成する。すなわち、図3−2に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から正孔注入/輸送層106の形成材料106aを凹部120内に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図3−3に示すように、陽極102上に正孔注入/輸送層106を形成する。
つづいて、インクジェット法等の液滴吐出法によって、凹部120内の正孔注入/輸送層106上に発光層107を形成する。すなわち、図3−4に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から発光層107の形成材料107aを凹部120内の正孔注入/輸送層106上に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図3−5に示すように、正孔注入/輸送層106上に発光層107を形成する。この発光層107の形成にあたっては、R発光層107R、G発光層107G、B発光層107Bをそれぞれ作り分ける必要があるが、液滴吐出法によれば、各発光層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、容易に発光層を形成することができる。
インクジェット法等の液滴吐出法によって、各発光層107上に各電子注入/輸送層108を形成する。すなわち、図3−6に示すように液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)130から電子輸送層108の形成材料108aを凹部120内の発光層107上に選択的に吐出し、続いてこれを乾燥・ベイクすることにより、図3−7に示すように、発光層107上に電子注入/輸送層108を形成する。この電子注入/輸送層108の形成にあたっては、R用電子注入/輸送層108R、G用電子注入/輸送層層108G、B用電子注入層108Bをそれぞれ作り分ける必要があるが、液滴吐出法によれば、各電子注入/輸送層の形成材料をそれぞれ所望位置に打ち分けるだけで、容易に電子注入/輸送層を形成することができる。なお、ここでは、液滴吐出法によって、R用電子注入/輸送層108R、G用電子注入/輸送層108G、B用電子注入/輸送層108Bを成膜することとしたが、真空蒸着等の蒸着法で成膜することにしても良い。
この後、ドライプロセスで、陰極103を形成する。まず、蒸着法等によって電子注入/輸送層108および有機バンク層105上の全面に、LiFを成膜し、さらにこの上にAl(アルミニウム)を成膜することにより、LiF/Alの積層構造からなる陰極103を形成する。
その後、陰極103上に、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布して封止層109を形成した後、封止用基板110を重ね、加熱または紫外線照射して、封止層109を硬化させて、封止用基板110と基材101を接合する。このようにして、図1に示す有機EL装置100が製造される。
本実施例によれば、高分子有機材料で形成されたR,G,B発光層107R,G,B上に、それぞれ好適なR,G,B用電子注入/輸送層108R,108G,108Bを形成しているので、共通陰極を使用した場合においても、有機材料で形成されたR,G,B用電子注入/輸送層からR,G,B発光層への電子注入をそれぞれ効率的に行うことができ、また、R,G,B用電子注入/輸送層電子注入/輸送層で正孔を効果的にブロックしてR,G,B発光層での正孔−電子の再結合効率の低下を防止することができ、全発光層の発光特性を良好にすることが可能となる。また、本実施例によれば、R,G,B発光層107R,107G,107B上に直接、陰極103を形成していないので、陰極により発光が消光したり、ホールが突き抜けて再結合効率が下がるといったロスがなく、初期特性や寿命特性を向上させることができる。付言すると、本実施例では、各発光層毎に最適な電子注入/輸送層を形成しているので、各発光層に対して共通の電子注入/輸送層を形成する構成に比して、格段に全発光層の発光特性、初期特性、寿命特性を格段に向上させることができる。この結果、R,G,B発光層に高分子有機材料を使用し、かつ、共通陰極を使用した場合に、簡単な製造方法で製造でき、R,G,B発光層の全ての発光特性を良好にすることが可能な有機EL装置を提供することができる。
なお、上記した実施例では、電子注入/輸送層108を単層構造としたが複数の層で構成することにしても良い。また、上記実施例では、ボトムエミッション方式の有機EL装置について説明したが、トップエミッション方式にしても良い。
(電子機器への適用例)
つぎに、本発明に係る有機EL装置を適用可能な電子機器の具体例について図4を参照して説明する。図4−1は、本発明に係る有機EL装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)200の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ200は、キーボード201を備えた本体部202と、本発明に係る有機EL装置を適用した表示部203とを備えている。図4−2は、本発明に係る有機EL装置を携帯電話機300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機300は、複数の操作ボタン301のほか、受話口302、送話口303とともに、本発明に係る有機EL装置を適用した表示部304を備えている。
本発明に係る有機EL装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
本発明の有機EL装置は、有機EL表示装置、エレクトロミック調光ガラス、電子ペーパー、照明装置、およびプリンタヘッド等に広く利用可能である。また、本発明に係る電子機器は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く利用することができる。
実施例に係る有機EL装置の構成を示す要部断面図。 電子注入/輸送層と発光層のエネルギーダイヤグラムの一例を示す図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置の製造工程を説明するための説明図。 実施例に係る有機EL装置を備えたパソコンの斜視図。 実施例に係る有機EL装置を備えた携帯電話機の斜視図。
符号の説明
100 有機EL装置、101 基体、102 陽極(第1電極)、103 陰極(第2電極)、104 無機バンク層、105 有機バンク層、106 正孔注入/輸送層、107 は発光層、108 電子注入/輸送層、109 封止層、110封止用基板、200 コンピュータ、201 キーボード、202 本体部、203 表示部、300 携帯電話機、301 操作ボタン、302 受話口、303 送話口、304 表示部

Claims (7)

  1. 陽極と共通陰極との間に、少なくとも発光層を含む機能層が狭持されてなる有機EL装置において、
    前記機能層は、各々が高分子有機材料で形成されたR,G,B発光層と、前記R,G,B発光層毎に設けられ、かつ、有機材料で形成されたR,G,B用電子注入/輸送層と、を有することを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記R,G,B発光層と前記R,G,B用電子注入/輸送層とのLUMOレベルの差は、それぞれ0.2eV以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記R,G,B用電子注入/輸送層のHOMOレベルは、前記R,G,B発光層のHOMOレベルよりそれぞれ0.3eV以上高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL装置。
  4. 前記R,G,B発光層はインクジェット法で形成されことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の有機EL装置。
  5. 前記R,G,B用電子注入/輸送層は、前記R,G,B発光層上にそれぞれインクジェット法で形成されることを特徴とする請求項4に記載の有機EL装置。
  6. 前記共通陰極は、前記R,G,B用電子注入/輸送層上に蒸着法で形成されることを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の有機EL装置を搭載したことを特徴とする電子機器。























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