JP2005282511A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 また、コンプライアントフレームおよび揺動スクロールの挙動を安定させることによって低騒音な圧縮機を得ることを目的とする。また、軸受けの損傷等のない信頼性の高い圧縮機を得ることを目的とする。
【解決手段】 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を供え、コンプライアントフレームスラスト部の形状を外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状にした。
【選択図】 図1
【解決手段】 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を供え、コンプライアントフレームスラスト部の形状を外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状にした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、冷凍空調機器に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
従来のスクロール圧縮機は、ガイドフレームと揺動スクロールの間にコンプライアントフレームを設け、揺動スクロール背面空間とコンプライアントフレーム背面空間の2つの独立した空間を要し、この2つの背面空間の圧力を調整することにより、歯先漏れロスの極小化をスラスト摺動ロスの極小化を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
従来の揺動スクロールのスラスト荷重を受けるコンプライアントフレームのスラスト部には、凹凸など設けられていないので、たとえばスラスト部が中凸形状に加工された場合には揺動スクロールのスラスト荷重をスラスト部の中央近傍で受けるため、揺動スクロールが不安定となり、ひいては、コンプライアントフレームが不安定になり、コンプライアントフレームが傾いてガイドフレームと接触したりこじたりして移動できなくなり、漏れロスが増大したり、あるいはコンプライアントフレームに設けられている軸受けが傾くために軸受けが焼き付いたり、損傷したりする等の恐れがあった。また、コンプライアントフレームのスラスト部に積極的に給油する手段をもたず、油切れによるスラスト部の焼付き等の恐れもあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、信頼性の高い圧縮機を得ることを目的とする。また、漏れロスの少ない高性能の圧縮機を得ることを目的とする。また、コンプライアントフレームおよび揺動スクロールの挙動を安定させることによって低騒音な圧縮機を得ることを目的とする。また、軸受けの損傷等のない信頼性の高い圧縮機を得ることを目的とする。また、スラスト部の損傷等を防ぐことができる信頼性の高い圧縮機を得ることを目的とする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の縦断面図である。図2は、本発明の実施の形態1を表す圧縮機のコンプライアントフレーム11を有する要部断面図である。図1において、固定子2a及び回転子2bからなる電動機部2と、固定スクロール8、揺動スクロール9、コンプライアントフレーム11、ガイドフレーム10などからなる圧縮機構部1とが密閉容器3内に収納されている。電動機部2により圧縮機構部1の揺動スクロール9が駆動される。また、固定子2aは密閉容器3の内壁3aに焼嵌めなどの手段により係止されているとともに密閉容器3内の高圧空間4に配置されている。
図1は、本発明の実施の形態1を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の縦断面図である。図2は、本発明の実施の形態1を表す圧縮機のコンプライアントフレーム11を有する要部断面図である。図1において、固定子2a及び回転子2bからなる電動機部2と、固定スクロール8、揺動スクロール9、コンプライアントフレーム11、ガイドフレーム10などからなる圧縮機構部1とが密閉容器3内に収納されている。電動機部2により圧縮機構部1の揺動スクロール9が駆動される。また、固定子2aは密閉容器3の内壁3aに焼嵌めなどの手段により係止されているとともに密閉容器3内の高圧空間4に配置されている。
圧縮機構部1において、固定スクロール8は、ボルト(図示せず)等によりガイドフレーム10に締結され、固定スクロール8あるいはガイドフレーム10は密閉容器3の内面に固定されている。この構成により、固定スクロール8とガイドフレーム10とで構成される内部空間のうちの外周側空間には吸入管が挿入されており、低圧(吸入圧力)空間5を形成している。また、固定スクロール8とガイドフレーム10などで構成される圧縮機構部1と密閉容器3との間の空間(圧縮機構部外側空間)は高圧(吐出圧力)空間4となっている。したがって、密閉容器3内は高圧空間4と低圧空間5とに区画されている。揺動スクロール9は、台板部9aの上面に固定スクロール8の板状渦巻歯8bと実質的に同一形状の板状渦巻歯9bが形成されている。また台板部9aには、圧縮室側の面とコンプライアントフレーム11側の面とを連通する細い穴である抽気孔9cが形成されている。オルダムリング12は、揺動スクロール9の自転を防止し、且つ固定スクロール8に対する公転運動を実現している。
コンプライアントフレーム11は、ガイドフレーム10の内側面10c、10dに嵌入係合されることによって、半径方向に支持されており、また、コンプライアントフレーム11は、微少量だけ軸方向に移動可能となるようにガイドフレームに支持されている。また、電動機部2によって回転駆動される駆動軸19を半径方向に支持する主軸受11bが形成されている。さらに、コンプライアントフレーム11の外側面11eにはOリング等のシール材を収納するシール溝11cが軸方向に2ヶ所に形成されており、それらのシール溝に上シール材14および下シール材15が嵌着されている。そして、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受11dの面から前記2つのシール材14、15とガイドフレーム10の内側面10eとコンプライアントフレーム11の外側面11eとによって形成された空間10fに連通する連通穴11fが形成されている。また11gは、所定の圧力差が負荷された場合には、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受11dと揺動スクロール9の揺動軸受9dとコンプライアントフレーム11の主軸受11bにより密閉された空間11aから低圧空間5への冷媒ガスの流れのみを許容し、低圧空間5から密閉された空間11aへの冷媒の流れを防止する逆止弁である。
次に、この回転圧縮機の定常運転時の動作について説明する。定常運転時には密閉容器3の底部の潤滑油6が駆動軸19に軸方向に貫通して設けられた高圧油給油穴19aを経由して揺動スクロール9のボス部空間9eに導かれる。そして、この高圧の潤滑油6は揺動軸受9dで減圧されて中間圧となり、空間11aに流れる。他方もう一つの経路として、高圧油給油穴19aの高圧の潤滑油6は、駆動軸19に設けられた横穴19bから主軸受11bの高圧側下に導かれ、この主軸受11bで減圧されて中間圧となり、主軸受け11bの下端側(電動機2側)は高圧圧力のため、中間圧力空間である空間11a側に流れる。この時、空間11aの中間圧力Pm1は、コンプライアントフレーム11に設けられた逆止弁11gの仕様(ばね力など)によってほぼ決定される所定の倍率αによって、
Pm1=Ps+α (Psは低圧空間5の圧力)
で制御されている。
Pm1=Ps+α (Psは低圧空間5の圧力)
で制御されている。
他方、揺動スクロール9の台板部9aに設けられた抽気孔9cは、コンプライアントフレーム11に設けられた連通穴11fと、常時もしくは間欠的に連通する。このため、固定スクロール8と揺動スクロール9とで形成される圧縮室からの圧縮途上の冷媒ガスが、揺動スクロール9の抽気孔9c、コンプライアントフレーム11の連通穴11fを介して空間10fに導かれる。したがって、空間10fの中間圧力Pm2は、抽気孔9cが実質的に連通する圧縮室の位置でほぼ決定される所定の倍率βによって、
Pm2=Ps×β (Psは低圧空間5の圧力)
で制御される。
Pm2=Ps×β (Psは低圧空間5の圧力)
で制御される。
上記の構成、すなわち2つの中間圧力Pm1、Pm2及びコンプライアントフレーム11の下端面11hに作用する高圧空間4の高圧圧力により、コンプライアントフレーム11はガイドフレーム10により軸方向に案内され固定スクロール側(図1において上方)に浮き上がる。したがって、スラスト軸受11dを介してコンプライアントフレーム11に押し付けられている揺動スクロール9も同じく上方に浮き上がり、その結果揺動スクロール9の歯先と歯底は、固定スクロール8の歯底と歯先にそれぞれ接触・摺動して圧縮室を形成する。そして、圧縮室は、その容積を減じながら冷媒ガスを圧縮していくが、このとき固定スクロール8の歯先と歯底は揺動スクロール9の歯底と歯先にそれぞれ接触・摺動していくことになるので、冷媒ガスの漏れが少ない高効率な圧縮機が得られる。
また、起動時や液圧縮時など、揺動スクロール9に作用するスラスト方向ガス負荷Fgthが大きくなると、揺動スクロール9はスラスト軸受11dを介してコンプライアントフレーム11を反固定スクロール側(電動機2側、図1において下方)に押し下げるので、揺動スクロール9の歯先や歯底と固定スクロール8の歯底や歯先との間には比較的大きな隙間が生じ、この隙間より圧力リリーフするので、圧縮室内の異常な圧力上昇が回避され、渦巻や軸受の損傷が少ない信頼性の高い回転圧縮機が得られる。
ただし、コンプライアントフレーム11のスラスト部11dの形状について、図3、図4を使用して説明する。図3は、コンプライアントフレームのスラスト部の形状を説明するための図、図4は、揺動スクロールとコンプライアントフレームが傾斜した状態を説明するための図である。例えば、図3に示すようにスラスト部11dが中凸形状の場合には、図4に示すように揺動スクロール9がコンプライアントフレーム11のスラスト面11dに沿って外周側方向に転覆するため、この揺動スクロールの転覆力により揺動スクロールのスラスト荷重を支持するコンプライアントフレーム11も揺動スクロール9と同方向に転覆する恐れがある。コンプライアントフレーム11が転覆すると、主軸受け11bも転覆することになるので、駆動軸が主軸受け11bに対して傾斜するため傾斜軸受けとなり、駆動軸の焼付き等の圧縮機故障の原因となる。
しかしながら、本実施の形態では、図2に示すとおり、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受(コンプライアントフレームスラスト部)11dを外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状に加工しているので、揺動スクロール9のスラスト方向ガス負荷Fgthをスラスト軸受(コンプライアントフレームスラスト部)11dの外周側で受けることになり、揺動スクロール9はコンプライアントフレーム11のスラスト軸受(コンプライアントフレームスラスト部)11d上で傾斜することなく安定して公転運動が行える。このため、揺動スクロール9は転覆することなく、固定スクロール8の歯底と歯先が揺動スクロール9の歯先と歯底にそれぞれが側面を含め歯全面で接触することができ、漏れロスの極小化を実現でき、高性能な圧縮機を得ることができる。また、揺動スクロール9が安定して公転運動するため、コンプライアントフレーム11も傾斜することなく安定した挙動を示すため、コンプライアントフレーム11に設けられた主軸受け11bの損傷等を防ぐことができ、圧縮機の故障の生じない信頼性の高い圧縮機がえられる。
また、コンプライアントフレーム11のスラスト部(コンプライアントフレームスラスト部)11dを中凹形状にしていることより、揺動スクロール9のスラスト部(揺動スクロールスラスト部)9gとコンプライアントフレーム11のスラスト部(コンプライアントフレームスラスト部)11dの間の接触面に隙間ができるため、この隙間を通り、揺動スクロール9のスラスト部(揺動スクロールスラスト部)9gとコンプライアントフレーム11のスラスト部(コンプライアントフレームスラスト部)11dの間の接触面間に油が供給されやすくなり、スラスト軸受けの損傷等を防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態では、密閉容器3内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯8b、9bが相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロール8および揺動スクロール9と、この揺動スクロール9の背面に設けられた9gを軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部11dを有し、軸方向に移動可能なように設けられたコンプライアントフレーム11と、このコンプライアントフレーム11を半径方向に支持するガイドフレーム10と、を供え、前記コンプライアントフレームスラスト部11dの形状を外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状にしているので、漏れロスの極小化を実現でき、高性能な圧縮機を得ることができ、コンプライアントフレーム11に設けられた主軸受け11bの損傷等を防ぐことができ、圧縮機の故障の生じない信頼性の高い圧縮機が得られる。また、揺動スクロール9の板状渦巻歯9bに対して反対側(背面側)に設けられた揺動スクロールスラスト部9gは、コンプライアントフレームスラスト部11d上を摺動するので、揺動スクロールスラスト部9gの形状も外周部よりも中心部の方が凹んだを中心凹形状にすれば、スラスト軸受部に潤滑油が供給されやすくなり、スラスト軸受けの損傷等も防ぐことができる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部拡大図、図6は本発明の実施の形態2を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部平面図である。図において、実施の形態1、図1〜図4と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、給油溝11iが、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dに設けられており、この給油溝11iは、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dの内周側の空間11aと連通しており、油はこの空間11aより給油溝11iに供給される。ここで、実施の形態1で説明したコンプライアントフレームスラスト部11dや揺動スクロールスラスト部9gを中心中凹形状にしておけば、揺動スクロールの安定性が確保できるので、本実施の形態と組合せた方が良いが、組合せなくても良い。
図5は本発明の実施の形態2を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部拡大図、図6は本発明の実施の形態2を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部平面図である。図において、実施の形態1、図1〜図4と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、給油溝11iが、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dに設けられており、この給油溝11iは、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dの内周側の空間11aと連通しており、油はこの空間11aより給油溝11iに供給される。ここで、実施の形態1で説明したコンプライアントフレームスラスト部11dや揺動スクロールスラスト部9gを中心中凹形状にしておけば、揺動スクロールの安定性が確保できるので、本実施の形態と組合せた方が良いが、組合せなくても良い。
本実施の形態において、給油溝11iは、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け部(コンプライアントフレームスラスト部)11d面上に周方向に向って設けられた少なくとも1つ以上の円周部11kと、この円周部11kに連通し、コンプライアントフレームスラスト部11dの内周側の空間11aにも連通するようにコンプライアントフレームスラスト部11dに少なくとも1箇所以上設けらた連通部11mと、から構成されている。
よって、密閉容器3の下部に貯留された潤滑油6は、駆動軸19に設けられた給油穴19aを通ってボス部空間9eに導かれる。そして、この高圧の潤滑油6は揺動軸受9dで減圧されて中間圧となり、コンプライアントフレームスラスト部11dの内周側の空間11aに流れる。そして、空間11aに到達した潤滑油は、連通部11mを介して円周部11kに導かれて、スラスト軸受け部を満遍なく潤滑することができる。
したがって、スラスト軸受け11dに給油溝11iを介して積極的に給油することが可能となり、スラスト軸受けの損傷等を防止でき信頼性の高いコンプライアントフレーム11を供えた圧縮機を得ることができる。また、実施の形態1で説明したようにコンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dを中凹形状にすれば、揺動スクロール9やコンプライアントフレーム11の転覆(傾斜)を防止でき、低騒音で信頼性の高い圧縮機を得ることができる。また、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dに過渡の荷重がかからなくなるため、コンプライアントフレーム11も安定した挙動をしめすことができる。このため、コンプライアントフレームに設けられた主軸受け11bの損傷等も防ぐことが可能となる。
以上のように本実施の形態では、密閉容器3内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯8b、9bが相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロール8および揺動スクロール9と、この揺動スクロール9の背面に設けられた揺動スクロールスラスト部9gを軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部11dを有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレーム11と、このコンプライアントフレーム11を半径方向に支持するガイドフレーム10と、コンプライアントフレーム11のコンプライアントフレームスラスト部11dの中心側で、かつ揺動スクロール9の背面側に形成され、吐出圧力より低く、吸入圧力より高い中間圧力空間を形成する揺動スクロール背面空間である空間11aと、を供え、コンプライアントフレームスラスト部11dに潤滑油を供給する給油溝11k、11mを設けたので、信頼性の高いコンプライアントフレーム11を供えた圧縮機を得ることができる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部拡大図、図8は本発明の実施の形態3を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部平面図である。図において、実施の形態1、2、図1〜図6と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。実施の形態2では給油溝をコンプライアントフレーム11のスラスト部(揺動スクロール側)に設けるようにしているが、本実施の形態では、揺動スクロール9のコンプライアントフレーム11側(スラスト軸受け側)に給油溝9fを設けている。給油溝9fは、揺動スクロール9のスラスト軸受け(揺動スクロールスラスト部)9g側に設けられており、揺動スクロール9が偏心して駆動軸19に設けられているため揺動スクロール9が揺動運動を行うと、給油溝9fも偏心して回転するので、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け部11dよりも内周側に形成される揺動スクロール背面空間である空間11aと間欠的に連通する構成としている。
図7は本発明の実施の形態3を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部拡大図、図8は本発明の実施の形態3を表すコンプライアントフレームを有する圧縮機の要部平面図である。図において、実施の形態1、2、図1〜図6と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。実施の形態2では給油溝をコンプライアントフレーム11のスラスト部(揺動スクロール側)に設けるようにしているが、本実施の形態では、揺動スクロール9のコンプライアントフレーム11側(スラスト軸受け側)に給油溝9fを設けている。給油溝9fは、揺動スクロール9のスラスト軸受け(揺動スクロールスラスト部)9g側に設けられており、揺動スクロール9が偏心して駆動軸19に設けられているため揺動スクロール9が揺動運動を行うと、給油溝9fも偏心して回転するので、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け部11dよりも内周側に形成される揺動スクロール背面空間である空間11aと間欠的に連通する構成としている。
そして揺動スクロール9の背面に形成された給油溝9fが空間11aと間欠的に連通することによって、空間11a内に供給・貯留された潤滑油6が揺動スクロール背面に設けられた給油溝9f内に供給される。したがって、スラスト軸受け(揺動スクロールスラスト部)9gに積極的に潤滑油を供給することが可能となり、スラスト軸受けの損傷等を防ぐことができ、信頼性の高いコンプライアントフレーム11を供えた圧縮機を得ることができる。また、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dに過渡の荷重がかからなくなるため、コンプライアントフレーム11も安定した挙動をしめすことができ、コンプライアントフレーム11の主軸受け11bの損傷も防ぐことができる。
また、実施の形態1で説明したようにコンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dを中凹形状にすれば、揺動スクロール9やコンプライアントフレーム11の転覆(傾斜)を防止でき、低騒音で信頼性の高い圧縮機を得ることができる。また、コンプライアントフレーム11のスラスト軸受け11dに過渡の荷重がかからなくなるため、コンプライアントフレーム11も安定した挙動をしめすことができる。このため、コンプライアントフレームに設けられた主軸受け11bの損傷等も防ぐことが可能となる。また、実施の形態2と組合せれば、スラスト軸受け9gへの潤滑油の供給が確実にでき、更なる信頼性の高い圧縮機を得ることができる。また、本実施の形態に実施の形態1、2をすべて組合せれば、本実施の形態の効果に加えて、実施の形態1や実施の形態2の効果も得ることができる。
以上のように、密閉容器3内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯8b、9bが相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロール8および揺動スクロール9と、この揺動スクロール9の背面に設けられた揺動スクロールスラスト部9gを軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部11dを有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレーム11と、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレーム10と、コンプライアントフレームスラスト部11dの中心側で、かつ揺動スクロール9の背面側に形成され、吐出圧力より低く、吸入圧力より高い中間圧力空間を形成する揺動スクロール背面空間である空間11aと、を供え、揺動スクロールスラスト部9gに空間11aと間欠的に連通する給油溝を設けたので、スラスト軸受け(揺動スクロールスラスト部)9gに積極的に潤滑油を供給することが可能となり、スラスト軸受けの損傷等を防ぐことができ、信頼性の高いコンプライアントフレーム11を供えた圧縮機を得ることができる。
1 圧縮機構部、2 電動機部、2a 固定子、2b 回転子、3 密閉容器、3a 内壁、4 高圧空間、5 低圧空間、6 潤滑油、8 固定スクロール、8a 台板部、8b 板状渦巻歯、9 揺動スクロール、9a 台板部、9b 板状渦巻歯、9c 抽気孔、9d 揺動軸受、9e ボス部空間、9f 給油溝、9g 揺動スクロールスラスト部、10 ガイドフレーム、10a 連通穴、10c 内周面、10d 内周面、10e 内側面、11 コンプライアントフレーム、11a 空間、11b 主軸受、11c シール溝、11d コンプライアントフレームスラスト部、11e 外側面、11f 連通穴、11g 逆止弁、11h 下端面、11i 給油溝、11k 円周部、11m 連通部、12 オルダムリング、19 駆動軸、19a 高圧油給油穴、19b 横穴、14 上シール材、15 下シール材。
Claims (7)
- 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を供え、前記コンプライアントフレームスラスト部の形状を外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状にしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 前記揺動スクロールスラスト部の形状を外周部よりも中心部の方が凹んだを中心凹形状にしたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、前記揺動スクロールと前記コンプライアントフレームとの間に形成され、吐出圧力より低く、吸入圧力より高い中間圧力空間を形成する揺動スクロール背面空間と、を供え、前記コンプライアントフレームスラスト部に潤滑油を供給する給油溝を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 前記コンプライアントフレームスラスト部の給油溝が前記揺動スクロール背面空間と連通することを特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
- 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、前記揺動スクロールと前記コンプライアントフレームとの間に形成され、吐出圧力より低く、吸入圧力より高い中間圧力空間を形成する揺動スクロール背面空間と、を供え、前記揺動スクロールスラスト部に給油溝を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 前記揺動スクロールスラスト部の給油溝が前記揺動スクロール背面空間と常時あるいは間欠的に連通するようにしたことを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
- 密閉容器内に設けられ、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、この揺動スクロールの背面に設けられた揺動スクロールスラスト部を軸方向に支持するコンプライアントフレームスラスト部を有し、軸方向に移動可能なコンプライアントフレームと、このコンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、前記揺動スクロールと前記コンプライアントフレームとの間に形成され、吐出圧力より低く、吸入圧力より高い中間圧力空間を形成する揺動スクロール背面空間と、前記コンプライアントフレームスラスト部に設けられ、前記揺動スクロール背面空間に連通する給油溝と、を供え、前記コンプライアントフレームスラスト部を外周部よりも中心部の方が凹んだ中心凹形状にしたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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2004
- 2004-03-30 JP JP2004099970A patent/JP2005282511A/ja active Pending
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