JP2004124780A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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西木 照彦
Takeshi Fushiki
伏木 毅
Kiyoharu Ikeda
池田 清春
Eiji Watanabe
渡邊 英治
Takashi Sehata
瀬畑 崇史
Masao Tani
谷  真男
Fumiaki Sano
佐野 文昭
Shin Sekiya
関屋 慎
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Abstract

【課題】冷媒ガスを圧縮する際、主軸は軸方向に対して撓む。これにより、主軸スラスト面も傾き、軸スラスト面とスラストプレート接触角度が大きくなり、接触面圧が上昇し摺動面の摩耗が大きくなる。
【解決手段】主軸スラスト面に、中心部が外周部に対して凸となるような傾斜を設けることにより、主軸スラスト面とスラストプレートとの接触角度を低減でき、それにより接触面圧を小さくできる。スラスト面の摺動面に油を給油するための溝を設け前記主軸スラスト面の摺動面に油を給油するための溝を設けた主軸とスラストプレート間の摩耗を防止する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷凍空調機器に使用される冷媒圧縮機に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図15を用いて具体的に説明する。図は従来の冷凍空調用に使用されるスクロール圧縮機である。図で密閉容器10の内側に電動要素とスクロール圧縮要素とが内蔵されている。前記電動要素は前記密閉容器10の内壁面側に固定されたステータ25と、このステータ25の内側に回転自在に支持されたロータ8とからなり、このロータ8には回転軸4が貫通状態に結合されている。この回転軸4の一端は上記スクロール圧縮要素の一部を構成する支持フレーム35に回転自在に支持されている。電動要素を挟んで圧縮要素の反対側には密閉容器10の内壁面に固定されたサブフレーム6が設けられこのサブフレーム6の内側は前記回転軸を回転自在に支持する副軸受け6aが設けられている。さらに前記サブフレーム6には前記回転軸4を軸端面4eで軸方向に支持するスラストプレート21を備えている。主軸4の中央部には軸方向に貫通した油穴4gが設けられているが、この油穴4gに冷凍機油を供給するため、軸下端において油穴4gにオイルパイプ41を取り付け、このオイルパイプ41の下端面を密閉容器10下部の冷凍機油10eに没するようにしている。
【0003】
前記支持フレーム35に貫通する状態に支持された上記回転軸4の一端部はその中心が前記回転軸4の軸芯と偏芯して設けたピン部(クランク部)4bとして形成されており、このピン部4bには揺動スクロール2が連接されている。この揺動スクロール2は円盤状に形成されており一側面の中央部に上記ピン部4bが接続されるボス穴部2cが形成されている。この揺動スクロール2の他側面には渦巻き形状の板状渦巻歯2bが一体に形成されている。また、前記支持フレーム35には、固定スクロール1が結合されている。この固定スクロール1には前記揺動スクロール2に対面する部分に渦巻き形状のラップ1bが形成されており、前記板状渦巻歯2bとの間に複数の圧縮室を形成している。これらの圧縮室は吸入管37を経て外周部で冷媒ガスを吸込み、漸次中心に移動していくことで容積を縮小して冷媒ガスを圧縮し、圧縮された冷媒ガスは固定スクロール1の他側面の中央部に設けた吐出ポート1fから密閉容器内10の高圧空間内に吐出され、この空間で同伴した冷凍機油が分離され、脈動が低減され吐出管39から吐出される。
【0004】
図16にサブフレーム6近傍を拡大して示すように、オイルパイプ41から副軸受6aの摺動部への冷凍機油を供給するために回転軸4に横穴4kが設けられており、矢印で示したようにオイルパイプ41から回転軸横穴4kを経て副軸受6aの摺動部へ供給された冷凍機油は、回転軸4に設けられた給油溝4hを通って上方に流れて摺動部を潤滑して吐出されるようになっている。そして、スラストプレート21にはクリアランス6bに流れ込んだ少量の冷凍機油を外部に逃がすための穴21aが前記クリアランス6bに連通して設けられている。給油溝4hの下方の前記回転軸4と前記サブフレーム6との間の前記クリアランス6bに流れ込んだ少量の冷凍機油は穴21aを経て外部に逃がすことができ、外部に出た冷凍機油は循環使用されるので冷凍機油の停滞や劣化を防止できる。(例えば特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平11−182473号公報(第2−3頁、第2図、第5図)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のスクロール圧縮機では、冷媒ガスを圧縮した時、主軸スラスト面が主軸の撓みにより傾くことを考慮しておらず、主軸スラスト面とスラストプレートが片あたりし面圧が高まるため、摩耗量が大きくなることがある。また主軸スラスト面への冷凍機油の供給が積極的になされていないため、主軸スラスト面の油切れが発生し、焼き付き、異常摩耗が発生することがある。またスラストプレートにはクリアランスに流れ込んだ少量の冷凍機油を外部に逃がすための穴がクリアランスに連通して設けられているが、冷凍機油が少量しか流れない場合、スラストプレートで発生した摩耗粉を除去できず、スラスト面の摩耗が大きくなることがある。さらに軸の材料とスラストプレートの材料について特別に考慮されておらず、焼きつきに至る可能性があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、この発明の目的は冷媒ガスを圧縮したときに生じる主軸の撓みによる主軸スラストの傾きを考慮し、主軸スラスト面とスラストプレートとの接触角を小さくし、接触面圧を小さくするものである。さらにこの発明の目的は、主軸スラスト面への冷凍機油の供給を積極的に行うものである。またこの発明の目的は、主軸スラスト面とスラストプレート凝着を防止するものである。次いで、この発明の目的は、副軸受け下部に設けられた主軸側面とサブフレーム内側で構成される隙間に密閉容器下部に溜まっている冷凍機油を満たし、主軸スラスト面とスラストプレートを常に冷凍機油中にあるようにするものである。また、この発明の目的は主軸が過度的に浮上した場合でも、主軸に締結したバランスウェイトの上端面と揺動スクロールスラスト面が接触することのない信頼性に優れたスクロール圧縮機を得るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスクロール圧縮機において、スラストプレートの場面において摩耗を低減するよう主軸のスラスト面を中心部が凸となる形状にしたものである。
【0009】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記スラスト面の摺動面に油を給油するための溝を設け前記主軸スラスト面の摺動面に油を給油するために主軸に溝を設けたものである。
【0010】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記主軸スラスト面より硬度が高い材料の前記スラストプレートを備えたものである。
【0011】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記サブフレームに前記サブフレームの内径と前記主軸外周によって構成される隙間と密閉容器内側の冷凍機油が溜まっている空間とを連通する溝または穴を設けたものである。
【0012】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記スラストプレートに前記サブフレームの内径と前記主軸外周によって構成される隙間と、密閉容器内側の冷凍機油が溜まっている空間とを連通する溝または穴を設けたものである。
【0013】
この発明に係るスクロール圧縮機において、揺動スクロールのボス部の底部と主軸上端面の隙間を前記揺動スクロールのスラスト面と主軸に締結したバランスウェイト上端面の隙間よりも小さくするように配置したものである。
【0014】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記主軸スラスト面に対するテーパ傾斜に対し略接触角と同等にしたものである。
【0015】
この発明に係るスクロール圧縮機において、前記スラストプレートを保持する前記スラストホルダーを前記サブフレームと別体としたものである。
【0016】
この発明に係るスクロール圧縮機において、焼入した炭素鋼を前記スラストプレートとし、焼入しない高速度鋼を前記主軸として組合せたものである。
【0017】
この発明に係るスクロール圧縮機において前記主軸の径Dと前記テーパTの比率を主軸の半径であるD/2を用い、T/(D/2)=6×10−4としたことを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図6において、本発明の実施の形態1の説明を行なう。図1において示す内容を説明する。本発明の実施の形態1の縦断面図である。固定スクロール1はその外周部をガイドフレーム15にボルト(図示せず)によって締結されており、また台板部1aの一方の面(図において下側)には板状渦巻歯1bが形成されていると同時に、外周部には2個1対のオルダム案内溝1cがほぼ一直線上に形成される。このオルダム案内溝1cにはオルダム機構9の2個1対の固定側キー9cが往復摺動自在に係合されている。前記電動要素は前記密閉容器10の内壁面側に固定されたステータ25と、このステータ25の内側に回転自在に支持されたロータ8とからなり、このロータ8には回転軸4が貫通状態に結合されている。また、揺動スクロール2は、台板部2aの一方の面(図において上側)には前記固定スクロール1の板状渦巻歯1bと実質的に同一形状の渦巻歯である板状渦巻歯2bが形成されている。前記固定スクロール1には前記揺動スクロール2に対面する部分に渦巻き形状のラップ1bが形成されており、前記板状渦巻歯2bとの間に複数の圧縮室を形成している。これらの圧縮室は吸入管37を経て外周部で冷媒ガスを吸込み、漸次中心に移動していくことで容積を縮小して冷媒ガスを圧縮し、圧縮された冷媒ガスは固定スクロール1の他側面の中央部に設けた吐出ポート1fから密閉容器内10の高圧空間内に吐出され、この空間で同伴した冷凍機油が分離され、脈動が低減され吐出管39から吐出される構成となっている。また台板部2aの前記板状渦巻歯2bと反対側の面(図において下側)の中心部には中空円筒状のボス部2fが形成されている。この前記ボス部2fの内側面には揺動軸受2cが形成されている。また前記ボス部2fと同じ側の面の外周部に、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。また前記揺動スクロール2の台板部2aの外周部には、前記固定スクロールのオルダム案内溝1cとほぼ90度の位相差を持つ2個1対のオルダム案内溝2eがほぼ一直線上に形成されており、このオルダム案内溝2eにはオルダム機構9の2個1対の揺動側キー9aが往復摺動自在に係合されている。揺動スクロールの台板部2aには、前記固定スクロール1側の面(図1において上側の面)と、前記コンプライアントフレーム3側の面(図1において下側の面)とを連通する細い穴である抽気孔2jが形成されている。そしてこの抽気孔2jのコンプライアントフレーム側の面の開口部、すなわち下開口部2kは通常運転時にはその円軌跡がコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように配置されている。
【0019】
更に、図1に基づき構成を説明する。前記コンプライアントフレーム3の中心部には、電動機によって回転駆動される主軸4を半径方向に支持する主軸受3cおよび補助主軸受3hが形成されている。更に、前記コンプライアントフレーム3には主軸に締結され、回転系のバランスをとるバランスウェイト20を収納するバランスウェイト収納空間3jが形成されている。また前記コンプライアントフレーム3には、前記揺動スクロール下開口部2kと対峙する位置にスラスト軸受3aからフレーム空間15fに連通する連通穴3sが形成されている。また、前記コンプライアントフレーム3には、バランスウェイト収納空間3jの圧力を調整する弁3t、バネ押え3l、中間圧調整バネ3mを収納するための中間圧調整弁収納空間3pが設けられている。そして前記中間圧調整スプリング3mは自然長より縮められて収納されている。
【0020】
ガイドフレーム15の内側面の前記固定スクロール側(図1において上側)には、上嵌合円筒面15aが形成されており、コンプライアントフレーム3の外周面に形成された上嵌合面3dと係合されている。他方、前記ガイドフレーム15の内側面の電動機側(図1において下側)には、下嵌合円筒面15bが形成されており、前記コンプライアントフレーム3の外周面に形成された下嵌合円筒面3eと係合されている。また、前記ガイドフレーム15の内側面には前記コンプライアントフレーム3の座面3fと接触することによって、前記コンプライアントフレーム3の軸方向の移動を規制するための座面15mが設けられている。
【0021】
前記ガイドフレーム15の前記内側面と前記コンプライアントフレーム3外側面とによって形成されるフレーム空間15fは、その上下をリング状の上シール材16a、16bで仕切られている。ここでは、ガイドフレーム内周面にシール材を収納するリング状のシール溝が2ヶ所に形成されているが、このシール溝はコンプライアントフレーム外周面に形成されていてもよい。また、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3a外周側の空間、すなわち揺動スクロール2の台板外周部空間2iは吸入ガス雰囲気(吸入圧)の低圧空間となっている。
【0022】
前記主軸4の揺動スクロール側(図1において上側)端部には、前記揺動スクロール2の揺動軸受2cと回転自在に係合する揺動軸部4bが形成されており、その下側には前記コンプライアントフレーム3の主軸受3cおよび補助主軸受3hと回転自在に係合する主軸部4cが形成されている。そして前記揺動軸部4bと前記主軸部4cの間には鍔4jが形成され、回転系のバランスをとるためのバランスウェイト20が締結されている。また前記主軸4の他端部には、外周部が密閉容器10に固定されたサブフレーム6の副軸受6aと回転自在に係合する副軸部4dが形成されており、この副軸部4dと前述した前記主軸部4cとの間に電動機回転子8が焼嵌られている。さらに前記主軸4の下端面には主軸を軸方向に指示するためのスラスト軸端面4eが形成されており、サブフレーム6に取り付けられたスラストプレート21と圧接摺動可能に係合している。
【0023】
図2を用いて前記主軸のスラスト軸端面4eとスラストプレート間の摺動を説明する。図における前記主軸4のスラスト軸端面4eは中心部が外周部に対して凸となるような傾斜を設けるとともに、油溝4fが設けられている。この場合、ある相対する2面の内1面におけるある区域における凸状態とは、概平面である相手面との距離において隣接区域より接近した状態である。更にこのある区域例えば図2(a)、(b)で円筒下端面における中心点から見て下端面内で隣接する区域例えば外周部に向かって、水平面に対し連続的に相手面との距離が増加する場合をテーハ゜状態を形成するという。また、主軸スラスト面4eとスラストプレート21の相互2部材に関して硬度差を設けるか、または異種材料を使用することによって共金作用による凝着を防ぐことができる。図に示すように、この主軸4の下端面である前記スラスト端面4eと前記スラストプレート21は前記密閉容器10の底部に溜まった前記冷凍機油10eに常に浸かっている。
【0024】
図1を用いて前記主軸のスラスト軸端面4eと前記スラストプレート21間の摺動を説明する。前記サブフレーム6には前記副軸受6aと前記サブフレーム6に取り付けられたスラストプレート21の間に主軸4の外周部とサブフレーム6の内径部によって構成されるクリアランス6bが構成されている。そして、サブフレーム6には前記クリアランス6bと密閉容器下部の冷凍機油が溜まっている空間とを連通する連通穴または溝6cが設けられている。これにより、このクリアランス6bは密閉容器下部の冷凍機油10eと同じ油面高さを保つことができ、軸スラスト端面4eとスラストプレート21は十分な油を供給される。
【0025】
次に、図1に基づいて、スクロール圧縮機の動作について説明する。定常運転時には密閉容器空間10dが吐出ガス雰囲気の高圧となるので、密閉容器10の底部の冷凍機油10eは主軸4に軸方向に貫通して設けられた高圧油給油穴4gを図1において上方向に向かって流れる。前記揺動スクロール2のボス部空間2gに導かれた高圧油は揺動軸受2cで減圧されて吸入圧より高く、吐出圧以下の中間圧となり、前記コンプライアントフレーム3のバランスウェイト収納空間3jに流れる。他方もう一つの径路として、前記高圧油給油穴4gの高圧油は、前記主軸4に設けられた横穴から前記主軸受3cの高圧側端面(図1において下端面)に導かれ、この前記主軸受3cで減圧されて中間圧となり、同じく前記コンプライアントフレーム3のバランスウェイト収納空間3jに流れる。前記バランスウェイト収納空間3jの中間圧となった冷凍機油10e(冷凍機油に溶解していた冷媒の発砲で、一般にはガス冷媒と冷凍機油の2相流になっている)は、前記中間圧調整弁収納空間3pを通る際に前記中間圧調整スプリング3mによって負荷される力に打ち勝って前記中間圧調整弁3tを押し上げて前記フレーム空間15hに流れ、その後前記調整弁後流路3nを通って前記オルダム機構9の環状部9bの内側に排出される。他方、もう1つの径路として、前記揺動スクロール2の前記スラスト面2dと前記コンプライアントフレーム3の前記スラスト軸受3aの摺動部に給油したあと、前記オルダム機構9の前記環状部9bの内側に排出される。そして、これらから排出された油は前記オルダム機構9の前記環状部9bの摺動面およびキー摺動面に給油した後、前記台板外周部空間2iに開放される。 以上に説明したように、前記バランスウェイト収納空間3jの中間圧力Pm1は、前記中間圧調整スプリング3mのバネ力と前記中間圧調整弁3tの中間圧露出面積とによってほぼ決定される所定の圧力αによって、Pm1=Ps+α(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)で制御されている。
【0026】
他方、前記揺動スクロール2の前記台板部2aに設けられた前記抽気孔2jの前記下開口部2kは前記コンプライアントフレーム3に設けられた前記連通穴3sの前記スラスト軸受開口部すなわち前記上開口部3u(図1において上側の開口部)と、常時もしくは間欠的に連通する。このため、前記固定スクロール1と前記揺動スクロール2とで形成される圧縮室からの圧縮途上の吸入圧より高く、吐出圧力以下の中間圧の冷媒ガスが、前記揺動スクロール2の抽気孔2jおよび前記コンプライアントフレーム3の連通穴3sを介して前記フレーム空間15fに導かれる。但し導かれるといっても前記フレーム空間15fは前記上シール材16aと下シール材16bとで密閉された閉空間なので、定常運転時は圧縮室の圧力変動に呼応して圧縮室と前記フレーム空間15fとは双方向に微少な流れを有する、いわば呼吸している状態となる。以上に説明したように、前記フレーム空間15fの中間圧Pm2は、連通する圧縮室の位置でほぼ決定される所定の倍率βによって、Pm2=Ps×β(Psは吸入雰囲気圧力すなわち低圧)で制御される。
【0027】
さて、前記コンプライアントフレーム3には、前記バランスウェイト収納空間3jの中間圧Pm1に起因する力およびスラスト軸受3aを介しての前記揺動スクロール2からの押し付け力の合計が下向きの力として作用するものの、前記フレーム空間15fの中間圧Pm2に起因する力および下端面の高圧雰囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力の合計が上向きの力として作用し、そして定常運転時にはこの上向きの力が前述した下向きの力より大きくなるように設定されている。このため前記コンプライアントフレーム3は、前記上嵌合円筒面3dを前記ガイドフレーム15の上嵌合円筒面15aに、前記下嵌合円筒面3eを前記ガイドフレーム15の前記下嵌合円筒面15bに案内され、即ち、前記コンプライアントフレーム3は前記ガイドフレーム15に対して軸方向に摺動可能となっており、前記固定スクロール側(図1において上方)に浮き上がっている。また、圧縮機停止時,圧縮機起動直後の過度期や、圧縮室の内圧が異常に上昇したとき等には、前記ガイドフレーム15側へ押し付けられる。
【0028】
図3では(a)起動時負荷が小さいので、(b)に示すθ角は小さいが、(a)下図との前記主軸スラスト面10eに対する主軸4の下端面は冷凍機油を円周方向に掻き混ぜるので、軸方向での前記主軸4の主軸スラスト面10eとスラストプレート21面の間に油膜を形成する。(b)にて定常運転時は軸負荷Fによりθが増加するので、より主軸スラスト面10eから離れた高い位置にて冷凍機油を(b)下図の如く、主軸スラスト面10eと対する下端面において円周方向に掻き回すので軸方向での主軸スラスト面10eとスラストプレート21との間に油膜を形成する。
【0029】
図4に基づき前記コンプライアントフレーム3が上下動をする状況を以下に示す。前記コンプライアントフレーム3は上下に移動する。過度的に前記コンプライアントフレーム3が上下動を繰り返した場合、前記主軸4も前記コンプライアントフレーム3に設けられた前記主軸受3cおよび前記補助主軸受3hと前記主軸4cとの間の摩擦力によって,上下動する場合がある。しかし図3に示すように,主軸4の上端面4hと揺動スクロールボス底部2mとの隙間δ1は,主軸4に締結されたバランスウェイト20の上端面20aと揺動スクロール2のスラスト面2dとの隙間δ2よりも小さく、δ1<δ2となる。よって、主軸が浮上した場合でも高速で回転するバランスウェイト20が揺動スクロール2のスラスト面2dに接触することはない。
【0030】
また、図5に基づき前記主軸4が運転時に荷重を受けた状態を示す。前記主軸4は冷媒ガスを圧縮するときの負荷やバランスウェイト20、前記揺動スクロール2の遠心力によって、運転中撓んでいる。図5で(a)は圧縮機停止中または負荷がかかっていない状態である、これに対し(b)は揺動軸に力Fが作用した場合である。図に示すように前記主軸4が鉛直方向に対して撓んだ状態になると、前記主軸スラスト面4eも水平方向に対して傾いた状態となる。しかしながら主軸スラスト面4eに,中心部が外周部に対して凸となるような傾斜を設けることによりスラストプレート21と主軸スラスト面4eの接触角を低減することができる。
【0031】
図6に基づき前記主軸4の主軸スラスト面4eに付けたテーパ効果を示す。図6で(a)は主軸スラスト面4eが平面の場合で、(b)は主軸スラスト面4eにテーパを設けたものである。図6の(a)で冷媒ガスを圧縮する際の荷重による主軸スラスト面4eの傾きがθ1であるとき、主軸スラスト面4eとスラストプレート21との接触角θはθ=θ1となる。また、図6の(b)で冷媒ガスを圧縮する際の荷重による主軸スラスト面4eの傾きがθ1、主軸スラスト面4eのテーパがθ2とすると、主軸スラスト面4eとスラストプレート21の接触角θ’はθ’=θ1−θ2となる。よってθ>θ’となり、主軸スラスト面4eにテーパを設けた場合、接触角度が小さくなる。図6(a)において示したスラストプレート21に対する主軸スラスト面がなす接触角θ1は図5の主軸への負荷荷重Fが規定値2000Nの場合に相当する6×10−4のオーダの接触角の大きさとなって、図6におけるテーパ無しの場合であって、主軸スラスト面4eの外周円である縁部で点接触状態となり面圧が高まった状態である。本発明では図6(b)おけるθは6×10−4のオーダの接触角をなすがθ2≒6×10−4オーダのテーパを主軸スラスト面4eに形成する事により、θ≒0になり面接触状態へと接触圧が抑制された主軸4とスラストプレート間での摩耗や、万一の主軸4とスラストプレート21間への冷凍機油10eの供給量低減時においても主軸4とスラストプレート21間の摩耗、凝着の防止に有利となる。
【0032】
図7に基づき前記主軸4の主軸スラスト面に付けたテーパ効果を負荷する荷重を横軸にとり、縦軸に図7のθに相当する接触角度をとったグラフで、運転時間の最も多い条件2000Nの荷重が作用するときに、接触角度が0となるように主軸スラスト面4eのテーパθ2を6×10−4と決めればスラスト面の圧力を低減でき、主軸スラスト面4eの摩耗を小さくすることができる。
【0033】
図8〜図11を用いて、スラストプレートの摩耗低減に有効であるテーパの設定例を示す。図9において示すようにテーパTとは主軸スラスト面図中の図8〜10において、前記主軸スラスト面4eにおけるテーパTの設定例と各設定量に対するテーパ部の前記スラスト面4eからの浮き上がり量を圧縮機の停止時及び運転時における模式図で示す。また、図11において図8〜図10の条件下での試験結果を示す。図11において、横軸は試験経過時間であり、縦軸に摩耗量を示す。図8はテーパ無しの状態であり前記主軸スラスト面4eの外周縁に沿いスラストプレート21が接触し面圧が高くなり、スラストプレートの摩耗量は図11に示す曲線で示すよう試験経過時間600時間で0.6mgでありの他の図9、10に比較し最大摩耗量を示す。図9では、テーパが適当な大きさのため面圧は小さいため摩耗量はほぼ0と考えられる。図10では、テーパ大の場合であり試験経過600時間で摩耗量0.6mgとなり、テーパ適当な場合は600時間で摩耗量無しと考えられ、テーパ大の場合は600時間で摩耗量0.3mgになる。
【0034】
図12を用いてスラストプレート21と主軸4において両者を摺動した結果を示す。図において、前記スラストプレート21を焼き入れた高速度鋼とし、前記主軸4を炭素鋼材で焼き入れ有りまたは無しとし、図8または図9に示した前記軸径のDに対する前記テーパのTであるT/Dを0または2.8×10−4とし、圧縮機へ搭載した試験結果でスラスト摩耗量を調査した結果を示す。他の条件を固定した場合に、主軸4の条件の焼き入れ有りまたは無しで、焼き入れ無しでは焼入れ有りの場合に比較しスラスト摩耗量を少なくできる。また、他の条件を固定した場合に、T/Dを2.8×10−4またはテーパ0とした場合に、T/Dを2.8×10−4とした場合にスラスト摩耗量を少なくできる。結果として、主軸4は焼き入れ無し、T/Dを2.8×10−4とした場合スラスト摩耗量を最小化可能である。ここでθ≒0になり面接触状態へと接触圧が抑制された主軸4とスラストプレート間での摩耗や、万一の主軸4とスラストプレート21間への冷凍機油10eの供給量低減時においても主軸4とスラストプレート21間の摩耗、凝着の防止に有利となる角度であった主軸スラスト面4eのテーパθ2≒6×10−4に相当した角度として主軸4の半径=D/2に対する前記テーパTの比をもって定義するならばT/(D/2)≒6×10−4を得られる。
【0035】
実施の形態2.
上記実施の形態では、前記サブフレーム6に直接スラストプレート21を取り付けたものを示した。図13を用いて軸受部とフランジ部を別体とした図1とは異なる他の実施の形態を示す。なお、本実施の形態に記載以外の構成と動作は上記実施の形態1と同一である。
【0036】
図12において、前記サブフレーム6の構造は前記前記サブフレーム6に軸方向に長い円筒状の前記スラストホルダー31をネジで締結して取り付け、このスラストホルダー31に前記スラストプレート21を取り付ける構成である。前記スラストホルダー31には、側面部に前記スラストホルダー31内周と外周各面を貫通する穴31aを設けている。
【0037】
次いで図13に示した構成のスクロール圧縮機の軸受部につき動作を説明する圧縮機停止時に、密閉容器10の底に溜めた冷凍機油10eは、前記穴31aを通過し直接前記穴31aから隙間6bの狭い空間へと流れこ込み、前記スラストホルダー31の内周面と軸4の外周面と冷凍機前記油10eとの表面張力にの作用により前記スラストホルダー31の内周面と軸4の外周面とが構成する空間を満たす。
【0038】
圧縮機の起動後の軸4回転時は、冷凍機油10eは軸4の周囲の油圧が軸停止時より低下し、隙間6bへ冷凍機油吸込まれるため、冷凍機油10eはスラストホルダー31の内周面と軸4の外周面とが構成する空間を満たす。なお、従来は、油圧によりオイルハ゜イフ゜から吸引された冷凍機油10eを横穴4kを経由し狭い給油溝4hに対して給油して後、軸端面4eとスラストプレート21の間に初めて冷凍機油10eを供給したので、給油溝を僅かな量の冷凍機油10eが通過するに過ぎなかった。一方、本実施の形態によれば冷凍機油10eは前記穴31aを通過し直接前記穴31aから前記隙間6bの狭い空間へと流れ込み前記軸端面4eと前記スラストプレート21の間に初めて前記冷凍機油10eを供給できる。前記軸4の外周と前記スラストホルダー31の内径によって構成される前記隙間6bの油面は密閉容器10に溜まっている前記冷凍機油10eの油面と同一にすることができ、前記主軸スラスト面4eと前記スラストプレート21の摺動面に十分な油を供給できる。例えば、製品組立時に前記スラストホルダー31をサブフレーム6に組付ける前にスラストホルダー31の内周を予め、前記冷凍機油10eで潤滑しておき、主軸4の周囲の潤滑状態を確認しておくことが可能となる。
【0039】
また、前記スラストホルダー31を単品で前記サブフレーム6から外すことにより、前記スラストホルダー31を取り外し分解可能とした。よって、主軸の抜取りを容易にするので、リサイクル目的で製品を解体し、スクロール圧縮機の主軸とサブフレームと間での解体が容易になり解体コストを低減できる。
【0040】
実施の形態3.
図13及び14を使用して本発明の実施の形態の構成を説明する。上記の他の実施の形態では、前記サブフレーム6または前記サブフレームホルダー31に穴または溝を設けていた。しかし、図13に示すように主軸4外周と前記サブフレーム6または前記サブフレームホルダー31内周によって構成される隙間6bの油面を、前記密閉容器10内の前記冷凍機油10eと同一油面とするためには、前記スラストプレート21に密閉容器10内と前記隙間6bを連通する穴21aを設けた。なお、本実施の形態に記載以外の構成と動作は実施の形態と同一である。穴21aは溝であってもよい。
【0041】
図14に基づいて、スクロール圧縮機の軸受部の動作について説明する。圧縮機停止時に、前記密閉容器10の底に溜めた冷凍機油10eは、前記穴31aを通過し直接前記穴31aから隙間6bの狭い空間へと流れこ込み、スラストホルダー31の内周面と軸4の外周面と前記冷凍機油10eとの表面張力の作用により前記スラストホルダー31の内周面と前記軸4の外周面とが構成する空間を満たす。圧縮機の起動後の前記軸4回転時は、前記冷凍機油10eは前記軸4の周囲の油圧が軸停止時より低下し、前記隙間6bへ冷凍機油吸込まれるため前記、冷凍機油10eは前記スラストホルダー31の内周面と前記軸4の外周面とが構成する空間を満たす。なお、従来は、油圧によりオイルハ゜イフ゜から吸引された前記冷凍機油10eを横穴4kを経由し狭い給油溝4hに対して給油して後、軸端面4eとスラストプレート21の間に初めて冷凍機油10eを供給したので、給油溝を僅かな量の冷凍機油10eが通過するに過ぎなかった。一方、本実施の形態によれば前記冷凍機油10eは前記穴31aを通過し、直接前記穴31aから前記隙間6bの狭い空間へと流れ込み前記軸端面4eと前記スラストプレート21の間に前記冷凍機油10eを供給できる。そこで、例えば、製品組立時前記にスラストホルダー31をサブフレーム6に組付ける前に前記スラストホルダー31の内周を、予め前記冷凍機油10eを直接に塗布または注入しておき、前記主軸4の先端部等を潤滑しておくことが可能となる。
【0042】
また、前記スラストホルダー31を単品で前記サブフレーム6から外すことにより、前記スラストホルダー31を取り外し分解可能とした。よって、主軸の抜取りを容易にするので、リサイクル目的で製品を解体し、スクロール圧縮機の主軸とサブフレームと間での解体が容易になり解体コストを低減できる。
【0043】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので,以下に示すような効果を奏する。
【0044】
主軸下端スラスト面を中心部が外周部に対して凸となるような形状としたので、冷媒を圧縮する際の主軸の撓みによって、主軸スラスト面が傾いた場合でもスラストプレートとの接触角度を小さくすることができ、さらには接触面圧の上昇を抑えることができ、良好な摺動状態を得ることができる。
【0045】
また、主軸スラスト面に油溝を設けることによって、主軸スラスト面とスラストプレートとの摺動面に十分な冷凍機油を供給することができ、良好な摺動状態を得ることができる。
【0046】
さらに、サブフレームにサブフレーム内周と主軸外周で構成される隙間と密閉容器内部の冷凍機油溜まりを連通する溝または穴を設けることによって、この隙間の油面を密閉容器内部の冷凍機油溜まりとを同一油面とすることができ、主軸スラスト面とスラストプレートの摺動面に十分な冷凍機油が供給できると共に、磨耗粉等も排出でき信頼性の高い主軸スラスト軸受を構成することができる。
【0047】
また、スラストプレートに,サブフレーム内周と主軸外周で構成される隙間と密閉容器内部の冷凍機油溜まりを連通する溝または穴を設けることによって、この隙間の油面を密閉容器内部の冷凍機油溜まりとを同一油面とすることができ、主軸スラスト面とスラストプレートの摺動面に十分な冷凍機油が供給できると共に,磨耗粉等も排出でき信頼性の高い主軸スラスト軸受を構成することができる。
【0048】
また、主軸上端面と揺動スクロールボス底部との隙間を,主軸に締結されたバランスウェイト上端面と揺動スクロールスラスト面との隙間より小さくしたことによって、コンプライアントフレームの不安定な上下動により,主軸が過度的に浮上した場合でも、バランスウェイト上端面が揺動スクロールスラスト面に接触することがないものである。
【0049】
前記主軸スラスト面に対するテーパ傾斜に対し略接触角と同等にすることにより、冷媒を圧縮する際の主軸の撓みによって、主軸スラスト面が傾いた場合でもスラストプレートとの接触角度を小さくすることができ、さらには接触面圧の上昇を抑えることができ、良好な摺動状態を得ることができる。
【0050】
前記スラストプレートを保持する前記スラストホルダーを前記サブフレームと別体としたことにより、主軸スラスト面とスラストプレートとの摺動面に十分な冷凍機油を供給することができ、良好な摺動状態を得ることができる。また、スクロール圧縮機の組立て時に主軸とスラストホルダー間に冷凍機油を行き渡らせ良好な摺動状態を得ることができる。また、スクロール圧縮機において主軸とサブフレーム間解体が容易になり解体コストを低減できる。
【0051】
焼入した炭素鋼を前記スラストプレートとし、焼入しない高速度鋼を前記主軸として組合せたことによって、スラストプレートが主軸と接触して摩耗する事を防止することができる。
【0052】
この発明に係るスクロール圧縮機において前記主軸の径Dと前記テーパTの比率を6/10 000の値とし、主軸スラスト面とスラストプレートとの摺動面に十分な冷凍機油を供給することができ、良好な摺動状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の軸及び軸受要部断面図である。
【図3】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の要部断面図である。
【図4】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の主軸の撓みと主軸スラスト面の傾きの関係を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の軸及び軸受要部断面図である。
【図6】この発明の実施の形態関するスクロール圧縮機の軸及び軸受特性グラフである。
【図7】この発明の実施の形態に関する比較例を示す要部断面図である。
【図8】この発明の実施の形態を示す要部断面図である.
【図9】この発明の実施の形態に関する比較例を示す要部断面図である。
【図10】この発明の実施の形態及び比較例を示す特性グラフである。
【図11】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の軸及び軸受要部断面図である。
【図12】この発明の実施の形態での試験結果を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の要部断面図である。
【図14】この発明の実施の形態を示すスクロール圧縮機の要部断面図である。
【図15】従来のスクロール圧縮機を示す断面図である。
【図16】従来のスクロール圧縮機を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 、 2 揺動スクロール 、 3 コンプライアントフレーム 、 4 主軸 、 6 サブフレーム、 10 密閉容器 、 15ガイドフレーム 、 21 スラストプレート。

Claims (10)

  1. 密閉容器内に設けられ台板上にそれぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロール及び揺動スクロールと、この揺動スクロールを駆動する主軸を軸方向に支持する前記密閉容器の下方で冷凍機油中に配置されたスラストプレートと、前記主軸と前記スラストプレートとの接触面に中心部が外周部に対して凸となるようなテーパと、を備えた構成を特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 密閉容器内に設けられ台板上にそれぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロール及び揺動スクロールと、この揺動スクロールを駆動する主軸を軸方向に支持する前記密閉容器の下方で冷凍機油中に配置されたスラストプレートと、前記主軸においてスラスト面の摺動面に油を給油するための溝と、を備えた構成を特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 密閉容器内に設けられ、台板上にそれぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロール及び揺動スクロールと、前記密閉容器に締結され、前記揺動スクロールを軸方向に支持すると共にこの前記揺動スクロールを駆動する主軸を半径方向に支持するガイドフレームと、前記ガイドフレームの下方に配置され前記密閉容器に締結された電動機部と、さらに電動機部下方に配置され前記密閉容器に締結されるとともに前記主軸を半径方向に支持するサブフレームと、サブフレームに取り付けられるとともに前記密閉容器下方の冷凍機油中に配置され、前記主軸を主軸スラスト面で軸方向に支持し前記主軸スラスト面より硬度が高い材料の前記スラストプレートと、を備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. サブフレームに前記サブフレームの内径と主軸外周によって構成される隙間と密閉容器の内側の冷凍機油が溜まっている空間とを連通する溝または穴を設け、前記主軸下端のスラスト面と前記スラストプレートを前記冷凍機油中に没し隙間より前記主軸スラスト面の摺動部に対し前記冷凍機油を十分に供給できることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  5. スラストプレートにサブフレームの内径と主軸の外周によって構成される隙間と、密閉容器の内側の冷凍機油が溜まっている空間とを連通する溝または穴を設け、前記主軸スラスト面と前記スラストプレートを前記冷凍機油中に没し、前記隙間より前記主軸スラスト摺動部に対し冷凍機油を十分に供給できることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  6. 密閉容器内に設けられ台板上にそれぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロール及び揺動スクロールと、前記揺動スクロールの前記板状渦巻歯の反対側に設けられたボス部に揺動軸部を挿入することによって前記揺動スクロールを駆動する主軸と、前記揺動スクロールを前記主軸の軸方向に支持すると共に前記主軸に設けられた主軸部で半径方向に支持するコンプライアントフレームと、前記主軸の揺動軸部と主軸部の間に設けられた鍔部に締結され前記コンプライアントフレームの内側に設けられた空間に収まるように配置されたバランスウェイトと、前記コンプライアントフレームを半径方向に支持し前記密閉容器に締結されたガイドフレームと、前記ガイドフレームの下方に配置された電動機部と、この電動機部の下方に配置され前記密閉容器に締結され、前記主軸を半径方向に支持するサブフレームと、このサブフレームに取り付けられ前記密閉容器の下方にある冷凍機油中に配置するとともに前記主軸を軸方向に支持するスラストプレートを備え、揺動スクロールのボス部の底部と主軸上端面の隙間が前記揺動スクロールのスラスト面と主軸に締結したバランスウェイト上端面の隙間よりも小さく、主軸が過度的に浮上した場合でも、前記バランスウェイトが前記揺動スクロールスラスト面に接触することのない位置関係となっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  7. 主軸スラスト面に対するテーパ傾斜に対し接触角と同等にすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  8. スラストプレートを保持する前記スラストホルダーを前記サブフレームと別体としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のスクロール圧縮機。
  9. 焼入した炭素鋼を前記スラストプレートとし、焼入しない高速度鋼を前記主軸として組合せたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  10. 前記主軸の径Dと前記テーパTの比率を主軸の半径であるD/2を用い、T/(D/2)=6×10−4としたことを特徴とした請求項1乃至請求項8記載のスクロール圧縮機。
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