JP2011034751A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高沸点有機溶媒を含むインクを用いたインクジェット法により有機層を含む電気光学層を形成する場合に、有機層に高沸点有機溶媒が残留する虞が無く、従来と同等の電気的及び光学的特性を有し、長寿命化を図ることが可能な電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、素子基板10上に複数の陽極21を成膜する工程と、陽極21上にインクジェット法により有機発光層32を形成する工程と、有機発光層32を覆う陰極23を成膜する工程とを有し、この有機発光層32は、インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む有機発光層用塗膜53を形成し、この有機発光層用塗膜53を2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて乾燥し、50℃以上かつ150℃以下にて熱処理し、さらに、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて乾燥する。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、素子基板10上に複数の陽極21を成膜する工程と、陽極21上にインクジェット法により有機発光層32を形成する工程と、有機発光層32を覆う陰極23を成膜する工程とを有し、この有機発光層32は、インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む有機発光層用塗膜53を形成し、この有機発光層用塗膜53を2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて乾燥し、50℃以上かつ150℃以下にて熱処理し、さらに、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて乾燥する。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法に関するものである。
従来、発光素子の一種として、有機発光層を陽極と陰極とにより挟持した積層構造の有機EL(Electroluminescence:EL)素子がある。
この有機EL素子は、有機発光層に、陽極から正孔を、陰極から電子を、それぞれ注入することにより、この有機発光層内にて正孔と電子とを再結合させ、この再結合により生じる励起子が励起状態から基底状態に戻る際に、励起状態と基底状態のエネルギー差に相当するエネルギーの光子(photon)を放出するようになっている。
このような有機EL素子を多数個、格子状に配列した有機EL表示装置は、次世代の平面表示型電気光学装置(FPD:Frat Panel Display)として、数多くのメーカーや研究機関で研究・開発がなされており、現在では、携帯電話への搭載や有機ELテレビジョン等、小型・中型ディスプレイ分野において量産化が可能なところまで技術が確立されている。
この有機EL素子は、有機発光層に、陽極から正孔を、陰極から電子を、それぞれ注入することにより、この有機発光層内にて正孔と電子とを再結合させ、この再結合により生じる励起子が励起状態から基底状態に戻る際に、励起状態と基底状態のエネルギー差に相当するエネルギーの光子(photon)を放出するようになっている。
このような有機EL素子を多数個、格子状に配列した有機EL表示装置は、次世代の平面表示型電気光学装置(FPD:Frat Panel Display)として、数多くのメーカーや研究機関で研究・開発がなされており、現在では、携帯電話への搭載や有機ELテレビジョン等、小型・中型ディスプレイ分野において量産化が可能なところまで技術が確立されている。
ところで、ディスプレイ分野においては、現在においても小型・大型を問わず液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)が主流であり、有機EL表示装置が液晶表示装置に取って代わるためには、解決しなければならない課題が幾つか明らかになってきており、この課題を解決するために各メーカーや研究機関においても様々な取り組みがなされている。
例えば、有機EL素子を点灯させるためには、有機発光層に電流を流さなければならないが、この有機発光層自体が基本的に電流を流し難い性質を有しているために、この有機発光層に電流を流すためには、この有機発光層をナノメートル程度まで薄膜化する必要がある。さらに、この有機EL素子の素子特性を改善するためには、有機発光層を複数の機能層に分割し、これらの機能層を積層する必要がある。
例えば、有機EL素子を点灯させるためには、有機発光層に電流を流さなければならないが、この有機発光層自体が基本的に電流を流し難い性質を有しているために、この有機発光層に電流を流すためには、この有機発光層をナノメートル程度まで薄膜化する必要がある。さらに、この有機EL素子の素子特性を改善するためには、有機発光層を複数の機能層に分割し、これらの機能層を積層する必要がある。
有機EL素子を作製する方法としては、蒸着法等のドライプロセスの他、インクジェット法等のウェットプロセスが検討されている。特に、インクジェット法は、有機発光層等に用いられる有機材料をインク化し、このインクを所定のパターンにて塗布する方法であり、有機材料の利用効率が高く、赤色発光領域(R)、緑色発光領域(G)及び青色発光領域(B)における塗り分けが容易等、製造上のメリットが大きい。
インクジェット法で有機膜を形成する場合、吐出性や乾燥性の観点から、有機発光層等に用いられる有機材料をトリメチルベンゼン(b.p.=165℃)等の高沸点有機溶媒と混ぜてインク化していることが多い。
例えば、高沸点有機溶媒を含む膜をインクジェット法にて形成する方法としては、200℃〜300℃の沸点を有する溶媒に機能性材料を溶解または分散させた溶液を基板上に塗布し、次いで、この塗膜を13.3〜1332Paの減圧下にて乾燥させることにより溶媒を除去し、さらに、不活性ガス雰囲気下、120℃〜180℃にて焼成する方法が提案されている(特許文献1)。
例えば、高沸点有機溶媒を含む膜をインクジェット法にて形成する方法としては、200℃〜300℃の沸点を有する溶媒に機能性材料を溶解または分散させた溶液を基板上に塗布し、次いで、この塗膜を13.3〜1332Paの減圧下にて乾燥させることにより溶媒を除去し、さらに、不活性ガス雰囲気下、120℃〜180℃にて焼成する方法が提案されている(特許文献1)。
ところで、従来の高沸点有機溶媒を含む膜をインクジェット法にて形成する方法では、200℃〜300℃の沸点を有する溶媒を含む塗膜を上記のような乾燥・焼成条件下にて処理すると、膜中に溶媒が残留する可能性が非常に高く、したがって、膜の均一性という観点では上記の条件により達成される部分はあるものの、膜中に溶媒が残留しているために、この膜を用いた有機EL素子を連続駆動した場合、膜中に残留する溶媒が正孔や電子のキャリア注入・輸送や発光特性に悪影響を及ぼし、その結果、有機EL素子の特性が低下する虞があるという問題点があった。
そこで、この塗膜から溶媒を除くためには、この溶媒が散逸するのに十分な温度、例えば300℃を超える温度にまで加熱する必要があるが、このような温度で加熱した場合、塗膜の耐熱性が低下し、さらには塗膜の特性及び品質が低下し、その結果、有機材料が本来有するポテンシャルを低下させ、有機EL素子の特性に悪影響を及ぼすという問題点が生じることとなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高沸点有機溶媒を含むインクを用いたインクジェット法により有機層を含む電気光学層を形成する場合に、有機層に高沸点有機溶媒が残留する虞が無く、したがって、有機層の膜質が向上し、その結果、この有機層を含む電気光学層が従来と同等の電気的及び光学的特性を有することはもちろんのこと、長寿命化を図ることが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の電気光学装置の製造方法を採用した。
すなわち、本発明の電気光学装置の製造方法は、基体上に複数の第1電極を成膜する工程と、前記第1電極上の所定位置それぞれにインクジェット法により有機層を含む電気光学層を形成する工程と、前記電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、
前記有機層を形成する工程は、前記インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む塗膜を形成する工程と、前記塗膜を減圧乾燥する第1の減圧乾燥工程と、この減圧乾燥した塗膜を熱処理する熱処理工程と、この熱処理した塗膜を前記減圧乾燥より低圧にて減圧乾燥する第2の減圧乾燥工程とを有することを特徴とする。
すなわち、本発明の電気光学装置の製造方法は、基体上に複数の第1電極を成膜する工程と、前記第1電極上の所定位置それぞれにインクジェット法により有機層を含む電気光学層を形成する工程と、前記電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、
前記有機層を形成する工程は、前記インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む塗膜を形成する工程と、前記塗膜を減圧乾燥する第1の減圧乾燥工程と、この減圧乾燥した塗膜を熱処理する熱処理工程と、この熱処理した塗膜を前記減圧乾燥より低圧にて減圧乾燥する第2の減圧乾燥工程とを有することを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、有機層を形成する工程を、インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む塗膜を形成する工程と、塗膜を減圧乾燥する第1の減圧乾燥工程と、この減圧乾燥した塗膜を熱処理する熱処理工程と、この熱処理した塗膜を前記減圧乾燥より低圧にて減圧乾燥する第2の減圧乾燥工程とを有することとしたので、塗膜中の高沸点有機溶媒は、第1の減圧乾燥工程、熱処理工程及び第2の減圧乾燥工程を順次経ることにより、効果的に膜から散逸し、この膜に高沸点有機溶媒が残る虞がなくなる。
したがって、高沸点有機溶媒が有機層中に残留する虞がなく、この有機層の膜質を向上させることができ、正孔や電子のキャリア注入・輸送や発光特性に対する悪影響を防止することができ、その結果、電気光学装置の特性の低下を防止することができる。
したがって、高沸点有機溶媒が有機層中に残留する虞がなく、この有機層の膜質を向上させることができ、正孔や電子のキャリア注入・輸送や発光特性に対する悪影響を防止することができ、その結果、電気光学装置の特性の低下を防止することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、前記高沸点有機溶媒の沸点は、150℃以上かつ300℃以下であることを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、高沸点有機溶媒の沸点を150℃以上かつ300℃以下の範囲内としたので、塗膜中の高沸点有機溶媒を、第1の減圧乾燥工程、熱処理工程及び第2の減圧乾燥工程を順次経ることにより、確実に膜から散逸させることができ、この膜に高沸点有機溶媒が残る虞が無い。
したがって、有機層の膜質を向上させることができ、高沸点有機溶媒に起因する正孔や電子のキャリア注入・輸送や発光特性に対する悪影響を防止することができる。
この電気光学装置の製造方法によれば、高沸点有機溶媒の沸点を150℃以上かつ300℃以下の範囲内としたので、塗膜中の高沸点有機溶媒を、第1の減圧乾燥工程、熱処理工程及び第2の減圧乾燥工程を順次経ることにより、確実に膜から散逸させることができ、この膜に高沸点有機溶媒が残る虞が無い。
したがって、有機層の膜質を向上させることができ、高沸点有機溶媒に起因する正孔や電子のキャリア注入・輸送や発光特性に対する悪影響を防止することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
本実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
本実施形態では、電気光学装置として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いた機能層(電気光学層)を有する有機EL表示装置について説明する。
本実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
本実施形態では、電気光学装置として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いた機能層(電気光学層)を有する有機EL表示装置について説明する。
「有機EL表示装置」
図1は本発明の一実施形態の有機EL表示装置を示す概略断面図であり、図2は同有機EL表示装置の有機EL素子の膜構造を示す模式図である。
この有機EL表示装置(電気光学装置)1は、図1に示すように、ガラス等からなる透明な素子基板(基体)10と、この素子基板10上の所定位置に形成された複数の有機EL素子11と、これら複数の有機EL素子11及び接着層12を介して素子基板10と対向配置された封止基板20と、を備えている。
この素子基板10上には、薄膜トランジスタ(TFT)等の画素スイッチング素子及び各種の配線を含む回路層(図示略)が設けられている。
図1は本発明の一実施形態の有機EL表示装置を示す概略断面図であり、図2は同有機EL表示装置の有機EL素子の膜構造を示す模式図である。
この有機EL表示装置(電気光学装置)1は、図1に示すように、ガラス等からなる透明な素子基板(基体)10と、この素子基板10上の所定位置に形成された複数の有機EL素子11と、これら複数の有機EL素子11及び接着層12を介して素子基板10と対向配置された封止基板20と、を備えている。
この素子基板10上には、薄膜トランジスタ(TFT)等の画素スイッチング素子及び各種の配線を含む回路層(図示略)が設けられている。
有機EL素子11は、素子基板10上の所定位置に形成された陽極(第1電極)21と、陽極21上に形成された機能層(電気光学層)22と、陰極(第2電極)23とを備えている。
機能層22は、ホール(正孔)注入・輸送層31、有機発光層(有機層)32、ホール(正孔)ブロック層33、電子輸送層34が順次積層されている。
これら有機EL素子11は、それぞれの有機発光層32の有機発光材料について赤(R)、緑(G)、青(B)の三つの有機発光材料を使い分けることにより、素子基板10上に、三種の有機発光層、例えば、赤色光を発生する赤色発光層32R、緑色光を発生する緑色発光層32G及び青色光を発生する青色発光層32Bが形成されている。
機能層22は、ホール(正孔)注入・輸送層31、有機発光層(有機層)32、ホール(正孔)ブロック層33、電子輸送層34が順次積層されている。
これら有機EL素子11は、それぞれの有機発光層32の有機発光材料について赤(R)、緑(G)、青(B)の三つの有機発光材料を使い分けることにより、素子基板10上に、三種の有機発光層、例えば、赤色光を発生する赤色発光層32R、緑色光を発生する緑色発光層32G及び青色光を発生する青色発光層32Bが形成されている。
この有機EL素子11は、有機発光層32に、陽極21からホールを、陰極23から電子を、それぞれ注入することにより、この有機発光層32内にてホールと電子とを再結合させ、この再結合により生じる励起子が励起状態から基底状態に戻る際に、励起状態と基底状態のエネルギー差に相当するエネルギーの光を放出するようになっている。この有機発光層32から素子基板10側(下側)に放出された光は、素子基板10を透過して、素子基板10の外側(観察者側)に出射されるようになっており、一方、有機発光層32から封止基板20側に放出された光は、陰極23により反射され、再度素子基板10を透過して素子基板10の外側(観察者側)に出射されるようになっている。すなわち、この有機EL表示装置1は、いわゆるボトムエミッション型の有機EL表示装置である。したがって、封止基板20の材料としては、透明ガラス基板等の透明基板の他、セラミック基板や金属基板等の不透明基板も用いることができる。
陽極21は、素子基板10上の有機EL素子11を形成すべき位置に複数、所定の間隔をおいて形成されている。具体的には、隣接する陽極21間の間隔La(以下、陽極間ピッチという。)が20μm以上となるように配置され、本実施形態では、陽極間ピッチを20μmとしている。
この陽極21を構成する材料としては、仕事関数が5eV以上のホール注入効果の高い材料、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等の金属酸化物を挙げることができる。本実施形態ではITOを用いている。
この陽極21を構成する材料としては、仕事関数が5eV以上のホール注入効果の高い材料、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等の金属酸化物を挙げることができる。本実施形態ではITOを用いている。
ホール注入・輸送層31は、その内部においてホールを輸送する機能を有するとともに、ホールを有機発光層32側に注入・輸送する機能をも有するもので、素子基板10上かつ複数の陽極21それぞれの表面を覆うように形成されている。具体的には、素子基板10上の複数の陽極21により生じた凹凸を平坦化するように形成されている。言い換えると、ホール注入・輸送層31は、素子基板10と陽極21とにより生じた凹凸を十分な厚みで覆っており、その上面が平坦化されている。
このホール注入・輸送層31の材料としては、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)等を用いることができる。
このホール注入・輸送層31の材料としては、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)等を用いることができる。
有機発光層32は、ホスト材料中に蛍光材料や燐光材料等のゲスト材料を分散させた層であり、この有機発光層32内にて、陽極21から注入されたホールと陰極23から注入された電子とを再結合させることにより外部へ向かって光を放出する機能を有する。
ホスト材料としては、例えば、CBP(4,4’-bis(9-dicarbazolyl)-2,2’-biphenyl)の他、BAlq(Bis-(2-methyl-8-quinolinolate)-4-(phenylphenolate)aluminium)、mCP(N,N-dicarbazolyl-3,5-benzene:CBP誘導体)、CDBP(4,4'-bis(9-carbazolyl) -2,2'-dimethyl-biphenyl)、DCB(N,N’-Dicarbazolyl-1,4-dimethene-benzene)、P06(2,7-bis(diphenylphosphine oxide)-9,9-dimethylfluorene)、SimCP(3,5-bis(9-carbazolyl)tetraphenylsilane)、UGH3(W-bis(triphenylsilyl)benzene)等が好適に用いられる。
ホスト材料としては、例えば、CBP(4,4’-bis(9-dicarbazolyl)-2,2’-biphenyl)の他、BAlq(Bis-(2-methyl-8-quinolinolate)-4-(phenylphenolate)aluminium)、mCP(N,N-dicarbazolyl-3,5-benzene:CBP誘導体)、CDBP(4,4'-bis(9-carbazolyl) -2,2'-dimethyl-biphenyl)、DCB(N,N’-Dicarbazolyl-1,4-dimethene-benzene)、P06(2,7-bis(diphenylphosphine oxide)-9,9-dimethylfluorene)、SimCP(3,5-bis(9-carbazolyl)tetraphenylsilane)、UGH3(W-bis(triphenylsilyl)benzene)等が好適に用いられる。
また、蛍光材料としては、例えば、ADS109GE、ADS111RE、ADS136BE(以上、商品コード:アメリカンダイソース社製)等が好適に用いられる。また、燐光材料としては、例えば、Ir(ppy)3、ppy2Ir(acac)、bt2Ir(acac)、btp2Ir(acac)、FIrpic、Ir(pmb)3、FIrN4、Firtaz、(F2MeOppy)2Ir(acac)等が好適に用いられる。
この有機発光層32の厚みは、30〜50nm程度になるように形成されている。
この有機発光層32では、赤色発光層32R、緑色発光層32G及び青色発光層32Bそれぞれの間の間隔Lbが所定の寸法、すなわち陽極間ピッチと同様に20μm以上の長さとなるように設定されている。したがって、発光層32R〜32Bそれぞれから放出される光が混じり合うことがない。
この有機発光層32では、赤色発光層32R、緑色発光層32G及び青色発光層32Bそれぞれの間の間隔Lbが所定の寸法、すなわち陽極間ピッチと同様に20μm以上の長さとなるように設定されている。したがって、発光層32R〜32Bそれぞれから放出される光が混じり合うことがない。
ホールブロック層33は、有機発光層32を覆うように形成されている。
このホールブロック層33は、有機発光層32に注入されたホールを有機発光層32中に閉じ込めて電子との再結合の効率を上げるとともに、有機発光層32から放出されるホールが電子輸送層34中の電子、さらには陰極23中の電子と再結合して消失するのを防止する機能を有するもので、このホールブロック層33の材料としては、例えば、BAlqを用いることができる。
このホールブロック層33は、有機発光層32に注入されたホールを有機発光層32中に閉じ込めて電子との再結合の効率を上げるとともに、有機発光層32から放出されるホールが電子輸送層34中の電子、さらには陰極23中の電子と再結合して消失するのを防止する機能を有するもので、このホールブロック層33の材料としては、例えば、BAlqを用いることができる。
電子輸送層34は、ホールブロック層33を覆うように形成されている。
この電子輸送層34は、陰極23から注入された電子を有機発光層32内に輸送するものであり、この電子輸送層34の材料としては、例えば、Alq3を用いることができる。
この電子輸送層34は、陰極23から注入された電子を有機発光層32内に輸送するものであり、この電子輸送層34の材料としては、例えば、Alq3を用いることができる。
陰極23は、電子輸送層34を覆うように形成されている。
この陰極23は、例えば、フッ化リチウム(LiF)と反射膜としての機能も有するアルミニウム(Al)とが、この順に積層された2層の積層構造になっている。この陰極23では、このような積層構造の電極とされたことにより、有機発光層32から封止基板20側に放出された光を反射し、素子基板10の外側(観察者側)に出射されるようになっている。
また、この陰極23上には、封止基板20が接着層12を介して貼り合わされ固定されている。
この陰極23は、例えば、フッ化リチウム(LiF)と反射膜としての機能も有するアルミニウム(Al)とが、この順に積層された2層の積層構造になっている。この陰極23では、このような積層構造の電極とされたことにより、有機発光層32から封止基板20側に放出された光を反射し、素子基板10の外側(観察者側)に出射されるようになっている。
また、この陰極23上には、封止基板20が接着層12を介して貼り合わされ固定されている。
図3は本実施形態の有機EL素子の膜構造の変形例を示す模式図であり、この有機EL素子41が上記の有機EL素子11と異なる点は、上記の有機EL素子11では、機能層22中の有機発光層を単層の有機発光層32としたのに対し、この有機EL素子41では、機能層(電気光学層)42中の有機発光層(有機層)43をホール注入・輸送層31上に形成されたホスト層44と、このホスト層44上に形成されたホスト−ゲスト層45との積層構造とした点である。
ホスト層44の材料としては、例えば、CBP、BAlq(Bis-(2-methyl-8-quinolinolate)-4-(phenylphenolate)aluminium)、mCP、CDBP、DCB、P06、SimCP、UGH3等が好適に用いられる。ここではCBPを用いている。
ホスト−ゲスト層45は、ホスト材料中にゲスト材料を分散したもので、ゲスト材料としては、上述した蛍光材料や燐光材料を挙げることができる。ここでは、Ir(ppy)3を用いている。
ホスト−ゲスト層45は、ホスト材料中にゲスト材料を分散したもので、ゲスト材料としては、上述した蛍光材料や燐光材料を挙げることができる。ここでは、Ir(ppy)3を用いている。
この有機EL素子41では、ホール注入・輸送層31とホスト−ゲスト層45との間にホスト層44が介在しているので、ホスト層44が実質的にホール輸送層として機能することとなるとともに、ホスト層44とホスト−ゲスト層45との間で同じホスト材料が混ざった状態となり、電荷の受け渡しがよりスムーズになるという特徴を有する。
「有機EL表示装置の製造方法」
本実施形態の有機EL表示装置の製造方法について、図4に基づき説明する。
(陽極の形成)
まず、図4(a)に示すように、蒸着やスパッタリング等を用いて、素子基板10の全面を覆うようにITOからなる透明導電膜51を成膜し、この透明導電膜51をエッチングによりパターニングし、素子基板10上の所定位置に複数の陽極21を形成する。
ここでは、複数の陽極21それぞれの間の陽極間ピッチLaは、後述する有機発光層32をインクジェット法で塗り分ける際のインクジェット装置のノズルから吐出されるインク(液状材料)の着弾精度を考慮して設計されるのが望ましい。
本実施形態の有機EL表示装置の製造方法について、図4に基づき説明する。
(陽極の形成)
まず、図4(a)に示すように、蒸着やスパッタリング等を用いて、素子基板10の全面を覆うようにITOからなる透明導電膜51を成膜し、この透明導電膜51をエッチングによりパターニングし、素子基板10上の所定位置に複数の陽極21を形成する。
ここでは、複数の陽極21それぞれの間の陽極間ピッチLaは、後述する有機発光層32をインクジェット法で塗り分ける際のインクジェット装置のノズルから吐出されるインク(液状材料)の着弾精度を考慮して設計されるのが望ましい。
(ホール注入・輸送層の形成)
次いで、図4(b)に示すように、インクジェット法により、複数の陽極21を含む素子基板10上の隔壁(図示略)で囲まれた領域に、ホール注入・輸送層形成材料、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)と、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒とを含む混合物(インク9を吐出し、複数の陽極21を含む素子基板10上にホール注入・輸送層用塗膜52を形成する。
ここで、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒としては、例えば、トリメチルベンゼン(沸点:165℃)、シクロヘキシルベンゼン(フェニルシクロヘキサン)(沸点:235〜236℃)、シクロヘキサノン(沸点:155.65℃)等が挙げられる。
次いで、図4(b)に示すように、インクジェット法により、複数の陽極21を含む素子基板10上の隔壁(図示略)で囲まれた領域に、ホール注入・輸送層形成材料、例えば、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT−PSS)と、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒とを含む混合物(インク9を吐出し、複数の陽極21を含む素子基板10上にホール注入・輸送層用塗膜52を形成する。
ここで、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒としては、例えば、トリメチルベンゼン(沸点:165℃)、シクロヘキシルベンゼン(フェニルシクロヘキサン)(沸点:235〜236℃)、シクロヘキサノン(沸点:155.65℃)等が挙げられる。
A.第1の減圧乾燥工程
次いで、ホール注入・輸送層用塗膜52が形成された素子基板10を真空乾燥機に搬入し、このホール注入・輸送層用塗膜52を減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥過程で、ホール注入・輸送層用塗膜52に含まれている高沸点有機溶媒が徐々に蒸発し、膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜における高沸点有機溶媒の残留する量は極めて少なく、膜にクラックや亀裂等が生じる虞もない。
次いで、ホール注入・輸送層用塗膜52が形成された素子基板10を真空乾燥機に搬入し、このホール注入・輸送層用塗膜52を減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥過程で、ホール注入・輸送層用塗膜52に含まれている高沸点有機溶媒が徐々に蒸発し、膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜における高沸点有機溶媒の残留する量は極めて少なく、膜にクラックや亀裂等が生じる虞もない。
B.熱処理工程
次いで、この素子基板10を熱処理炉に搬入し、減圧乾燥したホール注入・輸送層用塗膜52を、大気圧の不活性雰囲気下または還元性雰囲気下、50℃以上かつ150℃以下の温度範囲にて、1分以上かつ6時間以下、熱処理する。
不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気が好適である。また、還元性雰囲気としては、窒素ガスに水素ガスを1〜10v/v%添加した窒素・水素混合ガス雰囲気が好適である。
この熱処理過程で、ホール注入・輸送層用塗膜52中に残留する高沸点有機溶媒が徐々に熱せられて膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜に高沸点有機溶媒が残留する虞が殆どなくなる。
次いで、この素子基板10を熱処理炉に搬入し、減圧乾燥したホール注入・輸送層用塗膜52を、大気圧の不活性雰囲気下または還元性雰囲気下、50℃以上かつ150℃以下の温度範囲にて、1分以上かつ6時間以下、熱処理する。
不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気が好適である。また、還元性雰囲気としては、窒素ガスに水素ガスを1〜10v/v%添加した窒素・水素混合ガス雰囲気が好適である。
この熱処理過程で、ホール注入・輸送層用塗膜52中に残留する高沸点有機溶媒が徐々に熱せられて膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜に高沸点有機溶媒が残留する虞が殆どなくなる。
C.第2の減圧乾燥工程
次いで、この素子基板10を高真空乾燥機に搬入し、熱処理したホール注入・輸送層用塗膜52を上記の減圧乾燥より低い圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥工程で、ホール注入・輸送層用塗膜52に含まれている高沸点有機溶媒が膜から確実に散逸することとなる。したがって、この膜には高沸点有機溶媒が残留しておらず、膜にはクラックや亀裂等が生じていない。
以上により、ホール注入・輸送層31を形成することができる。
次いで、この素子基板10を高真空乾燥機に搬入し、熱処理したホール注入・輸送層用塗膜52を上記の減圧乾燥より低い圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥工程で、ホール注入・輸送層用塗膜52に含まれている高沸点有機溶媒が膜から確実に散逸することとなる。したがって、この膜には高沸点有機溶媒が残留しておらず、膜にはクラックや亀裂等が生じていない。
以上により、ホール注入・輸送層31を形成することができる。
このように、ホール注入・輸送層用塗膜52に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、第2の減圧乾燥工程を順に施すことにより、ホール注入・輸送層用塗膜52に含まれている高沸点有機溶媒を確実に除去することができる。したがって、ホール注入・輸送層31の膜質を向上させることができ、高沸点有機溶媒に起因する正孔や電子のキャリア注入・輸送に対する悪影響を防止することができる。
(有機発光層の形成)
次いで、図4(c)に示すように、インクジェット法により、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層形成材料、例えば、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)−ベンゼン(mCP)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP)、N,N’−ジカルバゾール−1,4−ジメチルベンゼン(DCB)等のホスト材料と、ADS109GE、ADS111RE、ADS136BE等の蛍光材料、あるいはIr(ppy)3、ppy2Ir(acac)、bt2Ir(acac)、btp2Ir(acac)、FIrpic、Ir(pmb)3、FIrN4、Firtaz、(F2MeOppy)2Ir(acac)等の燐光材料と、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒とを含む混合物(インク)を吐出し、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層用塗膜53を形成する。
ここで、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒としては、例えば、トリメチルベンゼン(沸点:165℃)、シクロヘキシルベンゼン(フェニルシクロヘキサン)(沸点:235〜236℃)、シクロヘキサノン(沸点:155.65℃)等が挙げられる。
次いで、図4(c)に示すように、インクジェット法により、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層形成材料、例えば、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)−ベンゼン(mCP)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP)、N,N’−ジカルバゾール−1,4−ジメチルベンゼン(DCB)等のホスト材料と、ADS109GE、ADS111RE、ADS136BE等の蛍光材料、あるいはIr(ppy)3、ppy2Ir(acac)、bt2Ir(acac)、btp2Ir(acac)、FIrpic、Ir(pmb)3、FIrN4、Firtaz、(F2MeOppy)2Ir(acac)等の燐光材料と、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒とを含む混合物(インク)を吐出し、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層用塗膜53を形成する。
ここで、沸点が150℃以上かつ300℃以下の高沸点有機溶媒としては、例えば、トリメチルベンゼン(沸点:165℃)、シクロヘキシルベンゼン(フェニルシクロヘキサン)(沸点:235〜236℃)、シクロヘキサノン(沸点:155.65℃)等が挙げられる。
A.第1の減圧乾燥工程
次いで、有機発光層用塗膜53が形成された素子基板10を真空乾燥機に搬入し、この有機発光層用塗膜53を減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥過程で、有機発光層用塗膜53に含まれている高沸点有機溶媒が徐々に蒸発し、膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜における高沸点有機溶媒の残留する量は極めて少なく、膜にクラックや亀裂等が生じる虞もない。
次いで、有機発光層用塗膜53が形成された素子基板10を真空乾燥機に搬入し、この有機発光層用塗膜53を減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、2.0Pa以上かつ10.0Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥過程で、有機発光層用塗膜53に含まれている高沸点有機溶媒が徐々に蒸発し、膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜における高沸点有機溶媒の残留する量は極めて少なく、膜にクラックや亀裂等が生じる虞もない。
B.熱処理工程
次いで、この素子基板10を熱処理炉に搬入し、減圧乾燥した有機発光層用塗膜53を、大気圧の不活性雰囲気下または還元性雰囲気下、50℃以上かつ150℃以下の温度範囲にて、1分以上かつ6時間以下、熱処理する。
不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気が好適である。また、還元性雰囲気としては、窒素ガスに水素ガスを1〜10v/v%添加した窒素・水素混合ガス雰囲気が好適である。
この熱処理過程で、有機発光層用塗膜53中に残留する高沸点有機溶媒が徐々に熱せられて膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜に高沸点有機溶媒が残留する虞が殆どなくなる。
次いで、この素子基板10を熱処理炉に搬入し、減圧乾燥した有機発光層用塗膜53を、大気圧の不活性雰囲気下または還元性雰囲気下、50℃以上かつ150℃以下の温度範囲にて、1分以上かつ6時間以下、熱処理する。
不活性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気が好適である。また、還元性雰囲気としては、窒素ガスに水素ガスを1〜10v/v%添加した窒素・水素混合ガス雰囲気が好適である。
この熱処理過程で、有機発光層用塗膜53中に残留する高沸点有機溶媒が徐々に熱せられて膜から徐々に散逸することとなる。したがって、この膜に高沸点有機溶媒が残留する虞が殆どなくなる。
C.第2の減圧乾燥工程
次いで、この素子基板10を高真空乾燥機に搬入し、熱処理した有機発光層用塗膜53を上記の減圧乾燥より低い圧力下にて減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥工程で、有機発光層用塗膜53に含まれている高沸点有機溶媒が膜から確実に散逸することとなる。したがって、この膜には高沸点有機溶媒が残留しておらず、膜にはクラックや亀裂等が生じていない。
以上により、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層32を形成することができる。
次いで、この素子基板10を高真空乾燥機に搬入し、熱処理した有機発光層用塗膜53を上記の減圧乾燥より低い圧力下にて減圧乾燥する。
この減圧乾燥は、10−8Pa以上かつ10−3Pa以下の圧力下にて、1分以上かつ3時間以下、乾燥することが好ましい。
この減圧乾燥工程で、有機発光層用塗膜53に含まれている高沸点有機溶媒が膜から確実に散逸することとなる。したがって、この膜には高沸点有機溶媒が残留しておらず、膜にはクラックや亀裂等が生じていない。
以上により、ホール注入・輸送層31上の複数の陽極21それぞれに対応する領域に、有機発光層32を形成することができる。
このように、有機発光層用塗膜53に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、第2の減圧乾燥工程を順に施すことにより、有機発光層用塗膜53に含まれている高沸点有機溶媒を確実に除去することができる。したがって、有機発光層32の膜質を向上させることができ、高沸点有機溶媒に起因する発光特性に対する悪影響を防止することができる。
(ホールブロック層〜陰極の形成)
次いで、図4(d)に示すように、有機発光層32を含むホール注入・輸送層31上を覆うように、ホールブロック層形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングによりホールブロック層33を形成する。
次いで、ホールブロック層33を覆うように、電子輸送層形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングにより電子輸送層34を形成する。
次いで、電子輸送層34を覆うように、陰極形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングにより陰極23を形成する。
そして、陰極23上に接着層12を形成し、この接着層12を有する素子基板10と、封止基板20とを対向配置し、封止を行う。
以上により、本実施形態の有機EL表示装置1を作製することができる。
次いで、図4(d)に示すように、有機発光層32を含むホール注入・輸送層31上を覆うように、ホールブロック層形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングによりホールブロック層33を形成する。
次いで、ホールブロック層33を覆うように、電子輸送層形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングにより電子輸送層34を形成する。
次いで、電子輸送層34を覆うように、陰極形成材料を用いて、蒸着またはスパッタリングにより陰極23を形成する。
そして、陰極23上に接着層12を形成し、この接着層12を有する素子基板10と、封止基板20とを対向配置し、封止を行う。
以上により、本実施形態の有機EL表示装置1を作製することができる。
図5は、本実施形態の有機EL表示装置1及び従来の有機EL表示装置それぞれの輝度(規格化)と駆動時間との関係を示す図であり、図中「A」は本実施形態の有機EL表示装置1を、「B」は従来の有機EL表示装置を、それぞれ示している。
図5によれば、本実施形態の有機EL表示装置1は、従来の有機EL表示装置と比べて、所定の初期輝度で長時間、定電流駆動を行うことができることが分かった。
図5によれば、本実施形態の有機EL表示装置1は、従来の有機EL表示装置と比べて、所定の初期輝度で長時間、定電流駆動を行うことができることが分かった。
なお、有機発光層32を、図3に示すホスト層44とホスト−ゲスト層45とを積層した有機発光層43とした場合、高沸点有機溶媒を含むホスト層用塗膜に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、第2の減圧乾燥工程を順に施してホスト層44を形成し、次いで、このホスト層44に形成した高沸点有機溶媒を含むホスト−ゲスト層用塗膜に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、第2の減圧乾燥工程を順に施してホスト−ゲスト層45を形成することにより、電荷の受け渡しをよりスムーズに行うことができる有機EL素子41を備えた有機EL表示装置を作製することができる。
以上説明したように、本実施形態の有機EL表示装置の製造方法によれば、複数の陽極21を含む素子基板10上にホール注入・輸送層用塗膜52を形成し、このホール注入・輸送層用塗膜52に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、上記の減圧乾燥より低い圧力下での第2の減圧乾燥工程を順次施すことにより、ホール注入・輸送層31を形成し、次いで、ホール注入・輸送層31上に有機発光層用塗膜53を形成し、この有機発光層用塗膜53に第1の減圧乾燥工程、熱処理工程、上記の減圧乾燥より低い圧力下での第2の減圧乾燥工程を順次施すことにより、有機発光層32を形成するので、高沸点有機溶媒を含まないホール注入・輸送層31及び有機発光層32を得ることができ、ホール注入・輸送層31及び有機発光層32の膜質を向上させることができる。したがって、ホールや電子のキャリア注入・輸送や発光特性に対する悪影響を防止することができ、その結果、電気光学装置の特性の低下を防止することができる。
「電子機器」
図6は、本発明に係る電子機器の一例である薄型大画面テレビジョン1300の斜視図である。
この薄型大画面テレビジョン1300は、テレビジョン本体(筐体)1302と、スピーカー等の音声出力部1304と、上述した本発明の有機EL表示装置1を用いた表示部(電気光学装置)1306とを備えている。これにより、表示ムラを生じることのない、発光効率に優れた高品質の薄型大画面テレビジョン1300を提供することができる。
図6は、本発明に係る電子機器の一例である薄型大画面テレビジョン1300の斜視図である。
この薄型大画面テレビジョン1300は、テレビジョン本体(筐体)1302と、スピーカー等の音声出力部1304と、上述した本発明の有機EL表示装置1を用いた表示部(電気光学装置)1306とを備えている。これにより、表示ムラを生じることのない、発光効率に優れた高品質の薄型大画面テレビジョン1300を提供することができる。
本実施形態の有機EL表示装置1は、上記の薄型大画面テレビジョン1300に限らず、携帯電話機、電子ブック、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、卓上電子計算機(電卓)、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができる。かかる構成とすることで、表示ムラを生じることのない、発光効率に優れた高品質の表示部を備えた電子機器を提供することができる。
1…有機EL表示装置(電気光学装置)、10…素子基板(基体)、11…有機EL素子、21…陽極(第1電極)、22…機能層(電気光学層)、23…陰極(第2電極)、32…有機発光層(有機層)、41…有機EL素子、42…機能層(電気光学層)、43…有機発光層(有機層)、53…有機発光層用塗膜、1300…薄型大画面テレビジョン(電子機器)、1306…表示部(電気光学装置)
Claims (2)
- 基体上に複数の第1電極を成膜する工程と、前記第1電極上の所定位置それぞれにインクジェット法により有機層を含む電気光学層を形成する工程と、前記電気光学層を覆う第2電極を成膜する工程と、を有する電気光学装置の製造方法において、
前記有機層を形成する工程は、前記インクジェット法により高沸点有機溶媒を含む塗膜を形成する工程と、前記塗膜を減圧乾燥する第1の減圧乾燥工程と、この減圧乾燥した塗膜を熱処理する熱処理工程と、この熱処理した塗膜を前記減圧乾燥より低圧にて減圧乾燥する第2の減圧乾燥工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記高沸点有機溶媒の沸点は、150℃以上かつ300℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009178774A JP2011034751A (ja) | 2009-07-31 | 2009-07-31 | 電気光学装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014035911A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Panasonic Corp | 有機膜の製造方法と有機elパネルの製造方法 |
JP2014199805A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-10-23 | 東京エレクトロン株式会社 | 乾燥装置及び乾燥処理方法 |
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WO2019069738A1 (ja) * | 2017-10-04 | 2019-04-11 | Dic株式会社 | 発光層の形成方法および発光素子の製造方法 |
-
2009
- 2009-07-31 JP JP2009178774A patent/JP2011034751A/ja not_active Withdrawn
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WO2019069738A1 (ja) * | 2017-10-04 | 2019-04-11 | Dic株式会社 | 発光層の形成方法および発光素子の製造方法 |
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