JP2005282247A - 復帰機構付き免震基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】拘束梁によって転倒を防止した低摩擦免震装置において、有効性のある復帰機構を提供する。
【解決手段】基礎Bに連動する基台6上に水平方向に移動可能に上部構造Gの荷重を支持する可動台9が載置され、該基台の上面には内周面が傾斜面をなし底面が平坦面を保持する広がり面を有する鍋状凹部6が形成され、該鍋状凹部に小球状の多数の転動子31が密実に一層を保って充填され、前記可動台は該転動子上に移動域を存して載置され、更に、基台6と可動台9との間に該可動台の周囲を囲繞して、所定のばね特性を保持し、一端が該基台に他端が該可動台に固設される複数の環状ばねが対称を保って配されてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、上部構造と下部構造との間に介装され、上部構造の荷重を支持するとともに地震動等の強制振動に対して上部構造の揺れを低減し免震する基礎構造いわゆる免震基礎構造に関し、更に詳しくは、建造物、機械又は床構造等の上部構造に適用され、該上部構造を支持するとともに地震時における振動を吸収する機能を果たす免震基礎構造に関する。
免震基礎構造に使用される免震支持装置として、現在一般に、ゴム板と鋼薄板とを交互に積層してなる積層ゴム体を主体とし、適宜該積層ゴム体に鉛プラグの封入される積層ゴム支承が採用されているが、このものは比較的大きな載荷能力を発揮し、弾性復帰作用を有する利点があるものの、上部構造の変位に追従して一体的にせん断変形を受けるので、支持面積が変化し、不安定性を免れない。また、ゴム弾性に依存するので、地震動に対する敏感な応答性が得られない。
一方、すべり或いは転がり機能を有する免震支持装置では、地震動に対する敏感な応答性が得られるが、その移動に伴う敏感性から構造物に不安定性をもたらし、上部構造の転倒モーメントを受け易いという欠点がある。
そこで、本発明者は先に、特願2002−197491(以下「先行技術」という)において、従来の免震基礎構造の欠点を解消する新規な免震基礎技術(装置及び方法)を提案した。
すなわち、該先行技術における免震支持装置は、次の構成を採る。
「基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と、該基台系に水平移動を許容して設置される可動台系とからなり、建造物、機械又は床構造等の上部構造が前記可動台系に直接もしくは該可動台系に載置される支持台系を介して連動する免震支持装置において、
前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に対称を保って立設される少なくとも2本の柱部材と、前記柱部材の上部において該柱部材間に剛性を保って架け渡される拘束梁とからなり、
前記可動台系は、前記基台の上面にすべり面を介してすべり可能に剛性体の可動台が載置され、該可動台には前記柱部材をすべり方向に移動間隙を存して受け入れる拘束孔が開設され、かつ該可動台の上面は前記拘束梁との当接によってすべり方向への移動のみが許容されて拘束され、
前記柱部材と可動台との間にはばね材を主体とする復帰機構が介装されてなる、ことを特徴とする。」
また、該先行技術における免震支持方法は、次の構成を採る。
「基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と、該基台系に水平移動を許容して設置される可動台系とからなり、建造物、機械又は床構造等の上部構造が前記可動台系に直接もしくは該可動台系に載置される支持台系を介して連動する免震支持装置をもって上部構造を免震支持する方法において、
前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に対称を保って立設される1又は2以上柱部材と、前記柱部材の上部において剛性を有し該柱部材より張設される拘束梁とからなり、
前記可動台系は、前記基台の上面にすべり面を介してすべり可能に剛性体の可動台が載置され、該可動台には、前記柱部材をすべり方向に移動間隙を存して受け入れる拘束孔が開設され、
前記柱部材と可動台との間にはばね材を主体とする復帰機構が介装され、
地震動に伴い前記基台と前記可動台とをすべり変位させ、前記可動台の上面を拘束梁によってすべり変位のみを許容して拘束してなる、ことを特徴とする。」(先行技術の作用)
常時において、上部構造Gの荷重は支持台、可動台、基台を介して下部構造Bに伝達され、支持される。本免震支持装置における支持面はすべり面であって、広い支持面を有し、かつ剛性体よりなるものであり、大きな載荷能力を有する。 このとき、風荷重が上部構造Gに作用したとしても、復帰機構に予圧縮が導入されているときには予圧縮力により移動は阻止される。
地震等の強制振動力が作用したとき、本免震支持装置は基台と可動台とのすべり面において上下の接続が切れており、下部構造B及び基台に生起する地震動は上部構造Gに殆ど伝播されない。
この間、上部構造Gと下部構造Bとの相対変位は、上部構造Gの荷重は可動台を介して基台に広い面積で支持されつつ、柱部材と拘束孔との間、及び拘束梁と拘束溝との間の所定の遊隙で吸収される。また、上部構造Gと下部構造Bとの相対変位は、水平面の全方向に生じるが、柱部材及び拘束梁回りの遊隙はこの変位を許容し、拘束することはない。そして、各柱部材に配された復帰機構により0点(初期)位置に速やかに復帰させられる。
更にまた、この変位において、上部構造Gに連動する可動台はその上面が拘束梁により押圧拘束され、該可動台の上揚力を封じ、上部構造Gに生じる転倒モーメントを阻止する。
(先行技術の効果)
この先行技術によれば、地震動に対し基台と可動台とのすべり面をもって上部構造を下部構造の振動から遮断し、かつ、そのすべり面は広い支持面をなすばかりでなく、水平状をなすので地震動による変位中においても上部構造に何ら悪影響(例えば縦振動)を与えることなく、かつ広い支持面を保持したまま有効に支持する。また、本免震支持装置は全体が剛性体よりなるので、支持面においても高い載荷能力を有し、小型化が図れる。
そして、地震動の変位は、本免震支持装置において所定の移動空間を保持することにより水平面の全方向に対処できる。
特に留意すべきは、本免震支持装置では、地震動の変位においても、上部構造に連動する可動台はその上面が拘束梁により均等に押圧拘束され、該可動台の上揚力を封じ、上部構造に生じる転倒モーメントを阻止し、免震機能とともに上揚力の阻止機能を共有する極めて有用なものとなっている。
また、本免震支持装置内の復帰機構により、減衰機能を発揮し、地震変位中においても速やかに初期位置に復帰することができるが、該復帰機構に予圧縮力を導入することにより、容易にトリガー機能を持たせることができる。
しかしながら、当該先行技術によれば、復帰機構のばねには圧縮若しくは引張りの直線状のコイルばねが使用され、この直線状コイルばねの特性に依存することになる。すなわち、該直線状コイルばねはその長さに比して弾性変位域が小さく、所定の弾性値を得るには一定以上の長さを確保する必要がある。従って、可動台系の移動域を確保するために十分な長さを要し、大きな設置空間を採ることになる。また、該先行技術においては、コイルばねは拘束孔回りに設置され、設置箇所が多数となり、その設置一にも検討が加えられる必要がある。
特開2004−36833公報
本発明は先行技術を更に発展させたものであり、従来のコイルばねを主体とする復帰機構の改善とともに、ばね体の改変並びにその設置位置の変更による装置の小型化を図る、ことを目的とする。
併せて、転がり性の改善もなすことも他の目的とする。
本発明の免震基礎構造は上記目的を達成するため、以下の構成を採る。
第1番目の発明の免震基礎構造(以下、第1発明という)は、請求項1のとおり、
基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と;該基台系に水平移動を許容して設置され、建造物、機械又は床構造等の上部構造に連動する可動台系と;からなる免震基礎構造において、
前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に立設固定される複数の柱部材と前記柱部材の上部において該柱部材間に剛性を保って架け渡される拘束梁とからなり、
前記可動台系は、前記基台の上面に水平方向に移動可能にして、かつ転動自在若しくはすべり自在に上部構造の荷重を支持する剛性体の可動台が載置され、該可動台は前記拘束梁の下面に当接する反力受材を有し、
前記基台と前記可動台との間には、該可動台の周囲を囲繞して、所定のばね特性を保持し、一端が該基台に他端が該可動台に固設される複数の環状ばねが対称を保って配されてなることを特徴とする。
以下の実施形態では、本発明の一実施形態としての免震支持装置を示すが、本発明は個々の装置に限定解釈されるものではなく、構造として把握されるべきである。
ここに、「反力受材」は以下の実施形態では可動台箱を採るが、当該態様に限定されない。「環状ばね」は、その具体例は以下の実施形態で示されるが、本発明の所期の目的を達成するものであれば実施形態に限定されない。
上記構成において、
1)環状ばねの固定は剛結であること、
2)環状ばねの固定はピン結合であること、
3)環状ばねは定常状態で応力がゼロであること、
4)環状ばねは定常状態で予応力(プレストレス)が与えられてなること、
は、適宜採択される選択的事項である。
(作用)
(A) 常時
常時において、上部構造の荷重は可動台及び基台を介して下部構造に伝達され、支持される。本免震支持装置における支持面は可動台の下面が広い支持面を有し、大きな載荷能力を有する。この状態で強風が作用したとき、ロック機構が作動し、可動台は不動状態を静止させ、ひいては上部構造を不動状態とし、風荷重に対抗する。
(B) 地震時
地震時において、地盤が強制振動力を受けると、基礎は一体に振動するが、上部構造は基台と可動台との転がり層・すべり面を介して移動が生じる(換言すれば、上部構造と下部構造との間に相対変位が生じる)。
この間、上部構造と下部構造との相対変位は、上部構造の荷重は可動台を介して基台に広い面積で支持されつつ、柱部材と拘束孔との間、及び可動台と基台との間の所定の遊隙で吸収される。
複数の環状ばねよりなるばね群は中立状態を保ち、かつ、変位域が大きく、この変位に容易に追従する。
また、上部構造と下部構造との相対変位は、水平面の全方向に生じるが、可動台及び柱部材回りの遊隙はこの変位を許容し、拘束することはない。
そして、可動台回りに配された復帰機構により0点(初期)位置に速やかに復帰させられる。
この移動において、上部構造に連動する可動台の反力受材は拘束梁との当接により可動台系の上揚力は拘束され、上部構造に生じる転倒モーメントを阻止する。
第2番目の発明の免震基礎構造(以下「第2発明」という)は、請求項2に記載のとおり、基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と;該基台系に水平移動を許容して設置され、建造物、機械又は床構造等の上部構造に連動する可動台系と;からなる免震基礎構造において、
前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に立設固定される複数の柱部材と
前記柱部材の上部において該柱部材間に剛性を保って架け渡される拘束梁とからなり、
前記可動台系は、前記基台の上面に水平方向に移動可能に上部構造の荷重を支持する剛性体の可動台が載置され、該可動台は前記拘束梁の下面に当接する反力受材を有し、前記基台の上面には内周面が傾斜面をなし底面が平坦面を保持する広がり面を有する鍋状凹部が形成されるとともに、該鍋状凹部に小球状の多数の転動子が密実に一層を保って充填され、前記可動台の下面は平坦状をなし、該転動子上に移動域を存して載置され、
前記基台系と可動台系との間には、該可動台の周囲を囲繞して、所定のばね特性を保持する複数の環状ばねが対称を保って配されてなることを特徴とする。
この第2発明は、「転がり支持態様」の免震基礎構造を示す。
ここに、「反力受材」は以下の実施形態では可動台箱を採るが、当該態様に限定されない。「環状ばね」は、その具体例は以下の実施形態で示されるが、本発明の所期の目的を達成するものであれば実施形態に限定されない。
上記構成において、
1)環状ばねの固定は剛結であること、
2)環状ばねの固定はピン結合であること、
3)環状ばねは定常状態で応力がゼロであること、
4)環状ばねは定常状態で予応力(プレストレス)が与えられてなること、
は、適宜採択される選択的事項である。
更にまた、上記構成において、
1)鍋状凹部の広がり面は円形であり、可動台はその水平断面形状が円形であり、全方向に移動可能である、
2)鍋状凹部の広がり面は矩形であり、可動台はその水平断面形状が矩形であり、その余裕空間に付き、一方向への移動可能である、
3)反力受材は可動台から張設される突設部材である、
4)前記鍋状凹部の内周面は、一定半径の曲率面に形成されてなる、
ことは、適宜採択される。
(作用)
(A) 常時
常時において、上部構造の荷重は可動台、転動子及び基台を介して下部構造に伝達され、支持される。本免震支持装置における支持面は可動台の下面が転がり層を構成する多数の小球(転動子)を介して広い支持面を有し、かつ転がり層は剛性体よりなるものであり、大きな載荷能力を有する。この状態で強風が作用したとき、ロック機構が作動し、可動台は不動状態に静止させ、ひいては上部構造を不動状態とし、風荷重に対抗する。
(B) 地震時
地震時において、地盤が強制振動力を受けると、基礎は一体に振動するが、上部構造は基台と可動台との転がり層を介して転がりが生じる(換言すれば、上部構造と下部構造との間に相対変位が生じる)。
すなわち、地震の発生とともにロックピンの負荷が解かれることにより、基台と可動台との自由移動を許すことになる。
(B-1) 転がり機構の動作・挙動
可動台の下面に接する転がり層の転動子は、小球であるので可動台を多点で支持し、かつ可動台の移動とともに該転動子自体も転動し、極めて小さな動摩擦性を発揮し、可動台の移動は円滑になされる。
可動台が移動するとき、該可動台の下面に接する転がり層を構成する転動子も転がり移動をなし、可動台とともに移動し、その方向の転動子は鍋状凹部の周縁の傾斜面に押し上げられ、盛り上がる。当該押し上げられた転動子は直ちに傾斜によりこぼれ落ち、あるいは両側方向に広がり、転がり層に戻される。
また、反対側においては、空隙部分を生じるが周辺の転動子並びに周縁の傾斜面に積み上げられている転動子により直ちに空隙部分を埋める。あるいは上記した戻されてきた転動子によっても空隙部分は埋められる。
可動台が逆方向に移動するとき、上記した状態とは逆となる。
可動台は揺動運動をなし、これに伴い転がり機構も上述のことを繰り返す。
この動作中、可動台は鍋状金具の平板部のみで移動をなし、上下動作の変位は生じない。
(B-2)
複数の環状ばねよりなるばね群は中立状態を保ち、かつ、変位域が大きく、この変位に容易に追従する。
また、上部構造と下部構造との相対変位は、水平面の全方向に生じるが、可動台及び柱部材回りの遊隙はこの変位を許容し、拘束することはない。
そして、可動台回りに配された環状ばねのばね弾性により0点(初期)位置に速やかに復帰させられる。
転がりによって生じる上部構造と下部構造との変位差は、許容量に近くなったとき、適宜に配されたストッパーにより移動が規制される。
この移動において、上部構造に連動する可動台の反力受材は拘束梁との当接により可動台系の上揚力は拘束され、上部構造に生じる転倒モーメントを阻止する。
本発明によれば、地震動に対し基台と可動台とはすべり面・転がり面をもって可動台を円滑に移動自在に支持し、可動台の横方向変位は水平状態を保持する。従って、地震動による変位中においても上部構造に何ら悪影響(例えば縦振動)を与えることがない。また、本免震支持装置はすべての部材が剛性体よりなるので、支持面においても高い載荷能力を有し、小型化が図れる。
そして、地震動の変位は、本免震支持装置において所定の移動空間を保持することにより水平面の全方向に対処できる。
そして、本免震支持装置では、地震動の変位においても、上部構造に連動する可動台系は可動台箱の下面板の上面が拘束梁により拘束され、該可動台系の上揚力が封じられ、上部構造に生じる転倒モーメントを阻止し、免震機能とともに上揚力の阻止機能を共有する極めて有用なものとなっている。
特に、本免震支持装置によれば、可動台回りに配される環状ばねは大きな変位域を有し、可動台の変位の障害になることなく、かつ、装置の小型化を達成することができる。
また、環状ばねは基台回りに配すれば足り、従来の柱部材の回りに配するのに比べて装置の構造が簡単化する。

本発明の免震基礎構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は本免震基礎構造の一実施形態としての免震支持装置を示す。すなわち、図1〜図3は本免震基礎構造の全体構成を示し、図4〜図10は各部分構成を示す。
本免震支持装置Sは、上部構造Gと下部構造Bとに介装設置され、上部構造Gの荷重を支持し、下部構造Bに伝達するとともに地震等の強制振動力より生起される上部構造Gの揺れに対して免震作用をなす。
図1〜図3に示すように、本実施形態の免震支持装置Sは、基礎又は地盤の下部構造Bに連動する基台系1と、該基台系1に所定の水平移動を許容して拘束される上部構造Gに連動する可動台系2と、前記基台系1と前記可動台系2との間に介装され、該可動台系2を転動自在に支持する転がり機構3及び可動台系2の変位を復帰する本発明に特有の復帰機構4を含む。なお、本実施形態において、前記基台系1と前記可動台系2との間にロック機構5が介装されるが、該ロック機構5は適宜省略されうる。
更に詳細には、基台系1は、上面に所定の凹部6aが形成された実質的に四角板状の基台6と、該基台6に立設される4本の柱部材7と、該柱部材7の上部において該柱部材7間に剛性を保って架け渡される拘束梁8とからなる。また、可動台系2は、基台1の凹部6aの底面上に転がり機構3を介して転動移動可能に載置される可動台9と、該可動台9に一体に固設され基台系1に連動する反力受材としての可動台枠10とからなる。該可動台枠10は種々の構造態様を採りうるものであり、本実施形態ではその一態様を示す。
復帰機構4は、この基台系1と可動台系2との間にあって、転がり機構3と相並んで、基台6と可動台9との間に設置される。
なお、基台6は地盤に設置された下部構造Bに埋設設置されるが、基台6を地盤中に打ち込まれた基礎杭12に直接的に固設する態様も採りうる。また、可動台枠10の上面には載置板14が固設され、上部構造Gに連動される。
以下、各部の細部構造に付いて説明する。
基台系1
基台系1は基台6と柱部材7と拘束梁8とからなり、固定系を構成する。
(基台6)
基台6は、上面に上方に開く凹部6aが形成され、全体としてコンクリート製をもって形成される。凹部6aには後記するとおり転がり機構3特にはその鍋状金具30が設置されるが、該凹部6aをもって鍋状金具30を兼ねることができる。この場合、その周壁部は傾斜面もしくは曲率面に形成される。
更に、基台6の上面には直円状の開口をもつ蓋枠15が固設され、その内周面16は可動台9の水平移動を一定範囲内に規制する。換言すればストッパー作用をなす。
(柱部材7)
柱部材7は、鋼製の円柱体よりなり、その基部のアンカー部17を基台6中に埋設して基台6の4か所に立設される。4本の柱部材7は互いに正四角形状の角部に配される。
(拘束梁8)
拘束梁8は、鋼製の四角断面梁材をなし、柱部材7の上部において該柱部材7間に剛結されるとともに同一水準を保って架け渡される。
拘束梁8の柱部材7への結合は、柱部材7の上部に被嵌される継手(図示せず)を介してもしくは溶接等により直接的に固定される。拘束梁8の下面8aは平坦面とされる。
上記の柱部材7及び拘束梁8には本実施形態ではロック機構5が内蔵されるものであり、内蔵空間を存して所要の強度を保持する。
可動台系2
可動台系2は可動台9と可動台枠10とからなり、該可動台枠10に載置板14が直接的に固設して、もしくは上下動緩衝手段(図11に示す。)を介して設置される。
(可動台9)
可動台9は、鋼製の一定径の円柱状をなす。該可動台9は十分に大きな径をなし大きな載荷力を発揮するとともに、下端には大径の沓18が被嵌され、その下面9aは平滑面をなし、基台6の上面の凹部6aの転がり機構3に水平を保って転がり移動可能に載置される。該可動台9の下縁部9bは大径とされ。、かつ丸みを有するが、必須ではない。
(可動台枠10)
可動台枠10は、鋼製の下面板20、上面板21、側面板22より剛性の四角箱状体をなし、可動台9に一体に固設される。
下面板20は、四角形(本実施形態では正方形)で、所定の厚さの平板体をなし、中央に大径の円孔24が開設され、可動台9と中心を一致して定位置状態を採る。かつ、所定位置に4つの円形状の孔すなわち拘束孔25が開設される。該下面板20の各拘束孔25の中心は定位置状態で柱部材7の中心と一致する。また、該下面板20の上面20aは平坦面とされ、拘束梁8の下面8aに当接する。
上面板21は、下面板20と同一外形の四角形状をなし、所定の厚さを有する。該上面板21は可動台9の上面に載置され、取付けボルト27をもって強固に固定される。
側面板22は、所定の厚さと高さを有し、下面板20と上面板21との周縁間に配され、それら板状体20,21を取付けボルト28をもって所定の間隔をもって一体化をなす。その空間は拘束梁8の高さを保持すれば足りるが、若干の余裕高さを有する。
可動台枠10が可動台9に定位置に固定されたとき、可動台枠10の下面すなわち下面板20の下面は基台6(もしくは蓋枠15)との上面と若干の空隙を保持する。
転がり機構3(図4、図6参照)
転がり機構3は、基台6の上面の凹部6aと可動台9の下面9aとの間に介装設置され、可動台9を転動自在に支持する。
詳しくは、該転がり機構3は、基台6の凹部6a内に装入設置される鋼製の鍋状金具30と、該鍋状金具30に密実に敷設される多数の小球状の転動子31とを主体とし、更には、可動台9の下面9a及びその下縁部9b、基台6のストッパー16を含む。上記した多数の転動子31は鍋状金具30内に一層に敷き並べられ「転がり層」を形成する。
以下、 更に本転がり機構3の構成要素に付き詳述する。
鍋状金具30は、平底部30Aと周縁部30Bとから浅底の円筒鍋状をなし、所定厚さの鋼板をもって形成され、 周縁部30Bを残してその余の平底部30Aは平坦な円板面をなす。平底部30Aの径Φ1は、 上方の可動台9の下面9aの径Φ2よりも十分に大きくされ、可動台9の全方向への移動を確保する。該鍋状金具30の周縁部30Bは、本実施形態では一定半径の曲面に形成されるが、その余の形状(例えば、傾斜面)を除外するものではない。
転動子31は、剛性(鋼製)の小球体よりなり、いわゆるボールベアリングが使用され、鍋状金具30の底面に密実に層状に敷き並べられ、転がり層を形成する。該転がり層は少なくとも鍋状金具30の平底部30Aの全体に及び、 更には本実施形態では鍋状金具30の周縁部30Bにも及んでいる。 しかして、該転動子30は極めて小さな動摩擦係数(具体値としては0.015)を示す。
可動台9はその下面9aを転動子31上に載置され、転がり層上を低摩擦で移動する。該可動台9の下縁部9bは丸みを持たせ、 転動子31上の移動の際にはひっかかりとはならない。
鍋状金物30の平底部30Aの径Φ1と可動台9の下面9aの径Φ2との差(Φ1−Φ2)だけ可動台9は水平に自由に動くことになるが、 それ以上の移動は可動台9の本体の側面が基台6のストッパー面16に当接して阻止される。
復帰機構4(図4、図5参照)
復帰機構4は、本発明に特有の構成を採り、基台系1と可動台系2との間にあって、転がり機構3と相並んで、基台6と可動台9との間にかつ可動台9を囲繞して設置され、可動台9の変位を復帰する。
詳しくは、該復帰機構4は、複数(本実施形態では8)の独立の環状ばね33が「ばね群」を形成し、かつ対称を保って基台6と可動台9とにその両端を固設される。すなわち、34は該環状ばね33と基台6との固定点、35は該環状ばね33と可動台9との固定点を示す。固定点34,35は剛結でもよいが、図6に示すようにピン固定にされることが好ましい。
図6において、34aは駒34bに形成された環状ばね33を挿通する挿通孔、34cは駒34bに一体に固設されたねじ棒である。ねじ棒34cを蓋枠15に開設されたボルト挿通孔15aに挿通し、ナット34dにより固定される。環状ばね33の端部に形成されたねじ部33aにナット33bが螺合され、環状ばね33の抜け止めをなす。
各環状ばね33は、ばね鋼棒をもって実質的に一重のらせん状をなし、両端部に加わる力に対して、所定の弾性率(高い弾性値、大きな疲れ強さ)をもって撓む性状を示す。
ばね群としてのこの復帰機構4は、どの方向からの水平変位力に対し、対応する。
ロック機構5(図8、図9参照)
ロック機構5は、固定台系1の柱部材7と可動台系2の上面板21との間に介装される。
詳しくは、該ロック機構5は、上面板21に固設されるとともに下方に開く球面凹部37を有する反力体38と、柱部材7に内蔵された油圧機構Uをもって上下動可能に上方へ押し出されるロックピン39とを主体とする。球面凹部37は所定の曲率をもって形成される。すべてのロックピン39は定位置で球面凹部37の頂点に位置する。ロックピン39は一定径の剛性体(金属)よりなり、上端39aは半球体をなし、その曲面をもって球面凹部38に点接触する。
ロックピン39が反力体38の球面凹部37の頂点すなわち中心に所定の力で押圧されているとき、反力体38は水平方向へ不動状態を採る(水平変位しない)。
ロックピン39が球面凹部37の頂点より偏位していると、ロックピン39の押圧作用により反力体38は変位動作を起こす。
油圧機構Uは、柱部材7内に油圧室40が形成され、該油圧室40内に配される戻しばね41をもってロックピン39を上方へ付勢し、油圧室40内に作動油を導出入する導孔42を有する。柱部材7及び拘束梁8にはロックピン39の出入する出入孔43,44が形成される。出入孔43にはシール材(Oリング)45が配され、作動油を密封する。
しかして、この油圧機構Uは、流体通路47を介して外部の油圧制御部Pに導かれる。
この制御部Pの一構成例を図8に示す。
図において、48は電磁駆動式の三方弁であり、駆動信号を受けて弁体48が回動され、作動流体の導通並びに開放動作をなす。
先ず、風圧系(P1)は、風圧検出器49、油圧モータ50及びこの三方弁48よりなり、所定以上の風速があると、風圧検出器49はこの風圧を検知して三方弁48を導通状態となし、油圧モータ50からの作動流体を流体通路47を介して油圧機構Uに送る。
これにより、ロックピン39は負荷状態となる。
常時においては、三方弁50は開放状態を採り、油圧機構Uの圧力は無負荷となり、ロックピン39は戻しばね41によって上方に付勢されている。
あるいは、低圧力で負荷される。
地震系(P2)は、地震検知器51及び該三方弁48よりなり、地震が発生すると地震検知器51はこの地震を検知し、強風時においても三方弁48を開放状態にし、油圧機構Uの圧力を開放する。これにより、ロックピン39は負荷が解かれる。
地震動が収まると、この状態を検知して三方弁48を導通状態となし、油圧モータ50からの作動流体を流体通路47を介して油圧機構Uに送る。これにより、ロックピン39は負荷状態となる。
載置板14・上部構造G
載置板14は、四角形状の所定厚さの鋼板よりなり、可動台枠10の上面に載置され、取付けボルト27をもって一体に固設される。該載置板14を介して上部構造Gが構築されるが、場合によっては載置板14を省略し、上部構造Gを可動台9もしくは可動台枠10上に構築することは可能である。該載置板14にアンカー材55が植設され、該アンカー材55を介して鉄筋コンクリート柱56が構築される。
該載置板14上に鉄骨柱が構築される場合には、載置板14にボルトが植設され、ナットをもって鉄骨柱を固設する態様を採ることは自由である。
諸元
本実施形態の免震支持装置Sの諸元の一例を示す。
鍋状金物30は、差し渡し径が900mm、深さが100mm、平底部の径が700mm、周縁部の曲率半径が100mmを採る。
転動子31は、径が10mmの鋼球であり、6300個使用される。
柱部材7は、径が50mmを採る。
可動台9は、本体の径が400mmを採る。
可動台枠10は、一辺が1m500mmを採り、その拘束孔25の径は400mmを採る。
しかして、免震支持装置Sは±100mmの可動域を保持する。
(本免震支持装置Sの組立て)
上記構成よりなる本免震支持装置Sの製作は次の手順による。
(1) 基台6を設置するとともに柱部材7を立設する。柱部材7は油圧機構Uを内臓するものであり、その配管もなされる。
(2) 基台6の凹部6aに鍋状金具30を設置し、該鍋状金具30内に転動子31を全面に敷設する。
(3) 蓋枠15を設置固定する。
(4) 可動台9を転がり層上に配する。復帰機構4の環状ばね33を可動台9と基台6(基枠15)との間に固定設置する。
(5) 可動台枠10の下面板20を、該下面板20の円孔25を可動台9に嵌装させ、また拘束孔24を柱部材7に嵌装させて設置する。ロック機構5の反力体38を設置する。
(6) 柱部材7間に拘束梁8を設置する。
(7) 下面板20に側面板22、上面板21を取り付け、可動台枠10を取付けボルト28をもって組み立てる。
(8) 載置板14を可動台枠10上に配し、取付けボルト27をもって可動台9へ一体に取り付ける。
叙上の免震支持装置Sでは、その基台6、可動台9、可動台枠10に付き、所定太さの一体性部材で形成する例を示したが、それらを所定厚さの板状体の積層をもって形成することがなされる。
図10に免震支持装置Sの積層構造態様を示す。
すなわち、基台6Aは複数の鋼板を積み重ね、縦ボルト・ビスをもって一体化し、上部に凹部6aを形成する。凹部6a内には鍋状金具30、転動子31が配される。蓋枠15Aは一枚の鋼板よりなる。
可動台9Aは多数の鋼板を積み重ね、縦ボルト・ビスをもって一体化してなる。
図示しないが、可動台枠10も鋼板の積層構造によることができる。
(本免震支持装置Sの取付け・配置)
本免震支持装置Sは、中層規模の鉄筋コンクリートもしくは鉄骨造の建造物Gに対して次のように配され、取り付けられる。
図11にその取付け・配置を示す。
地盤Eに対して適宜の基礎杭Kが打設され、該基礎杭Kの頭部をコンクリート基礎Bをもって剛結する。このコンクリート基礎B上に本免震支持装置Sの基台6がアンカーボルト等の適宜の固定手段を介して水準を保って設置される。
しかる後、上述した手順で本免震支持装置Sを組み立てる。
免震支持装置Sは、基礎Bに対称を保って均等に配される。4箇所を最少とするが、中層規模の建造物においては、それ以上の多数の免震支持装置Sが配される。本免震支持装置Sにあっては1基当たりの支持能力が高いので、比較的少なくてもよい。
免震支持装置Sの定位置において、各ロック機構5のロックピン39は上方への付勢力を受け、反力体38の球面凹部37の頂点に当接する状態を採る。
(本免震支持装置Sの作用)
本免震支持装置Sは建造物すなわち上部構造Gとコンクリート基礎すなわち下部構造Bとの間に介装され、上部構造Gの荷重を支持し、下部構造Bひいては地盤Eに該荷重を伝達するとともに、地震動に対する免震作用を発揮する。
(A) 常時
常時において、上部構造Gの荷重は、載置台14、可動台9、転がり機構3及び基台6を介して下部構造Bに伝達され、支持される。本免震支持装置Sにおける支持面は可動台9の下面9aが転がり層の多数の小球(転動子)31を介して広い支持面を有し、かつ転がり層は剛性体よりなるものであり、大きな載荷能力を有する。
また、復帰機構4においては、環状ばね33のばね群は中立状態を保ち、何らの偏倚力を与えない。
この状態で強風が作用したとき、別途配された風圧検出器49からの信号によりロックピン39に押圧力が負荷され、可動台9は不動状態を静止させ、ひいては上部構造Gを不動状態とし、風荷重に対抗する。
(B) 地震時
地震時において、地盤Eが強制振動力を受けると、基礎Bは一体に振動するが、上部構造Gは基台6と可動台9との転がり機構3を介して転がり作用が生じる(換言すれば、上部構造Gと下部構造Bとの間に相対変位が生じる)。
すなわち、地震の発生とともに地震検知器51からの信号により油圧機構Uの圧力が開放され、ロックピン39の負荷が解かれることにより、基台6と可動台9との自由移動を許すことになる。
(B-1) 転がり機構3の動作・挙動
可動台9の下面9aに接する転がり層の転動子31は、小球であるので可動台9を多点で支持し、かつ可動台9の移動とともに該転動子31自体も転動し、極めて小さな動摩擦性を発揮し、可動台9の移動は円滑になされる。
可動台9が移動するとき(A方向、図7参照)、該可動台9の下面9aに接する転がり層を構成する転動子31も転がり移動をなし、可動台9とともに移動し、その方向の転動子31は鍋状金具30の周縁部30Bに押し上げられ、盛り上がる。当該押し上げられた転動子31は直ちに周縁部30Bの曲面によりこぼれ落ち、あるいは両側方向に広がり、転がり層に戻される。
また、可動台9の反対側(B方向、図7参照)においては、転がり層には空隙部分を生じるが周辺の転動子31並びに周縁部30Bに積み上げられている転動子31により直ちに空隙部分を埋める。あるいは上記したA方向から戻されてきた転動子31によっても空隙部分は埋められる。
可動台9が逆方向(B方向)に移動するとき、上記した状態とは逆となる。すなわち、B方向側の転動子31は盛り上がり、反対方向(A方向)側は生じた空隙部分に周辺の転動子31は直ちにこれを埋める。
可動台9は揺動運動をなし、これに伴い転がり機構3も上述のことを繰り返す。
この動作中、可動台9は鍋状金具30の平底部30Aのみで移動をなし、上下動作の変位は生じない。
(B-2) 復帰機構4の動作・挙動
複数の環状ばね33よりなるばね群は中立状態を保ち、かつ、変位域が大きく、この変位に容易に追従する。
また、上部構造Gと下部構造Bとの相対変位は、水平面の全方向に生じるが、可動台9及び柱部材7回りの遊隙はこの変位を許容し、拘束することはない。
そして、可動台9回りに配された復帰機構4により0点(初期)位置に速やかに復帰させられる。
図12はこの動作を示す。すなわち、可動台9がイ方向に変位し、環状ばね33は例えば図示のように変形する。図示されるように、可動台9と基台6との間隔距離ロは圧縮ばねでは得られない小さな距離となる。
(B-3)
転がりによって生じる上部構造Gと下部構造Bとの変位差は、許容量に近くなったとき可動台9はストッパー16により当接し、移動が規制される。
この移動において、上部構造Gに連動する可動台枠10の下面板20は拘束梁8との当接により可動台系2の上揚力は拘束され、上部構造Gに生じる転倒モーメントを阻止する。
(本免震支持装置Sの効果)
本免震支持装置Sによれば、地震動に対し基台6と可動台9とは転がり機構3を介して上部構造Gを下部構造Bの振動から遮断し、かつ、その転がり層は多点支持面をもって可動台9を円滑に移動自在に支持し、該可動台9の変位は鍋状金具30の平底部30Aのみでなされるので可動台9の横方向変位は水平状態を保持する。従って、地震動による変位中においても上部構造Gに何ら悪影響(例えば縦振動)を与えることがない。また、本免震支持装置Sはすべての部材が剛性体よりなるので、支持面においても高い載荷能力を有し、小型化が図れる。
そして、地震動の変位は、本免震支持装置Sにおいて所定の移動空間を保持することにより水平面の全方向に対処できる。
更に本免震支持装置Sでは、地震動の変位においても、上部構造Gに連動する可動台系2は可動台枠10の下面板20の上面が拘束梁8により拘束され、該可動台系2の上揚力が封じられ、上部構造Gに生じる転倒モーメントを阻止し、免震機能とともに上揚力の阻止機能を共有する極めて有用なものとなっている。
特に、本免震支持装置Sによれば、可動台9回りに配される環状ばね33は大きな変位域を有し、可動台9の変位の障害になることなく、かつ、装置の小型化を達成することができる。
また、環状ばね33は可動台9回りに配すれば足り、従来の柱部材の回りに配するのに比べて装置の構造が簡単化する。
(他の態様)
環状ばねは叙上の態様に限定されない。
すなわち、環状ばねは一重に限らず二重、更には三重であってもよく、
丸鋼棒に限定されず角棒であってもよい。
図12はその種々の態様を示す。
(a)図のもの33Aは本実施形態の一重環状ばねの変形例であって、中間に小円環部を有する。勿論、一本のばね鋼棒を折り曲げたものである。
(b)図のもの33Bは二重環状ばねの態様を示す。
(c)図のもの33Cは、平ばね態様を示す。
(更に他の態様)
本発明は叙上の実施形態に限定されない。
叙上の実施形態では、可動台系2は可動台9に可動台枠10を固設し、下面板20の上面を拘束梁8に拘束してなるが、可動台9より上面が平滑な腕部材を延設し、該腕部材の上面を拘束梁8にて押圧する態様も採り得る。復帰機構は固定台系1と可動台系2との間に適宜介装される。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。
1)ロック機構5において、反力体38の球面凹部37は平坦面とされてもよい。更には、反力体38を廃し、ロックピン39はそのまま可動台枠10に当接させてもよい。
本発明の一実施形態の免震支持装置の全体構成を示す鉛直断面図(図2の1−1線断面図)。 同じく本免震支持装置の全体構成を示す水平断面図(図1の2−2線断面図)。 図2の3−3線断面図。 復帰機構の詳細縦断面図。 復帰機構の平面図。 図5の部分を示す図。 転がり機構の平面構成図。 ロック機構の詳細図。 ロック制御部の概念図。 本免震支持装置の他の構成例を示す図。 本免震支持装置の配置例を示す図。 復帰機構の作動要領を示す図。 環状ばねの種々の態様を示す図。 (a)図は一重ばねの他の態様を示す平面図。 (b)図は二重ばねの態様を示す立体図。 (c)図は平坦ばねを使用した態様を示す立体図。
符号の説明
S…免震支持装置、1…基台系、2…可動台系、3…転がり機構、4…復帰機構、6…基台、6a…鍋状凹部、7…柱部材、8…拘束梁、9…可動台、10…可動台枠、30…鍋状金具、31…転動子、33…環状ばね

Claims (3)

  1. 基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と;該基台系に水平移動を許容して設置され、建造物、機械又は床構造等の上部構造に連動する可動台系と;からなる免震基礎構造において、
    前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に立設固定される複数の柱部材と、前記柱部材の上部において該柱部材間に剛性を保って架け渡される拘束梁とからなり、
    前記可動台系は、前記基台の上面に水平方向に移動可能にして、かつ転動自在若しくはすべり自在に上部構造の荷重を支持する剛性体の可動台が載置され、該可動台は前記拘束梁の下面に当接する反力受材を有し、
    前記基台と前記可動台との間には、該可動台の周囲を囲繞して、所定のばね特性を保持し、一端が該基台に他端が該可動台に固設される複数の環状ばねが対称を保って配されてなる、
    ことを特徴とする免震基礎構造。
  2. 基礎又は地盤等の下部構造に連動する基台系と;該基台系に水平移動を許容して設置され、建造物、機械又は床構造等の上部構造に連動する可動台系と;からなる免震基礎構造において、
    前記基台系は、剛性体の基台と、前記基台に立設固定される複数の柱部材と、前記柱部材の上部において該柱部材間に剛性を保って架け渡される拘束梁とからなり、
    前記可動台系は、前記基台の上面に水平方向に移動可能に上部構造の荷重を支持する剛性体の可動台が載置され、該可動台は前記拘束梁の下面に当接する反力受材を有し、
    前記基台の上面には内周面が傾斜面をなし底面が平坦面を保持する広がり面を有する鍋状凹部が形成されるとともに、該鍋状凹部に小球状の多数の転動子が密実に一層を保って充填され、前記可動台の下面は平滑状をなし、該転動子上に移動域を存して載置され、
    前記基台と前記可動台との間には、該可動台の周囲を囲繞して、所定のばね特性を保持する複数の環状ばねが対称を保って配されてなる、
    ことを特徴とする免震基礎構造。
  3. 基台系と可動台系との間に強風時に作動するロック機構が介装される請求項1又は2のいずれかに記載の免震基礎構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5004374B1 (ja) * 2012-01-16 2012-08-22 淳致 萬谷 滑り、鋼球複合免震支承装置。
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