JP2005283590A - 埋設物探査処理方法及び装置、埋設物探査処理プログラム、並びにそれらのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

埋設物探査処理方法及び装置、埋設物探査処理プログラム、並びにそれらのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定パラメータを最適値に適応制御しながら、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ高精度で探索できる。
【解決手段】 探査物体中において連続して延在する埋設物を、送信波を探査物体の表面から放射し、送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する。画像処理装置10は、受信した反射波のデータに基づいて探査物体の表面とは直交する2つの断面の濃度データを有する画像データを生成し埋設物が連続して延在するという知識を用いて埋設物が存在しない画像データを除去して埋設物の候補点を示す2つの断面の候補点画像データを生成し、当該候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリ23に格納し、格納された候補点画像データに基づいて候補点に基づいて遺伝的アルゴリズムを用いて位置推定用パラメータを適応制御しながら埋設物の位置を推定し埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばコンクリート中や地中などの探査物体中の埋設物を探索するための埋設物探査処理方法及び装置、上記埋設物探査処理方法を用いた埋設物探査処理プログラム、並びに、これらのプログラムを記録した記録媒体に関する。
近年、ガス、水道、通信・電力ケーブル等の地下化が促進されているが、このような既設埋設管の位置を精度良く記録した図面が十分に整備されていないため、道路工事等において破損事故が発生している。また、改装工事着工数の増加に伴う既存建築物の電気設備、情報通信設備、空調・衛生設備の増設によるコンクリートスラブや壁の貫通工事においても、工事の際の水道管、ガス管、電線管などの破損事故も増加している。このため、以上のような事故を未然に防止するためには事前に工事を行う周辺の内部構造を知る必要があり、地中や構造物の埋設物探査装置として電磁波探査法や超短波探索法が利用されている。
例えば、電磁波法では、電磁波を送信アンテナから地中又は構造物に照射して伝搬させ、誘電率等電気定数の異なる物体に当たるときの反射波を受信アンテナによりとらえて計測するが、送信アンテナから広角度に放射され、かつアンテナを移動して反射信号を受信するため、断面画像において埋設管の反射像は双曲線状となり、さらに他の埋設物等の信号も重畳するので、受信した信号が探知目標の埋設管からのものか、それ以外のものなのかを区別することが大変困難であり、熟練した知識が必要となり、操作者は熟練の経験者である必要があるという問題点があった。
また、超音波法では、超音波が金属、非金属に関係なく反射すること、深い埋設位置の探査も可能であること、人体への悪影響もなく、取り扱いが容易であることなどの特徴から、次世代の非破壊検査技術として注目を集めている。しかしながら、超音波を用いた非破壊検査は試験体の探傷法(ひび割れ探査)として広く利用されているが、コンクリート中の配管構成の推定にはあまり適用されていない。これはコンクリートが多孔質のための散乱・減衰があり、それらがコンクリート内部の不均質性から一定でなく、波形解析を困難にしていることに起因している。先に述べたようにコンクリート内部では散乱・減衰が一定でないため、受信波形の振幅の値そのものを比較するのは非常に難しいという問題点があった。
以上の問題点を解決するために、本発明者は、特許文献1において、「探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法において、上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出するステップと、上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定するステップと、上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力するステップとを含む埋設物探査処理方法」を提案している。
この埋設物探査処理方法を用いた埋設物探査システムは、具体的には、パルスレーダセンサを用いて互いに直交するX軸方向とY軸方向の2方向を一定間隔で走査し、受信した振幅に基づいて256階調の断層画像を取得し、走査された複数枚の画像から入力データを構成し、解析アルゴリズムを適用した結果、出力データは3次元で表現される。なお、埋設管位置は、入力画像から得られる埋設管データをシステムに取り込み、抽出アルゴリズムを適用することにより、濃度や双曲線形状といった熟練者の知識に関する測定パラメータや、埋設深度や周囲の状況といった各知識の優先度に関する測定パラメータから埋設管に属する計算を行うことで推定される。これらの測定パラメータは、具体的には、濃度の知識に関するパラメータと、双曲線形状に関するパラメータ、埋設管の推定位置などに関するパラメータを含み、これらの測定パラメータはいままでの実験に基づき経験的に予め設定されている。
特開2000−338255号公報。 特開2000−221267号公報。 特開2001−311781号公報。 特開平11−006879号公報。 特開平8−152481号公報。 特開平9−281229号公報。
この埋設物探査システム内で実装されている従来の埋設管推定処理は、埋設管の推定を抑制する方向の処理であり、それに加えて、このシステムはパラメータが同一探査環境下における好ましい値に固定されているため、探査環境によって埋設管未抽出の現象が現れるという問題点があった。その場合、手動での調整をして未抽出の埋設管を探索する必要があるが、測定パラメータは複数でそれらの組み合わせは膨大となるので、測定パラメータを最適値に設定できず、従来の精度が得られないことがあった。また、パラメータと埋設管の抽出数との関係は非線形であり、測定パラメータの最適値を容易に決定することができないという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる埋設物探査処理方法及び装置、埋設物探査処理プログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明に係る埋設物探査処理方法は、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法において、
上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出するステップと、
上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定するステップと、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る埋設物探査処理方法は、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法において、
上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成するステップと、
上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納するステップと、
上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定するステップと、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力するステップとを含むことを特徴とする。
上記埋設物探査処理方法において、好ましくは、上記埋設物の位置を推定するステップの後に、
(a)上記埋設物の両端が探査物体の端部に近く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置しないとき埋設物である確率が高いという第1の規則と、
(b)上記埋設物の両端が探査物体の端部に遠く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置するとき埋設物である確率が低いという第2の規則とを含むファジィルールを用いて、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記推定された埋設物の位置が埋設物であるか否かを判断し、埋設物ではないと判断したときに上記推定された埋設物の位置のデータから除去するステップをさらに含むことを特徴とする。
また、上記埋設物探査処理方法において、上記埋設物の位置を推定するステップは、好ましくは、
上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける濃度の知識を表し、濃度変化の平均角度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第1のメンバーシップ関数を用いて第1の埋設物の度合いを計算するステップと、
上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける双曲線形状の知識を表し、上記候補点画像データにおける濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第2のメンバーシップ関数を用いて第2の埋設物の度合いを計算するステップと、
上記計算された第1の埋設物の度合いと、上記計算された第2の埋設物の度合いとを所定の重み付け係数の関数を用いた線形結合により統合した第3の埋設物の度合いを計算するステップと、
上記第3の埋設物の度合いに基づいて埋設物候補の画像データであるか否かを判断することにより上記埋設物の位置を推定するステップとを含むことを特徴とする。
さらに、上記埋設物探査処理方法において、上記位置推定処理用パラメータは、好ましくは、上記第1のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記第2のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記重み付け係数の関数を定義するためのパラメータとを含むことを特徴とする。
またさらに、上記埋設物探査処理方法において、上記適合度は、好ましくは、上記画像メモリに格納された候補点画像データにおいて推定して抽出された各埋設管の長さの総和で表したことを特徴とする。
本発明に係る埋設物探査処理装置は、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理装置において、
上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出する抽出手段と、
上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定する推定手段と、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る埋設物探査処理装置は、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理装置において、
上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成する生成手段と、
上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納する格納手段と、
上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定する位置推定手段と、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する出力手段とを含むことを特徴とする。
上記埋設物探査処理装置において、好ましくは、上記位置推定手段の処理の後において、
(a)上記埋設物の両端が探査物体の端部に近く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置しないとき埋設物である確率が高いという第1の規則と、
(b)上記埋設物の両端が探査物体の端部に遠く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置するとき埋設物である確率が低いという第2の規則とを含むファジィルールを用いて、
上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記推定された埋設物の位置が埋設物であるか否かを判断し、埋設物ではないと判断したときに上記推定された埋設物の位置のデータから除去する除去手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記埋設物探査処理装置において、上記位置推定手段は、好ましくは、
上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける濃度の知識を表し、濃度変化の平均角度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第1のメンバーシップ関数を用いて第1の埋設物の度合いを計算する第1の計算手段と、
上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける双曲線形状の知識を表し、上記候補点画像データにおける濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第2のメンバーシップ関数を用いて第2の埋設物の度合いを計算する第2の計算手段と、
上記計算された第1の埋設物の度合いと、上記計算された第2の埋設物の度合いとを所定の重み付け係数の関数を用いた線形結合により統合した第3の埋設物の度合いを計算する第3の計算手段と、
上記第3の埋設物の度合いに基づいて埋設物候補の画像データであるか否かを判断することにより上記埋設物の位置を推定する埋設物位置推定手段とを備えたことを特徴とする。
さらに、上記埋設物探査処理装置において、上記位置推定処理用パラメータは、好ましくは、上記第1のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記第2のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記重み付け係数の関数を定義するためのパラメータとを含むことを特徴とする。
またさらに、上記埋設物探査処理装置において、上記適合度は、好ましくは、上記画像メモリに格納された候補点画像データにおいて推定して抽出された各埋設管の長さの総和で表したことを特徴とする。
本発明に係る埋設物探査処理プログラムは、上記埋設物探査処理方法の各ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る記録媒体は、上記埋設物探査処理プログラムを記録したことを特徴とする。
従って、本発明に係る埋設物探査処理方法又は装置によれば、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法又は装置において、上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出し、上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定し、上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する。従って、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ、従来技術に比較して高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる。
また、本発明に係る埋設物探査処理方法又は装置によれば、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法又は装置において、上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成し、上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納し、上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定し、上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する。従って、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ、従来技術に比較して高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態である測定パラメータの適応制御処理を備えた測定処理を示すフローチャートである。この第1の実施形態においては、所定の測定パラメータを用いて実行される所定の測定処理において、上記測定パラメータを適応制御しながら当該測定処理を実行することを特徴としている。ここで、当該測定処理は、例えばデジタル計算機などのコンピュータにより実行され、当該測定処理を実行する測定装置として構成できる。また、測定処理としては、第2の実施形態に示す埋設物探査処理のほか、物理現象に係る測定処理や、電気システム又は配電システムに係る測定処理、電気通信システムに係る測定処理などに広く適用することができる。
図1において、まず、ステップS101において測定された入力データを受信し、ステップS102において測定パラメータの初期値を発生して設定する。次いで、ステップS103において測定された入力データに基づいて、上記設定された測定パラメータを用いて所定の測定処理を実行することにより測定処理結果を得る。そして、ステップS104において測定処理結果に基づいて遺伝的アルゴリズムを用いて、上記測定パラメータの適合度が高くなるように測定パラメータを適応制御して設定し、ステップS105において所定の終了条件を満たしているか否かを判断し、上記終了条件を満たしていないときステップS103に戻り、上述の処理を繰り返す一方、上記終了条件を満たしているとき、ステップS106において最後のステップS103における測定処理結果を出力データとして出力し、当該測定処理を終了する。
ここで、終了条件としては、ステップS103からステップS104までの処理の繰り返し回数を計数して所定の回数となれば、終了してもよいし、もしくは、測定パラメータの適応制御前後のパラメータ値の差が所定の値よりも小さくなり収束状態となったと仮定して終了してもよい。また、適合度とは、適合度が高くなりにつれて、上記測定処理の測定精度又は正確さが高くなる一方、適合度が低くなりにつれて、上記測定処理の測定精度又は正確さが低くなるように予め定められる尺度である。
図1の測定処理の各ステップはプログラムとして生成され、そのプログラムはコンピュータの記憶装置に格納された後、コンピュータにより実行される。もしくは、図1の測定処理の各ステップはプログラムとして生成され、そのプログラムはCD−ROM、CD−R、DVDなどのコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、記録されたプログラムはコンピュータの記憶装置にロードされた後、コンピュータにより実行される。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、所定の測定処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら測定処理を実行することができ、しかも当該測定処理を適合度が高くなるように高精度で実行できる。
<第2の実施形態>
図2は、本発明に係る第2の実施形態である埋設物探査システムの構成を示すブロック図であり、図3は、図2の画像処理装置10のCPU20によって実行される埋設物探査画像処理(メインルーチン)を示すフローチャートである。
この実施形態の埋設物探査システムは、探査物体中において所定の長さ方向で連続して存在する埋設物を、電磁波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査するものである。ここで、画像処理装置10は図3に示す埋設物探査画像処理を実行することにより、容易にかつ高精度で探索することができ、上記埋設物の位置を示す3次元画像の形式で、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができることを特徴としている。本実施形態においては、埋設物は、例えばコンクリート中や地中に埋設される、例えば鋼管、CD管(ケーブル管)、銅管、鉄筋などの、所定の方向で連続して延在する管形状の埋設管である電線管、ガス管、水道管等を対象としている。なお、埋設管は、探査物体において、直線状に連続して延在してもよいし、曲線状に曲がって連続して延在してもよい。
本実施形態の画像処理システムは、図2に示すように、大きく分けて、
(a)埋設物探査のための電磁波の送信波信号を探査物体の表面から放射した後、上記送信波の反射波信号を受信して、そのデータを画像処理装置10に伝送する埋設物探査用電磁波送受信装置(以下、電磁波送受信装置という。)1と、
(b)デジタル計算機で構成され、上記受信した反射波信号のデータに基づいて、図3に示す埋設物探査画像処理を実行することにより、容易にかつ高精度で探索することができ、上記埋設物の位置を示す3次元画像の形式で表示又は印字して出力する。
図2の電磁波送受信装置1は、図23に示すように、モータ(図示せず。)又は手動により駆動回転される車輪R1を有する車体1RRに搭載され、探査物体91の表面である探査面92上を、図16に示すように互いに直交する2つの方向で、所定の間隔Δx、Δyずつ移動させて、探査物体を走査する。なお、探査面92に対して直交する方向をZ方向にとり、探査面92からの距離を埋設深度と定義する。電磁波送受信装置1には、所定の周波数スペクトルを有する電磁波の送信波信号を発生し増幅して送信アンテナ2を介して探査物体に対して送信放射する送信機4と、上記送信波信号の探査物体からの反射波信号を受信アンテナ3を用いて受信して増幅し、その反射信号を所定の時間タイミングでサンプリングして反射波データとして出力する受信機5とを備える。また、電磁波送受信装置1には、送信機4の送信タイミングと、受信機5の受信タイミングとを示すタイミング信号を発生して出力することにより送信機4及び受信機5の動作を制御するコントローラ6と、信号変換などの信号処理を実行する通信インターフェース7とを備える。受信機5から出力される反射波信号のデータは、通信インターフェース7及び通信ケーブル51を介して画像処理装置10に伝送される。ここで、これらの通信インターフェース7,61は例えば所定の通信プロトコルや信号形式を有する通信インターフェースである。
次いで、図2を参照して、画像処理装置10の構成について説明する。画像処理装置10は、
(a)当該画像処理装置10の動作及び処理を演算及び制御するコンピュータのCPU(中央演算処理装置)20と、
(b)オペレーションプログラムなどの基本プログラム及びそれを実行するために必要なデータを格納するROM(読み出し専用メモリ)21と、
(c)CPU20のワーキングメモリとして動作し、画像処理で必要なパラメータやデータを一時的に格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)22と、
(d)例えばハードディスクメモリで構成され、電磁波送受信装置1から受信した反射波信号のデータを格納する受信メモリ26と、
(e)例えばハードディスクメモリで構成され、図3の埋設物探査画像処理を実行するときに処理途中のデータを一時的に格納する処理メモリ25と、
(f)例えばハードディスクメモリで構成され、図3の埋設物探査画像処理を実行するときに一時的に画像データを格納する画像メモリ23と、
(g)例えばハードディスクメモリで構成され、CD−ROMドライブ装置45を用いて読みこんだ図3の埋設物探査画像処理のプログラムを格納するプログラムメモリ24と、
(h)電磁波送受信装置1の通信インターフェース7と接続され、通信インターフェース7とデータを送受信する通信インターフェース61と、
(i)所定のデータや指示コマンドを入力するためのキーボード41に接続され、キーボード41から入力されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換などのインターフェース処理を行ってCPU20に伝送するキーボードインターフェース31と、
(j)CRTディスプレイ43上で指示コマンドを入力するためのマウス42に接続され、マウス42から入力されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換などのインターフェース処理を行ってCPU20に伝送するマウスインターフェース32と、
(k)CPU20によって処理された画像データや設定指示画面などを表示するCRTディスプレイ43に接続され、表示すべき画像データをCRTディスプレイ43用の画像信号に変換してCRTディスプレイ43に出力して表示するディスプレイインターフェース33と、
(l)CPU20によって処理された画像データ及び所定の解析結果などを印字するプリンタ44に接続され、印字すべき印字データの所定の信号変換などを行ってプリンタ44に出力して印字するプリンタインターフェース34と、
(m)埋設物探査画像処理プログラムが記憶されたCD−ROM45aから画像処理プログラムのプログラムデータを読み出すCD−ROMドライブ装置45に接続され、読み出された埋設物探査画像処理プログラムのプログラムデータを所定の信号変換などを行ってプログラムメモリ24に転送するドライブ装置インターフェース35とを備え、これらの回路20−26、31−35及び61はバス30を介して接続される。
次いで、測定方法について説明する。本実施形態では、広帯域の周波数成分を含む電磁波を用いて探査を行う。図14に送信機4より送出される電磁波の周波数スペクトルを示す。送信機4内のパルス発生器の出力端でのパルス幅は約0.7nsecである。また、送信アンテナ2から電波として出力されるときには送信アンテナ2により帯域制限されるのでパルス幅は多少変化するが、打ち出される電磁波はおよそ図15に示すような波形となる。
本実施形態では、探査物体91である試験体の表面を送信アンテナ2及び受信アンテナ4を有する電磁波送受信装置1を備えた探査装置を図16に示すように、互いに直交するX方向及びY方向に、一定間隔Δx,Δyで連続的に走らせ探査する。送信アンテナ2から5mm間隔で探査物体91内に電磁波が打ち込まれる。電磁波は図17に示すように埋設管など周囲媒質と電気的性質が異なる箇所で反射するため、その伝搬時間より埋設物までの距離を測定する。埋設物までの距離は次式により求められる。なお、当該明細書において、数式がイメージ入力された墨付き括弧の数番号と、数式が文字入力された大括弧の数式番号とを混在して用いており、また、当該明細書での一連の数式番号として「式(1)」の形式を用いて数式番号を式の最後部に付与して用いることとする。
[数1]
V=C/√(ε) [m/sec] (1)
[数2]
D=(VT)/2 [m] (2)
ここで、Vはコンクリート内での電磁波の速度であり、Cは真空中での電磁波の速度であり、εはコンクリートの比誘電率であり、Dは埋設物までの距離であり、Tは電磁波の往復伝搬時間である。
また、本探査装置には完全な指向性が無く広範囲の反射波を受信するため、探査点の真下に埋設物が存在していなくても、近傍に存在していればその反射波を受信する。しかしながら、真下に埋設物が存在する場合とでは伝搬時間が異なるため、公知の通り、埋設物の反射波群は図18に示すような双曲線の形状となる。受信波は図19の(a)に示すように、表面の反射成分、埋設物の反射成分、広域の埋設物の反射成分(ノイズの波形)で構成されている。そして、探査結果は受信波の振幅をもとに、例えば図19(b)及び図19(c)に示すような256階調の濃淡画像で表現される。
次いで、受信波形の特徴について説明する。埋設物の反射波群は基本的に双曲線という特徴的な形状を有している。しかしながら、この形状は埋設深度が浅い場合、もしくは単独の埋設物を探査した場合であり、埋設深度が深く複数の埋設物が存在している場合は、反射波の相互干渉の影響を大きくうけるため、必ずしも反射波群が双曲線パターンを形成するとは限らない。
本実施形態では、受信波の振幅に注目する。埋設物が存在する場合の受信波形と探査結果画像を図20及び図21にそれぞれ示す。図20(b)に示す波形は図20(a)のLa線上で観測される波形であり、基本的な埋設物の反射波を受信した例である。図20に示すように埋設物の反射波は明らかに大きな振幅のピークを持つため、容易に埋設位置を判断することができる。これに対して、図21(b)に示す波形は、図21(a)のLb線上で観測される波形である。この波形では、埋設物の反射波と試験体表面の反射波との間に相互干渉がおこり、受信波形に大きな歪みが生じている。この歪みは、深度の浅い埋設物の反射波に大きな影響を及ぼし、図21(c)に示すようにその振幅上昇を抑制してしまう。この場合ノイズの波形との間に明確な差を見つけることが困難となり、結果として埋設位置を判断することが困難となる。しかしながら、干渉波が反射波を抑制するのは主に振幅上昇であり、振幅降下は振幅上昇ほど抑制されず、ノイズの波形に比べて十分に小さな値まで下降するという特徴がある。この振幅が下降する部分は画像上で暗部となるため、低濃度領域に対象を限定することで埋設位置を推定することができる。以上の特徴より、本実施形態では、低濃度領域と反射波群の双曲線パターンに着目することにより埋設位置の推定を行う。
次いで、図3を参照して、埋設物探査画像処理(メインルーチン)について説明する。図3において、まず、ステップS1において反射波信号データの受信及び記憶処理を実行する。ここでは、電磁波送受信装置1から送信される反射波信号のデータを通信インターフェース61を介して受信して受信メモリ26に格納する。次いで、ステップS2において推定処理用パラメータ(第1の実施形態における測定パラメータに対応する。)の初期値(予め決められた値)を発生して設定し、ステップS3においてX方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(図4)を実行する。ここでは、受信メモリ26内の反射波信号のデータのうちX方向の走査時の反射波信号データに基づいて双曲線パターンを注目して埋設位置候補のXZ断面の画像データ(以下、XZスライスの画像データという。)を抽出して画像メモリ23に格納する。さらに、ステップS4においてY方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(図5)を実行する。ここでは、受信メモリ26内の反射波信号のデータのうちY方向の走査時の反射波信号データに基づいて双曲線パターンを注目して埋設位置候補のYZ断面の画像データ(以下、YZスライスの画像データという。)を抽出して画像メモリ23に格納する。これらステップS3及びS4の推定処理では、画像の低濃度領域を抽出するため原画像を3領域に量子化し、次に量子化された領域にラベリングを施し、反射波群の双曲線パターンと反射波の振幅の特徴を利用し埋設物の位置を推定する。
そして、ステップS5において2つの推定処理結果のデータを3次元空間上に合成して配置するように、仮想的にアドレス割り当てして画像メモリ23に記憶する。さらに、ステップS6において埋設位置の候補点を連結して探査して連結データを生成する連結探査処理(図10及び図11)を実行した後、ステップS7において上記連結データに基づいて所定のファジィルールを用いて所定の方向で連続して延在する埋設管などの埋設物である否かを判断する埋設物抽出処理(図12)を実行する。次いで、ステップS8において抽出処理結果に基づいて遺伝的アルゴリズムを用いて推定処理用パラメータを適応制御して設定する処理(図13)を実行し、ステップS9において所定の終了条件を満たすか否かが判断され、NOのときはステップS3に戻り上記の処理を繰り返す一方、YESのときはステップS10に進む。ここで、終了条件としては、例えば、
(a)ステップS3からステップS9までの処理を実行した反復回数を計数し、所定の反復回数のしきい値を超えたこと(図39を参照して後述するように収束状態となる予めしきい値である。)、もしくは、
(b)ステップS8の適応制御処理の前後の推定処理用パラメータの差が所定のしきい値以下となったこと(適応制御処理の前後の推定処理用パラメータの差がほとんど変化しない収束状態となったとき)
に設定できる。
最後に、ステップS10の埋設物画像出力処理においては、上記埋設物抽出処理で埋設物であると判断された探査物体内の埋設物の画像(構造物の内部構成を示す画像)を3次元画像の形式でCRTディスプレイ43上で表示又はプリンタ44で印字して出力し、当該埋設物探査画像処理を終了する。
さらに、ステップS3及びS4において行う候補濃度の抽出処理について詳述する。探査結果画像の濃度分布を図22に示す。まず、振幅が下降する部分にあたる低濃度領域を抽出するため、振幅の平均値Thでしきい値処理を行う。次いで、しきい値Th以下の濃度領域に対して公知のヒストグラム均等化法をを適用し2階調に量子化する。図23(a)に示す原画像に対してこの処理を適用した結果を図23(b)に示す。これにより、埋設物が存在する確率の高い低濃度領域Aと、ノイズと埋設物の混在領域B、そして、A、B以外の領域Cの3領域を得る。なお、表面反射成分は深度の情報に基づいて予め除去しておく。
抽出された領域の中で、図24の領域RRaのように中心に埋設物が存在する確率の高い低濃度領域が存在し、これを囲むようにノイズと埋設物の混在領域が存在する領域は埋設物の像である確率が非常に高い。しかしながら、図24の領域RRbのようにノイズと埋設物の混在領域のみで構成されている領域は埋設物の像である確率が低いと考えられる。さらに、この領域が前後のスライスで連続性を持っていない場合、埋設物の像ではないといえる。以上の知識をもとにノイズと埋設物の混在領域のみで構成され連続性を持たない領域を除去する。これより、埋設物の像である確率の高い領域のみが候補領域として残る。
次いで、ステップS3及びS4の推定処理で行う埋設位置の推定処理について詳述する。先の抽出処理により得られた埋設物候補領域に対してラベリングを施す。図23(b)に示されている抽出結果の場合、図25(a)に示すように7つの領域(N1乃至N7)に分けることができる。次に、各領域ごとに原画像データを参照し埋設位置の推定を行う。埋設物の反射波は探査点から埋設物までの距離がより近ければ、つまり探査点の真下に埋設物が存在していればより大きな振幅の波形となる。本実施形態では、低濃度領域に着目しているため、各候補領域の極小点を求め、この点を埋設物の推定位置とすることができる。
全ての候補領域が反射波の相互干渉の影響を受けていないと仮定すると、基本的に1領域につき1点の推定位置を挙げることができる。しかしながら、図26に示す領域N4のように極小点を3点有する領域も存在する。この領域には埋設管が2本ありその間が近接しているため反射波が相互干渉により強めあい、本来何もない場所に埋設物の像と同じ濃度領域の像を生成している。その結果、極小点が3カ所できる。現段階ではどの部分が強めあっている部分であると確定することが難しいため、3カ所とも埋設位置の候補として挙げておく。極小点探査による埋設位置の推定結果を図25(b)に示す。
反射波の相互干渉の影響は他にも挙げることができる。図27に示す埋設物候補領域では、表面近くに埋設物が複数存在しているため、その相互干渉の影響が埋設物の反射波を減衰させてしまい、極小点による探査を困難にしている。このような領域には反射波群の特徴である双曲線パターンを用いて、埋設位置の推定ができる。まず、原画像の濃度を参照し候補領域の谷線を抽出する。次に、反射波群が双曲線パターンを形成するとき、埋設物は凸型双曲線の頂点の位置にあたるため、谷線の凸型双曲線の頂点を抽出し埋設物の推定位置とする。
以上の要素を考慮し、極小点と双曲線パターンの両方を用いて埋設位置の推定を行う。また、場合によっては1つの領域で極小点による推定位置と、双曲線パターンによる推定位置とが求められる。この場合は双曲線パターンによる推定位置を優先する。
次いで、ステップS6で行う推定位置の連結処理について詳述する。上述の推定処理により抽出された埋設管の推定位置はXZスライス又はYZスライス上の点であり、探査区域内の空間上の点に相当する。このため、同じ管を推定していると考えられる推定結果を繋げていく。まず、抽出されたX方向、Y方向の全埋設位置推定結果を3次元空間上に配置する。次に、図28に示すように、各推定結果より処理する候補点から所定の半径内の球内で探索を行い、推定位置間の距離が最短になる点と連結していく。この際、同一の方向のスライスの推定結果を優先して連結を行う。すなわち、XZスライスの画像データであれば、X方向の推定結果を優先して連結し、候補点がないときのみ、別の方向であるY方向の推定結果を連結する。また、YZスライスの画像データであれば、Y方向の推定結果を優先して連結し、候補点がないときのみ、別の方向であるX方向の推定結果を連結する。
さらに、ステップS7で行う埋設管の抽出処理について詳述する。この抽出処理では、埋設管の形状、連続性と深度の知識をもとに推定位置の連結結果を評価し、埋設管のみの抽出を行うことにより、より高精度に埋設管の位置を抽出する。本実施形態で目的とする埋設管は、主に電線管、ガス管、水道管等であるため、埋設管が探査域の途中で途切れていることはなく、探査区域内の端から端まで繋がっていると仮定している。また、実施例であるコンクリート構造物はその構造上、コンクリート表面から内部配管までの間に、コンクリートのみの層であるかぶり厚が数cmあり、このかぶり厚の間に埋設管は存在しない。上記の知識により下記に示す規則を作ることができる。この規則によりファジィ推論を行い、埋設管の抽出を行う。また、図29にメンバーシップ関数を示す。
[数3]
規則1:
“IF推定位置を連結した結果、その両端が探査域の端に近く、
埋設管の深度がかぶり厚の間に位置しない。
THEN埋設管である確率が高い(grade A)。“ (3)
[数4]
規則2:
“IF推定位置を連結した結果、その両端が探査域の端から遠く、
埋設管の深度がかぶり厚の間に位置する。
THEN埋設管である確率が低い(grade B)。“ (4)
ここで、探査域からの遠い近いは連結結果の両端点から探査域外周までの最短距離を用い、深度は連結結果の深度の平均値を用いる。推定位置連結結果の外周からの距離の度合いをGP、深度の度合いをGDとし、埋設管である度合いをgrade A、埋設管でない度合いをgrade Bとする。grade A、grade Bは次式により求められる。
[数5]
grade A
=W1PNear+W1PNear+W2DMiddle (5)
[数6]
grade B
=W1PFar+W1PFar+W2DDeep+W2DShallow (6)
ここで、W1、W2は重み付け係数であり、好ましい実施例においてはそれぞれ1に設定される。そして、grade A>grade Bとなる連結結果を、連続して延在する埋設物である埋設管と判断する。本実施形態において、例えばあぶり厚を3cmとし、探査物体の埋設深度方向(Z方向)の厚さを100cmとし、外周からの距離が3cmでは「近い」とし、6cmでは「遠い」とする。このとき、図29の各パラメータL1,L2,L3,L4,L5は以下の通りである。
L1=3cm。
L2=6cm。
L3=3cm。
L4=94cm。
L5=97cm。
さらに、ステップS8を除く図3の各サブルーチンの処理について以下に詳述する。
図4は、図3のサブルーチンであるX方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(ステップS3)を示すフローチャートである。図4において、まず、ステップS11においてX方向の走査時の反射波信号データを振幅の大きさに応じて256階調の濃度データに変換し、濃度データを有するXZスライスの画像データを生成する。次いで、ステップS12において、図22に示すように、XZスライスの画像データを濃淡方向の3領域に量子化し、ステップS13において低濃度領域の画像データを抽出して埋設位置候補の画像データとする。そして、ステップS14において、図24に示すように、埋設位置候補のXZスライスの画像データにおいてY方向の前後関係に基づいて連続性を持たない領域の画像データを除去する。さらに、ステップS15において、図25及び図26に示すように、除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて濃淡の極小点探査などにより埋設位置候補の画像データを推定する処理(図6)を実行する。最後に、ステップS16において、推定された埋設位置候補のXZスライスの画像データを抽出して画像メモリ23に記憶した後、元のメインルーチンに戻る。
図5は、図3のサブルーチンであるY方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(ステップS4)を示すフローチャートである。図5において、まず、ステップS21においてY方向の走査時の反射波信号データを振幅の大きさに応じて256階調の濃度データに変換し、濃度データを有するYZスライスの画像データを生成する。次いで、ステップS22において、図22に示すように、YZスライスの画像データを濃淡方向の3領域に量子化し、ステップS23において低濃度領域の画像データを抽出して埋設位置候補の画像データとする。そして、ステップS24において、図24に示すように、埋設位置候補のYZスライスの画像データにおいてX方向の前後関係に基づいて連続性を持たない領域の画像データを除去する。さらに、ステップS25において、図25及び図26に示すように、除去後の埋設位置候補のYZスライスの画像データに基づいて濃淡の極小点探査などにより埋設位置候補の画像データを推定する処理を、図6の処理と同様に実行する。最後に、ステップS26において、推定された埋設位置候補のYZスライスの画像データを抽出して画像メモリ23に記憶した後、元のメインルーチンに戻る。
次いで、図4のステップS15及び図5のステップS25における埋設位置候補の画像データを推定する処理における埋設位置推定方法について以下に説明する。
まず、濃度に関する知識について以下に説明する。図4のステップS14又は図5のステップS24までに得られた濃淡の画像データ中で埋設管は図30(a)に示すような局所的な濃度変化として表れる。このため、濃度極小点の探索は埋設位置を推定するための手段として有効である。しかしながら、この濃度変化と類似した特徴が図30(b)に示すように反射波の干渉によっても生成されるため、極小点の探索だけでは埋設位置の推定は困難である。そこで、本実施形態に係る方法では極小点からその周辺への濃度変化に注目する。図30(a)及び図30(b)に示すように埋設管付近では極小点周辺の濃度変化が鈍角であるのに対して、干渉領域では鋭角である。このとき、濃度変化の角度をθazとすると、以下に示すファジーのIf−Thenルールを構築することができる。
[数7]
If 濃度変化の角度θazが鋭角(Acute)、Then埋設管の所属度は低い(Low)。 (7)
[数8]
If 濃度変化の角度θazが鈍角(Obtuse)、Then埋設管の所属度は高い(High)。 (8)
[数9]
If 濃度変化の角度θazが平角(Straight)、Then埋設管の所属度は低い(Low)。 (9)
そして、濃度の知識に基づく埋設管に属する度合いμgIは図31に示すメンバーシップ関数より公知のMin−Max重心法で求める。図31(a)の入力のメンバーシップ関数において、以下の値が本実施形態に係る推定処理用パラメータである。
(a)「鈍角」のメンバーシップ関数のグレードが0となるときの濃度変化の平角度T1,T5。
(b)「鋭角」のメンバーシップ関数のグレードが1から低下するときの境界の濃度変化の平角度T2。
(c)「鋭角」及び「平角」のメンバーシップ関数のグレードが0となるときの濃度変化の平角度T3。
(d)「平角」のメンバーシップ関数のグレードが1になるときの境界の濃度変化の平角度T4。
すなわち、図31の例では、濃度変換の平均角度θazがTinであるとき、「鈍角」と「平角」のメンバーシップ関数の各関数直線と交わり、これらの交点を出力のメンバーシップ関数に水平方向に延ばし、ここで、「鈍角」の交点から延ばした直線が出力の「高い」のメンバーシップ関数の関数曲線と交わるグレード以下の面積Aと、「平角」の交点から延ばした直線が出力の「低い」のメンバーシップ関数の関数曲線と交わるグレード以下の面積Aとの和集合の面積における面積重心μgIを求め、それを埋設管の度合いの出力値μgIとする。
次いで、双曲線形状に関する知識について以下に説明する。図4のステップS14又は図5のステップS24までに得られた濃淡の画像データ中で埋設管は図32(a)に示す双曲線形状として現れる。この頂点を探索することにより埋設位置を推定することができる。ここで、双曲線形状は受信波の極小点を“0”、それ以外を“1”とする2値化処理により図32(b)のように求める。画像データから得られた双曲線と理論双曲線(図18又は図32(c)参照)との一致度αを求め、以下に示すファジーのIf−Thenルールで、双曲線形状の知識にもとづく埋設管に属する度合いμgHPを求める。なお、画像データから得られた双曲線と理論双曲線との一致度αについては、例えば、理論双曲線の極大点と、画像データから得られた双曲線の極大点を対応させ、画像データをメッシュ形状で細かく区分したメッシュ中で一致する区分数を一致度として計算することができる。
[数10]
If 一致度αが多い(Many)、Then 埋設管の所属度が高い(High)、
(10)
[数11]
If 一致度αが少ない(Few)、Then 埋設管の所属度が低い(Low)。
(11)
そして、双曲線形状の知識に基づく埋設管に属する度合いμgHPは図33に示すメンバーシップ関数より公知のMin−Max重心法で求める。図33(a)の入力のメンバーシップ関数において、以下の値が本実施形態に係る推定処理用パラメータである。
(a)「多い」のメンバーシップ関数のグレードが0となるときの一致度A1。
(b)「少ない」のメンバーシップ関数のグレードが1から低下するときの境界の一致度A2。
(c)「少ない」のメンバーシップ関数のグレードが0となるときの一致度A3。
(d)「多い」のメンバーシップ関数のグレードが1になるときの境界の濃度変化の平角度A4。
すなわち、図33の例では、一致度αがAinであるとき、「多い」と「少ない」のメンバーシップ関数の各関数直線と交わり、これらの交点を出力のメンバーシップ関数に水平方向に延ばし、ここで、「多い」の交点から延ばした直線が出力の「高い」のメンバーシップ関数の関数曲線と交わるグレード以下の面積A’と、「少ない」の交点から延ばした直線が出力の「低い」のメンバーシップ関数の関数曲線と交わるグレード以下の面積A’との和集合の面積における面積重心μgHPを求め、それを埋設管の度合いの出力値μgHPとする。
さらに、濃度の知識と双曲線形状の知識の統合について以下に説明する。埋設探査の熟練者は、上記の2つの知識を深度に応じて重み付けて、埋設管を推定する。深度が浅い位置では双曲線形状の知識を優先し、深度が深い位置にかけて濃度の知識を優先する。そこで、本実施形態に係る手法では各所属度の重み付け係数を図34に示すように深度に応じて変化させる。ここでwは所属度μgIの重み付け係数であり、wは所属度μgHPの重みである。図34は、深さに対する重み付け係数の関数であり、左側の台形形状の関数は重み付け係数wの関数であり、右側の台形形状の関数は重み付け係数wの関数である。ここで、2つの台形において、台形の底辺の長さ(D6−D1)と上辺の長さDaは等しく設定され、当該重み付け係数の関数において、推定処理用パラメータとしてD1,D2,D4,Da,D6の5つのパラメータ値を決定できれば、当該関数は定義される。なお、図34の最左側の部分は浅部に位置する、いわゆる「かぶり」の部分である。
さらに、上記で得られた所属度μgI,μgHPと重み付け係数w,wを次式のように結合することにより、全ての知識に基づく埋設管の度合いμTDを求める。そして、μTD>0.5を満たす画像データを埋設管候補の画像データとする。
[数12]
μTD=(w×μgI+w×μgHP)/2 (12)
さらに、濃度の知識と、双曲線形状の知識と、それらの統合方法を用いる処理を実行する図6乃至図9の各サブルーチンの処理について以下に説明する。
図6は、図4のサブルーチンである埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて濃淡の極小点探査により埋設位置候補を推定する処理(ステップS15)を示すフローチャートである。図6において、まず、ステップS71において除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて濃淡の極小点探査により埋設位置候補を推定する処理(図7)を実行し、ステップS72において除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データにおいて、濃度を参照して谷線を抽出し、凸方向の双曲線パターンを見ることにより埋設位置候補を推定する処理(図8)を実行する。さらに、ステップS73において上記2つの埋設位置候補を推定する処理を重み付けにより統合させる処理(図9)を実行して、元のルーチンに戻る。
なお、図6のステップS15は除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて埋設位置候補の画像データを推定する処理である一方、図5のステップS25は除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて埋設位置候補の画像データを推定する処理であり、図6の処理と同様に実行される。
図7は、図6のサブルーチンである濃淡の極小点探査により埋設位置候補を推定する処理(ステップS71)を示すフローチャートである。図7において、まず、ステップS81において除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて、濃淡の極小点からその周辺への濃度変化の角度θazを求める。次いで、ステップS82において濃度変化の平均角度θazに基づいた埋設位置候補の度合いμgIを図31に示すメンバーシップ関数を用いてMin−Max重心法で求め、元のルーチンに戻る。
図8は、図6のサブルーチンである双曲線パターンを見ることにより埋設位置候補を推定する処理(ステップS72)を示すフローチャートである。図8において、まず、ステップS83において除去後の埋設位置候補のXZスライスの画像データにおいて、濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度αを求める。次いで、ステップS84において濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度αに基づいた埋設位置候補の度合いμgHPを図33に示すメンバーシップ関数を用いてMin−Max重心法で求め、元のルーチンに戻る。
図9は、図6のサブルーチンである上記2つの埋設位置候補を推定する処理を重み付けにより統合させる処理(ステップS73)を示すフローチャートである。図9において、ステップS85において極小点探査による埋設位置候補の度合いμgIの重み付け係数wと双曲線パターンによる埋設位置候補の度合いμgHPの重み付け係数wを図34に示すように深度に応じて変化させて求める。次いで、ステップS86において、得られた度合いと重み付け係数を式(12)を用いて線形結合することにより、全ての知識に基づく埋設管の度合いμTDを求める。さらに、ステップS87においてμTD>0.5を満たす画像データを埋設管候補の画像データとして抽出し、元のルーチンに戻る。
図10及び図11は、図3のサブルーチンである連結探査処理(ステップS5)を示すフローチャートである。
図10のステップS31において、まず、1つのXY平面上において候補点の画像データを探査して一時メモリである処理メモリ25に格納する。次いで、ステップS32において1つの候補点の画像データを選択し、ステップS33において選択した候補点を中心とする範囲球内で候補点を探査する。そして、ステップS34において選択した候補点はXZスライスの画像データか否かが判断され、YESのときはステップS35に進む一方、NOのときはステップS37に進む。ステップS35では、他のXZスライスの画像データで候補点を発見したか否かが判断され、YESのときはステップS40に進む一方、NOのときはステップS36に進む。また、ステップS36では、別のYZスライスの画像データで候補点を発見したかか否かが判断され、YESのときはステップS40に進む一方、NOのときはステップS42に進む。さらに、ステップS37において他のYZスライスの画像データで候補点を発見したかか否かが判断され、YESのときはステップS40に進む一方、NOのときはステップS38に進む。また、ステップS38では、別のXZスライスの画像データで候補点を発見したかか否かが判断され、YESのときはステップS40に進む一方、NOのときはステップS42に進む。
ステップS40においては、選択した候補点と探査した候補した候補点が連結していると判断して、選択した候補点と探査した候補点のうちの最短の候補点を連結して連結データとして一時メモリである処理メモリ25に格納し、ステップS41において連結した候補点を選択した候補点とした後、さらなる連結処理を行うためにステップS33に戻る。ここで、連結データとは、1つの候補点の画像データと別の候補点の画像データとが連結していることを示すデータであって、当該2つの候補点の3次元画像の配置アドレスの対で表される。
ステップS42において選択した以外の未処理の候補点の画像データはあるかか否かが判断され、YESのときはステップS43に進み、別の候補点の画像データを選択し、別の埋設管である連結状態を探査するために、ステップS33に戻る。一方、ステップS42でNOのときは図11のステップS44に進む。
図11のステップS44では、未処理のXY平面はあるかか否かが判断され、YESのときはステップS45に進む一方、NOのときはステップS46に進む。ステップS45において別のXY平面上において候補点の画像データを探査した一時メモリである処理メモリ25に格納した後、別のXY平面の画像データについて処理を行うために、図10のステップS32に戻る。一方、ステップS46において収集した連結データにおける埋設物の候補線について平均間隔を算出し、所定の間隔以内の候補線は同一の埋設物と判断し、同一の埋設物と判断した複数の候補線のうちの1つ以外の候補線の連結データを処理メモリ25から除去する。そして、ステップS47において残った連結データを連結結果データとして処理メモリ25に格納して、元のメインルーチンに戻る。
図10及び図11において、ステップS31及びS45におけるXY平面の選択は、探査面92から順次埋設深度の方向で処理することが好ましく、また、1つのXY平面上の候補点の選択は、その平面の外周から同軸の位置にある候補点から探索して、内側方向に向かって同軸の位置にある候補点を探索しながら処理することが好ましい。
図12は、図3のサブルーチンである埋設物抽出処理(ステップS6)を示すフローチャートである。
図12において、まず、ステップS51において処理メモリ25内の連結結果データから1つの連結結果データを選択し、ステップS52において選択された連結結果データの両端に位置する2つの埋設位置候補について外周からの距離と、選択された連結結果データの複数の埋設位置候補についての探度の平均値を求める。次いで、ステップS53において図29(a)のメンバーシップ関数を用いて外周からの2つの距離に対する各グレードGpNear及びGpFarを計算し、ステップS54において図29(b)のメンバーシップ関数を用いて探度の平均値に対する各グレードGpShallow,GpMiddle,GpDeepを計算する。そして、ステップS55において式(5)を用いて埋設管の所属度grade Aを計算し、式(6)を用いて埋設管でない所属度grade Bを計算し、ステップS56においてgrade A>grade Bか否かが判断され、YESのときはステップS57に進む一方、NOのときはステップS58に進む。ステップS57において選択した連結結果データを、埋設管として抽出して画像メモリ23に記憶してステップS59に進む。一方、ステップS58において選択した連結結果データを、埋設管ではないと判断し、画像メモリ23に記憶せず、ステップS59に進む。さらに、ステップS59において未処理の連結結果データがあるかか否かが判断され、YESのときはステップS60に進み、処理メモリ25内の連結結果データから別の1つの連結結果データを選択してステップS52に戻る。一方、ステップS59でNOのときは当該埋設物抽出処理を終了して元のメインルーチンに戻る。
図13は、図3のサブルーチンである遺伝的アルゴリズムを用いて推定処理用パラメータを適応制御して設定する処理(ステップS8)を示すフローチャートである。図13において、まず、ステップS91において評価処理を実行し、ステップS92において選択処理を実行し、ステップS93において交叉処理を実行し、ステップS94で突然変異処理を実行した後、元のメインルーチンに戻る。これらステップS91乃至S94の各処理について以下に詳述する。
適応制御することにより最適化が必要な推定処理用パラメータは、上述のように、以下の14個である。
(a)図31(a)における濃度の知識の入力のメンバーシップ関数を定義するための5つの推定処理用パラメータT1乃至T5。
(b)図33(a)における双曲線形状の知識の入力のメンバーシップ関数を定義する4つの推定処理用パラメータA1乃至A4。
(c)図34における重み付け係数の関数を定義する5つの推定処理用パラメータD1,D2,D4,D6,Da。
本実施形態においては、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝子の個体を、1ビットが0,1である配列として表現する。各推定処理用パラメータが持っているそれぞれ異なる変化範囲を8ビットで表現し、14個の推定処理用パラメータで合計112ビットの個体を例えば10個生成させ、初期個体集団を作成し、図3のステップS2において設定される当該推定処理用パラメータの初期値とする。ここで、本実施形態においては、最適解をより早く収束する目的で従来の単一環境下での最適値を各初期個体集団として割り当てた。なお、レーダー装置の仕様の変更やデータ変換方式の変更等、大きく環境が変化する場合は初期個体集団をランダムに生成した方が好ましい。
初期個体集団を生成すると、それに対して選択、交叉、突然変異の演算子に必要な適応度の評価処理(ステップS91)を行う。まず、本システムで使用する入力データについて、次のように仮定する。
<仮定1>入力データには、全埋設管に関する情報が含まれている。
<仮定2>入力データには、埋設管以外のものは何も存在しない。
すなわち、入力データには全ての埋設管が探査できており、埋設管以外の物はないものとする。これらの仮定から、本システムの抽出結果は次のように導かれる。
<結果1>抽出結果には、すべての埋設管が存在する。
<結果2>抽出結果には、埋設管以外は存在しない。
また、本システムでは各パラメータと埋設管の抽出数との関係は非線形であるため、適応度gを次式のように定義する。
Figure 2005283590
ここで、nは抽出された埋設管の数であり、lはi番目の埋設管の長さである。<結果2>より抽出されたオブジェクトは全て埋設管であるので、その長さの総和(適応度g)は埋設管の抽出度合いとなる。そして、<結果1>が満たされたとき、適応度gは最大値を示す。例えば、図35(a)のように埋設管が抽出されていない場合に適応度gは低くなり、図35(b)のように正確に抽出されていれば適応度gは高くなる。このように、埋設管の長さの総和が大きい方が埋設管を正確に抽出できていることになり適応度gは高くなる。
本実施形態に係る選択処理(ステップS92)においては公知のルーレット選択法を用いる。ルーレット選択法は、各個体の適応度から選択確率を変え、この確率に沿ってルーレットを回すように選択を行う方法であり、適応度の高い個体ほど選ばれやすい。ある個体iにおける適応度をgとし、個体数をMとするとき、次式に示すような選択確率Pで選択を行う。
Figure 2005283590
図36に、本実施形態で用いたルーレット選択法による選択処理の実施例を示す。ここで、例えば本実施形態のようにそれぞれ異なるパラメータを持った10個の個体が与えられている場合、上記式(12)で示した評価関数を用いてそれぞれの適応度gを算出し、その結果からそれぞれの選択確率Pを求める。この選択確率Pを図36(d)に示すようにルーレットに配置したとき、選択確率Pが大きいほど大きな占有率であるため最も選択される確率は高いということになる。
次いで、交叉処理(ステップS93)においては、いわゆる一点交叉法を用いる。一点交叉法は、図37(a)及び(b)に示すように、交叉確率pで個体を2つ選び、1から111のビット境界においてランダムに交叉点を決定し、その点を境に後ろの遺伝子列を部分的に交換する。
さらに、突然変異処理(ステップS94)においては、図38に示すように、ランダムに個体を選び、突然変異確率pで突然変異を行うビットを1から112のビット中から決定し、そのビットを反転させる。
図39は、図2の埋設物探査システムの実施例における世代数Tに対する適合度の推移を示すグラフである。本実施形態においては、図3に示すループにより世代数(反復回数)を変化させており、最終世代(反復回数)T=1000になるまでパラメータを更新することが好ましい。また、とって代わって、このパラメータの更新は、図39に示すように世代数の適応度の変化から、変化の割合が少なくなると終了してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、浅部及び単独の埋設物からの反射波群の特徴である双曲線パターンと、反射波の振幅下降が干渉波の影響を受けにくいという特徴に注目した埋設物の位置推定を行い、しかも推定処理用パラメータを遺伝的アルゴリズムを用いて適応制御し、その結果をもとに内部構造の3次元の画像を生成して出力した。これにより、高い精度での構造物内部の3次元構成の画像を生成することができ、この結果により工事の際に必要な構造物内部の情報を得ることができる。従って、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる。
以上の第2の実施形態においては、連結探査処理(ステップS6)を実行した後、埋設物抽出処理(ステップS7)を実行しているが、本発明はこれに限らず、後者の埋設物抽出処理を実行しなくてもよい。
以上の第2の実施形態においては、ステップS4においてXZスライスとYZスライスの2つの断面の推定処理結果のデータを3次元空間上に合成して配置するように仮想的にアドレス割り当てして画像メモリ23に記憶しているが、本発明はこれに限らず、XZスライスとYZスライスのうちの少なくとも1つの断面の推定処理結果のデータを3次元空間上に合成して配置するように仮想的にアドレス割り当てして画像メモリ23に記憶してもよい。すなわち、1つのスライスの断面画像のみに基づいて埋設物の探査の処理を行ってもよい。
図40乃至図42は、それぞれ図2の埋設物探査システムの第1乃至第3の実施例における探索結果を示す図であって、これらの図の(a)は従来技術によるX線画像の測定結果を示す図であり、(b)本実施形態に係る方法を適応する前の探索結果画像を示す図であり、(c)は本実施形態に係る方法を適応した後の探索結果画像を示す図である。なお、図40乃至図42の(b)及び(c)に図示した結果中の破線(四角)はX線画像に対応する部分を示している。
図40乃至図42から明らかなように、従来法では3次元表示の際に、システムの14個の推定処理用パラメータを予め固定していたために、破線部分の埋設管が全く検出されていなかったが、図40乃至図42の楕円形状の破線で示すように、本実施形態に係る方法を適用することにより内部パラメータが自動的に最適化されたことで、従来法で検出されていなかった埋設管を検出できた。
<変形例>
以上の実施形態においては、図3の埋設物探査画像処理のプログラムデータをCD−ROM45aに格納して実行するときにプログラムメモリ24にロードして実行しているが、本発明はこれに限らず、CD−R、CD−RW、DVD、MOなどの光ディスク又は光磁気ディスクの記録媒体、もしくは、フロッピーディスクなどの磁気ディスクの記録媒体など種々の記録媒体に格納してもよい。これらの記録媒体は,コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。また、図3の埋設物探査画像処理のプログラムデータを予めプログラムメモリ24に格納して当該画像処理を実行してもよい。
以上の実施形態においては、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法及び装置について説明しているが、本発明はこれに限らず、電磁波に代えて超音波を用いて埋設物の探索処理を同様に実行してもよい。
以上の実施形態においては、遺伝的アルゴリズムを用いた位置推定処理用パラメータの適応制御処理において、評価、選択、交叉、突然変異、判定の各処理について一例を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。
以上詳述したように、本発明に係る埋設物探査処理方法又は装置によれば、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法又は装置において、上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出し、上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定し、上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する。従って、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ、従来技術に比較して高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる。
また、本発明に係る埋設物探査処理方法又は装置によれば、探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法又は装置において、上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成し、上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納し、上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定し、上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する。従って、埋設物探査処理を実行するときに用いる測定パラメータを最適値に適応制御しながら埋設物探査処理を実行することができ、種々の探査物体中で埋設物を容易にかつ、従来技術に比較して高精度で探索し、誰でも容易に埋設物の位置を視認により確認することができる。
本発明に係る第1の実施形態である測定パラメータの適応制御処理を備えた測定処理を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施形態である埋設物探査システムの構成を示すブロック図である。 図2の画像処理装置10のCPU20によって実行される埋設物探査画像処理(メインルーチン)を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンであるX方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(ステップS2)を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンであるY方向の走査時の反射波信号データに基づく埋設位置候補推定処理(ステップS3)を示すフローチャートである。 図4のサブルーチンである埋設位置候補のXZスライスの画像データに基づいて濃淡の極小点探査により埋設位置候補を推定する処理(ステップS15)を示すフローチャートである。 図6のサブルーチンである濃淡の極小点探査により埋設位置候補を推定する処理(ステップS71)を示すフローチャートである。 図6のサブルーチンである双曲線パターンを見ることにより埋設位置候補を推定する処理(ステップS72)を示すフローチャートである。 図6のサブルーチンである上記2つの埋設位置候補を推定する処理を重み付けにより統合させる処理(ステップS73)を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンである連結探査処理(ステップS5)の第1の部分を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンである連結探査処理(ステップS5)の第2の部分を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンである埋設物抽出処理(ステップS6)を示すフローチャートである。 図3のサブルーチンである遺伝的アルゴリズムを用いて推定処理用パラメータを適応制御して設定する処理(ステップS8)を示すフローチャートである。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる送信波信号の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。 図14の送信波信号の送信パルスの波形を示す信号波形図である。 図2の埋設物探査システムで用いる探査の走査方法を示す平面図である。 図2の埋設物探査システムで用いる埋設物探査用送受信装置を備えた探査装置の測定原理を示す正面図である。 図2の埋設物探査システムによって測定された反射波群の双曲線パターンを示す図及び画像の写真である。 (a)は図2の埋設物探査システムによって測定された受信波形の波形図であり、(b)はそのX方向の探査結果画像の写真であり、(c)はそのY方向の探査結果画像の写真である。 (a)は図2の埋設物探査システムによって測定された探査結果画像の写真であり、(b)は(a)におけるLa線上の波形を示す波形図である。 (a)は図2の埋設物探査システムによって測定された探査結果画像の写真であり、(b)は(a)のLb線上の波形の波形図であり、(c)はその相互干渉部分の拡大図である。 図2の埋設物探査システムによって測定された濃度分布を示すグラフである。 図2の埋設物探査システムによって測定された候補領域の抽出結果を示す図であって、(a)はその原画像の写真であり、(b)はその処理結果の画像を示す図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1の埋設物探査システムによって測定された信号波形を示す波形図であり、(c)は処理前の画像を示す図であり、(d)は処理後の画像を示す図である。 (a)は図2の埋設物探査システムによって測定されたラベリング結果の画像を示す図であり、(b)はその埋設位置推定結果の画像を示す図である。 図2の埋設物探査システムによって測定された図19の領域N4の概略を示す3次元の斜視図である。 図2の埋設物探査システムによって測定された、極小点探査により埋設位置を推定できない例を示す画像の図及び3次元の斜視図である。 図2の埋設物探査システムによって実行された推定位置の連結処理を示す斜視図である。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる埋設管抽出のためのメンバーシップ関数であって、(a)は外周からの距離に関するメンバーシップ関数のグラフであり、(b)は深度に関するメンバーシップ関数のグラフである。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる濃度の特徴を示す図であって、(a)は埋設管の場合における調査距離に対する伝搬時間を示した、電磁波の反射波群に係る探査結果の濃淡画像と、その濃淡画像における調査距離に対する濃度を示すグラフとを示す図であり、(b)は干渉領域の場合における調査距離に対する伝搬時間を示した、電磁波の反射波群に係る探査結果の濃淡画像と、その濃淡画像における調査距離に対する濃度を示すグラフとを示す図である。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる濃度の知識のメンバーシップ関数であって、(a)は入力のメンバーシップ関数のグラフであり、(b)は出力のメンバーシップ関数のグラフである。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる双曲線形状の特徴を示す図であって、(a)は調査距離に対する伝搬時間を示した、電磁波の反射波群に係る探査結果の濃淡画像を示す図であり、(b)はその探査結果の濃淡画像における双曲線形状を示す図であり、(c)はその理論双曲線を示す図である。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる双曲線形状の知識のメンバーシップ関数であって、(a)は入力のメンバーシップ関数のグラフであり、(b)は出力のメンバーシップ関数のグラフである。 図2の埋設物探査システムにおいて用いる深さに対する図9のステップS85の処理で用いる重み付け係数w,wの関数を示すグラフである。 図13の評価処理(ステップS91)における、適合度を用いた評価方法を示す図であって、(a)は適合度が低いときの埋設管の探索結果画像を示す図であり、(b)は適合度が高いときの埋設管の探索結果画像を示す図である。 図13の選択処理(ステップS92)におけるルーレット選択法を用いた選択処理を示す図であって、(a)は選択処理における各個体のデータの一例を示す図であり、(b)は上記各個体に対する適合度gを示す図であり、(c)は上記各個体に対する選択確率Pを示す図であり、(d)は当該ルーレット選択の確率の円グラフを示す図である。 図13の交叉処理(ステップS93)における一点交叉処理の一例を示す図であり、(a)は当該交叉処理前における選択された2つの固体のデータを示す図であり、(b)は当該交叉処理後における選択された2つの固体のデータを示す図である。 図13の突然変異処理(ステップS93)における処理の一例を示す図である。 図2の埋設物探査システムの実施例における世代数Tに対する適合度の推移を示すグラフである。 図2の埋設物探査システムの第1の実施例における探索結果を示す図であって、(a)は従来技術によるX線画像の測定結果を示す図であり、(b)本実施形態に係る方法を適応する前の探索結果画像を示す図であり、(c)は本実施形態に係る方法を適応した後の探索結果画像を示す図である。 図2の埋設物探査システムの第2の実施例における探索結果を示す図であって、(a)は従来技術によるX線画像の測定結果を示す図であり、(b)本実施形態に係る方法を適応する前の探索結果画像を示す図であり、(c)は本実施形態に係る方法を適応した後の探索結果画像を示す図である。 図2の埋設物探査システムの第3の実施例における探索結果を示す図であって、(a)は従来技術によるX線画像の測定結果を示す図であり、(b)本実施形態に係る方法を適応する前の探索結果画像を示す図であり、(c)は本実施形態に係る方法を適応した後の探索結果画像を示す図である。
符号の説明
1…埋設物探査用電磁波送受信装置、
1R…車輪、
1RR…車体、
2…送信アンテナ、
3…受信アンテナ、
4…送信機、
5…受信機、
6…コントローラ、
7…通信インターフェース、
10…画像処理装置、
20…CPU、
21…ROM、
22…RAM、
23…画像メモリ、
24…プログラムメモリ、
25…処理メモリ、
26…受信メモリ、
30…バス、
31…キーボードインターフェース、
32…マウスインターフェース、
33…ディスプレイインターフェース、
34…プリンタインターフェース、
35…ドライブ装置インターフェース、
41…キーボード、
42…マウス、
43…CRTディスプレイ、
44…プリンタ、
45…CD−ROMドライブ装置、
45a…CD−ROM、
51…通信ケーブル、
61…通信インターフェース。
90…埋設物、
91…探査物体、
92…探査面。

Claims (14)

  1. 探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法において、
    上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出するステップと、
    上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定するステップと、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力するステップとを含むことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  2. 探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理方法において、
    上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成するステップと、
    上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納するステップと、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定するステップと、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力するステップとを含むことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  3. 請求項2記載の埋設物探査処理方法において、
    上記埋設物の位置を推定するステップの後に、
    (a)上記埋設物の両端が探査物体の端部に近く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置しないとき埋設物である確率が高いという第1の規則と、
    (b)上記埋設物の両端が探査物体の端部に遠く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置するとき埋設物である確率が低いという第2の規則とを含むファジィルールを用いて、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記推定された埋設物の位置が埋設物であるか否かを判断し、埋設物ではないと判断したときに上記推定された埋設物の位置のデータから除去するステップをさらに含むことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  4. 請求項2又は3記載の埋設物探査処理方法において、上記埋設物の位置を推定するステップは、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける濃度の知識を表し、濃度変化の平均角度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第1のメンバーシップ関数を用いて第1の埋設物の度合いを計算するステップと、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける双曲線形状の知識を表し、上記候補点画像データにおける濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第2のメンバーシップ関数を用いて第2の埋設物の度合いを計算するステップと、
    上記計算された第1の埋設物の度合いと、上記計算された第2の埋設物の度合いとを所定の重み付け係数の関数を用いた線形結合により統合した第3の埋設物の度合いを計算するステップと、
    上記第3の埋設物の度合いに基づいて埋設物候補の画像データであるか否かを判断することにより上記埋設物の位置を推定するステップとを含むことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  5. 請求項4記載の埋設物探査処理方法において、上記位置推定処理用パラメータは、上記第1のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記第2のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記重み付け係数の関数を定義するためのパラメータとを含むことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  6. 請求項1乃至5のうちの1つに記載の埋設物探査処理方法において、上記適合度は、上記画像メモリに格納された候補点画像データにおいて推定して抽出された各埋設管の長さの総和で表したことを特徴とする埋設物探査処理方法。
  7. 探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理装置において、
    上記受信した反射波のデータに基づいて、上記埋設物の探査のための所定の特徴パラメータのデータを抽出する抽出手段と、
    上記抽出された特徴パラメータのデータに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記埋設物の位置を推定する推定手段と、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  8. 探査物体中において所定の長さ方向で連続して延在する埋設物を、電磁波又は超音波の送信波を探査物体の表面から放射し、上記送信波の反射波を受信し、反射波のデータに基づいて探査する埋設物探査処理装置において、
    上記受信した反射波のデータに基づいて、上記探査物体の表面とは直交する少なくとも1つの断面の濃度データを有する画像データを生成し、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて上記生成した画像データから埋設物が存在しない画像データを除去することにより上記埋設物の候補点を示す少なくとも1つの断面の候補点画像データを生成する生成手段と、
    上記生成された少なくとも1つの断面の候補点画像データを3次元空間上に仮想的に配置するように画像メモリに格納する格納手段と、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データに基づいて、遺伝的アルゴリズムを用いて、位置推定処理用パラメータの適合度が高くなるように位置推定処理用パラメータを適応制御しながら、上記埋設物が連続して延在するという知識を用いて候補点を連結することにより上記埋設物の位置を推定する位置推定手段と、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記埋設物の画像を3次元画像の形式で生成して出力する出力手段とを含むことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  9. 請求項8記載の埋設物探査処理装置において、
    上記位置推定手段の処理の後において、
    (a)上記埋設物の両端が探査物体の端部に近く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置しないとき埋設物である確率が高いという第1の規則と、
    (b)上記埋設物の両端が探査物体の端部に遠く埋設物の深度が探査物体の層であるかぶり厚の間に位置するとき埋設物である確率が低いという第2の規則とを含むファジィルールを用いて、
    上記推定された埋設物の位置に基づいて、上記推定された埋設物の位置が埋設物であるか否かを判断し、埋設物ではないと判断したときに上記推定された埋設物の位置のデータから除去する除去手段をさらに備えたことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  10. 請求項8又は9記載の埋設物探査処理装置において、上記位置推定手段は、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける濃度の知識を表し、濃度変化の平均角度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第1のメンバーシップ関数を用いて第1の埋設物の度合いを計算する第1の計算手段と、
    上記画像メモリに格納された候補点画像データにおける双曲線形状の知識を表し、上記候補点画像データにおける濃度を参照して得られた双曲線と理論双曲線との一致度に基づいた埋設位置候補の度合いを示す所定の第2のメンバーシップ関数を用いて第2の埋設物の度合いを計算する第2の計算手段と、
    上記計算された第1の埋設物の度合いと、上記計算された第2の埋設物の度合いとを所定の重み付け係数の関数を用いた線形結合により統合した第3の埋設物の度合いを計算する第3の計算手段と、
    上記第3の埋設物の度合いに基づいて埋設物候補の画像データであるか否かを判断することにより上記埋設物の位置を推定する埋設物位置推定手段とを備えたことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  11. 請求項10記載の埋設物探査処理装置において、上記位置推定処理用パラメータは、上記第1のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記第2のメンバーシップ関数を定義するためのパラメータと、上記重み付け係数の関数を定義するためのパラメータとを含むことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  12. 請求項7乃至11のうちの1つに記載の埋設物探査処理装置において、上記適合度は、上記画像メモリに格納された候補点画像データにおいて推定して抽出された各埋設管の長さの総和で表したことを特徴とする埋設物探査処理装置。
  13. 請求項1乃至6のうちの1つに記載の埋設物探査処理方法の各ステップを含むことを特徴とする埋設物探査処理プログラム。
  14. 請求項13記載の埋設物探査処理プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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