JP2008267141A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
Noboru Iida
飯田  登
Tsutomu Tsujimoto
力 辻本
Ryuichi Ono
竜一 大野
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Abstract

【課題】高温高圧縮比運転時の旋回スクロール背面接触回避と低圧縮比運転時の離反状態からの回復を両立する、信頼性と性能安定性が高いスクロール圧縮機を提供すること。
【解決手段】本体フレーム5のスラスト拘束面5aと締結面5bとの高さHを円周方向に沿って変化させることで、いかなる運転状態でも旋回スクロール背面9cと本体フレームスラスト拘束面5aとの軸方向微小隙間Δhを適切に保持して異常摩耗や圧縮機のロック、過渡時の旋回スクロール9の離反を抑制することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
従来のスクロール圧縮機では、鏡板上に渦巻きラップを形成した固定スクロールと旋回スクロールをかみ合わせ複数の圧縮室を形成し、旋回スクロールに偏心部を有するクランク軸を連結させ、オルダムリングを用いて自転を防止し旋回運動をさせることで、中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行っていくスクロール圧縮機において、旋回スクロールは固定スクロールとクランク軸を支持する本体フレームとの間に収容され、軸方向に微小な隙間を設けて旋回スクロールが運動可能になっている。
この軸方向隙間が大きすぎると、旋回スクロールが本体フレーム側に寄って運転された場合にはラップ上面の隙間が大きくなって各圧縮室間の冷媒漏れにより、圧縮効率と体積効率の低下を引き起こす。
逆にガス力によって旋回スクロールが固定スクロール側に寄って運転された場合には過圧縮運転時に旋回スクロールが固定スクロールから完全に離反し、元に戻らなくなるために同様に圧縮効率と体積効率の低下を引き起こす。これは特に起動時に発生しやすく、旋回スクロール背面の圧力を上昇させることができず、完全な離反状態から回復が困難となる。
これらの課題を解決するため,特許文献1では図9のとおり、旋回スクロール109のラップ支持円板109bを固定スクロール106と本体フレーム105とで微小隙間を保って狭持するようにすることで、起動時から安定した軸方向押し付け力を得て冷媒漏れを抑制している。
特開昭55−142902号公報
しかしながら、特許文献1に示すような従来の構成では、過負荷運転等の吐出ガス温度の高い運転条件で旋回スクロール、固定スクロールおよび本体フレームが熱膨張したとき、旋回スクロールの表裏に設けられた軸方向の微小隙間が縮小し、最悪の場合には微小隙間が無くなって各部品の摺動面が異常摩耗するか、旋回スクロールがロックすることがある。
この問題を解決するためには、軸方向の微小隙間を大きめに設定し、高温運転時でも微小隙間が確保できるようにする必要がある。
一方、微小隙間が大きすぎると、起動直後等の低圧縮比運転時に旋回スクロールが固定スクロールから離反して冷媒漏れが極端に増加し、正常運転状態への回復が困難になる。
本発明は、前記相反する従来の課題を解決するもので、軸方向微小隙間を円周方向に沿って変化させることで、高温高圧縮比運転時に最も小さくなる位置の微小隙間を確保して異常摺動を防止すると同時に、低圧縮比運転時に旋回スクロールが離反する位置の微小隙間を小さくして離反状態からの回復を容易にすることができる、高信頼性と安定性能を兼ね備えたスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、本体フレームの固定スクロールとの締結面と本体フレームスラスト拘束面との距離Hが円周方向に沿って変化するものである。
従来の構成では固定スクロールと本体フレームとの間で旋回スクロールが移動可能な軸方向の微小隙間を非常に小さく設定して起動時の離反からの回復を容易にして安定運転を実現させていた反面、高温高圧縮比運転時に軸方向微小隙間がゼロとなって摺動部の異常摩耗や圧縮機のロックが発生して信頼性を損なっていたものが、本構成によれば、起動時の安定運転と高信頼性を同時に実現することが可能である。
本発明のスクロール圧縮機は、本体フレームの固定スクロールとの締結面と本体フレームスラスト拘束面との距離Hを円周方向に沿って変化させることにより高信頼性化と起動時の性能安定化が可能である。
第1の発明は、固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に三日月形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して旋回スクロールが固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機構部を備え、密閉容器内に収容された電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸は旋回スクロールが収容される本体フレームによって支持されたスクロール圧縮機であって、旋回スクロールが固定スクロールに押圧されてスラスト摺動するとともに、本体フレームにはラップ支持円板の背面と微小な距離が確保された円環状のスラスト拘束面が設けられ、本体フレームの固定スクロールとの締結面とスラスト拘束面との距離Hが円周方向に沿って変化することにより、高温高圧縮比運転時に最も小さくなる位置の微小隙間を確保して異常摺動を防止すると同時に、低圧縮比運転時に旋回スクロールが離反する位置の微小隙間を小さくして離反状態からの回復を容易にすることができ、高信頼性と安定性能を実現可能である。
第2の発明は、特に、第1の発明のスクロール圧縮機において、旋回スクロールの表裏圧力差によるスラスト力がクランク角とともに周期的に変動し、スラスト力が概ね小さいクランク角、またはスラスト力が負となるクランク角の方向に対して反回転方向に概ね90度後退した位置において、本体フレーム締結面とスラスト拘束面との距離Hを概ね最小に設定している。
旋回スクロールにはガス力によって概ねクランク角の方向のモーメントが作用し、クランク角に対して概ね90度後退した位置が最も離反しやすい。特に低圧縮比運転時において旋回スクロールの離反しやすい位置での軸方向微小隙間を最小に設定することで、旋回スクロールの離反を大幅に抑制し、圧縮機起動直後でも安定的に圧縮を行うことができる。
第3の発明は、特に、第1の発明のスクロール圧縮機において、本体フレームのスラスト拘束面と対面する範囲で、旋回スクロールラップ支持円板の厚みが概ね大きい位置と、前記本体フレームの締結面と前記スラスト拘束面との距離Hが概ね最大となる位置とをほ
ぼ同じに設定している。
高温高圧縮比運転時、熱膨張および圧力変形によって旋回スクロール中心部は固定スクロールに特に強く押し付けられて運転されるため、旋回スクロールラップ支持円板中心部の焼き付きまたは異常摩耗への対策として中心部を外周部に対してやや凹に設定して面圧上昇を抑制している。
旋回スクロールラップ支持円板の凹形状は通常、旋回スクロールラップの伸開方向に沿って旋回スクロールラップ底面にスロープを設けて形成しているため、旋回スクロールラップ支持円板の厚みは中心点に対して点対称の分布とはならない。
そのため、従来の構成では運転中の旋回スクロール背面とスラスト拘束面との微小隙間は、スラスト拘束面に対応する範囲の旋回スクロールラップ支持円板厚みの最も大きい位置で最小となり、この位置での旋回スクロール背面とスラスト拘束面との接触が最も懸念される。
そこで、上記第3の発明の構成とすることで特に高温高圧縮比の運転条件となった場合でも旋回スクロールの軸方向微小隙間を全クランク角で確保でき、圧縮機ロックや異常摩耗なく高い信頼性を実現することが可能である。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、本体フレーム締結面とスラスト拘束面との距離Hが連続的かつなめらかに変化することにより、スラスト拘束面にエッジ部が無いため、低圧縮比運転時に旋回スクロールが離反してスラスト拘束面に接触したとき、または高温高圧縮比運転時に旋回スクロール背面がスラスト拘束面に接触したときにエッジ摺動による面圧の異常上昇を防止することができる。
第5の発明は、特に、第4の発明のスクロール圧縮機において、スラスト拘束面が平坦で、かつ本体フレーム締結面と傾きを持つことにより、スラスト拘束面の加工性が悪化することなく高信頼性と起動時の性能安定性を両立できるため、製造コストの上昇を抑制することが可能である。
第6の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、本体フレームのスラスト拘束面に段差、溝またはスロープを設けることにより、必要最低限の位置で旋回スクロールの軸方向微小隙間を大きく確保して旋回スクロール背面の接触を抑制し、他の位置では小さく設定して低圧縮比運転時の旋回スクロール離反状態からの回復を容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図1において、鉄製の密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する高圧雰囲気となり、その中央部に電動機3、上部に圧縮機構が配置され、電動機3の回転子3aに固定されたクランク軸4の一端を支承する圧縮機構の本体フレーム5が密閉容器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スクロール6が取り付けられている。
クランク軸4に設けられた主軸方向の油通路7は、その一端が給油ポンプ装置8に通じ、他端が最終的に旋回スクロール9の偏心軸受10に通じている。固定スクロール6と噛
み合って圧縮室11を形成する旋回スクロール9は、渦巻き状の旋回スクロールラップ9aと偏心軸受10とを直立させたラップ支持円板9bとからなり、固定スクロール6と本体フレーム5との間に配置されている。
固定スクロール6は、鏡板6aと渦巻き状の固定スクロールラップ6bとからなり、固定スクロールラップ6bの中央部に吐出口12、外周部に吸入室13が配置されている。
クランク軸4の主軸から偏心してクランク軸4の上端部に配置された偏心軸14は、旋回スクロール9の偏心軸受10と係合摺動すべく構成されている。旋回スクロールラップ支持円板9bの背面9cと、旋回スクロール9の軸方向への移動を規制する本体フレーム5に設けられたスラスト拘束面5aとの間は、微小な隙間が設けられている。本体フレーム5のスラスト拘束面5aには環状シール部材15が遊合状態で装着されており、その環状シール部材15はその内側の背面室16と外側の背圧室17とを仕切っている。
給油ポンプ装置8によって吸い上げられたオイルはクランク軸4の油通路7を通り旋回スクロール9の偏心軸受10と偏心軸14との間に形成された軸方向の内部空間18へ導かれ、一方は旋回スクロール9のラップ支持円板背面9cに設けられた絞り部19を経由して固定スクロール6と本体フレーム5とによって囲まれて形成される背圧室17へと通じ、旋回スクロール9を固定スクロールラップ6bに押さえつける機能を持った背圧調整弁20、オイル供給通路20aを通って吸入室13へと導かれる。もう一方は偏心軸受10、背面室17、主軸受21を通り圧縮機構外部へ排出される。
吐出口12の出口側を開閉する逆止弁装置22が固定スクロール6の鏡板6aの平面上に取り付けられており、その逆止弁装置22は薄鋼板製のリード弁22aと弁押さえ22bとからなる。
クランク軸4の下端は密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受け23により軸受けされ、安定に回転することができる。副軸受け23はジャーナル軸受け構成となっており、給油ポンプ装置8によって吸い上げられたオイルの一部が副軸受け23へと供給される。
圧縮機構にて圧縮されたガスは圧縮機構外周部付近に設けられた下向きガス流路24を通り、図示された点線矢印のごとく回転子3a上部へと導かれる。ここで主軸受け21などを潤滑後排出されたオイルと合流し、回転子3a内部に設けられた回転子通路3bを介して回転子3a下部へと到達後、ガスとオイルの混合流が遠心力によって固定子3c下部コイルエンドに衝突し、気液分離される。気液分離後のガスは固定子3c外周に設けられた固定子通路3dを介して電動機3上部へと導かれ、圧縮機構に設けられた図示されていない上向きガス流路を通って圧縮機構上側空間へ到達後、吐出管2から密閉容器1外部へと吐出される。
図2は図1における圧縮機構部拡大図で、旋回スクロール9は固定スクロール6に押し付けられて運転され、旋回スクロール9のラップ支持円板背面9cと本体フレーム5のスラスト拘束面5aとの間には微小な隙間が設けられている。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
図1において、吸入圧力よりもやや高めに設定された背圧室17内部の圧力と吐出圧力に維持された背面室16内部の圧力とによる軸方向上向きの力は、圧縮室11の圧力による軸方向下向きの力よりも常に大きくなるように設計され、旋回スクロール9が固定スクロール6から離反することによる体積効率および圧縮効率の低下を防止している。
しかしながら、起動時等の圧縮比が低く不安定な状態で旋回スクロール9が固定スクロール6から微小に離反した場合、旋回スクロールラップ支持円板9bのラップ底面9dと固定スクロールラップ6bの上面のスラスト摺動面6cとの間に微小隙間が発生し、その微小隙間を介して圧縮室11のガスが背圧室17へと漏れ込んで背圧室17のガスの体積比率が増加する。
一旦漏れが発生すると、圧力差のみによって離反状態から回復することは非常に困難であり、通常は旋回スクロール9の軸方向微小隙間を小さくして移動可能量を抑え,物理的に拘束することで対策を行っている。
しかし、吐出温度が非常に高くなって各部品に大きな熱膨張が発生した場合、旋回スクロール9の軸方向微小隙間が縮小し、最悪の場合にはゼロとなって旋回スクロール背面9cに異常な摩擦力が生じることで異常摩耗や旋回スクロール9のロックが引き起こされる。
したがって、旋回スクロール9の軸方向微小隙間は適切に確保する必要がある。
また、低圧縮比運転時に小さく抑えるべき軸方向隙間の周方向位置と高温高圧縮比運転時に大きく確保すべき周方向位置とは異なることがほとんどである。
図3は旋回スクロール9断面図であり、旋回スクロール9のラップ底面9dには外周に対して中心が凹になるように旋回スクロールラップ9aの長手方向に沿ってスパイラル状のスロープが設けられている。圧縮機が停止した状態や低圧縮比で運転された状態では大きな圧力差が生じないため、図4のように旋回スクロール9のラップ底面9dと固定スクロール6のスラスト摺動面6cとの間に隙間が存在する。一方、高圧縮比運転時にはガス力によって旋回スクロール9が固定スクロール6に強く押し付けられて固定スクロールスラスト摺動面6cに倣うため、図5に示すように旋回スクロール背面9cが上に凸に変形して運転される。
円環状のスラスト拘束面5aに対面する位置の旋回スクロールラップ支持円板9bの厚みは周方向に沿って変化しているため、スラスト拘束面深さHが一定の従来の構成の場合は,最も厚い位置で旋回スクロール背面9cの軸方向微小隙間Δhは最小となる。
図6は本実施の形態1における高圧縮比運転時の圧縮機構部拡大図で、スラスト拘束面5aは平坦であるとともに、本体フレーム5の固定スクロール6との締結面5bに対して傾きを持っており、締結面5bに対するスラスト拘束面5aの深さHは連続的に変化する。図6では説明のためにその傾きを誇張して表示している。
本体フレームのスラスト拘束面5aと締結面5bとの高さHが最大の位置と、スラスト拘束面5aに対向する旋回スクロールラップ支持円板9bの厚みが最大の位置とを一致させることで、運転中の旋回スクロール背面9cの軸方向微小隙間Δhを周方向に沿って概ね一定にすることができ、特に高温高圧縮比運転時の旋回スクロール背面9cと本体フレームスラスト拘束面5aとの接触による異常摩耗や圧縮機ロックを回避することが可能である。
一方、起動時等の低圧縮比運転時には、図7に示すように旋回スクロール背面9cの軸方向微小隙間Δhが周方向に沿って変化する。低圧縮比運転時、旋回スクロール9が固定スクロール6から離反しやすいクランク角は旋回スクロール9に加わるスラスト力が最小のときであり、そのクランク方向を軸としたモーメントによってクランク角から概ね90
度後退した位置で旋回スクロール背面9cと本体フレームスラスト拘束面5aとが接触しやすい。
したがって、この接触しやすい位置での軸方向微小隙間Δhを最小に設定することにより、離反時の旋回スクロール9の可動範囲を最小限に抑制し、旋回スクロール9が固定スクロール6から離反した状態を通常の固定スクロール6に押し付けられた状態に復元しやすくなる。
高温高圧縮比運転時に接触しやすい位置と低圧縮比運転時に接触しやすい位置を概ね180度ずらす設計を行うことは可能であり、それぞれの接触しやすい位置を本体フレームのスラスト拘束面5aと締結面5bとの高さHの最大、最小位置と一致させることで、圧縮機の高い信頼性と過渡時の性能安定性を両立することができる。
また、スラスト拘束面5aは平坦であるため、旋削や研削等による加工が可能となり、加工性が悪化することもない。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における本体フレーム5の斜視図である。
図8において、スラスト拘束面5aには段差5cが設けられ、平坦面5dとスロープで接続することによってスラスト拘束面5aと締結面5bとの高さHが周方向に連続的に変化するようにしている。
円環状のスラスト拘束面5aに対向する旋回スクロール背面9cにおいて、ラップ支持円板9bの厚みが最大の位置、すなわち高温高圧縮比運転時に接触しやすい位置と段差5cとを一致させることで異常摩耗や圧縮機のロックを回避して高信頼性を実現することが可能である。
一方で、低圧縮比運転時に接触しやすい位置では旋回スクロール9が離反状態となってもスラスト拘束面5aの平坦部5dで運動が拘束されるため、離反状態からの回復が容易で過渡時の性能安定性を実現することが可能である。
特に、スラスト拘束面5aと締結面5bとの高さHを段差5cによって変化させることにより、高温高圧縮比運転時に接触しやすい位置と低圧縮比運転時に接触しやすい位置を概ね180度対向させる必要がなく、既存設計品で対応することができる。
また、段差5cと平坦部5dとをスロープで接続することで、旋回スクロール9の離反運転時に接続点のエッジが旋回スクロール背面9cに接触して異常摩耗するという問題も回避することが可能である。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、軸方向微小隙間を円周方向に沿って変化させることで、高温高圧縮比運転時に最も小さくなる位置の微小隙間を確保して異常摺動を防止すると同時に、低圧縮比運転時に旋回スクロールが離反する位置の微小隙間を小さくして離反状態からの回復を容易にすることができ、高信頼性と安定性能を両立することが可能であり、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いたエアーコンディショナー用圧縮機のほかに、自然冷媒COを用いたエアーコンディショナーや特に高吐出温度の要求されるヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における縦型スクロール圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における圧縮機構部断面 本発明の実施の形態1における旋回スクロール断面図 本発明の実施の形態1における低圧縮比運転時の圧縮機構部断面図 本発明の実施の形態1における高圧縮比運転時の圧縮機構部断面図 本発明の実施の形態1における高圧縮比運転時の軸方向微小隙間説明図 本発明の実施の形態1における低圧縮比運転時の軸方向微小隙間説明図 本発明の実施の形態2における本体フレームの斜視図 従来の圧縮機構部拡大図
符号の説明
1 密閉容器
3 電動機
4 クランク軸
5 本体フレーム
5a スラスト拘束面
5b 締結面
5c 段差
6 固定スクロール
6a 鏡板
6b 固定スクロールラップ
9 旋回スクロール
9a 旋回スクロールラップ
9b ラップ支持円板
9c 背面
11 圧縮室
12 吐出口
13 吸入室

Claims (6)

  1. 固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して、旋回スクロールの一部をなすラップが支持円板上に直立するとともに、前記固定スクロールラップに類似した形状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に三日月形の対称形の一対の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じる吐出口を設け、前記固定スクロールラップの外側には吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対し旋回運動を行うことによって、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機構部を備え、密閉容器内に収容された電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するためのクランク軸は前記旋回スクロールが収容される本体フレームによって支持されたスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに押圧されてスラスト摺動するとともに、前記本体フレームには前記ラップ支持円板の背面と微小な距離が確保された円環状のスラスト拘束面が設けられ、前記本体フレームの前記固定スクロールとの締結面と前記スラスト拘束面との距離Hが円周方向に沿って変化することを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 旋回スクロールの表裏圧力差によるスラスト力がクランク角とともに周期的に変動し、スラスト力が概ね小さいクランク角、またはスラスト力が負となるクランク角の方向に対して反回転方向に概ね90度後退した位置において、本体フレーム締結面とスラスト拘束面との距離Hが概ね最小となるべく設定された請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 本体フレームのスラスト拘束面と対面する範囲で、旋回スクロールラップ支持円板の厚みが概ね大きい位置と、前記本体フレームの締結面と前記スラスト拘束面との距離Hが概ね最大となる位置とをほぼ同じくする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  4. 本体フレーム締結面とスラスト拘束面との距離Hが連続的かつなめらかに変化する請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. スラスト拘束面が平坦で、かつ本体フレーム締結面と傾きを持つ請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 本体フレームのスラスト拘束面に段差、溝またはスロープを設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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